JPH07100765B2 - 藍藻からの青色色素の抽出法 - Google Patents

藍藻からの青色色素の抽出法

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JPH07100765B2
JPH07100765B2 JP26675686A JP26675686A JPH07100765B2 JP H07100765 B2 JPH07100765 B2 JP H07100765B2 JP 26675686 A JP26675686 A JP 26675686A JP 26675686 A JP26675686 A JP 26675686A JP H07100765 B2 JPH07100765 B2 JP H07100765B2
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blue pigment
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喬 小谷野
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東燃株式会社
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、藍藻類の細胞から青色色素を抽出する方法に
関する。
〔従来の技術〕
フィコシアニンを主成分とする青色色素は藍藻類等の食
用可能な藻類に含まれており、安全な食用天然青色色素
として注目されている。
藍藻類等の藻類は、フィコシアニンのほかに色素成分と
して緑色色素(クロロフィル等)及び黄色色素(カロチ
ノイド類)等を含んでおり、藻類から青色色素を抽出す
るに当っては、青色色素を高収率で抽出すること、及び
緑色色素及び黄色色素に対して選択的に青色色素を抽出
すること、の両者を同時に満足させることが望ましい。New Food Industry Vol.21,No.2,43−46には抽出工程、
分離工程、精製工程等から成るフィコシアニンの抽出工
程が記載されている。しかしながらこの文献には抽出剤
の種類は具体的に記載されておらず、また藻体の処理に
ついてもなんら記載されていない。
特開昭52−134058には、スピルリナからpH4〜7の緩衝
液を用いて青色色素を抽出する方法が記載されており、
また特開昭55−144868には藍藻類をカルシウムイオンを
含む水性相により処理し、そして次にアルカリ性水相に
よりフィコシアニンを抽出する方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも、藻体を破砕す
ることなく抽出を行うため、抽出収率は必ずしも十分で
はない。また、抽出剤として緩衝液やアルカリ水性液を
使用しなければならないため、製品色素の製造に当って
は抽出剤中の緩衝剤やアルカリ成分を透析等の方法によ
り除去しなければならず、このために工程が複雑とな
り、色素の製造に長時間を要し、そして製造コストが高
くなるという難点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って、本発明は、良好な収率及び選択性を伴って簡単
な工程で藍藻類細胞から青色色素を選択的に抽出する方
法を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明者等は青色色素を残
して緑色色素及び黄色色素を特異的に破壊する方法を種
々検討した結果、藍藻類を破砕し、この破砕物を乾燥
し、この乾燥粉末に一定条件下で光を照射することによ
り緑色色素及び黄色色素を特異的に破壊することができ
るという全く新しい知見を得、これに基いて本発明を完
成した。
従って上記の目的は、藍藻類細胞から青色色素を抽出す
る方法において、(1)藍藻類細胞を破砕して破砕物を
得る段階;(2)前記破砕物を乾燥する段階;(3)前
記乾燥された破砕物に光を照射する段階;及び(4)前
記光照射された破砕物から水性抽出剤により青色色素を
抽出する段階;を含んで成る方法により達成される。
〔具体的な説明〕
本発明の方法においては原料として藍藻類を使用する。
種々の藍藻類を使用することができ、代表的な一例とし
てスピルリナ(Spirulina)属の藻類を挙げることがで
きる。原料となる藻体は、藻体培養液から分離された湿
細胞から成るものでもよく、また一旦乾燥したものでも
よい。
まず、原料藻体の水性懸濁液を調製し、細胞を破砕す
る。細胞の破砕方法としては、藻類細胞の破砕のために
常用されている任意の方法を用いることができ、好まし
い例として湿式ボールミル法、超音波処理法等を挙げる
ことができる。湿式ボールミル法においては、冷却外套
を有する密閉シリンダー中に多数のガラスビーズを封入
して、導入された細胞の水性懸濁液と共に混和回転す
る。超音波処理法は細胞の水性懸濁液に超音波を照射す
ることにより行う。これらの方法における水性懸濁液の
媒体としては、種々の水性溶液を使用することができる
が、水を使用するのが最も便利である。いずれの方法に
おいても、細胞破砕工程において処理による発熱のため
にフィコシアニンが変性しやすいため、これを防止する
ため室温付近又はそれより低い温度に冷却しながら細胞
破砕処理を行うのが好ましい。
次に、このようにして調製された細胞破砕懸濁液を乾燥
して粉末を得る。溶液状態で光を照射した場合、緑色色
素及び黄色色素のみならず青色色素も破壊されやすい。
従って、光照射は乾燥物、好ましくは乾燥粉末に対して
行う必要がある。
光照射のための光線としては可視光線、又は紫外線を使
用することができるが、可視光線を使用するのが便利で
ある。光源としては自然光、すなわち太陽光線、又は人
工光線のいずれを使用することもできる。人工光線源と
しては、白熱電球,螢光灯,水銀灯など、常用の任意の
光源を使用することができる。照射の強さは、通常約1,
000〜100,000luxであり、好ましくは約5,000〜50,000lu
xである。照度が約100,000luxより強くなれば青色色素
の分解損失が増加し、他方約1,000luxより弱ければ緑色
色素及び黄色色素の分解が遅くなり経済的でない。照射
時間は照射の強度、照射方法等により異なるが、およそ
