JP2009067361A - 車体のルーフ構造及び車体の製造方法 - Google Patents

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貢 深堀
Toshiyuki Gendo
俊行 玄道
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Abstract

【課題】車体のルーフ構造及び車体の製造方法において、軽金属製ルーフパネルと鋼製ルーフサイドレールの接合工程や車体の塗装工程でのルーフパネルの熱膨張を抑制し、ルーフパネルの歪み変形を低減すること。
【解決手段】ルーフパネル7の車両幅方向の両側部のフランジ部7aに、車両前後方向に延びた1対の熱膨張抑制部材9を接合し、熱膨張抑制部材9は、少なくとも車両幅方向両端部が熱硬化性接着剤11でルーフパネル7のフランジ部7aに接合された後、熱膨張抑制部材9がルーフサイドレール5に接合される。
【選択図】図4

Description

本発明は、軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合する車体のルーフ構造及び車体の製造方法に関するものである。
自動車の車体等においては、主に軽量化を目的として、鋼板製の構造にアルミニウム板を併用した構造が広く実用化されている。この鋼板とアルミニウム板とを接合する接合技術として、ブラインドリベット、セルフピアッシングリベット、クリンチング等を用いた機械的接合技術が採用されている。例えば、特許文献1の車体部材の接合構造においては、アルミニウム製ルーフパネルの接合部が、鋼製ルーフサイドレールの接合部と楔形状の非貫通型のセルフピアッシングリベットによりリベット接合されている。
他方、軽金属製ルーフパネルの接合部と鋼製ルーフサイドレールの接合部を摩擦熱を利用して接合する摩擦点接合技術の適応が考えられる。例えば、アルミニウム合金製のルーフパネルの接合部と、鋼製のルーフサイドレールの接合部とを重ね合わせた状態で、摩擦点接合装置の回転ツールによりルーフパネル側からルーフパネル及びルーフサイドレールが押圧され、回転ツールがルーフパネルの接合部と接触して回転することで発生する摩擦熱により、ルーフパネルが軟化し塑性流動化して、ルーフパネルの接合部とルーフサイドレールの接合部を固相状態でスポット接合する。
上述の機械的接合方法や摩擦点接合方法を用いて軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合する車体の製造方法においては、先ず、サブアッセンブリ工程において複数の補強部材やフロントヘッダー及びリヤヘッダーがルーフパネルに接合される。次に、ルーフパネルとルーフサイドレールの接合部が機械的接合や摩擦点接合にて接合される。次に塗装工程において、車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる。
特開2005−119577号公報
特許文献1の車体部材の接合構造においては、アルミニウム製のルーフパネルの左右側縁部に前後方向に延びる断面山形状のビードを形成し、車体組み付け後の電着塗装工程の焼付乾燥時にルーフパネルとルーフサイドレールとの熱膨張差に起因するルーフパネルの熱歪み変形を抑制している。しかし、ルーフパネルの左右縁部にビードを形成しただけでは、焼付乾燥時のルーフパネルの熱膨張を抑制できず、乾燥処理後の常温時にルーフパネルの車両幅方向に歪み変形が残る虞がある。
従来の車体の製造方法においては、車体組み付け後の塗装工程において、車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる際、乾燥炉において熱膨張率の大きいルーフパネルが熱膨張し、乾燥処理後の常温時にルーフパネルに歪みが残るという問題がある。
本発明の目的は、車体のルーフ構造及び車体の製造方法において、軽金属製ルーフパネルと鋼製ルーフサイドレールの接合工程や、車体の塗装工程でのルーフパネルの熱膨張を抑制し、ルーフパネルの歪み変形を低減することである。
請求項1の車体のルーフ構造は、軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合した車体のルーフ構造において、ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接合し、熱膨張抑制部材は、少なくとも車両幅方向両端部が接着剤でルーフパネルに接合されることを特徴としている。
