JPH0694888B2 - 流体封入式マウント装置 - Google Patents
流体封入式マウント装置Info
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- JPH0694888B2 JPH0694888B2 JP9548690A JP9548690A JPH0694888B2 JP H0694888 B2 JPH0694888 B2 JP H0694888B2 JP 9548690 A JP9548690 A JP 9548690A JP 9548690 A JP9548690 A JP 9548690A JP H0694888 B2 JPH0694888 B2 JP H0694888B2
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- Japan
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- orifice passage
- fluid
- vibration
- pressure receiving
- receiving chamber
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Description
【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、自動車用エンジンマウント等として好適に用
いられ得る、内部に封入された流体の流動に基づいて防
振効果を得るようにした流体封入式マウント装置に関す
るものである。
いられ得る、内部に封入された流体の流動に基づいて防
振効果を得るようにした流体封入式マウント装置に関す
るものである。
(背景技術) 振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら両部
材を防振連結するマウント装置には、通常、低周波振動
に対する高減衰特性と、高周波振動に対する低動ばね特
性とが要求されることとなり、例えば、自動車用エンジ
ンマウントにあっては、シェイク等に相当する10Hz前後
の低周波振動に対する高減衰特性と共に、アイドリング
振動等に相当する30Hz前後の高周波振動に対する低動ば
ね特性が要求される。
材を防振連結するマウント装置には、通常、低周波振動
に対する高減衰特性と、高周波振動に対する低動ばね特
性とが要求されることとなり、例えば、自動車用エンジ
ンマウントにあっては、シェイク等に相当する10Hz前後
の低周波振動に対する高減衰特性と共に、アイドリング
振動等に相当する30Hz前後の高周波振動に対する低動ば
ね特性が要求される。
そこで、近年、このような要求に対処すべく、特開昭57
−9340号公報等において、振動入力方向に所定距離を隔
てて配置された第1の取付金具と第二の取付金具とをゴ
ム弾性体にて連結せしめてなる装置の内部に、それぞれ
非圧縮性流体を収容せしめた二つの流体室(受圧室及び
平衡室)を、第二の取付金具にて支持された仕切部材を
狭んだ両側に形成すると共に、それらの流体室を相互に
連通せしめるオリフィス通路を設ける一方、それら両流
体室を仕切る仕切部材の内部に、両流体室内にそれぞれ
連通せしめられた収容空所を形成せしめて、該収容空所
内に可動板を所定距離だけ変位可能に収容配置せしめて
なる構造の、所謂流体封入式マウント装置が提案されて
いる。
−9340号公報等において、振動入力方向に所定距離を隔
てて配置された第1の取付金具と第二の取付金具とをゴ
ム弾性体にて連結せしめてなる装置の内部に、それぞれ
非圧縮性流体を収容せしめた二つの流体室(受圧室及び
平衡室)を、第二の取付金具にて支持された仕切部材を
狭んだ両側に形成すると共に、それらの流体室を相互に
連通せしめるオリフィス通路を設ける一方、それら両流
体室を仕切る仕切部材の内部に、両流体室内にそれぞれ
連通せしめられた収容空所を形成せしめて、該収容空所
内に可動板を所定距離だけ変位可能に収容配置せしめて
なる構造の、所謂流体封入式マウント装置が提案されて
いる。
すなわち、このような構造のマウント装置においては、
本来減衰効果が要求される低周波振動では、低動ばね効
果が要求される高周波振動よりも振幅が大きいことに注
目して考案されたものであって、シェイク等の低周波大
振幅振動の入力時には、前記可動板が収容空所の内面に
当接し、該収容空所内を流体室に連通せしめる通孔を塞
ぐことによって、オリフィス通路を通じて流動せしめら
れる流体に高減衰効果が有効に発揮され得る一方、アイ
ドリング振動等の高周波小振幅振動の入力時には、かか
る可動板の収容空所内における変位に基づいて受圧室内
の液圧変動が吸収、軽減されることによって、低動ばね
効果が発揮され得ることとなるのである。
本来減衰効果が要求される低周波振動では、低動ばね効
果が要求される高周波振動よりも振幅が大きいことに注
目して考案されたものであって、シェイク等の低周波大
振幅振動の入力時には、前記可動板が収容空所の内面に
当接し、該収容空所内を流体室に連通せしめる通孔を塞
ぐことによって、オリフィス通路を通じて流動せしめら
れる流体に高減衰効果が有効に発揮され得る一方、アイ
ドリング振動等の高周波小振幅振動の入力時には、かか
る可動板の収容空所内における変位に基づいて受圧室内
の液圧変動が吸収、軽減されることによって、低動ばね
効果が発揮され得ることとなるのである。
しかしながら、かかる構造の流体封入式マウント装置に
あっては、大振幅振動の入力時に、可動板が収容空所の
内面に当接することによって、その変位が規制されるこ
ととなるために、該可動板の収容空所内面に対する当接
に起因して打音乃至は振動が生じるという不具合を内在
していたのであり、そのために、例えば、自動車のエン
ジンマウントとして用いた場合に、イグニッションスイ
ッチのON/OFF時に生じるクランキングによる打音乃至は
振動の発生が、特に2000cc以上の高級車において、大き
な問題となっていたのである。
あっては、大振幅振動の入力時に、可動板が収容空所の
内面に当接することによって、その変位が規制されるこ
ととなるために、該可動板の収容空所内面に対する当接
に起因して打音乃至は振動が生じるという不具合を内在
していたのであり、そのために、例えば、自動車のエン
ジンマウントとして用いた場合に、イグニッションスイ
ッチのON/OFF時に生じるクランキングによる打音乃至は
振動の発生が、特に2000cc以上の高級車において、大き
な問題となっていたのである。
また、このような問題を解決すべく、実開昭64−14941
号公報には、前記収容空所の内面と前記可動板との当接
面間に弾性突起を設けて、該弾性突起によって、かかる
可動板を収容空所の内面に対して弾性的に支持せしめる
ことにより、可動板の収容空所内面に対する打ち当たり
を回避せしめて、打音等の発生を防止するようにした構
造のマウント装置が提案されている。
号公報には、前記収容空所の内面と前記可動板との当接
面間に弾性突起を設けて、該弾性突起によって、かかる
