JP2003532738A - 部位選択的アシル基転移 - Google Patents

部位選択的アシル基転移

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JP2003532738A JP2001582355A JP2001582355A JP2003532738A JP 2003532738 A JP2003532738 A JP 2003532738A JP 2001582355 A JP2001582355 A JP 2001582355A JP 2001582355 A JP2001582355 A JP 2001582355A JP 2003532738 A JP2003532738 A JP 2003532738A
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Abstract

(57)【要約】 i+3+4k位、ここでkは−1に等しいかまたはこれよりも高い整数である、における、i−4−4n位、ここではnは0に等しいかまたはこれよりも高い整数である、において、リジンのような、アミド化される少なくとも1つの官能基によって隣接されるi位において、ヒスチジンのような、イミダゾール官能基を含み、ならびにそれぞれi+4+4nまたはi−3−4n位において少なくとも1つの活性化基を含む、化学構造エレメントの使用に基づく折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質における部位選択的アシル基転位または折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質のアミド化のための方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は部位選択的なアシル基転位に関する。
【0002】 発明の背景 いわゆるアシル基転位反応は、化学種内での内部的な、または1つの化学種か
ら別の化学種へのいずれかの、アシル基(カルボキシルヒドロキシ基の除去後の
有機酸残基)の転位を包含する。例はアミド形成、エステル基転位反応、および
加水分解である。
【0003】 アシル基転位反応は水溶液中でイミダゾールによって触媒され得、イミダゾー
ルは強力な求核試薬であり、アシル基と共に中間の反応複合体を形成することが
周知である。ポリマーで支持されたイミダゾールはまた、アシル基転位触媒とし
て使用された(例えば、Skjujins、A.ら、Latv.PSR Zi-
nat.Akad.Vestis.Kim Ser.1998(6)、720〜
5を参照のこと)。
【0004】 ヒスチジン(His)残基(イミダゾール基を含むアミノ酸)を含有する小さ
なペプチドが加水分解活性を有し得ることがさらに示された。
【0005】 構造タンパク質およびペプチドを設計するにおける現在の進歩は、実質的な触
媒活性を伴ういくつかのペプチドの調製を生じた(W.F.DeGrado、N
ature、365、488(1993)。例えば、K.Johnssonら、
Nature、365、530(1993)は、静電的に抑圧された酸定数(K
a)を伴って、オキサロアセテートの基質とアミンとの間のSciff塩基中間
体により、脱カルボキシル化の速度を加速する短い自己会合するLeu-Lys-
リッチらせんペプチドを開示する。これは、2次構造が活性に重要であることを
言及する。
【0006】 天然の酵素は、それ自身では中程度にのみ反応性である残基を組み合わせるこ
とにより強力な触媒を形成する。それゆえ、触媒を担う部位以外の部位がまた、
化学反応性を示すこと、および予期されない反応がタンパク質表面上で生じ得る
ことを見出すことは驚くことではない。LysとHisとの組み合わせは、例え
ば、らせんにおいて単純な2残基部位を形成し、ここではLysは活性なエステ
ルとのその反応においてHis残基を活性化し、そしてHisはLysを活性化
する1、2。リジンの全体のアミド化速度は、リジンとエステルとの間の直接的
な反応における大きさよりも少なくとも3桁大きい大きさである。
【0008】 発明の要旨 上記のアミド化反応が、最初に予測されたよりもかなり複雑であり、および非
常に広範な含意を有することがここで見出された。なぜなら、タンパク質の表面
上でHis残基と反応するエステルのアシル基は、最初の反応部位から共有結合
中間体として移動し得、10オングストロームよりも離れたリジン残基の側鎖に
てアミドを形成するからである。これらは、タンパク質表面上で一連のアシル基
転位反応を受け、結果として、厳密に調節されるようである経路においてヒスチ
ジンからセリンに、セリンからセリンに、およびセリンからリジンに移動する。
事実、状況は、アシル基転位について許容される経路が、高い特異性および方向
性の法則に従うようであるので、複雑な輸送調節系に比較され得る。ネイティブ
なタンパク質におけるこれらのアシル化反応の含意は、エステルおよびアミドの
アシル基が、およびおそらくまた対応するホスホエステルのアシル基が、産物が
最終的に形成されるアシル基から異なる部位で作製され得ることである。タンパ
ク質の化学についての含意は、高レベルの複雑性に対する合成後修飾が、保護さ
れることを必要としない折り畳みタンパク質を使用して可能であることである。
【0009】 従って、本発明は、i+3+4k位、ここでkは−1に等しいかまたはこれよ
りも高い整数である、において、またはi−4−4n位、ここではnは0に等し
いかまたはこれよりも高い整数である、においてアミド化される少なくとも1つ
の官能基によって隣接されるi位においてイミダゾール官能基を含み、これがま
たそれぞれi+4+4nまたはi−3−4n位、ここではnは上述のようである
、において少なくとも1つの活性化基を含む点で特徴付けられる、化学構造エレ
メントの使用に基づく折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質における部位
選択的アシル基転位または折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質のアミド
化のための方法に関する。
【0010】 His残基とエステルとの間の反応は、2段階の反応であり、ここでは第1の
および速度を制限する工程は、脱離基の放出下でのアシル中間体の形成である。
第2の工程において、アシル中間体は、それに対して利用可能な最も強力な求核
試薬と反応する。水溶液中でのp−ニトロフェニルエステルおよびイミダゾール
との間の反応、His触媒されたものについてのモデル反応において、反応産物
はカルボン酸であり、および反応は加水分解である。トリフルオロエタノールの
10vol%の存在下で、反応産物は対応するトリフルオロエチルエステルであ
。折り畳まれたタンパク質において、隣接するリジン残基の分子内性は、p
H5にてでさえそれらを最も強力な求核試薬にし、ここではそれらは優先的にプ
ロトン化され、そして反応はリジン残基の側鎖でのアミドである1、2。His
-Lys対についての法則は以前に報告され、およびi位におけるHisはi
+4位またはi−3位におけるLysをアシル化し得るが、i−3、i−4、ま
たはi−1においてはアシル化し得ない。より遠いリジンがアシル化されるか否
かを調査するために、タンパク質が設計され、ここではアミノ酸残基は、アシル
基転位を媒介するためのHisとLys残基との間で取り込まれた。
【0011】 本発明に従って、リジン側鎖と活性なエステルのアシル基との間で、アミド結
合を部位選択的に形成することが可能である。従って、活性なエステルに転換さ
れ得るものは全て、本発明に従う構造を含むタンパク質またはペプチドの表面上
での特定の位置に転位可能である。ペプチド、タンパク質、PNA、炭水化物誘
導体、薬物、インヒビターは、このような転位可能な物質である。本発明に従う
構造を伴うタンパク質またはペプチドのいくつかのリジン残基は、次々に、制御
された方法において、アシル化され得、それによって複合体部位、またはエピト
