JP2000510839A - 触媒イミダゾール(例えばヒスチジン)機能を有する触媒を使用した安定化変遷複合体を用いたアシル移行 - Google Patents

触媒イミダゾール(例えばヒスチジン)機能を有する触媒を使用した安定化変遷複合体を用いたアシル移行

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、試薬と基質との間のアシル化移行機構を含む化学反応を、該基質と変遷複合体を形成できるイミダゾール系触媒の存在下で行う方法に関する。触媒性イミダゾール機能は、該変遷複合体をアシル基との分子相互作用によって安定化することができる基で片側または両側がフランキンングされた、任意に置換されたイミダゾール基を含む化学構造要素によって与えられる。本発明はまた、かかる設計された化学構造要素、該要素を組換えDNA技術およびそのベクターによって製造する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 触媒イミダゾール(例えばヒスチジン)機能を有する触媒を使用した安定化 変遷複合体を用いたアシル移行 発明の分野 本発明は、化学反応の触媒作用に関し、さらに詳しくはアシル移行反応の触媒 作用に関する。 発明の背景 いわゆるアシル移行反応は、化学種内でのあるいは一つの化学種から別の化学 種へのアシル基(カルボキシル基のヒドロキシ基を除いた後の有機酸の残基)の 移行を包含する。その例はアミド形成、エステル交換および加水分解である。 アシル移行反応は水溶液中のイミダゾールにより触媒され、強い求核剤である イミダゾールはアシル基と共に中間の反応性複合体を形成しうることは良く知ら れている。ポリマー保持イミダゾールはアシル移行触媒として使用されていた( 例えばSkjujins,A.外のLatv.PSR Zinat.Akad.Vestis,Kim.Ser.1988(6),720-5参 照)。 ヒスチジン(His)残基(イミダゾール基を含むアミノ酸)を含む小さいペプチ ドは加水分解活性を有しうることが更に示された。 構造蛋白質およびペプチドを設計する最近の進歩で、実質的な触媒活性を有す る幾つかのペプチドが製造された(W.F.DeGrado,Nature,365,488(1993)。例えば 、K.Johnsson外、Nature,365,530(1993)は,短い自己会合性Leu-Lys-に富んだら せん状ペプチドであって、シッフの塩基中間体により、オキサロアセテートの基 質とアミンとの間で、静電的に抑制した酸定数(Ka)で、脱カルボキル化の速度を 促進する前記のペプチドを開示する。第2の構造が活性に重要であることが述べ られている。 本発明は、イミダゾール系触媒機能を含む設計された触媒構造における改良を 提供する。発明の概要 本発明によると、アシル移行反応における前記のイミダゾール誘発触媒活性は 、イミダゾリル基と問題とするアシル基とで形成された変遷複合体を安定化でき る性質および位置の基によって、イミダゾリル基が化学構造の片側または両側に フランキングされるならば、かなり増大されることが見いだされた。かかる安定 化を達成するために、フランキング基は、例えば水素結合、静電的または疎水性 相互作用またはファンデルワールス力(分子内分極)により、アシル基と分子間 相互作用できるものでなければならない。 増大した触媒活性は、溶液中の分子間および分子内反応と組み合わせて、立体 特異性とともにまたはなしで、使用しうる。後者の場合、ペプチドまたは他の分 子を部位選択的に機能化することができる。かかる部位選択的機能化は特に生体 分子、例えば抗体またはその他の蛋白質またはポリペプチド、のような分子の部 位選択的固定を可能にするであろう。 本発明の目的の一つは、イミダゾール系触媒を使用して、改良されたアシル移 行型反応を行う方法を提供することである。 本発明の第一の側面においては、アシル基と変遷複合体を形成することができ るイミダゾール系触媒の存在下で、アシル移行機構を含む化学反応を行う改良法 が提供される。該方法は、アシル基との分子相互作用により変遷複合体を安定化 することができる基によって、イミダゾリル基の片側または両側がフランキング された化学構造要素(element)により、イミダゾール機能が与えられた ことを特徴とする。この分子相互作用は、水素結合、静電的相互作用および疎水 性相互作用から選ぶことができる。 前記方法の好ましい態様において、化学構造要素は、前記の中間的複合体をへ てアシル移行により部位を特定的に機能化されうるほど近くの位置に官能基を有 する大きい構造体を構成するか、または該構造体の一部である。 本発明の別の側面は、アシル移行反応の触媒作用能力が改良された化学構造要 素を提供することである。 本発明の第2の側面では、ペンダント型イミダゾール機能を有する骨格構造を 含む化学構造要素であって、該要素は、イミダゾール機能が該骨格構造上の片側 または両側に、変遷複合体をアシル基との分子相互作用によって安定化すること ができるペンダント基によってフランキングされたことを特徴とする要素が提供 される。 