可動板を収容空所の内面に対して弾性的に支持せしめる
ことにより、可動板の収容空所内面に対する打ち当たり
を回避せしめて、打音等の発生を防止するようにした構
造のマウント装置が提案されている。
しかしながら、かかる構造のマウント装置について、本
願発明者らが検討を加えたところ、弾性突起によって可
動板を収容空所内に弾性的に支持せしめたことによっ
て、高周波小振幅振動の入力時における、該可動板の変
位に基づく受圧室内の液圧吸収効果(マウントの低動ば
ね効果)が充分に発揮され得なくなり、アイドリング振
動等に対する防振特性が低下してしまうという不具合を
内在していることが明らかとなったのである。
願発明者らが検討を加えたところ、弾性突起によって可
動板を収容空所内に弾性的に支持せしめたことによっ
て、高周波小振幅振動の入力時における、該可動板の変
位に基づく受圧室内の液圧吸収効果(マウントの低動ば
ね効果)が充分に発揮され得なくなり、アイドリング振
動等に対する防振特性が低下してしまうという不具合を
内在していることが明らかとなったのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
シェイク等の低周波振動に対する高減衰効果と、アイド
リング振動等の高周波振動に対する低動ばね効果とが、
何れも有効に発揮され得ると共に、クランキング等の大
振幅振動の入力時にも打音や振動が発生することのな
い、改良された流体封入式マウント装置を提供すること
にある。
為されたものであって、その解決課題とするところは、
シェイク等の低周波振動に対する高減衰効果と、アイド
リング振動等の高周波振動に対する低動ばね効果とが、
何れも有効に発揮され得ると共に、クランキング等の大
振幅振動の入力時にも打音や振動が発生することのな
い、改良された流体封入式マウント装置を提供すること
にある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本発明にあって
は、(a)振動入力方向に所定距離を隔てて配置せしめ
られた第一の取付金具および第二の取付金具と、(b)
該第一の取付金具と該第二の取付金具との間に介装され
て、それら両取付金具を連結せしめるゴム弾性体と、
(c)前記第二の取付金具にて支持されることにより、
振動入力方向に略直角な方向に広がって配された仕切部
材と、(d)該仕切部材に対して前記第一の取付金具側
に形成された、壁部の少なくとも一部が前記ゴム弾性体
にて構成されて振動入力時に内圧変動が惹起せしめられ
る、内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧室
と、(e)前記仕切部材に対して該受圧室とは反対側に
形成された、壁部の少なくとも一部が可撓性膜にて構成
されて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流
体が封入されてなる平衡室と、(f)前記仕切部材の内
部を、その外周縁部に沿って周方向に所定長さで延びる
ように形成された、前記受圧室と前記平衡室とを相互に
連通せしめる第一のオリフィス通路と、(g)前記仕切
部材の内部において、該第一のオリフィス通路に沿っ
て、その内周側を周方向に所定長さで延びるように形成
されて、前記受圧室と前記平衡室とを相互に連通せし
め、前記第一のオリフィス通路よりも断面積/長さの比
が大きい第二のオリフィス通路と、(h)該第二のオリ
フィス通路における前記受圧室側および前記平衡室側の
少なくとも何れか一方の側への連通路上に、該連通路を
仕切るように配されて、かかる第二のオリフィス通路を
通じての流体の流動を変形に基づいて許容し、且つ変形
量が自己的に規制されることにより、該第二のオリフィ
ス通路を通じての流体の流動量を制限する可撓性仕切板
とを、有する流体封入式マウント装置を、その特徴とす
るものである。
は、(a)振動入力方向に所定距離を隔てて配置せしめ
られた第一の取付金具および第二の取付金具と、(b)
該第一の取付金具と該第二の取付金具との間に介装され
て、それら両取付金具を連結せしめるゴム弾性体と、
(c)前記第二の取付金具にて支持されることにより、
振動入力方向に略直角な方向に広がって配された仕切部
材と、(d)該仕切部材に対して前記第一の取付金具側
に形成された、壁部の少なくとも一部が前記ゴム弾性体
にて構成されて振動入力時に内圧変動が惹起せしめられ
る、内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧室
と、(e)前記仕切部材に対して該受圧室とは反対側に
形成された、壁部の少なくとも一部が可撓性膜にて構成
されて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流
体が封入されてなる平衡室と、(f)前記仕切部材の内
部を、その外周縁部に沿って周方向に所定長さで延びる
ように形成された、前記受圧室と前記平衡室とを相互に
連通せしめる第一のオリフィス通路と、(g)前記仕切
部材の内部において、該第一のオリフィス通路に沿っ
て、その内周側を周方向に所定長さで延びるように形成
されて、前記受圧室と前記平衡室とを相互に連通せし
め、前記第一のオリフィス通路よりも断面積/長さの比
が大きい第二のオリフィス通路と、(h)該第二のオリ
フィス通路における前記受圧室側および前記平衡室側の
少なくとも何れか一方の側への連通路上に、該連通路を
仕切るように配されて、かかる第二のオリフィス通路を
通じての流体の流動を変形に基づいて許容し、且つ変形
量が自己的に規制されることにより、該第二のオリフィ
ス通路を通じての流体の流動量を制限する可撓性仕切板
とを、有する流体封入式マウント装置を、その特徴とす
るものである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図には、本発明を自動車用エンジンマウント
に対して適用したものの一具体例が示されている。かか
る図において、10および12は、それぞれ第一の取付金具
および第二の取付金具であって、振動入力方向(第1図
中、上下方向)に所定距離を隔てて配置されている。ま
た、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12との間
には、ゴム弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14
にて、それら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
が、互いに弾性的に連結せしめられている。そして、か
かるエンジンマウントにあっては、第一の取付金具10お
よび第二の取付家具12が、それそれエンジンユニツト側
および車体側の各一方に取り付けられることにより、か
かるエンジンユニットを車体に対して防振支持するよう
になっているのである。なお、そのような装着状態下、
かかるエンジンマウントにあっては、第6図に示されて
いるように、第一の取付金具10と第二の取付金具12との
