JPH06947A - インキ転移機構の湿度調整装置 - Google Patents

インキ転移機構の湿度調整装置

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JPH06947A
JPH06947A JP4184591A JP18459192A JPH06947A JP H06947 A JPH06947 A JP H06947A JP 4184591 A JP4184591 A JP 4184591A JP 18459192 A JP18459192 A JP 18459192A JP H06947 A JPH06947 A JP H06947A
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JP
Japan
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ink
humidity
ink transfer
space
transfer roll
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Application number
JP4184591A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Isowa
保之 磯輪
Takashi Hibino
隆 日比野
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Isowa Corp
Original Assignee
Isowa Industry Co Ltd
Isowa Corp
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ転移機構の周囲湿度が変化しても、段
ボールシートへの刷上がり状態を良好に保つ。 【構成】 版胴44の上方に、インキ転移ロール50と
絞りロール52とを備えるインキ転移機構48が配設さ
れる。両ロール50,52を囲繞するように、カバー体
64が配設される。このカバー体64に、該カバー体6
4により画成される空間S内の空気から湿分を除去する
除湿器66が配設される。またカバー体64に、空間S
に加湿された空気を供給する加湿器68が配設される。
除湿器66と加湿器68とは、空間S内に配設された湿
度検知手段により作動制御され、これにより空間S内の
湿度は略一定に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インキ転移機構の湿
度調整装置に関し、更に詳細には、低粘度で高度の速乾
性を有するグリコール系インキを使用するに際し、周囲
の湿度が変化しても段ボールシートへの刷上がり状態を
良好に保ち得る湿度調整装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】段ボールシートに印刷を行なう方法として
は、所謂プリスロ印刷とフレキソ印刷とが一般に知られ
ている。前者のプリスロ印刷は、粘度の高いグリコール
系インキを使用し、該インキを多くのゴムロールにより
練って均一にしてから、版胴に装着した印版に転移させ
ることを内容としている。このプリスロ印刷は、印刷の
仕上りに光沢があると共に、インキは循環させないので
インキ消費量が少なくて済む利点がある。しかしその反
面として、印刷後の乾燥にかなりの時間を要し、またイ
ンキ転移のためのロールが多段化して機構が複雑化する
欠点を内在している。
【0003】後者のフレキソ印刷は、流動性に富む低粘
度の水性インキを使用するものであって、インキ乾燥が
速いため印刷後にダイカッタ等の次工程へ直ちに送るこ
とができ、インキ転移機構を極めて簡単になし得る等の
利点を有している。その反面、プリスロ印刷に比べると
光沢がなく、またインキを常に循環させるシステムを採
用しているので、色替えの際は多量の水でロールおよび
循環系を洗浄する必要がある。このためインキの損失を
生ずると共に、洗浄廃液の処理設備が必要となってコス
ト高となる欠点を有している。このようにプリスロ印刷
とフレキソ印刷とは、その使用するインキの性状に応じ
て、殆ど相反し合う長所と短所とを夫々有している。そ
して段ボールシートの印刷に関しては、フレキソ印刷の
長所が着目され、プリスロ印刷からフレキソ印刷への転
換が広く行なわれるに至っている。
【0004】ところで最近の業界は、多品種かつ少量の
段ボールシートを加工する小ロット対応に迫られてお
り、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。こ
