JPH069700A - ポリエチレングリコール−ヒルジン結合体、その製造法及び血栓症の治療への使用 - Google Patents

ポリエチレングリコール−ヒルジン結合体、その製造法及び血栓症の治療への使用

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JPH069700A
JPH069700A JP5030212A JP3021293A JPH069700A JP H069700 A JPH069700 A JP H069700A JP 5030212 A JP5030212 A JP 5030212A JP 3021293 A JP3021293 A JP 3021293A JP H069700 A JPH069700 A JP H069700A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単で直ぐに使用でき工業的スケールに適用
できるPEG−ペプチド結合体を製造する方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 適当な無水溶媒中ポリエチレングリコール又
はその誘導体(PEG)を活性化し、活性化されたPE
Gを回収し、該活性化されたPEGとペプチドをカップ
リングさせる工程を含むポリエチレングリコール(又は
誘導体)−ペプチド(PEG−ペプチド)結合体(conj
ugate )の製造方法であって、PEGを、カルボニルジ
イミダゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド及び2,
3,5−トリクロロホルメート(2,3,5-trichloroforma
te)から選ばれる活性化剤によって活性化させ、活性化
されたPEGの回収を疎水性有機溶媒により活性化混合
物から沈殿させることによって行うことを特徴とする製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレングリコー
ル(又は誘導体)−ペプチド結合体(conjugate )、
(以下、「PEG−ペプチド」と略す。)、特に、ポリ
エチレングリコール(又は誘導体)−ヒルジン(hirudi
n )(PEG−ヒルジン)結合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレングリコールの様な化合物及
びその誘導体(以下PEGと略す。)又はデキストラン
は、ヒトにおいて免疫原性がないことが知られており,
薬物学的使用を目的とする蛋白質と合わせて使用するこ
とが、インビボ(in vivo )でこれら蛋白質の半減期を
延長するために提案されている。
【0003】即ち、ペプチド、例えばヒルジンは、65
〜66アミノ酸を含有するペプチドの混合物の形態で医
用ヒルの唾液腺にその主な供給源があり、非常に特異的
且つ効果的なトロンビン阻害特性が知られているが、血
流から直ぐに除去されてしまう。その半減期は、約1時
間である。それゆえ、ヒルジンのインビボでの半減期を
延ばすことは、特に血栓症の予防に使用するために有効
である。
【0004】インビボにおける半減期を延ばすために、
デキストラン−ヒルジン結合体が、ピー.クローズ(P.
Crause)によって作られた(EP-A-0,345,616)。ラット
において、デキストラン−ヒルジンの半減期は、遊離の
ヒルジンの半減期に比べ、インビボで増加したが、デキ
ストランとヒルジンとを結合する方法の収率が非常に低
く、結合したヒルジンの活性の70%以上が失なわれる
のが観察される。
【0005】PEG−ペプチド結合も知られており、ま
た共有結合によって一般的に得られる。
【0006】ペプチドとPEGのカップリングの方法は
PEGの活性化とペプチドと活性化したPEGのペプチ
ドとのカップリングという主たる2つのステップを包含
する。
【0007】最初の活性化ステップが、一般に得られる
結合体の最終収率を限定する。
【0008】確かに、従来の方法によって、活性化した
PEGを精製し回収するステップを必要とするPEG活
性化方法が提案されているが、これは、収率が低い。
【0009】確かに、ベアウチャンプら(Beauchamp et
al.)(アナリティカルバイオケミストリー(Analytica
l Biochemistry) 1983, 131 ,25-33)は、水に対する広
範(extensive )な透析と凍結乾燥によって活性化PE
Gを精製するステップを含む、ジオキサン中でカルボニ
ルジイミダゾールとの反応によってPEGを活性化する
方法を開示している。
【0010】広範なので、この透析は工業的スケールに
適用する場合に問題がある。更に、活性化したPEG
は、水溶液媒体中で不活性化され、それによって透析ス
テップによる活性化反応の収率を下げることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単で直ぐ
に使用でき工業的スケールに適用できるPEG−ペプチ
ド結合体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、更に、ヒルジンの少なくとも80%がPEG
と結合し、得られる結合体が出発物質のヒルジンに比べ
て100%近く活性を保持しているようなPEG−ヒル
ジン結合体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、以下のような方法を