一つの態様において、構造要素は、ペプチドまたは蛋白質のような分子であり 、前記の中間的複合体をへてアシル移行により部位を特定的に機能化できるほど 近くの位置に官能基を有する。 本発明の更に別の目的は、遺伝子工学により、変遷複合体安定化基によってイ ミダゾール機能が片側または両側に置かれた構造要素を構成するまたは含む、蛋 白質またはペプチドを製造する方法を提供することである。 第3の側面によると、本発明は、上に定義したイミダゾール機能含有構造要素 を構成するまたは含む蛋白質またはペプチドの製造法を提供し、該方法は、ベク ターおよび該蛋白質またはペプチドをコードしたDNA配列を含む組換えDNA 構造体を宿主生物に形質転換し、該宿主生物を培養して該蛋白質またはペプチド を発現させ、そして後者を培養物から分離することを特徴とする。 前記方法の好ましい態様においては、構造要素は官能基をイミダゾール機能の 近くの位置に含むので、該官能基は、該イミダゾール機能によって触媒されるア シル移行によって、部位特定的に機能化されることができる。 本発明の更に別の目的は、前記の蛋白質およびペプチドをコードする核酸配列 を含むベクターを提供することである。 第4の側面では、本発明は、前記のイミダゾール機能含有構造要素を構成する または含む蛋白質またはペプチドをコードするDNA配列およびベクターを含む 組換えDNA構造体を提供する。 ベクターの好ましい態様においては、該DNA配列は、特定の官能基を、該官 能基がイミダゾール機能により触媒されるアシル移行を介して部位特定的に機能 化されるほどイミダゾール機能の近くの位置にコードする。 本発明の前記及び他の目的、側面、特徴、および利点は、以下の発明の詳しい 記述からさらに十分に理解されるであろう。添付の図面を参照されたい。図面の簡単な説明 図1Aおよび図1Bは、4つの設計されたポリペプチドのらせん−ループ−ら せん、即ち、設計された反応中心を指示したSA−42、RA−42、PA−4 2(図1A)およびKO−42(図1B)、の概略を示す。 図2は、モノ−p−ニトロフェニルフマレートと本発明によるイミダゾール− 含有構造(RA−42)とのアシル移行反応によるp−ニトロフェノールの放出 の二次速度定数の対数を、pHに対して示すグラフである。点線はpKa10. 4を有するオルニチンの脱プロトン付加(deprotonated)形により 触媒された反応の速度定数の予想されるpH依存性を示す。発明の詳細な記述 前記の通り本発明は、アシル移行反応におけるイミダゾール型触媒活性を、骨 格上のイミダゾール機能に、該イミダゾール機能の片側または両側上にペンダン ト型フランキング基を与えることにより、増大させる考えに基づく。該フランキ ング基は形成されたイミダゾール−アシル複合体と、変遷複合体を安定化するよ うに相互作用することができる。更に以下に説明するように、アミド化、エステ ル交換、加水分解またはチオリシスのような望ましいアシル移行反応の反応速度 は、それによりかなり増大するであろう。エステルは現在好ましい基質であるが 、例えばアミドおよび無水物の基質もまた考慮し得る。 “イミダゾール機能または官能基(function)”の用語は、本願では 広く解釈され、望ましい触媒活性を有するあらゆるイミダゾール系構造を含むこ とを意味する。従ってイミダゾール基をいろいろな方法で変更してもよい。多く の目的に有利なイミダゾール機能は、アミノ酸ヒスチジン(α−アミノ−4−( または5)−イミダゾールプロピオン酸)に基づく。イミダゾール機能の使用で きる炭素原子の一方または両方は、例えば独立してアルキルまたはハロゲンで置 換されていてもよい。イミダゾール基はまた、1−位をアルキルで置換されても よい。該アルキルは好ましくは1ないし6個の炭素原子、特に1ないし4個の炭 素原子を有し、例えばメチルまたはエチルである。該ハロゲンにはフッ素、塩素 、臭素およびヨウ素が含まれる。 フランキング基は、アシル変遷複合体と必要な分子相互作用をすることができ る末端官能基または他の基に結合された、例えば1ないし6個の原子、好ましく は1ないし4個の原子、通常は炭素原子、のリンクまたは鎖を含み得る。 触媒構造要素がペプチドであり、そしてイミダゾール機能がヒスチジン残基の 一部である場合は、フランキング鎖は他のアミノ酸、例えばリシン、オルニチン 、アルギニンおよび/または別のヒスチジンから選ばれたアミノ酸、のペンダン ト型プロトン供与部分であることができる。 イミダゾール機能に関してフランキング基を、行われる望ましい変遷複合体安 定化相互作用のための最適な幾何学的関係に局在化するために、触媒性イミダゾ ール機能を支える化学構造要素は、あるタイプの固定性または剛性(rigid ity)、例えば二次構造、を有するのが好ましい。有利な態様においては、化 学構造要素は、いわゆる安定化二次構造、例えばα−らせん形に巻いたコイル、 を有する設計されたポリペプチドである。設計されたらせん形ペプチドは、例え ばJ.W.Bryson外、Science、270、935(1995)に記載されている。