JPH0699631B2 - 熱可塑性樹脂封止剤 - Google Patents

熱可塑性樹脂封止剤

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JPH0699631B2
JPH0699631B2 JP60282356A JP28235685A JPH0699631B2 JP H0699631 B2 JPH0699631 B2 JP H0699631B2 JP 60282356 A JP60282356 A JP 60282356A JP 28235685 A JP28235685 A JP 28235685A JP H0699631 B2 JPH0699631 B2 JP H0699631B2
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健二 土方
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気部品の熱可塑性樹脂封止剤に係わる。
〔従来の技術及び問題点〕
電気部品、例えばIC、トランジスター、ダイオード、コ
イル、コンデンサー、抵抗器、コネクター、LSI等の電
気絶縁性の保持、機械的保護、外部雰囲気による特性変
化の防止等の目的で電気部品を合成樹脂で封止すること
が広く行われている。
合成樹脂としては主としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂が使用されている。エポキシ樹脂はその硬化剤として
ポリアミン、酸無水物、フェノール樹脂、或いはジシア
ンジアミド等を用い、更に必要に応じて第3級アミンや
イミダゾール等の硬化促進剤が配合される。
このエポキシ樹脂系組成物による封止は金属やセラミッ
クスを用いたハーメチックシール方式に比べて低価格で
あり、大量生産が可能である等の利点がある反面、次の
ような信頼性に不安がある。
(1) 湿気に対する信頼性 (2) 高温時の電気特性の信頼性 (3) ポットライフの信頼性 この様な欠点は最近の様に超LSIの集積度が大きくなる
につれて問題化してきている。
また、コンデンサーや抵抗器等の電気部品の封止または
絶縁コーティングは主として固形エポキシ樹脂に固形硬
化剤を配合した樹脂配合物を粉砕した粉状塗料を流動浸
漬等によりコーティングし、加熱硬化させる事により行
われているが、硬化物の硬化収縮歪が大きく、内部の半
導体素子を損なう等の問題もある。そこで一般には収縮
歪防止のため、可撓性付与剤等の添加が行われる。しか
し、その様な方法は硬化物の熱変形温度を著しく低下さ
せ、かつ硬化物の硬度を下げてしまう。さらに硬化物の
内部に気泡が発生する等の問題もある。
更に、これらのエポキシ系硬化組成物は加熱により硬化
させるため、通常、極めて長い硬化時間を必要とする。
しかも一般には急激な加熱硬化は発熱や硬化収縮歪等の
問題があるため、比較的低い温度でゲル化させる予備硬
化と比較的高い温度で更に硬化を進める後硬化の2段階
の硬化システムが必要であり、極めて多くの熱エネルギ
ーを必要とするものである。
このような欠点を持つ熱硬化性樹脂に代わる方法とし
て、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイドを用い
る事が特公昭56−2790号、特開昭53−22363号、特開昭5
5−22816号、特開昭56−81957号、特開昭59−20910号等
の各公報により開示されている。しかしこれらは充填剤
としてガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ等を混合した
ものであって、良く知られているようにこの種の無機質
充填剤は樹脂の機械的強度を一般的に低下させる。また
総じて溶融粘度が高く、流動時の抵抗が大きいため、電
子部品を封止した場合ボンディングワイヤーが断線する
欠点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはポリアリーレンサルファイドと加熱による
それ以上の連鎖成長が実質的に不可能な異方性溶融相を
形成しうる溶融加工性ポリエステル(以下「液晶性ポリ
エステルと略す)との混合物が強度の面で通常の重合体
混合物の性質の予想を越えた性質を示すことに着目し、
更に研究の結果、この組成物が低い流動抵抗性を有し、
電気部品の封止剤として用いた場合断線率が非常に低
く、極めて有用である事を見出し、本発明を完成させる
に至った。
即ち本発明は、ポリアリーレンサルファイドと加熱によ
るそれ以上の連鎖成長が実質的に不可能な異方性溶融相
を形成しうる溶融加工性ポリエステルとを主成分とし、
熱伝導率が300゜Kで10W/m・K以上である無機質充填剤
を含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂封止剤を
提供するものである。
本発明に使用するポリアリーレンサルファイドはポリハ
ロ置換環状化合物とアルカリ金属サルファイドとを反応
させて得られる主鎖が芳香族環とS(いおう)とからな
る高分子であって、代表的にはポリフェニレンサルファ
イドである。この樹脂は高度の結晶性、良好な化学的抵
抗性及び良好な熱安定性を持ち、高い硬度及び高温にお
ける機械的性質の良好な維持性を特徴とし、常温でも比
較的高い引張り強度及び曲げ強度を持つ硬い物質であ
る。しかしこの樹脂は溶融性能が悪く成形が困難であ
る。これに対し液晶性ポリエステル混合することによ
り、溶融粘度が低下し、溶融性能が改善される。好まし
い混合割合はポリアリーレンサルファイドと液晶性ポリ
エステルの重量比で9:1〜3:7の範囲であり、より好まし
くは7:3〜4:6である。ポリエステルの比率が上記範囲よ
り少なすぎると、粘度低下効果が表われず、また多すぎ
ると高圧下での耐湿性が低下し、プレッシャークッカー
テストでの不良率が増加する。
本発明で使用する液晶性ポリエステルは溶融加工性ポリ