この車体のルーフ構造においては、ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に熱膨張抑制部材が接着剤で接合され、ルーフパネルがルーフサイドレールに接合され、接合時のルーフパネルの歪み変形が抑制される。
請求項2の車体のルーフ構造は、請求項1の発明において、ルーフパネルと熱膨張抑制部材とで閉断面構造を形成することを特徴としている。
請求項3の車体のルーフ構造は、請求項1又は2の発明において、熱膨張抑制部材が鋼製であり、熱膨張抑制部材とルーフサイドレールとが溶接により接合されることを特徴としている。
請求項4の車体のルーフ構造は、請求項1〜3の発明の何れかにおいて、熱膨張抑制部材は、車両幅方向に延びる複数の補強部材と連結されることを特徴としている。
請求項5の車体の製造方法は、軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合した車体の製造方法において、ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接着剤で接合する第1工程と、次にルーフパネルをルーフサイドレールに接合する第2工程と、次に車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる第3工程とを備えたことを特徴としている。
この車体の製造方法では、熱膨張抑制部材がルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に接着剤で接合される。次に、ルーフパネルがルーフサイドレールに接合され、車体に塗装が施された後、車体の塗膜を乾燥硬化する際の乾燥炉おいてルーフパネルの熱膨張が抑制される。
請求項1の発明によれば、軽金属製ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接合し、熱膨張抑制部材は、少なくとも車両幅方向両端部が接着剤でルーフパネルに接合されるので、熱膨張抑制部材によりルーフパネルの剛性を高め、ルーフパネルの熱歪み変形を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、ルーフパネルと熱膨張抑制部材とで閉断面構造を形成するので、車体剛性を高めることができる。
請求項3の発明によれば、熱膨張抑制部材が鋼製であり、熱膨張抑制部材とルーフサイドレールとが溶接により接合されるので、熱膨張抑制部材を鋼製とすることで、ルーフサイドレールと溶接が可能となり、接合強度を高めることができる。
請求項4の発明によれば、熱膨張抑制部材は、車両幅方向に延びる複数の補強部材と連結されるので、ルーフパネルの補強効果を一層高め、ルーフパネルの熱歪み変形を確実に低減することができる。
請求項5の発明によれば、ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接着剤で接合する第1工程と、次にルーフパネルをルーフサイドレールに接合する第2工程と、次に車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる第3工程とを備えたので、熱膨張抑制部材により、乾燥炉でのルーフパネルの熱膨張を抑制でき、乾燥後の常温時のルーフパネルの歪み変形を低減することができる。
本実施例は、軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合する車体のルーフ構造及び車体の製造方法に、本発明を適用した一例である。
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、ワゴン系の自動車の車体構造は、左右1対のフロントピラー1、左右1対のセンタピラー2、左右1対のフロントピラー1の上端部を連結するフロントヘッダー3、左右1対のリヤピラー4の上端部を連結するリヤヘッダー6、フロントピラー1の上端とセンタピラー2の上端とリヤピラー4の上端近傍部に亙って延設された左右1対のルーフサイドレール5と、ルーフ構造とを有し、ルーフ構造のルーフパネル7以外の諸部材は鋼板製のものである。尚、図2は、ルーフパネル7を省略して図示した自動車の車体構造Mの要部平面図である。以下の説明では、自動車における前後左右を前後左右として説明する。
