JP2001287078A - 厚板突合せ溶接用狭開先形状 - Google Patents
厚板突合せ溶接用狭開先形状Info
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- JP2001287078A JP2001287078A JP2000101476A JP2000101476A JP2001287078A JP 2001287078 A JP2001287078 A JP 2001287078A JP 2000101476 A JP2000101476 A JP 2000101476A JP 2000101476 A JP2000101476 A JP 2000101476A JP 2001287078 A JP2001287078 A JP 2001287078A
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- butt welding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 厚板の突合せ溶接において、1層パス溶接を
維持しつつ必要な溶接開先幅を確保できるようにする。 【解決手段】 2枚の厚板3を突合せ溶接する際の狭開
先4の形状において、初期開先幅W0を材質に応じた値
とする。開先底面から所要の厚さ領域までの開先面4a
の角度α1を、材質に応じた初期溶接縮みを考慮して大
きめの値にする。その上方の厚さ領域の開先面4bの角
度α2を、α1よりも小さく設定し、全体として2段開
先形状とする。
維持しつつ必要な溶接開先幅を確保できるようにする。 【解決手段】 2枚の厚板3を突合せ溶接する際の狭開
先4の形状において、初期開先幅W0を材質に応じた値
とする。開先底面から所要の厚さ領域までの開先面4a
の角度α1を、材質に応じた初期溶接縮みを考慮して大
きめの値にする。その上方の厚さ領域の開先面4bの角
度α2を、α1よりも小さく設定し、全体として2段開
先形状とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は厚板の突合せ溶接に
おいてI形又はI形に近い隙間の狭開先で溶接を行う際
の狭開先形状に関するものである。
おいてI形又はI形に近い隙間の狭開先で溶接を行う際
の狭開先形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】厚板の突合せ溶接において、たとえば、
1層1パスで溶接を行うことにより、溶着金属を少なく
し且つ入熱低減を図ることができるようにした狭開先溶
接が知られている。
1層1パスで溶接を行うことにより、溶着金属を少なく
し且つ入熱低減を図ることができるようにした狭開先溶
接が知られている。
【0003】上記狭開先溶接を行う場合、従来では、図
2に一例を示す如く、2枚の厚板1の突合せ部に、開先
面の角度αが2〜3°となるようにしてI形又はI形に
近い隙間の狭開先2を形成し、1層1パス溶接を行うよ
うにしている。この際、初期の開先幅W0は、材質によ
りビードの広がりが異なることから、材質毎に適切な幅
に設定するようにしている。因に、ステンレス鋼の場合
は6mm、炭素鋼の場合は5mm程度である。
2に一例を示す如く、2枚の厚板1の突合せ部に、開先
面の角度αが2〜3°となるようにしてI形又はI形に
近い隙間の狭開先2を形成し、1層1パス溶接を行うよ
うにしている。この際、初期の開先幅W0は、材質によ
りビードの広がりが異なることから、材質毎に適切な幅
に設定するようにしている。因に、ステンレス鋼の場合
は6mm、炭素鋼の場合は5mm程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
狭開先溶接では、ステンレス鋼の場合の溶接部厚さと開
先幅との関係を図3の線Aで示す如く、溶接部厚さが2
0mmになるまで溶接縮みにより開先幅が減少し続ける
傾向がある。そのため、途中で手直しを行うと、更に、
熱が加えられるために予定以上に溶接縮みが大きくなっ
て、ただでさえ狭い開先幅が更に狭くなり、場合によっ
ては、サイドアーク現象が生じてしまうことになって溶
接を続けることが困難になってしまう。その結果、更に
補修を重ねることになることから、溶接継手の品質が低
下するだけでなく、工程的にも、1層1パス溶接のメリ
ットがなくなってしまうという問題がある。
狭開先溶接では、ステンレス鋼の場合の溶接部厚さと開
先幅との関係を図3の線Aで示す如く、溶接部厚さが2
0mmになるまで溶接縮みにより開先幅が減少し続ける
傾向がある。そのため、途中で手直しを行うと、更に、
熱が加えられるために予定以上に溶接縮みが大きくなっ
て、ただでさえ狭い開先幅が更に狭くなり、場合によっ
ては、サイドアーク現象が生じてしまうことになって溶
接を続けることが困難になってしまう。その結果、更に
補修を重ねることになることから、溶接継手の品質が低
下するだけでなく、工程的にも、1層1パス溶接のメリ
ットがなくなってしまうという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、厚板の突合せ溶接にお
いて、1層1パス溶接を維持しつつ必要な溶接開先幅を
確保することができるような狭開先形状を提供しようと
するものである。
いて、1層1パス溶接を維持しつつ必要な溶接開先幅を
確保することができるような狭開先形状を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、厚板を突合せ溶接する際に形成する厚板
突合せ溶接用狭開先形状において、材質に応じた初期開
先幅を有し、且つ開先底面から所要の厚さ領域までの開