見出して本発明を完成した。
【0013】即ち、本発明の方法は、適当な無水溶媒中
でPEGを活性化し、PEGを回収する公知のステップ
及びペプチドとの反応を含む。
【0014】PEG、即ち、ポリエチレングリコール及
びその誘導体は、主にポリエチレングリコール及びポリ
エチレングリコールのC1〜C6の低級脂肪族モノエーテ
ル、ポリエチレングリコールの芳香族モノエーテルまた
はモノエステル並びに単量体単位に関して総数のエチレ
ングリコール単位の少なくとも90%を含有するポリグ
リコール化(polyglycolated)された誘導体を意味する
と理解されるものである。
【0015】驚くべきことに、カルボニルジイミダゾー
ル、N−ヒドロキシスクシンイミド及び2,3,5−ト
リクロロホルメート(2,3,5-trichloroformate)から選
ばれる試薬で活性化することによって活性化されたPE
Gは、疎水性有機溶媒によって活性混合物から沈殿によ
って簡単に精製され、続くペプチドとの縮合ステップに
おいても活性を維持することが見出された。
【0016】疎水性有機溶媒としては、例えば、脂肪族
エーテル又は炭化水素を含む、非極性または僅かに極性
のある非プロトン性の溶媒から選ばれる。
【0017】この疎水性有機溶媒として、エチルエーテ
ル、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタンから選択される
ものが有利であり、特にエチルエーテルが好ましい。
【0018】活性化したPEGは、濾過によって回収さ
れ凍結乾燥される。
【0019】PEG活性化反応は、適当な無水溶媒中、
好ましくは極性非プロトン性の溶媒中で行われるのが良
い。
【0020】適当な無水溶媒としては、一般に、ジオキ
サン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチ
ルスルホキシドまたはテトラヒドロフランから選ばれ
る。
【0021】好ましくは、PEGは、活性化剤としてカ
ルボニルジイミダゾールによって活性化される。
【0022】PEGの活性化において、PEG1モルに
対し、活性化剤は5〜50モル、好ましくは10〜20
モル使用される。
【0023】本発明の方法に使用されるPEGは、分子
量が2,000〜100,000、好ましくは2,00
0〜50,000が良く、ポリエチレングリコール及び
ポリエチレングリコールのC1〜C6の低級脂肪族モノエ
ステルから選ばれる。
【0024】従って、カルボニルジイミダゾールとの反
応によって得られる活性化されたPEGは、以下の一般
式I:
【0025】
【化1】
【0026】〔式中、Rは、水素原子、C1〜C6のアル
キル基又はカルボニルイミダゾール基、nは、約45〜
2,400を示す。〕で表される。ペプチドとのカップ
リングは、ペプチドの遊離のアミノ官能基によりイミダ
ゾール環を置換することによって僅かにアルカリ性で行
われる。
【0027】このようにして得られる結合体は、以下の
一般式II:
【0028】
【化2】
【0029】〔式中Rおよびnは、上記に同じ。〕で表
される。
【0030】特に有利な方法として、本発明の方法は、
PEG−ヒルジン結合体の製造に使用される。
【0031】ヒルジンは、医用ヒルの唾液腺から抽出さ
れる天然のヒルジン、その天然変異体(variants、その
いくつかはHV1、HV2及びHV3と称されてい
る)、並びに遺伝子工学によって産生され、抗トロンビ
ン活性を有する変異体及びアナログ(analogs )を意味
すると理解される。
【0032】遺伝子工学によるこれらペプチドの製造
は、特に、特許出願EP-A-0,158,564、EP-A-0,200,655、
EP-A-0,273,800及びEP-A-0,332,529中に記載されてい
る。
【0033】ヒルジンは、ペプチド配列中に数個のリジ
ン基を有している。活性化されたPEGは、それゆえ、
ランダムな方法でペプチドのN−末端官能基またはいず
れかの異なるリジン基のアミン官能基に結合し得る。
【0034】しかし、予想外にも、活性化されたPEG
は、ヒルジンのN−末端アミンに結合しておらず、それ
によってペプチド単独の抗トロンビン活性に近い活性を
有する結合体を得ることができる。
【0035】その結果、本発明は、また、PEG−ヒル
ジン結合体の製造方法にも係り、この方法は: a)適当な無水溶媒中でのカルボニルジイミダゾールと
の反応によるPEGの活性化、 b)疎水性溶媒を用いての沈殿による活性化されたPE
Gの回収、 c)わずかにアルカリ性の媒体中、ヒルジン又はその変
異体と活性化されたPEGとの縮合及び d)得られた結合体の精製 の各工程を包含する。
【0036】活性化されたPEGの製造及びペプチドと
の縮合の工程a)、b)及びc)は、上記に記載した条
件に従って行われる。
【0037】PEG−ヒルジン結合体の精製のステップ
d)は、一般に以下の2ステップのクロマトグラフィー
によって行われる: d1)反応していない過剰のPEGを除去する陰イオン
交換クロマトグラフィー及びそれに続く d2)残留する遊離ヒルジンから結合体を分離する逆相
クロマトグラフィー。
【0038】d1)で用いられる陰イオン交換樹脂は、
D−セファロース又はQ−セファロースが有利であり、
d2)で行われる逆相(reversed phase)は、RP30
0又はRP8相が有利である。
【0039】抗トロンビン活性を有して得られる結合し
