JP2013104293A - ボウセイドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外表面部材と内表面部材及び補強部材で構成される鋼製ドアの溶接組立において、溶接箇所を最小にすると共に仕上げ工程を簡略する。
【解決手段】 ドア用鋼板の厚さ1.6mm〜0.6mmの薄鋼板の少なくとも三方の周縁部に折曲部を形成し、外表面部材と内表面部材と補強部材とで構成されている鋼製ドアにおいて、外表面部材は少なくとも三方周縁部のL字型の折曲部から折返しコ字状に加工し、小口面を外表面板に含ませてしまう構造にし、又内表面部材の少なくとも三方の周縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、塞ぎ部材的な構造とする。外表面部材の折曲部の折返し状のコの字状部の平坦面と内表面部材の先端部を突合わせた入隅部を溶接する構成にし、レーザービーム溶接を使用し溶着する。室内側の突き当て面のみに溶接痕が残る組方となり、極力溶接を使わず、溶融亜鉛めっき鋼板の組織破壊を最小限に抑え、溶融亜鉛めっき鋼板の持つ防錆性能を十分に引き出せる錆びにくいドアを生産する製造方法である。
【選択図】図7

Description

本発明は、事務所等の出入り口となる建築物の開口部に設けられる錆にくい鋼製ドアの技術分野に属するものである。
一般に、この種の事務所等の出入り口となる建築物の開口部に設けられるドアの中には、表裏一対の鋼板の少なくとも三方に折曲部を形成し、これら折曲部同志を溶接により一体化することで所定のドア厚を存するように構成した鋼製ドアが知られている。このような鋼製ドアにおいて、表裏鋼板同志の一体化をレーザービーム溶接により行うことが提唱されており、これによって、鋼板の変形を防止することができ、かつ、溶接痕の残らない一体化を実現している方法が提案されている(特許文献1参照)。
鋼製ドアの製造において、溶接工法を用いながら、歪み発生の極小化、作業工数の低減による作業時間の短縮化を図る。骨材等の一方面を予め表面材にレーザービーム溶接により溶着させるとともに、裏面材を骨材の他方面に敷設した後、表面材と裏面材との周縁部にレーザービーム溶接を行ない、表面材、裏面材及び骨材等を一体構造とする鋼製ドアの提案がある(特許文献2参照)。
表裏一対の鋼板の少なくとも三方の周縁部に折曲部を形成し、互いに対向する折曲部同志をレーザービーム溶接して所定のドア厚を有した鋼製ドアを構成するにおいて、鋼製ドアは、周縁部のうち上縁部または下縁部、あるいは上下両縁部の折曲部をそれぞれL字状のL字状部に形成し、これらL字状部をドア厚調整自在に積層して構成されている鋼製ドアも提案されている(特許文献3参照)。
亜鉛鋼板をレーザービームにより溶着体とするにあたり、溶着部にピットが形成されないようにするために、亜鉛鋼板を適宜切断、折曲加工した表裏面板同志を溶着して、溶着部は、表面板の切断面である先端面を裏面板の左右方向右端縁の表側面に対して突当て、一方の面板の板面に対し、他方の面板の板端面を突当てるようにし、該突当て部をYAGレーザーにより溶接した扉が提案されている(特許文献4参照)。
鋼板で構成される構造体の複数の鋼板を重ね合わせて形成された重ね部の最上段の鋼板の上面からレーザービームを照射して、鋼板の重ね部のレーザー溶接において、重ね部の予定されるレーザー溶接ビードの延長線上の始終端から30mm以内の範囲に仮付けを施し、この重ね部をレーザー溶接する鋼板で構成された構造体の重ね部のレーザー溶接における溶接部の遅れ、破壊を防止できるレーザー溶接方法が提供されている(特許文献5参照)。
鋼板をレーザービームで溶接する技術は、種々存在するが、扉に使用する方法は少なかった。しかし扉に使用する場合でも鋼板の厚さにも制限をもって、組み立て方法、溶接方法にも煩雑な条件を設けていた。また扉のかなりの部分に接合・溶接を行っていた。そのために長時間の使用において錆、変色などの問題が生じていた。
