JP5366067B2 - 家具用面板及び家具用面板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、面材の厚肉化や製造工程の複雑化を招くことなくその強度を有効に向上させた家具用面板及び家具用面板の製造方法に関するものである。
従来より、スチール等の金属製の面板を用いて特許文献1に示すような筐体を構成する場合、面板は、矩形状の面材の四辺にそれぞれ補強材を、スポット溶接もしくはホットメルトによって取り付けるようにしているのが通例である。
特開2005−124725号公報
ところが、スポット溶接はポイント接着であって間欠的なものであるため、適切な接合状態を得るためには溶接箇所をある程度増やさなければならない。しかも、面全体が接着するわけでないので、補強材による強度向上には一定の限界があり、面材自体を厚肉化すれば重量化や材料コスト増を招く。また、天板等は通常、面材の表面に化粧面材が貼られるが、面材がそのまま表面材となる面板においては、スポット溶接痕が製品の外観品質を低下させる要因となる。
一方、ホットメルトによる場合は、面全体の接着が可能であるが、ホットメルトそれ自体がさほど高い接合強度を期待できないものであり、また、ホットメルトはホットプレスによる溶融工程とコールドプレスによる凝固工程を経て完了するが、温度管理が不十分であると不適切な状態で溶融、接着することがあるなど、特に接合強度が求められる箇所への適用は難しい。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、面材に補強材を簡単な手段を通じて適切に接合することができ、これにより面材の強度を有効に向上させた家具用面板等を提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係る家具用面板は、金属製の面材に対して強度と厚みを補う補強材を、少なくとも一部の接触面において当該面材の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤層を介して接着するとともに、その辺方向の間欠位置において前記面材と補強材との間に、溶接等によるポイント接着部を設けてなることを特徴とする。
このように、面材と補強材との接触面において、所定方向ほぼ全域に亘り接着剤層を介して補強材を接着するようにすれば、部材間をほぼ全面接着させて接着強度を高めることができる。特に、熱硬化性の接着剤を用いれば、それ自体に高い接着効果を期待することができる。このため、面材を厚肉化せずとも、補強材による補強を実効あらしめて面材の強度を有効に向上させることが可能となる。また、接着自体が面板の表面に影響を与えることがないので、ポイント接着を多用する場合に比して面板の外観品質を有効に向上させることができる。
補強材による補強効果を高めるためには、面材の辺に直接又は間接に折曲部を形成し、その辺に対応する補強材にも前記折曲部の内側に嵌り合う折曲部を形成して、両折曲部を嵌め合わせた状態で、補強材と面材との間に接着材層とポイント接着部を設けていることが望ましい。
この場合における取付構造の簡素化を図るためには、両折曲部を嵌め合わせる際に補強材の折曲部の内方端を面材の折曲部の内壁に突き当て、嵌め合い部から変位した箇所において補強材と面材との間に接着材層とポイント接着部を設けていることが好ましい。
勿論、嵌め合い部においても面材と補強材との間に接着剤層を設けていることが効果的である。
これらにおいて、面材全体の強度向上を図るためには、矩形状の面材の四辺に沿ってそれぞれ補強材を配し、各補強材を面材の対向箇所に接着材層とポイント接着部を介して接着していることが望ましい。
特に、面材のねじり剛性を有効に高めるためには、相隣接する補強材同士をコーナー部で溶接継手により連結していることが効果的である。
接着剤層とポイント接着部による相乗的な接着作用を得るためには、熱硬化性の接着剤層が導電性のものであり、当該接着剤層の領域内にポイント接着部を設けていることが好ましい。
面板全体を重量化することなく、面板の強度を有効に高めるためには、面材の裏面に更に裏面材が位置し、これら面材及び裏面材の間にペーパーハニカム等の軽量芯材が両面をホットメルト層で接着した状態で介在されることが望ましい。
