JPH1137864A - 磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方法 - Google Patents

磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方法

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JPH1137864A
JPH1137864A JP19749197A JP19749197A JPH1137864A JP H1137864 A JPH1137864 A JP H1137864A JP 19749197 A JP19749197 A JP 19749197A JP 19749197 A JP19749197 A JP 19749197A JP H1137864 A JPH1137864 A JP H1137864A
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Wataru Yagi
木 渉 八
Atsunao Itou
東 厚 直 伊
Toshikuni Kusano
野 敏 邦 草
Kota Maruyama
山 宏 太 丸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁歪式トルクセンサの磁歪膜の特性向上とば
らつき低減が可能な製造方法を提供する。 【解決手段】 金属からなるシャフトの外周面に、Co
を30wt%以下含むNi合金からなる磁歪膜を溶射に
より被着する磁歪式トルクセンサの磁歪各の製造方法に
おいて、磁歪膜を溶射後、還元雰囲気において800〜
1100℃で還元熱処理する。その結果、Ni−Co合
金を用いた溶射磁歪膜の特性を向上でき、特性のばらつ
きも低減できた。また、Ni−CO合金にAlを0.1
〜5wt%添加することにより、一層の特性改善ができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願の発明は、シャフト表面
に被着された磁気異方性の磁歪膜により、シャフトの捻
れに応じた磁歪膜の磁気特性(透磁率)の変化を磁気的
に非接触検出する磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪膜の製造方法としては、スパッタリ
ングやイオンプレーティングなどのPVD法(例えば特
開平6−137981号公報)、メッキ法(例えば特開
昭62−206421号公報)、プラズマ溶射法などの
溶射法(例えば特開平5−52678号公報や特開平6
−160209号公報参照)が提案されている。
【0003】PVD法は、成膜速度が遅いので、生産性
の点で問題を有している。めっき法、特に無電解めっき
法は、形成された磁歪膜の組成に制限があるために感度
向上の点で問題を有している。そして、スパッタリング
法やめっき法は、形成された磁歪膜が比較的薄いので、
感度の点でシャフトの磁気的影響を排除する必要があ
り、このため、非磁性シャフトを用いる必要があると言
う問題を有している。
【0004】これに対して、溶射法は、磁歪膜の組成の
再現性、膜厚制御性、密着強度、感度、生産性において
良好であり、膜厚を大きくすることも容易であるので、
シャフトの材質も限定されないという利点を有してい
る。
【0005】特開平6−160209号公報において
は、Niが40〜80wt%のNi−Fe合金からなる
磁歪膜、このNi−Fe合金にAlなどを合計で7wt
%以下含有させた合金からなる磁歪膜を提案している。
【0006】特開平6−137981号公報において
は、Niが90wt%のNi−Fe合金からなる膜を開
示している。
【0007】、特開平5−52678号公報において
は、Fe−Co(Coが30〜60wt%)合金を用
い、添加元素としてMn、V、Nbの少なくとも一種以
上を5wt%以下添加し、含有酸素量が0.2wt%以
下としたプラズマ溶射法による溶射磁歪膜、更に、この
溶射磁歪膜をプラズマ溶射後、無酸素雰囲気で800〜
850℃に加熱する熱処理を行うこと、この無酸素雰囲
気として、水素中すなわち還元雰囲気で行い、これによ
り上記レベルまで含有酸素の還元を行うことを開示して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したNi系合金を
