JPH0695426B2 - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は光学的情報記録再生装置に関し、特に光学的情
報記録媒体の装着状態の判定が可能な光学的情報記録再
生装置に関する。本発明はたとえば光学的情報記録媒体
としてカード状のものを用いる光学的情報記録再生装置
に好適に適用される。

［従来の技術及びその問題点］ 従来、光を用いて情報を記録し、また記録されている情
報を読み出す媒体の形態としてディスク状、カード状、
テープ状等の各種のものが知られている。これら光学的
情報記録媒体には記録及び再生の可能なものや再生のみ
可能なもの等がある。

記録媒体への情報の記録は、記録情報に従って変調され
微小スポット状に絞られた光ビームで情報トラックを走
査することにより行なわれ、光学的に検出可能な情報ビ
ット列として情報が記録される。

また、記録媒体からの情報の再生は、該媒体に記録が行
なわれない程度の一定のパワーの光ビームスポットで情
報トラックの情報ビット列を走査し、該媒体からの反射
光または透過光を検出することにより行われる。

以上の様な記録媒体への光ビームスポット照射及び該媒
体からの反射光または透過光の検出のため、いわゆる光
ヘッドが用いられる。該光ヘッドは記録媒体に対しその
情報トラック方向及び該方向を横切る方向に相対的に移
動可能とされており、この相対的移動により光ビームス
ポットの情報トラック走査が行なわれる。

以上の様な光学的情報記録媒体のうちでカード状の光学
的情報記録媒体（以下「光カード」と称する）は小型軽
量で持ち運びに便利な比較的大容量の情報記録媒体とし
て大きな需要が見込まれている。

第６図（ａ）は上記光カードの一例を示す模式的平面図
であり、第６図（ｂ）はそのＢ−Ｂ部分断面図である。

これらの図においては、１は光カードを示し、該光カー
ドの表面は大別して情報記録領域31と該領域以外の余白
領域32とからなる。該余白領域には使用者が光カードの
種別、用途等を目視で判定できる様に適宜のロゴ33を付
することができる。情報記録領域31にはオートトラッキ
ングのためにプリフォーマットされたトラッキング用ト
ラック34が複数本平行に配列されている。隣接するトラ
ッキング用トラック間が情報の記録される情報トラック
35とされている。

第６図（ｂ）に示される様に、光カード１は複数の層か
らなる。36は透明保護層であり、37は記録層である。該
記録層はたとえば銀塩系、染料系、あるいはカルコゲン
系等のものである。また、上記透明保護層36と記録層37
との境界は段差状とされており、これにより上記トラッ
キング用トラック34と情報トラック35とが形成されてい
る。39は基板であり、該基板と記録層37とが接着剤層38
により接合されている。

第７図は以上の様な光カードに情報を記録し及び／また
は該光カードに記録されている情報を再生するための装
置の構成を示すブロック図である。

第７図において、１は光カードであり、該光カードはＢ
方向に垂直となる姿勢でシャトル５に載置固定されてい
る。光カード１は上記トラッキング用トラック及び情報
トラックがＡ方向を向く様に装着されている。

22,23はプーリーであり、これらプーリー間にはベルト2
4が巻回されており、該ベルトに上記シャトル５が固定
されている。プーリー22は駆動モーター26のシャフトに
取付けられており、該モータの正回転または逆回転によ
りベルト24が走行せしめられ、かくして上記シャトル５
がＡ方向に往復移動可能である。

一方、３は光ヘッドであり、該ヘッド内には、光源たる
半導体レーザー８、コリメーターレンズ９、偏光ビーム
スプリッター10、1/4波長板30、対物レンズ11、光セン
サー12が内蔵されている。光ヘッド３はステッピングモ
ーター21によりＣ方向（紙面垂直方向）に間欠的に移動
可能である。

レーザー８からの光はコリメーターレンズ９を通り、次
いで偏光ビームスプリッター10及び1/4波長板30を通
り、対物レンズ11により光ビーム４として集束され、光
カード１上に微小スポットを形成する。該光ビームの光
カード１による反射光は対物レンズ11を通り、次いで1/
4波長板11を通り、更に偏光ビームスプリッター10によ
り今度は反射せしめられ、光センサー12に到達する。

