JPH069483B2 - 低コレステロール卵黄の製造法 - Google Patents

低コレステロール卵黄の製造法

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JPH069483B2
JPH069483B2 JP2029995A JP2999590A JPH069483B2 JP H069483 B2 JPH069483 B2 JP H069483B2 JP 2029995 A JP2029995 A JP 2029995A JP 2999590 A JP2999590 A JP 2999590A JP H069483 B2 JPH069483 B2 JP H069483B2
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正樹 寺田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低コレステロール卵黄の製造法に関するもの
である。
[従来技術] 卵は人間の食物の中で、官能的な魅力に富み、人体に必
要とされる栄養を摂取するのに最も好ましい食品である
ことは広く知られている。実際に卵は直接食用に供せら
れたり、菓子、パン、その他多くの調理加工品に使用さ
れており、現在の人間の食生活に於いて不可欠な食品と
言っても過言ではない。しかし残念ながら、卵黄には多
量のコレステロールが含有されており、当該コレステロ
ールは循環器系の疾病、特に動脈硬化につながる血中コ
レステロール値の上昇を招いている。
従って、高い血中コレステロール値の傾向を示す患者は
もちろん、健康な人であっても卵の摂取量を制限しなけ
ればならなかった。
そこで従来より、多くの研究者により卵黄からコレステ
ロールを抽出除去する方法が研究されてきた。
その方法としては、有機溶媒により卵黄中のコレステロ
ールを脂質とともに抽出除去する方法(特公昭46−4
2944号,特公昭56−53978号,特開昭47−
19062号)および超臨界二酸化炭素を用いる方法
(特公昭62−51092号)等が報告されている。
[本発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述のように、有機溶媒または超臨界二
酸化炭素により卵黄からコレステロールを抽出除去する
方法では、原料として乾燥卵に限定され、液卵を直接処
理することができないという問題点、さらに有機溶媒に
よる方法ではコレステロール抽出後の卵黄に有機溶媒が
残存するという問題点があった。残存する有機溶媒の除
去方法として減圧蒸留等の処理を行っても、官能的に感
知しない濃度にまで除去することは非常に困難であった
り、しかもそのために繁雑な除去操作工程が必要になる
という問題点も付随して生じていた。他方、有機溶剤を
含有する食品は、食味的に好ましくないというだけでな
く、人体の健康にも悪影響を及ぼす可能性もあり、食品
に対して有機溶剤が残存するような加工処理を施すこと
は極力避けるべきものである。そのために、卵黄からの
コレステロール除去に於いても、有機溶剤を使用せずし
かも液卵を直接処理できる方法が久しく待たれていた。
そこで本発明者らは上述のような問題点に鑑み、卵黄本
体の味、物性及び栄養価値をできるだけ損なわずに、卵
黄からコレステロールを抽出除去することを目的とし研
究を重ねた。その結果、食用脂において卵黄中に含有さ
れるコレステロールを卵黄脂質とともに抽出する作用が
あることを見いだし、当該発明を「低コレステロール卵
黄の製造方法」(特願昭61−254147号)として
出願した。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記発明に基づき、更にコレステロール含
量の低い卵黄を提供することを目的とし鋭意研究を重ね
た結果、予め原料とする卵黄にプロテアーゼまたはリパ
ーゼを単独でもしくは両酵素を混合して反応させ、その
後食用脂でコレステロールを抽出除去することにより抽
出効率が改善されるという知見を得、本発明に至った。
即ち本発明の構成要旨とするところは、卵黄をプロテア