れを印刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボール
シートの印刷に対応するために、限られた時間内で色替
えを行なう必要があることを意味する。しかるに前記小
ロットの印刷に伴う頻繁なオーダ変更の要請に対して
は、先にフレキソ印刷の短所で述べた如く、色替えに時
間を要する対応が不充分である。また、洗浄廃液を処理
する問題も内在している。このような小ロットの印刷に
対しては、色替え時間が短いことから、本来はプリスロ
印刷がこれに適している。しかしプリスロ印刷は、それ
自体として前述した諸欠点を有しているものであり、小
ロットの印刷に対応し得るという利点とても、これらの
欠点を補填し得るものではなかった。
【0005】しかるに近年の傾向としてインキの改良が
進み、フレキソインキに近い低粘度と極めて高い速乾性
とを有するグリコール系のインキが開発されるに至って
いる。例えば、特開平2−99382号公報には、ビヒ
クルの溶媒としてグリコールに、インキ総量に対し5%
〜50%の水を加えた凸版印刷用インキ組成物が、第1
411434号として特許されている旨が記載されてい
る。また同公報には、このグリコール型インキは先のプ
リスロ印刷およびフレキソ印刷の何れの印刷機にも使用
可能である旨が記載されている。そして先に述べたフレ
キソ印刷の利点に鑑み、該グリコール型インキはフレキ
ソ印刷機に使用されて、小ロットの印刷に伴う頻繁なオ
ーダ変更の要請に好適に対応しているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したグリコール型
インキは、極めて高い速乾性を有しているが、該インキ
中のグリコール対水の含有比はかなり厳密なものであ
る。このために、その含有比が変ると段ボールシートに
施した印刷の色目も変化してしまう。従って同一ロット
での印刷中は、色目変化を抑えて一定の刷上がり状態を
保持することが、品質管理の点から重要である。しかし
ながら、このグリコール型インキを使用して段ボールシ
ートにフレキソ印刷を行なう場合、往々にして色目変化
を来してしまうことがある。例えばグリコール型インキ
は、始めからメーカーサイドがグリコール対水の含有比
を設定したものが、ユーザーに供給されるようになって
おり、この含有比をユーザーが適宜変更し得るものでは
ない。
【0007】そこで、メーカーから供給されたインキ中
のグリコール対水の含有比を一定に保ち、色目変化のな
い良好な刷上がり状態を得る手段として、先に触れた特
開平2−99382号公報に係る「グリコール型インキ
の印刷方法」が提案されている。これは、ビヒクルの溶
媒としてグリコールに、インキ総量に対し5%〜50%
の水を加えた凸版印刷用インキを用いるに際し、印刷ロ
ールに接触する空気の湿度を、インキ中のグリコール対
水の含有比に合わせて調整しつつ印刷することを内容と
している。すなわちこの方法では、インキ転移機構を覆
ったカバーの内部に、使用するインキのグリコール対水
の含有比を変化させない最適な湿度に設定した空気を供
給するものである。
【0008】しかるに、前記インキ転移機構はカバーに
より完全に密閉されているわけではないので、該カバー
内に一定湿度の空気を供給していても、周囲湿度の影響
を受けてカバー内の湿度が変化するのは避けられなかっ
た。すなわち、周囲湿度が低い場合は、インキ転移機構
におけるアニロックスロール等の表面に付着したグリコ
ール型インキから水分が蒸発し、また周囲湿度が高い場
合は、グリコール型インキが水分を吸収してしまい、こ
れにより初期に設定されたグリコール対水の含有比が変
動し、従って刷上がり時の段ボールシートの色目に変化
を来すこととなる問題が依然としてあった。殊に、晴天
時と降雨時との如く大気中の含有湿度が大幅に変化する
ときに、著しい影響を受けることとなっていた。
【0009】
【発明の目的】この発明は、グリコール型インキを使用
してフレキソ印刷を行なうに際し内在している前記の課
題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたもので
あって、インキ転移機構の周囲湿度が変化した場合であ
っても、該インキ中のビヒクル溶媒としてのグリコール
に対する水分割合を一定に保持して段ボールシートへの
色目変化を抑え、刷上がり状態を良好に保ち得るインキ
転移機構の湿度調整装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明は、印版を装着した版
胴と、この版胴に対向配置した圧胴と、前記版胴に接離
