JPH0694459B2 - 非共役系不飽和結合を有するペルオキシジカーボネート - Google Patents

非共役系不飽和結合を有するペルオキシジカーボネート

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JPH0694459B2
JPH0694459B2 JP60253834A JP25383485A JPH0694459B2 JP H0694459 B2 JPH0694459 B2 JP H0694459B2 JP 60253834 A JP60253834 A JP 60253834A JP 25383485 A JP25383485 A JP 25383485A JP H0694459 B2 JPH0694459 B2 JP H0694459B2
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裕史 岡田
賢二 加藤
基之 杉浦
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日本油脂株式会社
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C409/00Peroxy compounds
    • C07C409/32Peroxy compounds the —O—O— group being bound between two >C=O groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な非共役系不飽和結合を有するペルオキシ
ジカーボネートに関し、重合開始剤として有用な化合物
である。
(従来の技術) 従来、非共役系不飽和結合を有するペルオキシジカーボ
ネートとして例えば、 で表わされるアリルペルオキシジカーボネートがジヤー
ナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエテイ
(JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY)72巻、
1254頁、1950年に報告されている。このアリルペルオキ
シジカーボネートは、低温活性であると同時に非共役系
の二重結合を有することから非共役型単量体例えば塩化
ビニルの重合開始剤として使用すると、分岐状の重合物
が得られ、加工性の改良された、また高分子量の重合物
をうるのに有用であることが知られている(第35回ポリ
塩化ビニル(PVC)討論会報告書)。
(発明が解決しようとする問題点) 然し前述の公知のペルオキシジカーボネートであるアリ
ルペルオキシジカーボネートは、開始剤効率は低く、さ
らに安全性に問題があつた。即ち適当な希釈溶媒下、例
えば工業製品としては、トルエン中に濃度40%程度とし
て製造することが必要であつた。
本発明者等は、この欠点を解決するために種々研究した
結果、低温活性でありしかも開始剤効率や安全性が改良
された新規な非共役系不飽和結合を有するペルオキシジ
カーボネートを見いだし、本発明を完成するに至つた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は次の一般式 (式中R1は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜2
の整数を示す。) で表わされる新規な非共役系不飽和結合を有するペルオ
キシジカーボネートである。
まず本発明の新規な非共役系不飽和結合を有するペルオ
キシジカーボネート及び理論活性酸素量を以下に示す。
本発明の上述の新規な非共役系不飽和結合を有するペル
オキシジカーボネートは、例えば次のようにして製造す
ることができる。
即ち、エチレングリコールモノアリルエーテル、イソプ
ロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレング
リコールモノアリルエーテル又はジイソプロピレングリ
コールモノアリルエーテルとホスゲンと反応させること
により得られるそれぞれのクロロホルメイトを、過酸化
ナトリウムまたは過酸化カリウム等の過酸化剤の水溶液