ーゼおよび/またはリパーゼにより酵素処理し食用油を
添加混合した後、該混合物を卵黄相と油相に分離し、該
卵黄相を分取することを特徴とする低コレステロール卵
黄の製造法である。
以下本発明の構成について詳しく説明する。
本発明に使用される卵黄は生卵黄あるいは乾燥卵黄のど
ちらでもよい。まず当該卵黄をプロテアーゼおよび/ま
たはリパーゼにより酵素処理を行う。当該酵素処理に於
ける酵素の添加量等の処理条件は目的とする卵黄の品質
(粘度および熱凝固性等)に応じて適宜調整することが
できるが、酵素添加量を卵黄100g当たり100〜1
0000単位、処理温度を30〜50℃、処理時間を2
0分〜2時間とすることが好ましい。また本発明に使用
するプロテアーゼおよびリパーゼは、安全性の面から従
来より食品用酵素剤として使用されているものであれば
よい。例えば、アミノ酸や調味料の製造に利用されてい
るAspergillus melleus起源のプロテアーゼや、乳製品
や脂肪酸の製造に利用されているMucor javanicus起源
のリパーゼなどが適当である。
次いで前記酵素処理を行った卵黄に食用油を添加し充分
混合する。該食用油としては、大豆油、コーン油、なた
ね油、綿実油等の常温で液状の植物油が好ましい。当該
食用油の添加量は、卵黄と混合した後、卵黄脂質ととも
にコレステロールを抽出するのに充分な量であればよ
く、好ましくは卵黄重量に対して約等量ないし倍量程度
が適当である。また混合方法については卵黄と食用油が
充分混合すればよく適宜常法を利用することができる。
例えばホモジナイザーにより14000rpmにて約5分間程度
混合すれば充分である。
次に上記方法により得られた混合物を遠心分離等の常法
により卵黄相と油相に分離する。原料卵黄として乾燥卵
黄を使用した場合は、ろ過によって分離することもでき
る。ここで卵黄に含まれていた大部分の卵黄脂質とコレ
ステロールは食用油に抽出され油相に移行するので、卵
黄相のみを常法にて分取すれば、目的とする低コレステ
ロール卵黄を得ることができる。
ただし、以上の工程でコレステロールの抽出が充分でな
い場合は、再度分取した卵黄相に食用油を添加混合し、
上述した分離操作を適宜繰り返せばよい。
[実験例] 以下、本発明の効果を実験例に基づき説明する。
実験例1 生卵黄100gに対し、「プロテアーゼA」,「プロテ
アーゼF」,「プロテアーゼP」(天野製薬(株)製)を
3000単位添加し、35℃にて20分間酵素処理を行
う。酵素処理後の卵黄に菜種油200gを加え、ホモジ
ナイズ(14000rpm,5min)した後、遠心分離にて卵黄
層と油層に分離し、下相の卵黄相を常法にて分取して、
目的とする低コレステロール卵黄を得た。
当該卵黄について実験に使用した酵素の起源、および卵
黄中のコレステロール含量の測定結果を表1に示した。
この結果より、プロテアーゼ処理によって卵黄中のコレ
ステロールの抽出効率が改善されていることが明らかで
ある。
実験例2 生卵黄100gに対し、「リパーゼP」,「リパーゼ
F」,「リパーゼM」(天野製薬(株)製)を5000単位添
加し、35℃にて20分間酵素処理を行う、酵素処理後の卵
黄に菜種油200gを加え、ホモジナイズ(14000rpm,5m
in)した後、遠心分離にて卵黄層と油層に分離し、常法
にて卵黄層を分取して、目的とする低コレステロール卵
黄を得た。
当該卵黄について実験に使用した酵素の種類,起源、お
よびコレステロール含量の測定結果を表2に示した。こ
の結果からリパーゼもプロテアーゼも同様に、卵黄中の
コレステロール抽出効率を改善することが明らかであ
る。
実験例3 生卵黄100gに対し、「プロテアーゼP」(天野製薬(株)
製)を100〜10000単位添加し、35℃20分間酵素処理を行
った。酵素処理後の卵黄に菜種油200gを加え、ホモジナ
イズ(14000rpm,5min)した後、遠心分離にて卵黄層
と油層を分離し、常法にて卵黄を分取して、目的とする
低コレステロール卵黄を得た。得られた卵黄のコレステ
ロール含量および粘度を測定し、熱凝固性を5段階評価
した。その結果を表3に示した。その結果から、酵素の