自在に接触回転するインキ転移ロールと、このインキ転
移ロールに隣接配置したインキ量調節部材と、これらイ
ンキ転移ロールとインキ量調節部材との間に、低粘度で
かつ高い速乾性を有するインキを供給する供給手段とを
備え、前記版胴と圧胴との間を通過する段ボールシート
に前記印版を接触させて所要の印刷を行なうようにした
段ボールシート用印刷機において、前記インキ転移ロー
ルとインキ量調節部材とを囲繞するカバー体と、前記カ
バー体により画成される空間内の空気から湿分を除去す
る除湿器とからなり、前記除湿器を作動制御することに
より、前記空間内の湿度を略一定に保つよう構成したこ
とを特徴とする。
【0011】また前述の課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するため本願の別の発明は、印版を装着した版
胴と、この版胴に対向配置した圧胴と、前記版胴に接離
自在に接触回転するインキ転移ロールと、このインキ転
移ロールに隣接配置したインキ量調節部材と、これらイ
ンキ転移ロールとインキ量調節部材との間に、低粘度で
かつ高い速乾性を有するインキを供給する供給手段とを
備え、前記版胴と圧胴との間を通過する段ボールシート
に前記印版を接触させて所要の印刷を行なうようにした
段ボールシート用印刷機において、前記インキ転移ロー
ルとインキ量調節部材とを囲繞するカバー体と、前記カ
バー体により画成される空間に加湿された空気を供給す
る加湿器とからなり、前記加湿器を作動制御することに
より、前記空間内の湿度を略一定に保つよう構成したこ
とを特徴とする。
【0012】また前述の課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するため本願の更に別の発明は、印版を装着し
た版胴と、この版胴に対向配置した圧胴と、前記版胴に
接離自在に接触回転するインキ転移ロールと、このイン
キ転移ロールに隣接配置したインキ量調節部材と、これ
らインキ転移ロールとインキ量調節部材との間に、低粘
度でかつ高い速乾性を有するインキを供給する供給手段
とを備え、前記版胴と圧胴との間を通過する段ボールシ
ートに前記印版を接触させて所要の印刷を行なうように
した段ボールシート用印刷機において、前記インキ転移
ロールとインキ量調節部材とを囲繞するカバー体と、前
記カバー体により画成される空間内の空気から湿分を除
去する除湿器と、前記空間に加湿された空気を供給する
加湿器とからなり、前記除湿器と加湿器とを作動制御す
ることにより、前記空間内の湿度を略一定に保つよう構
成したことを特徴とする。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係るインキ転移機構の湿度調
整装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照
しながら以下説明する。図1は、実施例に係る段ボール
シートの印刷機におけるインキ転移機構の概略斜視図、
図2は、図1に示す印刷機の概略側面図である。すなわ
ち図示の印刷機40は、印版42が着脱自在に装着され
る版胴44と、段ボールシート43のパスラインを挟む
下方に対向配置した圧胴46とを備え、これら版胴44
および圧胴46は相互に反対方向への回転がなされる。
前記版胴44の上方には、印版42にインキを転移させ
るためのインキ転移機構48が配設されている。このイ
ンキ転移機構48は、基本的に印版42に直接インキを
転移させるインキ転移ロール50と、インキ量の調整を
行なう絞りロール52とから基本的に構成されている。
インキ転移ロール50の表面には、微細な窪みを所要の
パターンで凹設したアニロックスが形成され、これら微
細窪みは、一定量のインキを溜めると共にロール回転時
のインキ飛散を防止するべく機能している。
【0014】前記インキ転移ロール50に隣接して配設
される絞りロール52は、インキ転移ロール50と運転
中は常に接触して、両ロール50,52の長手方向の接
触領域にインキ貯留部Aを画成し得るようになってい
る。また絞りロール52は、インキ転移ロール50に対
して同速若しくは低速で回転して、インキ転移ロール5
0の表面における余剰インキの絞り調整を行なうべく機
能する。なお、インキ転移ロール50と絞りロール52
の軸方向両端部には、インキ貯留部Aを閉成および開放
可能な堰部材(図示せず)が配設され、その閉成時にイン
キや洗浄液(後述)を該貯留部Aに貯留し得るようになっ
ている。
【0015】前記インキ転移ロール50と絞りロール5
2との上方には、両ロール50,52の間に画成された
