JPH0710011B2 - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents
磁歪式トルクセンサInfo
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- JPH0710011B2 JPH0710011B2 JP62328882A JP32888287A JPH0710011B2 JP H0710011 B2 JPH0710011 B2 JP H0710011B2 JP 62328882 A JP62328882 A JP 62328882A JP 32888287 A JP32888287 A JP 32888287A JP H0710011 B2 JPH0710011 B2 JP H0710011B2
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Landscapes
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転軸の印加トルクを、その軸表面の螺旋溝
を有する磁歪部の透磁率の変化として非接触的に検出す
る磁歪式トルクセンサの改良に関する。
を有する磁歪部の透磁率の変化として非接触的に検出す
る磁歪式トルクセンサの改良に関する。
電動機、工作機械、自動車等における回転駆動系の回転
軸に加わるトルクを検出するセンサとして、回転軸の適
所に螺旋溝(所謂シェブロン形状溝)を設けて磁歪部と
し、回転軸にトルクが印加されることにより磁歪部に生
じる透磁率の変化を電気量として検出するようにした磁
歪式トルクセンサが広く知られている。
軸に加わるトルクを検出するセンサとして、回転軸の適
所に螺旋溝(所謂シェブロン形状溝)を設けて磁歪部と
し、回転軸にトルクが印加されることにより磁歪部に生
じる透磁率の変化を電気量として検出するようにした磁
歪式トルクセンサが広く知られている。
第10図にその例を示す。(2a)および(2b)は、回転軸
(1)の周方向に略等間隔に形成されている螺旋溝であ
る。一方の螺旋溝(2a)と他方の螺旋溝(2b)の円周方
向に対する傾斜角度は相等しく(最も好ましくは45
゜)、向きは互いに逆である。この螺旋溝の形成によ
り、磁歪部の表面に形状効果として溝の傾斜方向と一致
する向きの一軸磁気異方性が与えられている。
(1)の周方向に略等間隔に形成されている螺旋溝であ
る。一方の螺旋溝(2a)と他方の螺旋溝(2b)の円周方
向に対する傾斜角度は相等しく(最も好ましくは45
゜)、向きは互いに逆である。この螺旋溝の形成によ
り、磁歪部の表面に形状効果として溝の傾斜方向と一致
する向きの一軸磁気異方性が与えられている。
(4)は励磁巻線、(6a)(6b)は検出巻線であり、そ
れぞれ回転軸(1)に回転対称に巻装されている。励磁
巻線(4)は高周波電源(5)に励磁されて磁歪部(3
a)(3b)に励磁々界を印加する。検出巻線(6a)と(6
b)は逆極性に接続されており、その端子に同期整流器
(7)が接続されている。
れぞれ回転軸(1)に回転対称に巻装されている。励磁
巻線(4)は高周波電源(5)に励磁されて磁歪部(3
a)(3b)に励磁々界を印加する。検出巻線(6a)と(6
b)は逆極性に接続されており、その端子に同期整流器
(7)が接続されている。
上記トルクセンサにおいて、回転軸(1)にトルクが印
加されていない状態では、螺旋溝(2a)(2b)を有する
2つの磁歪部(3a)と(3b)の透磁率は相等しく、かつ
検出巻線(6a)と(6b)とは逆極性に接続されているの
で、励磁巻線(4)との間の相互誘導により検出巻線
(6a)に生じる誘起電圧と、検出巻線(6b)に生じる誘
起電圧とは互いに打ち消し合い、従って同期整流器
(7)からの出力は現れない。回転軸(1)にトルク
(T)が印加されると、2つの磁歪部(3a)と(3b)の
一方には張力が、他方には圧縮力がそれぞれ選択的に作
用することにより、一方の磁歪部の透磁率は増加し、他
方の磁歪部のそれは減少する。この2つの磁歪部(3a)
と(3b)の透磁率の差動的な変化により、検出巻線(6
a)と(6b)の一方の誘起電圧は増加し、他方の検出巻
線の誘起電圧は減少する。その差が同期整流器(7)に
より直流電圧として出力され、その出力値の大きさから
印加トルクの大きさを、また出力値の正負の符号からト
ルクの印加方向を知ることができる。
加されていない状態では、螺旋溝(2a)(2b)を有する