上記光センサー12の出力はプリンアンプ13に入力され、
ここで得られたフォーカシングずれ信号及びトラッキン
グずれ信号はそれぞれオートフォーカシングサーボ手段
14及びオートトラッキングサーボ手段15に入力され、こ
れらサーボ手段からは不図示の駆動機構に対し上記対物
レンズ11をそれぞれＢ方向及びＣ方向に移動させオート
フォーカシング及びオートトラッキングを行なう指令が
発せられる。

一方、上記プリアンプ13で得られた情報再生信号はデコ
ーダー16に入力され、該デコーダーの出力はインターフ
ェイス17を介してコンピューター18に入力される。

該コンピューター18からは上記レーザー８のための指令
信号が発せられ、該信号は上記インターフェイス17、エ
ンコーダー19、更にレーザードライバー20を経てレーザ
ー８に到達する。また、上記コンピューター18からは上
記ステッピングモーター21のための指令信号が発せら
れ、該信号は上記インターフェイス17を経てステッピン
グモーター21に到達する。更に、上記コンピューター18
からは上記駆動モーター26のための指令信号が発せら
れ、該信号はモーターサーボ手段27を経てモーター26に
到達する。

以上の様な記録再生装置において、光カード１への情報
記録または該光カード１の記録情報の再生は、半導体レ
ーザー８を作動させながら、光カード１をＡ方向に所定
のストロークで往復移動させつつ光ヘッド３を間欠的に
Ｃ方向に移動させることで行なわれる。

情報記録再生に際しては、光カード１は人手によりカー
ド挿入口からＡ方向に挿入され上記シャトル５に装着さ
れた上で、記録再生のための位置へと搬送される。

ところで、カード挿入口から挿入する光カード１の姿勢
にはいくつかの種類がある。即ち、正規の姿勢で挿入さ
れる場合の外に、逆向きに挿入される場合や裏返しに挿
入される場合がある。

逆向きや裏返しに誤挿入された場合には、光カード１の
透明保護層36の表面に傷を付ける可能性があり、特に情
報記録領域31において透明保護層に傷が付くと光ビーム
４の集光状態が乱され、その結果正常な情報の記録再生
を行なえなくなることがある。

そこで、正規の姿勢で光カードが挿入されたか否かを判
定することが必要となる。

従来の情報記録再生装置においては、光カードがシャト
ルの所定の位置に正規の姿勢で装着されたか否かを判定
するために、たとえば一隅部に小孔を有する光カードを
用い、該光カードの片面側から照明し他面側の所定の位
置に配置された光検出器に光入射があるか否かを検出す
ることが行なわている。しかし、この方式では光カード
として小孔を形成した特別の形状のものを用いねばなら
ないという難点がある。

［発明の背景］ 本出願人は、光カードを特別の形状とすることなしに光
カード装着状態を判定できるものとして、既に、光ヘッ
ド内から光カードに対し照明光束を投光し該光カードか
らの反射光を光検出器で検出し光カードの各部分での反
射率の差を利用して検出光量に基づき光カードの装着状
態を判定する光学的情報記録再生装置を提案している。
しかしながら、この装置では、たとえば上記第６図
（ａ）に示される情報記録領域31と余白領域32とで反射
率差が少ない光カードや表面と裏面とで反射率差が少な
い光カードを用いる場合には判定の信頼性が低下すると
いう難点がある。

また、本来使用されるべき種類の光カード以外の光カー
ドが記録再生装置に装着される場合もあるが、上記装着
姿勢の判定とともに、装着光カードが正規の光カードで
あるか否かをも判定することが望まれる。

そこで、本発明は、容易且つ確実に記録再生装置への情
報記録媒体の装着姿勢及び装着情報記録媒体の種類を含
む装着状態を判定することのできる光学的情報記録再生
装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとし
て、 複数の並列したトラックを有する情報記録媒体に対して
光学的に情報の記録及び／又は再生を行う光学的情報記
録再生装置において、 前記情報記録媒体に光束を照射する光束照射手段と、前
記情報記録媒体の前記トラックに前記光束が照射された
際に生ずる回折光を受光する受光手段と、前記受光手段
の出力を予め設定された所定レベルと比較して前記受光
手段の出力の前記所定レベルに対する大小関係を検出す
ると共に前記検出された大小関係に基づいて前記情報記
録媒体が前記装置に対して正規の姿勢で装着されている
か否か、或は、前記装置に装着された情報記録媒体が正
規の情報記録媒体であるか否かを判定する判定手段とを
備えることを特徴とする光学的情報記録再生装置、 が提供される。