たヒルジンの収率は、60%以上である。
【0040】有利に、本発明の方法は、ヒルジン変異体
HV2−Lys47に使用される。
【0041】最後に、本発明は、上記に記載した方法に
よって得られるPEG−ヒルジン結合体及び血栓症の治
療における治療薬としてのそれらの使用にも係る。
【0042】以下の実施例は、添付図面を参照して、活
性化されたPEGの製造、PEG−ヒルジン結合体の製
造及び得られた結合体の抗トロンビン活性について、本
発明を例示することを目的としている。
【0043】
【実施例】
実施例1 活性化されたPEGモノメチルエーテル
(5,000)(MPEG5,000)の製造 MPEG5,000を活性化する反応は、すべて、無水
媒体中で行う。それゆえ、まず、反応媒体の構成物中に
存在するわずかな水も除去する。MPEG5,000
(メルク(Merck) )及びN,N´−カルボニルジイミダ
ゾール(CDI)(アルドリッチ(Aldrich) )の貯蔵
は、水を捕獲するためにシリカゲルを含むデシケーター
中で行う。5Aのモレキュラーシーブ(プロラボ(Prola
bo) )を、400℃に加熱したオーブン中で乾燥さ
せ、、その後温度を50℃に下げた後、該モレキュラー
シーブを500mlのジオキサン(SDS)に加え、溶
媒中に存在する水を捕獲する。
【0044】25g(約4mmol)のMPEGを、
8.1g(約50mmol)のCDIに加え、混合物を
少なくとも2時間凍結乾燥する。乾燥した粉末を、50
mlのジオキサンに加え、MPEG5,000をCDI
で活性化させる反応を、攪拌しながら37℃で2時間行
う。MPEG5,000分子は、たった1つの遊離のヒ
ドロキシ基を有しているので、可能な活性化部位を1か
所のみ有していることになる。
【0045】活性化されたMPEG5,000の回収
は、エーテルを用いて沈殿させることによって行う。反
応媒体中の温度が20℃又はそれ以下になった時点で、
2容量のエーテルを攪拌しながら加えると、MPEG
5,000は即座に沈殿するが、過剰のCDI及び反応
中に遊離したイミダゾールは、溶液中に存在する。該溶
液をワットマン(Whatmann)44フィルターで濾過し、
フィルターをエーテルで洗浄した後、凍結乾燥した活性
化されたMPEG5,000の沈殿物を、50mlのジ
オキサン中に入れ、上述したようにエーテルで再沈殿さ
せる。濾過後、活性化されたMPEGを、終夜凍結乾燥
し、水分から防御するために、シリカゲルを含むデシケ
ーター中で保存する。
【0046】実施例2 活性化されたPEG50,00
0の製造 PEG50,000を活性化する反応は、すべて、無水
媒体中で行う。全ての痕跡量の水を除去するために、P
EG50,000、CDI及びジオキサンを、実施例1
に記載したように処理する。
【0047】19.2g(約384μmol)のPEG
50,000を、1g(約6mmol)のCDIに加
え、混合物を少なくとも2時間凍結乾燥する。乾燥した
粉末を、50mlのジオキサンに加え、PEG50,0
00をCDIで活性化させる反応を、攪拌しながら60
℃で15時間行う。PEG50,000の分子は、2つ
の遊離のヒドロキシ基を有している:それゆえ、PEG
50,000の1分子につき2つの可能な活性化部位が
ある。
【0048】活性化されたPEG50,000を、実施
例1に記載したようにエーテルで沈殿させることによっ
て回収する。18.6gの活性化されたPEG50,0
00が回収される。
【0049】実施例3 ヒルジン−rHV2−Lys4
7と活性化されたMPEG(5,000)とのカップリ
ング A.rHV2−Lys47とMPEG5,000との結
合(Conjugation ) 3g(約0.5mmol)の実施例1の活性化されたM
PEG5,000と、15mg(約2μmol)のrH
V2−Lys47を、100mM ホウ酸塩バッファー
(borate buffer )(pH8.4)25ml中で混合す
る。反応媒体を攪拌しながら4℃で12時間放置する。
活性化されたMPEG5,000は、水と接触すると急
速に活性を失うので、3gの活性化したMPEG5,0
00を、12時間毎に順次反応媒体に4回加える。4度
目の活性化されたMPEG5,000の添加の後、反応
媒体を再度4℃で48時間放置する。
【0050】B.MPEG5,000−rHV2−Ly
s47結合体の精製 MPEG5,000−rHV2−Lys47結合体の精
製を以下の2段階で行なう:即ち、 i) 陰イオン交換クロマトグラフィーによって、MPE
G5,000−rHV2−Lys47及びrHV2−L
ys47をカラムに吸着させ、遊離の保持されていない
過剰のMPEGを除去する。
【0051】ii) 逆相カラムクロマトグラフィーによっ
て、残存するrHV2−Lys47を、MPEG5,0
00−rHV2−Lys47から分離する。
【0052】1.Q−セファロースでの陰イオン交換ク
ロマトグラフィー 直径14mmのバイオラッドカラム(Biorad column )
に10mlの相(phase )を注ぎ入れ、50mlの平衡
化バッファー:10mM ホウ酸塩(borate)で、流速
1ml/分で平衡化する。全クロマトグラフィーを流速
1ml/分で行う。Aで得られたMPEG5,000−
rHV2−Lys47を含有する反応媒体を、水で10
倍に希釈し、10mMホウ酸塩を含有する溶液とする。
約250mlの試料を得、これをQ−セファロースカラ
