JPH0699914B2 - 緑化用植生基体 - Google Patents

緑化用植生基体

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JPH0699914B2
JPH0699914B2 JP3340164A JP34016491A JPH0699914B2 JP H0699914 B2 JPH0699914 B2 JP H0699914B2 JP 3340164 A JP3340164 A JP 3340164A JP 34016491 A JP34016491 A JP 34016491A JP H0699914 B2 JPH0699914 B2 JP H0699914B2
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water
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、法面の緑化工法に用い
られる緑化用植生基体(以下、植生基体と云う)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記法面の緑化工法の一つに、ネットの
一方の面にスフ綿を貼着し、このスフ綿の表面に植生種
子を水溶性糊剤を用いて固着してなる植生基体や、ネッ
トの一方の面に、植生種子を水溶性糊剤を用いて固着挟
持した可溶性シートを貼着してなる植生基体を法面に敷
設する工法がある。この工法によれば、ネットによって
降雨、融雪、風食、凍上などによる法面のエロージョン
(浸食)が防止されると共に、植生基体に固着した植生
種子が発芽成育して数年のうちに法面を緑化保護するこ
とができる。
【0003】そして、前記植生基体におけるベース部材
としてのネットは、従来より、ポリエチレン(PE)や
ポリプロピレン(PP)など化学的に合成されたプラス
チック製の網状体が多用されている。その理由は、これ
らのプラスチックが丈夫かつ安価であり、しかも、法面
の緑化などにおいては、法面上に植物が根づき、これが
ある程度成長するまでは、ネットが法面を保護し、植物
にとっての緑化基板材となることが必須であるからであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記プ
ラスチックは、通常の条件下では半永久的に変質しない
といった特性があり、このため、他の植物性素材や動物
性素材とは異なり、長年月のうちに風雨に曝されて風化
または腐食して土や土壌と同質化するといったことがな
い。このため、近年ではこのような特質が災い視され、
プラスチック公害として地球環境的な問題となってきて
いる。
【0005】従って、このような状況下において、法面
緑化工法などにおいてプラスチック製のネットを使用す
ることは、一方では環境緑化に寄与することになるが、
他方ではプラスチック公害を促進することにもなるので
ある。
【0006】上述のプラスチック素材の特質に起因する
問題を回避するため、従来においては、例えばジュート
など植物性素材よりなるネットが使用されたこともあ
る。また、ビスコースレーヨンは再生セルロースよりな
り、それほど長期間を経なくとも完全に腐食するいわゆ
る腐食性素材であり、しかも、織機に比較的容易にかけ
ることができるので、これを、例えば実公昭63−82
8号公報で提案されているように、ネットを部分的に腐
食させるような場合に使用されることが試みられてい
る。さらに、ビスコースレーヨンの他に、腐食性を有す
る素材としての生分解性プラスチックを使用したネット
が、例えば実開平3−5746号公報において提案され
ている。
【0007】このように、ネットを腐食させるため、こ
れを種々の腐食性素材を用いて構成することが提案され
ているが、従来において、これらはそれほど多く使用さ
れることはなかった。その理由は次の通りである。すな
わち、法面に腐食性のネットを敷設した場合、これらの
ネットの殆どが法面に敷設してから2ヵ月程度経過する
と腐食してしまい、必要な強度がなくなってしまうから
である。そして、植生基体から植物が発芽し、これが十
分に成育し繁茂するには、2ヵ月といった期間は余りに
も短すぎ、従って、ネットによる法面保護および植物の
育成といった本来の目的を達成することができない。
【0008】従って、法面保護などにおいて使用するの
に理想的な植生基体は、敷設後半年乃至2年程度は十分
な引張強度など機械的な強度を維持し、植物がある程度
成育した時点以降に最終的に腐食して土壌中に同質化す
るものであると言える。