用いてプラズマ溶射などの溶射法により磁歪膜を作製す
る方法は、膜厚が大きく、感度に優れる磁歪膜を比較的
容易に且つ経済的に作製できる利点を有している。
【0009】しかしながら、従来のNi系合金を用いた
溶射磁歪膜では、その実用化のために、感度、リニアテ
ィ、ヒステリシス特性、シャフトとの密着性、出力の温
度安定性などの主要な特性の一層の向上及びばらつきの
低減が望まれていた。
【0010】この出願の発明は、上記問題に鑑みなされ
たものであり、磁歪式トルクセンサの磁歪膜の特性向上
とばらつき低減が可能な製造方法を提供することをその
解決すべき課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この出願の発明者らは、
請求項1記載の製造方法に関して、金属からなるシャフ
トの外周面に、Coを30wt%以下含むNi−Co合
金からなる磁歪膜を溶射により被着する磁歪式トルクセ
ンサの製造方法において、磁歪膜を溶射後、還元雰囲気
において800〜1100℃で還元熱処理してみた。
【0012】その結果、Ni−Co合金を用いた溶射磁
歪膜(Ni−Co合金膜)の特性を向上でき、特性のば
らつきも低減できることを見出した。
【0013】これは、おそらく粒子積層状態となってい
る溶射直後のNi合金膜の組織構造が還元熱処理により
改質されると同時に、金属粉末に吸着した酸素が還元に
より低減されて、Ni−Co合金膜の磁歪特性が改善さ
れたためと想像される。
【0014】更に、この還元熱処理の過程で膜成分のシ
ャフト表層への拡散などにより、Ni−Co合金膜とシ
ャフトとの密着性も向上することもわかった。
【0015】還元熱処理温度は、800〜1100℃と
される。還元熱処理温度が800℃未満の場合には、上
記した溶射磁歪膜の組織改善と脱酸とによると思われる
特性改善が不十分となり、還元熱処理温度が1100℃
より高いと素材の歪み、膜部の膨れが顕著となった。
【0016】還元熱処理の時間は、1〜5時間が好適で
ある。還元熱処理の時間が1時間未満の場合には溶射磁
歪膜の組織改善と脱酸が不十分となって特性の低下が生
じ、また5時間を超えると溶射磁歪膜中の結晶粒の肥大
化、素材歪み、膨れなどが生じ、特性のばらつきやヒス
テリシスの増大が生じる。
【0017】Ni−Co合金膜の厚みとしては、0.1
〜1mmとするのが好ましい。膜厚が0.1mm未満で
あれば感度の低下が顕著となり、また1mmを超える場
合においては偏析、処理コストの増加という不具合が生
じる。
【0018】この出願の発明者らは、請求項2記載の製
造方法に関して、請求項1記載の製造方法において更
に、溶射するNi−Co合金にAlを0.1から5wt
%以下添加させてみた。
【0019】その結果、一層の特性改善を実現できるこ
とがわかった。
【0020】これは、還元熱処理中の高温により活性化
されたAlがさらに膜中や粒界中の酸素と結合し、これ
によりNi−Co合金溶射膜中のNiなどと酸素との結
合が除去されて磁歪膜としての特性が向上するためと想
像される。すなわち、溶射膜は酸素を多く含み、この酸
素がNi−Co合金溶射膜の磁歪特性を低下させていた
ことがわかった。Ni−Co合金溶射膜を還元熱処理す
る際において、Ni−Co合金溶射膜中にAlが存在す
ると、おそらくAlが膜中の酸素と結合するためか、N
i−Co合金溶射膜の特性が一層改善された。酸素と結
合したAlは、アルミナとなって安定化し、膜中に分散
するので、膜の強度が向上し、更に膜の抵抗率の増大に
よる渦電流損失の低減に効果がある。
【0021】なお、熱処理雰囲気が還元性であるので、
磁歪膜の表面付近のAlは多少放散されるものの、雰囲
気ガス中の酸素とAlとが結合して磁歪膜の表面付近の
Alが大きく減耗することがなく、膜中各部の成分ばら
つきによる特性ばらつきを低減することができる。
【0022】この出願の発明者らは、請求項3記載の製
造方法に関して、請求項1又は2記載の製造方法におい
て更に、還元熱処理をCOガスを用いて行ってみた。こ
のようにすれば、更に以下の効果を奏することがわかっ
た。
【0023】すなわち、上記したような高温で還元熱処
理を行うに際して上記従来技術に記載されている水素ガ
スによる還元を採用すると、高強度を要求されるシャフ
トに水素脆化が生じてその強度が低下する(脆くなる)
という不具合が生じるが、この製造方法によれば、この
