JP2018058951A - 硬化性ポリオルガノシロキサン組成物および電気・電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、シリコーンレジンを含む溶剤タイプのコーティング材においては、硬化時に加熱による溶剤除去工程を必要とするため、溶剤の揮発により、作業環境の悪化や、電気・電子部品およびそれらを搭載した回路基板の腐食や劣化を引き起こすおそれがあった。さらに、作業環境を改善するために、溶剤を大気中に放出せずに回収しようとすると、高額の投資を必要とした。
ケイ素原子に結合する1個以上の(メタ)アクリロキシアルキル基と2個以上のアルコキシ基を有し、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000である(A1)三次元網目構造のアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサン20〜95質量部と、
(A2)ケイ素原子に結合するアルコキシ基および/または(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、23℃における粘度が3〜500mPa・sのポリオルガノシロキサン80〜5質量部
を含む(A)ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対して、
(B1)縮合反応硬化触媒0.0001〜20質量部と、
(B2)紫外線硬化触媒である光反応開始剤0.001〜10質量部
を含有することを特徴とする。
さらに、本明細書において、式(x)で表されるポリオルガノシロキサンを、ポリオルガノシロキサン(x)ともいう。このように、式で表される化合物について、その式を示す記号を含む略称を用いることがある。
実施形態の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、分子中に1個以上の(メタ)アクリロキシアルキル基と2個以上のアルコキシ基を有し、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000である(A1)三次元網目構造のアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサン20〜95質量部と、(A2)アルコキシ基および/または(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、常温液状で23℃における粘度が3〜500mPa・sのポリオルガノシロキサン80〜5質量部を含む(A)ポリオルガノシロキサン混合物を主体とする。そして、この(A)ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対して、(B1)縮合反応硬化触媒0.0001〜20質量部と、(B2)紫外線硬化触媒である光反応開始剤0.001〜20質量部を含有する。
以下、実施形態の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を構成する各成分、含有割合等について説明する。
実施形態において、(A)成分であるポリオルガノシロキサン混合物は、硬化性組成物のベースとなる成分である。(A)成分は、(A1)三次元網目構造を有するアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンと、(A2)アルコキシ基および/または(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、常温液状で所定の粘度(3〜500mPa・s)のポリオルガノシロキサンとを混合してなる。
本発明の実施形態において、(A)成分を構成する(A1)三次元網目構造を有するアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、分子中に1個以上の(メタ)アクリロキシアルキル基と2個以上のアルコキシ基とを有する。
置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜6個のアルキル基の水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された基が挙げられる。
前記した(A1a)三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、(A1b)末端にシラノール基を有する直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンを混合し、この混合物に対して、(A1c)(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、かつアルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加えて反応させる。
こうして、(A1)成分である三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンが得られる。
前記した(A1a)三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、(A1c)(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、かつアルコキシ基を2個以上有するシラン化合物を加えて反応させる。すなわち、第2の方法は、(A1a)成分に前記(A1b)直鎖状のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンを混合することなく、(A1c)を反応させる方法である。
こうして、(A1)成分である三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンが得られる。
前記(A1a)三次元網目構造を有するシラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、アルコキシ基と(メタ)アクリロキシアルキル基を有する直鎖状のアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサン(A1d)を加えて反応させる。
こうして、(A1)成分である三次元網目構造を有する末端アルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンが得られる。
実施形態の硬化性組成物において、ベース成分である(A)ポリオルガノシロキサン混合物は、前記(A1)三次元網目構造を有するアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンと、(A2)アルコキシ基および/または(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、23℃における粘度が3〜500mPa・sであるポリオルガノシロキサン(第2のポリオルガノシロキサン)を含む。
なお、この三次元網目構造のポリオルガノシロキサンは、前記した1官能型シロキサン単位(M1単位)(ただし、ケイ素に結合する3個の有機基は、独立して、(メタ)アクリロキシアルキル基を除く非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。)および/または2官能型シロキサン単位(D1単位)(ただし、ケイ素に結合する2個の有機基は、独立して、(メタ)アクリロキシアルキル基を除く非置換の一価炭化水素基、もしくは水素原子の一部がハロゲン原子またはシアノアルキル基で置換された一価炭化水素基である。)を有することができる。