しかしながら、 該構造要素はペプチドに限定されない。反対に、該構造要素は、本発明に照らし て、熟練者に容易に明らかな多様の組成物のいずれでもあることができ、従って 、炭水化物、天然若しくは合成のポリマー等のような他のタイプの構造に含まれ るか、あるいはその一部であることができる。該化学構造の大きさは制限されず 、例えば5個のアミノ酸ほど小さいペプチドであってもよい。イミダゾール機能 とフランキング基との間の必要な幾何学的関係については、官能基の配列は、本 願の記載を読めば熟練者がそれぞれの特定の状況に対して容易に設計できるであ ろう。 複合体安定化フランキング鎖の機能部分に依存して、変遷複合体はかかるフラ ンキング鎖と分子内反応で反応し得る。かかる分子内反応は、ペプチド、タンパ ク質および他の分子を選択的に機能化するのに使用できるであろう。かかる分子 内反応の例は以下の反応スキームに概略される。 前記のスキームで、イミダゾール構造はヒスチジン(His)残基の一部であ り、そしてアミノプロピル鎖はオルニチン(Orn)残基の一部であり、両方と も設計されたα−らせん形ポリペプチド内に、互いに4個の炭素原子の距離で( 即ち、“i”(His)および“i+4”(Orn)の位置で)含まれ、従って 該HisおよびOrn残基はらせん形の同じ側に位置する(各コイル内で4炭素 原子)。“I”は活性エステルを表し、本願では特定的にはモノ−p−ニトロフ ェニルフマル酸エステルである。反応はオルニチンのアミノ基が殆ど完全にプロ トン付加される(protonated)pH値で行われ、従って活性エステル との直接反応には使用されない。かかるα−らせん形ポリペプチドの例はRA− 42であり、その超二次構造は図1Aに図式的に示される。RA−42は42個 のアミノ酸、並びにHis−15、Orn−15およびOrn−34の残基を有 する。ポリペプチドRA−42を更に詳しく以下の実験の部分で記載する。 反応は、Hisのイミダゾール残基の活性エステルへの最初の攻撃で開始し、 p−ニトロフェノールを放出してアシル中間体を形成する。オルニチン側鎖はア シル複合体の方へ屈折し得、プロトン付加アミノ酸とアシル基の延びた酸素アニ オン(oxyanion)との間の水素結合を介して該アシル複合体と相互作用 して、アシル中間体は安定化される。アシル基は次にヒスチジン残基からオルニ チン残基に移行し、遊離のヒスチジンが再生される。 追加の安定化鎖をヒスチジン残基の反対側に有してもよい。生成した変遷複合 体を以下に図式的に示す。 ヒスチジン残基が2個の他のヒスチジン残基によりフランキングされた場合( α−らせんの場合、i+4とi−4の位置)、特に増大した触媒活性が得られる ことが見いだされた。 iの位置のヒスチジンに対して、アシル化はi−3の位置でも起こり得る(し かしi−4,i−1,i+2およびi+3の位置では起きない)。 i+4アシル化の例示的基は、前記のオルニチンに加えて、リシンおよび1, 3−ジアミノ−酪酸であり、一方i−3アシル化はリシンによって例示される。 更に、官能基はi+4およびi−3の位置の両方にあってもよく、この場合の 官能基は例えばリシンである。 1個より多くのイミダゾリル機能をi,j,k等の位置に有する構造要素を使 用することも可能であり、これらの官能基は次に、好ましくはそれぞれi+4, j+4,k+4等の位置の官能基によって、片側または両側がフランキングされ てもよい。 従って、簡単な変遷状態結合の原理から設計した例えば機能化らせん−ループ −らせんモチーフを使用して、アシル移行反応を触媒することが可能であり、好 ましい複合体安定化が、例えば、負に荷電した基質と作用する、正に荷電した水 素結合ドナーの導入により、予期できる方法で得られる。前記の場合、変遷状態 における主な結合相互作用は、エステル官能基の延びた酸素アニオンに対する相 互作用である。これは、以下の実験部分で例証されるように、負荷電の官能基を 持たないp−ニトロフェニルアセテートがモノ−ニトロフェニルフマレートと殆 んど同じ効率で触媒されるという事実によって示される。 前に述べたような本発明を具体化する設計されたポリペプチドは、組換えDN A技術(遺伝子工学)によって製造できることが、容易に理解される。かかる技 術は当業者によく知られるので、ここに記載しない。(例えば、EP−B1−2 82042を参照できる。これは、隣接するHis−残基を含む融合タンパク質 の、組換え技術による製造を開示する。) 前記の反応中心の選択性は、例えば折りたたみ(folded)ポリペプチド 内に、新しい機能を導入するのに使用し得る。分子内反応において、安定化用の フランキング基は勿論、アシル移行によって機能化される基である必要はないが 、適当な位置の別の官能基であることができる。 位置−選択性機能化の重要な側面は、タンパク質およびペプチドに炭水化物を 部位選択的に導入することである。これは、問題とする炭水化物を、エステル機 能を含むように修飾することにより達成される。炭水化物は免疫、炎症およびそ の他のプロセスの認定に重要な役割を果たす。