JPH0694473B2 - β−グルコシルルブソサイド及その製造方法及これを利用した甘味料 - Google Patents
β−グルコシルルブソサイド及その製造方法及これを利用した甘味料Info
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- JPH0694473B2 JPH0694473B2 JP63150209A JP15020988A JPH0694473B2 JP H0694473 B2 JPH0694473 B2 JP H0694473B2 JP 63150209 A JP63150209 A JP 63150209A JP 15020988 A JP15020988 A JP 15020988A JP H0694473 B2 JPH0694473 B2 JP H0694473B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、新規なルブソサイド配糖体及その製造方法
及これを利用した甘味料に関するものである。
及これを利用した甘味料に関するものである。
(従来の技術) 近年、人工甘味料であるサッカリン、ズルチン、チクロ
等が安全性の点から、一般食品への使用が禁止、または
規制される傾向にある。一方では、近年砂糖のとりすぎ
による健康上の影響が問題にされはじめたことから、よ
り安全な天然甘味料の開発が熱望されている。
等が安全性の点から、一般食品への使用が禁止、または
規制される傾向にある。一方では、近年砂糖のとりすぎ
による健康上の影響が問題にされはじめたことから、よ
り安全な天然甘味料の開発が熱望されている。
これに対して、南米パラグアイ原産のキク科植物である
ステビアからはカウレン系ジテルペン配糖体ステビオサ
イドが得られるが、このステビオサイドは砂糖と異な
り、低カロリーの甘味料であり、しかも甘味度は砂糖の
約145倍と高く、砂糖に替わる甘味料として注目されて
いる。
ステビアからはカウレン系ジテルペン配糖体ステビオサ
イドが得られるが、このステビオサイドは砂糖と異な
り、低カロリーの甘味料であり、しかも甘味度は砂糖の
約145倍と高く、砂糖に替わる甘味料として注目されて
いる。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、ステビオサイドの甘味の質には、若干の苦味、
嫌味があり、更に残味が長く尾を引くという欠点がある
ため、αまたはβ−グルコシル転移酵素でグルコシル化
することにより、これらの欠点を改善した製品が生産さ
れているが、いまだ充分な成果を収めるに至っていな
い。
嫌味があり、更に残味が長く尾を引くという欠点がある
ため、αまたはβ−グルコシル転移酵素でグルコシル化
することにより、これらの欠点を改善した製品が生産さ
れているが、いまだ充分な成果を収めるに至っていな
い。
一方、中国南部広西、広東地方に野生するバラ科キイチ
ゴ属の灌木、甘葉懸鈎子の葉からはルブソサイドが得ら
れるが、このルブソサイドは下記構造式(I)で示すよ
うに、その骨格がステビオサイドと同じジテルペン系甘
味配糖体である。
ゴ属の灌木、甘葉懸鈎子の葉からはルブソサイドが得ら
れるが、このルブソサイドは下記構造式(I)で示すよ
うに、その骨格がステビオサイドと同じジテルペン系甘
味配糖体である。
(式中β−gluc:β−グルコシル基) このルブソサイドには甘味度においてステビオサイドに
劣り、しかも味質においてステビオサイド同様、苦味、
嫌味があるなどの欠点があるが、その反面ステビア中に
存在する甘味物質は、ステビアサイド以外にも6種類の
構造の異なる甘味物質が存在するのに対し、甘葉懸鈎子
の葉中にはルブソサイド1種類しか存在せず、ルブソサ
イドを単離しやすいという特長がある。
劣り、しかも味質においてステビオサイド同様、苦味、
嫌味があるなどの欠点があるが、その反面ステビア中に
存在する甘味物質は、ステビアサイド以外にも6種類の
構造の異なる甘味物質が存在するのに対し、甘葉懸鈎子
の葉中にはルブソサイド1種類しか存在せず、ルブソサ
イドを単離しやすいという特長がある。
本願発明者らは、この点に注目してルブソサイドを出発
原料として味質、甘味度ともに優れた甘味物質を開発す
る目的で、鋭意研究の結果、新規な物質を見出すととも
にこれらの新規物質には味質、甘味度とも優れた性質の
あることを見出したものである。
原料として味質、甘味度ともに優れた甘味物質を開発す
る目的で、鋭意研究の結果、新規な物質を見出すととも
にこれらの新規物質には味質、甘味度とも優れた性質の
あることを見出したものである。
(問題点を解決するための手段) この発明に係る物質は、ルブソサイドを出発原料として
得られるルブソサイドの13位のOHにエーテル結合するβ
−グルコースの3、4、6位乃至19位のカルボキシル基
にエステル結合するβ−グルコースの3、6位の何れか
一つの位置にβ−グルコースが1位の位置で結合した構
造のβ−グルコシルルブソサイドである。
得られるルブソサイドの13位のOHにエーテル結合するβ
−グルコースの3、4、6位乃至19位のカルボキシル基
にエステル結合するβ−グルコースの3、6位の何れか
一つの位置にβ−グルコースが1位の位置で結合した構
造のβ−グルコシルルブソサイドである。
具体的には、この発明に係る物質は下記の構造式(II)
で表わされる。
で表わされる。
(式中R1,R2:β−gluc,β−gluc6−1β−gluc,β−glu
c2−1β−gluc,β−gluc3−1β−gluc,β−gluc4−1
β−gluc,から選ばれた基、β−gluc:β−グルコシル基
を表わす) この発明に係るβ−グルコシルルブソサイドはルブソサ
イドとβ−グルコシル糖化合物とを含有する水溶液また
は懸濁液にβ−グルコシル転移酵素を作用させることに