ープは、いくつかの異なるリガンドから形成されるように設計され得、および概
念はまた、非常に多くの異なる結合部位を形成するためのコンビナトリアルアプ
ローチにおいて開発され得る。共有結合による表面への本発明に従う構造を伴う
タンパク質またはペプチドの結合は、異なるリガンドを結合するために使用され
る同じ化学反応を使用して、制御された方法において達成され得る。
【0012】 本発明に従う結合を形成する反応は、本発明の構造を伴うタンパク質またはペ
プチドの溶液に活性なエステルを添加することによって、水溶液中で、好ましく
はpH6および室温で行われ得る。反応が完了した後、任意の過剰なエステルお
よび脱離基は洗浄して除かれ、および新規なエステルが添加される。例えば、複
合体タンパク質受容体または結合部位の形成は従って、非常に単純な、段階的な
化学を使用して達成され得、およびこれは高価なまたは有害なカップリング剤の
使用に依存しない。なぜなら反応性および部位選択性は、本発明に従う構造を伴
うタンパク質またはペプチドにコードされるからである。置換基の部位選択的取
り込みは、活性なエステルの至適化された濃度が反応において使用されることを
必要とする。ペプチドが非常に過剰のエステルとの長期間の処置に供される場合
、選択性は減少するが、ペプチドが至適化された濃度のエステルに供される場合
、分子内競合は、選択的に官能化されたペプチドの至適な収量が得られることを
確実にする。至適な濃度および反応時間は、異なるリジン側鎖間で異なり、なぜ
ならHisとLys残基との間の異なる幾何学的関係が、等しくないアシル基転
位反応を生じるからである。本発明について記載される実験条件は、異なる部位
間の比較について標準化され、およびさらに至適化され得た。導入された置換体
はまた、その部位、ならびに例えば電荷および極性のような他の分子特性のため
に隣接する部位での取り込みを影響することが知られる。共有結合によって表面
に結合されたタンパク質がホモ2量体である場合、ペプチドの一方のみが共有結
合的に連結され、そして他方のペプチドはヘテロ2量体を形成するために置換さ
れ得る。官能化されたタンパク質は容易に表面から取り出され、および非常に短
い期間(数秒間または数分間)、第2のタンパク質で置き換えられ、それによっ
て新規な反応が行われ得る。
【0013】 標的の例は、タンパク質、および例えば、細胞溶解物から抽出される他の生体
分子である。組み合わせて構成された表面は次いで、細胞中の遺伝子からは、恐
らくそれらが転写後修飾されているので容易に予測できず、それによってそれら
の機能はDNA配列からは予測できない「未知のタンパク質」のサーチにおいて
使用され得る。
【0014】 付加される価値は、精製および単離のためのあつらえられた親和性カラムを構
築する能力である。例えば、細胞溶解物から特異的なタンパク質を見出すために
使用された受容体または結合部位は、その精製および単離のために使用される非
常に十分な量において構築され得る。
【0015】 本発明の1つの目的は、イミダゾールベースの触媒を使用する、アシル基転位
型反応を行う改善された方法を提供することである。それゆえ、アシル基と遷移
複合体を形成し得るイミダゾールベースの触媒の存在下でのアシル基転位機構を
含む化学反応を行う改善された方法が提供される。
【0016】 方法の好ましい実施態様において、化学構造エレメントは、上述の中間の複合
体を介するアシル基転位を通して部位特異的に官能化され得るこのような隣接す
る位置において官能基を有するより大きな構造を構成するか、またはその部分で
ある。
【0017】 本発明の方法において、アシル基転位反応を触媒する改善された能力を伴う化
学構造エレメントが使用される。それゆえ、吊り下げイミダゾール官能基を伴う
骨格構造を含む化学構造エレメントが提供される。
【0018】 1つの実施態様において、構造エレメントは、ペプチドまたはタンパク質のよ
うな分子であり、上述の中間の複合体を介するアシル基転位を通して部位特異的
に官能化され得るこのような隣接する位置における官能基を包含する。
【0019】 本発明の別の目的は、イミダゾール官能基を有する構造エレメントを構成する
かまたは含むタンパク質またはペプチドを、遺伝子操作することによって生成す
る方法を提供することである。それゆえ、これは、上記のようなイミダゾール官
能基を含有する構造エレメントを構成するかまたは含むタンパク質またはペプチ
ドを生成する方法を提供し、この方法は、ベクターおよび当該タンパク質または
ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA構築物で、宿主生物体を形
質転換する工程、当該タンパク質またはペプチドを発現するように宿主生物体を
培養する工程、および後者を培養物から単離する工程を包含する。
【0020】 本発明のなお別の目的は、上述のタンパク質またはペプチドをコードする核酸
配列を含むベクターを提供することである。それゆえ本発明は、ベクターおよび
上述で規定されるようなイミダゾール官能基を含有する構造エレメントを構成す
るかまたは含むタンパク質またはペプチドをコードする配列組換えDNA構築物
を提供する。
【0021】 ベクターの好ましい実施態様において、DNA配列はまた、イミダゾール官能
基によって触媒されるアシル基転位を介して、官能基が部位特異的に官能化され
得るこのようなイミダゾール官能基に隣接する位置における特異的な官能基をコ
ードする。
【0022】 従って、本発明は、イミダゾール官能基の片側または両側において、吊り下げ
の隣接する基または鎖を有する骨格構造においてイミダゾール官能基を提供する
ことによってアシル基転位反応におけるイミダゾール型触媒活性を増加する概念
に基づき、この隣接する基は相互作用し得、イミダゾールアシル複合体が形成さ
れそれによって遷移複合体は安定化される。アミド化、エステル基転移反応、加
水分解、またはチオール分解のような、所望されるアシル基転位反応についての
反応速度は、それによってかなり増加される。エステルは現在好ましい基質であ
るので、例えば、アミドおよび無水基質がまた使用され得る。
【0023】 用語「イミダゾール官能基」は、広範に解釈されるべきであり、および所望さ
れる触媒活性を保有する任意のイミダゾールベースの構造を包含することが意味
される。イミダゾール基は従って、種々の方法において修飾され得る。多くの目
的のために有利なイミダゾール官能基は、アミノ酸ヒスチジン(α-アミノ−4
−(または5)-イミダゾールプロピオン酸)に基づく。イミダゾール官能基の
利用可能な炭素原子の1つまたは両方は、例えば、アルキルまたはハロゲンで独
立して置換され得る。イミダゾール基はまた、アルキルで1位において置換され
得る。アルキルは好ましくは、1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子、
例えばメチルまたはエチルを有する。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、および
ヨウ素を包含する。
【0024】 隣接する基は、例えば、1〜6、好ましくは1〜4個の原子、通常炭素の連結
または鎖を含み得、アシル遷移複合体と必要とされる分子相互作用を行い得る末
端の官能基または他の基に連結される。
【0025】 触媒構造エレメントがペプチドであり、およびイミダゾール官能基がヒスチジ
ン残基の一部である場合において、隣接する鎖は、例えばリジン、オルニチン、
アルギニン、および/またはさらなるヒスチジンから選択される他のアミノ酸の
吊り下げプロトン供与部分であり得る。
【0026】 触媒イミダゾール官能基を支持する化学構造エレメントは好ましくは、所望さ
れる遷移複合体を安定化する相互作用が生じるために至適な幾何学的関係におい
てイミダゾール官能基に関して隣接する基を配置するために、2次構造のような
いくつかのタイプの強剛性を有する。有利な実施態様において、化学構造エレメ
ントは、安定化された2次構造、例えばαらせんコイルドコイルを有するいわゆ
る設計されたポリペプチドである。設計されたらせんペプチドは、例えば、J.