特開2002−174082号公報 特開2002−70431号公報 特開2004−176327号公報 特開2003−1456号公報 特開2008−178905号公報
従来の鋼製ドアの製造方法としては、表裏一対の表面板の周縁部(少なくとも3方)の折曲部をL字型のL字状部に形成にし、折曲部の先端部同志を小口面で突き当てて、スポット溶接し、仕上げることが一般的に行われている。尚、この製造方法の仕上げ工程においては、溶接部のサンダー仕上げと錆止め塗装時のパテ処理(パテ塗り及びパテ研ぎ)が避けられない。
さらに、このような鋼製ドアを量産するにあたり、鋼板の切断時における寸法誤差、折曲部の形成時における誤差を考慮する必要がある。特に、折曲部の端面同志を溶接するようなものにおいては、寸法誤差が生じたような場合では、折曲部の端面同志を全長にわたってぴったりと当接させることができない。そのため、小口部は全長にわたりサンダー仕上げを余儀なくされている。
この場合に、表面鋼板の板厚が厚いものであれば溶接をすることで隙間を埋めることが可能であるが、鋼板の板厚が薄くなるほど隙間を埋めるのが難しく、寸法誤差の吸収ができないことも想定され、不良品の発生率が高くなってしまうという問題があった。
また上記の問題点と合わせて、表面処理鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)のめっき層の溶接による破壊及びサンダー仕上げによる破壊が原因となる錆の問題も生じている。溶接にはレーサービーム溶接を使用し、組立にはできるだけ溶接を使用せず、腐食雰囲気に接しない扉の内部箇所でも構造用接合テープを使用し、溶接焼けを表面に出さない工法を提案するものである。ここに本発明は、錆にくい鋼製ドアの製造方法を解決しようとすることを課題にした。
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、ドアの薄板一対の鋼板の少なくとも三方の周縁部に折曲部を形成し、互いに対向する折曲部同志をレーザービーム溶接して所定の強度と錆にくさを有した鋼製ドアを構成するにあたり、一方のドア表面部材は、上及び両縦縁部の折曲部を、L字型の折曲部から折返しコ字状部とし、ドアの小口面をこの部材で形成し、他方のドア表面板はL字型のL字状部に形成し、前記表面板コ字状平坦板端面部とL字状先端部を突き合わせて、入隅部にレーザービーム溶接を行い、コ字とL字の高さでドア厚を調整、積層して構成されているものである。
ドア用鋼板の表裏一対の厚さ1.6mm〜0.6mmの鋼板の少なくとも三方の周縁部に折曲部を形成し、折曲部をレーザービーム溶接して所定のドア厚を有し、ドア内部がコ字型の補強部材を3〜5箇所で表裏両面鋼板に接着接合した外表面部材と内表面部材と補強部材とで構成されている鋼製ドアにおいて、外表面部材の少なくとも三方のL字状の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材のみでドアの小口面を形成し、内表面部材の三方の周縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、ドアの塞ぎ部材とした。室内側の突き当て面のみに溶接痕が残る組立とし、極力溶接を使わないことにより、溶融亜鉛めっき鋼板の組織破壊を最小限に抑え、溶融亜鉛めっき鋼板の持つ防錆性能を十分に引き出せる錆びにくいドアを生産する製造方法である。
外表面部材は、溶融亜鉛めっき鋼板であって、厚さ1.6mm〜0.6mmの鋼板の少なくとも三方の周縁部の折曲部を折返し状コ字型に形成し、コ字の幅を15mm〜50mm、折返し状先端の折返し部の長さを5mm〜15mmである。
内表面部材は、溶融亜鉛めっき鋼板であって、厚さ1.6mm〜0.6mmの鋼板の少なくとも三方の周縁部の折曲部をL字型に形成し、L字型部の先端の長さを5mm〜15mmであって、外表面部材の折曲部を折り返し上コ字型にした板平面と先端突当て部位を溶着できる構成にしている。