炭水化物はまたタンパク質をタン パク質分解から保護し、そしてタンパク質の折りたたみに影響を及ぼす。従って 、炭水化物の部位選択的導入を、炭水化物の役割の系統的研究に使用できるであ ろう。それはまた、薬を分解から保護するのにも使用できる。 本発明の方法は、ワクチンの開発に、免疫系の成分を真似るのに、並びに免疫 系の成分用のアンタゴニストおよびアゴニストを構成するのに、使用できる。 本発明の方法はまた、側鎖に異なる反応性を与える場合、異なる機能を異なる 位置に段階的に導入するのに使用できる。かかる反応は、部位選択的固定化、新 規な触媒のような機能化ポリペプチドの構成、補因子の導入等に大きな潜在的可 能性があることが理解される。 部位選択的固定化の例を以下に図式的に例示するが、ここで前記の、らせん− ループ−らせん型の設計されたポリペプチドは、フランキングアミノアルキル鎖 と安定化の関係にある触媒性ヒステジン残基を有するが、アミノ官能基を介して 固体支持体のエステル官能基(R1OCO)に固定される。反応は、全てのアミ ノ官能基が殆ど完全にプロトン付加し、従ってエステル官能基との直接反応には 使用できないようなpH条件で実施される。 固体支持体への固定は勿論、他の方法でも、即ち、ヒスチジン残基およびアミ ノ基を固体支持体に与え、そしてエステル官能基をペプチドに与えることにより 、行うことができる。 反応はペプチド合成の反応条件下では生存しない残基、または立体障害により 十分に反応性ではない残基を導入するのに使用し得る。新規な枝分れ鎖ポリペプ チド構造もまた、アミノ酸残基またはペプチドが導入できるのであれば、可能で ある。ヒスチジンは再生されるので、作製された触媒の活性部位に関与するよう に設計することができる。更なる可能な応用には、例えば基質またはリセプター の特定の結合のための二次または三次構造を有するペプチドライブラリー;血液 循環内、アレルギー診断(および診断所)、並びに免疫学における内在物質の特 定の非共有結合用のポリペプチドの構成;抗体製造のためのトポロジーを持つ分 子の構成;およびワクチンの製造。 本発明を、いくつかの特定の設計されたポリペプチドに対して行った実験に関 連して、更に詳しく記載する。実験 触媒性ポリペプチドSA−42、RA−42、PA−42、LA−42およびK O−42の合成 ポリペプチドSA−42、RA−42、PA−42およびKO−42のアミノ 酸配列は、明細書に記載した配列リストに示される。RA−42、PA−42お よびKO−42について太く下線をした残基は、触媒結合部位を構成するように 設計された残基である。アミノ酸について一文字コードを使用したが、ここでA はAla、DはAsp、EはGlu、FはPhe、GはGly、HはHis、I はIle、KはLys、LはLeu、NはAsn、PはPro、QはGln、R はArg、VはVal、Aibはα−アミノイソ酪酸、そしてNleはノルロイ シンである。 配列リスト、並びに図1Aおよび図1Bから分かるように、ポリペプチドはら せん−ループ−らせんモチーフである。溶液中ではペプチドは二量体化して4個 のらせん束を形成するが、簡単にするために単量体のみを示す。 LA−42(図示されない)は、Orn−15がLys−15で置き換えられ た以外はRA−42と同じである。 SA−42は、Stewart,J.M.,およびYoung,J.D.,Solid Phase Peptide Synthe sis,Pierce Chem.Co.Rockford,III,1984,に記載されたようにして合成した。 ポリペプチドRA−42、PA−42、LA−42およびKO−42は、アミノ 酸誘導体を変更した(modified)位置で使用した以外は同じようにして 製造した。オルニチンの側鎖保護基は2−Cl−CBZ(2−クロローカルボベ ンゾキシカルボニル)であった。 ポリペプチドは、自動ペプチド合成器(Biosearch 9600)で、 t−BOC保護基およびフェニルアセトアミドメチル−(PAM)結合樹脂を用 いて合成した。該ポリペプチドは樹脂から無水HFによりテフロンバキュームラ イン(Teflon vacuumline)(ペプチドインステチュート社) 上で切断し、そしてサイズ−除外クロマトグラフィー、並びに逆相およびイオン 交換HPLCによって精製した。エレクトロスプレー質量分析法(VG Ana lytical、ZabSpec)およびアミノ酸分析法を用いてペプチドの同 一性を確立し、そして純度をHPLCで調べた。モノ−p−ニトロフェニルフマレートの合成 蒸留したばかりの塩化フマリル(0.9g、5.9ミリモル)を100mlの アセトン中触媒に溶解し、溶媒の残留水と30分間反応させた。小部分(0.2 ml)を乾燥した丸底フラスコに移し、溶媒を蒸発させた。残留混合物をCDC l3に溶解し、NMR管に移した。1HNMRスペクトルは、塩化フマリル(7. 10ppm,s)と部分的に加水分解された塩化フマリル(6.998および7 .07ppm,dd,J=16Hz)との混合物を示した。フマル酸はクロロホ ルム中に僅かしか溶けない。次に水をアセトン溶液に添加し、そしてNMR分析 を繰り返した。