エステルで、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行
配列をとる性質を有している。分子がこのように配列し
た状態をしばしば液晶状態または液晶性物質のネマチッ
ク相という。このようなポリマーは、一般に細長く、偏
平で、分子の長軸に沿ってかなり剛性が高く、普通は同
軸または平行のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結
合を有しているようなモノマーから製造される。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏
光検査法により確認することができる。より具体的に
は、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用
し、Letizホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下
で40倍の倍率で観察することにより実施できる。上記ポ
リマーは光学的に異方性である。すなわち、直交偏光子
の間で検査したときに光を透過させる。試料が光学的に
異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過
する。
上記の如き異方性溶融相を形成するポリマーの構成成分
としては 芳香続ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の1つま
たはそれ以上からなるもの 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
の1つまたはそれ以上からなるもの 芳香族ヒドロキシカルボン酸の1つまたはそれ以上
からなるもの 芳香族チオールカルボン酸の1つまたはそれ以上か
らなるもの 芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの1
つまたはそれ以上からなるもの 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの1つま
たはそれ以上からなるもの 等があげられ、異方性溶融相を形成するポリマーは I)とからなるポリエステル II)だけからなるポリエステ III)ととからなるポリエステル IV)だけからなるポリチオールエステル V)とからなるポリチオールエステル VI)ととからなるポリチオールエステル VII)ととからなるポリエステルアミド VIII)とととからなるポリエステルアミド 等の組み合わせから構成される。
更に上記の成分の組み合わせの範疇には含まれないが、
異方性溶融相を形成するポリマーには芳香族ポリアゾメ
チンが含まれ、かかるポリマーの具体例としては、ポリ
(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレンニトリロエ
チリジン−1,4−フェニレンエチリジン);ポリ(ニト
リロ−2−メチル−1,4−フェニレンニトロメチリジン
−1,4−フェニレンメチリジン);およびポリ(ニトリ
ロ−2−クロロ−1,4−フェニレンニトリロメチリジン
−1,4−フェニレンメチリジン)が挙げられる。
更に上記の成分の組み合わせの範疇には含まれないが、
異方性溶融相を形成するポリマーとしてポリエステルカ
ーボネートが含まれる。これは本質的に4−オキシベン
ゾイル単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカルボニ
ル単位及びテレフタロイル単位からなるものがある。
以下に上記I)〜VIII)の構成成分となる化合物を列記
する。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,4′−
ジフェニルジカルボン酸、4,4′−トリフェニルジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4′−ジ
カルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジカルボン
酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボン酸、ナフタ
レン−1,6−ジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、
または、クロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、
ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテ
レフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル
酸、エトキシテレフタル酸の如き前記芳香族ジカルボン
酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体等があ
げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−シルコ
ヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸またはトランス−1,4−(1−メチ
ル)シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−
(1−クロル)シクロヘキサンジカルボン酸等、上記脂
環族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシ、またはハロ
ゲン置換体等があげられる。
芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロ
キシトリフェニル、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナ
フタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン等の芳香族ジオールまたは、クロロハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、1−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノ
ン、フェノキシハイドロキノン:4−クロルレゾルシン、
4−メチルレゾルシン等上記芳香族ジオールのアルキ
ル、アルコキシまたはハロゲン置換体があげられる。
脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シクロヘキ
サンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオール、
トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、シス−
1,4−シクロヘキサンジメタノール、トランス−1,3−シ
クロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロヘキサンジ
オール、トランス−1,3−シクロヘキサンジメタノール
の如き脂環族ジオールまたは、トランス−1,4−(1−
メチル)シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−
(1−クロロ)シクロヘキサンジオールの如き上記脂環
族ジオールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体があげられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール等の直鎖状またはまた分枝状脂肪族ジオー
ルがあげられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキシ
安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等の
芳香族ヒドロキシカルボン酸または、3−メチル−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメト
キシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−
メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキ
シ−2−ナフトエ酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジ
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ
−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置
換体があげられる。
芳香族メルカプトカルボン酸としては、4−メルカプト
安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト−
2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸等が
あげられる。
芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオー
ル、ベンゼン−1,3−ジチオール、2,6−ナフタレン−ジ
チオール、2,7−ナフタレン−ジチオール等があげられ
る。
芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メルカプト
フェノール、3−メルカプトフェノール、6−メルカプ
トフェノール、7−メルカプトフェノール等があげられ
る。
芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンとしては4−
アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノー
ル、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フェ
ニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジ
アミン、 3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノ
ール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−アミノ
−1−ナフトール、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフ
ェニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエー
テル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタ
ン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニ
リン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジ
アミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、4,4′−
ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル(オキシジアニリン)などが挙げら
れる。
上記各成分からなる上記ポリマーI)〜VIII)は、構成
成分及びポリマー中の組成比、シークエンス分布によっ
ては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在
するが、本発明で用いられるポリマーは上記のポリマー
の中で異方性溶融相を形成するものに限られる。
本発明で用いるのに好適な異方性溶融相を形成するポリ
マーである上記I)、II)、III)のポリエステル及びV