2つの磁歪部(3a)と(3b)の透磁率は相等しく、かつ
検出巻線(6a)と(6b)とは逆極性に接続されているの
で、励磁巻線(4)との間の相互誘導により検出巻線
(6a)に生じる誘起電圧と、検出巻線(6b)に生じる誘
起電圧とは互いに打ち消し合い、従って同期整流器
(7)からの出力は現れない。回転軸(1)にトルク
(T)が印加されると、2つの磁歪部(3a)と(3b)の
一方には張力が、他方には圧縮力がそれぞれ選択的に作
用することにより、一方の磁歪部の透磁率は増加し、他
方の磁歪部のそれは減少する。この2つの磁歪部(3a)
と(3b)の透磁率の差動的な変化により、検出巻線(6
a)と(6b)の一方の誘起電圧は増加し、他方の検出巻
線の誘起電圧は減少する。その差が同期整流器(7)に
より直流電圧として出力され、その出力値の大きさから
印加トルクの大きさを、また出力値の正負の符号からト
ルクの印加方向を知ることができる。
上記磁歪式トルクセンサにおける回転軸の磁歪部の螺旋
溝(2a)(2b)は、切削加工(特願昭18−1151号公報)
や、ローレット加工、転造加工(ソ連発明者証特許第83
8448号)等のナーリング加工により形成されるので、そ
の表面にはごく微細ではあるが、多数のバリやヘアーク
ラック等が不可避的に存在している。磁歪式トルクセン
サでは、一般に10KHz程度の高周波で励磁され、従って
その磁力線は軸の最外表皮層約100μm程度)のみを流
れるので、上記の微細な表面欠陥が、磁歪部の磁気特性
を不均一なものとし、トルク検出のヒステリシスを生じ
させる原因となる。また、回転軸にトルクが印加される
ことにより軸の表皮層に誘導されるねじり応力が大きく
なると、軸の表皮層の結晶粒界にすべりが生じる。この
軸表皮層の結晶粒界のすべりは、トルク検出におけるヒ
ステリシスを増大させる。
溝(2a)(2b)は、切削加工(特願昭18−1151号公報)
や、ローレット加工、転造加工(ソ連発明者証特許第83
8448号)等のナーリング加工により形成されるので、そ
の表面にはごく微細ではあるが、多数のバリやヘアーク
ラック等が不可避的に存在している。磁歪式トルクセン
サでは、一般に10KHz程度の高周波で励磁され、従って
その磁力線は軸の最外表皮層約100μm程度)のみを流
れるので、上記の微細な表面欠陥が、磁歪部の磁気特性
を不均一なものとし、トルク検出のヒステリシスを生じ
させる原因となる。また、回転軸にトルクが印加される
ことにより軸の表皮層に誘導されるねじり応力が大きく
なると、軸の表皮層の結晶粒界にすべりが生じる。この
軸表皮層の結晶粒界のすべりは、トルク検出におけるヒ
ステリシスを増大させる。
このため、通常の構造用鋼を軸材とし、表面に機械加工
や転造加工等により螺旋溝を形成した後、その軸体の材
種に応じた一般的な軸強化熱処理(浸炭焼入れ,光輝焼
入れ等の焼入れとそれにつづく焼戻し処理、あるいは溶
体化熱処理とその後の時効処理等)を施して使用される
従来の回転軸では、約3〜20%のヒステリシスが現れ、
トルクセンサとして使用できない、という問題がある。
や転造加工等により螺旋溝を形成した後、その軸体の材
種に応じた一般的な軸強化熱処理(浸炭焼入れ,光輝焼
入れ等の焼入れとそれにつづく焼戻し処理、あるいは溶
体化熱処理とその後の時効処理等)を施して使用される
従来の回転軸では、約3〜20%のヒステリシスが現れ、
トルクセンサとして使用できない、という問題がある。
本発明上記問題を解決するための磁歪式トルクセンサを
提供するものである。
提供するものである。
本発明は、回転軸の表面、または回転軸に嵌着固定され
たスリーブの表面に螺旋溝を有する磁歪部が形成され、
該回転軸に印加されるトルクを磁歪部に生じる透磁率の
変化として検出する磁歪式トルクセンサにおいて、 前記磁歪部の表面全体に圧縮加工硬化層が形成されてい
ることを特徴としている。
たスリーブの表面に螺旋溝を有する磁歪部が形成され、
該回転軸に印加されるトルクを磁歪部に生じる透磁率の
変化として検出する磁歪式トルクセンサにおいて、 前記磁歪部の表面全体に圧縮加工硬化層が形成されてい
ることを特徴としている。
本発明における回転軸の磁歪部の表面圧縮加工硬化層
は、例えばショットピーニング法により導入される。
は、例えばショットピーニング法により導入される。
磁歪部の表面にショットピーニング処理を施すことによ
り、下記のように、磁歪部に機械的効果、および磁化過
程改善による磁気的効果が現れ、これらの総合作用とし