実施形態の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、(B1)成分である縮合反応硬化触媒は、(A1)成分と(A2)成分からなる(A)ポリオルガノシロキサン混合物のアルコキシ基同士、および/または(A)成分のアルコキシ基と後述する(C)架橋剤のアルコキシ基とを、水分の存在下に反応させて架橋構造を形成させるための硬化触媒である。
すなわち、鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、亜鉛オクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエート等のカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトン)チタン、ジブトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジメトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン等の有機チタン化合物;テトラプロポキシシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラ(アセチル酢酸)ジルコニウム、トリブトキシ(アセチル酢酸)ジルコニウム、ジブトキシ−ビス(アセト酢酸エチル)ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、トリブトキシステアリン酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、ジイソプロポキシ−モノセカンダリーブトキシアルミニウム、トリセカンダリーブトキシアルミニウム、ジイソプロポキシ−アセト酢酸エチルアルミニウム、トリス(アセト酢酸エチル)アルミニウム、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマー、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、アルミニウムオキサイドステアレートトリマーのような環状オリゴマーのアルミニウム化合物が例示される。
これらの有機金属化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B2)紫外線硬化触媒である光反応開始剤は、(A1)成分の有する(メタ)アクリロキシ基、および(A2)成分と後述する(C)架橋剤が(メタ)アクリロキシ基を有する場合はさらにこれらの成分の(メタ)アクリロキシ基の不飽和結合を、紫外線照射によりラジカル反応させて架橋させる際に、ラジカル反応開始剤や増感剤として機能する成分である。
光反応開始剤は、単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
実施形態の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、(C)式:R1 cSi(OR2)4−c…(c1)で表されるシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物を含有することができる。シラン化合物(c1)は、前記(A)成分であるベースポリマーの架橋剤として働く。
[D]単位…………(CH3)2SiO2/2
[Dmac]単位………(CH3)(CH2=CH−C(O)−O−(CH2)3)SiO2/2
[T]単位…………(CH3)SiO3/2
[Tac]単位…………CH2=CH−C(O)−O−(CH2)3SiO3/2
[Tmac]単位…………CH2=C(CH3)−C(O)−O−(CH2)3SiO3/2
[D12]単位…………[(CH3)2SiO2/2]12
[D30]単位…………[(CH3)2SiO2/2]30
[D60]単位…………[(CH3)2SiO2/2]60
[MOM]単位…………(CH3)(CH3O)2SiO1/2
[Mac単位]…………
Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)CH=CH2]O1/2
[Mmac単位]…………
Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)C(CH3)=CH2]O1/2
[MD12]単位…………
(CH3O)(CH3)SiO−[(CH3)2SiO2/2]12−Si(OCH3)2(CH3)
[M(ac)(D12)]単位…………
(CH3O)[CH2=CHC(O)−O−(CH2)3]SiO−[(CH3)2SiO2/2]12−Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)CH=CH2]
[M(ac)(D30)]単位…………
(CH3O)[CH2=CHC(O)−O−(CH2)3]SiO−[(CH3)2SiO2/2]30−Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)CH=CH2]
[M(ac)(D60)]単位…………
(CH3O)[CH2=CHC(O)−O−(CH2)3]SiO−[(CH3)2SiO2/2]60−Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)CH=CH2]
[M(mac)(D12)]単位…………
(CH3O)[CH2=C(CH3)C(O)−O−(CH2)3]SiO−[(CH3)2SiO2/2]12−Si(OCH3)2[(CH2)3−O−C(O)C(CH3)=CH2]
5Lのセパラブルフラスコに、トルエン1410gとメタノール135gを仕込み、撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン40g、メチルトリクロロシラン1600gの混合物を添加した。そして、マントルヒーターを用いて、フラスコ内の温度を35℃まで昇温させた後、市水510gをフラスコ内に滴下した。滴下終了後の液温は60℃まで昇温した。2時間、加熱還流を継続した後、市水510gをさらに加えて分液を行い、上層の水・メタノール・HCLの層を廃棄した。
これらのデータから、ポリオルガノシロキサン(A1−1)は、平均単位式:[T]78.4[Mmac]9.9を有すると推定される。
合成例1で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン155gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−2)を得た。
なお、「合成例1で得られた」は、「合成例1と同様の操作を行って得られた」という意味である。以下、「合成例xと同様の操作を行って得られた」ことを、「合成例xで得られた」と示す。
得られたポリオルガノシロキサン(A1−2)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:7230
平均単位式:[T]78.4[Mac]9.78