III)のポリエステルアミドは、縮合により所要の反復
単位を形成する官能基を有している有機モノマー化合物
同士を反応させることのできる多様なエステル形成法に
より生成させることができる。たとえば、これらの有機
モノマー化合物の官能基はカルボン酸基、ヒドロキシル
基、エステル基、アシルオキシ基、酸ハロゲン化物、ア
ミン基などでよい。上記有機モノマー化合物は、溶融ア
シドリシス法により熱交換流体を存在させずに反応させ
ることができる。この方法ではモノマーをまず一緒に加
熱して反応物質の溶融溶液を形成する。反応を続けてい
くと固体のポリマー粒子が液中に懸濁するようになる。
縮合の最終段階で副生した揮発物(例、酢酸または水)
の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
また、スラリー重合法も本発明に用いるのに好適な完全
芳香族ポリエステルの形成に採用できる。この方法で
は、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られ
る。
上記の溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいず
れを採用するにしても、完全芳香族ポリエステルを誘導
する有機モノマー反応物質は、かかるモノマーの常温で
のヒドロキシル基をエステル化した変性形態で(すなわ
ち、低級アシルエステルとして)反応に供することがで
きる。低級アシル基は炭素数約2〜4のものが好まし
い。好ましくは、かかる有機モノマー反応物質の酢酸エ
ステルを反応に供する。
更に溶融アシドリシス法又はスラリー法のいずれにも任
意に使用しうる触媒の代表例としては、ジアルキルスズ
オキシド(例、ジブチルスズオキシド)、ジアリールス
ズオキシド、二酸化チタン、三酸化アンチモン、アルコ
キシチタンシリケート、チタンアルコキシド、カルボン
酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(例、酢酸亜
鉛)、ルイス(例、BF3)、ハロゲン化水素(例、HCI)
などの気体状酸触媒などが挙げられる。触媒の使用量は
一般にはモノマーの全重量に基づいて約0.001〜1重量
%、特に約0.01〜0.2重量%である。
本発明に使用するのに適した完全芳香族ポリマーは、一
般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、したがって
溶液加工には不向きである。しかし、既に述べたよう
に、これらのポリマーは普通の溶融加工法により容易に
加工することができる。特に好ましい完全芳香族ポリマ
ーはペンタフルオロフェノールにはいくらか可溶であ
る。
本発明で用いるのに好適な完全芳香族ポリエステルは一
般に重量平均分子量が約2,000〜200,000、好ましくは約
10,000〜50,000、特に好ましくは約20,000〜25,000であ
る。一方、好適な完全芳香族ポリエステルアミドは一般
に分子量が約5,000〜50,000、好ましくは約10,000〜30,
000、例えば15,000〜17,000である。かかる分子量の測
定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーならび
にその他のポリマーの溶液形成を伴わない標準的測定
法、たとえば圧縮成形フィルムについて赤外分光法によ
り末端基を定量することにより実施できる。また、ペン
タフルオロフェノール溶液にして光散乱法を用いて分子
量を測定することもできる。
上記の完全芳香族ポリエステルおよびポリエステルアミ
ドはまた、60℃でペンタフルオロフェノールに0.1重量
%濃度で溶解したときに、少なくとも約2.0dl/g、たと
えば約2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を一般に示
す。
本発明で用いられる異方性溶融相を示すポリマーは、芳
香族ポリエステル及び芳香族ポリエステルアミドが好ま
しく、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステルアミ
ドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルも好ま分
子鎖中に部分的に含むポリエステルも好ましい例であ
る。
それらを構成する化合物の好ましい例は、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4
−ジヒドロキシナフタレン及び6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸等のナフタレン化合物、4,4′−ジフェニルジ
カルボン酸、4,4′−ジヒドロキシビフェニル等のビフ
ェニル化合物、下記一般式(I)、(II)又は(III)
で表わされる化合物: (但し、X:アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、‐0
-、‐SO-、‐SO2-、‐S-、‐CO-より選ばれる基 Y:-(CH2)n-(n=1〜4)、‐O(CH2)n0-(n=1
〜4)より選ばれる基) p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハイドロキノ
ン、p−アミノフェノール及びp−フェニレンジアミン
等のパラ位置換のベンゼン化合物及びそれらの核置換ベ
ンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、メチル、フェニ
ル、1−フェニルエチルより選ばれる)、イソフタル
酸、レゾルシン等のメタ位置換のベンゼン化合物であ
る。
又、上述の構成成分を同一分子鎖中に部分的に含むポリ
エステルの好ましい例は、ポリアルキレンテレフタレー
トであり、アルキル基の炭素数は2乃至4である。
上述の構成成分の内、ナフタレン化合物、ビフェニル化
合物、パラ位置換ベンゼン化合物より選ばれる1種若し