コ字型補強部材は、コ字型の鋼板の厚さを1mm〜3mmにして、幅を15mm〜50mmであり、外表面部材の内面に100mm〜300mmの間隔でコ字型の補強部材を3〜5箇所で表裏両面鋼板に構造用接合テープによって接着接合して、コ字型補強部材における両端の部材のみを、強度の増強と蝶番設置のためにドアの外表面部材での両周縁部から15mm〜50mmの箇所に接着固定されている製造方法である。
構造用接合テープで接着されている補強部材付き外表面部材と内表面部材との接合において、外表面部材と内表面部材の両縁部の接合溶接点の位置決めに、万力型固定器、またはマグネット固定器を使用している。
レーザービーム溶接は、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザーから選ばれており、レーザー照射時間を1〜20/1000秒で、溶接幅を0.1〜0.5mmにしている。好ましくはYAGレーザーで、レーザー照射時間を2〜3/1000秒で、溶接幅を0.3〜0.4mmにしている。
外表面部材の鋼板縁部の折曲部は、L字型の折曲部から折返しコ字状部に形成され、内表面部材の鋼板縁部の折曲部は、L字状部に形成され、外表面部材の周縁部のL字型の折曲部から折返しコ字状部板面と、内表面部材の周縁部のL字状部の先端とで、コ字状部寸法範囲内を調整自在に突当てられるように構成されている鋼製ドアの製造方法である。
ドア鋼板において、一方の内表面部材の縁部の折曲部はL字状部に、他方の外表面部材の縁部の折曲部は折返しコ字状部に形成され、それぞれの縁部は、L字状部の先端面が折返しコ字状部の板面に溶接されて、それぞれの高さによってドア厚を変えられる鋼製ドアの製造方法である。
ドア鋼板において、外表面部材の三方周縁部をL字型の折曲部から折返しコ字状に加工し、小口面を片方の表面板に含ませてしまう構造にしたことで、従来のドア製作時の小口溶接を無くす事が出来た。又外表面部材の平坦面に内表面部材に先端部を突き当てる構造にし、入隅部の溶接としたことで、従来の仕上げ工程に含まれる溶接部サンダー仕上げや溶接部パテ仕上げを省略することが出来た。
また室内側の突き当て面のみに溶接痕が残る組立とし、極力溶接を使わないことにより、溶融亜鉛めっき鋼板の組織破壊を最小限に抑えることが出来た。その結果、溶融亜鉛めっき鋼板の持つ防錆性能を十分に引き出せる錆びにくいドアを生産することが出来た。さらに、入隅溶接とすることが出来たことでレーザービーム溶接による溶着を確実、かつ強固に行うことができ、不良品の発生を低減できた。
ドア用鋼板の表裏一対の厚さは1.6mm〜0.6mmの鋼板を使用し、補強部材はコの字状で1mm〜3.0mmの鋼板を使用しているので、従来のドア強度を持ち合わせて、軽量化も可能にし、開閉が容易なドアを作ることができる。
軽量・防錆鋼製ドアの枠・扉の出入り口取付図(開閉図) A:室外(外表面部材)側観図、B:室内(内表面部材)側観図 軽量・防錆鋼製ドアの姿正面図(扉補強記入) A:室外(外表面部材)側観図、B:室内(内表面部材)側観図、 軽量・防錆鋼製ドアの枠及び扉の断面図 A:縦断面詳細図(アーア断面図)、B:横断面詳細図(イーイ断面図) C:上枠及び縦枠の組方図、D:縦枠及び下枠の組方図 軽量・防錆鋼製ドアの扉部材構成分解図(鳥瞰図) A:外表面部材、B:力骨中間部材、C:内表面部材、D:上部補強部材、E:下部補強部材 軽量・防錆鋼製ドアの扉部材構成分解断面詳細図 A:縦断面詳細図、B:縦断面詳細図(蝶番部)C:横断面詳細図 軽量・防錆鋼製ドアのYAG溶接略図 A:表面板の接合YAG溶接図、B:縦補強と下補強の接合YAG溶接図 軽量・防錆鋼製ドアのYAG溶接完了後の扉完成図(断面詳細) A:縦断面詳細図、B:横断面詳細図 軽量・防錆鋼製ドアのYAG溶接完了後の扉完成図(鳥瞰図) A:表面部材見え掛かり図、B表面部材及び補強部材見え掛かり図
次に、本発明の実施の形態を図1〜図8の図面に基づいて説明する。