インキ貯留部Aにインキを供給するインキ供給装置54
が配設されている。段ボールシート43の印刷機40に
使用される印版42はゴム凸版であるから、印刷時のイ
ンキ供給量の管理により印刷仕上りが左右される。供給
量が多ければ、マージナルゾーンを生じて仕上りが不良
になると共に、シート上での乾燥が遅れて裏写りした
り、後工程までの時間が長くなる。また供給量が少な過
ぎると、印刷面にカスレや抜けを生ずる。そこで該イン
キ供給装置54は、インキ供給量を印刷物の図柄に合わ
せて、必要個所に重点的にインキを供給し得るようにな
っている。すなわち、図2に示す如く、前記両ロール5
0,52と水平に設けたレール56に、ヘッド58が左
右走行可能に載架され、このヘッド58から延出させた
ノズル60は、その開口部を前記インキ貯留部Aの上方
に臨ませている。従ってこのノズル60からのインキ
は、インキ転移ロール50と絞りロール52との間のイ
ンキ貯留部Aに供給され、その長手方向(ロール軸方向)
に貯留される。但しこの印刷機40に使用されるインキ
は、先に述べた如きグリコール型インキであって、フレ
キソ印刷機のように循環させる必要はない。
【0016】また前記インキ供給装置54には、適宜の
固定位置に配置した洗浄液タンクに接続された洗浄液供
給管(何れも図示せず)が配設され、該洗浄液供給管の開
口部をインキ貯留部Aに臨ませるようになっている。そ
して段ボールシート43における印刷オーダの変更等に
伴う色替えに際して、前記インキ貯留部Aに洗浄液供給
管を介して、洗浄液を供給し得るよう構成されている。
【0017】なおインキ転移機構48は、絞りロール5
2の回転軸を中心として、前記インキ転移ロール50を
所要角度範囲で変位させ得るよう構成されている。更
に、図示しないが絞りロール52に近接して、該ロール
52に接離自在にスクレーパが配設され、インキ洗浄時
にスクレーパをロール52に接触させることにより絞り
ロール52に転移しているインキを除去し得るようにな
っている。すなわち前記インキ転移機構48を、絞りロ
ール52の回転軸を中心として変位させることにより、
インキ転移ロール50を前記版胴44の印版42に接
触させて、インキを該印版42に転移させるインキ転移
位置と、インキ転移ロール50を印版42から離間す
ると共に、絞りロール52にスクレーパを接触すること
により、インキを除去可能なインキ洗浄位置とを選択し
得る。
【0018】次に、前記インキ転移機構48に関連し
て、空気中の湿度が変化しても、グリコール型インキ中
のグリコールに対する水分割合を一定に保持する目的
で、湿度調整装置62が配設されている。この湿度調整
装置62は、インキ転移機構48を囲繞するカバー体6
4と、このカバー体64の内部に画成される空間S内の
空気から湿分を除去する除湿器66と、空間Sに加湿さ
れた空気を供給する加湿器68とから基本的に構成され
る。
【0019】前記カバー体64は、図1および図2に示
す如く、インキ転移機構48を囲繞する箱型に成形され
ると共に、その底面には、版胴44に配設される印版4
2とインキ転移ロール50との接触を許容する開口64
aが長手方向に沿って形成されている。なお、カバー体
64としては、内部が視認可能な透明材により成形する
ことが推奨される。
【0020】このカバー体64の一側に除湿器66が配
設され、該除湿器66は、図3に示す如く、空間S内の
空気を吸引し、内部の除湿回路により湿分を除去した
後、この乾燥空気を空間Sに吹出すよう構成されてい
る。図4は、除湿器66の概略回路図(基本的には冷凍
装置と同じものである)であって、圧縮機70で圧縮さ
れた気化冷媒は凝縮器71で液化冷媒となり、次いで、
蒸発器72中で蒸発気化し、該蒸発した気化冷媒は、圧
縮機70に帰還する循環を繰返すようになっている。ま
た、蒸発器72に近接して空気循環用ファン73が配設
され、該ファン73は、除湿器66に開設した吸引口6
6aから空間S内の空気を吸引すると共に、除湿器66
で乾燥された空気を吹出口66bを介して空間Sに吹出
すべく機能する。そして吸込口66aから吸引された空
間S内の空気が、蒸発器72を循環する気化冷媒と熱交
換して冷却された際に、該空気中の湿気は蒸発器72の
表面に露となって付着する。この露は、除湿器66に配
設したトレイ(図示せず)に回収された後、排水管74を
介して外部に排出される。また湿分が除去された乾燥空
気は、前記吹出口66bから空間Sに吹出され、これに
より空間S内の除湿が行なわれる。なお、符号75は、
凝縮器71を空冷するファンを示す。
【0021】前記カバー体64の長手方向一側に、空間
Sに加湿された空気を供給する加湿器68が配設され