ルーフ構造は車体構造Mの上端に配置されるものであり、このルーフ構造は、アルミニウム合金製からなるルーフパネル7と、このルーフパネル7の下面側に鋼製フロントヘッダー3と、鋼製リヤヘッダー6と、鋼製の複数の補強部材8a〜8dと、鋼製の1対の熱膨張抑制部材9とを有する。
図1に示すように、1対の熱膨張抑制部材9は車両前後方向に延び、フロントヘッダー3及びリヤヘッダー6の左右両端部と複数の補強部材8a〜8dの左右両端部と連結している。つまり、フロントヘッダー3と、リヤヘッダー6と、複数の補強部材8a〜8dと、1対の熱膨張抑制部材9は一体形成されており、鋼板をルーフパネル7に適合する大きさ及び形状に成形した後、打ち抜き加工及びプレス加工により形成される。
図2に示すように、各補強部材8a〜8dのフランジ部の接合部とルーフパネル7の接合部は、熱硬化性シーラ10で接合されている。また、ルーフパネル7の接合部とフロントヘッダー3の後端側フランジ部の接合部及びリヤヘッダー6の前端側フランジ部の接合部も、熱硬化性シーラ10で接合されている。
熱硬化性シーラ10は、高温下で発泡して硬化するマスチック樹脂を主成分とする合成ゴム系のシーラであり、硬化後は良好な接着性と適当な弾性を有する。そのため、ルーフパネル7と各補強部材8a〜8dとの間に熱硬化性シーラ10を介在させることにより、ルーフパネル7に付設された補強部材8a〜8dによる補強効果を高めると共に、走行中におけるルーフパネル7の振動を抑制できる。
1対の熱膨張抑制部材9は熱硬化性接着剤11でルーフパネル7の車両幅方向の両側部内側に接合されている。図3,図4に示すように、車体構造Mにおいて、熱膨張抑制部材9は、壁部9aと、この壁部9aの下端から車両幅方向外側に屈曲した底壁部9bなどを有する。壁部9aの上端のフランジ部9cが熱硬化性接着剤11でルーフパネル7のコーナー部の近傍に接合され、底壁部9bの端部のフランジ部9dがルーフパネル7の縦壁部7bの下端のフランジ部7aに熱硬化性接着剤11で接合され、熱膨張抑制部材9とルーフパネル7の車両幅方向の両端のフランジ部7aとで矩形状の閉断面構造が車両前後方向に連続的に形成される。
熱硬化性接着剤11としては、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤などの化学反応型接着剤が用いられる。
図4に示すように、ルーフパネル7に接着接合された熱膨張抑制部材9は、ルーフサイドレール5に接合されている。車体構造Mにおいて、キャブサイドアウタ5aとキャブサイドインナ5bとで閉断面構造のルーフサイドレール5が形成され、キャブサイドアウタ5aとキャブサイドインナ5bの間には鋼製の補強板12が配設され、このルーフサイドレール5の上端部にはキャブサイドアウタ5aと補強板12のフランジ部とキャブサイドインナ5bのフランジ部を電気抵抗スポット溶接した接合部が予め形成されており、この接合部の上面に熱膨張抑制部材9のフランジ部9dを重ね合わせ、レーザー溶接装置(図示略)を用いて、ルーフサイドレール5の接合部と熱膨張抑制部材9のフランジ部9dとがレーザー溶接にて接合される。
レーザー溶接装置は、レーザー溶接機と、位置決め治具と、レーザー溶接機から照射されるレーザー光線の延長上に位置する位置決め治具の縦穴などを備えている。
図2に示すように、フロントヘッダー3の前端側フランジ部は複数の摩擦点接合部13でルーフパネル7の前端側フランジ部の接合部に接合され、リヤヘッダー6の後端側フランジ部接合部は複数の摩擦点接合部14でルーフパネル7の後端側の接合部に接合されている。
ここで、上記の摩擦点接合及びその他の摩擦点接合を行う摩擦点接合装置19について説明する。図6、図7に示すように、接合ガン20を装備したロボット21と、ロボット21と接合ガン20を駆動制御する制御装置28と、接合ガン20でスポット接合する2枚(叉は、3枚)の金属板部材を重ね合わせた状態で位置決め保持するワーク保持装置(図示略)とを備えている。
ロボット21は汎用の6軸垂直多関節型ロボットであり、そのロボットハンドの先端部に接合ガン20が装備されている。このロボット21が、接合ガン20をワーク保持装置(図示略)で位置決め保持された金属構成部材をスポット接合動作位置と、この接合動作位置から退避した待機位置とに亙って移動させる。