くは2種以上の化合物を必須の構成成分として含むもの
が更に好ましい例である。又、p−位置換ベンゼン化合
物の内、p−ヒドロキシ安息香酸、メチルハイドロキノ
ン及び1−フェニルエチルハイドロキノンは特に好まし
い例である。
構成成分の具体的な組み合わせとしては以下のものが例
示される。
式中Zは‐CI,-Br,-CH3より選ばれる置換基であり、X
はアルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、‐O-、‐SO
-、‐SO2-、‐S-、‐CO-より選ばれる置換基である。
本発明で用いられるのに特に好ましい異方性溶融相を形
成するポリエステルは、6−ヒドロキシ−2−ナフトイ
ル、2,6−ジヒドロキシナフタレン及び2,6−ジカルボキ
シナフタレン等のナフタレン部分含有反復単位を約10モ
ル%以上の量で含有するものである。好ましいポリエス
テルアミドは上述ナフタレン部分と4−アミノフェノー
ル又は1,4−フェニレンジアミンよりなる部分との反復
単位を含有するものである。具体的には以下の通りであ
る。
(1) 本質的に下記反復単位IおよびIIからなるポリ
エステル。
このポリエステルは約10〜90モル%の単位Iと約10〜90
モル%の単位IIを含有する。1態様において単位Iは約
65〜85モル%、好ましくは約70〜80モル%(例、約75モ
ル%)の量まで存在する。別の態様において、単位IIは
約15〜35モル%、好ましくは約20〜30モル%というずっ
と低濃度の量で存在する。また環に結合している水素原
子の少なくとも一部は、場合により、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フ
ェニル、置換フェニルおよびこれらの組み合わせよりな
る群から選ばれた置換基により置換されていてもよい。
(2) 本質的に下記反復単位I、IIおよびIIIからな
るポリエステル。
このポリエステルは約30〜70モル%の単位Iを含有す
る。このポリエステルは、好ましくは、約40〜60モル%
の単位I、約20〜30モル%の単位II、そして約20〜30モ
ル%の単位IIIを含有する。また、環に結合している水
素原子の少なくとも一部は、場合により、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲ
ン、フェニル、置換フェニルおよびこれらの組み合わせ
よりなる群から選ばれた置換基により置換されていても
よい。
(3) 本質的に下記反復単位I、II、IIIおよびIVか
らなるポリエステル: (式中、Rはメチル、クロロ、ブロモまたはこれらの組
み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基で
ある)、からなり、かつ単位Iを約20〜60モル%、単位
IIを約5〜18モル%、、単位IIIを約5〜35モル%、そ
して単位IVを約20〜40モル%の量で含有する。このポリ
エステルは、好ましくは、約35〜45モル%の単位I、約
10〜15モル%の単位II、約15〜25モル%の単位III、そ
して約25〜35モル%の単位IVを含有する。ただし、単位
IIとIIIの合計モル濃度は単位IVのモル濃度に実質的に
等しい。また、環に結合している水素原子の少なくとも
一部は、場合により、炭素数1〜4のアルキル基、炭素
数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル、置換フ
ェニルおよびこれらの組み合わせよりなる群から選ばれ
た置換基により置換されていてもよい。この完全芳香族
ポリエステルは、60℃でペンタフルオロフェノールに0.
3w/v%濃度で溶解したときに少なくとも2.0dl/gたとえ
ば2.0〜10.0dl/gの対数粘度を一般に示す。
(4) 本質的に下記反復単位I、II、IIIおよびIVか
らなるポリエステル: III 一般式O−Ar−O(式中、Arは少なくとも1
個の芳香環を含む2価基を意味する)で示されるジオキ
シアリール単位、 IV 一般式 (式中、Ar′は少なくとも1個の芳香環を含む2価基を
意味する)で示されるジカルボキシアリール単位、 からなり、かつ単位Iを約20〜40モル%、単位IIを10モ
ル%を越え、約50モル%以下、単位IIIを5モル%を越
え、約30モル%以下、そして単位IVを5モル%を越え、
約30モル%以下の量で含有する。このポリエステルは、
好ましくは、約20〜30モル%(例、約25モル%)の単位
I、約25〜40モル%(例、約35モル%)の単位II、約15
〜25モル%(例、約20モル%)の単位III、そして約15
〜25モル%(例、約20モル%)の単位IVを含有する。ま
た、環に結合している水素原子の少なくとも一部は、場
合により、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン、フェニル、置換フェニルおよ
びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれた置換基に
より置換されていてもよい。
単位IIIとIVは、ポリマー主鎖内でこれらの単位を両側
の他の単位につなげている2価の結合が1または2以上
の芳香環上で対称的配置にある(たとえば、ナフタレン
環上に存在するときは互いにパラの位置か、または対角
環上に配置されている)という意味で対称的であるのが
好ましい。ただし、レゾルシノールおよびイソフタル酸
から誘導されるような非対称単位も使用できる。
好ましいジオキシアリール単位IIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位IVは である。
(5) 本質的に下記反復単位I、IIおよびIIIからな
るポリエステル: II 一般式O−Ar−O(式中、Arは少なくとも1個
の芳香環を含む2価基を意味する)で示されるジオキシ
アリール単位、 III 一般式 (式中、Ar′は少なくとも1個の芳香環を含む2価基を