【0009】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、例えば敷設後半年乃
至2年程度は十分な引張強度を維持し、その後、分解・
腐食するといった植生基体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明においては、ネットの一方の面に可溶性素
材を貼着し、この可溶性素材の表面に植生種子を水溶性
糊剤を用いて固着してなる緑化用植生基体において、前
記ネットを強力レーヨンで構成している。
【0011】第2発明においては、ネットの一方の面
に、植生種子を水溶性糊剤を用いて固着挟持した可溶性
シートを貼着してなる緑化用植生基体において、前記ネ
ットを強力レーヨンで構成している。
【0012】第3発明においては、ネットの一方の面に
可溶性素材を貼着し、この可溶性素材の表面に植生種子
を水溶性糊剤を用いて固着してなる緑化用植生基体にお
いて、前記ネットを防腐処理を施した腐食性素材で構成
している。
【0013】第4発明においては、ネットの一方の面
に、植生種子を水溶性糊剤を用いて固着挟持した可溶性
シートを貼着してなる緑化用植生基体において、前記ネ
ットを防腐処理を施した腐食性素材で構成している。
【0014】
【作用】第1発明および第2発明に係る植生基体は、そ
のネットが例えばポリノジックレーヨンやタイヤコード
用ビスコースレーヨンなどの強力レーヨンよりなるもの
であり、これらの強力レーヨンは、従来より用いられて
いる通常のビスコースレーヨンや生分解性プラスチック
などの素材に比べて引張強度が大であり、例えばポリノ
ジックレーヨンの引張強度は 3.4g/D以上、また、タ
イヤコード用ビスコースレーヨンのそれは 3.0g/D以
上である。
【0015】そして、前記強力レーヨンは、湿潤時にお
ける強度低下が少ないと共に、時間の経過と共にその強
度が低下するといった特性を有する。また、この強力レ
ーヨンよりなるネットは、その引張強度が敷設後半年を
過ぎても、当初の90%程度もある。従って、このような
特性を備えた強力レーヨンよりなるネットは、敷設後半
年乃至2年程度は必要な強度を維持し、法面などを保護
することができる。
【0016】このように、強力レーヨンは、通常のビス
コースレーヨンや生分解性プラスチックなどの素材に比
べて引張強度が大ではあるが、セルロース系素材である
ため、徐々にその強度が低下し、法面に植物が成育繁茂
する頃には腐食され、ついには土に帰すのである。
【0017】また、上記第3発明および第4発明に係る
植生基体は、そのネット本体が防腐処理を施した腐食性
素材で構成されているので、単なる腐食性素材よりなる
ネットに比べて敷設後半年乃至2年程度は必要な強度を
有し、前記強力レーヨンとほぼ同程度の強度となる。そ
して、防腐処理の効果が弱まりあるいはなくなるに伴っ
て腐食が始まり、これも腐食されて土に帰すのである。
【0018】そして、上記何れの発明においても、ネッ
トによって降雨、融雪、風食、凍上などによる法面のエ
ロージョン(浸食)が防止されると共に、植生基体に固
着した植生種子が発芽成育して数年のうちに法面を緑化
保護することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。
【0020】図1は、第1実施例に係る植生基体1の一
例を示し、この図において、2は経糸3および緯糸4よ
りなるネットで、その大きさは例えば幅1m×長さ5
m、また、その目合いは2cmである。そして、通常の
ビスコースレーヨンに比べて引張強度が大きいが、時間
の経過と共にその強度が低下するといった特性を有する
ポリノジックレーヨンよりなるモノフィラメントを用い
てラッセル織機によって所定の形状に編織されている。
なお、補強ロープ(図外)を設けることが多いが、この
補強ロープもポリノジックレーヨンよりなる。
【0021】そして、5はネット2の一方の面に水溶性
糊剤6を用いて貼着された可溶性素材である。7はスフ
綿5の表面の全体に均一になるように水溶性糊剤8を用
いて固着された植生種子である。ここで、可溶性素材5
としては、植生の発芽・成育の妨げにならないスフ綿、
スフ系不織布、パルプ系不織布、可溶性紙などがある。
また、水溶性糊剤6,8としては、ポリビニルアルコー
ルがある。さらに、植生種子としては、ケンタッキー31
フェスク、ウイーピングラブグラス、ホワイトクローバ
ー、バミューダグラス、グリーピングレッドフェスク、
レッドトップなどの牧草種子、すすき、よもぎ、めどは
