JPH0695605A - 面発光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積照明用として好適であって、立体形状
等に自由に形成でき、しかもメンテナンスが容易で、か
つ消費エネルギーも少なくてすむ。 【構成】 所定長の可視光を出射する光源１と、コア２
１とこのコア２１よりも屈折率が小さく、かつ、柔軟性
を有しそのコア２１を封入した筒状のクラッド２２とか
らなり、光源１からの光を伝送する光伝送ホース２とを
備えている。さらに、平面状若しくは曲面状に形成さ
れ、光伝送ホース２により供給される光源１からの光を
出射・発光する平面状若しくは曲面状の発光面を有する
発光部材３を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、広告塔，看板等にお
けるネオンサインとして使用したり、天井や壁面等のイ
ルミネーションとして使用するのに好適な平面発光装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、街中のビルの壁面や屋上等に
は、宣伝広告用のネオンサインが各所に設けられてお
り、夜間明るく点灯して宣伝効果を高めることができる
ようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このネオン
サインに使用する照明器具は、通常一般に各色の放電管
や各色の電球が使用されており、照明しようとする文字
や図柄の形や大きさ等に応じて多数のものが使用されて
いる。そのため、このような照明器具では使用中の電力
消費も大きい。特に、このような照明器具にあっては、
専らライン状若しくは点灯の照明であるので、二次元的
に照明させようとすると、より多くの照明器具を必要と
し、消費電力の大幅な増大を招く欠点がある。そこで、
この発明は、上記した従来の欠点に鑑み、大面積照明用
として好適であって、立体形状等に発光形状を形成する
ことができると共に消費電力が少なくてすみ、しかもメ
ンテナンスが容易な面発光装置を提供することを目的と
するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、広告
塔，看板，天井，壁面等の平面部分若しくは曲面部分を
二次元的に発光させる面発光装置であって、所定長の可
視光を出射する光源と、粘性液体状、固形状或はゲル状
のコアとこのコアよりも屈折率が小さく、かつ、柔軟性
を有しそのコアを封入した筒状のクラッドとからなり、
前記光源からの光を伝送する光伝送ホースと、平面状若
しくは曲面状に形成され、前記光伝送ホースにより供給
される光源からの光を出射・発光する平面状若しくは曲
面状の発光面を有する発光部材とを備えたものである。

【０００５】

【作用】この発明では、光伝送ホースを介して供給され
る光源からの光を、平面状若しくは曲面状の発光面、さ
らには大面積の領域で出射・発光させることができ、大
面積の照明であっても、１個の光源で作動させることが
可能である。

【０００６】

【実施例】以下この発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図１はこの発明の第１実施例に係
る面発光装置を示すものであり、この面発光装置は、光
源１と、光伝送ホース２と、発光部材３とから構成され
ており、ビル４の屋上に立てた広告塔として使用されて
いる。光源１は、所定波長の光、特に広告・宣伝効果の
高い特定の色（波長）の光を出射するようになってお
り、この実施例では高光度の白色光を出射するランプ１
１が使用されている。そして、このランプ１１は、図２
に示すように、凹面鏡１２の焦点位置に設けられてお
り、この凹面鏡１２で反射後の光は平行となって集光レ
ンズ１３に入射したのち、光伝送ホース２の入射端面２
Ａに向けて集光されるようになっている。また、この集
光レンズ１３透過後の光は、円板状を有し複数の色に分
割されたフィルタ１４によって各色の色に変化して光伝
送ホース２へ供給されるようになっている。なお、この
実施例では色フィルタを用いて色の変更・調節を行って
いるが、特にこれに限定せず、ランプ自体が着色されて
いてもよい。

【０００７】光伝送ホース２は、図３に示すように、粘
性液体状からなるコア２１を柔軟性のあるパイプ状に加
工された高分子クラッド２２内に充填し、クラッド２２
の両端は透明な窓２３で封じられる。コア２１の屈折率
よりも低い屈折率を有するクラッド２２を用いることに
より両者の界面で光の全反射を起こし、図３に示すよう
にこの全反射の繰り返しにより一端より入射した光を他
端まで伝えるようになっている。コア２１としては、ポ
リエチレンオキサイド，ポリプロピレンオキサイド，グ
リセリン等のポリオール類、ポリオールエステル類，ポ
リオールエーテル類，クロロエチルホスフェート，ジク
ロロプロピルホスフェート等の燐酸エステル類，流動パ
ラフィン，フッ素油，シリコンオイル，ポリイソブチレ
ン，ポリシロキサン変性ポリエーテル，無機塩の水溶
液，ポリマーを適当な溶媒で希釈したポリマー溶液等が
使用される。ここで、中空管状のクラッド２２を形成す
る材料としては、プラスチックやエラストマーなどのよ
うに可撓性を有し、チューブ状に成形可能で、屈折率の
低い材料を用いることが好ましい。