間にエンジンユニット重量が及ぼされることによって、
それら両取付金具10、12が接近方向に所距離だけ変位せ
しめられることとなる。
に対して適用したものの一具体例が示されている。かか
る図において、10および12は、それぞれ第一の取付金具
および第二の取付金具であって、振動入力方向(第1図
中、上下方向)に所定距離を隔てて配置されている。ま
た、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12との間
には、ゴム弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14
にて、それら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
が、互いに弾性的に連結せしめられている。そして、か
かるエンジンマウントにあっては、第一の取付金具10お
よび第二の取付家具12が、それそれエンジンユニツト側
および車体側の各一方に取り付けられることにより、か
かるエンジンユニットを車体に対して防振支持するよう
になっているのである。なお、そのような装着状態下、
かかるエンジンマウントにあっては、第6図に示されて
いるように、第一の取付金具10と第二の取付金具12との
間にエンジンユニット重量が及ぼされることによって、
それら両取付金具10、12が接近方向に所距離だけ変位せ
しめられることとなる。
より詳細には、前記第一の取付金具10は、円形断面のロ
ッド形状を呈しており、その軸方向両端部において、径
方向外方に所定幅で突出する鍔部16、16を有している。
また、該第一の取付金具10には、軸方向両端部から軸方
向外方に、それぞれ所定長さで突出する第一及び第二の
取付ボルト18、20が、一体的に設けられていると共に、
該第一の取付ボルト18が形成された側には、円環板形状
の当接規制板22が、外挿固定されて、軸直角方向に広が
る状態で装置されている。そして、かかる第一の取付金
具10にあっては、第一の取付ボルト18によって、図示し
ない自動車のエンジンユニット側に対して取り付けられ
るようになっている。
ッド形状を呈しており、その軸方向両端部において、径
方向外方に所定幅で突出する鍔部16、16を有している。
また、該第一の取付金具10には、軸方向両端部から軸方
向外方に、それぞれ所定長さで突出する第一及び第二の
取付ボルト18、20が、一体的に設けられていると共に、
該第一の取付ボルト18が形成された側には、円環板形状
の当接規制板22が、外挿固定されて、軸直角方向に広が
る状態で装置されている。そして、かかる第一の取付金
具10にあっては、第一の取付ボルト18によって、図示し
ない自動車のエンジンユニット側に対して取り付けられ
るようになっている。
一方、第二の取付金具12は、軸方向一端側に外フランジ
部24を有する円筒状の第一の筒金具26と、軸方向一端側
にかしめ部26を有する円筒状の第二の筒金具30とによっ
て構成されており、該第一の筒金具26の外フランジ部24
に対して、第二の筒金具30のかしめ部28がかしめ固定さ
れることによって、一体的に組み付けられてなる構造と
されている。
部24を有する円筒状の第一の筒金具26と、軸方向一端側
にかしめ部26を有する円筒状の第二の筒金具30とによっ
て構成されており、該第一の筒金具26の外フランジ部24
に対して、第二の筒金具30のかしめ部28がかしめ固定さ
れることによって、一体的に組み付けられてなる構造と
されている。
また、かかる第二の取付金具12を構成する第一の筒金具
26には、その内孔を覆蓋するように、円板状の保護金具
32が圧入固定されていると共に、外フランジ部24が設け
られた側とは反対側の軸方向端部において、径方向外方
に延び出す取付部31が一体的に形成されており、該取付
部31において、図示しない自動車の車体側に取り付けら
れるようになっている。
26には、その内孔を覆蓋するように、円板状の保護金具
32が圧入固定されていると共に、外フランジ部24が設け
られた側とは反対側の軸方向端部において、径方向外方
に延び出す取付部31が一体的に形成されており、該取付
部31において、図示しない自動車の車体側に取り付けら
れるようになっている。
更にまた、かかる第二の取付金具12を構成する第二の筒
金具30には、かしめ部28が設けられた側とは反対側の軸
方向端部において、径方向内方に向かって延び出す当接
部34が、一体的に屈曲形成されている。
金具30には、かしめ部28が設けられた側とは反対側の軸
方向端部において、径方向内方に向かって延び出す当接
部34が、一体的に屈曲形成されている。
そして、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
は、該第一の取付金具10が、第二の取付ボルト20が設け
られた側において、第二の取付金具12内に対し、第二の
筒金具30側から所定寸法だれ入り込む状態で、同一軸心
上に配されている。また、そのような配置状態下におい
ては、第一の取付金具10に装着された当接規制板22が、
第二の取付金具12を構成する第二の筒金具30の当接部34
に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向せしめられて
いる。
は、該第一の取付金具10が、第二の取付ボルト20が設け
られた側において、第二の取付金具12内に対し、第二の
筒金具30側から所定寸法だれ入り込む状態で、同一軸心
上に配されている。また、そのような配置状態下におい
ては、第一の取付金具10に装着された当接規制板22が、
第二の取付金具12を構成する第二の筒金具30の当接部34
に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向せしめられて
いる。
さらに、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
の間に介装されて、それら両金具10、12を弾性的に連結
する前記ゴム弾性体14は、全体として略円環形状にて形
成されている。そして、その内周面が第一の取付金具10
に対して、またその外周面が第二の取付金具12を構成す
る第二の筒金具30に対して、それぞれ加硫接着されるこ
とにより、それら第一の取付金具10と第二の筒金具30と
を有する一体加硫成形品として構成されているのであ
る。
の間に介装されて、それら両金具10、12を弾性的に連結
する前記ゴム弾性体14は、全体として略円環形状にて形
成されている。そして、その内周面が第一の取付金具10
に対して、またその外周面が第二の取付金具12を構成す
る第二の筒金具30に対して、それぞれ加硫接着されるこ
とにより、それら第一の取付金具10と第二の筒金具30と
を有する一体加硫成形品として構成されているのであ
る。
また一方、前記第二の取付金具12の内部には、可撓性膜
としての薄肉円板形状を呈するダイヤフラム36が収容さ
れており、その外周縁部を、第一の筒金具26と第二の筒
金具30とのかしめ部位で挟持されることにより、保持せ