1日〜10日程度である。光の照射のためには種々の方法
を用いることができる。例えば、乾燥粉末を薄く広げて
光を照射することができ、この方法により多量の乾燥粉
末を工業的に処理するためには、ゆっくり回転するベル
トコンベアー上に乾燥粉末を薄く広げて移動せしめ、ベ
ルトコンベアーにそって配置した多数の固定光源により
光照射を行うことができる。また、円筒形の、透明な容
器に乾燥粉末を入れ、連続的に撹拌しながら外側から光
を照射することができる。また、他の方法として、透明
な密閉容器中に乾燥粉末を浮遊せしめながら、外部から
光を照射することもできる。
このような光照射により、クロロフィルを主とする緑色
色素及びカロチンを主とする黄色色素が選択的に分解さ
れ、フィコシアニンを主とする青色色素はあまり分解さ
れないで残る。この結果、最初緑色であった乾燥粉末が
照射の過程で青色に変化し、青色粉末が得られる。
次に、上記の光照射処理物を水性抽出剤で抽出すること
により、青色色素を含有し、緑色色素(クロロフィル
等)及び黄色色素(カロチン等)を実質的に含有しない
水性溶液を得る。この場合の水性抽出剤としては水を使
用するのが便利である。この抽出条件、すなわち、水性
抽出剤と粉末との比率、抽出温度及び抽出時間は特に臨
界的ではないが、粉末と水性抽出剤の重量比を1:5〜1:5
0とし、抽出温度を5℃〜30℃とし、そして抽出時間を
1分間〜60分間とするのが便利である。この抽出の間、
粉末と抽出剤との接触をよくするため連続的又は間欠的
に穏やかな撹拌を行うことが好ましい。この抽出工程に
より、光照射処理粉末中の青色色素が選択的に水性抽出
剤に溶解し、破砕細胞等は微粒子として分散している。
この懸濁液から常法に従って不溶物を除去することによ
り、青色色素を含有し、そして緑色色素,黄色色素等の
他の色素を実質的に含有しない水性溶液が得られる。こ
の不溶物の除去は、遠心分離,濾過等の常法に従って行
うことができる。
水で抽出することにより得られた青色色素の水溶液は、
緩衝剤、アルカリ等人為的に添加した塩類その他の成分
を含有しないから、さらに精製処理することなく乾燥処
理して青色色素の粉末製品を得ることができる。この乾
燥処理のためには凍結乾燥、噴霧乾燥等の常法を用いる
ことができる。この乾燥処理の前に、水溶液を限外濾過
等の常法に従って濃縮することもできる。
こうして得られた粉末製品は、青色色素を含んで成り、
緑色色素(クロロフィル等)及び黄色色素(カロチン
類)等他の色素成分を実質上含有しない。この粉末製品
は、青色色素以外の製品として、原料藍藻類由来の可溶
性蛋白質、ビタミン類等を若干含有するが、これらは栄
養成分であるから、青色食用色素製品中に存在してもな
んら差支えない。
なお、前記の分離工程において、青色色素を分離した後
の残渣は蛋白質、多糖類、ビタミン、ミネラル等を含ん
でおり、これをそのまま又は乾燥して飼料として利用す
ることができる。
〔発明の効果〕
本発明では藻類細胞を破砕して用いるため青色色素の抽
出効率が向上し、また光照射処理によって他の色素類が
分解されるため、青色色素のみを選択的に抽出すること
ができる。さらに青色色素の抽出溶媒として水を用いる
場合、透析その他の後処理は不要となり、きわめて簡潔
なプロセスで青色色素を回収することができる。このよ
うにして得られた青色色素の主成分はフィコシアニンで
あり、そのまま食用天然色素として使用される。
〔実施例〕
乾燥スピルリナ藻体6.0gを脱イオン水150mlに懸濁さ
せ、超音波(20kHz、85ワット)を10分間かけて、細胞
を破砕した。得られた懸濁液を凍結乾燥して緑色粉末5.
8gを回収した。この粉末を時計皿上にひろげ、時々撹拌
しながら7000luxの螢光灯を5日間照射すると、青色に
褪色した粉末が得られた。この青色粉末を脱イオン水に
溶解させ、濾過して得られた透明な青色水溶液の可視部
スペクトルを観察したところ、618nmにフィコシアニン
に由来するピーク1本を示したのみで、446nm付近(カ
ロチン)、670nm付近(クロロフィル)および他の領域
には全く吸収は認められなかった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】藍藻類細胞から青色色素を抽出する方法に
    おいて、 (1)藍藻類細胞を破砕して破砕物を得る段階; (2)前記破砕物を乾燥する段階; (3)前記乾燥された破砕物に1,000〜100,000ルクスの
    光を1日〜10日間照射する段階;及び (4)前記光照射された破砕物から水性抽出剤により青
    色色素を抽出する段階;を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】前記藍藻類がスピルリナである特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記藍藻類細胞の破砕を湿式ボールミルに
    より行う、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記破砕物の乾燥を凍結乾燥法又は噴霧乾
    燥法により行う、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
JP26675686A 1986-11-11 1986-11-11 藍藻からの青色色素の抽出法 Expired - Lifetime JPH07100765B2 (ja)

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CN1624236A (zh) * 2003-12-01 2005-06-08 金子隆 纤维染色方法及染色物、染料及用于染料制造的干燥装置
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CN104870560B (zh) * 2012-08-30 2018-10-19 Ptt全球化学公开有限公司 生物基聚合物添加剂、制备生物基聚合物添加剂的方法和包含所述生物基聚合物添加剂的可生物降解聚合物组合物

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