て、センサ特性が改善される。
り、下記のように、磁歪部に機械的効果、および磁化過
程改善による磁気的効果が現れ、これらの総合作用とし
て、センサ特性が改善される。
(i)機械的効果 回転軸表面の切削、ローレット加工等のナーリング加工
により形成された螺旋溝を有する磁歪部の表面にショッ
トピーニング処理を加えると、その表面に残存している
微細なバリやヘアークラック等が除去され、健全な表面
状態に修復される。
により形成された螺旋溝を有する磁歪部の表面にショッ
トピーニング処理を加えると、その表面に残存している
微細なバリやヘアークラック等が除去され、健全な表面
状態に修復される。
また、その磁歪部表面にはショットの衝突による微細な
圧痕(凹部)が均一かつ緻密に形成されると共に、表層
に加工硬化が導入され、硬質化し、変形抵抗が増加す
る。第1図はその磁歪部の微細な圧痕による凹凸表面を
模式的に示している。その均一緻密な微細圧痕が形成さ
れた表面層の断面は、第2図に示すように、繊維組織
(f)(軸材の製造工程における圧延、鍛造等の過程で
形成されたファィバフロー)が圧痕(v)により肉厚方
向に圧縮緻密化していることが観察される。この組織の
圧縮緻密化により、結晶粒界のすべり抵抗が高められ
る。
圧痕(凹部)が均一かつ緻密に形成されると共に、表層
に加工硬化が導入され、硬質化し、変形抵抗が増加す
る。第1図はその磁歪部の微細な圧痕による凹凸表面を
模式的に示している。その均一緻密な微細圧痕が形成さ
れた表面層の断面は、第2図に示すように、繊維組織
(f)(軸材の製造工程における圧延、鍛造等の過程で
形成されたファィバフロー)が圧痕(v)により肉厚方
向に圧縮緻密化していることが観察される。この組織の
圧縮緻密化により、結晶粒界のすべり抵抗が高められ
る。
(ii)磁気的効果(磁化過程の変化) 外部磁場や作用応力により強磁性体に生じる自発磁化の
変化には、磁壁移動による磁化過程と、回転磁化による
磁化過程とがあり、磁壁移動磁化過程は非可逆的である
ため、磁気的ヒステリシスの原因となり、他方回転磁化
過程は可逆的で、磁気的システリシスを起こしにくいこ
とは周知である。
変化には、磁壁移動による磁化過程と、回転磁化による
磁化過程とがあり、磁壁移動磁化過程は非可逆的である
ため、磁気的ヒステリシスの原因となり、他方回転磁化
過程は可逆的で、磁気的システリシスを起こしにくいこ
とは周知である。
磁歪部の表面にショットピーニングを行って形成される
多数の微小圧痕の周りには環状圧縮残留応力が発生す
る。この環状圧縮残留応力の場は1つの磁区として働
く。第3図は、磁歪部表面の圧痕(V)とその周囲の環
状圧縮残留応力場の磁区(m)の発現を模式的に示して
いる。その磁区の磁化過程は、応力が作用したとき、そ
の作用応力の方向へ磁化が回転する回転磁化過程が主体
となる。上記のように回転磁化過程は可逆的で、磁気的
ヒステリシスを生じにくい。このため、ショットピーニ
ングの実施により、ヒステリシス特性の改善効果が現れ
る。
多数の微小圧痕の周りには環状圧縮残留応力が発生す
る。この環状圧縮残留応力の場は1つの磁区として働
く。第3図は、磁歪部表面の圧痕(V)とその周囲の環
状圧縮残留応力場の磁区(m)の発現を模式的に示して
いる。その磁区の磁化過程は、応力が作用したとき、そ
の作用応力の方向へ磁化が回転する回転磁化過程が主体
となる。上記のように回転磁化過程は可逆的で、磁気的
ヒステリシスを生じにくい。このため、ショットピーニ
ングの実施により、ヒステリシス特性の改善効果が現れ
る。
また、環状圧縮残留応力の導入により磁壁移動磁化過程
の大部分が回転磁化過程に変化するため、透磁率が高く
なり、感度も向上する。
の大部分が回転磁化過程に変化するため、透磁率が高く
なり、感度も向上する。
本発明のトルクセンサの回転軸の材種は、軸材として通
常使用される各種の構造用鋼、例えば炭素鋼,クロム合
金鋼,ニッケル・クロム合金鋼,クロム・モリブデン合
金鋼,ニッケル・クロム・モリブデン合金鋼,マルエー
ジング鋼等である。その軸材は、材種に応じた軸強化熱
処理(例えば、浸炭焼入れ、光輝焼入れ等の一次焼入れ
・二次焼入れと焼戻し処理、溶体化熱処理と時効処理
等)が所望により、常法に従って施される。前記ショッ
トピーニング処理は、この熱処理の後に行えばよい。
常使用される各種の構造用鋼、例えば炭素鋼,クロム合
金鋼,ニッケル・クロム合金鋼,クロム・モリブデン合
金鋼,ニッケル・クロム・モリブデン合金鋼,マルエー