図7に示すように、接合ガン20は、受け具22と、回転ルーツ23と、回転ツール駆動機構24とを有する。受け具22と回転ツール23は上下に対向状に配設され、受け具22はL字状のアーム25の下先端部に着脱可能に上向きに取付られ、アーム25の上部側に回転ツール駆動機構24が設けられ、この回転ツール駆動機構24に回転ツール23が着脱可能に下向きに取付られている。回転ツール駆動機構24は、回転ツール23を接合軸Xを中心として回転させる回転モータ26と、回転ツール23を接合軸Xに沿って昇降させて複数の金属板部材を押圧する昇降モータ27とを有する。
図6に示すように、制御装置28は、ロボット21の各種電動アクチュエータ(図示略)にハーネス29を介して接続されて、それらアクチュエータを夫々駆動制御し、また、接合ガン20の回転モータ26と昇降モータ27にハーネス30と中継ボックス31とハーネス32を介して接続され、これら回転モータ26と昇降モータ27を夫々駆動制御する。
図5に示すように、回転ツール機構24により回転ツール23を回転させながら、昇降モータ27により回転ツール23を下降させ、回転ツール23をルーフパネル7に押圧する。回転ツール23がルーフパネル7と接触することで発生する摩擦熱により、ルーフパネル7が軟化し塑性流動して、これに伴い、回転ツール23と接触圧力の高い部分のルーフパネル7の前端側の接合部7bがせん断され、このせん断された部分へ摩擦熱を受けて軟化した接着剤層15やフロントヘッダー1のフランジ部の接合部1aの亜鉛メッキ層16が拡散し、ルーフパネル7の接合部7aとフロントヘッダー1の接合部1aが融点以下の温度の固相状態で摩擦点接合(溶融を伴わない固相状態のままの摩擦点接合)が形成される。
次に、車体を製造する車体の製造方法について、図8に示す製造工程図に基づいて説明する。尚、図8中のPi(i=1,2,・・・)は各工程を示す。
P1〜P4のサブアッセンブリ工程において、1対の熱膨張抑制部材9と複数の補強部材8a〜8dがルーフパネル7に接合される。P1において、図9に示すように、4本の補強部材8a〜8dと、フロントヘッダー3及びリヤヘッダ6ーと、1対の熱膨張抑制部材9の一体品が、治具上にセットされ、シーラ塗布装置(図示略)により、フロントヘッダー3の後端側フランジ部と各補強部材8a〜8dとリヤヘッダー6の前端側フランジ部との連結部の上面に熱硬化性シーラ10が車両幅方向に所定間隔おきに適量塗布される。
次に、1対の熱膨張抑制部材9の外側のフランジ部9dの上面に、接着剤塗布装置(図示略)にて熱硬化性接着剤11が車両前後方向に連続的に適量塗布される。また、熱膨張抑制部材9と各補強部材8a〜8dの連結部周辺の上面及び熱膨張抑制部材9とフロントヘッダー3及びリヤヘッダー6の連結部周辺の上面にも、熱硬化性接着剤11が連続的に適量塗布される。
次に、P2(第1工程)において、図10に示すように、1対の熱膨張抑制部材9の外側フランジ部9dの上面に、ルーフパネルの車両幅方向両端側のフランジ部7aの下面を重ね合わせ、熱膨張抑制部材9がルーフパネル7に熱硬化性接着剤11で接着接合される。
次に、P3において、ルーフパネル7の前端側接合部が、摩擦点接合装置19でフロントヘッダー3の前端側フランジ部に車両幅方向において所定間隔おきに摩擦点接合される。ルーフパネル7の後端側の接合部が、摩擦点接合装置19でリヤヘッダー6の後端側フランジ部の接合部に車両幅方向において所定間隔おきに摩擦点接合される。なお、ルーフパネル7とフロントヘッダー3及びリヤヘッダー6の複数の摩擦点接合部13,14は、車両幅方向において中央部から端部側に向けて順次、摩擦点接合される。
次に、P4において、図11に示すように、ルーフパネル7側からインダクション方式(電磁誘導加熱方式)のヒータ17が、車両前方方向(矢印方向)に移動して、ルーフパネル7を介して熱硬化性接着剤11がヒータ17により高温下(例えば、150℃)で所定時間加熱されて硬化する。また、熱硬化性シーラ10もヒータ17で加熱されて硬化する。ヒータ17は、ルーフパネル7のうちの熱硬化性接着剤11やシーラ10が塗布された箇所のみ局部的に加熱する。