添加量が多いものほどコレステロールの残量が少なく酵
素反応の進行にともなってコレステロールが除去されや
すくなっていることがわかる。また、使用する酵素量が
多いほど卵黄は粘度が低下し、熱凝固性も低下してい
た。
[実施例] 実施例1 生卵黄600g(コレステロール含量10.24mg/g)に「プロ
テアーゼP」(天野製薬(株)製)を6000単位添加し、35
℃にて20分間酵素処理した。処理した卵黄に菜種油12
00gを加え、ホモジナイズ(14000rpm,10min)した
後、遠心分離にて油層を分離し卵黄を分取した。さらに
分取した卵黄の2倍量の菜種油を加え同様のホモジナイ
ズ、遠心分離を行い油層を分離して低コレステロール卵
黄を得た。得られた卵黄のコレステロール含量は、1.92
mg/gであり、未処理の生卵黄に比較して18.75重量
%まで低下した。この低コレステロール卵黄に2倍量の
卵白を加え、全卵を再構成してスクランブルエッグ、卵
焼き等を調理したところ、官能的に良好な風味、性状の
ものであった。
実施例2 生卵黄600g(コレステロール含量9.00mg/g)に「リパー
ゼM」(天野製薬(株)製)を12000単位添加し、35℃に
て20分間酵素処理した。処理した卵黄に菜種油1200g
を加え、ホモジナイズ(14000rpm,10min)した後、遠
心分離にて油層を分離し卵黄を分取した。さらに分取し
た卵黄の2倍量の菜種油を加え同様のホモジナイズ、遠
心分離を行い油層を分離して低コレステロール卵黄を得
た。得られた卵黄のコレステロール含量は、1.40mg
/gであり、未処理の生卵黄に比較して15.56重量%
まで低下した。この低コレステロール卵黄に2倍量の卵
白を加え、全卵を再構成してスクランブルエッグ、卵焼
き等を調理したところ、官能的に良好な風味、性状のも
のであった。
実施例3 生卵黄120g(コレステロール含量8.05mg/g)に「リパー
ゼM」(天野製薬(株)製)を2000単位、「プロテアーゼ
P」(天野製薬(株)製)1000単位を添加し、35℃にて20
分間酵素処理した。処理した卵黄に菜種油240gを加えホ
モジナイズ(14000rpm,5min)した後、遠心分離にて
油層を分離して分取した。得られた低コレステロール卵
黄のコレステロール含量を測定したところ2.56mg/gであ
り、未処理の生卵黄に比較して31.80重量%まで低
下した。
[効果] 本発明によれば、卵黄中に含有するコレステロールを効
率良く抽出することができる。また卵黄の熱凝固性を調
整することができ、これは食品加工上幅広い用途での卵
黄の使用を可能にし、例えば麺類への卵黄の添加、流動
食の原料として応用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 昌平 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1号 日清食品株式会社内 審査官 斉藤 真由美 (56)参考文献 特開 昭63−109757(JP,A) 特開 昭51−38461(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】卵黄100g当たり、プロテアーゼおよび/
    またはリパーゼを約100〜10000単位加えて処理し、食用
    油を添加混合した後、該混合物を卵黄相と油相に分離
    し、該卵黄相を分取することを特徴とする低コレステロ
    ール卵黄の製造法。
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DE3229992C2 (de) * 1982-08-12 1986-02-06 Dr. Johannes Heidenhain Gmbh, 8225 Traunreut Mehrkoordinaten-Tastkopf
JPS63109757A (ja) * 1986-10-25 1988-05-14 Nissin Food Prod Co Ltd 低コレステロ−ル卵黄の製造方法

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