以上のような家具用面板を利用すれば、所要の剛性を確保しつつ天板厚みの薄い天板等を有効に構成することができる。
一方、本発明に係る家具用面板の製造方法は、金属製の面材に対して強度と厚みを補う補強材を、少なくとも一部の接触面において当該面材の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤を塗布した上で添設し、その辺方向の間欠位置において前記面材と補強材との間を溶接等によるポイント接着によって仮固定した後、熱により接着剤を硬化させて面板部と補強材とを面接着するようにしたことを特徴とする。
このようにすれば、接着剤を単純に塗布し、必要最小限の箇所に溶接等を施した後に熱処理を施すだけで、面材に対して補強材を高い強度の下に取り付けることができる。しかも、硬化させる意思をもって熱を加えるまでは接着剤層は硬化しないため、歪みや応力が残った状態で不慮に硬化することを有効に回避することができる。このように、工数を増やすことなく、薄肉な面材からなる家具用面板に必要な強度を簡単かつ有効に付与することが可能となる。
家具用面板を洗浄する工程を含む場合には、熱による接着剤の硬化を、化成処理に伴う洗浄後の乾燥工程時の熱を利用して行うようにしていることが望ましい。
また、家具用面板を塗装する工程を含む場合には、熱による接着剤の硬化を、塗料を塗布した後に焼き固める工程時の熱を利用して行うようにしていることが望ましい。
面材の裏面にペーパーハニカム等の軽量芯材を介して裏面材が取り付けられる場合には、熱硬化性の接着剤の硬化後、面材の裏面に更に裏面材を、両面にホットメルト用の接着剤を塗布した軽量芯材を介して添設させ、しかる後、熱によりホットメルト層を溶融、固化させるようにしていることが好ましい。
本発明は、以上説明した構成であるから、補強材を簡単な手段を通じて適切に接合することができ、これにより面材の強度を有効に向上させた家具用面板及びそのための製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態に係る家具用面板たる天板Aは、図1に示すデスクに適用され、左右両端近傍の下面を脚Bによって支持されたものである。図2は天板Aの裏面図、図3は図2におけるIII−III線拡大断面図、図4は図2におけるIV−IV線拡大断面図、図5は図2におけるV−V線拡大断面図である。
これらの図面に示されるように、この天板Aは、金属製の面材1の四辺を前補強材2,後補強材3及び横補強材4によって補強したものである。その際、面材1の縁部を直接折り曲げ、或いは折り曲げた部材を取付固定することによって、当該面材1の四辺に前折曲部12,後折曲部13,横折曲部14を形成し、それらの折曲部12,13,14に前補強材2、後補強材3及び横補強材4の内方端側を嵌め合わせて、外方端側を接着剤層Qおよびポイント接着部Pによって固定している。
具体的に説明すると、前折曲部12は、図2及び図3に示すように、面板部11に連続する位置に、天板Aの前面(見付け面)となる前片12a及び傾斜片12bと、面板部11との間に天板厚みに対応した外寸を形成する面板対向片12cとを連設した概略L字形のもので、面板部11、前片12a、傾斜片12b及び面板対向片12cにかけての凹所に嵌め合い部が設定されている。
一方、前補強材2は、面板部11との間に天板厚みを形成する面板対向片21と、この面板対向片21の前縁側に形成した嵌め合い部となるチャネル状の前折曲部22と、前記面板対向片21の後縁側に形成したチャネル状の後折曲部23とを備えている。そして、図3に矢印で示すように、前補強材2の前折曲部22を面材1の前折曲部12に、前者の内方端に位置する立片22aを後者の見付け面となる前片12aの内壁に突き当てた状態で嵌め合わせ、前補強材2の各々の折曲部22,23の中間位置に設定した取付片22b、23bを面材1の面板部11の下面に添設させるようにしている。このとき、嵌め合い部から変位した位置に存する取付片23bと面材1の面板部11との接触面の何れか一方に、前補強材2の長手方向ほぼ全域に亘って熱硬化性の接着剤層Qが介在するように予め接着剤qを塗布しておく。前補強材2の面板対向片21には、前折曲部12の面板対向片12cと重合する位置に厚み分の段部が設けてあり、面板対向片12c、21同士が略面一に連続するようにしている。