中に、かくはんしながら少しずつ加え反応させ、反応終
了後、反応廃液と分離することにより、容易に製造でき
る。その際ホルメイトに対する過酸化剤の使用量はホル
メイト1モルに対して約0.5〜1.5モル当量である。反応
条件は前述の公知のペルオキシジカーボネートと同様で
あつて反応温度は−10〜20℃であり、好ましくは、−5
〜10℃である。反応時間は約1〜5時間、好ましくは、
1.5〜3時間である。
本発明の新規な非共役系不飽和結合を有するペルオキシ
ジカーボネートは、常温で透明な液体である。
この化合物はカラムクロマトグラフイにより精製後、ヨ
ードメトリー法により活性酸素量を測定し、赤外吸収ス
ペクトル(IR)によりCH2=CH−CH2−,−CH2−O−CH2
−,−O−C(O)−O−,−OO−結合の吸収、および
プロトン核磁気共鳴によりCH2=CH−CH2−,−CH2−CH2
−,−CH2−CH(CH3)−の吸収スペクトルおよびその強
度を分析し、さらに元素分析値より本発明の新規な非共
役系不飽和結合を有するペルオキシジカーボネートの構
造が確認できる。
また、この新規な非共役系不飽和結合を有するペルオキ
シジカーボネートは、前述せるように重合開始剤として
有用である。
(発明の効果) 本発明の新規な非共役系不飽和結合を有するペルオキシ
ジカーボネートは、公知の非共役系不飽和結合を有する
アリルペルオキシジカーボネートに比べて次のような利
点を有する。
(1) 重合開始剤効率が高い。
(2) 爆発力、破壊力が小さく取り扱い時の安全性が
高い。
(3) 安全性が向上したことにより溶媒を使用せずに
合成できることからその生産性が良い。
(実施例) 以下本発明を実施例及び比較例により具体的に説明す
る。
実施例1 かくはん機及び温度計を備えた四つ口フラスコ中で10%
炭酸カリウム水溶液415g(0.3モル)と50%過酸化水素
水10.8g(0.3モル)とを混合し、過酸化カリウム水溶液
を調整した。つぎに、エチレングリコールモノアリルエ
ーテルのクロホルメイト(純度95.0重量%)82g(0.5モ
ル)を、前記過酸化カリウム水溶液をかくはんしつゝ、
かつ0〜5℃の温度に保ち20分間で少しずつ滴下した。
その後3〜5℃で90分間かくはんを続け反応を行なつ
た。反応終了後分液漏斗で油層を取り出し、これを水で
2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ
過により固形物を除去したところ透明で粘ちゆうな液体
が64.2g得られた。この粘ちゆうな液体を通常のヨード
メトリー法により活性酸素を測定したところ5.36%であ
つた。次にこの粘ちゆうな液体をカラムクロマトグラフ
イーで精製し、えられた精製物についてヨードメトリー
法により活性酸素量を測定したところ5.51%であつた。
また、赤外吸収スペクトルにおける特性吸収波数は、17
80cm-1,1810cm-1(カルボニル基のC=O)、1640cm-1,
1420cm-1(アリル基のCH2=CH−CH2−結合)、1120cm-1
(−CH2−O−CH2−結合)及び890cm-1(−OO−結合)
であつた。核磁気共鳴スペクトルのδ値及び強度は 5.30ppm (4H) …… 5.95ppm (2H) …… 4.05ppm (4H) …… 3.70ppm (4H) …… 4.50ppm (4H) …… であつた。また、元素分析を行なつたところC−49.3
%、H6.2%、O44.5%であつた。
前記核磁気共鳴スペクトルの各値は本発明の次に示すペ
ルオキシジカーボネートの化学式中の各構造を示し、更
に示素分析値はその理論値C49.65%、H6.25%、O44.09
%とよく一致している。
即ち本実施例においてえられた粘ちゆうな液体は前述の
式で示される本発明のペルオキシジカーボネートである
ことが確認された。またこの精製前におけるペルオキシ
ジカーボネートの純度は97.3%、収率は86.1%あり精製
后の純度は100%であつた。結果を第1表に示す。
次にこの本発明のペルオキシジカーボネートの安全性に
ついて下記の方法で測定した。
(安全度試験) 「安全工学」第4巻、第2号、第181頁(1965)に記載