しめられている。そして、該ダイヤフラム36によって、
マウントの内部が、第一の取付金具10側に位置する密閉
された流体室と、それとは反対側に位置して、該ダイヤ
フラム36の変形を許容する空間とに仕切られているので
ある。
としての薄肉円板形状を呈するダイヤフラム36が収容さ
れており、その外周縁部を、第一の筒金具26と第二の筒
金具30とのかしめ部位で挟持されることにより、保持せ
しめられている。そして、該ダイヤフラム36によって、
マウントの内部が、第一の取付金具10側に位置する密閉
された流体室と、それとは反対側に位置して、該ダイヤ
フラム36の変形を許容する空間とに仕切られているので
ある。
そして、上記流体室の内部には、水やアルキレングリコ
ール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等の所
定の非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる流体
の封入は、例えば、第一の筒金具26の第二の筒金具30に
対するかしめ固定を、かかる流体中にて行なうこと等に
よって、有利に為され得ることとなる。
ール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等の所
定の非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる流体
の封入は、例えば、第一の筒金具26の第二の筒金具30に
対するかしめ固定を、かかる流体中にて行なうこと等に
よって、有利に為され得ることとなる。
さらに、かかる流体室中には、全体として略円盤形状を
呈する仕切部材38が、前記振動入力方向に対して略直角
な方向に広がる状態で、その外周縁部を、前記ダイヤフ
ラム36と共に、第一の筒金具26と第二の筒金具30とのか
しめ部位で挟持されることにより、配設せしめられてい
る。そして、それによって、かかる流体室内が、該仕切
部材38を挟んで両側に仕切られており、該仕切部材38に
対して第一の取付金具10側に位置し、振動入力時にゴム
弾性体14の変形に基づく内圧変動が惹起される受圧室40
と、ダイヤフラム36側に位置し、該ダイヤフラム36の変
形に基づいて容積変化が許容される平衡室42とが、それ
ぞれ形成されているのである。
呈する仕切部材38が、前記振動入力方向に対して略直角
な方向に広がる状態で、その外周縁部を、前記ダイヤフ
ラム36と共に、第一の筒金具26と第二の筒金具30とのか
しめ部位で挟持されることにより、配設せしめられてい
る。そして、それによって、かかる流体室内が、該仕切
部材38を挟んで両側に仕切られており、該仕切部材38に
対して第一の取付金具10側に位置し、振動入力時にゴム
弾性体14の変形に基づく内圧変動が惹起される受圧室40
と、ダイヤフラム36側に位置し、該ダイヤフラム36の変
形に基づいて容積変化が許容される平衡室42とが、それ
ぞれ形成されているのである。
また、かかる受圧室40の内部には、該受圧室40の内径よ
りも所定寸法小さな外径を有する略ハット形状の傘金具
44が、振動入力方向に対して略直角な方向に広がる状態
で、収容配直されており、第一の取付金具10に設けられ
た第二の取付ボルト20に対して固定的に取り付けられて
支持されている。そして、振動入力時に、該受圧室40内
を変位(振動)せしめられるようになっている。
りも所定寸法小さな外径を有する略ハット形状の傘金具
44が、振動入力方向に対して略直角な方向に広がる状態
で、収容配直されており、第一の取付金具10に設けられ
た第二の取付ボルト20に対して固定的に取り付けられて
支持されている。そして、振動入力時に、該受圧室40内
を変位(振動)せしめられるようになっている。
また一方、前記仕切部材38は、第2図乃至第4図に示さ
れているように、上側仕切板金具46、中央仕切板金具48
および下側仕切板金具50が、互いに重ね合わされて成る
構造とされている。より詳細には、上側仕切板金具46お
よび中央仕切板金具48にあっては、それぞれ中央部分に
有底円筒部52、54を有する略ハット形状をもって形成さ
れている一方、下側仕切板金具50にあっては、略円板形
状をもって形成されている。そして、上側仕切板金具46
の有底円筒部52内に中央仕切板金具48の有底円筒部54が
入り込み、更に該中央仕切板金具48における有底円部54
の開口を、下側仕切板金具50が覆蓋するようにして重ね
合わせている。
れているように、上側仕切板金具46、中央仕切板金具48
および下側仕切板金具50が、互いに重ね合わされて成る
構造とされている。より詳細には、上側仕切板金具46お
よび中央仕切板金具48にあっては、それぞれ中央部分に
有底円筒部52、54を有する略ハット形状をもって形成さ
れている一方、下側仕切板金具50にあっては、略円板形
状をもって形成されている。そして、上側仕切板金具46
の有底円筒部52内に中央仕切板金具48の有底円筒部54が
入り込み、更に該中央仕切板金具48における有底円部54
の開口を、下側仕切板金具50が覆蓋するようにして重ね
合わせている。
そこにおいて、上側仕切板金具46における有底円筒部52
の内径よりも、中央仕切板金具48における有底円筒部54
の外径が所定寸法小さくされていることにより、それら
有底円筒部52、54の筒壁部門に、周方向に延びる環状空
所56が形成されている。なお、この環状空所56は、中央
仕切板金具48における有底円筒部54の周壁部に形成され
た遮断突部58によって、周方向一箇所で遮断されてい
る。
の内径よりも、中央仕切板金具48における有底円筒部54
の外径が所定寸法小さくされていることにより、それら
有底円筒部52、54の筒壁部門に、周方向に延びる環状空
所56が形成されている。なお、この環状空所56は、中央
仕切板金具48における有底円筒部54の周壁部に形成され
た遮断突部58によって、周方向一箇所で遮断されてい
る。
そして、かかる環状空所56が、その周方向一端側におい
て、上側仕切板金具46に設けられた通孔60を通じて、受
圧室40内に連通されている一方、その周方向他端側にお
いて、中央仕切板金具48に設けられた通孔62および下側
仕切板金具50に設けられた通孔64を通じて、平衡室42内
に連通されているのであり、それによって、かかる環状
空所56にて、受圧室40と平衡室42とを相互に連通する第
一のオリフィス通路66が構成されている。
て、上側仕切板金具46に設けられた通孔60を通じて、受
圧室40内に連通されている一方、その周方向他端側にお
いて、中央仕切板金具48に設けられた通孔62および下側
仕切板金具50に設けられた通孔64を通じて、平衡室42内
に連通されているのであり、それによって、かかる環状
空所56にて、受圧室40と平衡室42とを相互に連通する第
一のオリフィス通路66が構成されている。
また、下側仕切板金具50には、中央仕切板金具48におけ
る有底円筒部54の筒壁部に沿って、その内周側を周方向
に略半周の長さで延びる円弧状突部68が設けられてお
