JPH0696639B2 - オルガノポリシロキサン化合物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン化合物

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JPH0696639B2
JPH0696639B2 JP33536288A JP33536288A JPH0696639B2 JP H0696639 B2 JPH0696639 B2 JP H0696639B2 JP 33536288 A JP33536288 A JP 33536288A JP 33536288 A JP33536288 A JP 33536288A JP H0696639 B2 JPH0696639 B2 JP H0696639B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は電磁波又は電子線で硬化する新規なオルガノポ
リシロキサンに関し、特に柔軟性・離型性等の優れた物
性を有するのみならず硬化後の安定性にも優れた重合体
を与えることのできる新規なオルガノポリシロキサンに
関する。
《従来の技術》 従来よりアクリル系重合体の柔軟性等の改良のためにフ
レキシブルなシリコーン鎖を導入する試みがなされてお
り、ある種の(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロ
キサンを用いた場合にある程度の効果が得られている。
即ちシロキサン鎖末端への(メタ)アクリル基の導入方
法としては例えば特公昭58−53656号に記載されている
方法が公知であり、得られたモノマーを用いた重合体は
柔軟性等において改良されることが認められる。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながらこの方法による(メタ)アクリル官能性オ
ルガノポリシロキサンにおいては、(メタ)アクリル基
の導入が加水分解安定性に欠けるSiOC結合を介して行わ
れているため、オルガノポリシロキサン及びその硬化組
成物の安定性は十分なものではないという欠点があっ
た。
本発明者等は、上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結
果、化学的に安定なSi−C結合を介して(メタ)アクリ
ル基を結合せしめた場合には、得られた(メタ)アクリ
ル官能性オルガノポリシロキサンの安定性はもとより、
該オルガノポリシロキサンを硬化せしめることにより得
られる硬化組成物の安定性を改善することができること
及びオルガノポリシロキサンの両末端に夫々2個の(メ
タ)アクリル基を結合させることにより著しく架橋効率
を改善することができることを見い出し本発明に到達し
た。
従って本発明の第1の目的は、架橋効率が高く、電磁波
又は電子線によって十分に硬化するオルガノポリシロキ
サン化合物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、硬化前後の安定性が良好なオル
ガノポリシロキサン化合物を提供することにある。
《課題を解決するための手段》 本発明の上記の諸目的は、一般式: で示されるオルガノポリシロキサン化合物によって達成
された。
上記一般式中、Rは でありnは0〜500の整数である。
係るオルガノポリシロキサン化合物は一般式: (式中nは0〜500の整数である) で示される両末端SiH基含有ジメチルポリシロキサン化
合物1モルと、化学式 で示されるグリセリンモノアリルエーテル2モルとを、
白金系又はロジウム系の遷移金属化合物を触媒として付
加反応させることにより合成される一般式: で示されるオルガノポリシロキサン化合物1モルと、一
般式: (但し、式中のR′は水素又はメチル基を表す。)で示
される(メタ)アクリル酸クロライド4モルとの脱塩酸
反応により合成することができる。
両末端SiH基含有ジメチルポリシロキサン化合物とグリ
セリンモノアクリルエーテルの付加反応は、前記の触媒
を用いて無溶媒又は不活性な溶媒の存在下に50〜150℃
の温度範囲で行うことができる。不活性な溶媒としては
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類等を
例示することができる。
続いて行われる脱塩酸反応はトリエチルアミン、ピリジ
ン等の三級アミン化合物を塩酸捕捉剤として使用し、無
溶媒又は前記と同様な不活性な溶媒の存在下に0℃〜12
0℃の温度範囲で行えば良い。
本発明のオルガノポリシロキサンは単独で重合硬化させ
ることができるのみならず、重合性不飽和基を含有する
他のモノマー、オリゴマー又はプレポリマー等と共重合
させることもできる。
上記の重合性不飽和基を有するモノマーとしては(メ
タ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘ
キシル等のアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル等のヒドロキシアルキルエステル類、ア
クリルアミド等の酸アミド類、(メタ)アクリル酸パー
フロロオクチル、(メタ)アクリル酸パーフロロブチル
等のパーフロロエステル類等の(メタ)アクリル酸の各
種誘導体;スチレン又はスチレン誘導体;フマル酸、マ
レイン酸又はこれらの誘導体;ビニルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等
の重合性けい素化合物:アクリルニトリル、ビニルピロ
リドン、酢酸ビニル、ビニルエーテル型炭化水素等が挙
げられる。
不飽和基含有重合性オリゴマーとしてはポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、不飽和基含有重
合性プレポリマーとしてはポリエステルアクリレート、
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げ
られる。
本発明のオルガノポリシロキサンを重合させるには紫外
線、γ線、X線等の電磁波又は電子線を照射すれば良
く、特に電子線を用いる場合には、本発明のオルガノポ
リシロキサン単独或いは他の不飽和基含有重合性モノマ
ー、オリゴマー、プレポリマーとの混合物を支持体上に
コーティングした後電子線を照射することにより容易に
硬化被膜を得ることができる。一方、紫外線照射の場合
には増感剤をコーティング物に対して0.05〜5重量%混
合する必要があり、増感剤としては例えばベンゾイン及
びその誘導体、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾ
インエーテル類、ベンジル及びその誘導体、芳香族ジア
ゾニウム塩、アントラキノン及びその誘導体、アセトフ
ェノン及びその誘導体、ジフェニルジスルフィド等のイ
オウ化合物、ベンゾフェノン及びその誘導体等が挙げら
れる。
コーティングの際の粘度を調整する目的で希釈溶媒とし
てベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチレルケトン等
のケトン類等を使用しても良い。
更に、コーティング皮膜の強度の向上を目的としてシリ
カ、アルミナ、ガラス粉、クリスタライト、クレー、タ
ルク、炭酸カルシウム、マイカ粉、二酸化チタン、ウオ
ラストナイト、水酸化マグネシウム等の無機質充填剤を
添加しても良い。
本発明のオルガノポリシロキサンは種々の用途に利用す
ることができる。単独で重合させると柔軟性、離型性、
撥水性、安定性、電気特性等に優れるゴム弾性体となる
ため離型性コーティング剤、撥水性コーティング剤、プ
リント基板・半導体素子等の各種エレクトロニクス部在
のコーティング剤として利用することができる。
他の不飽和基含有重合性モノマー、オリゴマー、プレポ
リマー等と共重合させることにより、例えば柔軟性、耐
熱性、ガス透過性等に優れるアクリル系重合体となる。
《発明の効果》 本発明のオルガノポリシロキサンは化学的に安定なSi−
C結合を介して(メタ)アクリル基を有するため、それ
自身の安定性はもとより硬化組成物の安定性も十分であ
る。更に、両末端に夫々2個ずつ(メタ)アクリル基を
有するので架橋効果に優れ柔軟性、離型性、撥水性、耐
熱性、ガス透過性等に優れた重合体を容易に得ることが
できる。
《実施例》 以下、本発明を実施例により更に詳述するが、本発明は
これによって限定されるものではない。
実施例1 分子式 で表される両末端SiH基含有ジメチルポリシロキサン化
合物450.7g、グリセリンモノアリルエーテル13.2g、塩
化白金酸2重量%の1−ブタノール溶液0.2g及びトルエ
ン500gを冷却装置、温度計及び撹拌装置付きのフラスコ
に仕込み100℃で5時間付加反応を行った。5時間後にS
iH基の消失を確認した後室温まで冷却してトリエチルア
ミン22.2gを添加した。次にアクリル酸クロライド 18.1gを30℃以下で滴下し、滴下後60℃で2時間脱塩酸
反応を行った後塩酸塩を濾別し減圧下でトルエン及び過
剰のトリエチルアミンを除去したところ、淡黄色で透明
・粘稠な液体が431.8g得られた。このものは25℃におけ
る粘度が348.2センチストークス、比重が0.979、屈折率
が1.4085、ゲル透過クロマトグラフによって測定された
重量平均分子量が10,322であり、IRスペクトル分析及び
1H−NMRスペクトル分析を行った結果は以下の通りであ
った。
(IR:第1図) Si−C:800cm-1 Si−O−Si:1025及び1100cm-1 Si−CH3:1262cm-1 −CH=CH2:1638cm-1 1H−NMR) 内部標準:ベンゼンδ7.25ppm 0.12(Si−CH3、S、732H) 0.70(Si−CH2、m、4H) 1.67(C−CH2−C、m、4H) 3.30〜3.67(O−CH2−C、m、8H) 4.13〜4.43 5.06〜5.43 5.63〜6.43 (−CH=CH2、m、12H) 又、内部標準とのプロトン比から算出したアクリル当量
は2472(理論値2373.5)であった。
これらの結果より上記のものは以下の平均組成式で表さ
れる化合物であることが確認された。
実施例2. 実施例1で使用した両末端SiH基含有ジメチルポリシロ
キサン化合物450.7gを分子式 の化合物228.7gに代えた他は実施例1と同様な操作を行
ったところ、25℃における粘度が131.9センチストーク
ス、比重が0.988、屈折率が1.4113、ゲル透過クロマト
グラフによって測定した重量平均分子量が5,249の、淡
黄色で透明な液体が238.2g得られた。このものはIRスペ
クトル分析及び1H−NMRスペクトル分析の結果から、以
下の平均組成式で表される化合物であることが確認され
た。
(IR:第2図) Si−C:790cm-1 Si−O−Si:1025及び1100cm-1 Si−CH3:1263cm-1 −CH=CH2:1638cm-1 −CH3:2960cm-11H−NMR) 内部標準:ベンゼンδ7.25ppm 0.15(Si−CH3、S、372H) 0.72(Si−CH2、m、4H) 1.66(C−CH2−C、m、4H) 3.35〜3.70(O−CH2−C、m、8H) 4.08〜4.40 5.12〜5.45 5.65〜6.47 (CH=CH2、m、12H) アクリル当量:1317(理論値1263.5) 実施例3 実施例1で使用した両末端SiH基含有ジメチルポリシロ
キサン化合物450.7gを分子式 の化合物154.7gに、又アクリル酸クロライドをメタクリ
ル酸クロライド に代えた他は実施例1と同様な操作を行ったところ25℃
における粘度が92.3センチストークス、比重0.990、屈
折率1.4121、ゲル透過クロマトグラフによって測定した
重量平均分子量が3,651の、淡黄色で透明な液体166.5g
が得られた。このものはIRスペクトル分析及び1H−NMR
スペクトル分析の結果から以下の平均組成式で表される
化合物であることが確認された。
(IR:第3図) Si−C:800cm-1 Si−O−Si:1025及び1088cm-1 Si−CH3:1263cm-1 −CH3:2960cm-11H−NMR) 内部標準:ベンゼンδ7.25ppm 0.10(Si−CH3、S、252H) 0.68(Si−CH2、m、4H) 1.60(C−CH2−C、m、4H) 1.88〜2.00 3.36〜3.65(O−CH2−C、m、8H) 4.10〜4.40 5.00〜5.38 5.45〜5.56(−C=CH、m、4H) 5.98〜6.10(−C=CH、m、4H) メタクリル当量:921(理論値907.5) 応用例 実施例1〜3で得られた化合物及び比較として下記の組
成で示される化合物 を膜厚が10μmになるように夫々スピナーでガラス板に
塗布し下記の条件で電子線を照射したところ何れの場合
もゴム弾性を持った透明な硬化皮膜が得られた。
使用した電子線照射装置はモデルCB−150(エナージ・
サイエンス社製)であり、照射条件は下記の通りであ
る。
加速電圧:165KV 電流:5.0mA ライン速度:20m/min 酸素濃度:150〜300ppm 次にこの硬化皮膜のゲル分率及び水の接触角を測定した
ところ以下のような数値を示した。
ゲル分率はMEKを溶媒としてソックスレー抽出を20時間
行い、水の接触角はContact Angle Meter CA−A(協和
化学(株)製商品名)を用いて測定した。
これらの結果は、本発明の組成物の架橋効率が極めて良
好であることを実証するものである。
又、この硬化皮膜の加水分解安定性を調べるために80
℃、相対湿度90%の条件下に1ケ月放置し、上記と同様
にゲル分率及び水の接触角を測定したところ以下のよう
な数値を示した。
これらの結果は、本発明の化合物の硬化皮膜が極めて加
水分解安定性に優れることを実証するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル(IR)である。 第2図は実施例1で得られた化合物のNMRスペクトルで
ある。 第3図は実施例2で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル(IR)である。 第4図は実施例3で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル(IR)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは でありnは0〜500の整数である) で表されることを特徴とするオルガノポリシロキサン化
    合物。
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