ジング鋼等である。その軸材は、材種に応じた軸強化熱
処理(例えば、浸炭焼入れ、光輝焼入れ等の一次焼入れ
・二次焼入れと焼戻し処理、溶体化熱処理と時効処理
等)が所望により、常法に従って施される。前記ショッ
トピーニング処理は、この熱処理の後に行えばよい。
軸表面の螺旋溝は、適当なピッチ(溝間隔)をなし、軸
心に対し適宜の傾斜角度(最も好ましくは±45゜方向)
をなすものであれば、溝の断面形状は、例えば第4図
〔I〕〜〔VI〕に示すように丸溝、角溝、傾斜溝等、任
意である。もっとも、金属疲労に及ぼすノッチ効果をで
きるだけ避けるには、同図〔I〕〜〔IV〕等のように適
宜の曲率半径Rを有する丸溝が有利であり、同図〔V〕
〔VI〕のように角溝とする場合はその溝底の隅部に適当
な曲率半径Rをもたせるのが好ましい。また、溝底はシ
ョットピーニングにより導入される応力集中が大きいの
で、そのRは約0.3mm以上とするのが望ましい。
心に対し適宜の傾斜角度(最も好ましくは±45゜方向)
をなすものであれば、溝の断面形状は、例えば第4図
〔I〕〜〔VI〕に示すように丸溝、角溝、傾斜溝等、任
意である。もっとも、金属疲労に及ぼすノッチ効果をで
きるだけ避けるには、同図〔I〕〜〔IV〕等のように適
宜の曲率半径Rを有する丸溝が有利であり、同図〔V〕
〔VI〕のように角溝とする場合はその溝底の隅部に適当
な曲率半径Rをもたせるのが好ましい。また、溝底はシ
ョットピーニングにより導入される応力集中が大きいの
で、そのRは約0.3mm以上とするのが望ましい。
回転軸の磁歪部表面に対するショットピーニングは、銑
鉄ショットや鋳鋼ショット等の硬質微細粒子を、圧縮空
気または遠心力等を利用し、高速度、例えば約60m/秒以
上の吹付け速度で磁歪部の表面に吹付けることにより行
われる。
鉄ショットや鋳鋼ショット等の硬質微細粒子を、圧縮空
気または遠心力等を利用し、高速度、例えば約60m/秒以
上の吹付け速度で磁歪部の表面に吹付けることにより行
われる。
ショット粒の粒径は例えば0.1〜0.6mmであるが、前記の
機械的効果および磁気的効果を十分に発現させるため
に、そのショット粒は、ショット前の磁歪部の表面硬度
より高い硬度を有するものが望ましい。
機械的効果および磁気的効果を十分に発現させるため
に、そのショット粒は、ショット前の磁歪部の表面硬度
より高い硬度を有するものが望ましい。
ショット粒の吹付けは、溝間の外表面および溝内表面の
全体に亘って均一に行われるべきであり、殊に溝底は応
力集中が大きいので、溝底全面に一様に圧縮加工硬化が
生じるように、ショット粒のサイズは、その中心分布粒
径をФs(mm)とするとき、Фs<2R〔Rは第4図の溝
の底面または隅部の曲率半径(mm)〕であるものを使用
するとよい。
全体に亘って均一に行われるべきであり、殊に溝底は応
力集中が大きいので、溝底全面に一様に圧縮加工硬化が
生じるように、ショット粒のサイズは、その中心分布粒
径をФs(mm)とするとき、Фs<2R〔Rは第4図の溝
の底面または隅部の曲率半径(mm)〕であるものを使用
するとよい。
ショットピーニング処理のカバレージ(ショット領域表
面積に対するショット粒子衝突面積率%,SAEマニュアル
・オン・ショットピーニング−SAE J808a)は、その値
が高い程、磁歪部に生じる機械的効果および磁気的効果
が大となる。好ましくは70%以上、より好ましくは98%
(「フルカバレージ」と称される)以上である。
面積に対するショット粒子衝突面積率%,SAEマニュアル
・オン・ショットピーニング−SAE J808a)は、その値
が高い程、磁歪部に生じる機械的効果および磁気的効果
が大となる。好ましくは70%以上、より好ましくは98%
(「フルカバレージ」と称される)以上である。
なお、ショットピーニング処理により導入される圧縮加
工硬化および圧縮残留応力等は、ピーニング強さ(通常
「アークハイト値」で表される。SAEマニュアル・オン
・ショットピーニング−SAE J442)を高める程、増大
することは言うまでもない。ピーニング強さは、ショッ
ト粒子の吹付け圧力、吹付け時間(ショット曝露時間)
等により調節される。
工硬化および圧縮残留応力等は、ピーニング強さ(通常
「アークハイト値」で表される。SAEマニュアル・オン
・ショットピーニング−SAE J442)を高める程、増大
することは言うまでもない。ピーニング強さは、ショッ
ト粒子の吹付け圧力、吹付け時間(ショット曝露時間)
等により調節される。