ぎ、いたどりなどの野草種子、いたちはぎ、やまはぎ、
あかまつ、やしゃぶし、こまつなぎなどの樹木種子、黄
デージー、フランス菊、のこぎり草、カリフォルニアポ
ピー、ムラサキハナナ、カスミソウ、コスモス、ケイト
ウ、カワラナデシコ、テンニンギクなどの花種子があ
る。
【0022】前記植生基体1を用いて例えば法面を緑化
するには、図2に示すように、施工対象である法面9を
適宜整形した後、ネット2が上方で、植生種子7を設け
た面が法面9に近くなるようにして植生基体1を法面9
上に敷設する。そして、植生基体1の植生種子7を設け
た面が法面9に密着するようにした後、金串などの押さ
え部材10を用いて植生基体1を固定する。
【0023】上記のように法面9に敷設された植生基体
1は、そのネット2が通常のビスコースレーヨンに比べ
て引張強度が大きいが、時間の経過と共にその強度が低
下するといった特性を有するポリノジックレーヨンより
構成されているので、その敷設後半年乃至2年程度は必
要な強度を維持し、法面9を保護することができる。一
方、植生基体1に付着された植生種子7は、降雨などを
受けることによって、水溶性糊剤8が溶けて法面9上に
落下するなどして発芽し、肥料や保水材などを吸収し
て、牧草、野草、木本などに適宜成長する。
【0024】一方、植生基体1においては、そのネット
2は前記植物がある程度成育し、繁茂するころから徐々
にその強度が低下し、分解・腐食されてボロボロにな
り、ついには土に帰する。また、ネット2に貼着された
可溶性素材5も一定期間(植物が発芽し、これがある程
度成育するまでに必要な期間)後には分解され、土と同
質化する。従って、法面9は所定の植物によって一面に
緑化される。
【0025】図3は、第2実施例に係る植生基体1を示
すもので、この実施例においては、植生種子7を2枚の
可溶性シート11, 12の間に水溶性糊剤8を用いて固着挟
持し、さらに、植生種子7を挟持した可溶性シート11,
12の一方の可溶性シート11をネット2の一方の面に、水
溶性糊剤6を用いて固着挟持したものである。ここで、
可溶性シート11, 12としては、植生の発芽・成育の妨げ
にならず、しかも、水分により溶解するクレープ紙、高
分子系フィルムあるいは澱粉系フィルムまたは寒冷紗付
水溶性紙、例えば商品名ポンリック(池田紙業株式会社
製)などがある。この実施例の作用効果は、前述の実施
例と同様であるので、その説明は省略する。
【0026】図4は、ネット2の他の実施例を示し、同
図(A)に示したネット2も、経糸3および緯糸4がポ
リノジックレーヨンなどの強力レーヨンよりなるが、経
糸3がモノフィラメント、緯糸4がフラットヤーンにそ
れぞれ構成されている点が異なる。また、同図(B)に
示したネット2も、経糸3および緯糸4がポリノジック
レーヨンなどの強力レーヨンよりなると共に、特に、緯
糸4がテープ状のフラットヤーンで構成されている。こ
のように構成したネット2によれば、遮光率が大きくな
ると共に、保温効果が大きくなり、特に寒冷地において
効果的である。
【0027】上述の各実施例においては、植生基体1に
おけるネット2の構成素材としてポリノジックレーヨン
やタイヤコード用ビスコースレーヨンなどの強力レーヨ
ンを用いたものであったが、本発明はこれに限られるも
のでなく、ネット2を構成する経糸3および緯糸4や、
補強ロープなどの素材を、防腐処理を施した腐食性素材
によって構成し、前述の強力レーヨンで構成したネット
2と同様の作用効果をもたせるようにしてもよい。そし
て、防腐処理の手段としては、撥水剤、接着剤、防カビ
剤・防バクテリア剤・防腐剤などによるものがあるが、
以下、これを詳細に説明する。
【0028】先ず、前記腐食性素材としては、動物性、
植物性、化学性等種々のものがあるが、例えば動物性、
植物性素材としては、皮や毛、綿や麻、パルプといった
天然繊維が代表的である。また、化学性素材としては薬
品で易腐食化したポリオレフィン系の素材やビスコース
レーヨンなどの再生繊維の他、微生物分解性プラスチッ
ク、光分解性プラスチックがある。微生物分解性プラス
チックとしては、例えば商品名トーン(米国AMKO社
製)、商品名プルラン(林原株式会社製)、商品名ソア
・フィル(三菱レーヨン株式会社製)がある。そして、
光分解型プラスチックとしては、例えば商品名ポリグレ
イド(米国アンベイス社製)、商品名プラスチゴン(米
国アイデアマスターズ社製)などがある。
【0029】次に、前記腐食性素材のうち、再生繊維で
あるビスコースレーヨンを撥水処理する手順について、
図5を参照しながら説明する。この図において、13は公