る。この加湿器68としては、例えば図1に示す如き構
造のものが使用される。すなわち、カバー体64の外部
にブラケット76を介して水槽77が配設されると共
に、該水槽77の上方に、図示しない供給源から圧縮空
気が供給される供給管78が、その一端をカバー体64
の内部に臨ませた状態で配設される。この供給管78に
は、水槽77に貯留した水に浸漬させた副管79が接続
されている。従って、供給管78に圧縮空気を供給すれ
ば、副管79を介して水が供給管78に吸引され、該水
が圧縮空気と混合して霧化状となって空間Sに噴霧され
る。
【0022】前記カバー体64の内部には、空間S内の
湿度を検出する湿度検知手段80が配設され、該検知手
段80の検出値に応じて前記除湿器66と加湿器68と
を作動制御することにより、空間S内の湿度を略一定に
保持するよう構成されている。
【0023】ここで、前記グリコール型インキを使用し
て段ボールシート43に印刷を施した際に、その印刷の
色目変化を抑えて一定の刷上がり状態を保持し得るに
は、前記空間S内の絶対湿度を約9〜13g/m3(例え
ば18℃において相対湿度58%〜84%)の範囲に保
持すれば良いことが実験から判明した。そこで前記湿度
検知手段80の上限設定湿度および下限設定湿度を、前
記実験例の湿度範囲内に設定し、該設定湿度に基づいて
前記除湿器66と加湿器68とを作動制御すれば、常に
一定の刷上がり状態を保持し得るものである。なお除湿
器66は、湿度検知手段80が上限設定湿度を検出した
際に作動されて室内空気の除湿を行ない、また加湿器6
6は湿度検知手段80が下限設定湿度を検出した際に作
動されて室内を加湿するよう設定される。
【0024】
【実施例の作用について】次に、前述した湿度調整装置
の作用につき説明する。印刷運転に際して前記インキ転
移ロール50と絞りロール52との間に、前記ヘッド5
8から延出する供給管60を介してインキが供給され
る。また絞りロール52の作用により、インキ転移ロー
ル50における表面の余剰インキが絞り調節される。こ
れにより、版胴44に装着した印版42の表面には、図
2に示す如く、インキ転移ロール50を介して、適正量
のインキが転移される。この状態の下で、図示しない上
流側のストッカより、段ボールシート43を一枚づつ版
胴44と圧胴46との間に供給することにより、該シー
ト43には所要の印刷が施される。
【0025】前述した印刷運転に際し、例えば冬,春,
秋の乾燥した日(絶対湿度の低い時)は、前記インキ転移
機構48を囲繞しているカバー体64の内部空間Sも乾
燥(湿度が低下)する。そして空間S内の湿度が低下し
て、その湿度が前記湿度検知手段80の下限設定湿度に
達すると、前記加湿器68が作動し、図3に示す如く、
空間Sに加湿空気が噴霧される。これにより空間S内の
湿度が許容範囲以下に低下するのが阻止され、インキ貯
留部Aに貯留されているインキ中の含有水分の逃出を防
止し、グリコール対水の含有比が一定に保たれる。な
お、このとき前記除湿器66は作動を停止しているのは
勿論である。
【0026】前記加湿器68の作動により空間S内の湿
度が上昇し、その湿度が設定湿度範囲内に戻ると、該加
湿器68の作動が停止し、空間S内の湿度は常に略一定
に保持される。なお加湿器68は、湿度検知手段80に
より作動された際に、空間S内の湿度が設定湿度範囲に
戻るまで連続的に作動させてもよいし、またはタイマに
より間欠的に作動させるようにしてもよい。
【0027】また、夏の高温多湿時や降雨時のような日
(絶対湿度の高い時)は、前記インキ転移機構48を囲繞
しているカバー体64の内部空間Sの湿度も高くなる。
そして空間S内の湿度が上昇して、その湿度が前記湿度
検知手段80の上限設定湿度に達すると、前記除湿器6
6が作動し、空間S内の空気から水分を除去する。これ
により空間S内の湿度が許容範囲以上に上昇するのが阻
止され、インキ貯留部Aに貯留されているインキ中に、
空気中の湿分が吸収されるのを防止し、グリコール対水
の含有比が一定に保たれる。そして除湿器66の作動に
より空間S内の湿度が設定湿度範囲内に戻ると、除湿器
66が停止し、空間S内の湿度は常に略一定に保持され
る。
【0028】このように、外気中の湿度が変化しても、
カバー体64の内部空間Sの湿度を略一定に保持し得る
ので、インキ中のグリコール対水の含有比を一定に保っ
て、段ボールシート43への一定の刷上がり状態を得ら
れる。なお、除湿器66により乾燥した冷気を空間S内
に吹出すことにより室内温度も低下するが、このときに
は、前記インキ転移ロール50と絞りロール52との周