ような水素脆化を防止するとともに、COガスによる高
温での還元熱処理により浸炭によるシャフトの表面強化
を図ることができ、実用上、きわめて有効であることが
わかった。COガスの採用は、Ni−Co合金溶射膜中
へのCの混入と、それによるNi−Co合金溶射膜の磁
歪特性の低下を懸念させるが、実験によれば、COガス
の使用によるNi−Co合金溶射膜の特性低下は生じな
かった。
【0024】この出願の発明者らは、請求項4記載の製
造方法に関して、請求項1〜3の何れかに記載の製造方
法において更に、還元熱処理中又はその後、800〜1
100℃で浸炭処理を行ってみた。
【0025】その結果、シャフトの機械的強度を向上で
きることがわかった。なお、このようなNi−Co合金
溶射膜が被着されたシャフトを浸炭処理する場合、Ni
−Co合金溶射膜も浸炭処理されるわけであるから、そ
れによる特性低下が強く懸念される。しかし、実験によ
れば、Ni−Co合金からなる磁歪膜は、浸炭処理によ
り特性低下を生じることなく、かえってこの浸炭処理時
においてNi−Co合金中でNiやCoと結合する酸素
を除去し、更に浸炭処理時にNiとCoの合金化が進む
ので、溶射後にはまだ不十分である溶射膜の合金化が促
進され、これらの結果として、Ni−Co合金溶射膜の
特性が改善されることがわかった。
【0026】すなわち、Ni−Co合金溶射膜を還元雰
囲気で熱処理すると特性が向上する。しかし、この高温
処理によりシャフトの機械的特性が低下する。そこで、
この還元熱処理後中又はその後で、浸炭処理を行うと、
シャフトの機械的特性を向上させるとともに、Ni−C
o合金溶射膜中の酸素の低減を行うので、磁歪膜の特性
も向上するという一挙両得の効果が得られた。
【0027】浸炭処理としては、上記に説明した還元熱
処理をCOガスを用いて行う他、Ni−Co合金溶射膜
及びシャフトにCを塗布したりして行うことができる。
【0028】この出願の発明者らは、請求項5記載の製
造方法に関して、請求項1〜4の何れかに記載の製造方
法において更に、還元熱処理後、800〜1000℃で
焼き入れ処理を行ってみた。
【0029】このようにすれば、磁歪膜の特性向上と同
時にシャフトの強化を図ることができることがわかっ
た。
【0030】詳しく説明すれば、上記した還元熱処理ま
たは浸炭処理を高温で行うと、どうしてもシャフトを構
成する金属の結晶構造の粗大化を招く。特に、上記した
従来具術のように、この高温熱処理段階から徐冷を行う
場合においてそれが顕著であり、その他、このような熱
処理やその後の徐冷によりシャフトの結晶層が望ましく
ない結晶構造となる場合もある。
【0031】そこで、還元熱処理後に、焼き入れ処理を
行ってみると、Ni−Co合金溶射膜の特性を低下させ
ることなく、シャフトの機械的強度の向上が行えること
がわかった。
【0032】一例において、この焼き入れ処理は、還元
熱処理後の冷却を終了した後の再加熱とその後の急冷に
より実施されるが、他例においては還元熱処理を行う高
温の冷却過程において、急冷工程が挿入される。すなわ
ち、後者の方法では、還元熱処理が焼き入れにおける前
工程を兼ねるので、工程が簡素となる。
【0033】重要なことは、この焼き入れ処理すなわち
急冷を実施することにより高温の還元熱処理で低下した
シャフトの機械的特性が向上するが、それと同時に磁歪
膜の結晶構造が変成し、磁歪膜の特性すなわち感度、リ
ニアティ、ヒステリシス特性などの特性が悪化せず、む
しろ改善されるともいえるということが判明して点であ
る。
【0034】この出願の発明者らは、請求項6記載の製
造方法に関して、請求項5に記載の製造方法において更
に、焼き入れ処理後、焼き戻し処理を行ってみた。この
ようにすれば、シャフトの残留応力を低減できると同時
に、Ni−Co合金溶射膜の特性ばらつきも低減できる
ことがわかった。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この出願の発明の好適な実
施形態を以下の実施例により説明する。
【0036】磁歪膜として用いるNi−Co合金として
は、上述したようにCoを30wt%以下、更に好まし
くは2〜10wt%含むことが好ましい。添加元素とし
てのAlは、0.1〜5wt%、更に好ましくは1〜3
wt%添加されることが好ましい。その他、含まれるこ
とのできる補助添加元素は、Mg、Ca、Ti、Si、
