JPH069770Y2 - 圧力鋳込み用成形型の漏洩防止構造 - Google Patents

圧力鋳込み用成形型の漏洩防止構造

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JPH069770Y2
JPH069770Y2 JP1382089U JP1382089U JPH069770Y2 JP H069770 Y2 JPH069770 Y2 JP H069770Y2 JP 1382089 U JP1382089 U JP 1382089U JP 1382089 U JP1382089 U JP 1382089U JP H069770 Y2 JPH069770 Y2 JP H069770Y2
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毅 伊藤
和繁 村田
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株式会社イナックス
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Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 (産業上の利用分野) 本考案は、圧力鋳込みに用いられる成形型に対して、そ
の内部の成形空間から泥漿や加圧水などが漏洩するのを
防止するために設けられる、新規な漏洩防止構造に関す
るものである。
(従来の成形型) 圧力鋳込みは、主として排泥鋳込み成形の実施にあたっ
て圧力を付加するものであり、便器や洗面器などの衛生
陶器類を製造する方法として、今日、多用されている。
この圧力鋳込みによる鋳込み方法を概説すると、成形型
内に形成される成形空間へ泥漿(成形用の粉粒状坏土を
泥状にしたもの)を注入して加圧することにより、泥漿
中で不要となる液分(例えば水)を成形型中へ浸透させ
ると共に、残る粉粒状坏土を当該成形型内面へ着肉さ
せ、余分な泥漿は成形型内から排出し、しかる後、成形
型を分離して成形品を取り出すというものであった。
この圧力鋳込みに用いられる成形型を、第4図に側断面
図で示す。図示した成形型1は、洗面器を鋳込むための
ものであって、型内の空白部分がその成形空間である。
該成形型1は、前記成形空間側から、濾過材層2,裏打
層3,耐圧補強層4により重合的に形成されたものであ
って、型全体としては、上型5と下型6とに分離可能に
なっていた。前記濾過材層2は、多孔質の合成樹脂(又
は石膏)により形成され、前記裏打層3は非多孔質の合
成樹脂(又はバサモルタル)により形成され、前記耐圧
補強層4は鉄板などにより形成されていた。なお、前記
濾過材層2の層中には、鋳込み時において泥漿中の水分
を吸引除去したり、成形品の脱型時において成形面2aへ
水膜を形成させるために水分を加圧供給したりする多孔
質チューブ7が埋設されていた。
ところで、前記成形型1において、上型5と下型6とを
合型させるうえで重要なことは、互いの接面部分が水封
可能なほどに擦り合わされていなければならない点にあ
る。なぜなら、圧力鋳込みでは、上述した如く成形空間
内へ泥漿を注入した後に、該泥漿を加圧して坏土の着肉
を促進させていたからである。そのため、従来は、上型
5及び下型6の合型時において、それぞれの裏打層3,
3相互が強く接面し合うようにして、その水封性を確保
するようにしていた。もっとも、この合型状態にあると
きには、濾過材層2,2相互についても略々当接し合う
ようにはなっていたが、該濾過材層2は、多孔質である
が故にその機械的強度も劣り、合型時の荷重及び圧力負
担はもっぱら裏打層3,3が受け持つものであった。
(考案が解決しようとする課題) 前記成形型1を製造する場合において、耐圧補強層4及
び裏打層3の形成後に濾過材層2を形成させるときに
は、該濾過材層2の素材樹脂が硬化する時点で僅かな収
縮(0.2%程度)を起こすものである。そのため、該濾
過材層2における合型時の突き合わせ用面は、これと隣
接した前記裏打層3における合型時の接面用面よりも0.