速差に起因する摩擦熱の発生を抑制することができ、イ
ンキの粘度変化によって印刷むらが生ずるのを防止し得
る利点もある。
【0029】なお従来のフレキソインキにおいても、グ
リコールを含むものがあり、このグリコールを含む水性
インキを使用する場合においても、実施例に係る湿度調
整装置62を使用することにより、グリコール対水の含
有比を一定に保持して、常に一定の条件での印刷を行な
うことができる。
【0030】図5は、別実施例に係る印刷機の要部を概
略側面で示すものであって、湿度調整装置の構成は図1
に示す実施例と同一であるが、インキ転移ロール50に
おけるインキの絞り調節を調節板により行なうようにな
っている。すなわち、インキ転移ロール50に近接し
て、長尺板体からなるスクレーパ状の調節板81が転移
ロール50の回転方向に対して順方向に、その先端を接
線方向に沿って指向させている。この調節板81はモー
タ82に接続され、該モータ82の正逆付勢により、そ
の先端とロール表面との間隔を調節自在に構成されて、
インキ転移ロール50の表面におけるインキ量を調節す
るべく機能する。またインキ転移ロール50と調節板8
1との間に、その長手方向に沿ってインキ貯留部Aが画
成され、前記インキ供給装置54のノズル60を介して
グリコール型インキが供給されるようになっている。
【0031】このように構成した別実施例に係る印刷機
においても、前記カバー体64の内部に配設した湿度検
知手段80により除湿器66と加湿器68とを作動制御
することにより、空間S内の湿度を略一定に保持するこ
とができる。従って、周囲の空気が乾燥している場合で
あっても、空気中の含有湿分が高い場合であっても、イ
キン貯留部Aに供給されるインキ中でのグリコール対水
の含有比を略一定に保持し得る。この結果、段ボールシ
ートに施した印刷の色目変化を抑えて一定の刷上がり状
態を保持することができる。
【0032】なお実施例では、除湿器として冷凍装置を
備えたものにつき説明したが、本願はこれに限定される
ものでなく、例えば、燃焼時に発生する水蒸気成分を強
制的に室外に排出する構造の温風吹出式ストーブ等の暖
房装置であってもよい。また加湿器としては、水槽中の
水をヒータにより加熱して直接蒸気を発生させる型式の
ものや、超音波振動の原理により霧化液体を生じさせる
型式のもの等が利用可能である。
【0033】また実施例では、可動式のインキ供給装置
を使用する場合につき説明したが、本願はこれに限定さ
れるものでなく、固定式のインキ供給装置を使用するも
のであってもよい。また固定位置に配設したインキ供給
装置から導出したパイプを、適宜の移動手段によりイン
キ貯留部の長手方向に沿って移動させるようにしてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るインキ
転移機構の湿度調整装置によれば、低粘度でかつ高い速
乾性を有するグリコール型インキを使用して、段ボール
シートへの印刷を行なうに際し、晴天時の如く空気が乾
燥している場合であっても、降雨時の如く空気中の湿度
が高い場合であっても、インキ転移ロールとインキ量調
節部材とを囲繞したカバー体により画成された空間内の
湿度を略一定に保つことができる。これにより、インキ
転移ロールとインキ量調節部材との間に供給されたイン
キ中のビヒクル溶媒としてのグリコールに対する水分割
合を一定に保持することができ、段ボールシートへの色
目変化を抑え、刷上がり状態を常に良好に保ち得るもの
である。
【0035】また、空間内に配設した湿度検知手段によ
り除湿器と加湿器とを作動制御することにより、該空間
内の湿度を自動調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る湿度調整装置が採用され
る印刷機におけるインキ転移機構の概略斜視図である。
【図2】図1に示す印刷機の概略側面図である。
【図3】湿度調整装置の縦断背面図である。
【図4】湿度調整装置における除湿器の概略回路図であ
る。
【図5】本発明の実施例に係る湿度調整装置が採用され
る別実施例の印刷機の要部を示す概略側面図である。
【符号の説明】
42 印版 43 段ボールシート 44 版胴 46 圧胴 50 インキ転移ロール 52 絞りロール 60 ノズル 64 カバー体 66 除湿器 68 加湿器 80 湿度検知手段 81 調節板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)と、前記版胴(44)に接離
    自在に接触回転するインキ転移ロール(50)と、このイン
    キ転移ロール(50)に隣接配置したインキ量調節部材(52,