また、後折曲部13は、図2及び図4に示すように、面板部11に連続する位置に、天板Aの後面となる後片13aと、面板部11との間に天板厚みに対応した外寸を形成する面板対向片13bと、この面板対向片13bに連続する立片13cとを連設したチャネル状のもので、面板部11、後片13a、面板対向片13b及び立片13cにかけての凹所に嵌め合い部が設定されている。
一方、後補強材3は、面板部11との間に天板厚みを形成する面板対向片31と、この面板対向片31の後縁側に形成した嵌め合い部となるチャネル状の後折曲部32と、前記面板対向片31の前縁側に形成したチャネル状の前折曲部33とを備えている。そして、図4に矢印で示すように、後補強材3の後折曲部32を面材1の後折曲部13に、前者の内方端に位置する立片32aを後者の後面となる後片13aの内壁に突き当てた状態で嵌め合わせ、後補強材3の各々の折曲部32,33の中間位置に設定した取付片32b、33bを面材1の面板部11の下面に添設させるようにしている。このとき、嵌め合い部から変位した位置に存する取付片33bと面材1の面板部11との接触面の何れか一方に、後補強材3の長手方向ほぼ全域に亘って熱硬化性の接着剤層Qが介在するように予め接着剤qを塗布しておく。後補強材3の面板対向片31と前折曲部12の面板対向片12cとは略面一に連続するようにしている。
さらに、横折曲部14は、図2及び図5に示すように、面板部11に連続する位置に、天板Aの側面となる側片14aと、面板部11との間に天板厚みに対応した外寸を形成する面板対向片14bと、この面板対向片14bに連続する立片14cとを連設したチャネル状のもので、面板部11、側片14a、面板対向片14b及び立片14cにかけての凹所に嵌め合い部が設定されている。
一方、横補強材4は、面板部11との間に天板厚みを形成する面板対向片41と、この面板対向片41の外縁側に段部41aを介して形成した嵌め合い部となるチャネル状の外折曲部42と、前記面板対向片41の内縁側に形成したチャネル状の内折曲部43とを備えている。そして、図5に矢印で示すように、横補強材4の外折曲部42を面材1の横折曲部14に、前者の内方端に位置する立片42cを後者の側面となる側片14aの内壁に突き当てた状態で嵌め合わせ、横補強材4の各々の折曲部42,43の中間位置に設定した取付片42d、43bを面材1の面板部11の下面に添設させるようにしている。このとき、嵌め合い部から変位した位置に存する取付片43bと面材1の面板部11との接触面の何れか一方に、横補強材4の長手方向ほぼ全域に亘って熱硬化性の接着剤層Qが介在するように予め接着剤qを塗布しておく。横補強材4の段部41aに連なる位置にある外折曲部42の横片42bは横折曲部14の立片14cに密接に対向し、面板対向片14b、41同士が略面一に連続するようにしている。
なお、前記各補強材2,3,4の面材対向片21、31,41と取付片23b、33b、43bとの間にはそれぞれ裏面材取付片24,34,44が、また各補強材2,3,4の内側に位置する折曲部23,33,43の内方端にはそれぞれ芯材取付片25,35,45が設けられている。
面材1の折曲部12,13,14と補強材2,3,4の折曲部22,32,42との間においても、前片12aと立面22aの間、後片13aと立片32aの間、横片14aと立片42cの間に、それぞれ必要に応じて接着剤層Qを設けておくことが望ましい。
そして、これらの熱硬化性の接着剤qは、熱を加えない限り接着機能を発揮しないので、図2〜図5に示すように、面材1の面板部11と前補強材2の取付片23bとの間、面材1の面板部11と後補強材3の取付片33bとの間、及び、面材1の面板部11と横補強材3の取付片33bとの間に、それぞれ補強材2,3,4の長手方向に沿った所要箇所に溶接等のポイント接着部Pを設けておく。通常の面板の場合、上記のポイント接着は多数箇所に施さなければならないが、この実施形態のポイント接着はあくまで補強材2,3,4がずれないように、或いは面材1との間に隙間が生じないように仮止めするだけであるから、それに必要な間欠位置に最小限設けるだけで足りる。ここでは、いわゆるスポット溶接と称される抵抗溶接が用いられ、接着剤層Qが設けられた領域内に適用される。このため、熱硬化性の接着剤qには導電性のものが採用されている。