【０００８】その具体例としては、ポリエチレン，ポリ
プロピレン，ポリアミド，ポリスチレン，ＡＢＳ，ポリ
メチルメタクリレート，ポリカーボネート，ポリ塩化ビ
ニル，ポリ塩化ビニリデン，ポリ酢酸ビニル，ポリエチ
レン−酢酸ビニル共重合体，ポリビニルアルコール，ポ
リエチレン−ポリビニルアルコール共重合体，フッ素樹
脂，シリコン樹脂，天然ゴム，ポリイソプレンゴム，ポ
リブタジエンゴム，スチレン−ブタジエン共重合体，ブ
チルゴム，ハロゲン化ブチルゴム，クロロプレンゴム，
アルリルゴム，ＥＰＤＭ，アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体，フッ素ゴム，シリコンゴムなどが挙げられ
る。この中でも屈折率が低いシリコーン系ポリマーやフ
ッ素系ポリマーが特に好ましく、具体的にはポリジメチ
ルシロキサンポリマー，ポリメチルフェニルシロキサン
ポリマー，フルオロシリコーンポリマー等のシリコーン
系ポリマー，ポリテトラフルオロチレン（ＰＴＦＤ），
四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体（ＦＥ
Ｐ），四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレ
ン共重合体（ＰＦＥ），ポリクロルトリフルオロエチレ
ン（ＰＣＴＦＥ），四フッ化エチレン−エチレン共重合
体（ＥＴＦＥ），ポリビニリデンフルオライド，ポリビ
ニルフルオライド，フッ化ビニリデン−三フッ化塩化エ
チレン共重合体，フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレ
ン共重合体，フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−
四フッ化エチレン三元共重合体，四フッ化エチレンプロ
ピレンゴム，フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げ
られる。これらの材料は単独又は２種以上をブレンドし
て用いることもでき、単管又は多重管として用いること
もできる。さらに、コア液に接する内面のみをコーティ
ング又は二重押し出し等の方法により平滑処理などの処
理を行なうこともできる。

【０００９】また、図３に示すように遮光の目的でクラ
ッド２２の外周に不透明な外皮２４を被覆することもで
きる。透明な窓２３としては、クラウンガラス，石英，
フリントガラス，カルコゲナイト系ガラス，サファイ
ヤ，水晶，ポリカーボネイト，メタクリル樹脂，ポリス
チレン樹脂等が使用できる。なお、コア２１としては、
粘性液体状のものに限らず、固体状あるいはゲル状のも
のを用いることもできる。例えばプラスチック，サーモ
エラストマー等の固体状のものやエポキシ樹脂，液状シ
リコン，ポリウレタン，液状ポリブタジエン等の硬化性
液状物をクラッド２２に充填し、硬化させたゲル状のも
のであってもよい。なお、この実施例に使用するコアや
クラッドとしては、特に伝送しようとする波長の光の吸
収率が少ないものも使用するのが好ましい。

【００１０】発光部材３は、広告塔として使用する看板
５に取付けられており、この実施例ではアルファベット
の文字“Ｓ”に対応する形状に形成されている。即ち、
この実施例の発光部材３は、図４に示すように、光伝送
ホース２のクラッド２２と同一の材料で形成された内周
面３２Ａに微細な凹凸を形成し、このクラッド３２より
も高屈折率の透明材料で形成されたコア３１とから構成
されている。そしてこの発光部材３は、光伝送ホース２
から供給される各色の光が、コア３１内を進行し、その
光の一部が内周面３２Ａで一部全反射をおこさずにクラ
ッド３２内を透過して外周面３２Ｂとから効率よく外部
へ出射するようになっている。