よって得られる。
c2−1β−gluc,β−gluc3−1β−gluc,β−gluc4−1
β−gluc,から選ばれた基、β−gluc:β−グルコシル基
を表わす) この発明に係るβ−グルコシルルブソサイドはルブソサ
イドとβ−グルコシル糖化合物とを含有する水溶液また
は懸濁液にβ−グルコシル転移酵素を作用させることに
よって得られる。
この発明に用いるルブソサイドは、精製されたルブソサ
イドに限定されることなく、例えば甘葉懸鈎子の抽出液
または中間精製物でも良い。
イドに限定されることなく、例えば甘葉懸鈎子の抽出液
または中間精製物でも良い。
この発明に用いるβ−グルコシル糖化合物(以下、糖供
与体と記す)とはセルロース、ラミナラン、カードラ
ン、β−1,2グルカン他β結合したグルカン等が使用さ
れるが、それらの分解物であるダイマー、オリゴ糖また
はβ−グルコシル基を有する配糖体或はヘテロオリゴ糖
などでも良い。
与体と記す)とはセルロース、ラミナラン、カードラ
ン、β−1,2グルカン他β結合したグルカン等が使用さ
れるが、それらの分解物であるダイマー、オリゴ糖また
はβ−グルコシル基を有する配糖体或はヘテロオリゴ糖
などでも良い。
この発明に用いるβ−グルコシル転移酵素は、β−グル
コシル糖化合物とルブソサイドを含有する水溶液に作用
させるとき、糖供与体を分解し、そのβ−グルコシル基
をルブソサイドに転移し、β−グルコシルルブソサイド
を生成するものであれば、何れでも使用可能である。
コシル糖化合物とルブソサイドを含有する水溶液に作用
させるとき、糖供与体を分解し、そのβ−グルコシル基
をルブソサイドに転移し、β−グルコシルルブソサイド
を生成するものであれば、何れでも使用可能である。
β−グルコシル転移酵素は自然界にかなり広範に存在し
ている。例えば高等植物の種子、葉、根、動物の腎臓、
肝臓、小腸、粘膜、カタツムリの消化液等に含まれてい
る。また、微生物の場合には、アクレモニウム(Acremo
nium)SP 15,アスペルギルス フミガトス(Aspergill
us fumigatus),アスペルギルス ニガー(Aspergill
s niger),リゾプス ソラニ(Rhizopus solani,ト
リコデルマ(Trichoderma)SP,トリコデルマ ロンギブ
ラチアトム(Tricoderma longibrachiatum),スクレ
ラチニア リベルチアナ(Scleratinia libertian
a),シトファガ アルベンシコラ(Cytophaga arvens
icola),ストレプトマイセス(Streptomyces)SP,ロド
トルラ ミッタ(Rhodotorula mituta),サッカロマ
イセス ラクティス(Saccharomyces lactis)等カ
ビ、殺菌、酵母等各種微生物から生産するβ−グルコシ
ル転移酵素を使用することができる。これらβ−グルコ
シル転移酵素は、前記の条件を満足するものであれば良
い。
ている。例えば高等植物の種子、葉、根、動物の腎臓、
肝臓、小腸、粘膜、カタツムリの消化液等に含まれてい
る。また、微生物の場合には、アクレモニウム(Acremo
nium)SP 15,アスペルギルス フミガトス(Aspergill
us fumigatus),アスペルギルス ニガー(Aspergill
s niger),リゾプス ソラニ(Rhizopus solani,ト
リコデルマ(Trichoderma)SP,トリコデルマ ロンギブ
ラチアトム(Tricoderma longibrachiatum),スクレ
ラチニア リベルチアナ(Scleratinia libertian
a),シトファガ アルベンシコラ(Cytophaga arvens
icola),ストレプトマイセス(Streptomyces)SP,ロド
トルラ ミッタ(Rhodotorula mituta),サッカロマ
イセス ラクティス(Saccharomyces lactis)等カ
ビ、殺菌、酵母等各種微生物から生産するβ−グルコシ
ル転移酵素を使用することができる。これらβ−グルコ
シル転移酵素は、前記の条件を満足するものであれば良
い。
これらβ−グルコシル転移酵素は4つに大別される。即
ちβ−1,2,β−1、3,β−1,4,β−1,6結合で転移する
酵素である。例えばアクレモニウムSP 15の生産するβ
−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイドの13
位、19位にβ−1,2で転移し、リゾプス ソラニの生産
するβ−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイド
の13位、19位にβ−1,3で転移し、トリコデルマSPの生
産するβ−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイ
ドにβ−1,4で転移し、アスペルギルス ニガーの生産
するβ−グルコシルダーゼで反応した場合、ルブソサイ
ドにβ−1,6で転移することが確認できた。
ちβ−1,2,β−1、3,β−1,4,β−1,6結合で転移する
酵素である。例えばアクレモニウムSP 15の生産するβ
−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイドの13
位、19位にβ−1,2で転移し、リゾプス ソラニの生産
するβ−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイド
の13位、19位にβ−1,3で転移し、トリコデルマSPの生
産するβ−グルコシダーゼで反応した場合、ルブソサイ
ドにβ−1,4で転移し、アスペルギルス ニガーの生産
するβ−グルコシルダーゼで反応した場合、ルブソサイ
