JPH07100643A - 耐疲労亀裂発生特性の良好な溶接施工法 - Google Patents

耐疲労亀裂発生特性の良好な溶接施工法

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JPH07100643A
JPH07100643A JP27117693A JP27117693A JPH07100643A JP H07100643 A JPH07100643 A JP H07100643A JP 27117693 A JP27117693 A JP 27117693A JP 27117693 A JP27117693 A JP 27117693A JP H07100643 A JPH07100643 A JP H07100643A
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JP
Japan
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welding
fatigue
fillet
toe
bead
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JP27117693A
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English (en)
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Tadashi Ishikawa
忠 石川
Koji Seto
厚司 瀬戸
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 隅肉溶接構造物の疲労強度を向上させるため
に、応力集中の大きな溶接止端部近傍の硬さ分布を均一
にすることで、耐疲労亀裂発生特性を向上させた溶接施
工方法に関するものである。 【構成】 鋼板の表面に部材を隅肉溶接するさいに、隅
肉溶接止端部となる位置にあらかじめ溝加工し、前記溝
部分に溶接ビードを施工した後、通常の隅肉溶接施工を
実施することにより、隅肉溶接止端部近傍の硬さ分布を
ほぼ一様とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、隅肉溶接構造物の疲労
強度を向上させるために、溶接施工前に疲労破壊発生起
点となる止端部予定位置にあらかじめビードを施工する
ことにより応力集中の大きな溶接止端部近傍の硬さ分布
を均一にすることで、疲労発生特性を向上させた溶接施
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の軽量化、大容量化の要求に応
え、構造用鋼板の高強度化が急速に進んでいる。しかし
ながら、繰り返し荷重を受ける構造物では、降伏強度の
みならず疲労強度を考慮しなければならず、高強度化の
ニーズに応えることができない場合があり、疲労強度の
向上が切望されている。特に、溶接構造物では溶接止端
部から疲労亀裂の発生する場合が多く、鋼材の強度を向
上させても疲労強度はほとんど向上しない。溶接継手部
の疲労破壊は一般に応力集中の大きな溶接止端部から発
生するため、発生特性は溶接止端部形状に大きく影響さ
れ、鋼材組成、組織にはほとんど影響しないことが知ら
れている。
【0003】また、疲労亀裂伝播を遅延させて疲労強度
を向上させる技術としては、疲労亀裂伝播面に垂直方向
に亀裂を分岐させることが有効であることがProce
edings of an internationa
l conferencesponsored by
Metals Society(21−23,Octo
ber,1981,London)のP.79〜に記載
されている。また同様な方法として日本造船学会論文集
Vol.169,pp.257−266では微小セパレ
ーションによる疲労亀裂伝播についての向上効果を示し
ており、セパレーション指数が大きいほど微小セパレー
ションも発生しやすいとの報告がなされている。しかし
ながら、西部造船学会報ではセパレーション指数のきわ
めて大きな鋼板(Slmax:0.8)でも廻し溶接曲
げ疲労強度の改善は顕著ではなく、新たな技術が求めら
れている。
【0004】また、鋼板の板厚方向に強度差を単調かつ
連続的に付与して、板厚貫通亀裂の伝播速度を小さくさ
せる技術が特開平3−291355号公報に開示されて
いる。しかし、この方法は板厚方向へ単調で非対象な強
度分布を付与させるために製造過程での変形の回避が難
しく、その後の矯正工程が必要となる。また、ΔKの大
きい方がその遅延効果が顕著なため、強度が一定勾配で
変化する当該発明材では、亀裂進展の初期での遅延効果
は期待できず、さらに新たな技術が必要である。
【0005】溶接構造物の疲労強度は、そもそも溶接部
の止端部形状によって支配されるので、溶接部の止端部
処理等の疲労強度向上策が適用されることがある。しか
し、施工後の止端部処理は、構造物の建造工数を増大さ
せるばかりでなく、溶接部位によっては止端部処理が実
施できない場合も多く、簡便な施工による疲労強度向上
技術が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、疲労強度を
向上させるために、疲労亀裂発生特性を向上させる溶接
施工方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するものであって、鋼板の表面に部材を隅肉溶接する
さいに、隅肉溶接止端部となる位置にあらかじめ溝加工
し、前記溝部分に溶接ビードを施工した後、通常の隅肉
溶接施工を実施することにより、隅肉溶接止端部近傍の
硬さ分布をほぼ一様とすることを特徴とする耐疲労亀裂
発生特性の良好な溶接施工法である。
【0008】
【作用】本発明者らは疲労亀裂の発生機構が塑性域の広
がりと密接な関係にあることに着眼し、溶接止端部の硬
さ分布が均一である場合に塑性域の広がりが均一とな
り、疲労亀裂が発生しにくい実験事実を基に本発明を開
発した。すなわち溶接施工方法により応力集中の大きな