合計54μl(3ミリモル)を小部分に分けて注射器で添加し、 各添加の後に、反応の程度をNMR分光分析法により分析した。溶液がもう塩化 フマリルを含まなくなったとき、アセトンを蒸発させ、そして残った油を、エタ ノールを含まない50mlのクロロホルムに溶解し、遠心分離してフマル酸を除 去した。上澄液を丸底フラスコに移し、新たに製造し、明るいオレンジ色に変わ るまで加熱下で真空中で乾燥した1.8gのナトリウムp−ニトロフェノラート を添加した。スラリーを撹拌しながら一夜反応させ、次に遠心分離した。固体物 質を3×50mlの水で抽出し、そして合わせた水性相を0.3Mの酢酸を用い てpH6に滴定し、そして5×30mlのCH2Cl2を用いて抽出してp−ニト ロフェノールを除去した。水性相を0.3Mの酢酸を用いてpH4.3に滴定し 、そして5×30mlのCH2Cl2を用いて抽出した。合わせた有機相を255 °Kで一夜放置した。結晶の小さい集まり(40mg)を収集し、乾燥窒素流中 で溶媒を部分的に蒸発させた後に、所望の生成物、モノ−p−ニトロフェニルフ マレート、からなる二回目の集まりを収集した(60mg)。収率を最適化する ための企てはしなかった。生成物をNMRおよび質量分光分析法で同定した。モノ−p−ニトロフェニルフマレートおよび他の基質のアシル移行反応について の二次速度定数の測定 モノ−p−ニトロフェニルフマレートのアシル移行反応についての二次速度定 数を、下記の物質について決定した:ポリペプチドSA−42、RA−42、P A−42、LA−42およびKO−42、並びに4−メチルイミダゾール。 速度測定は、290.2Kで、10%(v/v)トリフルオロエタノール(T FE)、90%の100ミリモル(mM)ビス−トリス緩衝剤または水性緩衝溶 液中で、pH4.1、5.1または5.85で、320nmでの吸光度の増加を 、キャリー(Cary)温度コントローラを備えたキャリー4分光光度計を用い て追跡することによって実施した。測定すべき物質を300μlの緩衝溶液に溶 解し、10%TFE溶液中で0.1MのNaOHにより関連するpHまで滴定し 、そして遠心分離した。300μlの物質の透明な溶液を1mmUVキュベット に移し、UV分光計の恒温室に置いた。基質を秤量しそして緩衝溶液に溶解し、 20μlをキュベットにピペットにより移し、そして反応を開始した。ペプチド の濃度を質量アミノ酸分析により決定し、そしてそれぞれの速度定数を2回の実 験の平均にした。各速度実験を少なくとも2つの半減期について追跡し、A+A l*e-ktの形の単一の指数関数をデータに合わせた。過剰のペプチドの条件下 で、各ペプチド溶液を2回の実験に使用し、そして二次反応を開始するために、 20μlの2回目部分をキュベットに移した。過剰の速度上昇が基質との反応に よって失われたRA−42の事例では、2回目の実験でのペプチドの濃度を反応 性ペプチドの損失に対して調整した。基質の全濃度は0.13ミリモル(mM) であり、二次速度定数の補正は小さく、10%未満であった。同じ補正をPA− 42の速度定数に適用した。10%TFE中でpH5.85にて得られた速度定 数および相対速度を以下の表1に示すが、この表にモノ−p−ニトロフェニルフ マレートとトリフルオロエタノールとの間の2分子反応についての対応するデー タも示す。 表に示されるように、ペプチドRA−42、PA−42およびKO−42につ いては速度定数のかなりの増加が得られる。即ち、これらのペプチドは、4−メ チルイミダゾールおよびペプチドSA−42と比較して、著しく上昇した触媒活 性を示す。増加した触媒活性は、前述した変遷複合体の安定化による。このよう に、三つのペプチドの全部は、複合体をHis官能基とアシル基またはむしろア シル基の延びた酸素アニオンとの間で安定化することができるような幾何学的位 置に、正に荷電した水素結合ドナーを有する。このように、RA−42は触媒性 Hisを11−位にそして安定化Ornを15−位に有する。PA−42はHi sを15−位にそして安定化Ornを11−位に有する。KO−42はHis残 基を11−、15−、19−、26−、30−、および34−位に有する。他方 、SA−42は、His−15残基を有するが、安定化機能をもたない。以下に 記載するように、RA−42の触媒反応の反応生成物はOrn−15の側鎖に形 成されたアミドである(アミド化)。4−メチルイミダゾール触媒反応において は、反応生成物はTFEエステルである(エステル交換)。 前記の研究に対応する研究において、それぞれポリペプチドKO−42および 4−メチルイミダゾール(4−MeIm)によって触媒されるモノ−p−ニトロ フェニルフマレートのアシル移行を、モノ−p−ニトロフェニルフマレートとト リフルオロエタノール(TFE)との間の反応と比較した。反応はpH4.1 で10%(v/v)トリフルオロエタノール、90%の100ミリモル(mM) 酢酸ナトリウム緩衝剤中で、290Kにて実施した。反応生成物はTFEエステ ルであった(エステル交換)。その結果(速度定数および相対速度)を以下の表 2に示す。 同様にして、それぞれポリペプチドKO−42および4−メチルイミダゾール (4−MeIm)によって触媒された水酸イオンへのアシル移行(加水分解)を 、pH5.1で100ミリモル(mM)の酢酸ナトリウム緩衝剤中で、290K にて、下記の基質に関して研究した:モノ−p−ニトロフェニルフマレート、p −ニトロフェニルアセテート、シクロペンタンジカルボン酸モノ−p−ニトロフ ェニルエステル、並びにD−およびL−トリプトファン−p−ニトロフェニルエ ステル。その結果を以下の表3に示す。 ポリペプチドRA−42およびLA−42の自己触媒された部位選択的機能化 前記に製造されたポリペプチドRA−42(配列リスト参照)は、溶液中でヘ アピンらせん−ループ−らせんモチーフに折りたたまれる。該ポリペプチドは、 NMRおよびCD分光分析による測定に基づくと、His−11、Orn−15 およびOrn−34を含む設計された反応中心を宥する。RA−42をモノ−p −ニトロフェニルフマレートと反応させた。最終反応生成物は、エレクトロスプ レー質量分光分析法およびNMR分光分析法で決定されたように、Orn−15 の側鎖でのアミドであった。 反応を、0.5−1ミリモル(mM)濃度のペプチドで研究した。His−1 1がOrn−15の側鎖のアシル化を自己機能化反応で触媒し、他のアミノ基を 未機能化のままで残すことが見いだされた。更に以下に記載するように、反応機 構は、His−11とアシル中間体を形成し、次いでHis−11からOrn− 15へ部位選択的にアシル移行することを含む。 同様にして、N−メチルニコチン酸のp−ニトロフェニルエステルをRA−4 2と前記の技術を用いて反応させて、対応するニコチンアミドを形成した。 同様にして、下記式: のガラクトース誘導p−ニトロフェニルエステルをポリペプチドLA−42と、 前記の技術を用いて、水溶液中でpH5.85で反応させて、対応するアミドを 形成した。反応生成物(テトラアセチル誘導体)の同定は、エレクトロスプレー 質量分光分析法(ES−MS)により行った。アシル基は水溶液中の加水分解で 除去された。反応に使用した該p−ニトロフェニルエステルは、対応するカルボ ン酸とp−ニトロフェノールとの標準的ジシクロヘキシルカルボジイミドカップ リングにより製造した。反応機構の研究 前記の表1に示されるように、RA−42の二次速度定数は、10容量%TF E.pH5.85で、2.8*10-2-1-1であり、エチルアミンとp−ニト ロフェニルアセテートとの間の対応する反応の速度定数よりも1000倍より大 きい(Knowles,J.R.,外、J.Chem.Soc.Commun.,1967,755-757)。表1に示されるよ うに、RA−42のHis−11に触媒された反応は、同じ条件で4−メチルイ ミダゾールにより触媒された反応よりも8.3倍速い。水溶液中では、RA−4 2の二次速度定数は5.07*10-2-1s-1であり、4−メチルイミダゾール については1.05*10-2-1s-1であることが見いだされた。即ち観察され た約5倍の速度の上昇は、10容量%TFE中でも殆ど同じであった。 アシル移行反応の二次速度定数のpH依存性を、50ミリモル(mM)のビス −トリス緩衝剤中で290.2Kで測定した。pHに対する二次速度定数の対数 のプロットを図2に示す。反応は、ペプチドの濃度に関しては一次である。図2 からわかるように、二次速度定数はpHと共に増加し、それは反応が脱保護され た形のアミノ酸残基に依存することを示す。Orn−15とp−ニトロフェニル フマレートとの間の直接反応で生成物が形成されるなら、二次速度定数の対数は pH5から8の範囲で直線状のpH依存性を示すであろう。何故なら、オルニチ ン残基の側鎖のpKaは多分10と11の間であるからである(Tanford,C.,Adv. Protein Chem.1962、17、69-165)。しかしながら、観察されたpHプロフィル はその機構から外れ、pKaが6.5に近づくにつれて反応はアミノ酸残基に依 存性であることを示す。 RA−42のアミノ酸配列は、イオン化可能な残基Asp、Glu、Arg、 Orn、LysおよびHisを含み、そしてペプチド骨格のC−末端カルボン酸 およびN−末端アミノ基を含む。小さいペプチドでのイオン化可能なアミノ酸残 基の典型的なpKaが決定され(Tanford,C.,1962,supra)、6.5に近いpKa 値を有するRA−42中のアミノ酸は、6.4のpKaをもつHisだけである 。His−11の側鎖の対応する酸のpKaを、1HNMR分光分析法で決定し (Varian Unity 500NMR分光分析計、290Kで、ヒスチジ ン芳香族プロトンの化学的シフトをpHの関数として測定)、水溶液中で6.5 5であることが見いだされた。従って、His−11の最初の攻撃によるp−ニ トロフェニルフマレートの初期アシル移行反応はアシル中間体を生じさせ、反応 性イミダゾールを形成すると結論され得る。観察されたpH依存性は、最初の段 階は律速性であることも示す。 4−メチルイミダゾリウムイオンのpKaが決定され、そして水溶液中で30 3Kにて7.95であることが見いだされた。