り、それら中央仕切板金具48における有底円筒部54の筒
壁部と下側仕切板金具50における円弧状突部68との間
に、周方向に所定長さで延びる円弧状空所70が形成され
ている。
る有底円筒部54の筒壁部に沿って、その内周側を周方向
に略半周の長さで延びる円弧状突部68が設けられてお
り、それら中央仕切板金具48における有底円筒部54の筒
壁部と下側仕切板金具50における円弧状突部68との間
に、周方向に所定長さで延びる円弧状空所70が形成され
ている。
そして、かかる円弧状空所70が、その周方向両側におい
て、中央仕切板金具50および上側仕切板金具46における
有底円筒部54、52の各底壁部中央に設けられた通孔72、
74を通じて、受圧室40内に連通されている一方、その周
方向中央において、下側仕切板金具50に設けられた通孔
64を通じて、平衡室42内に連通されているのであり、そ
れによって、かかる円弧状空所70にて、受圧室40と平衡
室42とを相互に連通する第二のオリフィス通路78が構成
されている。
て、中央仕切板金具50および上側仕切板金具46における
有底円筒部54、52の各底壁部中央に設けられた通孔72、
74を通じて、受圧室40内に連通されている一方、その周
方向中央において、下側仕切板金具50に設けられた通孔
64を通じて、平衡室42内に連通されているのであり、そ
れによって、かかる円弧状空所70にて、受圧室40と平衡
室42とを相互に連通する第二のオリフィス通路78が構成
されている。
また、かかる第二のオリフィス通路78が受圧室40内に連
通する通孔72が形成された、中央仕切板金具48における
有底円筒部54の底壁部中央は、下側仕切板金具50側に凹
陥せしめられた凹陥部80とされていると共に、該凹陥部
80に設けられた通孔72を覆蓋するようにして、可撓性仕
切板としてのゴム弾性体から成る弾性仕切板82が、一体
的に加硫接着せしめられている。
通する通孔72が形成された、中央仕切板金具48における
有底円筒部54の底壁部中央は、下側仕切板金具50側に凹
陥せしめられた凹陥部80とされていると共に、該凹陥部
80に設けられた通孔72を覆蓋するようにして、可撓性仕
切板としてのゴム弾性体から成る弾性仕切板82が、一体
的に加硫接着せしめられている。
そして、受圧室40の液圧が、上側仕切板金具46に設けら
れた通孔74を通じて、かかる弾性仕切板82に及ぼされる
ことにより、該弾性仕切板82の変形に基づいて、前記第
二のオリフィス通路78を通じての、受圧室40と平衡室42
との間での実質的な流体の流動が惹起せしめられるよう
になっているのである。なお、かかる弾性仕切板82にあ
っては、その変形量は、変形に伴って生ぜしめられる弾
性力に基づいて、自己的に規制され得ることとなるが、
その最大変形許容量が、上側仕切板金具46および下側仕
切板金具50に対する当接によって規定されることによ
り、その破損が防止され得るようになっている。
れた通孔74を通じて、かかる弾性仕切板82に及ぼされる
ことにより、該弾性仕切板82の変形に基づいて、前記第
二のオリフィス通路78を通じての、受圧室40と平衡室42
との間での実質的な流体の流動が惹起せしめられるよう
になっているのである。なお、かかる弾性仕切板82にあ
っては、その変形量は、変形に伴って生ぜしめられる弾
性力に基づいて、自己的に規制され得ることとなるが、
その最大変形許容量が、上側仕切板金具46および下側仕
切板金具50に対する当接によって規定されることによ
り、その破損が防止され得るようになっている。
ところで、ここにおいて、上記第一のオリフィス通路66
にあっては、その内部を通じて流動せしめられる流体の
共振作用に基づいて、低周波数域の入力振動に対して高
減衰効果が発揮され得るように、公知の手法に従い、そ
の断面積:a1や長さ:l1が設定されており、特に、本実施
例においては、該第一のオリフィス通路66内を流動せし
められる流体の共振作用によって、シェイク等に相当す
る10Hz前後の低周波大振幅振動の入力時に高減衰効果が
発揮され得るようにチューニングせしめられている。
にあっては、その内部を通じて流動せしめられる流体の
共振作用に基づいて、低周波数域の入力振動に対して高
減衰効果が発揮され得るように、公知の手法に従い、そ
の断面積:a1や長さ:l1が設定されており、特に、本実施
例においては、該第一のオリフィス通路66内を流動せし
められる流体の共振作用によって、シェイク等に相当す
る10Hz前後の低周波大振幅振動の入力時に高減衰効果が
発揮され得るようにチューニングせしめられている。
また一方、前記第二のオリフィス通路78にあっては、そ
の断面積(a2)と長さ(l2)との比:a2/l2が、上記第一
のオリフィス通路66における断面積と長さとの比:a1/
1よりも大きく設定されており、その内部を通じて流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、高周波数域の
入力振動に対して低動ばね効果が発揮され得るようにな
っている。そして、特に、本実施例においては、該第二
のオリフィス通路78内を流動せしめられる流体の共振作
用によって、アイドリング振動等に相当する30Hz前後の
高周波小振幅振動の入力時に低動ばね効果が発揮され得
るようにチューニングされている。
の断面積(a2)と長さ(l2)との比:a2/l2が、上記第一
のオリフィス通路66における断面積と長さとの比:a1/
1よりも大きく設定されており、その内部を通じて流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、高周波数域の
入力振動に対して低動ばね効果が発揮され得るようにな
っている。そして、特に、本実施例においては、該第二
のオリフィス通路78内を流動せしめられる流体の共振作
用によって、アイドリング振動等に相当する30Hz前後の
高周波小振幅振動の入力時に低動ばね効果が発揮され得
るようにチューニングされている。
また、ここにおいて、かかる第二のオリフィス通路78の
チューニングに際しては、良く知られているように、そ
の断面積と長さとの比:a2/l2を調節することによって為
されることとなるが、該第二のオリフィス通路78にあっ
ては、前記第一のオリフィス通路66の内周側に沿って周
方向に形成されており、その長さ:l2を有利に確保する
ことができることから、チューニングに際して、該第二
のオリフィス通路78の断面積:a2を大きく設定すること
ができるのであり、それ故、該第二のオリフィス通路78
内を流動せしめられる流体量が有効に確保され得て、該
流体の共振作用による低動ばね効果が、極めて有効に発
揮され得ることとなるのである。
チューニングに際しては、良く知られているように、そ
の断面積と長さとの比:a2/l2を調節することによって為
されることとなるが、該第二のオリフィス通路78にあっ
ては、前記第一のオリフィス通路66の内周側に沿って周
方向に形成されており、その長さ:l2を有利に確保する
ことができることから、チューニングに際して、該第二