の方法で、弾道臼砲、圧力容器試験及び爆発性試験をし
た。結果は第2表に示す。
実施例2 エチレングリコールモノアリルエーテルのクロロホルメ
イトの代わりにイソプロピレングリコールモノアリルエ
ーテルのクロロホルメイト(純度93.0%、96.0g)0.5モ
ルを用いた他は実施例1に準じた方法で処理して69.3g
の無色透明な粘ちゆう液体を得た。この液体について通
常のヨードメトリー法により活性酸素を測定したところ
4.84%であつた。この液体をカラクムロマトグラフイで
精製し、その化合物についてヨードメトリー法により活
性酸素量を測定したところ5.03%であつた。また、赤外
吸収スペクトルの特性吸収は、1780cm-1,1810cm-1(カ
ルボニル基のC=O結合)、1640cm-1,1420cm-1(アリ
ル基のCH2=CH−CH2−結合)、1120cm-1(−CH2−O−C
H2−結合)及び890cm-1(−OO−結合)であつた。核磁
気共鳴スペクトルのδ値及び強度は、 5.30ppm (4H) ……′ 5.95ppm (2H) ……′ 4.05ppm (4H) ……′ 3.80ppm (4H) ……′ 5.10ppm (2H) ……′ 1.15ppm (6H) ……′ であつた。また、元素分析を行なつたところC52.6%、H
6.9%、O40.5%であつた。前記核磁気共鳴スペクトルの
各値は本発明の次に示すペルオキシジカーボネートの化
学式中の各構造を示し、更に元素分析値はその理論値C5
2.83%、H6.96%、O40.21%とよく一致している。
即ち本実施例においてえられた粘ちゆうな液体は前述の
式で示される本発明のペルオキシジカーボネートである
ことが確認された。また、この精製前におけるペルオキ
シジカーボネートの純度は95.1%、収率は82.8%であ
り、精製后の純度は100%であつた。結果を第1表に示
す。
また実施例1と同様に安全度について測定した。結果は
第2表に示す。
実施例3 エチレングリコールモノアリルエーテルのクロロホルメ
イトの代わりにジエチレングリコールモノアリルエーテ
ルのクロロホルメイト(純度93.9%、110.0g)0.5モル
を用いた他は実施例1に準じた方法で処理して84.2gの
無色透明な粘ちゆう液体を得た。この液体を通常のヨー
ドメトリー法により活性酸素を測定したところ4.00%で
あつた。この液体をカラムクロマトグラフイで精製し、
この化合物についてヨードメトリー法により活性酸素量
を測定したところ4.22%であつた。
また、赤外吸収スペクトルの特性吸収は、1780cm-1,181
0cm-1(カルボニル基のC=O結合)、1640cm-1,1420cm
-1(アリル基のCH2=CH−CH2−結合)、1120cm-1(−CH
2−O−CH2−結合)及び890cm-1(−OO−結合)であつ
た。核磁気共鳴スペクトルのδ値及び強度は、 5.30ppm (4H) ……″ 5.95ppm (2H) ……″ 4.05ppm (4H) ……″ 3.65ppm (8H) ……″ 3.75ppm (4H) ……″ 4.50ppm (4H) ……″ であつた。また、元素分析を行なつたところC50.5%、H
6.8%、O42.7%であつた。前記核磁気共鳴スペクトルの
各値は本発明の次に示すペルオキシジカーボネートの化
学式の各構造を示し、更に元素分析値はその理論値C50.
79%、H6.93%、O42.28%とよく一致している。
即ち本実施例において得られた粘ちゆうな液体である精
製物は前述の式で示される本発明のペルオキシジカーボ
ネートであることが確認された。またこの精製前におけ
るペルオキシジカーボネートの純度は94.5%、収率は8
4.2%であり、精製后の純度は99.7%であつた。結果を
第1表に示す。
また実施例1と同様に安全度について測定した。結果は
第2表に示す。
実施例4 エチレングリコールモノアリルエーテルのクロロホルム
メイトの代わりにジイソプロピレングリコールモノアリ
ルエーテルのクロロホルメイト(純度90.4%、130.8g)
0.5モルを用いた他は実施例1に準じた方法で処理して9
7.3gの無色透明な粘ちゆう液体を得た。この液体を通常
のヨードメトリー法により活性酸素を測定したところ3.