また、熱硬化性の接着剤qとしては、この種の面板には通常、亜鉛めっき鋼板などが用いられることが多い点を考慮して、油面接着性があるもの、すなわち脱脂をせずに接着できるものを選定する。アクリル系やエポキシ系の接着剤では固まってしまうので、硫黄系硬化剤であるポリブタジエンゴム等を用いることが好ましい。この種の接着剤が機能する温度は概ね155℃〜160℃であり、通常の雰囲気下においては勿論のこと、例えば100℃程度であっても殆ど作用することはない。このため、長時間大気に晒しても殆ど機能が損なわれることがなく、二液反応剤のように塗布しただけで硬化することもないなど、接着剤に対してメンテナンスフリーである。
そして、このように補強材2,3,4を面材1に添設した段階で、これらが補強枠を構成するように構成してあり、その補強枠のコーナー部において、補強材2、3同士、補強材3,4同士、補強材4、2同士の適宜の部位を溶接継手Xを介して接合している。この実施形態の場合、図2に示すように前補強材3及び後補強材4は天板Aの巾寸法の略全域を占めているのに対して、横補強材4は天板Aの奥行き寸法よりも小さく設定されており、横補強材4の端面4aが前補強材2及び後補強材3の側面2b、3bに突き当たるように設定してある。これにより、前補強材2及び後補強材3の面材対向片21,31の両端部が横補強材4の面材対向面41とともに図1に示す脚Bの天板受け面b上に載せ置かれることになる。図4に示す前補強材2及び後補強材3の取付片23b、33bのうち、その長手方向端部23b1,33b1は、横補強材4の内部に潜り込ませてある。
そして、以上のように組み立てた天板Aに対して、この実施形態は塗装のために、先ず化成処理を施す。化成処理は、後に行う塗装の付き回りを良くし、防錆性能等をも高めるためのもので、表面に所要の薬品を塗布し、洗浄して、水切り乾燥させる工程からなり、このときに図6に示すように天板A全体に熱Hが加えられる。
また、上記の熱処理後に塗装工程を施す。この塗装工程では粉体塗料を塗布した後に焼き固める処理を行うが、このときにも図6に示すように天板A全体に熱Hが加えられる。
そして、それら化成処理工程時の熱Hや塗装工程時の熱Hは、熱硬化性の接着剤qが反応する温度条件を満たす関係にあり、これにより接着剤層Qが熱硬化して、図2〜図5に示す面材1の四辺に補強材2,3,4が、それらの長手方向ほぼ全域に亘って接着され、面材1を強固に補強する作用を発現する。
これらの化成処理や塗装処理は、天板Aを吊るした状態にて順次搬送しながら処理することが好ましい。天板A全体に均一に熱を作用させることができ、捩れの原因となるような応力も作用し難いため面精度が上がることが期待できるからである。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、面材1の裏面にペーパーハニカム等の軽量芯材5を介して裏面材6を取り付けるようにしている。
具体的には、図2及び図7に示す芯材取付片25,35,45によって矩形状に包囲される領域の内側に芯材5を取り付け、その上から、裏面材取付片24,34,44によって矩形状に包囲される領域の内側に裏面材6を、その周囲に設けた係合片6aを裏面材取付片24,34,44に係合させるように差し込むことによって取り付ける。前縁側の係合片6aには前補強材2の裏面材取付片24に設けた図示しないスリットに差し込まれる差し込み片6bが設けてあり、この差し込み片6bをスリットに差し込んだ状態で後縁側を適宜の止着具によって後補強材3に固定するようにしている。軽量芯材5を取り付ける際、図7に示すように、予め両面に予めホットメルト用の接着剤rを塗布して、取り付けた状態で図8に示すようにホットメルト層Rを軽量芯材5と面材1及び裏面材6との間に介在させておき、この後に圧力Prと熱h(冷熱を含む)を加えるホットプレス工程及びコールドプレス工程を順次実施することによって、軽量芯材5と面材1との間、及び軽量芯材5と裏面材6の間をそれぞれ面接着する。