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン1408gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。次いで、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、メチルトリメトキシシラン45gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−3)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−3)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:6910
平均単位式:[Tac]37.7[MOM]4.59
1Lのセパラブルフラスコに、合成例1で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン(A1−1a)210gを仕込み、末端にシラノール基を含有する直鎖状ポリジメチルシロキサンであるα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)90gとアクリロキシプロピルトリメトキシシラン165gを加え、室温で5分間撹拌を行った後、撹拌しながらジイソブチルアミン2.1gを添加して室温で5分間撹拌を行い、次いでギ酸0.76gを添加して室温で5分間撹拌を行った後、フラスコ内の温度を80℃まで昇温させ、30分間加熱撹拌を行った。
Mw:8220
平均単位式:[T]111.2[M(ac)(D12)]0.579
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1492gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
次いで、得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)90gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン165gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−5)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−5)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:6890
平均単位式:[Tmac]32.29[M(mac)(D12)]1.004
メチルトリメトキシシラン1053g、メチルトリクロロシラン40g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン497gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
Mw:7900
平均単位式:[T]53.28[Tmac]13.32[MD12]1.085
出発物質であるメチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシランおよびメタクリロキシプロピルトリメトキシシランの仕込み量と、末端シラノール基含有三次元網目構造のポリオルガノシロキサンと反応させるα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)およびメチルトリメトキシシランの量を変えて、合成例6と同様な操作を行い、ポリオルガノシロキサン(A1−7)および(A1−8)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−7)および(A1−8)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
(A1−7)
Mw:6450
平均単位式:[T]50.81[Tmac]12.7[MD12]0.859
(A1−8)
Mw:6770
平均単位式:[T]44.46[Tmac]19.05[MD12]1.148
メチルトリメトキシシラン850g、メチルトリクロロシラン40g、ジメチルジメトキシシラン240g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン373gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
Mw:5780
平均単位式:[T]36.62[Tmac]8.45[D]11.27[MD12]0.886
メチルトリメトキシシラン850g、メチルトリクロロシラン40g、ジメチルジメトキシシラン240g、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン350gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
Mw:5530
平均単位式:[T]35.51[Tac]10.297[D]10.927[MD12]0.895
合成例10で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)90gとアクリロキシプロピルトリメトキシシラン155gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−11)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−11)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:5790
平均単位式:[T]35.51[Tac]10.297[D]10.927[M(ac)(D12)]0.948
メチルトリメトキシシラン1053g、メチルトリクロロシラン40g、ジメチルジメトキシシラン120g、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン230gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
Mw:6370
平均単位式:[T]55.08[Dmac]6.88[D]6.88[M(mac)(D12)]0.669
出発物質の仕込み量と、末端シラノール基含有三次元網目構造のポリオルガノシロキサンと反応させるα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)およびメタクリロキシプロピルトリメトキシシランの量を変えて合成例12と同様な操作を行い、ポリオルガノシロキサン(A1−13)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−13)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:6220
平均単位式:[T]53.5[Dmac]6.69[D]6.69[M(mac)(D12)]0.751
出発物質の仕込み量と、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)の配合量を変えて合成例10と同様な操作を行い、ポリオルガノシロキサン(A1−14)〜(A1−16)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−14)〜(A1−16)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