W.Brysonら、Science、270、935(1995)において記
載される。しかし、構造エレメントはペプチドに制限されない。対照的に、多様
な組成が本発明を考慮して当業者に容易に明らかであり、および従って、炭水化
物、天然もしくは合成のポリマーなどのような、他のタイプの構造において含ま
れ得るかまたはその部分であり得る。化学構造の大きさは決して制限されず、お
よびこれは例えば、5アミノ酸程度のペプチドであり得る。イミダゾール官能基
と隣接する基との間の必要とされる幾何学的関係に関して、本発明の記載を読ん
だ後に当業者によって各特定の状況について官能的な配置は容易に設計され得る
【0027】 複合体を安定化する隣接する鎖の官能部分に依存して、遷移複合体は、分子内
反応においてこのような隣接する鎖と反応し得る。このような分子内反応は、ペ
プチド、タンパク質、および他の分子を選択的に官能化するために使用され得る
【0028】 上述されるような、本発明を具体化する設計されるポリペプチドは、組換えD
NA技術(遺伝子操作)によって生成され得る。このような技術は当業者に周知
であり、および本明細書中に記載されない。(これは、例えば、隣接するヒスチ
ジン残基を含む融合タンパク質の組換え技術による調製を開示する欧州特許第2
82042号明細書に言及され得る)。
【0029】 反応中心の上記の選択性は、例えば折り畳まれたペプチドにおいて新規な官能
性を導入するために使用され得る。分子内反応において、安定化する隣接する基
は、もちろん、アシル基転位を介して官能化される基である必要はないが、適切
な位置における別の官能基であり得る。
【0030】 部位選択的官能化の重要な局面は、タンパク質またはペプチドへの炭水化物の
部位選択的な導入である。これは、問題の炭水化物を、エステル官能基を含むよ
うに修飾することによって達成される。炭水化物は、免疫学的な、炎症性の、お
よび他のプロセスにおける認識において重要な役割を果たす。これらは、タンパ
ク質およびペプチドの免疫原性を増強し得る。これはまた、タンパク質分解性分
解からタンパク質を保護し、およびタンパク質折り畳みを影響する。炭水化物の
部位選択的導入は、それゆえ、抗体産生およびワクチン開発、および炭水化物の
役割の体系的な研究のために使用され得る。分解から薬物を保護するために使用
され得る。
【0031】 反応はまた、ペプチド合成の反応条件下で耐えない、または立体障害に起因し
て十分に反応性でない残基を導入するために使用され得る。新規な分岐されたポ
リペプチド構造はまた、アミノ酸残基またはペプチド導入され得る場合にまた可
能である。ヒスチジンは再生されるので、これはまた操作された触媒の活性部位
に関与するように設計され得る。
【0032】 官能化されるペプチドは、pH5.85にて緩衝溶液に溶解され、および第1
のエステルは、ペプチド触媒化反応の仮性の第1種の速度定数(第2種の速度定
数およびペプチド濃度から算定される)とバックグラウンド反応との間の比較か
ら見積もられた濃度で添加される。例えば、第2種の速度定数が、0.039M
−1 s−1である場合、1mMのペプチド濃度での、仮性の第1種の速度定数
は、3.9×10−5 s-1であり、係数3.9は、バックグラウンド反応の
係数よりも大きい。ペプチドと反応する基質の画分は次いで、反応の開始時で、
3.9/(1+3.9)=0.8であり、および過剰のエステルは25%である
。しかし、反応は官能化されないペプチドの濃度が、従って効果的な仮性の第1
種の速度定数が減少することを進行する。それゆえ、過剰の60%がこの場合に
おいて使用され、過剰の大きさは、実験測定からの経験と組み合わせて、理論的
算定から見積もられる。エステル基質の反応性は、別々の動力学的実験から公知
であり、および全ての基質が消費された場合、第2のエステルが添加され、これ
は上記と同じ手順を使用して、第2の最も反応性の部位に優先的に到達する。こ
れが消費された場合、第3の基質が添加され、官能化される全てのリジン残基が
飽和されるまで続く。この段階で、ペプチドは他の場所で記載されるようにHP
LCによって精製される。いくつかの位置について、エステル基質の10程度の
係数の過剰は、至適な取り込みを得るために必要であり得る。なぜなら、加水分
解と取り込みとの間の区別は加水分解を好むからである。この事実は、取り込み
の部位選択性をいかようにも減少しない。対照的にこれは取り込みの部位特異性
を増加する。
【0033】 あるいは、基質エステルが水に不溶性である場合、これは、直交性保護基スト
ラテジーを使用する固相ペプチド合成の間に配列に取り込まれ得る。例えば、ア
リル保護基は、ペプチドが樹脂から切断される前に選択的に除去され得るリジン
残基について使用され得、そしてリジンは、標準的なカルボジイミドカップリン
グ試薬を使用して、疎水性置換基と反応され得る。
【0034】 あるいは、いくつかの置換基は、多官能化タンパク質のクロマトグラフィー特
性がそれほど異ならない場合、官能化の中間段階にてHPLC精製を必要とし得
る。
【0035】 あるいは、いくつかの基質は、緩衝液の異なるpH値にてより良好に作用し得
る。2,4−ジニトロフェニルエステルは、例えば、それらの生来の高い反応性
に起因して、pH4〜5にて非常に効果的に取り込まれる。これは、反応容器へ
のいくつかのエステルの同時の取り込みを許容し、および反応は次いで、pHの
変化によって制御される。例えば、3つのエステルの混合物はペプチドに添加さ
れ、これはpH4にて保持される。1つのエステルは2,4−ジニトロフェニル
エステルであり、これはpH4と容易に反応し、従って最も反応性のLysにて
取り込まれる。次いで、pHはpH5に上昇され、そしてN-ヒドロキシスクシ
ンイミドエステルが反応し、そして第2の最も反応性のLys部位に取り込まれ
る。最終的にpHは6に上昇され、そしてp-ニトロフェニルエステルは、第3
の最も反応性の部位にて取り込まれる。
【0036】 あるいは、取り込みは、例えば、Bia-Core機器における金プレートの
ような固体支持体の表面にて行われる。次いで、第1の反応は、例えば金に結合
することが周知であるチオール誘導体を使用して表面に接着される活性なエステ
ルと、最も反応性のLysとの間の結合を形成するために使用される。次いで、
エステル基質は、反応チャンバーに導入され、そして第2の最も反応性の部位に
てアミドを形成するなどのために反応される。
【0037】 発明の詳細な説明 他で詳細に記載され、および特徴づけされる6、7、モデルタンパク質の、8
4残基らせん-ループ-らせんホモ2量体、図1を、His(i)に関して、Se
r残基、i−3、i+4、およびi+8を有するように再設計し、そしてHis
側鎖に対するアシルイミダゾール中間体によって直接的にアシル化され得ない位
置におけるLys残基を伴った。得られる42残基タンパク質は、以下の表II
において与えられるように、Fmoc-PAL-PEG-PSポリマー、標準的な
化学プロトコル、およびFmoc保護基化学、を使用して、PerSpepti
ve Biosystems Pioner自動化ペプチド合成器において合成
され、0.1%トリフルオロ酢酸中の36〜38%イソプロパノールを用いる半
分離Kromasilカラムにおける逆相HPLCを使用して精製され、そして
エレクトロスプレー質量分析(ESMS)を使用して同定された。222nmお
よび300μM濃度での平均残基楕円率が測定され、および典型的な値は、−1
9000deg cmdmol−1であった。アミノ酸間の幾何学的関係は、
図1において示される。水性溶液およびpH5.1における1mM濃度でのタン
パク質は、過剰な、典型的に40〜60%のモノ-p-ニトロフェニルフマル酸(
I)と反応された。バックグラウンド加水分解はいくつかのエステルを消耗する
ので過剰な量の基質が必要とされ、および過剰な量は第2種の速度定数の相体
的な大きさから推定された、表1。得られるタンパク質は、分析カラムを使用す
るHPLCによって、およびESMSによって分析され(単量体ペプチドS−1
のMWは例えば4333であり、検出4333、および対応するモノフマリル化