    81)と、これらインキ転移ロール(50)とインキ量調節部
    材(52,81)との間に、低粘度でかつ高い速乾性を有する
    インキを供給する供給手段(60)とを備え、前記版胴(44)
    と圧胴(46)との間を通過する段ボールシート(43)に前記
    印版(42)を接触させて所要の印刷を行なうようにした段
    ボールシート用印刷機において、 前記インキ転移ロール(50)とインキ量調節部材(52,81)
    とを囲繞するカバー体(64)と、 前記カバー体(64)により画成される空間(S)内の空気か
    ら湿分を除去する除湿器(66)とからなり、 前記除湿器(66)を作動制御することにより、前記空間
    (S)内の湿度を略一定に保つよう構成したことを特徴と
    するインキ転移機構の湿度調整装置。
  2. 【請求項2】 前記空間(S)内に湿度検知手段(80)を配
    設し、この検知手段(80)の検出値に応じて前記除湿器(6
    6)を作動制御するようにした請求項1記載のインキ転移
    機構の湿度調整装置。
  3. 【請求項3】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)と、前記版胴(44)に接離
    自在に接触回転するインキ転移ロール(50)と、このイン
    キ転移ロール(50)に隣接配置したインキ量調節部材(52,
    81)と、これらインキ転移ロール(50)とインキ量調節部
    材(52,81)との間に、低粘度でかつ高い速乾性を有する
    インキを供給する供給手段(60)とを備え、前記版胴(44)
    と圧胴(46)との間を通過する段ボールシート(43)に前記
    印版(42)を接触させて所要の印刷を行なうようにした段
    ボールシート用印刷機において、 前記インキ転移ロール(50)とインキ量調節部材(52,81)
    とを囲繞するカバー体(64)と、 前記カバー体(64)により画成される空間(S)に加湿され
    た空気を供給する加湿器(68)とからなり、 前記加湿器(68)を作動制御することにより、前記空間
    (S)内の湿度を略一定に保つよう構成したことを特徴と
    するインキ転移機構の湿度調整装置。
  4. 【請求項4】 前記空間(S)内に湿度検知手段(80)を配
    設し、この検知手段(80)の検出値に応じて前記加湿器(6
    8)を作動制御するようにした請求項3記載のインキ転移
    機構の湿度調整装置。
  5. 【請求項5】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)と、前記版胴(44)に接離
    自在に接触回転するインキ転移ロール(50)と、このイン
    キ転移ロール(50)に隣接配置したインキ量調節部材(52,
    81)と、これらインキ転移ロール(50)とインキ量調節部
    材(52,81)との間に、低粘度でかつ高い速乾性を有する
    インキを供給する供給手段(60)とを備え、前記版胴(44)
    と圧胴(46)との間を通過する段ボールシート(43)に前記
    印版(42)を接触させて所要の印刷を行なうようにした段
    ボールシート用印刷機において、 前記インキ転移ロール(50)とインキ量調節部材(52,81)
    とを囲繞するカバー体(64)と、 前記カバー体(64)により画成される空間(S)内の空気か
    ら湿分を除去する除湿器(66)と、 前記空間(S)に加湿された空気を供給する加湿器(68)と
    からなり、 前記除湿器(66)と加湿器(68)とを作動制御することによ
    り、前記空間(S)内の湿度を略一定に保つよう構成した
    ことを特徴とするインキ転移機構の湿度調整装置。
  6. 【請求項6】 前記空間(S)内に湿度検知手段(80)を配
    設し、この検知手段(80)の検出値に応じて前記除湿器(6
    6)と加湿器(68)とを作動制御するようにした請求項5記
    載のインキ転移機構の湿度調整装置。
  7. 【請求項7】 前記インキ量調節部材(52)は、絞りロー
    ルである請求項1,2,3,4,5または6の何れかに
    記載のインキ転移機構の湿度調整装置。
  8. 【請求項8】 前記インキ量調節部材(81)は、スクレー
    パ状の調節板である請求項1,2,3,4,5または6
    の何れかに記載のインキ転移機構の湿度調整装置。
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