次に、回転軸の磁歪部表面のショットピーニング処理に
よる機械的効果および磁気的効果について、第5図〜第
7図を参照して説明する。供試回転軸は、材種、サイ
ズ、螺旋溝形状、軸強化熱処理、ショットピーニング処
理条件等のいずれも、後記実施例欄における供試回転軸
Bと同一であり、トルク検出における励磁・検出回路構
成も後記実施例欄におけるそれと同一である。
よる機械的効果および磁気的効果について、第5図〜第
7図を参照して説明する。供試回転軸は、材種、サイ
ズ、螺旋溝形状、軸強化熱処理、ショットピーニング処
理条件等のいずれも、後記実施例欄における供試回転軸
Bと同一であり、トルク検出における励磁・検出回路構
成も後記実施例欄におけるそれと同一である。
第5図は、回転軸の磁歪部表面のショットピーニング処
理前後における硬さ(Hv)および圧縮残留応力(kgf/cm
2)の変化を示している。破線は、ショットピーニング
処理前(軸強化熱処理まま)、実線はショットピーニン
グ処理後である。ショットピーニング処理により磁歪部
表層の硬さおよび圧縮残留応力が大きく増強されること
がわかる。
理前後における硬さ(Hv)および圧縮残留応力(kgf/cm
2)の変化を示している。破線は、ショットピーニング
処理前(軸強化熱処理まま)、実線はショットピーニン
グ処理後である。ショットピーニング処理により磁歪部
表層の硬さおよび圧縮残留応力が大きく増強されること
がわかる。
第6図は、回転軸の磁歪部表面にショットピーニング処
理を施した場合のトルク検出におけるヒステリシス(%
Fs)(後記実施例欄参照)に及ぼすショットカバレージ
(%)の影響を示している。カバレージ70%、100%、2
00%、および300%のショット曝露時間は、それぞれ40
秒、60秒、120秒、および180秒である。カバレージ70%
以上のショットピーニング処理により、ヒステリシス特
性は処理前に比べて数分の1以下と大きく改善されてい
る。
理を施した場合のトルク検出におけるヒステリシス(%
Fs)(後記実施例欄参照)に及ぼすショットカバレージ
(%)の影響を示している。カバレージ70%、100%、2
00%、および300%のショット曝露時間は、それぞれ40
秒、60秒、120秒、および180秒である。カバレージ70%
以上のショットピーニング処理により、ヒステリシス特
性は処理前に比べて数分の1以下と大きく改善されてい
る。
第7図〔I〕〔I〕〔III〕は、回転軸の磁歪部にショ
ットピーニング処理を施した場合のトルク検出における
ヒステリシス特性、検出感度および非直線性に及ぼすピ
ーニング強さの影響を示している(図〔I〕:ヒステリ
シス特性,図〔II〕:感度,図〔III〕:非直線性)。
図の横軸はピーニング強さをショットの曝露時間で表し
ている(なお、ショット曝露時間120秒におけるショッ
トピーニング強さを表すアークハイト値は約0.3mmAであ
った)。○印はショットピーニング処理なし(軸強化熱
処理まま)の場合の測定値である。
ットピーニング処理を施した場合のトルク検出における
ヒステリシス特性、検出感度および非直線性に及ぼすピ
ーニング強さの影響を示している(図〔I〕:ヒステリ
シス特性,図〔II〕:感度,図〔III〕:非直線性)。
図の横軸はピーニング強さをショットの曝露時間で表し
ている(なお、ショット曝露時間120秒におけるショッ
トピーニング強さを表すアークハイト値は約0.3mmAであ
った)。○印はショットピーニング処理なし(軸強化熱
処理まま)の場合の測定値である。
同図〔I〕〜〔III〕から明らかなように、ショット曝
露時間によりピーニング強さを高めるに伴ってヒステリ
シス特性が向上し、感度および非直線性も共に大きく改
善されることがわかる。
露時間によりピーニング強さを高めるに伴ってヒステリ
シス特性が向上し、感度および非直線性も共に大きく改
善されることがわかる。
このように、回転軸表面の螺旋溝による形状磁気異方性
を付与した磁歪部の表面にショットピーニング処理を施
して磁歪部の表面性状を健全化すると共に圧縮加工硬化
層を導入することにより、磁歪部の磁気的性質が改善さ
れ、トルク検出におけるヒステリシス特性等の改善効果
が得られ、また同時に感度も高められる。
を付与した磁歪部の表面にショットピーニング処理を施
して磁歪部の表面性状を健全化すると共に圧縮加工硬化
層を導入することにより、磁歪部の磁気的性質が改善さ
れ、トルク検出におけるヒステリシス特性等の改善効果
が得られ、また同時に感度も高められる。