【００１１】また、例えば図５に示すように、発光手段
として、コア３１を粘性透明材料で形成すると共に、ク
ラッド３２内に高反射膜を塗布した球状の反射散乱体３
３をそのコア３１と共に混在させた発光部材３′でも可
能であり、この場合はさらに高輝度の高効率発光が可能
となる。またこれらの部材としては、透明なマトリック
ス中に、前記マトリックスと屈折率の異なる透明材料を
分散させ、光学的な不均質構造を形成してなる光散乱材
料を用いることもできる。またこの光散乱材料をロッド
状に形成して、発光部材とすることや平板状、その他任
意の形状に形成して発光させることもできる。即ち、例
えば、この図６に示すように、ビル４′の壁面に取付け
た看板５′に丸や三角等の各種形状の発光部材３Ｃ〜３
Ｆを取付けると共に、これらの間を夫々光伝送ホース２
で光学接続させた構成であってもよい。なお、この発光
部材としては、特にこの実施例のような屋上や外壁面に
取付けるばかりでなく、室内等の壁面や天井面に一部埋
め込んだ状態で取付けたものであってもよい。

【００１２】次に、この発明に係る他の実施例について
説明する。図７はこの発明の第２実施例に係る面発光装
置を示すものであり、この面発光装置は、光源１Ａ，１
Ｂと、光伝送ホース２Ａ，２Ｂと、発光部材３Ａ，３Ｂ
とから構成されており、広告塔として使用されている。
なお、図中符号６は塔柱を示すものである。光源１Ａ，
１Ｂは、夫々先の第１実施例と同様の構成となっている
が、その色の出射の際の組合せとしては、互いに他を引
立て合う色関係、例えば赤と緑のような補色関係の色を
常時出射するようになっている。なお、この実施例でも
色が変化するように構成したが、常時一定の色を出射す
るようにしてもよい。光伝送ホース２Ａ，２Ｂは、共に
第１実施例と同一のもので構成されているが、光伝送ホ
ース２Ｂは図７に示すように途中発光部材３Ａ内を貫通
するように設けられている。発光部材３Ａは、図８に示
すように球面形状の外周面を有すると共に内周面３２
Ａ′に微細な凹凸を設けたクラッド３２′と、このクラ
ッド３２′よりも高屈折率の透明材料で形成されたコア
３１′とから構成されている。発光部材３Ｂは、先の第
１実施例の発光部材３と同一構成のものをリング状に形
成したものである。

【００１３】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、光伝送ホースを介して供給される光源からの光
を、平面状若しくは曲面状の発光面、しかも大面積の領
域で出射・発光させることができ、たとえ大面積の照明
であっても、ある程度の光度があれば１個の光源で作動
させることが可能である。特に、この発明によれば、発
光させる広告・宣伝対象物として、例えば各種様々の立
体形状のものが自由に形成でき、つまり広告物として形
状に制約がなく斬新な形状のものが提供できるので、宣
伝広告として極めて大きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る第１実施例の面発光装置を示す
構成図。

【図２】この第１実施例の光源近傍を示す光路図。

【図３】第１実施例の光伝送ホースを示す概略断面図。

【図４】第１実施例の発光部材を示す断面図。

【図５】同発光部材の変形例を示す断面図。

【図６】第１実施例の面発光装置の変形例を示す構成
図。

【図７】第２実施例の面発光装置を示す構成図。

【図８】第２実施例の発光部材を示す構成図。

【符号の説明】

１，１Ａ，１Ｂ 光源 ２，２Ａ，２Ｂ 光伝送ホース ３，３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄ，３Ｅ，３Ｆ 発光部材 ２１ コア ２２ クラッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｆ２１Ｖ 8/00 Ｃ 6908−3Ｋ (72)発明者 青木 孝雄 神奈川県横浜市栄区犬山町42−２ (72)発明者 小山 清 神奈川県鎌倉市山の内729

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 広告塔，看板，天井，壁面等の平面部分
   若しくは曲面部分を二次元的に発光させる面発光装置で
   あって、 所定長の可視光を出射する光源と、 粘性液体状、固形状或はゲル状のコアとこのコアよりも
   屈折率が小さく、かつ、柔軟性を有しそのコアを封入し
   た筒状のクラッドとからなり、前記光源からの光を伝送
   する光伝送ホースと、 平面状若しくは曲面状に形成され、前記光伝送ホースに
   より供給される光源からの光を出射・発光する平面状若
   しくは曲面状の発光面を有する発光部材とを備えたこと
   を特徴とする面発光装置。