(A1−14)
Mw:5480
平均単位式:[T]31.3[Tac]8.54[D]17.07[MD12]0.931
(A1−15)
Mw:5920
平均単位式:[T]31.3[Tac]8.54[D]17.07[MD12]1.105
(A1−16)
Mw:5230
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[MD12]0.813
メチルトリメトキシシラン917g、メチルトリクロロシラン40g、ジメチルジメトキシシラン360g、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン350gを、合成例1と同様に加水分解、縮合させて、末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサンを合成した。
Mw:6400
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[MD30]0.64
合成例17で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4660)450gとメチルトリメトキシシラン90gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−18)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−18)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:7120
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[MD60]0.603
合成例17で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D12)(Mw:917)90gとアクリロキシプロピルトリメトキシシラン155gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−19)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−19)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:5630
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[M(ac)(D12)]0.998
合成例17で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D30)(Mw:2430)233gとアクリロキシプロピルトリメトキシシラン155gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−20)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−20)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:6630
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[M(ac)(D30)]0.67
合成例17で得られた末端にシラノール基を有する三次元網目構造のポリオルガノシロキサン210gに、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(D60)(Mw:4660)450gとアクリロキシプロピルトリメトキシシラン155gを加え、合成例1と同様に反応させてポリオルガノシロキサン(A1−21)を得た。得られたポリオルガノシロキサン(A1−21)のMwおよび平均単位式を以下に示す。
Mw:7410
平均単位式:[T]28.4[Tac]7.75[D]15.5[M(ac)(D60)]0.64
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(A1−1)85.7部に、(A2−1)分子鎖両末端がメタクシリロプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度10mPa・s)7.15部、(A2−2)分子鎖両末端がメタクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度100mPa・s)7.15部、(C−2)メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部、(B1)ジイソプロポキシ−ビス(エチルアセチルアセテート)チタン2部、1,3,5−トリス(N−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート0.2部、(B2−1)IRUGACURE 819 0.1部、(B2−2)IRUGACURE 184 0.4部をそれぞれ配合し、湿気遮断下の暗所で均一に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
表1に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
表2に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
表3に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様に混合してポリオルガノシロキサン組成物を得た。
(A2)成分
(A2−1)分子鎖両末端がメタクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度10mPa・s)
(A2−2)分子鎖両末端がメタクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度100mPa・s)
(A2−3)分子鎖両末端がメタクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度800mPa・s)
(A2−4)分子鎖両末端がアクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度15mPa・s)
(A2−5)分子鎖両末端がアクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度110mPa・s)
(A2−6)分子鎖両末端がアクリロキシプロピルジメトキシシリル基で封鎖された直鎖状のポリジメチルシロキサン(粘度1000mPa・s)
(B1)成分
(B1)ジイソプロポキシ−ビス(エチルアセチルアセテート)チタン
(B2)成分
(B2−1)IRUGACURE 819
(B2−2)IRUGACURE 184
(C)成分
(C−1)メチルトリメトキシシラン
(C−2)メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(C−3)アククリロキシプロピルトリメトキシシラン
(C−4)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン部分加水分解縮合物(粘度23mPa・s)