されたペプチドの分子量は、4431である、検出4431)、以前に記載され
るようなアミド化の部位を同定するための事前のトリプシン切断を伴うかまた
は伴わなかった。トリプシン切断の際に予測されるフラグメントは十分に規定さ
れ、および側鎖がフマリル化(この場合において、これはその残基で切断されな
い)によって修飾されない限り、ペプチドが塩基残基のC末端側において切断さ
れるので、有益である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】 これらのペプチドの配列は、添付の配列表において与えられる。 上記のように、His(i)がLys(i+4)によって隣接される場合、L
ys(i+4)はここで使用される反応条件下で独占的にアミド化される。Hi
sが、LysがHisに対して、Lys(i+4)またはLys(i−3)がH
is(i)に対して有するような類似の幾何学的関係を有するような配座におい
て、隣接するヘリックス中のリジン残基によって隣接される場合、このLysは
直接的なアシル化反応においてHisによってアミド化される。配列S-I(配
列番号2)S-II(配列番号3)、S-III(配列番号4)、およびS-IV
(配列番号7)において、Orn−34は、このような位置を占め、および15
位におけるLysの不在下で、Orn−34はHis−11によって優先的にア
ミド化される。
【0041】 His−11が、S−I(配列番号2)におけるように、Ser−15によっ
て隣接された場合、図1、Orn−34のアシル化の程度は、配列S-II(配
列番号3)を用いて得られた程度(ここでは、Serは8位においてであった)
との比較においてかなり増強され、アシル化がSer−15によって媒介される
ことを示す。これらのペプチドにおいて、他のLys残基は、His−11から
の直接的な転位によってアシル基を受容するための位置になく、およびOrn−
34以外の残基のアミド化はなんら観察されなかった。ペプチドS-IV、図1
において、i、i+3配座において、i、i+3配座はアミド化を導かないとい
う初期の報告と一致して、Lys−14のアシル化なんら見出されなかった。
しかし、ペプチドS-IIIにおいてHis-11Lys−14対がSer−15
によって補充された場合、Lys−14のアミド化が得られ、Ser−15がア
シル基転位反応を媒介したことを示す。Ser−15は、Lys−14のアミド
化を触媒するにおいていくつかの役割を果たすとして考えられ得る。しかし、最
もありそうなのは、これはアシルイミダゾールによってアシル化されて、1つの
エステル中間体を形成し、これは続いて分子内アシル基転位反応においてLys
−14によって捕獲されることである。あるいは、Ser−15は、アミド化反
応の遷移状態において発生するオキシアニオンに単純に水素結合するか、または
Lys−14からの水素結合を受容し、そしてコンフォーマーの集団を増加し、
ここではLys−14は反応性の配座にある。しかし、水溶液中に電荷されない
種を含む水素結合の低い結合エネルギーは、これらの代替の説明の両方をほと
んどありそうでなくする。従って、His(i)の隣接する残基がセリン(i+
4)である場合、アシル基はヒドロキシル基によって捕獲されてエステルを形成
するが、エステルは熱動力学的に最も安定な種ではないので、アシル基はリジン
の側鎖での最終的な「パーク」にさらに移動する(Hisに関してi+3、Se
rに関してi−1)か、またはLysがアシル化について利用可能でない場合、
加水分解される。
【0042】 Orn−34は、S-I、S-II、S-III、およびS-IVにおいてHis
−11によって優先的にアミド化されるので、Orn−34は、配列S-III
bおよびS-IIIcにおいてAlaによって置換された。S-IIIbはSer
−15を含み、一方S-IIIcにおいてSer−15はAla−15によって
置換された。S-IIIbにおいて、Lys−10およびLys−14はアミド
化され、一方S-IIIcにおいて、Lys−10およびLys−14のアミド
化は検出されなかった。
【0043】 より拡張されたセリン経路が見出され得るか否かを証明するために、Ser−
15はSer−19、すなわちヒスチジンに関してi+8によって補充され、一
方Lys−14はグルタミンによって置き換えられて、ペプチドチドS-VII
Iを形成した、図1。Ser−15はLys−14についての、すなわち上記の
ようなi、i−1経路においてアシル化剤として機能し得るが、恐らくi、i+
3経路においてアシル化剤として機能し得ないので、Ser−15からSer−
19へのアシル基移動は、Ser−19を介するアミド化を達成するために必要
である。タンパク質が上記の条件下でIと反応する場合、Lys−10のアシル
化は、Ser−19が取り込まれた場合(S-VIII)観察されるが、Ser
−19がAlaによって置き換えられる場合(S-IX)妨害される。従って、
アシル基は、i、i+4経路においてらせんセグメント中のセリンからセリンへ
と移動し得る。それゆえアシル基は、タンパク質表面またはタンパク質空洞をわ
たる長距離を移動し得るが、但し適切な基は、分子内エステル基転位反応につい
ての構造的要件を適応するための方法において組織化される。
【0044】 ペプチドS−XIIIにおいて、Ser−8は、Lys−7と同様に取り込ま
れ、Lys−7の効果的なアミド化が観察され、His(i)、Ser(i−3
)、Lys(i−4)経路を実証する。
【0045】 長距離にわたるアシル基の移動は従って、以前に報告されたHis-Lys経
路に加えてHis-Ser、Ser-Ser、およびSer-Lys経路を使用す
るモデルタンパク質において実証されが、他の経路が明らかに可能である。この
アシル基転位反応の複雑性および重要性は、さらなる経路を提供するにおける、
チロシン、スレオニン、システイン、およびアルギニンのポテンシャルが分析さ
れていないので、解明され始めたにすぎない。HisからSerへの、Serか
らLysへの、および他の残基間の転位経路はまた十分にはマップされていない
。さらに、どの基が転位され得るのかの決定は実証されていないままである。反
応は、ペプチドおよびエステルのタンパク質分解性切断におけるアシル中間体が
、別の部位への第1の移動によって求核試薬を放出し得、ここでは加水分解反応
が最も効果的であることを示唆する。これはまた、この反応が、タンパク質を翻
訳後修飾するために使用され得ること、および恐らくホスホリル基が、タンパク
質表面をわたってタンパク質リン酸化の最終的な部位に転位され得ることを示唆
する。
【0046】 アシル基転位の速度は、これが速度制限ではないので測定され得ないが、各利
用可能な側鎖のアミド化の程度は明らかに、そのアシル化の速度の相対的な大き
さに依存し、異なる側鎖が各部位の相対的な幾何学、距離、pKa値などによて
決定される段階的な様式においてアミド化され得ることを示唆する。タンパク質
部位の反応性は、His残基のpKa値によって10、および脱離基の反応性に
よって11制御されるが、異なる部位間のアシル基の区分化はタンパク質の構造
によって決定される。加水分解はまた、分子内アシル基移動と競合し、および反
応物の画分は明らかに喪失されるが、非常に小さい。
【0047】 有機化学について、発見された反応は、あつらえられた特性を伴う新規なタン
パク質を形成するために、水溶液中の単純な一工程反応を使用する機会を提供す
る。公知のおよび未知のタンパク質を認識し、および結合する制御された方法に
おけるいくつかのリガンドの取り込みは、プロテオミックのやがて現れる領域に
おいて重要なものであることが証明され得る。
【0048】 参考文献: 1.Baltzer、L.ら、J.Chem.Soc.Perkin Tran
s.2、1996、1671〜1676。 2.Broo、K.ら、J.Am.Chem. Soc、1996、118、8
172〜8173。 3.Bruice、T.C.ら、J.Am.Chem. Soc.1958、8
0、2265〜2271。 4.Lundh、A.-C.ら、J.Chem.Soc.Perkin Tra