先面の角度を、材質に応じた初期溶接縮みを考慮して大
きめに設定し、更に、その上方の厚さ領域の開先面の角
度を、上記角度よりも相対的に小さくして、2段開先形
状とした構成とする。
決するために、厚板を突合せ溶接する際に形成する厚板
突合せ溶接用狭開先形状において、材質に応じた初期開
先幅を有し、且つ開先底面から所要の厚さ領域までの開
先面の角度を、材質に応じた初期溶接縮みを考慮して大
きめに設定し、更に、その上方の厚さ領域の開先面の角
度を、上記角度よりも相対的に小さくして、2段開先形
状とした構成とする。
【0007】溶接初期に大きな縮みが発生する領域の開
先面の角度が大きくなっていることから、溶接初期にお
いても必要とする開先幅が維持されることになり、途中
で開先幅が狭くなることなく1層1パス溶接を維持して
溶接継手を得ることができる。
先面の角度が大きくなっていることから、溶接初期にお
いても必要とする開先幅が維持されることになり、途中
で開先幅が狭くなることなく1層1パス溶接を維持して
溶接継手を得ることができる。
【0008】厚板をステンレス鋼とした場合は、開先面
の角度を大きくした厚さ領域の寸法を10mmとすること
により、適切な開先幅が保たれる。
の角度を大きくした厚さ領域の寸法を10mmとすること
により、適切な開先幅が保たれる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0010】図1は本発明の実施の一形態を示すもの
で、一例として、ステンレス鋼製の厚板3を突合せ溶接
する際の開先形状について示す。
で、一例として、ステンレス鋼製の厚板3を突合せ溶接
する際の開先形状について示す。
【0011】溶接縮みは材料、溶接条件(特に入熱)に
より異なるが、溶接初期に大きな縮みを生じ、溶接部厚
さが厚くなると、1パス当りの縮み量が減少していくも
のであり、一般に、WS=a(ln(t+1))nの既
知式により近似される。
より異なるが、溶接初期に大きな縮みを生じ、溶接部厚
さが厚くなると、1パス当りの縮み量が減少していくも
のであり、一般に、WS=a(ln(t+1))nの既
知式により近似される。
【0012】したがって、本発明では、上記の近似式を
基に、溶接縮みを溶接部厚さで定式化し、溶接縮みと開
先から得られる溶接部厚さと開先幅の関係から、開先形
状を決定するようにした。
基に、溶接縮みを溶接部厚さで定式化し、溶接縮みと開
先から得られる溶接部厚さと開先幅の関係から、開先形
状を決定するようにした。
【0013】すなわち、図1に示す如く、厚さ60mmの
ステンレス鋼製の2枚の厚板3を突合せて狭開先4を形
成させるようにしてある構成において、初期の開先幅W
0を6mmとし、底面からの厚さ寸法t1が10mmに達
するまでの領域に位置する開先面4aの角度α1を、ス
テンレス鋼の初期溶接縮みを考慮して5〜10°とし、
且つその後の(上方の)厚さ寸法t2の領域に位置する
開先面4bの角度α2を、通常の開先角度である2〜3
°として、2段開先形状としたものである。
ステンレス鋼製の2枚の厚板3を突合せて狭開先4を形
成させるようにしてある構成において、初期の開先幅W
0を6mmとし、底面からの厚さ寸法t1が10mmに達
するまでの領域に位置する開先面4aの角度α1を、ス
テンレス鋼の初期溶接縮みを考慮して5〜10°とし、
且つその後の(上方の)厚さ寸法t2の領域に位置する
開先面4bの角度α2を、通常の開先角度である2〜3
°として、2段開先形状としたものである。
【0014】上記形状とした狭開先4部を1層1パスで
溶接して行くと、図3において線Bで示す如く、溶接初
期において開先幅が若干狭くなるが、必要な開先幅(6
mm)よりも狭くなることはなく、その後も、溶接部の開
先幅が溶接途中で狭くなることなく溶接継手を形成する
ことができる。因に、開先幅が7mm以上と広くなった部
分では、ウィービングで対処することができる。
溶接して行くと、図3において線Bで示す如く、溶接初
期において開先幅が若干狭くなるが、必要な開先幅(6
mm)よりも狭くなることはなく、その後も、溶接部の開
先幅が溶接途中で狭くなることなく溶接継手を形成する
ことができる。因に、開先幅が7mm以上と広くなった部
分では、ウィービングで対処することができる。
【0015】このように、溶接初期に大きな縮みが生じ
る部分の開先角度α1をそれ以後の開先角度α2よりも
相対的に大きくした2段開先形状とすることにより、1
層1パス溶接を維持しつつ必要な溶接開先幅を確保する
ことができる。したがって、継手の品質が向上するとと
もに、補修を減少又はなくすことができることになって
溶接作業効率の向上を図ることができる。
る部分の開先角度α1をそれ以後の開先角度α2よりも
相対的に大きくした2段開先形状とすることにより、1
層1パス溶接を維持しつつ必要な溶接開先幅を確保する
ことができる。したがって、継手の品質が向上するとと
もに、補修を減少又はなくすことができることになって
溶接作業効率の向上を図ることができる。
【0016】なお、上記実施の形態では、ステンレス鋼
製の厚板の突合せ部における狭開先について示したが、
炭素鋼等の他の材料による場合も所要角度の2段開先形
状とすることにより同様な作用効果が奏し得られるこ
と、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種
々変更を加え得ることは勿論である。
製の厚板の突合せ部における狭開先について示したが、
炭素鋼等の他の材料による場合も所要角度の2段開先形
状とすることにより同様な作用効果が奏し得られるこ
と、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種