1mm程度の高低差を持って形成されていることがあっ
た。従って、従来の成形型1にあっては、上型5及び下
型6を合型して鋳込みをした場合に、濾過材層2,2相
互の突き合わせ部分で泥漿や加圧水などが漏洩すること
があった。このような漏洩が生じると、成形品にはその
漏洩部分に対応してバリが発生するようになるので、鋳
込み後における成形品にあっては、その乾燥が始まる前
に、前記バリを取り除くようにしなければならなかっ
た。
本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、濾過材層相互の突き合わせ部分で泥漿や加圧水など
が漏洩するのを防止して、成形品にバリが発生しないよ
うにした、圧力鋳込み用成形型の新規な漏洩防止構造を
提供することを目的とする。
「考案の構成」 (課題を解決するための手段) 本考案は、鋳込み時に起こっていた当初の解決課題に対
処すべく、まず、成形空間が濾過材層,裏打層,耐圧補
強層により重合的に被覆形成され、複数の型構成部に分
離可能な圧力鋳込み用成形型に対して設けられる泥漿な
どの漏洩防止構造において、前記型構成部相互が合型さ
れるところの接面部には、いずれか一方の面に濾過材層
の全部及び裏打層の一部分乃至全部にわたる展延シール
層が形成されている点を要旨とする主要構成(以下、本
案主要構造と言う)を採ったものである。
また、本案主要構造の実施に付随して新たに生じた鋳込
み後の解決課題(後述する)に対処すべく、展延シール
層が形成された型構成部に対して合型される他方の型構
成部には、通気遮断性を有する目止め層が少なくとも濾
過材層による接面部を覆って形成されている点を要旨と
する従属的構成(以下、本案従属構造と言う)を採った
ものである。
(作用) 本案主要構造において、型構成部(従来例で言う上型又
は下型)の相互を合型した場合に、濾過材層相互が突き
合わされることとなる接面部には、展延シール層が形成
されている。そのため、この突き合わせ部分において泥
漿や加圧水が漏洩することはない。しかも、前記展延シ
ール層を形成するには、型構成部相互を合型したとき
に、突き合わせ状態となる濾過材層相互間で実際にシー
ル用素材を展延させるようにしたものであるから、濾過
材層それぞれの表面性状に即応したシールができるもの
である。勿論、前記展延シール層は、濾過材層のみなら
ず裏打層の一部乃至全部にまでわたって形成されたもの
であるから、各型構成部の合型時に生じる荷重及び圧力
負担が濾過材層へ集中するようなことはない。
一方、本案従属構造おいて、前記展延シール層が形成さ
れた型構成部に対して合型される他方の(別の)型構成
部には、その濾過材層による接面部に目止め層が形成さ
れている。該目止め層は、それ自体が通気性を有しない
材料を素材として成るものであって、濾過材層の表面で
その通気遮断性を発現するようになる。そのため、鋳込
み後における型構成部相互の分離時には、得られた成形
品の脱型性を向上させるための水膜形成が良好に行える
ものとなる。
(実施例) 以下、本考案を、その実施例を示す図面に基づいて説明
すると次の通りである。
第1図は、本案主要構造の要部を拡大して示す部分断面
図である。同図は、従来例を示した第4図中の矢符A部
に略々対応する部分であって、上方側に描いた型構成部
8(第4図の上型5に対応する)と、下方側に描いた型
構成部9(第4図の下型6に対応する)とが、上下に分
離している状態を示す。
下方側の型構成部9には、濾過材層2及び裏打層3によ
って形成される上面9aに、展延シール層10が形成されて
いる。しかし、該展延シール層10は、前記型構成部9の
上面9aに対応する上方側の型構成部8には形成されてい
ない。
前記展延シール層10は、エポキシ系,ウレタン系,シリ
コン系,ポリエステル系,フェノール系などの樹脂パテ
より成る。この展延シール層10を形成するには、一方の
型構成部9の上面9aに前記樹脂パテを所定厚さ範囲内で
塗布しておき、また他方の型構成部8の下面8aに剥離剤
を塗布しておき、これら両型9,8を合型させるように
する。そうすると、前記樹脂パテは圧縮して展延される
ようになるので、下方側の型構成部9に対してはその上
面9aに固着されるようになり、上方側の型構成部8に対
してはその下面8aの表面性状そのままが、該下面8aのす
みずみにわたって転写されるようになる(第1図では、
この様子をややオーバーに表現した)。前記展延シール
層10の厚さは、5mm以下にすることが好ましく、その最
適値は約0.5mm前後であった。なお、前後樹脂パテの圧
縮展延によって、型構成部9の内外部へヒレ状にはみ出
すものがあった場合には、該樹脂パテが硬化した後に、
このヒレ状部分を切り取ればよい。
このようにして成る本案主要構造では、双方の型構成部
8,9を合型すると、上方側の型構成部8において濾過
材層2及び裏打層3により成る下面8aで、展延シール層
10と接触することによる完璧な水封性が得られるものと
なる。なお、型構成部8及び9における最外側の耐圧補
強層4においては、双方の型8,9が合型した時点でも
10mm前後離れるようにしてあるので、前記裏打層3,3
相互間における水封的な接面状態は、保証されるものと
なる。そのため、本案主要構造によって、鋳込み時に起
こっていた当初の解決課題は、解決されるに至った。
ところで、鋳込みを終えた後に、型構成部8,9を離型
又は脱型して(以下、両者を総じて「脱型」と言う)成
形空間内の成形品を取り出そうとする場合には、次の如
き新たな問題点が生じていた。すなわち、前述した如
く、成形品の脱型時には、濾過材層2の層中に埋設され
た多孔質チューブ(第4図中の符号7参照)へ加圧空気
を送ることで、鋳込み時に当該濾過材層2中へ浸透させ
た水分を成形空間内へ押し返すようにし、これによって