ns.2、1997、209〜212。 5.Broo、K.ら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.2
、1997、397〜398。 6.Olofsson、S.ら、J.Chem.Soc.Perkin Tra
ns.2、1995、2047〜2056。 7.Olofsoon、S.ら、Folding Des.1996、1、34
7〜356。 8.Andersson、L.ら、J.Org. Chem. 1998、63
、1366〜1367。 9.タンパク質科学における構造および機構、Alan Fersht、199
9、W.H.FreemanおよびCo.Ch.11。 10.Broo、K.S.ら、J.Am.Chem.Soc.1998、120
、4063〜4068。 11.Nilsson、J.ら、Chem.Eur.J.2000、6、221
4〜2220。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、単量体ヘアピンらせん-ループ-らせんモチーフのモデル化構造であり
、触媒網を形成する残基の位置を示す;配列は、以下に記載されるペプチドの配
列である;矢印は、His−11から、Lys−7、Lys−10、Lys−1
4、およびLys−34へのアシル基の移動経路を示す。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年7月10日(2002.7.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項19】 磁性共鳴画像化における使用のための常磁性弛緩剤の取り
込みのための請求項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月12日(2002.11.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は部位選択的なアシル基転位に関する。
【0002】 発明の背景 いわゆるアシル基転位反応は、化学種内での内部的な、または1つの化学種か
ら別の化学種へのいずれかの、アシル基(カルボキシルヒドロキシ基の除去後の
有機酸残基)の転位を包含する。例はアミド形成、エステル基転位反応、および
加水分解である。
【0003】 アシル基転位反応は水溶液中でイミダゾールによって触媒され得、イミダゾー
ルは強力な求核試薬であり、アシル基と共に中間の反応複合体を形成することが
周知である。ポリマーで支持されたイミダゾールはまた、アシル基転位触媒とし
て使用された(例えば、Skjujins、A.ら、Latv.PSR Zi-
nat.Akad.Vestis.Kim Ser.1998(6)、720〜
5を参照のこと)。
【0004】 ヒスチジン(His)残基(イミダゾール基を含むアミノ酸)を含有する小さ
なペプチドが加水分解活性を有し得ることがさらに示された。
【0005】 構造タンパク質およびペプチドを設計するにおける現在の進歩は、実質的な触
媒活性を伴ういくつかのペプチドの調製を生じた(W.F.DeGrado、N
ature、365、488(1993)。例えば、K.Johnssonら、
Nature、365、530(1993)は、静電的に抑圧された酸定数(K
a)を伴って、オキサロアセテートの基質とアミンとの間のSciff塩基中間
体により、脱カルボキシル化の速度を加速する短い自己会合するLeu-Lys-
リッチらせんペプチドを開示する。これは、2次構造が活性に重要であることを
言及する。
【0006】 天然の酵素は、それ自身では中程度にのみ反応性である残基を組み合わせるこ
とにより強力な触媒を形成する。それゆえ、触媒を担う部位以外の部位がまた、
化学反応性を示すこと、および予期されない反応がタンパク質表面上で生じ得る
ことを見出すことは驚くことではない。LysとHisとの組み合わせは、例え
ば、らせんにおいて単純な2残基部位を形成し、ここではLysは活性なエステ
ルとのその反応においてHis残基を活性化し、そしてHisはLysを活性化
する1、2。リジンの全体のアミド化速度は、リジンとエステルとの間の直接的
な反応における大きさよりも少なくとも3桁大きい大きさである。
【0007】 発明の要旨 上記のアミド化反応が、最初に予測されたよりもかなり複雑であり、および非
常に広範な含意を有することがここで見出された。なぜなら、タンパク質の表面
上でHis残基と反応するエステルのアシル基は、最初の反応部位から共有結合
中間体として移動し得、10オングストロームよりも離れたリジン残基の側鎖に
てアミドを形成するからである。これらは、タンパク質表面上で一連のアシル基
転位反応を受け、結果として、厳密に調節されるようである経路においてヒスチ
ジンからセリンに、セリンからセリンに、およびセリンからリジンに移動する。
事実、状況は、アシル基転位について許容される経路が、高い特異性および方向
性の法則に従うようであるので、複雑な輸送調節系に比較され得る。ネイティブ
なタンパク質におけるこれらのアシル化反応の含意は、エステルおよびアミドの
アシル基が、およびおそらくまた対応するホスホエステルのアシル基が、産物が
最終的に形成されるアシル基から異なる部位で作製され得ることである。タンパ
ク質の化学についての含意は、高レベルの複雑性に対する合成後修飾が、保護さ
れることを必要としない折り畳みタンパク質を使用して可能であることである。
【0008】 従って、本発明は、i+3+4k位、ここでkは−1に等しいかまたはこれよ
りも高い整数である、において、またはi−4−4n位、ここではnは0に等し
いかまたはこれよりも高い整数である、においてアミド化される少なくとも1つ
の官能基によって隣接されるi位においてイミダゾール官能基を含み、これがま
たそれぞれi+4+4nまたはi−3−4n位、ここではnは上述のようである
、において少なくとも1つの活性化基を含む点で特徴付けられる、化学構造エレ
メントの使用に基づく折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質における部位
選択的アシル基転位または折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質のアミド
化のための方法に関する。
【0009】 His残基とエステルとの間の反応は、2段階の反応であり、ここでは第1の
および速度を制限する工程は、脱離基の放出下でのアシル中間体の形成である。
第2の工程において、アシル中間体は、それに対して利用可能な最も強力な求核
試薬と反応する。水溶液中でのp−ニトロフェニルエステルおよびイミダゾール
との間の反応、His触媒されたものについてのモデル反応において、反応産物
はカルボン酸であり、および反応は加水分解である。トリフルオロエタノールの
10vol%の存在下で、反応産物は対応するトリフルオロエチルエステルであ
。折り畳まれたタンパク質において、隣接するリジン残基の分子内性は、p
H5にてでさえそれらを最も強力な求核試薬にし、ここではそれらは優先的にプ
ロトン化され、そして反応はリジン残基の側鎖でのアミドである1、2。His
-Lys対についての法則は以前に報告され、およびi位におけるHisはi
+4位またはi−3位におけるLysをアシル化し得るが、i−3、i−4、ま
たはi−1においてはアシル化し得ない。より遠いリジンがアシル化されるか否
かを調査するために、タンパク質が設計され、ここではアミノ酸残基は、アシル
基転位を媒介するためのHisとLys残基との間で取り込まれた。
【0010】 本発明に従って、リジン側鎖と活性なエステルのアシル基との間で、アミド結
合を部位選択的に形成することが可能である。従って、活性なエステルに転換さ
れ得るものは全て、本発明に従う構造を含むタンパク質またはペプチドの表面上
での特定の位置に転位可能である。ペプチド、タンパク質、PNA、炭水化物誘
導体、薬物、インヒビターは、このような転位可能な物質である。本発明に従う
構造を伴うタンパク質またはペプチドのいくつかのリジン残基は、次々に、制御
された方法において、アシル化され得、それによって複合体部位、またはエピト