図面において、図1は建築物の出入り口の開口部に片開き状(開閉揺動自在)に取り付けられた鋼製のドアであって、これら鋼製ドアは金属部材で構成された表裏一対(前後)の表面部材と補強部材を用いて構成されている。図1のAは外表面部材が見える状態(扉閉鎖時)を図示。Bは内表面部材が見える状態(扉開放時)を図示する。YAG溶接痕が見える状態を示す。
図2のAは室外(外表面部材)側正面図を示し、枠、扉及び扉内の補強の位置関係を図示。Bは室内(内表面部材)側正面図を示し、枠、扉及び補強の位置関係を図示。外表面部材の少なくとも三方周縁部の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材の内部にコ字型の補強部材を上部に1箇所、中間部に3〜5箇所、下部に1箇所、構造用粘着テープより接着接合する。さらに内表面部材の少なくとも三方縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、外表面部材のL字型の折曲部から折返しコ字状の折曲部平坦板端面に内表面部材の各周縁部のL字先端部突合せして、レーザービームで溶接接合をし、完成した扉図。
図3のAは図2のアーア断面詳細図。外表面部材と内表面部材と上部・中間部及び下部のコの字型補強の取り合い(構造用粘着テープ接合部、YAG溶接接合部)を示す縦詳細図。Bは外表面部材と内表面部材と上部・中間部及び下部のコの字型補強の取り合い(構造用粘着テープ接合部、YAG溶接接合部)を示す横詳細図。Cは上枠と縦枠のコーナー部の組立て方を示し、Dは取り合い、縦枠と下枠のコーナー部の組立て方を示す。
図4は扉を各部材に分解して表した部材構成パース図。外表面部材の少なくともの三方周縁部の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材内部にコ字型の補強部材を上部に1箇所、中間部に三箇所、下部に1箇所、構造用粘着テープにより接着接合、内表面部材の少なくともの三方縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の各周縁部のL字先端部を突き合わせて、レーザービームで溶接接合を施す手順を図示。
図5は図4の部材構成図を2次元で表現。外表面部材の少なくともの三方周縁部の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材内部にコ字型の補強部材を上部に1箇所、中間部に3箇所、下部に1箇所、構造用粘着テープにより接着接合、内表面部材の少なくともの三方縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の各周縁部のL字先端部を突き合わせて、レーザービームで溶接接合を施す手順を図示。
図6のAは基盤の上に、外表面部材の三方周縁部の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の三方周縁部のL字先端部を突き合わせて設置された扉に、YAG溶接のトーチ先端を溶接箇所にセットし、レール上を移動するマグネット座の設置状態を示す。トーチ先端を溶接接合部に合わせ、トーチ取付座ごとレール上を移動させながら、溶接を行う工程(表面部材周縁部のYAG溶接接合)である。図Bは外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の各周縁部のL字先端部突き合わせて設置された扉の下部補強部と縦補強のYAG溶接接合する状態にセットした形を示す。
図7は構造用粘着テープ及びYAG溶接で接合した扉の完成図を示す。図7のAは、外表面部材の少なくともの三方周縁部の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材内部にコ字型の補強部材を上部に1箇所、中間部に3箇所、下部に1箇所、構造用粘着テープにより接着接合、内表面部材の少なくともの三方縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の各周縁部のL字先端部を突き合わせて組立した扉の縦断面詳細を示す。