pH非依存性(独立性)領域での 二次速度定数は、pH5.85で測定した該定数から計算でき、1.33M-1-1 である。測定したpKa6.55およびpH5.85での二次速度定数から計 算した、pH非依存性領域でのRA−42の二次速度定数は0.305である。 従って、pH非依存性領域での4−メチルイミダゾールの二次速度定数は、RA −42の二次速度定数よりも4.4倍大きい。 しかしながら、ブレンステッドの式(1)に基づくと、 logk2 = β*pKa+A (1) (βは、p−ニトロフェニルアセテートのイミダゾール触媒加水分解については 0.8;Bruice,T.C.,外,J.Am.Chem.Soc.,1958,80,2265-2267)であり、前記の pKa値、4−メチルイミダゾールの二次速度定数は、RA−42のそれよりも 13.2倍も大きいと予想されるであろう。従って、ペプチドRA−42は、多 分、Orn−15の側鎖により、変遷状態の延びた酸素アニオンを安定化するこ とにより、His−11のアシル化を3倍に触媒作用する。 以上に述べたように、4−メチルイミダゾールに対するpH5.85でのRA −42の観察された速度上昇は、5倍に近い。過剰の速度上昇は、より強く親核 性の4−メチルイミダゾールはHis−11の側鎖よりも大きくプロトン付加さ れるという事実による。pH5.85で、プロトン付加されていないHis−1 1の濃度は、合計濃度が同じであるなら、プロトン付加されていない4−メチル イミダゾールの濃度の21倍である。従って、速度上昇が濃度作用単独によるな らば、RA−42は、pH5.85で1.6倍(21/13.2)効率のよい触 媒であろう。従って、観察された速度の上昇は変遷状態の安定化およびpKa抑 制によるものであり、二つの因子は天然の触媒において共通に見られる。 最終生成物はOrn−15の側鎖におけるアミドであるので、反応の第2段階 は、His−11から脱プロトン形のOrn−15への、速い分子内反応でのア シル基移行である。分子内反応の速度上昇は高い。何故なら、反応条件下での1 HNMRスペクトル操作で痕跡量の中間体も検出されなかったからである。しか し、His−11のアシル化は律速段階であるので、中間体は測定できない。中 間体の蓄積なしの速い分子内反応は、RA−42の観察された一次速度とも一致 する。 前記の通り、RA−42のヒスチジン残基はOrn−15の側鎖に官能基を非 常に選択的な反応で導入し、その後遊離のヒスチジンが再生される。他のオルニ チン、Orn−34、はアミドを形成せず、隣接するヒスチジン残基を持たない 。Lys−10はHis−11の隣りにあり、従って空間的に接近しているが、 反応条件下でアミドを形成しない。 本発明は、勿論、前記の具体例に限定されず、請求の範囲に定義した一般的な 発明の概念から逸脱しないで、多くの修正および変更をしてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.試薬と基質との間でアシル化移行機構を含む化学反応を、該基質と変遷複合 体を形成できるイミダゾール系触媒の存在下で行う方法において、触媒性イミダ ゾール機能が、該変遷複合体をアシル基との分子相互作用によって安定化するこ とができる基で片側または両側がフランキンングされた、任意に置換されたイミ ダゾール基を含む化学構造要素によって与えられることを特徴とする方法。 2.前記分子相互作用が、水素結合、静電的相互作用および疎水的相互作用から 選ばれる請求の範囲1に記載の方法。 3.前記フランキンング基が、該変遷複合体と分子相互作用することができる末 端基に結合された、1ないし6個の鎖原子の鎖、好ましくは炭素原子1−4のア ルキル鎖、を含むことを特徴とする請求の範囲1または2に記載の方法。 4.pH条件が、前記アシル移行反応で基質と反応する試薬がかなりの程度プロ トン付加されるように選択される請求の範囲1、2または3に記載の方法。 5.前記フランキンング基が、正に荷電した水素結合ドナーである請求の範囲1 ないし4のいずれか1項に記載の方法。 6.前記化学構造要素が、イミダゾール基とフランキンング基とが幾何学的に相 互に固定された関係にあるように配置されている固定構造を有することを特徴と する請求の範囲1ないし5のいずれか1項に記載の方法。 7.前記化学構造要素がペプチドまたはポリペプチドであることを特徴とする請 求の範囲1ないし6のいずれか1項に記載の方法。 8.前記イミダゾール機能が、任意に置換されたヒスチジン残基によって与えら れることを特徴とする請求の範囲1ないし7のいずれか1項に記載の方法。 9.前記化学構造要素が、例えば、らせん−ループ−らせん型の、設計されたタ ンパク質またはポリペプチドの一部であることを特徴とする請求の範囲7または 8に記載の方法。 10.前記化学構造要素が、α−らせん型であり、そして前記フランキンング基 が、iの位置のイミダゾール機能に対してi+4の位置に配置されていることを 特徴とする請求の範囲7、8または9に記載の方法。 11.