溶接止端部の急激な硬さ分布を解消すべく、止端部が溶
接金属となるような施工方法を発明したのである。
【0009】図1および図2に手順の模式図を示す。図
2において1、2は被溶接材である鋼板であり、2の方
が隅肉溶接で取りつけるべき部材(スティフナ)であ
る。この2の方の部材を持ってくる前に鋼板1に溝3を
設けておく。あらかじめ加工する溝の大きさは、溶接条
件により異なるが溶接ビードを1パス施工した時にその
溝が埋めつくせる程度にする。この際、ビードにより溝
が埋まりきらないとかえって疲労亀裂を発生しやすくな
るので、ビードが少しはみでる位が望ましい。図1は本
発明における施工の順序を(a)、(b)、(c)の順
に示す溶接部の断面図である。(a)は溝加工をした状
態、(b)は溝を溶接ビードすなわちプレビード4で埋
めた状態を示す。引続き(c)のように通常の溶接施工
を行い溶接止端部6がプレビード4のほぼ中央に位置す
るように隅肉溶接ビード5を置く。これによって応力集
中の大きな止端部の組織を溶接金属のみの組織とできる
ので、硬さ分布の存在による塑性域進展の偏りが防止で
き、疲労発生寿命を向上できるのである。
【0010】図3は、溶接継手の止端部近傍の硬さ分布
測定例を示す。図3(a)は測定位置を示し、(b)は
結果を示すグラフであるが、板表面、ビード表面よりそ
れぞれ0.5mm入った位置での測定結果をA、Bとし
て表している。A′、B′は比較例であってプレビード
4がない場合である。プレビード施工のない止端部で
は、硬さの急変する位置と疲労亀裂頻度の高い止端部近
傍位置がほぼ重なっているが、プレビード施工を施した
本発明例では、硬さの急変する位置が応力集中の大きな
溶接止端部から大きく離れており、硬さ急変部で生ずる
塑性域進展の偏りが解消でき、疲労亀裂発生に有利とな
る。
【0011】図5は図4に示すT字溶接継手部の疲労破
断回数と繰り返し応力範囲の関係(SN線図)の一例を
示すグラフである。この場合、図1(a)に示す溝底部
半径Rは5mm、溝深さDは5mmである。プレビード
を施工した本発明例は、プレビードを施工しない比較例
より大幅な疲労強度の向上が確認される。
【0012】本発明は以上の知見に基づき成されたもの
である。
【0013】
【実施例】実施例の供試鋼の成分を表1に、疲労試験片
を作製するための試験板およびスティフナ部材の寸法を
表2に、溶接条件、プレビード用溝形状(図1(a)お
よび図2参照)、溶接止端部から溶接金属側に3mm、
母材側に3mmの範囲で10kgfにて測定したビッカ
ース硬さの最大値と最小値の差を溶接止端部近傍の硬さ
と定義して表3に示す。また、図6に示した廻し溶接継
手疲労試験片は、構造物の基本要素モデル試験片であ
り、溶接構造物の疲労強度を評価することができる。な
お図6においてスティフナ2は鋼板1の裏面にも上下対
称に施工されている。本実施例では、この構造要素モデ
ル試験片を用い、応力比0.1、応力振幅200MPa
の条件で疲労試験を行った結果を表3に示す。本発明例
であるプレビードを溝内に施工した試験片は、比較例よ
り2倍程度の破断寿命の向上が確認された。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように、例えば船体の縦通
肋骨や海洋構造物のように、その表面から疲労亀裂が発
生・伝播する大型構造物に対し、本発明にかかる施工法
を使用することにより、鋼材面および溶接材料面での特
別な配慮を必要とせずに、高い疲労強度を前記大型構造
物に付与することが可能となった。したがって、前記大
型構造物の安全性をコストの上昇を伴わずに、十分に確
保することが可能となり、当業分野はもちろん、関連分
野にもたらす効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレビード施工による止端部近傍の硬さ分布均
一化方法の(a)、(b)、(c)の順に施工手順の模
式図
【図2】本発明における鋼板への溝加工を示す図
【図3】溶接止端部近傍の硬さ分布の測定例で(a)は
測定位置を示す溶接部断面図、(b)は測定結果のグラ
【図4】T字隅肉溶接継手を示す図
【図5】プレビードの有無によるT字隅肉溶接継手部の
SN線図の比較を示すグラフ
【図6】実施例における構造要素モデル試験片の形状を
示す図
【符号の説明】
1 鋼板 2 鋼板(スティフナ) 3 溝 4 プレビード 5 隅肉溶接ビード 6 溶接止端部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の表面に部材を隅肉溶接するさい
    に、隅肉溶接止端部となる位置にあらかじめ溝加工し、
    前記溝部分に溶接ビードを施工した後、通常の隅肉溶接
    施工を実施することにより、隅肉溶接止端部近傍の硬さ
    分布をほぼ一様とすることを特徴とする耐疲労亀裂発生
    特性の良好な溶接施工法。
JP27117693A 1993-10-05 1993-10-05 耐疲労亀裂発生特性の良好な溶接施工法 Withdrawn JPH07100643A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109873A1 (ja) * 2005-04-08 2006-10-19 Nippon Steel Corporation 疲労き裂発生・進展抑止特性に優れた金属部材および異幅金属板部材およびその製造方法ならびにそれらを有する金属製構造物
JP2006312201A (ja) * 2005-04-08 2006-11-16 Nippon Steel Corp 疲労き裂の発生・進展抑止特性に優れた金属部品または金属製構造物およびそれらの製造方法
JP2008183569A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Press Kogyo Co Ltd 隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法

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