意味する)で示されるジカルボキシアリール単位、 からなり、かつ単位Iを約10〜90モル%、単位IIを5〜
45モル%、単位IIIを5〜45モル%の量で含有する。こ
のポりエステルは、好ましくは、約20〜80モル%の単位
I、約10〜40モル%の単位II、そして約10〜40モル%の
単位IIIを含有する。さらに好ましくは、このポリエス
テルは約60〜80モル%の単位I、約10〜20モル%の単位
II、そして約10〜20モル%の単位IIIを含有する。ま
た、環に結合している水素原子の少なくとも一部は、場
合により、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン、フェニル、置換フェニルおよ
びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれた置換基に
より置換されていてもよい。
好ましいジオキシアリール単位IIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位IIIは である。
(6) 本質的に下記反復単位I、II、IIIおよびIVか
らなるポリエステルアミド: II 一般式 (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)、 III 一般式Y−Ar−Z(式中、Arは少なくとも1
個の芳香環を含む2価基、YはO,NHまたはNR、ZはNHま
たはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜6のアルキル
基か、またはアリール基を意味する)、 IV 一般式O−Ar′−O(式中、Ar′は少なくとも
1個の芳香環を含む2価基を意味する)、 からなり、かつ単位Iを約10〜90モル%、単位IIを約5
〜45モル%、単位IIIを約5〜45モル%、そして単位IV
を約0〜40モル%の量で含有する。また、環に結合して
いる水素原子の少なくとも一部は、場合により、炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハ
ロゲン、フェニル、置換フェニルおよびこれらの組み合
わせよりなる群から選ばれた置換基により置換されてい
てもよい。
好ましいジカルボキシアリール単位IIは であり、好ましい単位IIIは であり、好ましいジオキシアリール単位IVは である。
更に、本発明の異方性溶融相を形成するポリマーには、
一つの高分子鎖の一部が上記までに説明した異方性溶融
相を形成するポリマーのセグメントから構成され、残り
の部分が異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグ
メントから構成されるポリマーも含まれる。
上述の液晶性ポリエステルは自己補強効果と相まって高
強度の素材であり、線膨張係数が小さく成型収縮率も小
さいため寸法の狂いが少ない。溶融粘度が低く流動性が
良い反面、180〜200℃の高温にも耐える。耐薬品性、耐
候性、耐熱水性が良く、化学的に極めて不活性であると
同時に、他に対しても影響を及ぼさない。
本発明の低い流動抵抗を有する熱可塑性樹脂封止剤には
従来ポリアリーレンサルファイド封止剤で使用されてい
る熱伝導性の無機質充填剤としては熱伝導性の充填剤を
使用することが好ましい。かかる熱伝導性の充填剤は熱
伝導率が300゜Kで10W/m・K以上である様なもので、通
常金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物より選ばれる。
具体的に挙げれば酸化ベリリュウム、酸化マグネシュウ
ム、酸化アルミニュウム、酸化トリュウム、酸化亜鉛、
窒化硅素、窒化硼素、窒化アルミニュウム、炭化硅素、
酸化硅素等であるが、酸化硅素、特に溶融シリカを使用
するのが好ましい。
かかる無機質充填剤の使用量は、得られる組成物が封止
すべき電気部品の線膨張係数と一致する様な組成である
ことが好ましく、また、必要とされる熱伝導度を得る量
を設計する必要がある。IC封止等の無機物より構成され
る部品の封止では通常樹脂に対し該充填剤は40重量部以
上が好ましく、等量以上が更に好ましく、55〜70重量部
が特に好ましい量である。
本発明の封止剤組成物には更に従来通常使用される染顔
料、離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、加水分解安定剤等
の添加剤を配合し得る。上記安定剤としては各種エポキ
シ樹脂を使用するのが好ましい。
本発明の封止剤を用いる場合の封止の方法は、通常の如
く封止しようとする電気部品を金型内に置き本発明封止
剤を射出成型すればよい。
〔発明の効果〕
本発明の熱可塑性樹脂封止剤は以上の通り構成された電
気部品防止剤であるため、エポキシ樹脂封止剤の如く、
触媒、樹脂中の不純物等により電気部品が侵される懸念
は全くない。またポリアリーレンサルファイド単独に比
して、液晶性ポリエステルの配合により溶融粘度が低下
し、流動時の抵抗が低下するため電子部品の封止に使用
してもボンディングワイヤーの断線を生じることはな
く、たとえポリマーの溶融粘度が同一であっても、流動
特性の相違によって、本発明の封止剤を用いた場合の断
線率の小さいことは驚くべきことである。更に前記ポリ
エステルが補強効果を与えるので、充填剤を併用しても
強度の低下は少ない。また線膨張係数が小さく、成型収
縮も殆どないため、封止品を金型から取り出した際に温
度差によりクラックが入ったり、或いは収縮によって封
止品を損傷することもない。
〔実 施 例〕
以下実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は
何等これらに限定されるものではない。
実施例 1〜5 「ライトン」PPSR-4(米国フィリップスペトローリアム
社製ポリフェニレンサルファイド)50重量部と後記する
液晶性ポリエステル樹脂A,B,C,D,Eのいずれか50重量部
との混合物40重量部と溶融シリカ(熱伝導率10.4W/m.