図7のBは、外表面部材の少なくともの三方周縁部の折曲部を折返し状のコ字状部に形成し、外表面部材内部にコ字型の補強部材を上部に1箇所、中間部に3〜5箇所、下部に1箇所、構造用粘着テープにより接着接合、内表面部材の少なくともの三方縁の折曲部をL字型のL字状部に形成し、外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板面に内表面部材の各周縁部のL字先端部を突き合わせて組立した扉の横断面詳細を示す。
図7はYAG溶接で接合した扉の完成図を示す。A図は外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板端面に内表面部材の各周縁部のL字先端部合わせた周縁部のYAG溶接接合を示す。図Bは外表面部材の折返し状コ字型の折曲部の平坦板端面に内表面部材の各周縁部のL字先端部合わせて設置された扉の下部補強部と縦補強の取り合い部のYAG溶接接合を示す。
JISG3302(溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)規定するSGHCの薄板鋼板の厚さ0.8mmを使用し、ドア巾=823、ドア高さ=2003の所定の寸法になるように板部材を切断し、NC加工を施した。外表面部材においては、表面板の少なくとも三方周縁部を折曲げし、折曲部を折返し状のコ字状部に形成した。その曲げ寸法を15mm(図7のH1L)とした。内表面部材においては、表面板の三方周縁部をL字型に折曲げし、その曲げ寸法を7mm(図7のH2L)とした。補強材においては、断面略Π字形状でその曲げ寸法を15mm(図5のK4L)43mm(図5のK4AL)15mm(図5K4L)で長尺状に加工を施した。
加工を施した外表面部材(図5のA:H2)の三方周縁の折曲部の折返し状のコ字状部を上に向けを定番の上にセットした。上縁部に左右方向に伸長する状態で配設される上補強(図4のK1)をΠ字型の背を上に向け、外表面部材の下方より差込んでΠ字型の背に施した構造用粘着テープにより固定した。次に、両端縁部に上下方向に伸長する状態で配設される端部の縦補強(図4のK3及びK4)をΠ字の背を端部側に向け、上から入れ、横にスライドさせてΠ字型の背に施した構造用粘着テープにて固定した。
吊元側となる縦補強には配設に先立ち、蝶番取付用の補強(図5のK3A)を溶接固定した。更に、中間部に上下方向に伸長する状態で配設される3数本の縦補強(図4のK4)を上から入れ、構造用粘着テープにて固定した。最後に、下縁部に左右方向に伸長する状態で配設されている下補強(図4のK5)をΠ字の背を上に向け、下から入れ、ほぞとほぞ孔を合わせて取り合い部(図6のBのK5−YG1)をYAG溶接で固定した。
補強取付の終わった定番上の外表面部材の折返し状のコ字状部の寸法15mm(図7のH1L)の平坦板面に、三方周縁の折曲部のL字型寸法を7mm(図7のH2L)に形成した内表面部材を三方周縁折曲部のL字型の先端部を下に向けて突きあわせて、扉の形とした。尚セットに先駆け、内表面部材のドアークローザー取付位置には補強板を取付けた。
セットの際、かぶせ位置を左右、上下に自由に動かす事で、外表面部材の加工誤差(切断加工誤差、曲げ加工誤差)と内表面部材の加工誤差(切断加工誤差、曲げ加工誤差)を吸収した。又、外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせる過程で上(ドア高さ方向)及び左右(ドア幅方向)の表面からの見え掛かり寸法を同一寸法に近づけてセットした。
ドア厚さは外表面部材と内表面部材の折り曲げ寸法で決まる。このため、ドア厚方向の加工誤差は枠を機密ゴム入り型とし、枠と扉の隙間寸法を大きくとることで吸収した。又、内表面板のL字型のL字状部寸法を変えることで、ドア厚の調整をした。