［実施例］ 以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施例を説明
する。

第１図は本発明による光学的情報記録再生装置の一実施
例の一部を示す概略斜視図である。特に本図において
は、光束照射手段、受光手段、判定手段及び光カード搬
送機構周辺が示されている。本実施例は光学的情報記録
媒体として光カードを用いる例である。

光カード１をカード挿入口61の開口62から挿入すると、
センサー63が該光カードの進入を検知して、モーター64
がプーリー65を回転させる。光カード１を更に押し込む
と光カードの先端はローラー66と67との間に挟まれ、不
図示の案内手段により案内されてＡ方向に送られる。こ
の時、シャトル５は突起68が凹部69に係合する位置にあ
り、シャトル５の切欠き部70にローラ71,72が入り込ん
でいる。更にモーター64が回転すると、ローラー71,72
に押されてストッパ73に当たるまで光カード１はシャト
ル５内に挿入され、センサー63が光カード１の進入を検
知して一定時間後にモーター64は停止する。

74は光源及び集光レンズからなる投光部（光束照射手
段）であり、52は光センサー（受光手段）である。

第２図は判定手段の作用を説明するための模式的断面図
である。

第２図において、光カード１上記第６図に関し説明した
様に透明保護層36、記録層37、接着剤層38及び基板39か
らなり、トラッキング用トラック34及び情報トラック35
の形成されている情報記録領域31とそれ以外の余白領域
32とを有する。情報記録領域31は光カード１の中央Ｅ−
Ｅに関し片よって位置している。

第２図は光カード１が正規の指定で装着された状態を示
す。上記投光部74及び光センサー52は正規に装着された
光カード１の情報記録領域31の上方に位置する様に配置
されている。

この状態で、投光部74の光源（たとえばLED）74aから発
せられた光53は集光レンズ74bにより集光され、情報記
録領域31にてスポット（直径たとえば数mm）を形成す
る。該情報記録領域31は、トラッキング用トラック34と
情報トラック35とがそれぞれ略数μｍの幅及びピッチで
規則的に配列されているため、反射型回折格子として作
用する。従って、トラックピッチ及び両トラック間の段
差及び照明光の波長等により定まる特定の方向へと回折
光54が反射する。そこで、特定の種類の光カード１に対
し回折光54の到達する位置に光センサー52を配置するこ
とにより、投光部74で照明される部分が記録領域31であ
るか否かを判定できる。即ち、光センサー52の検出出力
56は比較判定回路（判定手段）57で予め設定されている
値と比較され、検出出力56が該設定値より高いので比較
判定回路57からは正規装着の信号58が出力される。

第３図は光カード１が逆向きの姿勢で装着された状態を
示す上記第２図と同様の図である。この場合には、投光
部74により照明される部分は余白領域32であるので、照
明光53は正反射され、光センサー52には光は到達しな
い。従って、この場合は光センサー52の検出出力56は実
質上０であり、比較判定回路57からは正規でない装着の
信号58′が出力される。

第４図は光カード１が裏返しの姿勢で装着された状態を
示す。この場合には、投光部74により照明される部分は
基板39であるので、照明光53は正反射され、光センサー
52には光は到達しない。従って、この場合は光センサー
52の検出出力56は実質上０であり、比較判定回路57から
は正規でない装着の信号58′が出力される。

従って、本実施例によれば、光カード１を情報記録再生
のための位置まで搬送する前に、たとえば光カード挿入
が検知された時から所定の時間経過後に上記比較判定回
路57からの出力に基づき容易且つ確実に光カード装着姿
勢の適否を判定することができる。

本実施例においては、トラックからの回折光の有無を光
センサー52で検出しているので正規の装着姿勢の場合と
正規でない装着姿勢の場合とで十分な光量差が得られ、
更に比較判定回路57で設定値との比較により２値化をは
かっているので、あいまいさなしに正確且つ有効な判定
を行なうことができる。そして、本実施例によれば、情
報記録領域31の反射率と余白領域32の反射率と基板39の
反射率とで差のない光カードであっても十分に装着姿勢
の判定が可能であるので、光カードのデザイン上の制約
を少なくできるという利点がある。