K)60重量部とを常法によりペレット化した後、所謂イ
ンサート射出成型法でDIP型14pin ICを封止した。射出
成型機のシリンダー温度は300℃で行った。
成型品の試験法は次の通りである。
(ICワイヤー断線率) 封止成型品を濃硫酸に浸漬してエッチングし、ワイヤー
の断線率(10個の試料中の断線試料数)を測定した。
(プレッシャークッカーテスト) 封止成型品をオートクレーブ中で121℃、2気圧の水蒸
気中に入れ500時間後のIC不良率(10個の試料中)の不
良試料数を測定した。
(半田浴テスト) 封止成型品を260℃半田浴中に10秒間浸漬して同様にIC
不良率を測定した。
(熱伝導率) 得られた樹脂封止剤の熱伝導率はASTM C 177に準じて測
定した。
これらの結果は第1表の通りである。
(ポリマー試料) 使用した液晶性ポリエステル樹脂A,B,C,D及びEは下記
の構成単位を有するものである。
上記樹脂A,B,C,D及びEの具体的製法を次に記す。
<樹脂A> 4−アセトキシ安息香酸1081重量部、6−アセトキシ−
2−ナフトエ酸460重量部、イソフタル酸166重量部、1,
4−ジアセトキシベンゼン194重量部を撹拌機、窒素導入
管及び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下で
この混合物を260℃に加熱した。反応器から酢酸を留出
させながら、260℃で2.5時間、次に280℃で3時間激し
く撹拌した。更に、温度を320℃に上昇させ、窒素の導
入を停止した後、徐々に反応器中を減圧させ15分後に圧
力を0.1mmHgに下げ、この温度,圧力で1時間撹拌し
た。
得られた重合体は0.1重量%濃度,60℃でペンタフルオロ
フェノール中で測定して5.0の固有粘度を有していた。
<樹脂B> 4−アセトキシ安息香酸1081重量部、2,6−ジアセトキ
シナフタレン489重量部、テレフタル酸332重量部を撹拌
機、窒素導入管及び留出管を備えた反応器中に仕込み、
窒素気流下でこの混合物を250℃に加熱した。反応器か
ら酢酸を留出させながら、250℃で2時間、次に280℃で
2.5時間激しく撹拌した。
更に、温度を320℃に上昇させ、窒素の導入を停止した
後、徐々に反応器中を減圧させ30分後に圧力を0.2mmHg
に下げ、この温度,圧力で1.5時間撹拌した。
得られた重合体は0.1重量%濃度,60℃でペンタフルオロ
フェノール中で測定して2.5の固有粘度を有していた。
<樹脂C> 4−アセトキシ安息香酸1261重量部、6−アセトキシ−
2−ナフトエ酸691重量部、を撹拌機、窒素導入管及び
留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下でこの混
合物を250℃に加熱した。反応器から酢酸を留出させな
がら、250℃で3時間、次に280℃で2時間激しく撹拌し
た。更に、温度を320℃に上昇させ、窒素の導入を停止
した後、徐々に反応器中を減圧させ20分後に圧力を0.1m
mHgに下げ、この温度,圧力で1時間撹拌した。
得られた重合体は0.1重量%濃度,60℃でペンタフルオロ
フェノール中で測定して5.4の固有粘度を有していた。
<樹脂D> 6−アセトキシ−2−ナフトエ酸1612重量部、4−アセ
トキシアセトアニリド290重量部、テレフタル酸249重量
部、酢酸ナトリウム0.4重量部を撹拌機、窒素導入管及
び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下でこの
混合物を250℃に加熱した。反応器から酢酸を留出させ
ながら、250℃で1時間、次に300℃で3時間激しく撹拌
した。更に、温度を340℃に上昇させ、窒素の導入を停
止した後、徐々に反応器中に減圧させ30分後に圧力を0.