YAG溶接が出来る状態にセットした扉にYAG溶接トーチ設置用レール部材を万力にて定番上に固定し、YAG溶接トーチを取付けたマグネット座をレール走行部品に取り付けた。外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせた位置にトーチを略45度の傾斜方向を向け、YAG溶接トーチセットした。トーチ座をレールに従い走行させながら動かし、YAG溶接を行った。この際、合わせ部の予定されるYAG溶接ビードの延長線上の始終端から30mm以内の範囲に仮付け部材を施し、この合わせ部をレーザー溶接する鋼板で構成された構造体の合わせ部のレーザー溶接における溶接部の遅れ、破壊を防止した。
外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせた位置でYAG溶接の完了した扉に扉下端の補強部を溶接するように、YAG溶接トーチ設置用レール部材を万力にて定番上に固定し直した。YAG溶接トーチを取付けたマグネット座をレール走行部品に取り付けた。扉の下補強材と縦補強材のほぞとほぞ孔部にトーチをセットし、トーチをレールに沿って走行しながら動かし、YAG溶接を行った。この際、仮付け部材を施し、レーザー溶接における溶接部の遅れ、破壊を防止する対策はしなかった。
ドア巾を823mm、ドア高さを2003mmに組立した扉は、外表面部材、内表面部材及び補強部材を溶接組立した通常の扉に比べ、外表面部材と内表面部材との室内側の突き合わせ部のみで溶接するため、溶融亜鉛めっき鋼板の溶接に依る組織破壊を最小限に抑えた製品にできた。溶接箇所を最小とすることで、溶接痕の通常の処理工程である溶接痕のサンダー掛け仕上げ処理と塗装前のサンダー掛け部のパテ処理の工程を省くことが出来た。
このようにして製造した錆にくい鋼製ドアを現場に搬入し、事務所等の出入り口となる建築物の開口部に取り付けた。工事期間中も建物の竣工後もドアの開閉には問題なく、錆の発生も起きていない。錆びにくく、スムーズな開閉のドアを作ることが出来た。
実施例1と同様にして、外及び内表面部材、補強部材寸法を変更した。
JISG3302(溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)規定するSGHCの薄板鋼板の厚さ0.6mmを使用し、ドア巾=873、ドア高さ=2103の所定の寸法になるように板部材を切断し、NC加工を施した。外表面部材においては、表面板の少なくとも三方周縁部を折曲げし、折曲部を折返し状のコ字状部に形成した。その曲げ寸法を10mm(図7のH1L)とした。内表面部材においては、表面板の三方周縁部をL字型に折曲げし、その曲げ寸法を5mm(図7のH2L)とした。補強材においては、断面略Π字形状でその曲げ寸法を12mm(図5のK4L)43mm(図5のK4AL)12mm(図5K4L)で長尺状に加工を施した。
加工を施した外表面部材(図5のA:H2)の三方周縁の折曲部の折返し状のコ字状部を上に向けを定番の上にセットした。上縁部に左右方向に伸長する状態で配設される上補強(図4のK1)をΠ字型の背を上に向け、外表面部材の下方より差込んでΠ字型の背に施した構造用粘着テープにより固定した。次に、両端縁部に上下方向に伸長する状態で配設される端部の縦補強(図4のK3及びK4)をΠ字の背を端部側に向け、上から入れ、横にスライドさせてΠ字型の背に施した構造用粘着テープにて固定した。
吊元側となる縦補強には配設に先立ち、蝶番取付用の補強(図5のK3A)を溶接固定した。更に、中間部に上下方向に伸長する状態で配設される3数本の縦補強(図4のK4)を上から入れ、構造用粘着テープにて固定した。最後に、下縁部に左右方向に伸長する状態で配設されている下補強(図4のK5)をΠ字の背を上に向け、下から入れ、ほぞとほぞ孔を合わせて取り合い部(図6のBのK5−YG1)をYAG溶接で固定した。