ドにβ−1,6で転移することが確認できた。
この発明に使用するβ−グルコシル転移酵素の調製方法
としては、該微生物の固体培養物及液体培養物のいずれ
も使用することができるが、最近では一般に液体培養法
が主流となっている。
としては、該微生物の固体培養物及液体培養物のいずれ
も使用することができるが、最近では一般に液体培養法
が主流となっている。
動植物起源のβ−グルコシダーゼを使用する場合は、公
知の方法により抽出、精製すればよく、目的に応じて粗
製、精製品の何れかを選択すればよい。
知の方法により抽出、精製すればよく、目的に応じて粗
製、精製品の何れかを選択すればよい。
微生物起源のβ−グルコシダーゼを使用する場合、その
培養液は通常不溶物を除去した上澄液を酵素として使用
するか、菌体内酵素である場合は分離した菌体をそのま
ま使用するか、抽出して利用すれば良い。また必要に応
じて上記抽出液をさらに精製した酵素を用いてもよい。
培養液は通常不溶物を除去した上澄液を酵素として使用
するか、菌体内酵素である場合は分離した菌体をそのま
ま使用するか、抽出して利用すれば良い。また必要に応
じて上記抽出液をさらに精製した酵素を用いてもよい。
更に、市販されている酵素剤、例えばセルロシン(上田
化学社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、キタラー
ゼ(K・I化成社製)、スミチームC(新日本化学工業
社製)等β−グルコシル転移酵素活性を有する酵素剤を
β−グルコシル転移酵素として用いることができる。
化学社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、キタラー
ゼ(K・I化成社製)、スミチームC(新日本化学工業
社製)等β−グルコシル転移酵素活性を有する酵素剤を
β−グルコシル転移酵素として用いることができる。
反応に用いるルブソサイドは水に溶解させ、反応液中に
濃度を約1〜40%(W/W)とし、糖供与体は約0.5〜50%
(W/W)とすれば良い。また、反応系でのルブソサイド
に対する糖供与体の比率は使用する糖供与体によっても
異なり、0.1〜50倍の範囲でも用いられるが、好ましく
は1〜5倍の範囲である。
濃度を約1〜40%(W/W)とし、糖供与体は約0.5〜50%
(W/W)とすれば良い。また、反応系でのルブソサイド
に対する糖供与体の比率は使用する糖供与体によっても
異なり、0.1〜50倍の範囲でも用いられるが、好ましく
は1〜5倍の範囲である。
反応液のpHと温度は、通常pH4〜8、温度20〜70℃が適
当である。
当である。
使用酵素活性量は反応時間と密接な関係があり、通常は
5〜120時間、好ましくは5〜48時間で反応が終了する
酵素活性量にすれば良いが、これらに限定されるもので
はない。
5〜120時間、好ましくは5〜48時間で反応が終了する
酵素活性量にすれば良いが、これらに限定されるもので
はない。
(発明の効果) 以上のような方法により、反応させて得られた液を例え
ば高速液体クロマトグラフにかけて分画、分取した後、
分取されたものを13C−NMRにより構造解析を行なった結
果、上記構造式(II)に示すようなβ−グルコシルルブ
ソサイドが得られることを確認した。
ば高速液体クロマトグラフにかけて分画、分取した後、
分取されたものを13C−NMRにより構造解析を行なった結
果、上記構造式(II)に示すようなβ−グルコシルルブ
ソサイドが得られることを確認した。
上記のようにして得られた反応生成物の甘味度は原体の
ルブソサイドと比較して1.2〜2.0倍となり、更に味質も
苦味、嫌味を有するルブソサイドと比べて改善されるこ
とを確認した。
ルブソサイドと比較して1.2〜2.0倍となり、更に味質も
苦味、嫌味を有するルブソサイドと比べて改善されるこ
とを確認した。
したがって、このようにしてβ−グルコシルルブサイド
を生成せしめた反応溶液は、そのまま甘味料として使用
できるが、必要に応じて酵素を失活させ、濾過後、その
溶液をイオン交換樹脂、例えばH型強酸性イオン交換樹
脂及OH型弱塩基性イオン交換樹脂を用いて脱塩し、濃縮
してシラップ状の甘味料とするか、または乾燥、粉末化
して、粉末状の甘味料とすることもできる。
を生成せしめた反応溶液は、そのまま甘味料として使用
できるが、必要に応じて酵素を失活させ、濾過後、その
溶液をイオン交換樹脂、例えばH型強酸性イオン交換樹
脂及OH型弱塩基性イオン交換樹脂を用いて脱塩し、濃縮
してシラップ状の甘味料とするか、または乾燥、粉末化
して、粉末状の甘味料とすることもできる。
更に、脱塩した反応溶液をカラムクロマト法にて生成
し、ルブソサイドの13位のOHにエーテル結合又は19位の
COOHにエステル結合するβ−グルコースの一方又は両方
のβ−グルコースの2、3、4、6位の何れか一つの位
置にβ−グルコースが1位の位置で各々結合した構造の
β−グルコシルルブソサイドを分離採取して、これを甘
味料とすることもできる。この際、濃縮、乾燥、粉末化
は公知の方法によれば良い。
し、ルブソサイドの13位のOHにエーテル結合又は19位の
COOHにエステル結合するβ−グルコースの一方又は両方
のβ−グルコースの2、3、4、6位の何れか一つの位
置にβ−グルコースが1位の位置で各々結合した構造の
β−グルコシルルブソサイドを分離採取して、これを甘
味料とすることもできる。この際、濃縮、乾燥、粉末化
は公知の方法によれば良い。
この発明により得られたβ−グルコシルルブソサイドは
甘味度が高いところから、低カロリーの飲食物、低カロ
リーの嗜好物等、いわゆる美容食、健康食、ダイエット
食の甘味付けに好適である。また、うがい薬、練り歯磨
等、虫歯予防用の経口用医薬部外品への添加にも好適で
あり、その他、医薬品も含めて従来甘味の必要とする分
野に自由に使用することができる。