次に、P5(第2工程)において、図12に示すように、1対の熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5とをレーザー溶接にて接合する。ルーフサイドレール5の上端部に熱膨張抑制部材9のフランジ部9dを重ね合わせて、ルーフパネル7側からレーザー溶接機から照射されるレーザー光線により、熱膨張抑制部材9のフランジ部9dがレーザー溶接にてルーフサイドレール5の上端部に接合される。このレーザー溶接による熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5の接合は、車両前後方向において中央部から端部側に向けて複数箇所行われる。
次に、P6の塗装工程(第3工程)において、車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる。車体の塗装は、前処理工程、下塗り工程(電着塗装工程)、中塗り工程、上塗り工程の順で行われる。下塗り工程において、車体に電着塗装を施してから水洗後、乾燥炉で焼付け乾燥する際、ルーフパネル7に接合された熱膨張抑制部材9により、乾燥炉でのルーフパネル7の熱膨張が抑制され、乾燥処理後、常温に戻った時にルーフパネル7に歪み変形がほとんど残らない。
以上説明した実施例1の車体のルーフ構造及び車体の製造方法の作用効果について説明する。
サブアッセンブリ工程において、アルミニウム合金製ルーフパネル7の車両幅方向の両側部内側に、鋼製の1対の熱膨張抑制部材9が熱硬化性接着剤11で接着接合される。次に、熱硬化性接着剤11がヒータ17により加熱されて硬化するので、ルーフパネル7と1対の熱膨張抑制部材9との接合強度(接着力)が高められると共にルーフパネル7の剛性を十分に確保できる。また、ルーフ構造の車両幅方向両側部において、ルーフパネル7と熱膨張抑制部材9とで閉断面構造を形成するので、車体剛性を高めることができる。そのため、側突時の衝突エネルギーを有効に伝達することができる。
サブアッセンブリ工程において、1対の熱膨張抑制部材9に塗布された熱硬化性接着剤11がヒータ17により加熱され硬化するので、塗装工程において、電着塗装工程における乾燥炉でルーフパネル7が熱膨張した状態で熱硬化性接着剤11が硬化することがなく、乾燥処理後の常温時のルーフパネル7の歪み変形を低減することができる。また、サブアッセンブリ工程において、熱硬化性シーラ10もヒータ17により加熱され硬化するので、塗装工程における乾燥炉においてルーフパネル7が熱膨張した状態で熱硬化性シーラ10が硬化することがなく、乾燥処理後の常温時のルーフパネル7の歪み変形を低減することができる。
サブアッセンブリ工程の後、ルーフパネル7に接着接合した熱膨張抑制部材9がルーフサイドレール5にレーザー溶接にて接合されるので、熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5との接合強度を高めることができる。
塗装工程において、車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる際、熱膨張抑制部材9により、乾燥炉においてルーフパネル7の熱膨張が抑制され、乾燥処理後、常温に戻った時のルーフパネル7の歪み変形を確実に低減できる。
次に、実施例2に係る車体のルーフ構造について図13〜図15に基づいて説明する。実施例2の車体のルーフ構造のうち、前記実施例1の車体のルーフ構造及び車体の製造方法と同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
図13〜図15に示すように、ルーフパネル7の車両幅方向の両端のフランジ部7aには複数の孔部18が形成され、これら孔部18が車両前後方向に所定間隔おきに形成されている。孔部18は、溶接装置の先端のスポット溶接用ガンの径よりも大きく形成され,熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5とをスポット溶接で接合する為に形成されたものである。図14に示すように、熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5とを接合する際、スポット溶接用のガンが孔部18を挿通し、そのスポット溶接用のガンが熱膨張抑制部材9の上面に接触し、熱膨張抑制部材9のフランジ部9dとルーフサイドレール5の上端部とが電気抵抗スポット溶接にて接合される。