ムにかける。カラムを50mlの平衡化バッファーで洗
浄し、溶出を10mlの10mMホウ酸塩バッファー
(pH8.5)、1M NaClを用いて行い、カラム
を平衡化バッファーで再度平衡化する。遊離のrHV2
−Lys47及びMPEG5,000−rHV2−Ly
s47を含む20mlの試料が回収される。これは、溶
出10mlとカラムの再平衡化の10mlとを合わせた
ものに相当する。
【0053】2.逆相RP300でのクロマトグラフィ
全クロマトグラフィーを流速1ml/分で行う。アクア
ポアー(Aquapore)RP300カラム(直径95mm、
長さ250mm(アプライドバイオシステムズ(Applied
Biosystems)社))及びヒューレットパッカード社(He
wlett Packard)HP1090HPLCを使用する。
【0054】遊離のrHV2−Lys47及びMPEG
5,000−rHV2−Lys47を含む1で得られた
試料のpHを、10mM TFA平衡化バッファー水溶
液でpH2に低下させる。これにより、最終容量が35
mlになる。5mlの試料を、RP300カラムにイン
ジェクトし、カラムを平衡化バッファーで洗浄すること
により、試料中の塩を除去する。次いで、溶出を10m
M TFAを含有する0から100%のアセトニトリル
の40分グラジエントで行い、その後カラムを10〜2
0mlの平衡化バッファーで洗浄する。蛋白質の溶出
は、ODを215nmで測定することによってモニタリ
ングする。操作は、7回行い、こうして35mlの試料
をクロマトグラフィーにかける。クロマトグラムを、図
1に示す。2つの画分が回収される:即ち、 −画分1は、リテンション時間が15分であり、遊離の
rHV2−Lys47を含有するピークに相当する。
【0055】−画分2は、リテンション時間が19〜2
2分であり、MPEG5,000−rHV2−Lys4
7を含有するピークに相当する。
【0056】rHV2−Lys47(画分1)及びMP
EG5,000−rHV2−Lys47の溶出ピークの
比較から、95%以上のrHV2−Lys47がMPE
G5,000と結合していることが判る。
【0057】7回のクロマトグラフィーで得られる遊離
のrHV2−Lys47を含有する7つの画分1を混合
し、終夜凍結乾燥し、PBSバッファー中に入れる(表
参照)。この操作を、MPEG5,000−rHV2−
Lys47を含む7つの画分2についても同様に行う。
【0058】得られた結合体のN末端配列は、通常の方
法で決定でき、その結果、活性化されたMPEG5,0
00は、rHV2−Lys47の末端のアミン官能基に
結合していないことを確認する。
【0059】実施例4 ヒルジン rHV2−Lys4
7と活性化されたPEG50,000とのカップリング A.rHV2−Lys47とPEG50,000との結
2g(約40μmol)の実施例2の活性化されたPE
G50,000と、2mg(約280nmol)のrH
V2−Lys47を、100mM ホウ酸塩バッファー
(pH8.4)5ml中で混合する。反応媒体を攪拌し
ながら4℃で24時間放置する。活性化されたPEG5
0,000は、水と接触すると急速に活性を失うので、
100mM ホウ酸塩バッファー5ml中に含まれる2
gの活性化したPEG50,000を、24時間毎に順
次反応媒体に4回加える。36mlのPEG50,00
0−rHV2−Lys47の溶液が回収される。
【0060】B.PEG50,000−rHV2−Ly
s47結合体の精製 MPEG5,000−rHV2−Lys47の場合と同
様に、PEG50,000−rHV2−Lys47結合
体の精製を以下の2段階で行う:即ち、 i) 陰イオン交換クロマトグラフィー、及び ii) 逆相カラムクロマトグラフィー。
【0061】1.Q−セファロースでの陰イオン交換ク
ロマトグラフィー 直径14mmのバイオラッドカラムに10mlの相を注
ぎ入れ、50mlの平衡化バッファー:10mM ホウ
酸塩(pH8.5)で、流速1ml/分で平衡化する。
全クロマトグラフィーを流速1ml/分で行う。Aで得
られるPEG50,000−rHV2−Lys47を含
有する反応媒体を、水で10倍に希釈し、10mMホウ
酸塩を含有する溶液とする。約360mlの試料を得、
これを3回にわけてQ−セファロースカラムでのクロマ
トグラフィーにかける。120mlの試料をQ−セファ
ロースカラムにかけ、カラムを50mlの平衡化バッフ
ァーで洗浄し、溶出を10mlの10mMホウ酸塩バッ
ファー(pH8.5)、1M NaClで行い、カラム
を平衡化バッファーで再度平衡化する。遊離のrHV2
−Lys47及びPEG50,000−rHV2−Ly
s47を含む40mlの試料が回収される。これは、溶
出10mlとカラムの再平衡化の最初の30mlの和に
相当する。
【0062】2.逆相リクロスフェアー(Lichrospher
e)RP8でのクロマトグラフィー 全クロマトグラフィーを流速1ml/分で行う。5μリ
クロスフェアーRP8カラム(直径4mm、長さ125
mm(ヒューレットパッカード社))及びヒューレット
パッカード社HP1090HPLCを使用する。
【0063】遊離のrHV2−Lys47及びPEG5
0,000−rHV2−Lys47を含む1で得られた
試料のpHを、純粋なTFA200μlでpH1.5に
低下させる。カラムを10mM TFA平衡化バッファ
ー水溶液で平衡化する。20mlの試料を、RP8カラ