上記の工程を再度簡単に説明するならば、面材1の曲げ加工工程→補強材2,3,4の取付工程(溶接等による仮止め状態で接着剤qはまだ固化していない)→接着剤qの固化を伴う塗装、焼付け工程→軽量芯材5を面材1の裏面に添設し、裏面材6を装着する組付工程(予め軽量芯材5の表裏両面にホットメルト用の接着剤rを塗布しておく)→ホットプレス工程→コールドプレス工程(このとき軽量芯材5に塗布した接着剤rが固化)となり、これによって最終的に図1に示すデスクの天板Aが完成されることとなる。
以上のように、この実施形態の天板Aは、金属製の面材1に対して強度と厚みを補う補強材2,3,4を、少なくとも一部の接触面において当該面材1の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤層Qを介して接着するとともに、その辺方向の間欠位置において前記面材1と補強材2,3,4との間に、溶接等によるポイント接着部Pを設けることによって構成したもの、つまり、面材1に補強材2,3,4をウェルドボンドすることによって構成したものである。
このように、面材1と補強材2,3,4との接触面において、所定方向ほぼ全域に亘り接着剤層Qを介して補強材2,3,4を接着するようにすれば、部材間をほぼ全面接着させて接着強度を有効に高めることができる。特に、熱硬化性の接着剤qを用いることで、それ自体に高い接着効果を期待することができる。このため、面材1を厚肉化せずとも、補強材2,3,4による補強を実効あらしめて面材1の強度、ひいては天板Aの強度を有効に向上させることが可能となる。また、接着自体が天板Aの表面に影響を与えることがないので、ポイント接着を多用する場合に比して天板Aの外観品質を有効に向上させることができる。
逆に強度が足りている場合には、面材1の更なる薄肉化にも資することができ、大量生産の場合に材料コストを削減できるとともに、天板Aの軽量化も有効に実現することができる。
また、上記で採用している接着剤qの効果としては、叙述したゲル状の状態にあるため、所要箇所に塗布した後に仮に面材1や天板Aを立て掛けることによって塗布面が傾いても流れ落ちるようなことがないし、柔らかくて塗り易いなど取り扱いに極めて好都合である。そして、この種の接着剤qには部材を引っ張る作用はないため、面材1と補強材2,3,4とを接着剤qを介して突合せ、ポイント接着した状態で面材1に応力が残っていて若干の捩れ等が存するときにも、化成処理や塗装の工程時までに応力がとれれば、面材1が捩れのない状態に戻ることを許容し、接着する意思をもって所要の熱を加えたときに始めて、接着剤qが硬化して補強材2,3,4を接着させる。このため、煩わしい温度管理等を要求されずに精度の高い製品製造が可能になる。また、部材間に僅かな隙間が残ったとしても、塗布したときに接着剤qにはある程度の厚みがあるため、隙間を埋める充填剤としての効果も期待することができる。
具体的には、面材1の辺に直接又は間接に折曲部12,13,14を形成し、その辺に対応する補強材2,3,4にも前記折曲部12,13,14の内側に嵌り合う折曲部22,32,42を形成して、両折曲部12,22同士、13、32同士、14,42同士を嵌め合わせた状態で、補強材2,3,4と面材1との間に接着材層Qとポイント接着部Pを設けている。このように、折曲部12,13,14によって面材1の面強度が増すだけでなく、これに補強材2,3,4の折曲部22,32,42を嵌め合わせるので、面材1の折曲部12,13,14が更に補強されると同時に、面材1と補強材2,3,4との接合強度も高まり、全体として補強材2,3,4による面材1に対する補強効果が更に向上することになる。
また、両折曲部12,22同士、13、32同士、14,42同士を嵌め合わせる際に補強材2,3,4の折曲部22,32,42の内方端を面材1の折曲部12,13,14の内壁に突き当て、嵌め合い部から変位した箇所において補強材2,3,4と面材1との間に接着材層Qとポイント接着部Pを設けている。このように補強材2,3,4の内方端が嵌め合い部で固定されることで、補強材2,3,4の外方端側を接着するのみでこれらの補強材2,3,4を面材1に適切に固定(仮固定を含む)することができるようになる。
特に、折曲部12,22同士、13、32同士、14,42同士を嵌め合わせる嵌め合い部においても面材1と補強材2,3,4との間に接着剤層Qを設けておけば、折曲部12,13,14の強度、ひいては面材1に対する補強材2,3,4全体の取付強度、補強効果を更に高めることができる。