甘味度が高いところから、低カロリーの飲食物、低カロ
リーの嗜好物等、いわゆる美容食、健康食、ダイエット
食の甘味付けに好適である。また、うがい薬、練り歯磨
等、虫歯予防用の経口用医薬部外品への添加にも好適で
あり、その他、医薬品も含めて従来甘味の必要とする分
野に自由に使用することができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げてこの発明を具体的に説明する。
実施例1 (1)転移反応 乾燥甘葉懸鈎子の葉を粗砕し、温水を加えて抽出してか
ら、濾過助剤を添加し、充分攪拌後、その液を濾過して
清浄液とした。
ら、濾過助剤を添加し、充分攪拌後、その液を濾過して
清浄液とした。
更に、吸着樹脂(商品名:ダイヤイオンHP−20,三菱化
成社製)にて吸着させた後、再結晶して、純度97%のル
ブソサイド(試料No.1)を調整した。
成社製)にて吸着させた後、再結晶して、純度97%のル
ブソサイド(試料No.1)を調整した。
上記の方法で調製したルブソサイド3g、セロビオース45
0mgを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)150mlにて溶解した後、
セルロシンHC(上田化学社製)を15mg添加し、40℃にて
6時間反応させた。反応後に酵素を加熱失活させた溶液
を吸着樹脂に吸着後、60%メタノールで溶出し、未反応
ルブソサイドと転移反応生成物(試料No.2)を分取し
た。さらに、この転移反応生成物をシリカゲルカラムク
トマト及び高速液体クロマトグラフにより分画、分取し
た。
0mgを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)150mlにて溶解した後、
セルロシンHC(上田化学社製)を15mg添加し、40℃にて
6時間反応させた。反応後に酵素を加熱失活させた溶液
を吸着樹脂に吸着後、60%メタノールで溶出し、未反応
ルブソサイドと転移反応生成物(試料No.2)を分取し
た。さらに、この転移反応生成物をシリカゲルカラムク
トマト及び高速液体クロマトグラフにより分画、分取し
た。
(2)構造解析 上記分画、単離された転移物質3点(A)(B)(C)
の13C−NMR解析により、(A)(B)は下記第1、2表
に示すように受容体ルブソサイドの13位又は19位に結合
するグルコースの6位にグルコースが1分子転移した化
合物であり、(C)は下記第3表に示すようにグルコー
スが2分子転移した化合物であることが確認された。
の13C−NMR解析により、(A)(B)は下記第1、2表
に示すように受容体ルブソサイドの13位又は19位に結合
するグルコースの6位にグルコースが1分子転移した化
合物であり、(C)は下記第3表に示すようにグルコー
スが2分子転移した化合物であることが確認された。
また上記(A)(B)(C)についてヨウ化リチウム、
2,6−ルチジン、メタノール試薬を用いて、19位のエス
テル結合を選択的に分解し、その分解した糖部を単離精
製し、薄層クロマトにより、糖の数を調べた結果、
(B)が1個、(A)(C)が2個であることを確認
し、更に高速液体クロマトグラフにより、(B)はグル
コース、(A)(C)はゲンチオビオースであることを
標準物質と一致することにより確認した。即ち(A)は
19位にグルコースが1分子、(B)は13位にグルコース
が1分子、(C)は13位、19位の両方にグルコースが各
々1分子転移していることになる。
2,6−ルチジン、メタノール試薬を用いて、19位のエス
テル結合を選択的に分解し、その分解した糖部を単離精
製し、薄層クロマトにより、糖の数を調べた結果、
(B)が1個、(A)(C)が2個であることを確認
し、更に高速液体クロマトグラフにより、(B)はグル
コース、(A)(C)はゲンチオビオースであることを
標準物質と一致することにより確認した。即ち(A)は
19位にグルコースが1分子、(B)は13位にグルコース
が1分子、(C)は13位、19位の両方にグルコースが各
々1分子転移していることになる。
以上、2点から(A)は下記構造式(III)に示すよう
にルブソサイドの19位のCOOHにエステル結合するβ−グ
ルコースの6位にβ−グルコースが1位の位置で結合し
たβ−グルコシルルブソサイド、(B)は下記構造式
(IV)に示すようにルブソサイドの13位のOHにエーテル
結合するβ−グルコースの6位にβ−グルコースが1位
の位置で結合した構造のβ−グルコシルルブソサイド、
(C)は下記構造式(V)に示すようにルブソサイドの
13位のOHにエーテル結合するβ−グルコースの6位及び
19位のCOOHにエステル結合するβ−グルコースの6位の
両方にβ−グルコースが、1位の位置で各々結合した構
造のβ−グルコシルルブソサイドと構造決定した。
にルブソサイドの19位のCOOHにエステル結合するβ−グ
ルコースの6位にβ−グルコースが1位の位置で結合し
たβ−グルコシルルブソサイド、(B)は下記構造式
(IV)に示すようにルブソサイドの13位のOHにエーテル
結合するβ−グルコースの6位にβ−グルコースが1位
の位置で結合した構造のβ−グルコシルルブソサイド、
(C)は下記構造式(V)に示すようにルブソサイドの
13位のOHにエーテル結合するβ−グルコースの6位及び
19位のCOOHにエステル結合するβ−グルコースの6位の
両方にβ−グルコースが、1位の位置で各々結合した構
造のβ−グルコシルルブソサイドと構造決定した。
(3)転移反応生成物の甘味度試験 試料として原体のルブソサイド(No.1)及び転移反応生
成物(No.2)の各々0.015%及び0.03%水溶液を調製
し、他に、標準溶液として砂糖の1〜6%の水溶液を0.
5%濃度段階で作製し、甘味度の比較を行なった。15名