ムにインジェクトし、カラムを平衡化バッファーで洗浄
することにより、試料中の塩を除去する。溶出は、10
mM TFAを含有する0から100%のアセトニトリ
ルの40分グラジエントで行い、その後カラムを10〜
20mlの平衡化バッファーで洗浄する。蛋白質の溶出
は、ODを215nmで測定することによってモニタリ
ングする。操作は、2回行い、こうして40mlの試料
をクロマトグラフィーにかける。クロマトグラムを、図
2に示す。2つの画分が回収される:即ち、 −画分1は、リテンション時間が15分であり、遊離の
rHV2−Lys47を含有するピークに相当する。
【0064】−画分2は、リテンション時間が20〜3
0分であり、PEG50,000−rHV2−Lys4
7を含有するピークに相当する。
【0065】rHV2−Lys47(画分1)及びPE
G50,000−rHV2−Lys47(画分2)の溶
出ピークの比較から、70%以上のrHV2−Lys4
7がPEG50,000と結合していることが判る。
【0066】2回のクロマトグラフィーで得られる遊離
のrHV2−Lys47を含有する7つの画分1を混合
し、終夜凍結乾燥し、PBSバッファー中に入れる。こ
の操作を、PEG50,000−rHV2−Lys47
を含む2つの画分2についても同様に行う。
【0067】実施例5 得られた結合体の定量と活性 実施例3及び4で得られた結合体の定量を3種の異なる
方法: −逆相分析クロマトグラフィー(分析HPLC)、 −抗トロンビン活性試験及び −アミノ酸分析 によって行った。
【0068】a)分析クロマトグラフィー 5μリクロスフェアーRP8カラム(直径4mm、長さ
125mm(ヒューレットパッカード社))及びヒュー
レットパッカード社HP1090HPLCを使用する。
流速は、全クロマトグラフィーの間1ml/分である。
【0069】RP8リクロスフェアーカラムを、平衡化
バッファー:30%アセトニトリル、10mM TFA
及び70%水で平衡化する。500μlのPBSに含有
されている約25μgのPEG−rHV2−Lys47
をカラムにインジェクトし、平衡化バッファーでカラム
を洗浄後、溶出を10mM TFAを含む30から65
%アセトニトリル/水の40分グラジエントで行い、そ
の後カラムを平衡化バッファーで再度平衡化する。蛋白
質の溶出は、蛋白質に特徴的なOD215nmを測定す
ることによってモニタリングする。クロマトグラムに存
在する溶出ピークの面積は、カラムにインジェクトした
蛋白質の量に比例する。上述の様な条件下でrHV2−
Lys47の既知量をクロマトグラフィーすることによ
り、溶出ピークとインジェクトされたrHV2−Lys
47の量とを相関させることができる。
【0070】b)抗トロンビン活性 ヒルジンの活性を、トロンビン抑制試験によってアッセ
イする。この試験に使用する基質は、トロンビンによっ
て切断され、410nmで吸光を示す発色基(Chromoph
ore )を遊離するクロモザイムPL(Chromozym PL)
(トシル−グリシル−プロリル−リシン−4−ニトラニ
リドアセテート)である。
【0071】発色基の形成速度は、反応媒体中に存在す
る活性トロンビンの量に依存する。ヒルジンの存在下、
トロンビンは抑制され、発色基の形成速度は、遅くな
る。
【0072】活性試験に使用した物質 −rHV2−Lys47:2.5mg/ml、氷上に保
存 −トロンビン:カイネティックスバッファー中3.3μ
g/ml(IU/ml)、氷上に保存 −クロモザイムPL(ベーリンガー):6.66mg/
ml、室温で保存 −カイネティックスバッファー:50mM トリス−塩
酸 0.1M NaCl 0.1% PEG 6,000 pH 7.9 37℃にサーモスタットで調整する。
【0073】反応は、水浴を用いて、37℃にサーモス
タットで調整したスペクトロフォトメーター中410n
mでモニターする。0〜100μlのヒルジンを1ml
のプラスティックスペクトロメーターキュベット中でカ
イネティックスバッファー中50μlトロンビンと混合
し、最終容量980μlとする。キュベットをあらかじ
め37℃で3分間プレインキュベートし、ヒルジンをト
ロンビンに結合させる。20μlのクロモザイムを各キ
ュベットに加え攪拌後、ODを毎分3分間410nmで
測定する。結果はOD/分で得られる。
【0074】rHV2−Lys47の比活性(specific
activity )は公知であり(15,000ATU/m
g)、結合体の活性をアッセイすることにより、結合体
の量が判る。
【0075】C)アミノ酸の分析 アミノ酸分析を、従来公知の方法によって行う。結合体
を6N HCl蒸気で加水分解し、アミノ酸を5%n−
ヘプタン中254nmで吸光するフェニルイソシアネー
ト(PITC)と結合させる。アミノ酸結合体をC18
相カラムにインジェクトし、種々の結合体を分離できる
グラジエントを用いて溶出する。PITCとアミノ酸と
の結合及びクロマトグラフィーは、アプライドバイオシ
ステムズ社 130A アミノ酸アナライザーを用い
た。逆相カラムでのリテンション時間は、各アミノ酸結
合体に特異的である。アミノ酸結合体の標準溶液によっ
て、これらのリテンション時間を決定することができ、
またrHV2−Lys47の結合体の加水分解物中に存
在するアミノ酸の量を決定することができる。rHV2
−Lys47のアミノ酸構成は知られているので、この
ように分析したrHV2−Lys47の正確な量を決定
することができる。
【0076】実施例3及び4の結合体について得られた
結果を以下の表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】これら2種の実施例において、活性試験
は、分析HPLC又はアミノ酸分析によって得られる定
量結果と同様の結果を与えるという事実により、明らか
に、得られたPEG−ヒルジン結合体のほぼ100%が
活性を有する(実施例3では、85から98%、実施例
4では、63から88%)ことが判る。
【0079】実施例6 ヒルジン rHV2−Lys4
7並びにMPEG50,000及びPEG50,000
との結合体2種の阻害定数の測定 阻害定数の分析を、アール.エス.ストーン及びジェ
イ.ホフスティーンジ(R.S.Stone and J.Hofsteenge、
バイオケミストリー(Biochemistry)、1986,25,4628及び
バイオケミストリー(Biochemistry)、1991,4 ,295-300
)に記載の方法に従って行う。
【0080】ヒルジンは競合型の機構に従ってトロンビ
ンを阻害する。阻害定数はそれゆえ以下のようにして計
算できる。
【0081】Ki=Ki´/(1+S/KM) Ki=阻害定数 Ki´=見掛けの阻害定数 KM=3.63μM=ミハエリス定数 S=基質濃度 Ki´及びSが測定できる。
【0082】結果を以下の表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】MPEG5,000又はPEG50,00
0の結合は、rHV2−Lys47−トロンビン複合体
における阻害定数に影響を及ぼさない。これらの結果に
より、PEG−ヒルジン結合体は、遊離のヒルジンと同
様の効果のあるトロンビン阻害物質であることが判る。
【0085】実施例7 インビボにおける薬物速度論的
試験 遊離のrHV2−Lys47及びPEG−rHV2−L
ys47のラット血漿における半減期を測定するため
に、以下の2種の実験を行った: −短期間の試験:ラットに麻酔がきいている最大5〜6
時間のみ続ける。
【0086】−長期間の試験:48時間続け、ラットは
試験の期間中意識がある。
【0087】実験において、300gのスプラークドー
レー種(Spraque Dawley strain )のラットを使用す
る。実験開始前5日間、ラットをそれぞれのケージに分
け、13時間の昼−夜周期に順応させ、水と食物を自由
摂取させる。
【0088】血液試料を、血液4容量に対して1容量と
なるように3.2%クエン酸ナトリウム溶液をあらかじ
め入れたプラスティックチューブに集める。
【0089】血漿を、採血から10分以内に、室温で5
分間4,000gで遠心することにより調製する。血漿
試料を−80℃で保存する。使用した結合体は、短期間
の試験においてはMPEG5,000−rHV2−Ly
s47、長期間の試験においてはMPEG5,000−
rHV2−Lys47及びPEG50,000−rHV
2−Lys47を使用する。
【0090】a)短期間の試験 各試験を2匹のラットで並行して行う。実験の日にラッ
トにペントバルビタールナトリウム塩(50mg/k
g)を腹腔内投与して麻酔をする。カテーテルを右の頸
静脈に入れ、遊離形態(コントロール)又は結合した形
態のrHV2−Lys47 500μgを投与する。第
2のカテーテルを、左の頸動脈に入れ、血液試料を集め
る。
【0091】血液試料は、rHV2−Lys47又はP
EG−rHV2−Lys47注射前(t0)並びに注射
後5分、10分、20分、1時間、2時間、4時間、5
時間及び6時間後に集める。
【0092】b)長期間の試験 各試験を2匹のラットで並行して行う。実験の日に、ラ
ットの尾の血管に、遊離形態(コントロール)又は結合
した形態のrHV2−Lys47を500μg投与す
る。血液試料は、rHV2−Lys47又はPEG−r
HV2−Lys47注射前(t0)並びに注射後5分、
8時間及び24時間後に尾の血管からエーテルでの緩や
かな麻酔下で集める。これら期間を除き、ラットは実験
中全て意識がある。
【0093】c)血漿試料の分析 短期間の試験において、遊離形態(コントロール)又は
結合した形態のrHV2−Lys47の量を、ELIS
A試験及び活性試験によって決定する。キャリブレーシ
ョン系列は、集められた試料と同じ様な条件にするため
に、t0に集められた血漿で希釈したrHV2−Lys
47又はMPEG5,000−rHV2−Lys47の
適切に定量された溶液で調製する。血漿試料は、カイネ
ティックスバッファーで希釈され、rHV2−Lys4
7の濃度が、キャリブレーションの範囲に入るようにす
る。長期間の試験においては、遊離または(MPEG
5,000及びPEG50,000と)結合したrHV
2−Lys47の量を、抗トロンビン活性試験によって
決定する。これらの分析の結果は、短期間の試験につい
ては図3に、長期間の試験については図4に示す。rH
V2−Lys47のC−末端の脱離(degradation )
が、血漿中で起こり、それにより、ELISA試験及び
活性試験により得られる定量結果の差が説明される。事
実、ELISA試験に用いた2種の抗体の1つは、rH
V2−Lys47のC−末端部分を認識するので、活性
が残っている脱離された分子を認識しなくなる。
【0094】しかしながら、rHV2−Lys47を遊
離の形態又はMPEG5,000と結合した形態で、同
量をラットに注射した場合、MPEG5,000−rH
V2−Lys47の血漿濃度は、遊離のrHV2−Ly
s47の場合に比べ、7〜8倍高い。従って同一レベル
の阻害を得るには、遊離のrHV2−Lys47よりも
7〜8倍少ない量のMPEG5,000−rHV2−L
ys47を注射すればよい。
【0095】図4に示した薬物速度論的結果により、M
PEG5,000−rHV2−Lys47の半減期は、
rHV2−Lys47のそれと比較して増大しているこ
とが判る。一方、PEG50,000−rHV2−Ly
s47の半減期は、上記2種のそれよりも、実質的に大
きい。確かに、注射3時間後、注射前の最初に測定した
活性と比較して、PEG50,000−rHV2−Ly
s47結合体で処置したラットで、50%以上の抗トロ
ンビン活性が、MPEG5,000−rHV2−Lys
47結合体で処置したラットで30%の抗トロンビン活
性が観察される。10%未満の抗トロンビン活性が、遊
離の形態のヒルジンをラットに注射した後8時間で測定
される。
【0096】本発明によって製造されるMPEG5,0
00−rHV2−Lys47の生産コストは、遊離のr
HV2−Lys47の生産コストに比べ、僅かに増加す
るだけなので、薬物学的にMPEG5,000−rHV
2−Lys47を使用することは、rHV2−Lys4
7を使用するよりも、実質的にコストが減少できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】RP300カラムでのPEGモノエチルエーテ
ル5,000−rHV2−Lys47(MPEG−rH
V2−Lys47)のクロマトグラフィー後に得られる
クロマトグラムを示す。蛋白質の溶出は、光学密度(O
D)を215nmで測定することにより経時的にモニタ
ーする。
【図2】リクロスフェアー(Lichrosphere)RP8カラ
ムでのPEG50,000−rHV2−Lys47のク
ロマトグラフィー後に得られるクロマトグラムを示す。
蛋白質の溶出は、光学密度(OD)を280nmで測定
することにより経時的にモニターする。
【図3】実施例7cに記載される短期間の試験の間の時
間を横軸にとり、縦軸に遊離又は結合したrHV2−L
ys47の血漿中の濃度を示すグラフである。
【図4】実施例7cで記載される長期間の試験の間の時
間を横軸にとり、縦軸に遊離又は結合したrHV2−L
ys47のパーセンテージ活性を示すグラフである。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適当な無水溶媒中ポリエチレングリコー
    ル又はその誘導体(PEG)を活性化し、活性化された
    PEGを回収し、該活性化されたPEGとペプチドをカ
    ップリングさせる工程を含むポリエチレングリコール
    (又は誘導体)−ペプチド(PEG−ペプチド)結合体
    (conjugate )の製造方法であって、PEGを、カルボ
    ニルジイミダゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド及
    び2,3,5−トリクロロホルメート(2,3,5-trichlor
    oformate)から選ばれる活性化剤によって活性化させ、
    活性化されたPEGの回収を疎水性有機溶媒により活性
    化混合物から沈殿させることによって行うことを特徴と
    する製造方法。
  2. 【請求項2】 該疎水性有機溶媒が、非極性または僅か
    に極性のある非プロトン性の溶媒から選ばれることを特
    徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該疎水性有機溶媒が、脂肪族エーテル及
    び炭化水素から選ばれることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 該疎水性有機溶媒が、エチルエーテル、
    ペンタン、ヘキサンまたはヘプタンから選ばれるもの、
    特にエチルエーテルであることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 該沈殿物を、次いで、濾過及び凍結乾燥
    することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 該活性化反応が、極性非プロトン性溶媒
    から選ばれる適当な無水溶媒中で行われることを特徴と
    する請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該無水溶媒が、ジオキサン、ジメチルホ
    ルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドま
    たはテトラヒドロフランから選ばれることを特徴とする
    請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 PEGが、分子量が2,000〜10
    0,000、好ましくは2,000〜50,000であ
    って、ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコ
    ールのC1〜C6の脂肪族モノエステルから選ばれること
    を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 活性化剤が、カルボニルジイミダゾール
    であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記
    載の製造方法。
  10. 【請求項10】 PEG1モルに対し、活性化剤が5〜
    50モル、好ましくは10〜20モル使用されることを
    特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 該ペプチドがヒルジン又はその変異体
    の1つであることを特徴とする請求項1から10のいず
    れかに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 ポリエチレングリコール(又は誘導
    体)−ヒルジン(PEG−ヒルジン)結合体の製造方法
    であって: a)適当な無水溶媒中でカルボニルジイミダゾールと反
    応させることによりポリエチレングリコール又はその誘
    導体(PEG)を活性化させる工程、 b)活性化されたPEGを、疎水性溶媒を用いて沈殿さ
    せることにより、回収する工程、 c)わずかにアルカリ性の媒体中、ヒルジン又はその変
    異体と活性化されたPEGとを縮合させる工程、及び d)得られた結合体を精製する工程 の各工程を包含する製造方法。
  13. 【請求項13】 活性化反応が、極性非プロトン性溶媒
    から選ばれる適当な無水溶媒中で行われることを特徴と
    する請求項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 該適当な無水溶媒が、ジオキサン、ジ
    メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホ
    キシドまたはテトラヒドロフランから選ばれることを特
    徴とする請求項12又は13に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 該疎水性有機溶媒が、非極性または僅
    かに極性のある非プロトン性の溶媒から選ばれることを
    特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 該疎水性有機溶媒が、脂肪族エーテル
    及び炭化水素から選ばれることを特徴とする請求項12
    から15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 該疎水性溶媒が、エチルエーテル、ペ
    ンタン、ヘキサンまたはヘプタンから選ばれるもの、特
    にエチルエーテルであることを特徴とする請求項12か
    ら16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 PEG1モルに対し、カルボニルジイ
    ミダゾールが5〜50モル、好ましくは10〜20モル
    使用されることを特徴とする請求項12から17のいず
    れかに記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 得られた結合体を、以下の2つの連続
    する工程:即ち、 −反応していない過剰のPEGを除去する陰イオン交換
    クロマトグラフィー及び −残留する遊離ヒルジンから結合体を分離する逆相クロ
    マトグラフィー により精製することを特徴とする請求項12から18の
    いずれかに記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 PEGが、分子量が2,000〜10
    0,000、好ましくは2,000〜50,000であ
    って、ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコ
    ールのC1〜C6の脂肪族モノエステルから選ばれること
    を特徴とする請求項12から19のいずれかに記載の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 ポリエチレングリコール又はその誘導
    体(PEG)が、ヒルジンに対し、そのペプチドの末端
    アミン官能基とは異なる、ペプチドの少なくとも1つの
    アミン官能基に結合しているポリエチレングリコール
    (又は誘導体)−ヒルジン(PEG−ヒルジン)結合
    体。
  22. 【請求項22】 結合体の60重量%以上が、抗トロン
    ビン活性を有することを特徴とする請求項21に記載の
    結合体。
  23. 【請求項23】 PEGが、分子量が2,000〜10
    0,000、好ましくは2,000〜50,000であ
    って、ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコ
    ールのC1〜C6の脂肪族モノエステルから選ばれること
    を特徴とする請求項21又は22に記載の結合体。
  24. 【請求項24】 請求項12から20のいずれかに記載
    の製造方法によって得られる請求項21から23のいず
    れかに記載の結合体。
  25. 【請求項25】 血栓症の治療のための、医薬物質とし
    ての請求項21から23のいずれかに記載の結合体。
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