より具体的には、矩形状の面材1の四辺に沿ってそれぞれ補強材2,3,4を配し、各補強材2,3,4を面材1の対向箇所に接着材層Qとポイント接着部Pを介して接着しているので、面材1の面板部11全体の強度を有効に高めることができる。
特に、相隣接する補強材2,3同士、3,4同士、4,2同士をコーナー部で溶接継手Xにより連結しているので、補強材2,3,4が連なって補強枠を構成することになり、面材1の面板部11に対するねじり剛性を有効に高めることができる。
また、熱硬化性の接着剤層Qが導電性のものであり、その接着剤層Qの領域内にポイント接着部Pを設けているので、接着剤層Qを介してスポット溶接等のポイント接着部Pを適切に設けることができ、これにより同一箇所に対して接着剤層Qとポイント接着部Pとによる重畳的な接着作用を得ることができる。
さらに、面材1の裏面に更に裏面材6が位置し、これら面材1及び裏面材6の間にペーパーハニカム等の軽量芯材5が両面をホットメルト層Rで接着した状態で介在されるので、面材1全体を重量化することなく、軽量芯材5によって面板11の強度を更に有効に高めることができる。
以上のような家具用面板を用いれば、薄肉であっても上載荷重に強い、外観品質の良好な天板Aを構成することが可能となる。
一方、本実施形態に係る家具用面板たる天板Aの製造方法は、金属製の面材1に対して強度と厚みを補う補強材2,3,4を、少なくとも一部の接触面において当該面材1の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤qを塗布した上で添設し、その辺方向の間欠位置において前記面材1と補強材2,3,4との間を溶接等によるポイント接着Pによって仮固定した後、熱により接着剤qを硬化させて面板部1と補強材2,3,4とを面接着するようにしている。このようにすることで、接着剤qを単純に塗布し、必要最小限の箇所に溶接等を施した後に熱処理を施すだけで、面材1に対して補強材2,3,4を高い強度の下に取り付けることができる。しかも、硬化させる意思をもって熱を加えるまでは接着剤qは硬化しないので、歪みや応力が残った状態で不慮に硬化することを有効に回避することができる。このように、工数を増やすことなく、薄肉な面材1からなる天板Aに必要な強度を簡単かつ有効に付与することが可能となる。
特に、熱による接着剤qの硬化を、化成処理時の水切り乾燥時の熱を利用して行うようにしているので、熱硬化に必要なプロセスを敢えて設けなくてよく、製造効率を有効に担保することができる。
加えて、熱による接着剤qの硬化を、塗装工程において粉体塗装を焼き固める際の熱をも利用して行うようにしているので、工程を増やさずにより確実な接着作用を担保することができる。そして、最後に熱処理後に塗装工程を施すようにしているので、天板Aの外観、ひいてはデスクの外観を有効に向上させることが可能となる。
さらにまた、この実施形態の天板Aは、面材1の裏面にペーパーハニカム等の軽量芯材5を介して裏面材6が取り付けられるものであり、熱硬化性の接着剤qの硬化後、面材1の裏面に更に裏面材6を、両面にホットメルト用の接着剤rを塗布した軽量芯材5を介在させて添設させ、しかる後、熱によりホットメルト層Rを溶融、固化させるようにしており、熱硬化性の接着剤qとホットメルト用の接着剤rとにそれぞれ適時必要な入熱をなすことができるので、これらの接着剤層Q、Rを通じて天板A全体の強度向上を有効に実現することが可能となる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、ポイント接着部は、熱硬化性の接着剤層から外れた位置に設けることを妨げず、手法としてはガス溶接やアーク溶接、或いはレーザ溶接その他のポイント接着手段によることもできる。
溶接の場合には、溶接ガンを用いNCによって所定箇所に施すことが効果的であり、その際にインバータ溶接機などを用いれば、電流をコントロールでき、溶接痕を極力目立ちにくくすることができる。
接着剤の塗布工程では、接着剤をポンプで送って数値制御で所要箇所に所要長さで塗布することが効率的である。上記の種類の接着剤qであれば通常温度では変化せず、言うなれば歯磨き粉のような柔らかいゲル状の状態がほぼ一定に保たれるので、ポンプで送ってノズルからインジェクトし易く、制御に適する。その後に塗布した状態が適切に維持されるのは叙述したとおりである。