のパネル員により室温20℃で行なった結果を第4、5表
に示す。
成物(No.2)の各々0.015%及び0.03%水溶液を調製
し、他に、標準溶液として砂糖の1〜6%の水溶液を0.
5%濃度段階で作製し、甘味度の比較を行なった。15名
のパネル員により室温20℃で行なった結果を第4、5表
に示す。
第4、5表の結果から、試料No.1の甘味度は0.015%水
溶液で砂糖の濃度1.5%(甘味度100倍)に相当し、0.03
%水溶液で、砂糖濃度3.5%(甘味度117倍)に相当す
る。同様に試料No.2の甘味度は、砂糖濃度の各々2.0%
及び5%に相当し、転移反応生成物の甘味度は、明らか
に1.4倍近くまで改良されたと判断される。
溶液で砂糖の濃度1.5%(甘味度100倍)に相当し、0.03
%水溶液で、砂糖濃度3.5%(甘味度117倍)に相当す
る。同様に試料No.2の甘味度は、砂糖濃度の各々2.0%
及び5%に相当し、転移反応生成物の甘味度は、明らか
に1.4倍近くまで改良されたと判断される。
(4)転移反応生成物の味質試験 試料No.1,2とを用いて甘味の質について比較テストを行
なった。
なった。
試料は、それぞれ3%,5%,8%の砂糖水溶液に相当する
甘味度を調製した。5%を1例に挙げれば、試料No.1は
0.045%、試料No.2は、0.032%水溶液として比較テスト
を行なった。その結果を第6表に示す。
甘味度を調製した。5%を1例に挙げれば、試料No.1は
0.045%、試料No.2は、0.032%水溶液として比較テスト
を行なった。その結果を第6表に示す。
第6表に示す結果によれば転移反応生成物は、全ての濃
度においても甘味の質は明らかに対照のルブソサイドよ
り優れていた。
度においても甘味の質は明らかに対照のルブソサイドよ
り優れていた。
参考例1 (1)酵素の調製 ペプトン1%、リン酸第1カリウム0.05%、リン酸第2
カリウム0.05%、硫酸マグネシウム0.05%、粉飴1%の
組成から成るpH5.0の培地を調製し、500mlの坂口フラス
コ10本に60ml宛、分注滅菌し、「アクレニウムSP15を1
白金耳づつ接種し、30℃にて48時間浸盪培養を行った。
次に滅菌した環状β−1,2グルカンを1%の濃度となる
ように添加し、更に24時間培養を行った。この培養物を
遠心分離し(5,000r.p.m.10分間)菌体を除去した。こ
の分離液に硫酸アンモニウムをその飽和濃度の約80%と
なるように加え、析出した固形分を濾別した。これを20
mM酢酸緩衝液(pH5.6)50mlに溶解しセルロースフィル
ムを用い、同緩衝液に対して透析処理を行った後にUF膜
にて濃縮し、酵素液とした。
カリウム0.05%、硫酸マグネシウム0.05%、粉飴1%の
組成から成るpH5.0の培地を調製し、500mlの坂口フラス
コ10本に60ml宛、分注滅菌し、「アクレニウムSP15を1
白金耳づつ接種し、30℃にて48時間浸盪培養を行った。
次に滅菌した環状β−1,2グルカンを1%の濃度となる
ように添加し、更に24時間培養を行った。この培養物を
遠心分離し(5,000r.p.m.10分間)菌体を除去した。こ
の分離液に硫酸アンモニウムをその飽和濃度の約80%と
なるように加え、析出した固形分を濾別した。これを20
mM酢酸緩衝液(pH5.6)50mlに溶解しセルロースフィル
ムを用い、同緩衝液に対して透析処理を行った後にUF膜
にて濃縮し、酵素液とした。
(2)転移反応 実施例1で調製した精製ルブソサイド10g、環状β−1,2
グルカン2gを50mM酢酸緩衝液(pH5.6)25mlにて溶解、
一部懸濁液とした後、上記酵素液1mlを添加し、50℃に
て20時間反応させた。反応後に、酵素を加熱失活させた
溶液を実施例1と同じく処理して転移反応生成物(A)
(B)(C)を分画、分取した。
グルカン2gを50mM酢酸緩衝液(pH5.6)25mlにて溶解、
一部懸濁液とした後、上記酵素液1mlを添加し、50℃に
て20時間反応させた。反応後に、酵素を加熱失活させた
溶液を実施例1と同じく処理して転移反応生成物(A)
(B)(C)を分画、分取した。
(3)構造解析 実施例1と同様に、反応生成物(A)(B)(C)をヨ
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)(C)からはソフォロースが生成したこ
とが確認された。更に、19位のエステル結合を選択的に
分解して生成したゲニンを含む方の断片を薄層クロマト
グラフで分析したところ、(A)及び(C)からはステ
ビオールビオシドが、また(B)からはステビオールモ
ノシドが生成したことが確認された。
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)(C)からはソフォロースが生成したこ
とが確認された。更に、19位のエステル結合を選択的に
分解して生成したゲニンを含む方の断片を薄層クロマト
グラフで分析したところ、(A)及び(C)からはステ
ビオールビオシドが、また(B)からはステビオールモ
ノシドが生成したことが確認された。
(A)、(B)、(C)の13C−NMR解析の結果、(A)
と(C)の13位にエーテル結合するグルコースの2位の
炭素のケミカルシフトが低磁場に、また(B)と(C)
の19位にエステル結合するグルコースの2位の炭素のケ
ミカルシフトが低磁場に、各々シフトしていることが確
認された。
と(C)の13位にエーテル結合するグルコースの2位の
炭素のケミカルシフトが低磁場に、また(B)と(C)
の19位にエステル結合するグルコースの2位の炭素のケ
ミカルシフトが低磁場に、各々シフトしていることが確
認された。
以上から判断して、(A)はルブソサイドの13位のOHに
エーテル結合するβ−グルコースの2位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルルブソサイ
ドであることを確認した。
エーテル結合するβ−グルコースの2位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルルブソサイ
ドであることを確認した。
(B)はルブソサイドの19位のCOOHにエステル結合する
β−グルコースの2位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
β−グルコースの2位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
また、(C)は、ルブソサイドの13位のOHにエーテル結
合するβ−グルコースの2位及び19位のCOOHにエステル
結合するβ−グルコースの2位の両方にβ−グルコース
が1位の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブ
ソサイドであることを確認した。
合するβ−グルコースの2位及び19位のCOOHにエステル
結合するβ−グルコースの2位の両方にβ−グルコース
が1位の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブ
ソサイドであることを確認した。
この分画前の転移反応生成物混合物について、甘味度、
甘味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな味質に改善された。
甘味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな味質に改善された。
実施例2 1gのカードランを0.1N−NaOHに溶解し、120mlとした溶
液に実施例1で調製した調製ルブソサイド3gを加えて溶
解し、更に100mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlを加えて150m
lとしてからキタラーゼC(K・I化成社製)20mgを添
加し、40℃にて40時間反応させた。反応後に酵素を加
熱、失活させた溶液を実施例1と同じ処理して転移反応
生成物(A)(B)(C)を分画、分取した。
液に実施例1で調製した調製ルブソサイド3gを加えて溶
解し、更に100mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlを加えて150m
lとしてからキタラーゼC(K・I化成社製)20mgを添
加し、40℃にて40時間反応させた。反応後に酵素を加
熱、失活させた溶液を実施例1と同じ処理して転移反応
生成物(A)(B)(C)を分画、分取した。
(1)構造解析 実施例1と同様に、反応生成物(A)(B)(C)をヨ
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)と(C)からはラミナリビオースが生成
したことを、標準物質と一致することにより確認した。
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)と(C)からはラミナリビオースが生成
したことを、標準物質と一致することにより確認した。
更に、19位にエステル結合を選択的に分解して生成した
ゲニンを含む方の断片を薄層クロマトグラフで分析した
ところ、(A)及び(C)からの生成物はステビオール
ビオシドとほぼ同じ位置にスポットを生じたことによ
り、13位にエーテル結合するグルコースに1分子のグル
コースが結合していることが示唆された。また(B)か
らの生成物はステビオールモノシドであることが確認さ
れた。
ゲニンを含む方の断片を薄層クロマトグラフで分析した
ところ、(A)及び(C)からの生成物はステビオール
ビオシドとほぼ同じ位置にスポットを生じたことによ
り、13位にエーテル結合するグルコースに1分子のグル
コースが結合していることが示唆された。また(B)か
らの生成物はステビオールモノシドであることが確認さ
れた。
(A)(B)(C)の13C−NMR解析の結果、(A)と
(C)の13位に結合するグルコースの3位の炭素のケミ
カルシフトが低磁場に、また(B)と(C)の19位にエ
ステル結合するグルコースの3位の炭素のケミカルシフ
トが低磁場に、各々シフトしていることが確認された。
(C)の13位に結合するグルコースの3位の炭素のケミ
カルシフトが低磁場に、また(B)と(C)の19位にエ
ステル結合するグルコースの3位の炭素のケミカルシフ
トが低磁場に、各々シフトしていることが確認された。
以上から判断して、(A)はルブソサイドの13位のOHに
エステル結合するβ−グルコースの3位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルブソサイド
であることを確認した。
エステル結合するβ−グルコースの3位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルブソサイド
であることを確認した。
(B)はルブソサイドの19位のCOOHにエステル結合する
β−グルコースの3位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
β−グルコースの3位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
(C)は、ルブソサイドの13位のOHにエーテル結合する
β−グルコースの3位及び19位のCOOHにエステル結合す
るβ−グルコースの3位の両方にβ−グルコースが1位
の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブソサイ
ドであることを確認した。
β−グルコースの3位及び19位のCOOHにエステル結合す
るβ−グルコースの3位の両方にβ−グルコースが1位
の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブソサイ
ドであることを確認した。
この分画前の転移反応生成物混合物について甘味度、甘
味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味度の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな味質に改善された。
味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味度の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな味質に改善された。
実施例3 実施例1で調製した精製ルブソサイド10g、セロビオー
ス10gを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlに懸濁させたから
メイセラーゼ(明治製菓社製)1.5gを添加し、40℃にて
40時間反応させた。反応後に酵素を加熱、失活させた溶
液を実施例1と同じ処理して転移反応生成物を分取した
転移反応生成混合物について甘味度、味質を調べたとこ
ろ、実施例1とほぼ同じ傾向であった。
ス10gを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlに懸濁させたから
メイセラーゼ(明治製菓社製)1.5gを添加し、40℃にて
40時間反応させた。反応後に酵素を加熱、失活させた溶
液を実施例1と同じ処理して転移反応生成物を分取した
転移反応生成混合物について甘味度、味質を調べたとこ
ろ、実施例1とほぼ同じ傾向であった。
実施例4 実施例1で調製した精製ルブソサイド10g、セロビオー
ス5gを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlに懸濁させてか
ら、スミチウム(新日本化学工業社製)200mgを添加
し、50℃にて20時間反応させた。反応後に酵素を加熱、
失活させた溶液を実施例1と同様に処理して転移反応生
成物(A)(B)(C)を分画、分取した。
ス5gを50mM酢酸緩衝液(pH5.0)30mlに懸濁させてか
ら、スミチウム(新日本化学工業社製)200mgを添加
し、50℃にて20時間反応させた。反応後に酵素を加熱、
失活させた溶液を実施例1と同様に処理して転移反応生
成物(A)(B)(C)を分画、分取した。
(1)構造解析 実施例1と同様に、反応生成物(A)(B)(C)をヨ
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)と(C)からはセロビオースが生成した
ことを、標準物質と一致することにより確認した。
ウ化リチウム、2,6−ルチジン、メタノール試薬を用い
て19位のエステル結合を選択的に分解し、生成した糖部
を薄層クロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフによ
り分析したところ、反応生成物(A)からはグルコース
が、また(B)と(C)からはセロビオースが生成した
ことを、標準物質と一致することにより確認した。
更に、19位のエステル結合を選択的に分解して生成した
ゲニンを含む方の断片を薄層クロマトグラフで分析した
ところ、(A)及び(C)からの生成物はステビオール
ビオシドとほぼ同じ位置にスポットを生じたことによ
り、13位にエーテル結合するグルコースに1分子のグル
コースが結合していることが示唆された。また(B)か
らの生成物はステビオールモノシドであることが確認さ
れた。
ゲニンを含む方の断片を薄層クロマトグラフで分析した
ところ、(A)及び(C)からの生成物はステビオール
ビオシドとほぼ同じ位置にスポットを生じたことによ
り、13位にエーテル結合するグルコースに1分子のグル
コースが結合していることが示唆された。また(B)か
らの生成物はステビオールモノシドであることが確認さ
れた。
(A)(B)(C)の13C−NMR解析の結果、(A)と
(C)の13位に結合するグルコースの3位の炭素のケミ
カルシフトが低磁場に、また(B)と(C)の19位にエ
ステル結合するグルコースの4位の炭素のケミカルシフ
トが低磁場に、各々シフトしていることが確認された。
(C)の13位に結合するグルコースの3位の炭素のケミ
カルシフトが低磁場に、また(B)と(C)の19位にエ
ステル結合するグルコースの4位の炭素のケミカルシフ
トが低磁場に、各々シフトしていることが確認された。
以上から判断して、(A)はルブソサイドの13位のOHに
エステル結合するβ−グルコースの4位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルブソサイド
であることを確認した。
エステル結合するβ−グルコースの4位にβ−グルコー
スが1位の位置で結合したβ−グルコシルルブソサイド
であることを確認した。
(B)はルブソサイドの19位のCOOHにエステル結合する
β−グルコースの4位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
β−グルコースの4位にβ−グルコースが1位の位置で
結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドであること
を確認した。
(C)は、ルブソサイドの13位のOHにエーテル結合する
β−グルコースの4位及び19位のCOOHにエステル結合す
るβ−グルコースの4位の両方にβ−グルコースが1位
の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブソサイ
ドであることを確認した。
β−グルコースの4位及び19位のCOOHにエステル結合す
るβ−グルコースの4位の両方にβ−グルコースが1位
の位置で各々結合した構造のβ−グルコシルルブソサイ
ドであることを確認した。
この分画前の転移反応生成物混合物について甘味度、甘
味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味度の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな甘味に改善された。
味質を調べたところ、実施例1とは若干の甘味度の差が
あるものの、ほぼ同程度であり、味質も苦味もなく、ま
ろやかな甘味に改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 弘 大阪府茨木市水尾3―9―710 ニチモグ リーンタウン茨木
Claims (3)
- 【請求項1】ルブソサイドの13位のOHにエーテル結合す
るβ−グルコースの3、4、6位乃至19位のカルボキシ
ル基にエステル結合するβ−グルコースの3、6位の一
方又は両方にβ−グルコースが1位の位置で結合した構
造のβ−グルコシルルブソサイド。 - 【請求項2】ルブソサイドとβ−グルコシル糖化合物と
を含有する水溶液又は懸濁液にβ−グルコシル転移酵素
を作用させることを特徴とするルブソサイドの13位のOH
にエーテル結合するβ−グルコースの3、4、6位乃至
19位のカルボキシル基にエステル結合するβ−グルコー
スの3、6位の一方又は両方にβ−グルコースが1位の
位置で結合した構造のβ−グルコシルルブソサイドの製
造方法。 - 【請求項3】ルブソサイドとβ−グルコシル糖化合物と
を含有する水溶液又は懸濁液にβ−グルコシル転移酵素
を作用させて得られたルブソサイドの13位のOHにエーテ
ル結合するβ−グルコースの3、4、6位乃至19位のカ
ルボキシル基にエステル結合するβ−グルコースの3、
6位の一方又は両方にβ−グルコースが1位の位置で結
合した構造のβ−グルコシルルブソサイド、またはこれ
を主成分とする甘味料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63150209A JPH0694473B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | β−グルコシルルブソサイド及その製造方法及これを利用した甘味料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63150209A JPH0694473B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | β−グルコシルルブソサイド及その製造方法及これを利用した甘味料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01319494A JPH01319494A (ja) | 1989-12-25 |
JPH0694473B2 true JPH0694473B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=15491916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63150209A Expired - Fee Related JPH0694473B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | β−グルコシルルブソサイド及その製造方法及これを利用した甘味料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694473B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3101023B1 (en) | 2008-10-03 | 2023-08-30 | Morita Kagaku Kogyo Co., Ltd. | New steviol glycosides |
CN107249356B (zh) | 2014-12-17 | 2021-08-06 | 嘉吉公司 | 用于口服摄入或使用的甜菊醇糖苷化合物、组合物以及用于增强甜菊醇糖苷溶解度的方法 |
JP2019534027A (ja) * | 2016-11-14 | 2019-11-28 | ピュアサークル ユーエスエー インコーポレイテッド | ステビア由来分子、そのような分子を得る方法、及びその使用 |
WO2019147617A1 (en) * | 2018-01-23 | 2019-08-01 | The Coca-Cola Company | Natural and synthetic diterpene glycosides, compositions and methods |
US11919920B2 (en) * | 2018-09-29 | 2024-03-05 | Firmenich Sa | Terpene glycoside derivatives and uses thereof |
-
1988
- 1988-06-20 JP JP63150209A patent/JPH0694473B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY=1984 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01319494A (ja) | 1989-12-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |