JPH0699039B2 - トレイコンベアにおけるトレイの水平保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は、食品加工業界等において物品の加熱，殺菌，
冷却等の連続処理に用いるトレイコンベアのトレイを常
時水平に保持させる装置に関する。

（従来の技術） 従来、食品加工業界等において製品の加熱，殺菌，冷却
等の連続処理を行うコンベアは、実公昭56−37594号公
報に示すように処理室内に蛇行状に懸張して、移送板を
吊部材により揺動自在に吊設したゴンドラ式として、移
送板が水平移動するときは勿論、折返しや昇降するとき
も水平に保持されるようにして物品の安定移送が行われ
るようにしたものである。

（発明が解決しようとする問題点） 前記した従来のゴンドラ式移送板は、移送板を揺動自在
としてあるため、移送板が移動中にふらふら揺れて、載
置した物品を転落させる問題点があるだけでなく、移送
板を吊部材によりコンベアチエンの下へ吊り下げるた
め、コンベアチエンの配設間隔が広くなって、この分だ
け処理室が大形化するため、製作費，運搬費，設備費等
が高く付き、蒸気や熱風，冷気等の使用量も増大して不
経済である問題点もあった。

本発明は、前記した従来の問題点を解決するためになさ
れたもので、移送板を一端をコベアチエンに軸支し、他
端に係合子を設けて、これをガイドに係合させるトレイ
式として、トレイを常時水平に保持させることにより、
移送中に物品の転落を生じず、且つコンベアチエンの配
設間隔の縮小により処理室の可及的小形化も計れる装置
を提供することを目的としている。

ロ．発明の構成 （問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するための本発明の手段は、処理室の内
部に上下に配置した複数の水平部と、この複数の水平部
の端部同士を接続した半円形の折返部とを有し、かつ、
移動自在に平行に配置した一対のコンベアチエンと、 前記一対のコンベアチエンの間に水平に配置したトレイ
と、 前記トレイにおける前記一対のコンベアチエンの移動方
向の一端側の側面に設けられ、かつ、前記一対のコンベ
アチエンに係止した枢軸と、 前記トレイにおける前記移動方向の他端側の側面に設け
た第１の係合子と、前記トレイにおける前記移動方向の
他端側の側面に設けられ、かつ、前記第１の係合子より
も前記枢軸までの距離が長い第２の係合子と、 前記複数の水平部と平行に設けられて前記折返部の側方
まで到達し、かつ、前記第１の係合子が係合する複数の
水平ガイドと、 前記折返部の側方に設けられて前記第２の係合子が係合
し、前記複数の水平ガイドのうち、上方の水平ガイドの
端部から下方の水平ガイドの端部へ向けて前記折返部と
ほぼ同一半径の半円形の軌跡を描いて前記一対のコンベ
アチエンと同一速度で移動する可動ガイドと、 を有することを特徴とするトレイコンベアにおけるトレ
イの水平保持装置の構成に関するものである。

（作 用） 前記のように構成される本発明の装置は、コンベアチエ
ン３が処理室１の入口２から処理室１内に入るときは、
第４図の下部に示す通り枢軸７によりコンベアチエン３
へ取付けられるトレイ６の第１の係合子８が、水平の固
定ガイド11に係合して水平に保持されているが、処理室
１内に入って第４図の中間の上昇部ａに移る時は、前記
第１の係合子８がガイド11の終端に近付くと、第２の係
合子９が可動のガイド12に係合し、ガイド12がチエン16
によりコンベアチエン３と同方向へ同速度で移動される
ため、トレイ６はコンベアチエン３の上昇時も水平を保
持し、コンベアチエン３が上昇部ａから水平部に移る時
は、第４図の上部に示す様に第１の係合子８が水平の固
定ガイド11へ係合した後、可動ガイド12は係合子８より
外れてチエン16により下降される。

水平部を移動したトレイ６が第１図に示す折返部ｂに達
すると、第１の係合子８が第６図に示すように固定の水
平ガイド11の端部から外れる前に、第２の係合子９が可
動ガイド18に係合すると、この可動ガイド18は折返部ｂ
の側方において、折返部ｂとほぼ同一半径の半円形の軌
跡を描いて一対のコンベアチエン３と同一速度で移動
し、トレイ６をコンベアチエン３の折返部ｂにおいても
水平状態に保持して折返させ、折返しを終わると第１の
係合子８は固定の水平ガイド11に係合して水平部を移動
し、今度は反対の折返部ｃに達する。

この折返部ｃにおいては、トレイ６の枢軸７側が先行す
るため、鎖車21と可動ガイド18の関係位置が前後反対に
配置されているが、可動ガイド18は第２の係合子９が係
合すると、折返部ｃの側方において、折返部ｃとほぼ同
一半径の半円形の軌跡を描いて一対のコンベアチエン３
と同一速度で移動するため、この場合もトレイ６は水平
状態を保持して折返しを行ない、又水平移動して、次の
折返部ｂで前記同様の作用により水平状態で折返し、水
平部を物品取出部ｄへ移動する。

そして第１図の物品取出部ｄ上に達すると、この部分に
おいては、第10図に示すように第１の係合子８を支持す
る水平ガイド11が下降傾斜しているため、トレイ６は同
図に示すように傾斜して、上に乗せられた物品を搬出コ
ンベア23に排出し、排出を終わると、水平ガイド11の上
昇傾斜されている部分に第１係合子８が乗るため水平に
戻され、第１図にｅで示す下降部に達すると、第11図に
示すようにコンベアチエン３の下降部と平行させた傾斜
ガイド25に第２の係合子９が係合し、トレイ６を水平に
保持するため、トレイ６は下降時も水平を保持しながら
出入口２に戻る動作を繰り返すものである。

（実施例） 以下に本発明に関する装置の実施例を図面に基づいて説
明する。

図面第１図はこの装置を採用した食品の連続処理装置を
示すもので、図において１は処理室で、その内部に出入
口２から室内に入って上昇部ａを上昇し、一方から他方
へ水平に進んで折返部ｂにより折返し、他方から一方へ
水平に戻って反対の折返部ｃにより折返し、又水平部を
進んで折返部ｂにより折返し、物品の取出部ｄの上を通
って下降部ｅを下降し、出入口２から出て始端の折返部
ｃにより折返す循環運動を行なう左右一対（図は便宜上
片方のみを示す）のコンベアチエン３を、複数の鎖車４
とアイドラ５により懸張してある。

６は前記したコンベアチエン３へ取付けて物品を移送さ
せるトレイで、その一端に第２図に示すように枢軸７を
設け、この枢軸７により前記コンベアチエン３へ取付
け、他端には同図に示すように第１の係合子、例えば巾
の狭い第１のコロ８と、第２の係合子、例えば巾の広い
第２のコロ９（このコロ９は第３図に示すように２個に
分割形成しても良い）とを支持させて、これらのコロ８
か９が後記する固定か可動のガイドに支持させる時、該
トレイ６が水平に保持されて物品を安定的に支持するよ
うにしてあり、このトレイ６には蒸気，熱風，冷風等の
処理用媒体の流通を良くするために透孔10を所定の間隔
で多数穿設してある。

11は前記したコンベアチエン３が水平移動する部分に第
１図に示すように並設した水平ガイドで、第４図〜第７
図に示すようにこのガイド11上にトレイ６における第１
のコロ８が係合する時は、トレイ６がコンベアチエン３
と平行した状態で水平に保持されるようにしてある。

12は第１図に示すコンベアチエン３の上昇部ａに並設し
た上昇用の鈎形ガイドで、第４図に示すように前記した
コンベアチエンの上昇部ａと平行させて、前記トレイ６
の枢軸７と第２のコロ９との心間距離だけ離れさせた位
置に鎖車13,14,15に懸張して設けたチエン16へ、コンベ
アチエン３に対するトレイ６の取付間隔と同じ間隔で取
付け、この鈎形ガイド12を第５図に示すように水平ガイ
ド11よりも外側に位置させて、第４図の下部に示すよう
に第１のコロ８が固定の水平ガイド11から離れる以前
に、この鈎形ガイド12を第２のコロ９に係合させて、こ
のコロ９をコンベアチエン３による枢軸７の引き上げ方
向へチエン17による同調駆動により同速度で引き上げさ
せ、コンベアチエン３の傾斜上昇時もトレイ６が水平に
保持されるようにしてある。

18は第１図に示すコンベアチエン３の左側の折返部ｂに
並設した折返し用の可動ガイド、例えば鈎形ガイドで、
前記トレイ６の枢軸７と第２のコロ９との心間距離だけ
離れさせた片持軸19に支持させ、チエン20によりコンベ
アチエン３と同調駆動される輪体21の周面にトレイ６の
間隔に合わせて設け、この鈎形ガイド18を第７図に示す
ように水平ガイド11よりも外側に位置させて、第６図に
示すように第１のコロ８が水平ガイド11から外れる以前
に、この鈎形ガイド18を第２のコロ９に係合させて、こ
のコロ９をコンベアチエン３による枢軸７の引き下げ方
向へ同速度で引き下げさせ、コンベアチエン３の折返し
時もトレイ６が水平に保持されるようにしてある。

尚、コンベアチエン３の右側の折返部ｃでは、コンベア
チエン３の移動方向が変わるため前記の場合、先行した
第２のコロ９が枢軸７の後に続いて移動するので、之に
応じて折返し用の鈎形ガイド18と輪体21を左右入れ換え
た配置とすることにより、前記した左側の折返部ｂと同
様の作用により、この右側折返しにおいてもトレイ６が
水平保持されるようにしてある。

22は第１図に示す物品の取出部ｄの上側に設けた水平ガ
イド11の下降傾斜部で、この傾斜によりトレイ６を下方
へ傾斜させ、上に乗せた物品を下の物品搬出コンベア23
へ送り出させる。

24は前記した下降傾斜部22の後側（移送板６の進行方向
に対して）に設けた水平ガイド11の上昇傾斜部で、物品
を落したトレイ６の第１コロ８を受け、これを押し上げ
て下降傾斜したトレイ６を水平に戻す作用をする。

25は第１図に示すコンベアチエン３の下降部ｅに並設し
た固定の傾斜ガイドで、トレイ６の枢軸７と第２コロ９
の心間距離だけコンベアチエン３の下降部ｅより離れた
位置に同傾斜で設け、このガイド25の位置を第12図に示
すように水平ガイド11よりも外側に寄せて、水平ガイド
11から第１コロ８が外れる以前に、第２コロ９をこのガ
イド25に係合させ、コンベアチエン３による枢軸７の傾
斜引き下げと、第２コロ９の傾斜降下を同調させて、こ
の場合もトレイ６が水平状態に保持されるようにしてあ
る。

26は第８図に示す折返部ｂの場合、水平ガイド11に設け
た切欠で、この切欠26をトレイ６の枢軸７が通ってコン
ベアチエン３の戻り側へ移るようにしてある。

27はコンベアチエン３の受ガイドで、この上にコンベア
チエン３を摺動させ、チエン３に掛かる荷重を負担させ
るものである。

ハ．発明の効果 前記のように本発明の装置は、コンベアチエンにトレイ
の一端を軸着し、他端に係合子を設けて、このトレイの
係合子をガイド係合させて、トレイを物品の取出し時以
外は常時水平に保持させたから、物品を安定的に移送し
て、加熱，殺菌，冷却，等の処理を連続的に効率良く行
ない得る。

コンベアチエンに軸着されるトレイは安定して揺れない
から、移送中の物品が転落することがない。

トレイがコベアチエンと平行しているから、コンベアチ
エンの配設間隔が最小となり、処理室の小形化による製
作費，運搬費，据着費等の大巾低減が計れるだけでな
く、蒸気，熱風，冷風，等の使用量も減少させ得る。ま
た、一対のコンベアチエンの上方の水平部に沿って水平
状態で移動するトレイが折返部に到達すると、まず、第
２の係合子と可動ガイドとが係合し、その後、第１の係
合子が水平ガイドから離れる。更に一対のコンベアチエ
ンが移動すると、可動ガイドは折返部の側方において、
上方の水平ガイドの端部から下方の水平ガイドの端部へ
向けて折返部とほぼ同一半径の半円形の軌跡を描いて一
対のコンベアチエンと同一速度で移動するため、第１の
係合子が水平ガイド係合した後に第２の係合子と可動ガ
イドとの係合が解除される。

従って、トレイは複数の水平部に沿って移動する際に水
平に維持されることは勿論、折返部で方向変換される際
も同一平面上に位置する二点、つまり、一対のコンベア
チエンの枢軸取り付け部と可動ガイドにより支持されて
水平に保持され、物品の載置したまま方向変換を行え
る。

等の特有の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に関する装置を採用した食品処理機の縦
断正面図。第２図は同上装置に使用する移送板の斜視
図。第３図は同上における第２コロの変形を示す斜視
図。第４図は同上装置のコンベアチエンの上昇部におけ
る作用を示す正面図。第５図は同上における第１と第２
のコロと固定と可動のガイドの関係を示す一部の側面
図。第６図は同上装置のコンベアチエンの左側折返部に
おける作用を示す正面図。第７図は同上における第１と
第２のコロと固定と可動のガイドの関係を示す一部の側
面図。第８図は同上の平面図。第９図は同上装置の右側
の折返部における作用を示す正面図。第10図は同上装置
の物品取出部における作用を示す正面図。第11図は同上
装置におけるコンベアチエンの下降部における作用を示
す正面図。第12図は同上の第１と第２のコロと２つの固
定ガイドとの関係位置を示す一部の側面図である。 １は処理室、３はコンベアチエン、６は多数のトレイ、
７は枢軸、8,9は係合子、11は固定ガイド、12,18,可動
ガイドである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】処理室の内部に上下に配置した複数の水平
   部と、この複数の水平部の端部同士を接続した半円形の
   折返部とを有し、かつ、移動自在に平行に配置した一対
   のコンベアチエンと、 前記一対のコンベアチエンの間に水平に配置したトレイ
   と、 前記トレイにおける前記一対のコンベアチエンの移動方
   向の一端側の側面に設けられ、かつ、前記一対のコンベ
   アチエンに係止した枢軸と、 前記トレイにおける前記移動方向の他端側の側面に設け
   た第１の係合子と、前記トレイにおける前記移動方向の
   他端側の側面に設けられ、かつ、前記第１の係合子より
   も前記枢軸までの距離が長い第２の係合子と、 前記複数の水平部と平行に設けられて前記折返部の側方
   まで到達し、かつ、前記第１の係合子が係合する複数の
   水平ガイドと、 前記折返部の側方に設けられて前記第２の係合子が係合
   し、前記複数の水平ガイドのうち、上方の水平ガイドの
   端部から下方の水平ガイドの端部へ向けて前記折返部と
   ほぼ同一半径の半円形の軌跡を描いて前記一対のコンベ
   アチエンと同一速度で移動する可動ガイドと、 を有することを特徴とするトレイコンベアにおけるトレ
   イの水平保持装置