のオリフィス通路78の断面積:a2を大きく設定すること
ができるのであり、それ故、該第二のオリフィス通路78
内を流動せしめられる流体量が有効に確保され得て、該
流体の共振作用による低動ばね効果が、極めて有効に発
揮され得ることとなるのである。
更にまた、この第二のオリフィス通路78にあっては、受
圧室40への連通路上に配された弾性仕切板82によって、
その内部を流動せしめられる流体量が制限されることと
なるところから、アイドリング振動等の小振幅振動の入
力時には、専ら、断面積/長さの比が大きく、流通抵抗
が小さい第二のオリフィス通路78を通じて、受圧室と平
衡室との間での流体の流動が生ぜしめられることとなる
が、シェイク等の大振幅振動の入力時には、第二のオリ
フィス通路78を通じての流体の流動が制限されて、第一
のオリフィス通路66を通じての流体の流動量が有効に確
保され得るのであり、それによって該第一のオリフィス
通路66内を流動せしめられる流体による高減衰効果が発
揮され得ることとなるのである。
圧室40への連通路上に配された弾性仕切板82によって、
その内部を流動せしめられる流体量が制限されることと
なるところから、アイドリング振動等の小振幅振動の入
力時には、専ら、断面積/長さの比が大きく、流通抵抗
が小さい第二のオリフィス通路78を通じて、受圧室と平
衡室との間での流体の流動が生ぜしめられることとなる
が、シェイク等の大振幅振動の入力時には、第二のオリ
フィス通路78を通じての流体の流動が制限されて、第一
のオリフィス通路66を通じての流体の流動量が有効に確
保され得るのであり、それによって該第一のオリフィス
通路66内を流動せしめられる流体による高減衰効果が発
揮され得ることとなるのである。
また、このように第二のオリフィス通路78内を流動せし
められる流体量を制限する弾性仕切板82にあっては、ク
ランキング等の大振幅振動の入力時においても、その弾
性変形に伴う復元力によって、変形量が自己的に規制さ
れ得、上側及び下側仕切板金具46、50に対する衝撃的な
当接が有効に回避され得ることとなるところから、その
ような当接に起因する打音や振動の発生が有効に防止さ
れ得るのである。
められる流体量を制限する弾性仕切板82にあっては、ク
ランキング等の大振幅振動の入力時においても、その弾
性変形に伴う復元力によって、変形量が自己的に規制さ
れ得、上側及び下側仕切板金具46、50に対する衝撃的な
当接が有効に回避され得ることとなるところから、その
ような当接に起因する打音や振動の発生が有効に防止さ
れ得るのである。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウントにあ
っては、シェイク等の低周波大振幅振動に対する高減衰
効果と、アイドリング振動等の高周波小振幅振動に対す
る低動ばね効果とを、何れも流体の共振作用に基づいて
有利に得ることができると共に、クランキング等の大振
幅振動の入力時における打音や振動の発生が、効果的に
防止され得ることとなるのである。
っては、シェイク等の低周波大振幅振動に対する高減衰
効果と、アイドリング振動等の高周波小振幅振動に対す
る低動ばね効果とを、何れも流体の共振作用に基づいて
有利に得ることができると共に、クランキング等の大振
幅振動の入力時における打音や振動の発生が、効果的に
防止され得ることとなるのである。
因みに、本実施例構造とされたエンジンマウントについ
て、その防振特性を測定した結果を、下記第1表に示
す。また、かかる測定に際しては、前記特開昭57−9340
号公報に示されている如く、仕切部材の内部に形成され
た収容空所内に、可動板を所定距離だけ移動可能に収容
配置せしめてなる構造のエンジンマウントと、前記実開
昭64−14941号公報に示されている如く、かかる可動板
に弾性突起を設けて、該弾性突起を介して収容空所の内
面に弾性的に支持せしめてなる構造のエンジンマウント
についても、それぞれ、同様な防振特性の測定を行な
い、それらの結果を比較例及び比較例2として、第1表
に併せ示すこととする。
て、その防振特性を測定した結果を、下記第1表に示
す。また、かかる測定に際しては、前記特開昭57−9340
号公報に示されている如く、仕切部材の内部に形成され
た収容空所内に、可動板を所定距離だけ移動可能に収容
配置せしめてなる構造のエンジンマウントと、前記実開
昭64−14941号公報に示されている如く、かかる可動板
に弾性突起を設けて、該弾性突起を介して収容空所の内
面に弾性的に支持せしめてなる構造のエンジンマウント
についても、それぞれ、同様な防振特性の測定を行な
い、それらの結果を比較例及び比較例2として、第1表
に併せ示すこととする。
なお、かかる防振特性の測定に際しては、本実施例構造
のマウントおよび比較例1,2のマウントとして、何れ
も、静ばね定数が18.0Kg/mmのものを用い、60Kgfの静荷
重を及ぼした状態下において、低周波大振幅振動に対す
る防振特性の評価は、シェイク(周波数:10Hz,振幅:±
0.5mm)の入力時における減衰係数(tan δ)を測定す
ることによって行ない、また高周波小振幅振動に対する
防振特性の評価は、アイドリング振動(周波数:30Hz,振
幅:±0.1mm)の入力時における絶対ばね定数を測定す
ることによって行ない、更に大振幅振動の入力時におけ
る打音および振動の発生防止評価は、クランキング(周
波数:10〜15Hz,振幅:±0.5〜±1mm)の振動入力時にお
けるマウントの振動出力レベルを測定することによって
行なった。
のマウントおよび比較例1,2のマウントとして、何れ
も、静ばね定数が18.0Kg/mmのものを用い、60Kgfの静荷
重を及ぼした状態下において、低周波大振幅振動に対す
る防振特性の評価は、シェイク(周波数:10Hz,振幅:±
0.5mm)の入力時における減衰係数(tan δ)を測定す
ることによって行ない、また高周波小振幅振動に対する
防振特性の評価は、アイドリング振動(周波数:30Hz,振
幅:±0.1mm)の入力時における絶対ばね定数を測定す
ることによって行ない、更に大振幅振動の入力時におけ
る打音および振動の発生防止評価は、クランキング(周
波数:10〜15Hz,振幅:±0.5〜±1mm)の振動入力時にお
けるマウントの振動出力レベルを測定することによって
行なった。
更にまた、本実施例構造のマウントと上記比較例2のマ
ウントについて、小振幅振動(振幅:0.1mm)の入力時に
おける絶対ばね定数および損失係数の周波数特性を測定
した結果を、第5図に併せ示すこととする。
ウントについて、小振幅振動(振幅:0.1mm)の入力時に
おける絶対ばね定数および損失係数の周波数特性を測定
した結果を、第5図に併せ示すこととする。
かかる第1表および第5図に示された測定結果からも、
本実施例におけるエンジンマウントにあっては、シェイ
クに対する高減衰効果を充分に確保しつつ、アイドリン
グ振動に対する優れた防振効果と、クランキング入力時
における打音や振動の防浸効果とが、極めて有効に達成
され得ることが、明らかなところである。