上記ポリオルガノシロキサン組成物の粘度を、JIS K6249に拠り測定した。回転粘度計(芝浦セムテック株式会社製、製品名:ビスメトロンVDA−2)を使用し、回転速度30rpm、回転子No.2で測定を行った。
上記ポリオルガノシロキサン組成物のタックフリータイムを、JIS K6249に拠り測定した。試料を泡が入らないように3mmの厚さでアルミシャーレに平らに入れた後、エチルアルコールで洗浄した指先で表面に軽く触れた。試料が指先に付着しなくなる時間を、タックフリータイム(分)とした。
<UV硬化+湿気硬化の硬度>
上記ポリオルガノシロキサン組成物の硬度を、JIS K6249に拠り、以下に示すようにして測定した。すなわち、ポリオルガノシロキサン組成物を厚さ2mmのシート状に成形した後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、製品名:メタルハライドUVL−4001M)により紫外線を照射(照射量:5000mJ/cm2)した後、23℃、50%RHで3日間放置して硬化させた。こうして得られた硬化シートを3枚重ね、デュロメータ(TYPE A)とマイクロ硬度計(高分子計器株式会社製、製品名:M250)によりそれぞれ硬度を測定した。
上記ポリオルガノシロキサン組成物を厚さ2mmのシート状に成形した後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、製品名:メタルハライドUVL−4001M)による紫外線照射(照射量:5000mJ/cm2)で硬化させた。こうして得られた硬化シートを3枚重ね、デュロメータ(TYPE A)とマイクロ硬度計によりそれぞれ硬度を測定した。
また、UV硬化後のシートの表面状態(タック、ヌメリの有無など)を調べた。指先で表面に軽く触れ、タックがないものを「OK」とした。
上記ポリオルガノシロキサン組成物の硬度を厚さ2mmのシート状に成形した後、暗所において23℃、50%RHの条件で7日間放置して硬化させた。こうして得られた硬化シートを3枚重ね、デュロメータ(TYPE A)とマイクロ硬度計によりそれぞれ硬度を測定した。
UV硬化次いで湿気硬化を行った後の試料を、150℃雰囲気で500時間放置後、および85℃、85%RH雰囲気で500時間放置後の硬さを、それぞれマイクロ硬度計により測定した。
上記ポリオルガノシロキサン組成物を、JIS Z3197(ISO9455)で規定されたくし形電極基板(銅電極、パターン幅0.316mm)上に100μmの厚さで塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射した後、23℃、50%RHで3日間放置して、塗膜を硬化させた。次いで、形成された硬化被膜に対して、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆硬度試験を行い、耐スクラッチ性を評価した。鉛筆硬度試験では、2Bおよび4Bの鉛筆を用い、750g荷重で線を引き、硬化被膜のその後の状態を目視し、硬化被膜のめくれがない場合に、「OK」と評価した。
ガラスエポキシからなる基材の表面に、上記ポリオルガノシロキサン組成物を長さ50mm、幅10mmで厚さが1mmになるように塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射した後、23℃、50%RHで3日間放置して硬化させた。こうして形成された硬化物に対して、初期および、(1)150℃で500時間放置、(2)85℃、85%RHで500時間放置、(3)−40℃〜150℃の熱サイクルを100サイクル印加、および(4)−40℃〜150℃の熱サイクルを200サイクル印加、の4つの条件をかけた後、基材表面から硬化物を金属ヘラで掻き取り、このときの硬化物の剥離の状態を調べた。そして、以下の基準で接着耐久性を評価した。
OK:基材との界面から硬化物を剥離することができず、硬化物が破壊する。
NG:基材との界面から硬化物の一部が剥離する。
クラック:基材との界面から硬化物の一部が剥離し、硬化物の一部に亀裂やクラックが生じる。
すなわち、実施例1〜21で得られたポリオルガノシロキサン組成物は、均一で薄膜塗布に適した粘度を有しているうえに、硬度(TYPE Aおよびマイクロ硬度)が高く、耐スクラッチ性が良好な硬化被膜を形成する。また、実施例1〜21のポリオルガノシロキサン組成物を用いて得られた硬化被膜は、各条件をかけた後の接着性および外観の観察においても、クラックや亀裂、膨れ、剥離等が観察されず、接着耐久性が良好である。
Claims (7)
- ケイ素原子に結合する1個以上の(メタ)アクリロキシアルキル基と2個以上のアルコキシ基を有し、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000である(A1)三次元網目構造のアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサン20〜95質量部と、
(A2)ケイ素原子に結合するアルコキシ基および/または(メタ)アクリロキシアルキル基を有し、23℃における粘度が3〜500mPa・sのポリオルガノシロキサン80〜5質量部
を含む(A)ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対して、
(B1)縮合反応硬化触媒0.0001〜20質量部と、
(B2)紫外線硬化触媒である光反応開始剤0.001〜10質量部
を含有することを特徴とする硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。 - 前記(B1)縮合反応硬化触媒は、有機チタン化合物であることを特徴とする請求項1記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 前記(B2)光反応開始剤は、アルキルフェノン系化合物および/またはアシルフォスフィンオキサイド化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- さらに、(C)式:R1 cSi(OR2)4−c
(R1は、独立して、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、炭素数6〜12個のアリール基、または(メタ)アクリロキシアルキル基であり、R2は、独立して、炭素数1〜6個のアルキル基であり、cは0、1または2である。)で表されるシラン化合物、および/またはその部分加水分解縮合物0.1〜15質量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。 - 前記シラン化合物は、2個以上のアルコキシ基と、1個以上の(メタ)アクリロキシアルキル基を有することを特徴とする請求項4記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 電気・電子機器の電極および/または配線のコーティング用組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 電極および/または配線の表面に、請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物からなる被膜を有することを特徴とする電気・電子機器。
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