補強取付の終わった定番上の外表面部材の折返し状のコ字状部の寸法10mm(図7のH1L)の平坦板面に、三方周縁の折曲部のL字型寸法を5mm(図7のH2L)に形成した内表面部材を三方周縁折曲部のL字型の先端部を下に向けて突きあわせて、扉の形とした。尚セットに先駆け、内表面部材のドアークローザー取付位置には補強板を取付けた。
セットの際、かぶせ位置を左右、上下に自由に動かす事で、外表面部材の加工誤差(切断加工誤差、曲げ加工誤差)と内表面部材の加工誤差(切断加工誤差、曲げ加工誤差)を吸収した。又、外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせる過程で上(ドア高さ方向)及び左右(ドア幅方向)の表面からの見え掛かり寸法を同一寸法に近づけてセットした。
ドア厚さは外表面部材と内表面部材の折り曲げ寸法で決まる。このため、ドア厚方向の加工誤差は枠を機密ゴム入り型とし、枠と扉の隙間寸法を大きくとることで吸収した。又、内表面板のL字型のL字状部寸法を変えることで、ドア厚の調整をした。
YAG溶接が出来る状態にセットした扉にYAG溶接トーチ設置用レール部材を万力にて定番上に固定し、YAG溶接トーチを取付けたマグネット座をレール走行部品に取り付けた。外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせた位置にトーチを略45度の傾斜方向を向け、YAG溶接トーチセットした。トーチ座をレールに従い走行させながら動かし、YAG溶接を行った。この際、合わせ部の予定されるYAG溶接ビードの延長線上の始終端から30mm以内の範囲に仮付け部材を施し、この合わせ部をレーザー溶接する鋼板で構成された構造体の合わせ部のレーザー溶接における溶接部の遅れ、破壊を防止した。
外表面部材のコ字状部と内表面部材のL字状部を同一面で合わせた位置でYAG溶接の完了した扉に扉下端の補強部を溶接するように、YAG溶接トーチ設置用レール部材を万力にて定番上に固定し直した。YAG溶接トーチを取付けたマグネット座をレール走行部品に取り付けた。扉の下補強材と縦補強材のほぞとほぞ孔部にトーチをセットし、トーチをレールに沿って走行しながら動かし、YAG溶接を行った。この際、仮付け部材を施し、レーザー溶接における溶接部の遅れ、破壊を防止する対策はしなかった。
ドア巾を873mm、ドア高さを2103mmに組立した扉は、外表面部材、内表面部材及び補強部材を溶接組立した通常の扉に比べ、外表面部材と内表面部材との室内側の突き合わせ部のみで溶接するため、溶融亜鉛めっき鋼板の溶接に依る組織破壊を最小限に抑えた製品にできた。溶接箇所を最小とすることで、溶接痕の通常の処理工程である溶接痕のサンダー掛け仕上げ処理と塗装前のサンダー掛け部のパテ処理の工程を省くことが出来た。
このようにして製造した錆にくい鋼製ドアを現場に搬入し、事務所等の出入り口となる建築物の開口部に取り付けた。工事期間中も建物の竣工後もドアの開閉には問題なく、錆の発生も起きていない。錆びにくく、スムーズな開閉のドアを作ることが出来た。
H1 内表面部材
H1L 内表面部材L字部寸法
H2 外表面部材
H2L 外表面部材コ字部寸法
W1 上枠体
W2 縦枠体
W3 縦枠体
W4 下枠体
YG1 レーザー溶接部
K1 コの字型上補強材
K2 コの字型中補強材
K3 コの字型中補強材
K3L コの字型端部補強材寸法
K3AL コの字型端部補強材寸法
K3A 蝶番の補強材
K4 コの字型中補強材
K4L コの字型中補強材寸法
K4AL コの字型中補強材寸法
K5 コの字型下補強材
K6 蝶番部補強材
R1 構造用接合テープ
T1 蝶番
J1 レバーハンドル錠
アーア 扉横断面図
イーイ 扉縦断面図
KP−1 YAG溶接用スライドレール取付部材
KP−2 万力セット用部材1
KP−3 YAG溶接用スライドレール取付部材
KP−4 万力セット用部材
R−1 YAG溶接トーチ取付座
R−2 トーチ取付座スライド用レール
MG−1 YAG溶接トーチ固定用マグネット座
H1L 内表面部材L字部寸法
H2L 外表面部材コ字部寸法

Claims (6)