41%であつた。この液体をカラムクロマトグラフイで精
製し、その化合物についてヨードメトリー法により活性
酸素量を測定したところ3.67%であつた。
また、赤外吸収スペクトルの特性吸収は、1780cm-1,181
0cm-1(カルボニル基のC=O結合)、1640cm-1,1420cm
-1(アリル基のCH2=CH−CH2−結合)、1120cm-1(−CH
2−O−CH2−結合)及び890cm-1(−OO−結合)であつ
た。核磁気共鳴スペクトルのδ値及び強度は、 5.30ppm (4H) …… 5.95ppm (2H) …… 4.05ppm (4H) …… 3.70ppm (4H) …… 4.50ppm (2H) …… 1.14ppm (12H) …… 3.80ppm (4H) …… 5.10ppm (2H) …… であつた。また、元素分析を行なつたところC55.0%、H
7.7%、O37.3%であつた。前記核磁気共鳴スペクトルの
各値は本発明の次に示すペルオキシジカーボネートの化
学式中の各構造を示し、更に元素分析値はその理論値C5
5.29%、H7.89%、O36.82%とよく一致している。
即ち本実施例においてえられた粘ちゆうな液体である精
製物は前述の式で示される本発明のペルオキシジカーボ
ネートであることが確認された。またこの精製前におけ
るペルオキシジカーボネートの純度は92.7%、収率は8
3.1%であり、精製后の純度は99.7%であつた。結果を
第1表に示す。
また実施例1に準じた方法で安全度について測定した。
結果は第2表に示す。
比較例1 エチレングリコールモノアリルエーテルのクロロホルメ
イトの代わりにアリルクロロホルメイト(純度97.5%、
61.5g)0.5モルを、希釈剤としてトルエン12gを用いた
他は実施例1と同様に処理して53.1gの無色透明な液体
を得た。この液体を通常のヨードメトリー法により活性
酸素を測定したところ6.21%であつた。
以上の方法により純度78.5%のアリルペルオキシジカー
ボネートを得た。結果を第1表に示す。
この液体をカラムクロマトグラフイで精製し、その化合
物についてヨードメトリー法により活性酸素量を測定し
たところ7.87%であつた。
また実施例1と同様に安全度について測定した。結果は
第2表に示す。
第2表は本発明のペルオキシジカーボネートが公知のア
リルペルオキシジカーボネートに比して安全性が極めて
すぐれていることを示している。
参考例1 〔スチレンの重合(塊状重合)と開始剤効率の測定〕 スチレン各1に重合開始剤として実施例1〜4、比較
例1で製造した非共役系不飽和結合を有するペルオキシ
ジカーボネート0.02モルを夫々溶解して調整した試料5m
lを内径12mmのガラスアンプルに封入し、60℃で重合を
行ない、夫々の重合開始剤について開始剤効率を求め
た。
開始剤効率の測定は、「ビニル重合実験法」(共立出版
株式会社出版)第256頁に記載の方法に基ずいて測定し
た。
以上の結果を第3表に示す。
第3表は実施各例は比較例に比し開始剤効率が高いこと
を示している。即ち本発明のペルオキシジカーボネート
は、従来公知のアリルペルオキシジカーボネートより重
合開始剤として有用であることが明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中R1は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜2
    の整数を示す。) で表わされることを特徴とする非共役系不飽和結合を有
    するペルオキシジカーボネート。
JP60253834A 1985-11-14 1985-11-14 非共役系不飽和結合を有するペルオキシジカーボネート Expired - Lifetime JPH0694459B2 (ja)

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DE8686308853T DE3663942D1 (en) 1985-11-14 1986-11-13 Peroxydicarbonate containing non-conjugate type unsaturated bond
EP86308853A EP0225091B1 (en) 1985-11-14 1986-11-13 Peroxydicarbonate containing non-conjugate type unsaturated bond
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US4778913A (en) 1988-10-18
EP0225091B1 (en) 1989-06-14
EP0225091A2 (en) 1987-06-10
JPS62114956A (ja) 1987-05-26
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DE3663942D1 (en) 1989-07-20

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