上記説明では、回転軸自身の表面に螺旋溝を設けて磁歪
部とし、これにショットピーニング処理を施している
が、回転軸自身に磁歪部を形成することが不適当な場
合、例えば螺旋溝の形成に伴って、軸体に必要な機械強
度が保持できなくなるような場合、あるいは軸体が磁歪
効果の小さい材種であるような場合においては、磁歪部
材として適宜材種の金属スリーブを回転軸に嵌着固定
(溶接、接着、焼嵌め、冷し嵌め等)し、そのスリーブ
表面に形成された螺旋溝を有する磁歪部の表面にショッ
トピーニング処理を施して圧縮加工硬化層を導入するよ
うにすればよい。
部とし、これにショットピーニング処理を施している
が、回転軸自身に磁歪部を形成することが不適当な場
合、例えば螺旋溝の形成に伴って、軸体に必要な機械強
度が保持できなくなるような場合、あるいは軸体が磁歪
効果の小さい材種であるような場合においては、磁歪部
材として適宜材種の金属スリーブを回転軸に嵌着固定
(溶接、接着、焼嵌め、冷し嵌め等)し、そのスリーブ
表面に形成された螺旋溝を有する磁歪部の表面にショッ
トピーニング処理を施して圧縮加工硬化層を導入するよ
うにすればよい。
回転軸の表面の隣り合う2個所に、軸心に対する傾き角
度が同じで向きが逆の螺旋溝をローレット加工により刻
設し、軸強化熱処理を施したのち、ショットピーニング
処理を行う。
度が同じで向きが逆の螺旋溝をローレット加工により刻
設し、軸強化熱処理を施したのち、ショットピーニング
処理を行う。
上記回転軸に、励磁・検出回路を配置してトルクセンサ
を構成する。
を構成する。
〔I〕軸 体 (1) 軸径:30mm (2) 螺旋溝 溝の断面形状:波形状(第8図参照),溝ピッチP:
2mm,溝深さD:1mm,溝底R:0.3mm, 溝長さ(螺旋方向):15mm 溝の傾斜角度(軸心方向に対し):±45゜ (3) 軸材種および軸強化熱処理 回転軸A 材 種:18%Niニッケルマルエージング鋼(18%Ni−3
%Co−0.5%Mo−2.5%Cr−1.2Al−Fe)。
2mm,溝深さD:1mm,溝底R:0.3mm, 溝長さ(螺旋方向):15mm 溝の傾斜角度(軸心方向に対し):±45゜ (3) 軸材種および軸強化熱処理 回転軸A 材 種:18%Niニッケルマルエージング鋼(18%Ni−3
%Co−0.5%Mo−2.5%Cr−1.2Al−Fe)。
熱処理:溶体化処理(830℃×1Hr→水冷)→時効処理
(515℃×3Hr→空冷) 回転軸B 材 種:4%Niニッケルクロムモリブデン鋼(4.25%Ni−
0.2%Mo−0.8%Cr−Fe) 熱処理:一次焼入(930℃→油冷)→二次焼入(850℃→
油冷)→焼戻し(175℃×4Hr→空冷) 回転軸C 材 種:14%Niニッケルマルエージング鋼(14%Ni−3
%Mo−1.5%Ti−3%Cr−Fe) 熱処理:溶体化処理(900℃×1Hr→空冷)→時効処理
(480℃×3Hr→空冷) 回転軸D 材 種:9%Niニッケルクロムモリブデン鋼(8.5%Ni−
1.5%Mo−1%Cr−Fe) 熱処理:焼入(830℃→水冷)→焼戻し(560℃×4Hr→
水冷)。
(515℃×3Hr→空冷) 回転軸B 材 種:4%Niニッケルクロムモリブデン鋼(4.25%Ni−
0.2%Mo−0.8%Cr−Fe) 熱処理:一次焼入(930℃→油冷)→二次焼入(850℃→
油冷)→焼戻し(175℃×4Hr→空冷) 回転軸C 材 種:14%Niニッケルマルエージング鋼(14%Ni−3
%Mo−1.5%Ti−3%Cr−Fe) 熱処理:溶体化処理(900℃×1Hr→空冷)→時効処理
(480℃×3Hr→空冷) 回転軸D 材 種:9%Niニッケルクロムモリブデン鋼(8.5%Ni−
1.5%Mo−1%Cr−Fe) 熱処理:焼入(830℃→水冷)→焼戻し(560℃×4Hr→
水冷)。
(4) ショットピーニング処理 ショット粒:鋳鋼ショット,硬さ(Hv)700 ショット粒径(呼称):0.3mm(SAE J−44 No.570,JI
S G5903S30) ショット速度:62m/秒 ショットカバレージ:200%(フルカバレージ) ショット曝露時間:120秒 〔II〕トルクセンサの構成およびトルク検出試験上記各
回転軸A〜Dのそれぞれについて、第10図に示すよう
に、ソレノイドコイル方式の励磁・検出回路を配置して
差動型トルクセンサA〜Dを構成し、高周波電源(励磁
電流:40mA rms,励磁周波数:10KHz)による励磁磁界の
印加のもとに、回転軸に定格トルクを印加してトルク検
出試験を行った。