ープは、いくつかの異なるリガンドから形成されるように設計され得、および概
念はまた、非常に多くの異なる結合部位を形成するためのコンビナトリアルアプ
ローチにおいて開発され得る。共有結合による表面への本発明に従う構造を伴う
タンパク質またはペプチドの結合は、異なるリガンドを結合するために使用され
る同じ化学反応を使用して、制御された方法において達成され得る。
【0011】 本発明に従う結合を形成する反応は、本発明の構造を伴うタンパク質またはペ
プチドの溶液に活性なエステルを添加することによって、水溶液中で、好ましく
はpH6および室温で行われ得る。反応が完了した後、任意の過剰なエステルお
よび脱離基は洗浄して除かれ、および新規なエステルが添加される。例えば、複
合体タンパク質受容体または結合部位の形成は従って、非常に単純な、段階的な
化学を使用して達成され得、およびこれは高価なまたは有害なカップリング剤の
使用に依存しない。なぜなら反応性および部位選択性は、本発明に従う構造を伴
うタンパク質またはペプチドにコードされるからである。置換基の部位選択的取
り込みは、活性なエステルの至適化された濃度が反応において使用されることを
必要とする。ペプチドが非常に過剰のエステルとの長期間の処置に供される場合
、選択性は減少するが、ペプチドが至適化された濃度のエステルに供される場合
、分子内競合は、選択的に官能化されたペプチドの至適な収量が得られることを
確実にする。至適な濃度および反応時間は、異なるリジン側鎖間で異なり、なぜ
ならHisとLys残基との間の異なる幾何学的関係が、等しくないアシル基転
位反応を生じるからである。本発明について記載される実験条件は、異なる部位
間の比較について標準化され、およびさらに至適化され得た。導入された置換体
はまた、その部位、ならびに例えば電荷および極性のような他の分子特性のため
に隣接する部位での取り込みを影響することが知られる。共有結合によって表面
に結合されたタンパク質がホモ2量体である場合、ペプチドの一方のみが共有結
合的に連結され、そして他方のペプチドはヘテロ2量体を形成するために置換さ
れ得る。官能化されたタンパク質は容易に表面から取り出され、および非常に短
い期間(数秒間または数分間)、第2のタンパク質で置き換えられ、それによっ
て新規な反応が行われ得る。
【0012】 標的の例は、タンパク質、および例えば、細胞溶解物から抽出される他の生体
分子である。組み合わせて構成された表面は次いで、細胞中の遺伝子からは、恐
らくそれらが転写後修飾されているので容易に予測できず、それによってそれら
の機能はDNA配列からは予測できない「未知のタンパク質」のサーチにおいて
使用され得る。
【0013】 付加される価値は、精製および単離のためのあつらえられた親和性カラムを構
築する能力である。例えば、細胞溶解物から特異的なタンパク質を見出すために
使用された受容体または結合部位は、その精製および単離のために使用される非
常に十分な量において構築され得る。
【0014】 本発明の1つの目的は、イミダゾールベースの触媒を使用する、アシル基転位
型反応を行う改善された方法を提供することである。それゆえ、アシル基と遷移
複合体を形成し得るイミダゾールベースの触媒の存在下でのアシル基転位機構を
含む化学反応を行う改善された方法が提供される。
【0015】 方法の好ましい実施態様において、化学構造エレメントは、上述の中間の複合
体を介するアシル基転位を通して部位特異的に官能化され得るこのような隣接す
る位置において官能基を有するより大きな構造を構成するか、またはその部分で
ある。
【0016】 本発明の方法において、アシル基転位反応を触媒する改善された能力を伴う化
学構造エレメントが使用される。それゆえ、吊り下げイミダゾール官能基を伴う
骨格構造を含む化学構造エレメントが提供される。
【0017】 1つの実施態様において、構造エレメントは、ペプチドまたはタンパク質のよ
うな分子であり、上述の中間の複合体を介するアシル基転位を通して部位特異的
に官能化され得るこのような隣接する位置における官能基を包含する。
【0018】 本発明の別の目的は、イミダゾール官能基を有する構造エレメントを構成する
かまたは含むタンパク質またはペプチドを、遺伝子操作することによって生成す
る方法を提供することである。それゆえ、これは、上記のようなイミダゾール官
能基を含有する構造エレメントを構成するかまたは含むタンパク質またはペプチ
ドを生成する方法を提供し、この方法は、ベクターおよび当該タンパク質または
ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA構築物で、宿主生物体を形
質転換する工程、当該タンパク質またはペプチドを発現するように宿主生物体を
培養する工程、および後者を培養物から単離する工程を包含する。
【0019】 本発明のなお別の目的は、上述のタンパク質またはペプチドをコードする核酸
配列を含むベクターを提供することである。それゆえ本発明は、ベクターおよび
上述で規定されるようなイミダゾール官能基を含有する構造エレメントを構成す
るかまたは含むタンパク質またはペプチドをコードする配列組換えDNA構築物
を提供する。
【0020】 ベクターの好ましい実施態様において、DNA配列はまた、イミダゾール官能
基によって触媒されるアシル基転位を介して、官能基が部位特異的に官能化され
得るこのようなイミダゾール官能基に隣接する位置における特異的な官能基をコ
ードする。
【0021】 従って、本発明は、イミダゾール官能基の片側または両側において、吊り下げ
の隣接する基または鎖を有する骨格構造においてイミダゾール官能基を提供する
ことによってアシル基転位反応におけるイミダゾール型触媒活性を増加する概念
に基づき、この隣接する基は相互作用し得、イミダゾールアシル複合体が形成さ
れそれによって遷移複合体は安定化される。アミド化、エステル基転移反応、加
水分解、またはチオール分解のような、所望されるアシル基転位反応についての
反応速度は、それによってかなり増加される。エステルは現在好ましい基質であ
るので、例えば、アミドおよび無水基質がまた使用され得る。
【0022】 用語「イミダゾール官能基」は、広範に解釈されるべきであり、および所望さ
れる触媒活性を保有する任意のイミダゾールベースの構造を包含することが意味
される。イミダゾール基は従って、種々の方法において修飾され得る。多くの目
的のために有利なイミダゾール官能基は、アミノ酸ヒスチジン(α-アミノ−4
−(または5)-イミダゾールプロピオン酸)に基づく。イミダゾール官能基の
利用可能な炭素原子の1つまたは両方は、例えば、アルキルまたはハロゲンで独
立して置換され得る。イミダゾール基はまた、アルキルで1位において置換され
得る。アルキルは好ましくは、1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子、
例えばメチルまたはエチルを有する。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、および
ヨウ素を包含する。
【0023】 隣接する基は、例えば、1〜6、好ましくは1〜4個の原子、通常炭素の連結
または鎖を含み得、アシル遷移複合体と必要とされる分子相互作用を行い得る末
端の官能基または他の基に連結される。
【0024】 触媒構造エレメントがペプチドであり、およびイミダゾール官能基がヒスチジ
ン残基の一部である場合において、隣接する鎖は、例えばリジン、オルニチン、
アルギニン、および/またはさらなるヒスチジンから選択される他のアミノ酸の
吊り下げプロトン供与部分であり得る。
【0025】 触媒イミダゾール官能基を支持する化学構造エレメントは好ましくは、所望さ
れる遷移複合体を安定化する相互作用が生じるために至適な幾何学的関係におい
てイミダゾール官能基に関して隣接する基を配置するために、2次構造のような
いくつかのタイプの強剛性を有する。有利な実施態様において、化学構造エレメ
ントは、安定化された2次構造、例えばαらせんコイルドコイルを有するいわゆ
る設計されたポリペプチドである。設計されたらせんペプチドは、例えば、J.