図16に示すように、ルーフパネルの車両幅方向の両端のフランジ部7aには、複数の切欠き部33を形成してもよい。これら切欠き部33はルーフパネル7のフランジ部7aに車両前後方向に所定間隔おきに形成されている。この切欠き部33は、スポット溶接用のガンの径よりも大きく形成されている。熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5とを接合する際、スポット溶接用のガンが切欠き部33を挿通し、そのスポット溶接用のガンが熱膨張抑制部材9の上面に接触し、熱膨張抑制部材9のフランジ部9dとルーフサイドレール5の上端部とがスポット溶接にて接合される。なお、熱膨張抑制部材9とルーフサイドレール5との溶接による接合は、レーザー溶接で接合してもよい。
次に、実施例3に係る車体のルーフ構造について図17、図18に基づいて説明する。実施例3の車体のルーフ構造のうち、前記実施例1の車体のルーフ構造及び車体の製造方法と同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
実施例3の車体のルーフ構造おいては、1対の熱膨張抑制部材34のフランジ部34dが熱硬化性接着剤11でルーフパネル7の縦壁部7bに接合される。図17、図18に示すように、熱膨張抑制部材34の壁部34aの上端のフランジ部34cが熱硬化性接着剤11でルーフパネル7のコーナー部の近傍部に接合され、底壁部34bの右端から下方へ屈曲したフランジ部34dが熱硬化性接着剤11でルーフパネル7の縦壁部7bに接合され、熱膨張抑制部材34とルーフパネル7の縦壁部7bとで矩形状の閉断面構造が車両前後方向に連続的に形成される。熱膨張抑制部材34のフランジ部34dとルーフパネル7の縦壁部7bとを熱硬化性接着剤11で接合することにより、ルーフパネル7の上下方向の変形を効率的に抑制することができる。なお、この実施例3においては、アルミニウム合金製のルーフパネル7のフランジ部7aと鋼製のルーフサイドレール5は、図5に示すような摩擦点接合、又はリベット接合などの機械的接合により接合される。
次に、実施例4に係る車体のルーフ構造について図19、図20に基づいて説明する。実施例4の車体のルーフ構造のうち、前記実施例1の車体のルーフ構造及び車体の製造方法と同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
実施例4の車体のルーフ構造においては、図19、図20に示すように、熱膨張抑制部材35が熱硬化性接着剤11でルーフパネルのコーナー部7c全体に接合される。これにより、ルーフパネル5の剛性を高め、ルーフパネル7の熱歪み変形を抑制することができる。なお、この実施例4においても、アルミニウム合金製のルーフパネル7のフランジ部7aと鋼製のルーフサイドレール5は、図5に示すような摩擦点接合、又はリベット接合などの機械的接合により接合される。
次に、前記実施例1〜4を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕実施例1〜4においては、フロントヘッダー3と、リヤヘッダー6と、複数の補強部材8a〜8dと、1対の熱膨張抑制部材9,34,35とを一体形成したが、これらの部材3,6,8a〜8d,9,34,35を別体に形成してもよく、又、別体のものを溶接により一体化してもよい。
2〕実施例1〜4においては、熱膨張抑制部材9,34,35とルーフサイドレール5とをレーザー溶接や抵抗スポット溶接にて接合したが、その他、アーク溶接により接合してもよい。
3〕実施例1〜4においては、接着剤として熱硬化性接着剤11を使用したが、常温硬化性接着剤を使用してもよい。この場合、製造工程において、ヒータ17により接着剤を加熱硬化させる必要がなく、車体組み付けの効率化を図ることができる。
4〕実施例1〜4においては、鋼製の熱膨張抑制部材9,34,35を適用したが、軽金属製(アルミニウムやアルミニウム合金など)の熱膨張抑制部材を適用してもよい。この場合、熱膨張抑制部材とルーフサイドレール5は、摩擦点接合や機械的接合により接合される。
5〕実施例1〜4においては、ルーフパネル7とフロントヘッダー3及びリヤヘッダー6は摩擦点接合しているが、これに代えて、接着剤11による接合を適用してもよい。
6〕実施例1〜4においては、アルミニウム合金製のルーフパネル7を適用したが、アルミニウム製のルーフパネルを適用してもよい。