本実施例におけるエンジンマウントにあっては、シェイ
クに対する高減衰効果を充分に確保しつつ、アイドリン
グ振動に対する優れた防振効果と、クランキング入力時
における打音や振動の防浸効果とが、極めて有効に達成
され得ることが、明らかなところである。
また、特に、本実施例におけるエンシンマウントにあっ
ては、第6図に示されている如き車両への装着状態下、
受圧室40内の略中央部分に傘金具44が位置せしめられ
て、振動入力時に、該傘金具44が受圧室40内を変位せし
められることとなるところから、該傘金具44の変位に伴
って受圧室40内を流動せしめられる流体の共振作用に基
づき、アイドリング振動よりも更に高周波域の振動(例
えば、こもり音等に相当する100Hz以上の高周波振動)
に対しても、良好なる防振効果を得ることができるので
ある。
ては、第6図に示されている如き車両への装着状態下、
受圧室40内の略中央部分に傘金具44が位置せしめられ
て、振動入力時に、該傘金具44が受圧室40内を変位せし
められることとなるところから、該傘金具44の変位に伴
って受圧室40内を流動せしめられる流体の共振作用に基
づき、アイドリング振動よりも更に高周波域の振動(例
えば、こもり音等に相当する100Hz以上の高周波振動)
に対しても、良好なる防振効果を得ることができるので
ある。
更にまた、本実施例におけるエンジンマウントにあって
は、第6図に示されている如き車両への装着状態下、第
二の筒金具における当接部34が、当接規制板22および傘
金具44に対して、振動入力方向に所定距離を隔てて対向
位置せしめられて、それらの当接によって、第一の取付
金具10と第二の取付金具12とのバウンド方向およびリバ
ウンド方向における相対的変位量が規制され得るように
なっており、それによって、ゴム弾性体14の変形量やエ
ンジンユニットの車体に対する変位量が規制され得るこ
ととなるのである。なお、かかる当接部34における当接
規制板22および傘金具44に対する当接面上には、緩衝ゴ
ム84、86が、それぞれゴム弾性体14によって一体的に形
成されている。
は、第6図に示されている如き車両への装着状態下、第
二の筒金具における当接部34が、当接規制板22および傘
金具44に対して、振動入力方向に所定距離を隔てて対向
位置せしめられて、それらの当接によって、第一の取付
金具10と第二の取付金具12とのバウンド方向およびリバ
ウンド方向における相対的変位量が規制され得るように
なっており、それによって、ゴム弾性体14の変形量やエ
ンジンユニットの車体に対する変位量が規制され得るこ
ととなるのである。なお、かかる当接部34における当接
規制板22および傘金具44に対する当接面上には、緩衝ゴ
ム84、86が、それぞれゴム弾性体14によって一体的に形
成されている。
以上、本発明の一実施例について詳述してきたが、これ
は文字通りの例示であって、本発明は、かかる具体例に
のみ限定して解釈されるものではない。
は文字通りの例示であって、本発明は、かかる具体例に
のみ限定して解釈されるものではない。
例えば、第二のオリフィス通路78の受圧室40内への連通
路上に配されて、該第二のオリフィス通路78内を流動せ
しめられる流体の流動量を制限する可撓性仕切板とし
て、前記実施例では、弾性仕切板82が用いられていた
が、かかる弾性仕切板82の内部に帆布等を埋設せしめ
て、その弾性変形量がより有効に規制され得るようにし
ても良い。
路上に配されて、該第二のオリフィス通路78内を流動せ
しめられる流体の流動量を制限する可撓性仕切板とし
て、前記実施例では、弾性仕切板82が用いられていた
が、かかる弾性仕切板82の内部に帆布等を埋設せしめ
て、その弾性変形量がより有効に規制され得るようにし
ても良い。
また、かかる可撓性仕切板にあっては、受圧室40内に惹
起される液圧に抗して、その変形が規制されるものであ
れば良く、例えば、弾性を有してない可撓性の膜を弛ま
せて配設することによって、可撓性仕切板を構成せしめ
ることも可能である。
起される液圧に抗して、その変形が規制されるものであ
れば良く、例えば、弾性を有してない可撓性の膜を弛ま
せて配設することによって、可撓性仕切板を構成せしめ
ることも可能である。
更にまた、そのような可撓性仕切板を、第二のオリフィ
ス通路における平衡室側への連通路上に配するようにし
ても良い。
ス通路における平衡室側への連通路上に配するようにし
ても良い。
加えて、前記実施例では、本発明を自動車用エンジンマ
ウントに対して適用したものの一具体例を示したが、本
発明は、その他、自動車用デフマウントやボデーマウン
ト、或いは自動車以外の各種装置におけるマウトン装置
に対して、何れも有利に適用され得るものであること
は、勿論である。
ウントに対して適用したものの一具体例を示したが、本
発明は、その他、自動車用デフマウントやボデーマウン
ト、或いは自動車以外の各種装置におけるマウトン装置
に対して、何れも有利に適用され得るものであること
は、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、また、そのような実
施態様が、本発明の主旨を逸脱しない限り、何れも、本
発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、また、そのような実
施態様が、本発明の主旨を逸脱しない限り、何れも、本
発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
(発明の効果) 上述の説明から明らかなように、本発明に従って構成さ
れたマウトン装置にあっては、第一のオリフィス通路内
を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて低周波振
動に対する高減衰効果が、また第二のオリフィス通路内
を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて高周波振
動に対する低動ばね効果が、それぞれ、発揮され得ると
共に、大振幅振動の入力時における打音や振動の発生
が、可及的に防止され得るのである。
れたマウトン装置にあっては、第一のオリフィス通路内
を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて低周波振
動に対する高減衰効果が、また第二のオリフィス通路内
を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて高周波振
動に対する低動ばね効果が、それぞれ、発揮され得ると
共に、大振幅振動の入力時における打音や振動の発生
が、可及的に防止され得るのである。
また、そこにおいて、かかるマウント装置においては、
第一のオリフィス通路が、仕切部材の外周縁部に沿って
周方向に形成されると共に、第二のオリフィス通路が、
該第一のオリフィス通路に沿って、その内周側を周方向
に延びるようにして形成されることから、それら第一及
び第二のオリフィス通路の長さを、何れも有利に得るこ
とができるのであり、それ故、そのチューニングに際し
て、オリフィス断面積を大きく設定し、その内部を流動
せしめられる流体量を充分に確保することによって、優
れた防振効果を有利に得ることができるのである。
第一のオリフィス通路が、仕切部材の外周縁部に沿って
周方向に形成されると共に、第二のオリフィス通路が、
該第一のオリフィス通路に沿って、その内周側を周方向
に延びるようにして形成されることから、それら第一及
び第二のオリフィス通路の長さを、何れも有利に得るこ
とができるのであり、それ故、そのチューニングに際し
て、オリフィス断面積を大きく設定し、その内部を流動
せしめられる流体量を充分に確保することによって、優
れた防振効果を有利に得ることができるのである。
第1図は、本発明を自動車用エンジンマウントに対して
適用したものの一具体例を示す縦断面図である。また、
第2図は、第1図に示されているエンジンマウントを構
成する仕切部材を示す平面図であり、第3図は、第2図
におけるIII−III断面図であり、第4図は、第2図に示
されている仕切部材の構造を説明するための分解斜視図
である。更に、第5図は、第1図に示されている如き構
造とされたエンジンマウントについて、防振特性を測定
した結果を示すグラフである。また、第6図は、第1図
に示されているエンジンマウントの車両への装着状態を
示す縦断面図である。 10:第一の取付金具、12:第二の取付金具 14:ゴム弾性体、36:ダイヤフラム 38:仕切部材、40:受圧室 42:平衡室 66:第一のオリフィス通路 78:第二のオリフィス通路 82:弾性仕切板
適用したものの一具体例を示す縦断面図である。また、
第2図は、第1図に示されているエンジンマウントを構
成する仕切部材を示す平面図であり、第3図は、第2図
におけるIII−III断面図であり、第4図は、第2図に示
されている仕切部材の構造を説明するための分解斜視図
である。更に、第5図は、第1図に示されている如き構
造とされたエンジンマウントについて、防振特性を測定
した結果を示すグラフである。また、第6図は、第1図
に示されているエンジンマウントの車両への装着状態を
示す縦断面図である。 10:第一の取付金具、12:第二の取付金具 14:ゴム弾性体、36:ダイヤフラム 38:仕切部材、40:受圧室 42:平衡室 66:第一のオリフィス通路 78:第二のオリフィス通路 82:弾性仕切板
Claims (1)
- 【請求項1】振動入力方向に所定距離を隔てて配置せし
められた第一の取付金具および第二の取付金具と、 該第一の取付金具と該第二の取付金具との間に介装され
て、それら両取付金具を連結せしめるゴム弾性体と、 前記第二の取付金具にて支持されることにより、振動入
力方向に略直角な方向に広がって配された仕切部材と、 該仕切部材に対して前記第一の取付金具側に形成され
た、壁部の少なくとも一部が前記ゴム弾性体にて構成さ
れて振動入力時に内圧変動が惹起せしめられる、内部に
所定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧室と、 前記仕切部材に対して該受圧室とは反対側に形成され
た、壁部の少なくとも一部が可撓性膜にて構成されて容
積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入
されてなる平衡室と、 前記仕切部材の内部を、その外周縁部に沿って周方向に
所定長さで延びるように形成された、前記受圧室と前記
平衡室とを相互に連通せしめる第一のオリフィス通路
と、 前記仕切部材の内部において、該第一のオリフィス通路
に沿って、その内周側を周方向に所定長さで延びるよう
に形成されて、前記受圧室と前記平衡室とを相互に連通
せしめる、前記第一のオリフィス通路よりも断面積/長
さの比が大きい第二のオリフィス通路と、 該第二のオリフィス通路における前記受圧室側および前
記平衡室側の少なくとも何れか一方の側への連通路上
に、該連通路を仕切るように配されて、かかる第二のオ
リフィス通路を通じての流体の流動を変形に基づいて許
容し、且つ変形量が自己的に規制されることにより、該
第二のオリフィス通路を通じての流体の流動量を制限す
る可撓性仕切板とを、 有することを特徴とする流体封入式マウント装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9548690A JPH0694888B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 流体封入式マウント装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9548690A JPH0694888B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 流体封入式マウント装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03292431A JPH03292431A (ja) | 1991-12-24 |
JPH0694888B2 true JPH0694888B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=14138935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9548690A Expired - Lifetime JPH0694888B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 流体封入式マウント装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694888B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP3702683B2 (ja) | 1998-12-22 | 2005-10-05 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式防振装置 |
JP3608035B2 (ja) * | 1999-09-10 | 2005-01-05 | 東洋ゴム工業株式会社 | 切替制御型の液封入式防振装置 |
DE10212692A1 (de) * | 2002-03-21 | 2003-10-02 | Freudenberg Carl Kg | Hydrolager |
JP5210558B2 (ja) * | 2007-07-12 | 2013-06-12 | 株式会社ブリヂストン | 防振装置 |
-
1990
- 1990-04-11 JP JP9548690A patent/JPH0694888B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03292431A (ja) | 1991-12-24 |
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