知のビスコースレーヨン製造装置、14は乾燥機、15は撥
水剤16を収容した撥水処理槽、17は絞り用ローラ対、18
は乾燥機、19はキュアリング装置、20は巻取り装置であ
る。そして、前記撥水剤16としては、例えば商品名アサ
ヒガードAG−310やAG−433(何れも旭硝子株
式会社製)などの5〜7%溶液を用いることができる。
【0030】このように構成された装置において、ビス
コースレーヨン製造装置13から繰り出されたビスコース
レーヨン21は、乾燥機14において適宜の温度で予備乾燥
される。予備乾燥されたビスコースレーヨン21は、撥水
処理槽15内の撥水剤16を潜らされる。次いで、撥水剤16
を潜らされたビスコースレーヨン21は、絞り用ローラ対
7において適宜絞られて、乾燥機18に至り、所定の乾燥
処理を受ける。そして、この乾燥処理を受けたビスコー
スレーヨン21は、キュアリング装置19において、例えば
150℃で3分間、または、 170℃で1分間のキュアリン
グ処理された後、巻取り装置20によって巻き取られる。
【0031】図7は、上述のように撥水処理されたビス
コースレーヨン22を示すもので、同図(A)に示すもの
は、ビスコースレーヨン21の外周に撥水剤16による皮膜
層23が形成されている。また、同図(B)に示すもの
は、ビスコースレーヨン21の外周に皮膜層23が形成され
ると共に、その全周にわたって表面から撥水剤16が染み
込んだ浸透層24も形成されている。
【0032】なお、ビスコースレーヨンなど腐食性素材
の撥水処理は、上記図5に示すものに限られるものでな
く、例えば図6に示すように構成してあってもよい。す
なわち、この図においては、ビスコースレーヨン製造装
置(図外)から繰り出されたビスコースレーヨン21を撥
水剤塗布装置25を通過させることにより、その表面に撥
水剤16を塗布し、その後、乾燥機26で乾燥し、さらに、
キュアリング装置(図外)で所定のキュアリングを行っ
た後、巻取り装置20で巻き取るのである。
【0033】前記図5または図6に示した何れの撥水処
理によっても、図7(A),(B)に示したような撥水
処理されたビスコースレーヨン22が得られるが、このビ
スコースレーヨン22は、従来のビスコースレーヨン21と
異なり、湿潤時における強度低下が少なく、前述の強力
レーヨンとほぼ同等の特性を持つようになる。そして、
このような撥水処理されたビスコースレーヨン22を用い
てラッセル織機によって編織することにより、例えば図
1、図3および図4に示すネット2を構成することがで
き、所謂撥水処理されたネットを得ることができる。
【0034】また、撥水処理されたネットは、上述の実
施例のように、織機にかける前の素材、すなわち、モノ
フィラメントやフラットヤーンなどの段階において、撥
水処理したものを用いてこれを織機にかけてネットを構
成してもよく、また、モノフィラメントやフラットヤー
ンなどを用いて所定形状のネットに編織してから、これ
を撥水剤に浸漬したり、撥水剤をシャワリングまたはス
プレーなどの手段を用いて塗布してもよい。
【0035】ところで、前記撥水処理されたネットの腐
食度合いと引張強度を調べるために、次のような実験を
行った。すなわち、2000デニールのビスコースレーヨン
(テープ状)よりなる素線を用いて絡み織りしたネット
を2枚用意し、一方のネットには撥水剤として前記アサ
ヒガードAG−310をスプレーを用いて全面に塗布
し、他方のネットは無処理として、これらを1割2分勾
配の南向き法面に1989年9月に敷設して、敷設後におけ
る腐食度合いと引張強度について調べたところ、表1の
ような結果が得られた。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1から、撥水処理を施したネット
は、半年を経過しても殆ど腐食されることがなく、ま
た、引張強度も当初の96%程度を維持していることが判
る。従って、撥水処理を施したネットは、敷設後2年程
度は従来のネットと同様の効果を奏するものと考えられ
る。なお、上記試験において、敷設して半年後に、植生
によってネットが被覆されたことを付言する。
【0038】上述の実施例は、ビスコースレーヨンに撥
水処理をしたものであったが、本発明はこれに限定され
るものでなく、前述した他の腐食性素材を撥水処理した
ものでネットを形成したり、これらの腐食性素材よりな
るネットを撥水処理してもよいことは云うまでもない。
【0039】なお、前記撥水剤16は、処理対象によって
適宜選択する必要があり、処理対象がセルロース系以外