前記化学構造要素が、α−らせん型であり、そして前記フランキンング基 が、iの位置のイミダゾール機能に対してi−3の位置に配置されていることを 特徴とする請求の範囲7、8または9に記載の方法。 12.前記フランキンング基が、ヒスチジン、オルニチン、ロイシンおよびアル ギニンから選ばれることを特徴とする請求の範囲7ないし11のいずれか1項に 記載の方法。 13.前記化学構造要素が、官能基を有する大きい構造を構成するかまたはその 一部であり、該官能基は分子内反応において前記変遷複合体を介してアシル移行 によって、基質によって選択的に機能化され得る程近接した位置にあることを特 徴とする請求の範囲1ないし12のいずれか1項に記載の方法。 14.前記官能基が前記フランキンング基または該フランキンング基の一部であ る請求の範囲13に記載の方法。 15.前記官能基が、iの位置のイミダゾール機能に対してi+4の位置にあり 、そしてオルニチン、ロイシンまたはジアミノ酪酸残基であることを特徴とする 請求の範囲14に記載の方法。 16.前記官能基が、iの位置のイミダゾール機能に対してi−3の位置にあり 、そしてロイシン残基であることを特徴とする請求の範囲14または15に記載 の方法。 17.前記官能基が、iの位置のイミダゾール機能に対してi+4およびi−3 の両方の位置にあり、そして例えば、ロイシンであることを特徴とする請求の範 囲15および16に記載の方法。 18.構造要素によって1つより多くのイミダゾール機能が与えられ、そして各 イミダゾール機能が、片側または両側が官能基によりフランキンングされている ことを特徴とする請求の範囲15ないし17のいずれか1項に記載の方法。 19.前記官能基が、i,j、k等の位置のイミダゾール機能に対してi+4、 j+4、k+4等の位置にあることを特徴とする請求の範囲18に記載の方法。 20.前記官能基が、i、j,k等の位置のイミダゾール機能に対してi−3、 j−3、k−3等の位置にあることを特徴とする請求の範囲18に記載の方法。 21.前記官能基が、炭水化物含有残基により機能化されることを特徴とする請 求の範囲12ないし20のいずれか1項に記載の方法。 22.前記基質が固体支持体上に設けられ、それにより前記化学構造要素が該支 持体に固定されることを特徴とする請求の範囲12ないし21のいずれか1項に 記載の方法。 23.請求の範囲1ないし20のいずれか1項に定義された、設計された化学構 造要素。 24.アシル移行機構を含む反応用の化学触媒であって、該触媒が請求の範囲1 ないし20のいずれか1項に定義された、設計された化学構造要素を含むことを 特徴とする化学触媒。 25.請求の範囲7ないし20および22のいずれか1項に定義された、設計さ れた化学構造要素を構成するまたは含むタンパク質またはペプチドの製造法にお いて、宿主生物を、ベクターおよび該構造要素をコードしたDNA配列を含む組 換えDNA構造で形質転換し、該宿主生物を培養して該ペプチド、ポリペプチド またはタンパク質を発現させ、該ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を培 養物から分離することを特徴とする製造法。 26.ベクターおよび請求の範囲7ないし23のいずれか1項に定義された化学 構造要素をコードしたDNA配列を含む、組換えDNA構造。 27.所望の化学的機能を化学的化合物の特定の部位に導入する方法において、 該化学化合物に請求の範囲1ないし23のいずれか1項に定義された構造要素を 与え、そして該化合物を所望の機能を与えることができる基質と反応させること を特徴とする方法。 28.前記基質が炭水化物残基を含むことを特徴とする、請求の範囲27に記載 の方法。 29.請求の範囲28に記載の方法を、タンパク質分解からタンパク質を保護す るのに使用する方法。 30.請求の範囲28に記載の方法を、タンパク質の折りたたみに影響を及ぼす のに使用する方法。 31.1個より多くの基を選択的に機能化することができることを特徴とする請 求の範囲17ないし20のいずれか1項に記載の方法の使用法。 32.前記官能基が炭水化物含有残基によって選択的に機能化されることを特徴 とする、請求の範囲17ないし20のいずれか1項に記載の方法の使用法。 33.ワクチンの開発に使用する、請求の範囲17ないし22、31および32 のいずれか1項に記載の方法の使用法。 34.免疫系の天然の成分に真似るために使用する、請求の範囲12ないし22 、31および32のいずれか1項に記載の方法の使用法。 35.免疫系の成分のアンタゴニストを構成するために使用する、請求の範囲1 2ないし21、31および32のいずれか1項に記載の方法の使用法。 36.免疫系の成分のアゴニストを構成するために使用する、請求の範囲12な いし21、31および32のいずれか1項に記載の方法の使用法。 37.免疫系アンタゴニストの設計用の構造要素の開発のために使用する、請求 の範囲34に記載の方法の使用法。
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