7〕実施例1〜4においては、ワゴン系の自動車の車体構造に、本発明を適用した場合について説明したが、セダン系の自動車の車体構造にも、本発明を適用できる。
8〕実施例1〜4の車体の製造方法においては、サブアッセンブリ工程において熱硬化性接着剤11を加熱硬化したが、熱膨張抑制部材9をルーフサイドレール5に接合した後、加熱硬化したもよい。
9〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例1〜4に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
車体構造とルーフ構造の分解斜視図である。 ルーフパネルを除いて図示した車体構造の要部平面図である。 ルーフパネルと熱膨張抑制部材の要部拡大斜視図である 図3のIV−IV線断面図である。 2枚の板材を摩擦点接合した接合箇所の拡大断面図である。 摩擦点接合装置の側面図である。 摩擦点接合装置の接合ガン周辺の要部拡大側面図である。 実施例1の車体の製造方法の製造工程図である。 熱膨張抑制部材に熱硬化性接着剤が塗布された図である。 ルーフパネルと熱膨張抑制部材とを接合した図である。 ルーフパネル側からヒータで熱硬化性接着剤を加熱硬化させる図である。 熱膨張抑制部材とルーフサイドレールとを接合した図である。 実施例2のルーフ構造を示す部分拡大斜視図である。 図13のXIV−XIV線断面図である。 ルーフパネルのフランジ部に設けた孔部を示す部分拡大斜視図である。 ルーフパネルのフランジ部に設けた切欠き部を示す部分拡大斜視図である。 実施例3のルーフ構造を示す部分拡大斜視図である。 図17のXVIII−XVIII線断面図である。 実施例4のルーフ構造を示す部分拡大図である。 図19のXX−XX線断面図である。
符号の説明
5 ルーフサイドレール
7 ルーフパネル
8a〜8d 補強部材
9,34,35 熱膨張抑制部材
11 熱硬化性接着剤

Claims (5)

  1. 軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合した車体のルーフ構造において、
    前記ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接合し、
    前記熱膨張抑制部材は、少なくとも車両幅方向両端部が接着剤でルーフパネルに接合される、
    ことを特徴とする車体のルーフ構造。
  2. 前記ルーフパネルと熱膨張抑制部材とで閉断面構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の車体のルーフ構造。
  3. 前記熱膨張抑制部材が鋼製であり、前記熱膨張抑制部材とルーフサイドレールとが溶接により接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体のルーフ構造。
  4. 前記熱膨張抑制部材は、車両幅方向に延びる複数の補強部材と連結されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車体のルーフ構造。
  5. 軽金属製ルーフパネルを鋼製ルーフサイドレールに接合した車体の製造方法において、
    前記ルーフパネルの車両幅方向の両側部内側に、車両前後方向に延びた熱膨張抑制部材を接着剤で接合する第1工程と、
    次に前記ルーフパネルをルーフサイドレールに接合する第2工程と、
    次に車体に塗装を施してから車体の塗膜を乾燥炉で乾燥硬化させる第3工程と、
    を備えたことを特徴とする車体の製造方法。
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JP2013184503A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Toyota Motor Corp ルーフサイドレールとルーフパネルの接合構造
JP2015147570A (ja) * 2014-02-06 2015-08-20 本田技研工業株式会社 車両のルーフ構造体
CN114954669A (zh) * 2022-05-28 2022-08-30 四川野马汽车股份有限公司 一种汽车顶盖骨架结构

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