の他の化学繊維である場合、例えば商品名アサヒガード
AG−710やAG−730(何れも旭硝子株式会社
製)などの3〜5%溶液を用いればよい。また、シリコ
ン系、フッ素系、ワックス系の撥水剤を用いてもよい。
【0040】上述の説明から理解されるように、腐食性
素材よりなるネットに撥水処理を施すことにより、敷設
後所定の期間内は所望の強度を維持させることができ、
ネットは、その期間経過後は徐々に分解され、腐食され
ていくが、腐食性素材よりなるネットの分解・腐食を遅
らせる手法として、接着剤を用いて処理することもでき
る。この処理に用いる接着剤としては、例えばアクリル
樹脂系の商品名ポリゾールA−403−2、AT−13
0、AP−6710(何れも昭和高分子株式会社製)を
用いることがあり、これらを2〜3倍に希釈して腐食性
素材よりなるネットに塗布したり、このネットを希釈さ
れた接着剤に浸漬させればよい。
【0041】ところで、腐食性素材よりなるネットの分
解・腐食は、腐食性素材を分解・腐食するバクテリアが
存在すると共に、水分が存在するためであるから、これ
らの一方または双方を一定期間遠ざけるようにすれば、
腐食性素材よりなるネットの分解・腐食を一定期間遅ら
せることができる。従って、腐食性素材よりなるネット
に、商品名ベンレート(デュポン社製)、商品名トップ
ジンM(日本槽達株式会社製)、商品名キシラモンEX
(武田薬品工業株式会社製)などの防カビ剤、防バクテ
リア剤、防腐剤などを塗布したり、ネットをこれらの薬
品に浸漬させてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る植生
基体は、法面などに敷設した場合、ネットが敷設後所定
の期間内は所望の強度を維持させることができ、その期
間経過後は徐々に分解され、腐食されていくので、法面
はネットによってそのエロージョンが防止される。そし
て、ネットは、植生基体に付着させた植生種子が発芽し
て成育し、所定の植物が繁茂するようになる頃までその
強度を維持しているので、植物は流亡することがなく、
法面はその全面にわたって緑化される。一方、ネットは
徐々にその強度が低下し、徐々に分解され、腐食される
ことによってボロボロになり、ついには、土に帰する。
従って、従来と異なり、プラスチック公害が促進される
ことなく、緑化を推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植生基体の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】前記植生基体を用いて法面を緑化する工法を示
す断面図である。
【図3】本発明に係る植生基体の他の例を示す斜視図で
ある。
【図4】(A),(B)はそれぞれ、本発明で用いるネ
ットの一例を示す斜視図である。
【図5】腐食性素材に撥水処理を施す工程の一例を示す
図である。
【図6】腐食性素材に撥水処理を施す工程の他の例を示
す図である。
【図7】(A),(B)はそれぞれ、撥水処理が施され
た腐食性素材の断面を示す図である。
【符号の説明】
1…植生基体、2…ネット、5…可溶性素材、7…植生
種子、8…水溶性糊剤、11, 12…可溶性シート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットの一方の面に可溶性素材を貼着
    し、この可溶性素材の表面に植生種子を水溶性糊剤を用
    いて固着してなる緑化用植生基体において、前記ネット
    を強力レーヨンで構成したことを特徴とする緑化用植生
    基体。
  2. 【請求項2】 ネットの一方の面に、植生種子を水溶性
    糊剤を用いて固着挟持した可溶性シートを貼着してなる
    緑化用植生基体において、前記ネットを強力レーヨンで
    構成したことを特徴とする緑化用植生基体。
  3. 【請求項3】 ネットの一方の面に可溶性素材を貼着
    し、この可溶性素材の表面に植生種子を水溶性糊剤を用
    いて固着してなる緑化用植生基体において、前記ネット
    を防腐処理を施した腐食性素材で構成したことを特徴と
    する緑化用植生基体。
  4. 【請求項4】 ネットの一方の面に、植生種子を水溶性
    糊剤を用いて固着挟持した可溶性シートを貼着してなる
    緑化用植生基体において、前記ネットを防腐処理を施し
    た腐食性素材で構成したことを特徴とする緑化用植生基
    体。
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