その他、本発明を天板以外の家具用面板に適用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る家具用面板たる天板を適用したデスクの斜視図。 図1の天板を示す裏面図。 図2におけるIII−III線拡大断面図。 図2におけるIV−IV線拡大断面図。 図2におけるV−V線拡大断面図。 同天板に対する化成処理、塗装処理時の熱の入力の様子を示す図。 同天板を構成する面材に軽量芯材及び裏面材を取り付ける様子を示す模式的な図。 同天板のホットメルト工程を示す図。
符号の説明
1…面材
2,3,4…補強材
5…軽量芯材
6…裏面材
12,13,14…面材の折曲部
22,32,42…補強材の折曲部
A…家具用面板(天板)
P…ポイント接着部
Q…熱硬化性の接着剤層
q…熱硬化性の接着剤
R…ホットメルト層
r…ホットメルト用接着剤

Claims (13)

  1. 金属製の面材に対して強度と厚みを補う補強材を、少なくとも一部の接触面において当該面材の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤層を介して接着するとともに、その辺方向の間欠位置において前記面材と補強材との間に、溶接等によるポイント接着部を設けてなることを特徴とする家具用面板。
  2. 面材の辺に直接又は間接に折曲部を形成し、その辺に対応する補強材にも前記折曲部の内側に嵌り合う折曲部を形成して、両折曲部を嵌め合わせた状態で、補強材と面材との間に接着材層とポイント接着部を設けている請求項1記載の家具用面板。
  3. 両折曲部を嵌め合わせる際に補強材の折曲部の内方端を面材の折曲部の内壁に突き当て、嵌め合い部から変位した箇所において補強材と面材との間に接着材層とポイント接着部を設けている請求項2記載の家具用面板。
  4. 嵌め合い部においても面材と補強材との間に接着剤層を設けている請求項2又は3記載の家具用面板。
  5. 矩形状の面材の四辺に沿ってそれぞれ補強材を配し、各補強材を面材の対向箇所に接着材層とポイント接着部を介して接着している請求項1〜4のいずれかに記載の家具用面板。
  6. 相隣接する補強材同士をコーナー部で溶接継手により連結している請求項5記載の家具用面板。
  7. 熱硬化性の接着剤層が導電性のものであり、当該接着剤層の領域内にポイント接着部を設けている請求項1〜6のいずれかに記載の家具用面板。
  8. 面材の裏面に更に裏面材が位置し、これら面材及び裏面材の間にペーパーハニカム等の軽量芯材が両面をホットメルト層で接着した状態で介在されている請求項1〜7のいずれかに記載の家具用面板。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の家具用面板を用いて構成されていることを特徴とする天板。
  10. 金属製の面材に対して強度と厚みを補う補強材を、少なくとも一部の接触面において当該面材の辺方向のほぼ全域に亘り熱硬化性の接着剤を塗布した上で添設し、その辺方向の間欠位置において前記面材と補強材との間を溶接等によるポイント接着によって仮固定した後、熱により接着剤を硬化させて面板部と補強材とを面接着するようにしたことを特徴とする家具用面板の製造方法。
  11. 家具用面板を洗浄する工程を含む場合において、熱による接着剤の硬化を、化成処理に伴う洗浄後の乾燥工程時の熱を利用して行うようにしている請求項10記載の家具用面板の製造方法。
  12. 家具用面板を塗装する工程を含む場合において、熱による接着剤の硬化を、塗料を塗布した後に焼き固める工程時の熱を利用して行うようにしている請求項10又は11記載の家具用面板の製造方法。
  13. 面材の裏面にペーパーハニカム等の軽量芯材を介して裏面材が取り付けられる場合において、熱硬化性の接着剤の硬化後、面材の裏面に更に裏面材を、両面にホットメルト用の接着剤を塗布した軽量芯材を介して添設させ、しかる後、熱によりホットメルト層を溶融、固化させるようにしている請求項10〜12のいずれかに記載の家具用面板の製造方法。
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