々変更を加え得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の厚板突合せ溶
接用狭開先形状によれば、厚板を突合せ溶接する際に形
成する厚板突合せ溶接用狭開先形状において、材質に応
じた初期開先幅を有し、且つ開先底面から所要の厚さ領
域までの開先面の角度を、材質に応じた初期溶接縮みを
考慮して大きめに設定し、更に、その上方の厚さ領域の
開先面の角度を、上記角度よりも相対的に小さくして、
2段開先形状とし、又、厚板をステンレス鋼とした場合
は、開先面の角度を大きくした厚さ領域の寸法を10mm
とするようにした構成としてあるので、溶接縮みが大き
く発生する溶接初期においても必要とする開先幅を維持
しつつ1層1パス溶接を行うことができ、したがって、
途中での補修を減らすか又はなくすことができ、溶接継
手の品質を向上させることができると共に、溶接作業の
効率を向上させることができる、という優れた効果を発
揮する。
接用狭開先形状によれば、厚板を突合せ溶接する際に形
成する厚板突合せ溶接用狭開先形状において、材質に応
じた初期開先幅を有し、且つ開先底面から所要の厚さ領
域までの開先面の角度を、材質に応じた初期溶接縮みを
考慮して大きめに設定し、更に、その上方の厚さ領域の
開先面の角度を、上記角度よりも相対的に小さくして、
2段開先形状とし、又、厚板をステンレス鋼とした場合
は、開先面の角度を大きくした厚さ領域の寸法を10mm
とするようにした構成としてあるので、溶接縮みが大き
く発生する溶接初期においても必要とする開先幅を維持
しつつ1層1パス溶接を行うことができ、したがって、
途中での補修を減らすか又はなくすことができ、溶接継
手の品質を向上させることができると共に、溶接作業の
効率を向上させることができる、という優れた効果を発
揮する。
【図1】本発明の厚板突合せ溶接用狭開先形状の実施の
一形態を示す概略図である。
一形態を示す概略図である。
【図2】厚板突合せ溶接用狭開先形状の一例を示す概略
図である。
図である。
【図3】溶接厚さと開先幅との関係を示す線図である。
3 厚板 4 狭開先 4a,4b 開先面
Claims (2)
- 【請求項1】 厚板を突合せ溶接する際に形成する厚板
突合せ溶接用狭開先形状において、材質に応じた初期開
先幅を有し、且つ開先底面から所要の厚さ領域までの開
先面の角度を、材質に応じた初期溶接縮みを考慮して大
きめに設定し、更に、その上方の厚さ領域の開先面の角
度を、上記角度よりも相対的に小さくして、2段開先形
状としたことを特徴とする厚板突合せ溶接用狭開先形
状。 - 【請求項2】 厚板をステンレス鋼とし、開先面の角度
を大きくした厚さ領域の寸法を10mmとするようにした
請求項1記載の厚板突合せ溶接用狭開先形状。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000101476A JP2001287078A (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 厚板突合せ溶接用狭開先形状 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000101476A JP2001287078A (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 厚板突合せ溶接用狭開先形状 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001287078A true JP2001287078A (ja) | 2001-10-16 |
Family
ID=18615519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000101476A Pending JP2001287078A (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 厚板突合せ溶接用狭開先形状 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001287078A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6122517B1 (ja) * | 2016-01-19 | 2017-04-26 | 東芝プラントシステム株式会社 | 配管のアンカプレートおよびその設置方法 |
CN110340530A (zh) * | 2019-07-02 | 2019-10-18 | 上海交通大学 | 一种中厚板激光-电弧复合焊焊缝双面成形控制方法 |
-
2000
- 2000-04-03 JP JP2000101476A patent/JP2001287078A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6122517B1 (ja) * | 2016-01-19 | 2017-04-26 | 東芝プラントシステム株式会社 | 配管のアンカプレートおよびその設置方法 |
JP2017129183A (ja) * | 2016-01-19 | 2017-07-27 | 東芝プラントシステム株式会社 | 配管のアンカプレートおよびその設置方法 |
CN110340530A (zh) * | 2019-07-02 | 2019-10-18 | 上海交通大学 | 一种中厚板激光-电弧复合焊焊缝双面成形控制方法 |
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