W.Brysonら、Science、270、935(1995)において記
載される。しかし、構造エレメントはペプチドに制限されない。対照的に、多様
な組成が本発明を考慮して当業者に容易に明らかであり、および従って、炭水化
物、天然もしくは合成のポリマーなどのような、他のタイプの構造において含ま
れ得るかまたはその部分であり得る。化学構造の大きさは決して制限されず、お
よびこれは例えば、5アミノ酸程度のペプチドであり得る。イミダゾール官能基
と隣接する基との間の必要とされる幾何学的関係に関して、本発明の記載を読ん
だ後に当業者によって各特定の状況について官能的な配置は容易に設計され得る
【0026】 複合体を安定化する隣接する鎖の官能部分に依存して、遷移複合体は、分子内
反応においてこのような隣接する鎖と反応し得る。このような分子内反応は、ペ
プチド、タンパク質、および他の分子を選択的に官能化するために使用され得る
【0027】 上述されるような、本発明を具体化する設計されるポリペプチドは、組換えD
NA技術(遺伝子操作)によって生成され得る。このような技術は当業者に周知
であり、および本明細書中に記載されない。(これは、例えば、隣接するヒスチ
ジン残基を含む融合タンパク質の組換え技術による調製を開示する欧州特許第2
82042号明細書に言及され得る)。
【0028】 反応中心の上記の選択性は、例えば折り畳まれたペプチドにおいて新規な官能
性を導入するために使用され得る。分子内反応において、安定化する隣接する基
は、もちろん、アシル基転位を介して官能化される基である必要はないが、適切
な位置における別の官能基であり得る。
【0029】 部位選択的官能化の重要な局面は、タンパク質またはペプチドへの炭水化物の
部位選択的な導入である。これは、問題の炭水化物を、エステル官能基を含むよ
うに修飾することによって達成される。炭水化物は、免疫学的な、炎症性の、お
よび他のプロセスにおける認識において重要な役割を果たす。これらは、タンパ
ク質およびペプチドの免疫原性を増強し得る。これはまた、タンパク質分解性分
解からタンパク質を保護し、およびタンパク質折り畳みを影響する。炭水化物の
部位選択的導入は、それゆえ、抗体産生およびワクチン開発、および炭水化物の
役割の体系的な研究のために使用され得る。分解から薬物を保護するために使用
され得る。
【0030】 反応はまた、ペプチド合成の反応条件下で耐えない、または立体障害に起因し
て十分に反応性でない残基を導入するために使用され得る。新規な分岐されたポ
リペプチド構造はまた、アミノ酸残基またはペプチド導入され得る場合にまた可
能である。ヒスチジンは再生されるので、これはまた操作された触媒の活性部位
に関与するように設計され得る。
【0031】 官能化されるペプチドは、pH5.85にて緩衝溶液に溶解され、および第1
のエステルは、ペプチド触媒化反応の仮性の第1種の速度定数(第2種の速度定
数およびペプチド濃度から算定される)とバックグラウンド反応との間の比較か
ら見積もられた濃度で添加される。例えば、第2種の速度定数が、0.039M
−1 s−1である場合、1mMのペプチド濃度での、仮性の第1種の速度定数
は、3.9×10−5 s-1であり、係数3.9は、バックグラウンド反応の
係数よりも大きい。ペプチドと反応する基質の画分は次いで、反応の開始時で、
3.9/(1+3.9)=0.8であり、および過剰のエステルは25%である
。しかし、反応は官能化されないペプチドの濃度が、従って効果的な仮性の第1
種の速度定数が減少することを進行する。それゆえ、過剰の60%がこの場合に
おいて使用され、過剰の大きさは、実験測定からの経験と組み合わせて、理論的
算定から見積もられる。エステル基質の反応性は、別々の動力学的実験から公知
であり、および全ての基質が消費された場合、第2のエステルが添加され、これ
は上記と同じ手順を使用して、第2の最も反応性の部位に優先的に到達する。こ
れが消費された場合、第3の基質が添加され、官能化される全てのリジン残基が
飽和されるまで続く。この段階で、ペプチドは他の場所で記載されるようにHP
LCによって精製される。いくつかの位置について、エステル基質の10程度の
係数の過剰は、至適な取り込みを得るために必要であり得る。なぜなら、加水分
解と取り込みとの間の区別は加水分解を好むからである。この事実は、取り込み
の部位選択性をいかようにも減少しない。対照的にこれは取り込みの部位特異性
を増加する。
【0032】 あるいは、基質エステルが水に不溶性である場合、これは、直交性保護基スト
ラテジーを使用する固相ペプチド合成の間に配列に取り込まれ得る。例えば、ア
リル保護基は、ペプチドが樹脂から切断される前に選択的に除去され得るリジン
残基について使用され得、そしてリジンは、標準的なカルボジイミドカップリン
グ試薬を使用して、疎水性置換基と反応され得る。
【0033】 あるいは、いくつかの置換基は、多官能化タンパク質のクロマトグラフィー特
性がそれほど異ならない場合、官能化の中間段階にてHPLC精製を必要とし得
る。
【0034】 あるいは、いくつかの基質は、緩衝液の異なるpH値にてより良好に作用し得
る。2,4−ジニトロフェニルエステルは、例えば、それらの生来の高い反応性
に起因して、pH4〜5にて非常に効果的に取り込まれる。これは、反応容器へ
のいくつかのエステルの同時の取り込みを許容し、および反応は次いで、pHの
変化によって制御される。例えば、3つのエステルの混合物はペプチドに添加さ
れ、これはpH4にて保持される。1つのエステルは2,4−ジニトロフェニル
エステルであり、これはpH4と容易に反応し、従って最も反応性のLysにて
取り込まれる。次いで、pHはpH5に上昇され、そしてN-ヒドロキシスクシ
ンイミドエステルが反応し、そして第2の最も反応性のLys部位に取り込まれ
る。最終的にpHは6に上昇され、そしてp-ニトロフェニルエステルは、第3
の最も反応性の部位にて取り込まれる。
【0035】 あるいは、取り込みは、例えば、Bia-Core機器における金プレートの
ような固体支持体の表面にて行われる。次いで、第1の反応は、例えば金に結合
することが周知であるチオール誘導体を使用して表面に接着される活性なエステ
ルと、最も反応性のLysとの間の結合を形成するために使用される。次いで、
エステル基質は、反応チャンバーに導入され、そして第2の最も反応性の部位に
てアミドを形成するなどのために反応される。
【0036】 発明の詳細 他で詳細に記載され、および特徴づけされる6、7、モデルタンパク質の、8
4残基らせん-ループ-らせんホモ2量体、図1を、His(i)に関して、Se
r残基、i−3、i+4、およびi+8を有するように再設計し、そしてHis
側鎖に対するアシルイミダゾール中間体によって直接的にアシル化され得ない位
置におけるLys残基を伴った。得られる42残基タンパク質は、以下の表II
において与えられるように、Fmoc-PAL-PEG-PSポリマー、標準的な
化学プロトコル、およびFmoc保護基化学、を使用して、PerSpepti
ve Biosystems Pioner自動化ペプチド合成器において合成
され、0.1%トリフルオロ酢酸中の36〜38%イソプロパノールを用いる半
分離Kromasilカラムにおける逆相HPLCを使用して精製され、そして
エレクトロスプレー質量分析(ESMS)を使用して同定された。222nmお
よび300μM濃度での平均残基楕円率が測定され、および典型的な値は、−1
9000deg cmdmol−1であった。アミノ酸間の幾何学的関係は、
図1において示される。水性溶液およびpH5.1における1mM濃度でのタン
パク質は、過剰な、典型的に40〜60%のモノ-p-ニトロフェニルフマル酸(
I)と反応された。バックグラウンド加水分解はいくつかのエステルを消耗する
ので過剰な量の基質が必要とされ、および過剰な量は第2種の速度定数の相体
的な大きさから推定された、表1。得られるタンパク質は、分析カラムを使用す
るHPLCによって、およびESMSによって分析され(単量体ペプチドS−1
のMWは例えば4333であり、検出4333、および対応するモノフマリル化
されたペプチドの分子量は、4431である、検出4431)、以前に記載され
るようなアミド化の部位を同定するための事前のトリプシン切断を伴うかまた
は伴わなかった。トリプシン切断の際に予測されるフラグメントは十分に規定さ
れ、および側鎖がフマリル化(この場合において、これはその残基で切断されな
い)によって修飾されない限り、ペプチドが塩基残基のC末端側において切断さ
れるので、有益である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】 これらのペプチドの配列は、添付の配列表において与えられる。
【0040】 上記のように、His(i)がLys(i+4)によって隣接される場合、L
ys(i+4)はここで使用される反応条件下で独占的にアミド化される。Hi
sが、LysがHisに対して、Lys(i+4)またはLys(i−3)がH
is(i)に対して有するような類似の幾何学的関係を有するような配座におい
て、隣接するヘリックス中のリジン残基によって隣接される場合、このLysは
直接的なアシル化反応においてHisによってアミド化される。配列S-I(配
列番号2)S-II(配列番号3)、S-III(配列番号4)、およびS-IV
(配列番号7)において、Orn−34は、このような位置を占め、および15
位におけるLysの不在下で、Orn−34はHis−11によって優先的にア
ミド化される。
【0041】 His−11が、S−I(配列番号2)におけるように、Ser−15によっ
て隣接された場合、図1、Orn−34のアシル化の程度は、配列S-II(配
列番号3)を用いて得られた程度(ここでは、Serは8位においてであった)
との比較においてかなり増強され、アシル化がSer−15によって媒介される
ことを示す。これらのペプチドにおいて、他のLys残基は、His−11から
の直接的な転位によってアシル基を受容するための位置になく、およびOrn−
34以外の残基のアミド化はなんら観察されなかった。ペプチドS-IV、図1
において、i、i+3配座において、i、i+3配座はアミド化を導かないとい
う初期の報告と一致して、Lys−14のアシル化なんら見出されなかった。
しかし、ペプチドS-IIIにおいてHis-11Lys−14対がSer−15
によって補充された場合、Lys−14のアミド化が得られ、Ser−15がア
シル基転位反応を媒介したことを示す。Ser−15は、Lys−14のアミド
化を触媒するにおいていくつかの役割を果たすとして考えられ得る。しかし、最
もありそうなのは、これはアシルイミダゾールによってアシル化されて、1つの
エステル中間体を形成し、これは続いて分子内アシル基転位反応においてLys
−14によって捕獲されることである。あるいは、Ser−15は、アミド化反
応の遷移状態において発生するオキシアニオンに単純に水素結合するか、または
Lys−14からの水素結合を受容し、そしてコンフォーマーの集団を増加し、
ここではLys−14は反応性の配座にある。しかし、水溶液中に電荷されない
種を含む水素結合の低い結合エネルギーは、これらの代替の説明の両方をほと
んどありそうでなくする。従って、His(i)の隣接する残基がセリン(i+
4)である場合、アシル基はヒドロキシル基によって捕獲されてエステルを形成
するが、エステルは熱動力学的に最も安定な種ではないので、アシル基はリジン
の側鎖での最終的な「パーク」にさらに移動する(Hisに関してi+3、Se
rに関してi−1)か、またはLysがアシル化について利用可能でない場合、
加水分解される。
【0042】 Orn−34は、S-I、S-II、S-III、およびS-IVにおいてHis
−11によって優先的にアミド化されるので、Orn−34は、配列S-III
bおよびS-IIIcにおいてAlaによって置換された。S-IIIbはSer
−15を含み、一方S-IIIcにおいてSer−15はAla−15によって
置換された。S-IIIbにおいて、Lys−10およびLys−14はアミド
化され、一方S-IIIcにおいて、Lys−10およびLys−14のアミド
化は検出されなかった。
【0043】 より拡張されたセリン経路が見出され得るか否かを証明するために、Ser−
15はSer−19、すなわちヒスチジンに関してi+8によって補充され、一
方Lys−14はグルタミンによって置き換えられて、ペプチドチドS-VII
Iを形成した、図1。Ser−15はLys−14についての、すなわち上記の
ようなi、i−1経路においてアシル化剤として機能し得るが、恐らくi、i+
3経路においてアシル化剤として機能し得ないので、Ser−15からSer−
19へのアシル基移動は、Ser−19を介するアミド化を達成するために必要
である。タンパク質が上記の条件下でIと反応する場合、Lys−10のアシル
化は、Ser−19が取り込まれた場合(S-VIII)観察されるが、Ser
−19がAlaによって置き換えられる場合(S-IX)妨害される。従って、
アシル基は、i、i+4経路においてらせんセグメント中のセリンからセリンへ
と移動し得る。それゆえアシル基は、タンパク質表面またはタンパク質空洞をわ
たる長距離を移動し得るが、但し適切な基は、分子内エステル基転位反応につい
ての構造的要件を適応するための方法において組織化される。
【0044】 ペプチドS−XIIIにおいて、Ser−8は、Lys−7と同様に取り込ま
れ、Lys−7の効果的なアミド化が観察され、His(i)、Ser(i−3
)、Lys(i−4)経路を実証する。
【0045】 長距離にわたるアシル基の移動は従って、以前に報告されたHis-Lys経
路に加えてHis-Ser、Ser-Ser、およびSer-Lys経路を使用す
るモデルタンパク質において実証されが、他の経路が明らかに可能である。この
アシル基転位反応の複雑性および重要性は、さらなる経路を提供するにおける、
チロシン、スレオニン、システイン、およびアルギニンのポテンシャルが分析さ
れていないので、解明され始めたにすぎない。HisからSerへの、Serか
らLysへの、および他の残基間の転位経路はまた十分にはマップされていない
。さらに、どの基が転位され得るのかの決定は実証されていないままである。反
応は、ペプチドおよびエステルのタンパク質分解性切断におけるアシル中間体が
、別の部位への第1の移動によって求核試薬を放出し得、ここでは加水分解反応
が最も効果的であることを示唆する。これはまた、この反応が、タンパク質を翻
訳後修飾するために使用され得ること、および恐らくホスホリル基が、タンパク
質表面をわたってタンパク質リン酸化の最終的な部位に転位され得ることを示唆
する。
【0046】 アシル基転位の速度は、これが速度制限ではないので測定され得ないが、各利
用可能な側鎖のアミド化の程度は明らかに、そのアシル化の速度の相対的な大き
さに依存し、異なる側鎖が各部位の相対的な幾何学、距離、pKa値などによて
決定される段階的な様式においてアミド化され得ることを示唆する。タンパク質
部位の反応性は、His残基のpKa値によって10、および脱離基の反応性に
よって11制御されるが、異なる部位間のアシル基の区分化はタンパク質の構造
によって決定される。加水分解はまた、分子内アシル基移動と競合し、および反
応物の画分は明らかに喪失されるが、非常に小さい。
【0047】 有機化学について、発見された反応は、あつらえられた特性を伴う新規なタン
パク質を形成するために、水溶液中の単純な一工程反応を使用する機会を提供す
る。公知のおよび未知のタンパク質を認識し、および結合する制御された方法に
おけるいくつかのリガンドの取り込みは、プロテオミックのやがて現れる領域に
おいて重要なものであることが証明され得る。
【0048】 参考文献: 1.Baltzer、L.ら、J.Chem.Soc.Perkin Tran
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Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i+3+4k位、ここでkは−1に等しいかまたはこれより
    も高い整数である、において、またはi−4−4n位、ここではnは0に等しい
    かまたはこれよりも高い整数である、においてアミド化される少なくとも1つの
    官能基によって隣接されるi位においてイミダゾール官能基を含み、これがまた
    それぞれi+4+4nまたはi−3−4n位、ここではnは上述のようである、
    において少なくとも1つの活性化基を含む点で特徴付けられる、化学構造エレメ
    ントの使用に基づく折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質における部位選
    択的アシル基転位または折り畳まれたポリペプチドおよびタンパク質のアミド化
    のための方法。
  2. 【請求項2】 前記イミダゾール官能基がヒスチジンである請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1つの官能基がリジン、オルニチン、または
    ジアミノ酪酸残基である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1つの活性化基がセリン、スレオニン、チロ
    シン、またはシステインである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記化学構造エレメントがペプチドである請求項1〜4のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ペプチドが添付の配列表において与えられる配列番号1
    〜11のいずれかを有する請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドが添付の配列表において与えられる配列番号2
    、4、5、8、10、または11を有する請求項5または6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 タンパク質分解性分解からタンパク質を保護するための請求
    項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
  9. 【請求項9】 タンパク質折り畳みを影響するための請求項1〜7のいずれ
    かに記載の方法の使用。
  10. 【請求項10】 ワクチン開発のための請求項1〜7のいずれかに記載の方
    法の使用。
  11. 【請求項11】 免疫系の天然に存在する成分を模倣するための請求項1〜
    7のいずれかに記載の方法の使用。
  12. 【請求項12】 免疫系の成分についてのアンタゴニストを構築するための
    請求項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
  13. 【請求項13】 免疫系の成分についてのアゴニストを構築するための請求
    項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
  14. 【請求項14】 抗体の生成のための請求項1〜7のいずれかに記載の方法
    の使用。
  15. 【請求項15】 人工的受容体を形成するために1つ以上の基を前記化学構
    造エレメントに取り込むための請求項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
  16. 【請求項16】 前記人工的受容体が細胞溶解物からのまたは溶液中のタン
    パク質の同定のためのタンパク質チップである請求項15に記載の使用。
  17. 【請求項17】 前記人工的受容体が分離または精製における使用について
    意図される請求項15に記載の方法の使用。
  18. 【請求項18】 タンパク質の同定のための蛍光基の取り込みのための請求
    項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
  19. 【請求項19】 磁性共鳴画像化における使用のための常磁性弛緩剤の取り
    込みのための請求項1〜7のいずれかに記載の方法の使用。
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