B、Mnなどを合計で0.01〜5wt%程度添加する
ことができる。
【0037】シャフトとしては、SCr、SNCM、S
CMなどの合金鋼や炭素鋼、更には非磁性のステンレス
鋼などが採用されることができる。特に、ドリフトなど
安定性を重視し、磁歪膜とシャフトの熱膨張をほぼ同じ
にした材料を選定することが好ましい。
【0038】
【実施例】
(実施例1)実験に用いた磁歪式トルクセンサの磁歪膜
の形状を図1に示す。図1において、1はシャフトであ
り、シャフト1の外周側にはボビン2がシャフト1との
間に微少な隙間を存在させて固定的に設置されている。
【0039】ボビン2は軸方向前後に一対のコイル溝を
有しており、両コイル溝の上部(外径側)には励磁コイ
ル3、4が個別に巻装され、両コイル溝の下部(内径
側)には検出コイル5、6が個別に巻装されている。
【0040】一方のコイル溝にボビン2を挟んで対面す
るシャフト1の外周面には、第1の磁歪膜7が被着さ
れ、他のコイル溝にボビン2を挟んで対面するシャフト
1の外周面には、第2の磁歪膜8が被着されている。両
励磁コイル3、4のターン数は互いに等しく設定され、
両検出コイル5、6のターン数も互いに等しく設定され
ている。
【0041】図2に検出回路の構成を示す。図2におい
て、所定周波数の正弦波交流電圧(ここでは50kH
z)が直列に接続された励磁コイル3、4に印加される
と、シャフト1に加わる捻り応力に応じて磁歪膜7、8
が交流磁界を変調する。そうすると、両検出コイル5、
6に誘導される信号電圧が逆方向に変化するので、両検
出コイル5、6の信号電圧をそれぞれ検波器9、10で
検波し、電圧増幅器11、12で増幅し、両信号電圧の
差を差動増幅器13で求めれば、ほぼシャフト1の捻り
応力すなわちトルクに比例する信号電圧が得られる。
【0042】磁歪膜7、8は、プラズマ溶射により形成
され、その後、切削加工により、図1に示すように互い
に反対に向き且つ軸方向に対して45度の方向に延びる
多数の短い帯により構成される所謂シェブロンパターン
形状に成形される。これらの構成は、磁歪式トルクセン
サ構造として一般的であり、よく知られているので、詳
細な説明は省略する。
【0043】シャフト1は、その直径が17mm、その
長さが120mmであり、SCr420を素材として加
工形成されたものを準備し、その外周面をブラスト処理
した後、プラズマ溶射を行った。プラズマ溶射は、Ni
が95wt%,Coが5wt%のブレンド粉末を用いて
大気中で実施し、シャフト1の外周面に厚さ0.3mm
のNi−Co合金層を形成した。次に、シャフト1をC
O雰囲気で950℃で3時間保持し、その後、850℃
で1.5時間保持した後、130℃まで油焼き入れし、
その後、180℃で2時間保持した後、空冷して焼き戻
しを行う浸炭熱処理を行った。
【0044】次に、この合金膜に図1のようにシェブロ
ンパターン形状膜すなわち多数の帯を形成すべく加工処
理を実施した。各帯は、横幅が2.2mm、長さが10
mm、膜厚が0.2mmで、軸の右半分は軸方向に対し
て+45度、左半分は−45度に傾き、各12本づつ形
成した。各帯の間隔は約2.2mmとした。
【0045】このように作製したシャフト1の一端に捻
りトルクを加えたトルクと出力電圧の関係を測定した。
その結果を図3に示す。測定周波数は50kHz、励磁
電圧は2Vである。センサ出力は、2mV/Nmであ
り、その直線性は0.8%FSを示した。また、Coの
添加により、キュリー点がNiの350℃に対し、40
0℃に向上し、温度特性の向上も予測できる。なお、図
3において、差動増幅器13が約DC5Vのバイアス電
圧を出力している。
【0046】次に、上記実施例膜としたNi−Co合金
溶射膜のせん断試験を実施し、密着せん断強度を測定し
た。その結果を図4に示す。
【0047】これにより浸炭処理により、シャフト1の
強度が向上したことがわかった。
【0048】なお、図4における破線は、普通乗用車の
操舵装置における運転時とロック時のトルクをせん断応
力に換算した値を示す。
【0049】次に、上記実施例膜のX線回析結果を表2
に示し、比較例膜として、溶射したのみのNi−Co合
金溶射膜のX線回析結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1から、実施例膜は、Ni粒子とアルミ