光カード１が正規姿勢で装着されたことが判定された場
合には、第１図において、ソレノイド75がレバー76を引
いてレバー77の凹部69とシャトル５の突起68との係合を
解く。同時に、または一定時間後にモーター78が回転し
てシャトル５を記録再生のための位置へと搬送し、その
後光ヘッド３により情報の記録再生が行なわれる。

一方、光カード１が正規の姿勢以外の不良姿勢で挿入さ
れたことが判定された場合には、モーター64を挿入時と
は逆向きに回転させてカードを挿入口61から排出する。
この時、カード挿入異常が発生したことを使用者に認識
させる目的で表示手段を用いて表示することも可能であ
る。

本実施例においては、第２図の様に正規の姿勢で装着さ
れた場合であっても、光カード１の記録層37や透明保護
層36が経時変化を生じて回折光54の強度が低下すること
がある。この場合には、比較回路57からは正規装着の信
号が得られない。この様に、光カード１が特性劣化を生
じた場合も、装着姿勢は正規であるが装着状態が不良と
判定されることになる。

第５図は本来使用されるべき光カードとトラッキング用
トラック34′及び情報トラック35′の配列ピッチ等のト
ラック性状が異なる光カード１′が正規の姿勢で装着さ
れた状態を示す上記第２図と同様の図である。この場合
には、投光部74により照明されるトラックによる回折光
54′の反射方向や強度は正視の光カードの場合とは異な
るので、光センサー52に到達する光量は正規の光カード
の場合よりも小さい。従って、この場合は光センサー52
の検出出力56は比較判定回路57で予め設定されている値
よりも小さく、正規でない装着の信号58″が出力され
る。

但し、本実施例において、上記比較判定回路57の設定値
を段階的に複数設けておき各設定値との比較を行なう
と、検出出力56が一部の設定値より大きく且つ他の一部
の設定値よりも小さくなる様にできるので、これにより
装着姿勢の不良ではなく挿入光カードの不適合であると
判定することができる。

以上の実施例では、投光部74が光源74aと集光レンズ74b
とからなる例が示されているが、該投光部は光源と集光
レンズとが一体化されたものであってもよい。更に、集
光レンズを省略することもできる。但し、この場合は反
射光がかなり発散するので、正反射光と回折光とが十分
に空間的に分離された位置に受光部を配置するのが好ま
しい。

［発明の効果］ 以上の様な本発明によれば、情報記録領域からの回折光
を適正に検出し得たか否かに基づき記録媒体の装着姿勢
や装着記録媒体の種類等の装着状態の判定を行なうの
で、良好且つ正確な判定が可能となる。更に、記録媒体
の反射率分布に制約がないので、可使用記録媒体の種類
を増加させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による光学的情報記録再生装置の一実施
例の一部を示す概略斜視図である。 第２図、第３図、第４図及び第５図は判定手段の作用を
説明するための模式的断面図である。 第６図（ａ）は光カードの一例を示す模式的平面図であ
り、第６図（ｂ）はそのＢ−Ｂ部分断面図である。 第７図は光カード情報記録再生装置の構成を示すブロッ
ク図である。 1:光カード、3:光ヘッド、 31:情報記録領域、 32:余白領域、 34:トラッキング用トラック、 35:情報トラック、 52:光センサー、74:投光部、 74a:光源、74b:集光レンズ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−273217ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−117331（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−7563（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−141648（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−99963（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−12925（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−178733（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の並列したトラックを有する情報記録
   媒体に対して光学的に情報の記録及び／又は再生を行う
   光学的情報記録再生装置において、 前記情報記録媒体に光束を照射する光束照射手段と、前
   記情報記録媒体の前記トラックに前記光束が照射された
   際に生ずる回折光を受光する受光手段と、前記受光手段
   の出力を予め設定された所定レベルと比較して前記受光
   手段の出力の前記所定レベルに対する大小関係を検出す
   ると共に前記検出された大小関係に基づいて前記情報記
   録媒体が前記装置に対して正規の姿勢で装着されている
   か否か、或は、前記装置に装着された情報記録媒体が正
   規の情報記録媒体であるか否かを判定する判定手段とを
   備えることを特徴とする光学的情報記録再生装置。