  1. ドア用鋼板の表裏一対の薄鋼板の少なくとも三方周縁部に折曲部を形成した外表面部材と内表面部材と、ドア内部に所定の本数のコ字型補強部材を配置、接合して構成され、合わせ部を溶接して所定のドア厚を有している鋼製ドアにおいて、外表面部材の少なくとも三方周縁部をL字型の折曲部から折返しコ字状に加工し、小口面を外表面板に含ませてしまう構造にし、又外表面部材の折り返しコ字状平坦面に、内表面部材の少なくとも三方周縁部をL字状に折曲して、先端部を突き当てる構造にし、表裏部材の合わせ部である入隅部をレーザービームで溶接し、ドアの室内側面に溶接痕を有していることを特徴とする鋼製ドアの製造方法。
  2. 外表面部材は、防錆処理した薄鋼板であって、厚さ1.6mm〜0.6mmの鋼板の少なくとも三方の周縁部をL字型の折曲部から折返しコ字状に折曲部を形成し、コ字の幅を15mm〜50mm、折返し状先端の折返し部の長さを5mm〜15mmとし、ドアの小口面を形成していることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドアの製造方法。
  3. 内表面部材は、防錆処理した鋼板であって、厚さ1.6mm〜0.6mmの鋼板の少なくとも三方の周縁部をL字型に折曲部を形成し、L字型部の先端の長さを5mm〜15mmであって、外表面部材の鋼板の折曲部の折返し状のコの字状部の平坦板端面との先端突合わせた入隅部を溶着できる構成にし、表面板の小口面でのつなぎ溶接を不要にしていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の鋼製ドアの製造方法。
  4. 表面板内部にコ字型の補強部材を3〜5箇所の配置で接着接合した外表面部材と曲げ加工のみの内表面部材とで構成されているドアにおいて、コ字型補強材は厚さを1mm〜3mmにして、幅を15mm〜50mmであり、外表面部材の内面に100mm〜300mmの間隔で、3〜5箇所、テープによって接着接合し、両端のコ字型補強部材のみ、強度の増強と蝶番設置のためドアの外表面部材の両周縁部から15mm〜50mmの箇所に接着固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼製ドアの製造方法。
  5. 構造用接合テープで接着されている補強部材付き外表面部材と内表面部材との接合において、外表面部材と内表面部材の三方周縁部の接合溶接点の位置決めに、万力型固定器、またはマグネット固定器を使用していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼製ドアの製造方法。
  6. レーザービーム溶接は、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザーから選ばれており、レーザー照射時間を1〜20/1000秒で、溶接幅を0.1〜0.5mmにしている。好ましくはYAGレーザーで、レーザー照射時間を2〜3/1000秒で、溶接幅を0.3〜0.4mmにしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼製ドアの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113047746A (zh) * 2021-04-28 2021-06-29 索菲亚家居股份有限公司 免角码拼框门及其制备方法
US11761581B1 (en) * 2020-09-28 2023-09-19 Danny W. Ashley Burn barrier unit for use between gas containers
JP7446128B2 (ja) 2020-02-27 2024-03-08 三和シヤッター工業株式会社 鋼製ドアおよび鋼製ドアの製造方法

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