2mmHgに下げ、この温度,圧力で30分間撹拌した。
得られた重合体は0.1重量%濃度,60℃でペンタフルオロ
フェノール中で測定して3.9の固有粘度を有していた。
<樹脂E> 4−アセトキシ安息香酸1256重量部、6−アセトキシ−
2−ナフトエ酸639重量部、テレフタル酸94重量部を撹
拌機、窒素導入管及び留出管を備えた反応器中に仕込
み、窒素気流下でこの混合物を250℃に加熱した。反応
器から酢酸を留出させながら、250℃で3時間、次に280
℃で2時間激しく撹拌した。更に、温度を320℃に上昇
させ、窒素の導入を停止した後、徐々に反応器中を減圧
させ20分後に圧力を0.1mmHgに下げ、この温度,圧力で
1時間撹拌した。
得られた重合体は0.1重量%濃度,60℃でペンタフルオロ
フェノール中で測定して0.77の固有粘度を有していた。
実施例 6 「ライトン」PPSR-4(米国フィリップスペトローリアム
社製ポリフェニレンサルファイド)50重量部と樹脂A50
重量部との混合物35重量部と溶融シリカ(熱伝導率10.4
W/m.K)65重量部に更に次の構造式を有するビスフェノ
ール型のエポキシ樹脂 (ただし、m=12、比重1.190、融点144〜158℃、エポ
キシ当量2,400〜3,000)3重量部と実施例1と同様にし
て試験した。これらの結果は第1表に併せて示した。
実施例 7 「ライトン」PPSR-4(米国フィリップスペトローリアム
社製ポリフェニレンサルファイド)50重量部と樹脂E50
重量部との混合物30重量部に溶融シリカ(熱伝導率10.4
W/m.K)70重量部を混合して実施例1と同様に試験し、
結果は第1表に併せて示した。
実施例 8 「ライトン」PPSR-4(米国フィリップスペトローリアム
社製ポリフェニレンサルファイド)50重量部と樹脂E50
重量部との混合物60重量部とシリカ(熱伝導率10.4W/m
・K)40重量部を混合したものについて実施例1と同様
の試験を行い、結果は第1表に併せて示した。
実施例 9 実施例1に於いてシリカをアルミナ(熱伝導率36W/m.
K)に代えた以外は同様にして試験を行い、結果を第1
表に併せて示した。
比較例 1 「ライトン」PPSR-4(米国フィリップスペトローリアム
社製ポリフェニレンサルファイド)60重量部のみにシリ
カ(熱伝導率0.83W/m・K)40重量部を混合したものに
ついて実施例1と同様に試験を行い、結果を第1表に併
せて示した。
比較例 2 「ライトン」PPSR−4(米国フィリップスペトローリア
ム社製ポリフェニレンサルファイド)40重量部のみにシ
リカ(熱伝導率0.83W/m.K)60重量部を混合したものに
ついて実施例1と同様に試験を行い、結果を第1表に併
せて示した。
比較例 3 樹脂Aのみ40重量部にシリカ(熱伝導率10.4W/m・K)6
0重量部を混合したものについて実施例1と同様に試験
を行い、結果を第1表に併せて示した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアリーレンサルファイドと加熱による
    それ以上の連鎖成長が実質的に不可能な異方性溶融相を
    形成しうる溶融加工性ポリエステルとを主成分とし、熱
    伝導率が300゜Kで10W/m・K以上である無機質充填剤を
    含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂封止剤。
  2. 【請求項2】ポリアリーレンサルファイドと上記ポリエ
    ステルとの比が重量で9:1〜3:7である特許請求の範囲第
    1項記載の熱可塑性樹脂封止剤。
  3. 【請求項3】無機質充填剤が酸化硅素である特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の熱可塑性樹脂封止剤。
  4. 【請求項4】酸化珪素が溶融シリカである特許請求の範
    囲第3項記載の熱可塑性樹脂封止剤。
  5. 【請求項5】酸化硅素の含有量が重量で樹脂成分に対し
    等量以上である特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
    熱可塑性樹脂封止剤。
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