S G5903S30) ショット速度:62m/秒 ショットカバレージ:200%(フルカバレージ) ショット曝露時間:120秒 〔II〕トルクセンサの構成およびトルク検出試験上記各
回転軸A〜Dのそれぞれについて、第10図に示すよう
に、ソレノイドコイル方式の励磁・検出回路を配置して
差動型トルクセンサA〜Dを構成し、高周波電源(励磁
電流:40mA rms,励磁周波数:10KHz)による励磁磁界の
印加のもとに、回転軸に定格トルクを印加してトルク検
出試験を行った。
また、比較列として、ショットピーニング処理を省略し
た以外は、上記各回転軸A〜Dと同一の条件で磁歪部を
形成した回転軸A′,B′,C′,D′を用意し、上記と同一
の差動型トルクセンサA′〜D′を構成してトルク検出
試験を行った。
た以外は、上記各回転軸A〜Dと同一の条件で磁歪部を
形成した回転軸A′,B′,C′,D′を用意し、上記と同一
の差動型トルクセンサA′〜D′を構成してトルク検出
試験を行った。
第1表に、各トルクセンサのトルク検出特性について、
それぞれのヒステリシス(%Fs)、感度(mV)、および
非直線性(%Fs)を示す。同表には各トルクセンサの回
転軸の磁歪部表面硬さ(Hv)を併記した。
それぞれのヒステリシス(%Fs)、感度(mV)、および
非直線性(%Fs)を示す。同表には各トルクセンサの回
転軸の磁歪部表面硬さ(Hv)を併記した。
なお、感度、ヒステリシス、非直線性は次のように定義
した(第9図参照)。
した(第9図参照)。
感度(mV)=VRO=|A1−A2| ヒステリシス(%Fs)=ΔHv/VRO×100(%) 非直線性(%Fs)=ΔVN/VRO×100(%) 〔式中、A1,A2:定格トルク印加時の出力値、ΔHv(=|a
1−a2|):定格トルクの加除荷により描かれる出力電圧
ループ(a1−B−a2−C−a1)における最大ずれ量、Δ
VN(=|a3−a2|):出力電圧ループの校正直線▲▼
からの最大ずれ量〕。
1−a2|):定格トルクの加除荷により描かれる出力電圧
ループ(a1−B−a2−C−a1)における最大ずれ量、Δ
VN(=|a3−a2|):出力電圧ループの校正直線▲▼
からの最大ずれ量〕。
第1表に示したように、回転軸の磁歪部表面にショット
ピーニングによる圧縮加工硬化層を導入することによ
り、トルク検出におけるヒステリシス特性、検出感度、
および非直線性が大きく改善され、トルクセンサ特性が
顕著に向上することが明瞭に認められる。
ピーニングによる圧縮加工硬化層を導入することによ
り、トルク検出におけるヒステリシス特性、検出感度、
および非直線性が大きく改善され、トルクセンサ特性が
顕著に向上することが明瞭に認められる。
〔発明の効果〕 本発明のトルクセンサは、回転軸の磁歪部表面にショッ
トピーニング加工等による圧縮加工硬化層が導入されて
いることにより、ヒステリシスが極めて小さく、かつ高
い検出感度を有し、直線性も良好である。その改良され
たセンサ特性により、高精度のトルク検出が可能とな
り、回転駆動系制御におけるトルク検出の信頼性が確保
される。
トピーニング加工等による圧縮加工硬化層が導入されて
いることにより、ヒステリシスが極めて小さく、かつ高
い検出感度を有し、直線性も良好である。その改良され
たセンサ特性により、高精度のトルク検出が可能とな
り、回転駆動系制御におけるトルク検出の信頼性が確保
される。
第1図は、ショットピーニング処理された回転軸の磁歪
部表面を模式的に示す図、 第2図は、ショットピーニング処理された磁歪部の表皮
層の断面を模式的に示す図、 第3図は、ショットピーニング処理された磁歪部表面の
圧痕とその周囲に発現する安定磁区を模式的に示す断面
図、 第4図〔I〕〜〔VI〕は、螺旋溝の溝形状を模式的に示
す断面図、 第5図は、磁歪部表層の硬さおよび圧縮残留応力の分布
を示す図、 第6図は、ヒステリシス特性に及ぼすショットピーニン
グのカバレージの影響を示すグラフ、 第7図〔I〕〔II〕〔III〕は、ヒステリシス特性、感
度および非直線性に及ぼすショットピーニング強さの影
響を示すグラフ、 第8図は、実施例関係の磁歪部の螺旋溝形状説明図、 第9図は、トルク検出のヒステリシス曲線を示すグラ
フ、 第10図は、磁歪式トルクセンサの励磁・検出回路構成の
説明図である。 1:回転軸、2a,2b:螺旋溝、3a,3b:磁歪部、4:励磁巻線、
5:高周波電源、6a,6b:検出巻線、7:同期整流器。
部表面を模式的に示す図、 第2図は、ショットピーニング処理された磁歪部の表皮