濾過材層2の成形空間へ臨む成形面2aに水膜を形成させ
ていた。該水膜は、濾過材層2の成形面2aと成形品の外
形面との間で剥離剤的作用を奏するようになるので、型
構成部8,9の脱型が容易となり、且つ成形品が傷めら
れることも防止される。しかし、合型状態にある型構成
部8,9を少しでも離反させると、一方の型構成部(展
延シール層10が設けられていない型構成部8)にあって
は、その下面8aのうち濾過材層2による多孔質接面部が
むき出し状態となる。そのため、前記多孔質チューブ
(図示省略)からの加圧空気は、濾過材層2の接面部へ
向けて逃げるようになり、該接面部近傍の成形面2aでは
水膜が形成されないか又は形成されたとしてもその水量
において不充分なものでしかなかった。ところが、この
ような問題点は、展延シール層10の設けられた型構成部
9にあっては生じていなかったので、本案従属構造で
は、展延シール層10の設けられていない型構成部8に対
して、その濾過材層2の接面部へ目止め層を形成するよ
うにしたものである。
第2図は、本案従属構造の要部を拡大して示す部分断面
図である。本実施例では、前記第1図に示した実施例と
は反対に、上方の型構成部8の下面8aに対して展延シー
ル層10が設けられたものとしてある。そして、下方の型
構成部9には、その上面9aのうち少なくとも濾過材層2
による接面部に目止め層13が形成されている。該目止め
層13の形成素材は、通気性を遮断する特性を有したもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば前記展延
シール層10に用いたものと同様な素材を用いてもよい。
また、該目止め層13の形成方法は、その使用素材によっ
ても異なるものであるが、例えばハンドレイアップ法
や、塗布して展延する方式,貼着して研磨する方式など
適宜選択可能である。
(別態様の検討) 前記各実施例は、洗面器を鋳込むための成形型について
説明したため、型構成部8,9が、それぞれ上型と下型
とに対応するものであるとした。しかし、便器(殊に洋
風便器)などを鋳込むための成形型に本案主要構造及び
本案従属構造を実施する場合には、上,下型の他に背面
型や中子型などが加わるものであり、このような場合に
は、それぞれの型の接面部をも対象とされることは言う
までもない。更に、展延シール層10は、型構成部8又は
9に対して、濾過材層2及び裏打層3の各全部の接面部
に形成されることが限定されるものではない。例えば、
第3図は、隅付け用ロータンクなどを2個同時に鋳込む
ことができるようにした成形型の型構成部9(下型)を
示す平面図であるが、同図に示す如く、該型構成部9の
上面9aのうち、裏打層3に形成される展延シール層10
は、各成形空間B,Bの濾過材層2,2をそれぞれ被覆
し、且つその周部を縁取る程度にとどめてある。このよ
うに、本案主要構造及び本案従属構造の構成及び形状
は、実施の態様に応じて適宜変更可能である。
「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案に係る圧力鋳込み
用成形型の漏洩防止構造によれば、濾過材層相互の突き
合わせ部分において泥漿や加圧水が漏洩することはない
ので、成形品にバリ発生することはない。すなわち、成
形品において、その乾燥が始まる前にいちいちバリを取
り除くような必要はない。そのため、鋳込み作業全体と
しての作業能率が向上し、生産能率の向上につながる。
また、型構成部を製造する場合に、濾過材層や裏打層の
接面部においてその平面度及び平滑度などについて精度
高く仕上げる必要もなくなる。更に、本案従属構造によ
り、鋳込み後において成形品を脱型する場合にも、すべ
ての型構成部において、その濾過材層における成形面の
全面にわたって充分な水量の水膜が形成できるようにな
ったので、脱型が確実且つ容易となり、脱型不良により
成形品に傷を付けることもない。すなわち、生産性に優
れ、且つ歩留り率を向上させることが可能になった等、
幾多の優れた利点を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本案主要構造の要部を拡大して示す部分断面
図、第2図は本案従属構造の要部を拡大して示す部分断
面図、第3図は本案主要構造の別態様を示す平面図、第
4図は従来の成形型を示す側断面図である。 2…濾過材層、2a…成形面 3…裏打層、4…耐圧補強層 8,9…型構成部、10…展延シール層 13…目止め層

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形空間が濾過材層,裏打層,耐圧補強層
    により重合的に被覆形成され複数の型構成部に分離可能
    な圧力鋳込み用成形型に対して設けられる泥漿などの漏
    洩防止構造において、前記型構成部相互が合型されると
    ころの接面部にはいずれか一方の面に濾過材層の全部及
    び裏打層の一部乃至全部にわたる展延シール層が形成さ
    れていることを特徴とする圧力鋳込み用成形型の漏洩防
    止構造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された圧力鋳込み用成形型
    の漏洩防止構造にあって、前記展延シール層が形成され
    た型構成部に対して合型される他方の型構成部には通気
    遮断性を有する目止め層が少なくとも濾過材層による接
    面部を覆って形成されていることを特徴とする圧力鋳込
    み用成形型の漏洩防止構造。
JP1382089U 1988-12-23 1989-02-08 圧力鋳込み用成形型の漏洩防止構造 Expired - Lifetime JPH069770Y2 (ja)

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