ナ粒子と粒界の炭化物とからなる複合体と考えられ、こ
れに若干のAl成分が含有されていると思われる。ま
た、浸炭時の熱処理により酸素の還元が進んだと考えら
れ、NiOのピークがわずかになっている。
【0053】そして、上記実施例膜上記比較例膜の各々
につき、その断面を拡大し、組織の状態を比較してみ
た。その結果、比較例膜には溶け残り粒子が残存すると
共に孔が残っていたが、実施例膜では、溶け残り粒子や
孔の残存はなく、組織の均一性が改善されたことが確認
した。
【0054】次に、実施例膜の組成と、比較例膜として
溶射したままの膜の組成を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】次に、上記した実施例膜の製造工程で作製
したNi合金溶射膜a(Alが0.1wt%、Cが0.
37wt%、残部のほとんどがNi)の感度と、上記比
較例膜b(Alが0.1wt%、Oが2.09wt%、
残部のほとんどがNi)の感度と、鋳鍛造法で作製した
Ni合金一体構造体cの感度とを以下に記載する。
【0057】aの感度は2.20mV/Nmであり、b
感度は0.230mV/Nmであり、cの感度は1.9
5mV/Nmであった。測定は、上記実施例と同じ方法
で行った。
【0058】この感度比較から、溶射後の還元浸炭熱処
理により溶射膜においてもバルク膜を上回る格段の感度
向上が実現できるようになるという優れた効果が得られ
た。
【0059】
【発明の効果】 【図面の簡単な説明】
【図1】実験に用いた磁歪式トルクセンサの磁歪膜及び
シャフトの形状を示す摸式図である。
【図2】実験に用いた磁歪式トルクセンサの検出回路の
構成を示す回路図である。
【図3】実施例膜(溶射後、浸炭処理を兼ねる還元熱処
理、焼き入れ、焼き戻しを行ったもの)のトルクと出力
電圧の関係を示す特性図である。
【図4】実施例膜(溶射後、浸炭処理を兼ねる還元熱処
理、焼き入れ、焼き戻しを行ったもの)と、比較例膜
(溶射のみを行ったもの)との密着せん断強度を示す図
である。
【符号の説明】
1・・・シャフト 7、8・・・Ni合金溶射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸 山 宏 太 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属からなるシャフトの外周面に、Co
    を30wt%以下含むNi−Co合金よりなる磁歪膜を
    溶射により被着する磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造
    方法において前記磁歪膜を溶射後、還元雰囲気で800
    〜1100℃で還元熱処理することを特徴とする磁歪式
    トルクセンサの磁歪膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁歪式トルクセンサの
    磁歪膜の製造方法であって、 前記Ni合金は、Alを0.1〜5wt%含むことを特
    徴とする磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の磁歪式ト
    ルクセンサの磁歪膜の製造方法であって、 前記還元熱処理は、COガスを用いて行うことを特徴と
    する磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の磁歪式ト
    ルクセンサの磁歪膜の製造方法であって、 前記還元熱処理時またはその後、800〜1100℃で
    浸炭処理を行うことを特徴とする磁歪式トルクセンサの
    磁歪膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の磁歪式ト
    ルクセンサの磁歪膜の製造方法であって、 前記還元熱処理後、800〜1000℃で焼き入れ処理
    を行うことを特徴とする磁歪式トルクセンサの磁歪膜の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の磁歪式トルクセンサの
    磁歪膜の製造方法であって、 前記焼き入れ処理後、焼き戻し処理を行うことを特徴と
    する磁歪式トルクセンサの磁歪膜の製造方法。
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