層の断面を模式的に示す図、 第3図は、ショットピーニング処理された磁歪部表面の
圧痕とその周囲に発現する安定磁区を模式的に示す断面
図、 第4図〔I〕〜〔VI〕は、螺旋溝の溝形状を模式的に示
す断面図、 第5図は、磁歪部表層の硬さおよび圧縮残留応力の分布
を示す図、 第6図は、ヒステリシス特性に及ぼすショットピーニン
グのカバレージの影響を示すグラフ、 第7図〔I〕〔II〕〔III〕は、ヒステリシス特性、感
度および非直線性に及ぼすショットピーニング強さの影
響を示すグラフ、 第8図は、実施例関係の磁歪部の螺旋溝形状説明図、 第9図は、トルク検出のヒステリシス曲線を示すグラ
フ、 第10図は、磁歪式トルクセンサの励磁・検出回路構成の
説明図である。 1:回転軸、2a,2b:螺旋溝、3a,3b:磁歪部、4:励磁巻線、
5:高周波電源、6a,6b:検出巻線、7:同期整流器。
Claims (2)
- 【請求項1】回転軸の表面、または回転軸に嵌着固定さ
れたスリーブの表面に螺旋溝を有する磁歪部が形成さ
れ、該回転軸に印加されるトルクを磁歪部に生じる透磁
率の変化として検出する磁歪式トルクセンサにおいて、 前記磁歪部の表面全体に圧縮加工硬化層が形成されてい
ることを特徴とする磁歪式トルクセンサ。 - 【請求項2】磁歪部表面の圧縮加工硬化層が、ショット
ピーニング処理により形成されたものであることを特徴
とする上記第1項に記載の磁歪式トルクセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328882A JPH0710011B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 磁歪式トルクセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328882A JPH0710011B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 磁歪式トルクセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01169983A JPH01169983A (ja) | 1989-07-05 |
JPH0710011B2 true JPH0710011B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=18215149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62328882A Expired - Lifetime JPH0710011B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | 磁歪式トルクセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0710011B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03110432A (ja) * | 1989-09-25 | 1991-05-10 | Kubota Corp | トルクセンサ軸の製造方法 |
US5491369A (en) * | 1992-08-24 | 1996-02-13 | Kubota Corporation | Magnetostrictive torque sensor shaft |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60254678A (ja) * | 1984-05-30 | 1985-12-16 | Nissan Motor Co Ltd | トルク検出装置 |
-
1987
- 1987-12-24 JP JP62328882A patent/JPH0710011B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60254678A (ja) * | 1984-05-30 | 1985-12-16 | Nissan Motor Co Ltd | トルク検出装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01169983A (ja) | 1989-07-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |