JPH0694438B2 - 新規なグリセリン誘導体 - Google Patents
新規なグリセリン誘導体Info
- Publication number
- JPH0694438B2 JPH0694438B2 JP24720785A JP24720785A JPH0694438B2 JP H0694438 B2 JPH0694438 B2 JP H0694438B2 JP 24720785 A JP24720785 A JP 24720785A JP 24720785 A JP24720785 A JP 24720785A JP H0694438 B2 JPH0694438 B2 JP H0694438B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glycerol
- solvent
- linoleoyl
- tricosanoyl
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は新規なグリセリン誘導体に関するものである。
近年わが国における食生活の変化や高齢化現象に伴い、
心筋梗塞や脳血栓等の血栓性疾患の急増が大きな社会問
題になっている。
心筋梗塞や脳血栓等の血栓性疾患の急増が大きな社会問
題になっている。
また、この血栓性疾患の治療薬がその薬理上あらゆる面
から検討され、開発されている。
から検討され、開発されている。
本発明者等は、血栓性疾患の治療に有用な薬剤を開発す
べく鋭意研究を行った結果、前記一般式で表される新規
なグリセリン誘導体を見出し、本発明を完成した。
べく鋭意研究を行った結果、前記一般式で表される新規
なグリセリン誘導体を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式 (一般式中、R1がリノレオイル基のときには、R2はリノ
レオイル基またはパルミトイル基であり、R1がパルミト
イル基のときには、R2はトリコサノイル基、リノレオイ
ル基またはパルミトイル基である。) で表される新規なグリセリン誘導体(以下、一般式の化
合物と称する)に関するものである。
レオイル基またはパルミトイル基であり、R1がパルミト
イル基のときには、R2はトリコサノイル基、リノレオイ
ル基またはパルミトイル基である。) で表される新規なグリセリン誘導体(以下、一般式の化
合物と称する)に関するものである。
上記一般式の化合物は、代表的には以下に示すような化
合物があり、次のような方法により得られる。
合物があり、次のような方法により得られる。
上記一般式の化合物のうちR1およびR2がリノレオイル基
である、1−トリコサノイル−2,3−ジリノレオイル−
グリセロールおよびR1がリノレオイル基、R2がパルミト
イル基である、1−トリコサノイル−2−リノレオイル
−3−パルミトイル−グリセロールは次のようにして得
られる。
である、1−トリコサノイル−2,3−ジリノレオイル−
グリセロールおよびR1がリノレオイル基、R2がパルミト
イル基である、1−トリコサノイル−2−リノレオイル
−3−パルミトイル−グリセロールは次のようにして得
られる。
ウリ科の植物キカラスウリ(Trichosanthes kirillowii
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURA)、オオカラスウ
リ(Trichosanthes bracteata VOIGT)または、Trichos
anthes kirillowii MAXIMOWICZの乾燥種子である▼カ▲
楼仁を水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、石油エーテルから選ばれる単独もしくはそれ以上の
混合溶媒を用いて、0℃から使用する溶媒の沸点以下の
温度に加熱して抽出するか、あるいは0℃から室温で、
超音波抽出して抽出液を得る。この抽出液をそのまま、
もしくは濃縮あるいは乾燥してシリカゲル、アルミナ、
ODS−シリカゲル等の吸着剤を使用したカラムクロマト
グラフィーに付し、溶出液を分取して粗分画を得る。溶
出溶媒としては水またはメタノール、エタノール、アセ
トン、テトラハイドロフラン、酢酸エチル、エーテル、
クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、石油エーテル等の単独もしくはそれ以上の混合溶媒
を使用し得る。
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURA)、オオカラスウ
リ(Trichosanthes bracteata VOIGT)または、Trichos
anthes kirillowii MAXIMOWICZの乾燥種子である▼カ▲
楼仁を水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、石油エーテルから選ばれる単独もしくはそれ以上の
混合溶媒を用いて、0℃から使用する溶媒の沸点以下の
温度に加熱して抽出するか、あるいは0℃から室温で、
超音波抽出して抽出液を得る。この抽出液をそのまま、
もしくは濃縮あるいは乾燥してシリカゲル、アルミナ、
ODS−シリカゲル等の吸着剤を使用したカラムクロマト
グラフィーに付し、溶出液を分取して粗分画を得る。溶
出溶媒としては水またはメタノール、エタノール、アセ
トン、テトラハイドロフラン、酢酸エチル、エーテル、
クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、石油エーテル等の単独もしくはそれ以上の混合溶媒
を使用し得る。
こうして得た粗分画をそのまま、もしくは濃縮、乾燥し
て蛍光剤入りシリカゲル(メルク社製,Kieselgel 60 PF
254等)、又はアルミナ(メルク社製,アルミニウムオ
キシドPF254等)を薄層板の担体に、水、アセトニトリ
ル、メタノール、アセトン、テトラハイドロフラン、酢
酸エチル、エーテル、クロロホルム、塩化メチレン、ベ
ンゼン、n−ヘキサン、石油エーテルから選ばれる単独
もしくはそれ以上の混合溶媒を展開溶媒に使用して分取
薄層クロマトグラフイーに付し、展開後、紫外線(254n
m)照射により識別される1−トリコサノイル−2,3−ジ
リノレオイル−グリセロールおよび1−トリコサノイル
−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセロール
を含有する部分を剥離し、エーテル、塩化メチレン、石
油エーテル等の低沸点溶媒の単独もしくは混合溶媒によ
り抽出し、抽出液より溶媒を留去することにより1−ト
リコサノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロールお
よび1−トリコサノイル−2−リノレオイル−3−パル
ミトイル−グリセロールの混合オイルが得られる。
て蛍光剤入りシリカゲル(メルク社製,Kieselgel 60 PF
254等)、又はアルミナ(メルク社製,アルミニウムオ
キシドPF254等)を薄層板の担体に、水、アセトニトリ
ル、メタノール、アセトン、テトラハイドロフラン、酢
酸エチル、エーテル、クロロホルム、塩化メチレン、ベ
ンゼン、n−ヘキサン、石油エーテルから選ばれる単独
もしくはそれ以上の混合溶媒を展開溶媒に使用して分取
薄層クロマトグラフイーに付し、展開後、紫外線(254n
m)照射により識別される1−トリコサノイル−2,3−ジ
リノレオイル−グリセロールおよび1−トリコサノイル
−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセロール
を含有する部分を剥離し、エーテル、塩化メチレン、石
油エーテル等の低沸点溶媒の単独もしくは混合溶媒によ
り抽出し、抽出液より溶媒を留去することにより1−ト
リコサノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロールお
よび1−トリコサノイル−2−リノレオイル−3−パル
ミトイル−グリセロールの混合オイルが得られる。
この混合オイルを、ODS−シリカゲルをカラム担体に、
水、アセトニトリル、テトラハイドロフラン、メタノー
ル、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、n−ヘキサ
ンから選ばれる単独もしくはそれ以上の混合溶媒を移動
相に使用した分取液体クロマトグラフイーに付し、1−
トリコサノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロール
を含むフラクシヨンと1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールを含むフラク
シヨンに分離し、更に1−トリコサノイル−2,3−ジリ
ノレオイル−グリセロールを含むフラクシヨンを合併
し、溶媒を留去することにより、油状物質の1−トリコ
サノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロールが得ら
れる。
水、アセトニトリル、テトラハイドロフラン、メタノー
ル、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、n−ヘキサ
ンから選ばれる単独もしくはそれ以上の混合溶媒を移動
相に使用した分取液体クロマトグラフイーに付し、1−
トリコサノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロール
を含むフラクシヨンと1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールを含むフラク
シヨンに分離し、更に1−トリコサノイル−2,3−ジリ
ノレオイル−グリセロールを含むフラクシヨンを合併
し、溶媒を留去することにより、油状物質の1−トリコ
サノイル−2,3−ジリノレオイル−グリセロールが得ら
れる。
また、1−トリコサノイル−2−リノレオイル−3−パ
ルミトイル−グリセロールを含むフラクシヨンを合併
し、溶媒を留去することにより、粗1−トリコサノイル
−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセロール
の乾燥オイルを得る。この乾燥オイルを再度上記と同様
の分取液体クロマトグラフイーで精製し、1−トリコサ
ノイル−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセ
ロールを含むフラクシヨンを合併し、溶媒を留去するこ
とにより、無色油状の1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールを得る。
ルミトイル−グリセロールを含むフラクシヨンを合併
し、溶媒を留去することにより、粗1−トリコサノイル
−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセロール
の乾燥オイルを得る。この乾燥オイルを再度上記と同様
の分取液体クロマトグラフイーで精製し、1−トリコサ
ノイル−2−リノレオイル−3−パルミトイル−グリセ
ロールを含むフラクシヨンを合併し、溶媒を留去するこ
とにより、無色油状の1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールを得る。
次に一般式の化合物の製造の具体例を示す。
具体例1 ▼カ▲楼仁(キカラスウリTrichosanthes kirillowii M
AXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)480gを粉砕
し、エーテル2.5lを加え、6時間加熱還流抽出し、抽出
液を冷却後過した。抽出残渣を同様にしてさらに2回
抽出した後、抽出液を合併し、減圧下に溶媒を留去
し、乾燥エキス118.46gを得た。このエーテル抽出乾燥
エキス118.46gをシリカゲル(Kieselgel 60,70-230メッ
シュ,メルク社製)700gのカラムクロマトグラフイーに
付し、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒で酢酸エチ
ルの溶媒比率を順次増加して溶出した。n−ヘキサン:
酢酸エチル(94:6)0.6lで溶出されたフラクシヨンを合
併し、減圧下に溶媒を留去し、粗分画32.51gを得た。
AXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)480gを粉砕
し、エーテル2.5lを加え、6時間加熱還流抽出し、抽出
液を冷却後過した。抽出残渣を同様にしてさらに2回
抽出した後、抽出液を合併し、減圧下に溶媒を留去
し、乾燥エキス118.46gを得た。このエーテル抽出乾燥
エキス118.46gをシリカゲル(Kieselgel 60,70-230メッ
シュ,メルク社製)700gのカラムクロマトグラフイーに
付し、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒で酢酸エチ
ルの溶媒比率を順次増加して溶出した。n−ヘキサン:
酢酸エチル(94:6)0.6lで溶出されたフラクシヨンを合
併し、減圧下に溶媒を留去し、粗分画32.51gを得た。
この粗分画25.44gを分取薄層クロマトグラフイー[プレ
ート,Kieselgel 60 PF254(メルク社製);展開溶媒,n
−ヘキサン:酢酸エチル(9:1)]に付し、紫外線(254
nm)照射下で吸収を示す部分を剥離し、エーテルを加え
て抽出した。抽出液より溶媒を留去して得た残渣17.86g
を分取高速液体クロマトグラフイー[カラム,ウオータ
ーズ社製 semi prep μ−Bondapak C18(径7.8mm,長さ
30cm);移動相,アセトニトリル:テトラハイドロフ
ラン:水(50:50:7);流速3.0ml/min;検出,示差屈折
検出器;温度,室温]に付した。保持時間10.1分に溶出
する物質を含むフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を
留去して得た残渣6.33gを、分取高速液体クロマトグラ
フイー[カラム,ウオーターズ社製 μ−Bondapak C18
(径7.8mm,長さ 30cm);移動相,アセトニトリル:テ
トラハイドロフラン(9:1);流速3.0ml/min;温度,室
温]に付した。保持時間32分に溶出する物質を含むフラ
クシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留去し、無色油状物
質0.57gを得た。この無色油状物質は、後述のスペクト
ルデータから1−トリコサノイル−2−リノレオイル−
3−パルミトイル−グリセロールと決定した。
ート,Kieselgel 60 PF254(メルク社製);展開溶媒,n
−ヘキサン:酢酸エチル(9:1)]に付し、紫外線(254
nm)照射下で吸収を示す部分を剥離し、エーテルを加え
て抽出した。抽出液より溶媒を留去して得た残渣17.86g
を分取高速液体クロマトグラフイー[カラム,ウオータ
ーズ社製 semi prep μ−Bondapak C18(径7.8mm,長さ
30cm);移動相,アセトニトリル:テトラハイドロフ
ラン:水(50:50:7);流速3.0ml/min;検出,示差屈折
検出器;温度,室温]に付した。保持時間10.1分に溶出
する物質を含むフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を
留去して得た残渣6.33gを、分取高速液体クロマトグラ
フイー[カラム,ウオーターズ社製 μ−Bondapak C18
(径7.8mm,長さ 30cm);移動相,アセトニトリル:テ
トラハイドロフラン(9:1);流速3.0ml/min;温度,室
温]に付した。保持時間32分に溶出する物質を含むフラ
クシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留去し、無色油状物
質0.57gを得た。この無色油状物質は、後述のスペクト
ルデータから1−トリコサノイル−2−リノレオイル−
3−パルミトイル−グリセロールと決定した。
性状:無色油状物質 フイールドデソープシヨンマススペクトル(FD−MS):m
/z 852(M+) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 0.90(9H,m),1.32(56H,m), 1.85-2.47(14H,m), 2.78(2H,m), 4.23(4H,m), 5.08-5.62(7H,m), 5.92-6.58(4H,m),13 C−核磁気共鳴スペクトル:(δppm in CDCl3) 13.95(q),14.07(q), 14.11(q),22.35(t), 22.60(t),22.70(t), 24.52(t),24.89(t), 25.66(t),27.23(t), 27.60(t),27.85(t), 29.08(t),29.15(t), 29.37(t),29.51(t), 29.56(t),29.66(t), 30.47(t),31.55(t), 31.89(t),31.94(t), 34.05(t),34.22(t), 62.13(t),68.95(d), 127.84(d),127.92(d), 128.12(d),128.78(d), 128.89(d),129.73(d), 130.00(d),130.23(d), 132.44(d),132.70(d), 172.80(s),173.23(s)×2 本物質のプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)にお
いて、δ5.92-6.58(4H,m)にトリコサン酸の6個のオ
レフインプロトンのうちの4個のオレフインプロトンの
シグナルが、δ5.08-5.62(7H,m)にトリコサン酸の残
りの2個のオレフインプロトンシグナル、リノール酸の
4個のオレフインプロトンシグナルおよびエステル結合
により低磁場シフトしているグリセロールの2位のメチ
ンプロトンシグナルが観察され、また、δ2.78(2H,m)
にはリノール酸の1,4−ペンタジエン系の2個のメチレ
ンに基づくシグナルが観察され、さらにδ4.23(4H,m)
にはエステル結合し低磁場シフトしているグリセロール
の1位、3位のメチレンプロトンシグナルが観察され
た。また、13C−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)におい
てもトリコサン酸によると考えられるオレフインカーボ
ンシグナル[δ132.70(d),132.44(d),128.89
(d),128.78(d),127.84(d)]が、リノール酸に
よると考えられるオレフインカーボンシグナル[δ130.
23(d),130.00(d),128.12(d),127.92(d)]
が、さらにδ62.13(t)とδ68.95(d)にはそれぞれ
グリセロールのメチレン、メチンカーボンシグナルが観
察された。また、トリグリセロールの1位と3位のエス
テル結合を選択的に加水分解させるとされているブタ膵
臓リパーゼ[文献:H.B.S.Conacher,F.D.Gunstone,G.M.H
ornby and F.B.Padley,Lipid,5,434(1970)]と本物
質を反応させると、トリコサン酸、パルミチン酸および
2−リノレオイルグリセロールが得られた。以上の知見
を総合して、本物質は1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールと決定した。
/z 852(M+) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 0.90(9H,m),1.32(56H,m), 1.85-2.47(14H,m), 2.78(2H,m), 4.23(4H,m), 5.08-5.62(7H,m), 5.92-6.58(4H,m),13 C−核磁気共鳴スペクトル:(δppm in CDCl3) 13.95(q),14.07(q), 14.11(q),22.35(t), 22.60(t),22.70(t), 24.52(t),24.89(t), 25.66(t),27.23(t), 27.60(t),27.85(t), 29.08(t),29.15(t), 29.37(t),29.51(t), 29.56(t),29.66(t), 30.47(t),31.55(t), 31.89(t),31.94(t), 34.05(t),34.22(t), 62.13(t),68.95(d), 127.84(d),127.92(d), 128.12(d),128.78(d), 128.89(d),129.73(d), 130.00(d),130.23(d), 132.44(d),132.70(d), 172.80(s),173.23(s)×2 本物質のプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)にお
いて、δ5.92-6.58(4H,m)にトリコサン酸の6個のオ
レフインプロトンのうちの4個のオレフインプロトンの
シグナルが、δ5.08-5.62(7H,m)にトリコサン酸の残
りの2個のオレフインプロトンシグナル、リノール酸の
4個のオレフインプロトンシグナルおよびエステル結合
により低磁場シフトしているグリセロールの2位のメチ
ンプロトンシグナルが観察され、また、δ2.78(2H,m)
にはリノール酸の1,4−ペンタジエン系の2個のメチレ
ンに基づくシグナルが観察され、さらにδ4.23(4H,m)
にはエステル結合し低磁場シフトしているグリセロール
の1位、3位のメチレンプロトンシグナルが観察され
た。また、13C−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)におい
てもトリコサン酸によると考えられるオレフインカーボ
ンシグナル[δ132.70(d),132.44(d),128.89
(d),128.78(d),127.84(d)]が、リノール酸に
よると考えられるオレフインカーボンシグナル[δ130.
23(d),130.00(d),128.12(d),127.92(d)]
が、さらにδ62.13(t)とδ68.95(d)にはそれぞれ
グリセロールのメチレン、メチンカーボンシグナルが観
察された。また、トリグリセロールの1位と3位のエス
テル結合を選択的に加水分解させるとされているブタ膵
臓リパーゼ[文献:H.B.S.Conacher,F.D.Gunstone,G.M.H
ornby and F.B.Padley,Lipid,5,434(1970)]と本物
質を反応させると、トリコサン酸、パルミチン酸および
2−リノレオイルグリセロールが得られた。以上の知見
を総合して、本物質は1−トリコサノイル−2−リノレ
オイル−3−パルミトイル−グリセロールと決定した。
具体例2 ▼カ▲楼仁(キカラスウリ(Trichosanthes kirillowii
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)480gを粉
砕し、エーテル2.5lを加え、6時間加熱還流抽出し、抽
出液を冷後過した。抽出残渣を同様にさらに2回抽出
した後、抽出液を合併し、減圧下に溶媒を留去し、乾
燥エキス118.46gを得た。このエーテル抽出乾燥エキス1
18.46gをシリカゲル(Kieselgel 60,70-230メッシュ,
メルク社製)700gのカラムクロマトグラフイーに付し、
n−ヘキサンと酢酸エチルの混合比率を順次増加して溶
出した。このうち、n−ヘキサン:酢酸エチル(94:6)
0.6lで溶出されたフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒
を留去し、粗分画32.51gを得た。
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)480gを粉
砕し、エーテル2.5lを加え、6時間加熱還流抽出し、抽
出液を冷後過した。抽出残渣を同様にさらに2回抽出
した後、抽出液を合併し、減圧下に溶媒を留去し、乾
燥エキス118.46gを得た。このエーテル抽出乾燥エキス1
18.46gをシリカゲル(Kieselgel 60,70-230メッシュ,
メルク社製)700gのカラムクロマトグラフイーに付し、
n−ヘキサンと酢酸エチルの混合比率を順次増加して溶
出した。このうち、n−ヘキサン:酢酸エチル(94:6)
0.6lで溶出されたフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒
を留去し、粗分画32.51gを得た。
この粗分画25.44gを分取薄層クロマトグラフイー[プレ
ート,Kieselgel 60 PF254(メルク社製);展開溶媒,n
−ヘキサン:酢酸エチル(9:1)]に付し、紫外線(254
nm)照射下で吸収を示す部分を剥離し、エーテルを加え
て抽出した。抽出液より溶媒を留去して得た残渣17.86g
を分取高速液体クロマトグラフイー[カラム,ウオータ
ーズ社製 semi prep μ−Bondapak C18(径7.8mm,長さ
30cm);移動相,アセトニトリル:テトラハイドロフ
ラン:水(50:50:7);流速,3.0ml/min;検出,示差屈折
検出器;温度,室温]に付した。保持時間9.1分に溶出
するフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留去して無
色油状物質2.31gを得た。この無色油状物質は後述のス
ペクトルデータから1−トリコサノイル−2,3−ジリノ
レオイル−グリセロールと決定した。
ート,Kieselgel 60 PF254(メルク社製);展開溶媒,n
−ヘキサン:酢酸エチル(9:1)]に付し、紫外線(254
nm)照射下で吸収を示す部分を剥離し、エーテルを加え
て抽出した。抽出液より溶媒を留去して得た残渣17.86g
を分取高速液体クロマトグラフイー[カラム,ウオータ
ーズ社製 semi prep μ−Bondapak C18(径7.8mm,長さ
30cm);移動相,アセトニトリル:テトラハイドロフ
ラン:水(50:50:7);流速,3.0ml/min;検出,示差屈折
検出器;温度,室温]に付した。保持時間9.1分に溶出
するフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留去して無
色油状物質2.31gを得た。この無色油状物質は後述のス
ペクトルデータから1−トリコサノイル−2,3−ジリノ
レオイル−グリセロールと決定した。
性状:無色油状物質 フイールドデソープシヨンマススペクトル(FD−MS):m
/z 876(M+) 比旋光度:▲[α]24 D▼0°(c=1.82,CHCl3) 旋光分散:ORD(c=0.347,Dioxane) [φ]23(nm):0(240-700) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 0.88(9H,m),1.32(46H,brs), 1.83-2.43(18H,m), 2.75−(4H,t−like,J=5.5Hz), 4.22(4H,m), 5.07-5.65(11H,m), 5.85-6.60(4H,m),13 C−核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 13.94(q)×2,14.06(q), 22.34(t),22.59(t), 27.88(t),25.69(t), 22.24(t),27.61(t), 27.86(t),29.09(t), 29.14(t),29.38(t), 29.66(t),31.56(t), 31.90(t),34.06(t), 34.22(t),62.14(t)×2, 69.00(d),127.87(d), 127.96(d)×2,128.01(d), 128.14(d)×2,128.82(d), 128.93(d),130.01(d)×2, 130.24(d)×2,132.41(d), 132.66(d), 172.78(s),173.18(s)×2 本物質のプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)にお
いて、δ5.85-6.60(4H,m)にトリコサン酸の6個のオ
レフインプロトンのうちの4個のオレフインプロトンの
シグナルが観察され、δ5.07-5.65(11H,m)にトリコサ
ン酸の残りの2個のオレフインプロトンのシグナル、2
分子のリノール酸による8個のオレフインプロトンのシ
グナルおよびグリセロールの2位のメチンプロトンのシ
グナルが観察され、また、δ4.22(4H,m)にはグリセロ
ールの1位と3位のメチレンプロトンに基づくシグナル
が観察された。さらに、δ2.75(4H,t−like,J=5.5H
z)に2分子のリノール酸の1,4−ペンタジエン系の2個
のメチレンに基づくシグナルが観察された。
/z 876(M+) 比旋光度:▲[α]24 D▼0°(c=1.82,CHCl3) 旋光分散:ORD(c=0.347,Dioxane) [φ]23(nm):0(240-700) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 0.88(9H,m),1.32(46H,brs), 1.83-2.43(18H,m), 2.75−(4H,t−like,J=5.5Hz), 4.22(4H,m), 5.07-5.65(11H,m), 5.85-6.60(4H,m),13 C−核磁気共鳴スペクトル(δppm in CDCl3) 13.94(q)×2,14.06(q), 22.34(t),22.59(t), 27.88(t),25.69(t), 22.24(t),27.61(t), 27.86(t),29.09(t), 29.14(t),29.38(t), 29.66(t),31.56(t), 31.90(t),34.06(t), 34.22(t),62.14(t)×2, 69.00(d),127.87(d), 127.96(d)×2,128.01(d), 128.14(d)×2,128.82(d), 128.93(d),130.01(d)×2, 130.24(d)×2,132.41(d), 132.66(d), 172.78(s),173.18(s)×2 本物質のプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)にお
いて、δ5.85-6.60(4H,m)にトリコサン酸の6個のオ
レフインプロトンのうちの4個のオレフインプロトンの
シグナルが観察され、δ5.07-5.65(11H,m)にトリコサ
ン酸の残りの2個のオレフインプロトンのシグナル、2
分子のリノール酸による8個のオレフインプロトンのシ
グナルおよびグリセロールの2位のメチンプロトンのシ
グナルが観察され、また、δ4.22(4H,m)にはグリセロ
ールの1位と3位のメチレンプロトンに基づくシグナル
が観察された。さらに、δ2.75(4H,t−like,J=5.5H
z)に2分子のリノール酸の1,4−ペンタジエン系の2個
のメチレンに基づくシグナルが観察された。
また、13C−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)においても
1分子のトリコサン酸のオレフインカーボンに基づくシ
グナル[δ132.06(d),132.41(d),128.93(d),1
28.82(d),128.01(d),127.87(d)]が、2分子
のリノール酸のオレフインカーボンに基づくシグナル
[δ130.24(d)×2,130.01(d)×2,128.14(d)×
2,127.96(d)×2]が、およびグリセロールのメチレ
ン、メチンカーボンに基づくシグナル[δ62.14(t)
×2,69.00(t)]が観察された。また、本物質を前記
と同様にブタ膵臓リパーゼと反応させると、トリコサン
酸とリノール酸が1:1の比率で得られ、さらに、2−リ
ノレオイルグリセロールが得られた。以上の知見を総合
して、本物質は1−トリコサノイル−2,3−ジリノレオ
イル−グリセロールと決定した。
1分子のトリコサン酸のオレフインカーボンに基づくシ
グナル[δ132.06(d),132.41(d),128.93(d),1
28.82(d),128.01(d),127.87(d)]が、2分子
のリノール酸のオレフインカーボンに基づくシグナル
[δ130.24(d)×2,130.01(d)×2,128.14(d)×
2,127.96(d)×2]が、およびグリセロールのメチレ
ン、メチンカーボンに基づくシグナル[δ62.14(t)
×2,69.00(t)]が観察された。また、本物質を前記
と同様にブタ膵臓リパーゼと反応させると、トリコサン
酸とリノール酸が1:1の比率で得られ、さらに、2−リ
ノレオイルグリセロールが得られた。以上の知見を総合
して、本物質は1−トリコサノイル−2,3−ジリノレオ
イル−グリセロールと決定した。
本発明の一般式の化合物は、血小板凝集抑制作用を有
し、脳動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞等の治療薬として
有用である。
し、脳動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞等の治療薬として
有用である。
一般式の化合物の脂肪酸のエステル結合は、胃酸等の酸
や、膵臓リパーゼ等の酵素により、容易に加水分解され
て、体内ではグリセロールと脂肪酸すなわち、トリコサ
ン酸、またはリノール酸、またはパルミチン酸に代謝さ
れる[H.B.S.Conacher,F.D.Gunstone,G.M.Hornby and
F.B.Padley,Lipids,5,434(1970)]。従つて、トリコ
サン酸に血小板凝集抑制作用があれば、一般式の化合物
も同様の薬理作用を示すことは明らかである。以下に、
トリコサン酸の血小板凝集抑制作用について実験例を挙
げて説明する。
や、膵臓リパーゼ等の酵素により、容易に加水分解され
て、体内ではグリセロールと脂肪酸すなわち、トリコサ
ン酸、またはリノール酸、またはパルミチン酸に代謝さ
れる[H.B.S.Conacher,F.D.Gunstone,G.M.Hornby and
F.B.Padley,Lipids,5,434(1970)]。従つて、トリコ
サン酸に血小板凝集抑制作用があれば、一般式の化合物
も同様の薬理作用を示すことは明らかである。以下に、
トリコサン酸の血小板凝集抑制作用について実験例を挙
げて説明する。
トリコサン酸の製造 ▼カ▲楼仁(キカラスウリ(Trichosanthes kirillowii
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)2kgを粉
砕し、石油エーテル(沸点45℃以下)10lを加え2時間
加熱還流抽出し、抽出液を冷却した後、過した。抽出
液の溶媒を減圧下に留去し、乾燥エキス501.9g(収率
25.1%)を得た。この石油エーテル抽出エキス101gをシ
リカゲル(Kieselgel 60,70-230メッシュ,メルク社
製)550gを使用したカラムクロマトグラフイーに付し、
n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒で酢酸エチルの
混合比率を順次増加させて溶出した。n−ヘキサン:酢
酸エチル(92:8)の混合溶媒で抽出したフラクシヨンの
うち、薄層クロマトグラフイー[プレート,Kieselgel 6
0F254(メルク社製);展開溶媒,n−ヘキサン:酢酸エ
チル(9:1);検出,紫外線(254nm)照射]でRf値0.8
に吸収を示すスポツトが認められるフラクシヨンを合併
し、減圧乾燥し、乾燥エキス35.69gを得た。
MAXIMOWICZ var.japonicum KITAMURAの種子)2kgを粉
砕し、石油エーテル(沸点45℃以下)10lを加え2時間
加熱還流抽出し、抽出液を冷却した後、過した。抽出
液の溶媒を減圧下に留去し、乾燥エキス501.9g(収率
25.1%)を得た。この石油エーテル抽出エキス101gをシ
リカゲル(Kieselgel 60,70-230メッシュ,メルク社
製)550gを使用したカラムクロマトグラフイーに付し、
n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒で酢酸エチルの
混合比率を順次増加させて溶出した。n−ヘキサン:酢
酸エチル(92:8)の混合溶媒で抽出したフラクシヨンの
うち、薄層クロマトグラフイー[プレート,Kieselgel 6
0F254(メルク社製);展開溶媒,n−ヘキサン:酢酸エ
チル(9:1);検出,紫外線(254nm)照射]でRf値0.8
に吸収を示すスポツトが認められるフラクシヨンを合併
し、減圧乾燥し、乾燥エキス35.69gを得た。
上記乾燥エキス35.69gを分取高速液体クロマトグラフイ
ー[カラム,ウオーターズ社製 Prep PAK−500/C
18(径5.7cm,長さ30cm);移動相,アセトニトリル:テ
トラハイドロフラン(4:1);流速,150ml/min;検出,示
差屈折検出器;装置,ウオーターズ社製 Prep LC/Syst
em 500A]に付し、保持時間18分に溶出したフラクシヨ
ンを分取し、減圧下に溶媒を留去し、無色の油状物質8.
23gを得た。この無色油状物質の理化学的性質は文献
[池谷幸信、田口平八郎、遠藤徹、吉岡一郎,日本生薬
学会第27回年会講演要旨集,29頁(1980年)]記載の1,3
−ジトリコサノイル−2−リノレオイル−グリセロール
の理化学的性質に一致した。
ー[カラム,ウオーターズ社製 Prep PAK−500/C
18(径5.7cm,長さ30cm);移動相,アセトニトリル:テ
トラハイドロフラン(4:1);流速,150ml/min;検出,示
差屈折検出器;装置,ウオーターズ社製 Prep LC/Syst
em 500A]に付し、保持時間18分に溶出したフラクシヨ
ンを分取し、減圧下に溶媒を留去し、無色の油状物質8.
23gを得た。この無色油状物質の理化学的性質は文献
[池谷幸信、田口平八郎、遠藤徹、吉岡一郎,日本生薬
学会第27回年会講演要旨集,29頁(1980年)]記載の1,3
−ジトリコサノイル−2−リノレオイル−グリセロール
の理化学的性質に一致した。
この1,3−ジトリコサノイル−2−リノレオイル−グリ
セロール2gを3%エタノール性水酸化カリウム100mlに
溶解させ、窒素気流下で50℃に2時間加熱した。この反
応液を水500mlで希釈し、1N塩酸で酸性とし、エーテル
1で2回抽出した。エーテル抽出液は水洗、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。得
られた残渣を分取高速液体クロマトグラフイー[カラ
ム,ウオーターズ社製 semi prep μ−BondapakC
18(径7.8mm,長さ30cm);移動相,アセトニトリル:1.5
%酢酸(4:1);流速,2.8ml/min;検出,示差屈折検出
器;温度,室温]に付した。保持時間11.0分に溶出され
る物質を含むフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留
去し、無色油状物質480mgを得た。この無色油状物質を
ヘプタンから再結晶し、無色プリズム晶を得た。この無
色プリズム晶の理化学的性質は文献[A.P.Tulloch and
L.Bergter,Lipids,14,996(1979),L.Crombie and A.G.
Jacklin,J.Chem.Soc.,1632(1957)]記載のトリコサン
酸の理化学的性質に一致した。
セロール2gを3%エタノール性水酸化カリウム100mlに
溶解させ、窒素気流下で50℃に2時間加熱した。この反
応液を水500mlで希釈し、1N塩酸で酸性とし、エーテル
1で2回抽出した。エーテル抽出液は水洗、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。得
られた残渣を分取高速液体クロマトグラフイー[カラ
ム,ウオーターズ社製 semi prep μ−BondapakC
18(径7.8mm,長さ30cm);移動相,アセトニトリル:1.5
%酢酸(4:1);流速,2.8ml/min;検出,示差屈折検出
器;温度,室温]に付した。保持時間11.0分に溶出され
る物質を含むフラクシヨンを合併し、減圧下に溶媒を留
去し、無色油状物質480mgを得た。この無色油状物質を
ヘプタンから再結晶し、無色プリズム晶を得た。この無
色プリズム晶の理化学的性質は文献[A.P.Tulloch and
L.Bergter,Lipids,14,996(1979),L.Crombie and A.G.
Jacklin,J.Chem.Soc.,1632(1957)]記載のトリコサン
酸の理化学的性質に一致した。
実験例 洗浄血小板浮遊液の調製 常法に従い、血液に対して1/10量の3.8%クエン酸ナト
リウムと最終濃度が0.1μg/mlとなるようにプロスタグ
ランジンI2ナトリウム(以下PGI2−Naと略す)を加え、
健常人の前腕部静脈から採血した新鮮血を150G、10分間
遠心し、多血小板血漿(platelet rich plasma,PRP)を
得た。更に、PGI2−Naを0.1μg/mlとなるように加え、
室温で900G、10分間遠心して、血小板の沈渣を得た。こ
れを0.1μg/mlのPGI2−Naを含有するタイロード(Tyrod
e)液を用いて再浮遊させ、室温で800G、10分間遠心し
た。その沈渣をPGI2−Naを含まないタイロード液を用い
て、血小板数が5×105個/μlとなるように再浮遊さ
せて、洗浄血小板浮遊液を得た。
リウムと最終濃度が0.1μg/mlとなるようにプロスタグ
ランジンI2ナトリウム(以下PGI2−Naと略す)を加え、
健常人の前腕部静脈から採血した新鮮血を150G、10分間
遠心し、多血小板血漿(platelet rich plasma,PRP)を
得た。更に、PGI2−Naを0.1μg/mlとなるように加え、
室温で900G、10分間遠心して、血小板の沈渣を得た。こ
れを0.1μg/mlのPGI2−Naを含有するタイロード(Tyrod
e)液を用いて再浮遊させ、室温で800G、10分間遠心し
た。その沈渣をPGI2−Naを含まないタイロード液を用い
て、血小板数が5×105個/μlとなるように再浮遊さ
せて、洗浄血小板浮遊液を得た。
血小板凝集能の測定 上記のようにして得た洗浄血小板浮遊液を用い、2チヤ
ンネルアグリメーター(Sienco社製)にて、血小板凝集
に伴う血漿の透過率変化を記録した。凝集惹起剤とし
て、10μg/mlコラーゲン(Collagen)溶液(SKF緩衝液
に溶解)または5μMアラキドン酸溶液(50mMトリス塩
酸緩衝液pH7.4に溶解)を用いた。
ンネルアグリメーター(Sienco社製)にて、血小板凝集
に伴う血漿の透過率変化を記録した。凝集惹起剤とし
て、10μg/mlコラーゲン(Collagen)溶液(SKF緩衝液
に溶解)または5μMアラキドン酸溶液(50mMトリス塩
酸緩衝液pH7.4に溶解)を用いた。
洗浄血小板浮遊液225μlに上記のトリコサン酸のエタ
ノール溶液0.5μlを加え、直ちに凝集惹起剤25μlを
添加して5分間反応させた後、最大凝集率を求めた。
尚、コントロールとして、本発明の薬剤を含まないエタ
ノールを用いた。
ノール溶液0.5μlを加え、直ちに凝集惹起剤25μlを
添加して5分間反応させた後、最大凝集率を求めた。
尚、コントロールとして、本発明の薬剤を含まないエタ
ノールを用いた。
そしてコントロールの最大凝集に対するトリコサン酸の
50%抑制濃度をIC50として求めた。その結果、コラー
ゲンによって誘起される血小板凝集に対するIC50は30
μMであり、アラキド酸による血小板凝集に対するIC
50は90μMであった。
50%抑制濃度をIC50として求めた。その結果、コラー
ゲンによって誘起される血小板凝集に対するIC50は30
μMであり、アラキド酸による血小板凝集に対するIC
50は90μMであった。
これらの結果から、トリコサン酸にすぐれた血小板凝集
抑制作用があることが認められた。従つて、上述した理
由により、加水分解によってトリコサン酸を生じる一般
式の化合物が血小板凝集抑制作用を有することは明らか
である。
抑制作用があることが認められた。従つて、上述した理
由により、加水分解によってトリコサン酸を生じる一般
式の化合物が血小板凝集抑制作用を有することは明らか
である。
一般式の化合物はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と
共に動物および人に投与することができる。投与形態と
しては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用
され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤、注射剤、
坐剤等の非経口剤が挙げられる。
共に動物および人に投与することができる。投与形態と
しては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用
され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤、注射剤、
坐剤等の非経口剤が挙げられる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤は常法に従って製
造される。錠剤は一般式の化合物をゼラチン、でん粉、
乳糖、ステアリン酸マグネシウム、滑石、アラビアゴム
等の製剤学的賦形剤と混合し賦形することによりつくら
れ、カプセル剤は、上記化合物を不活性の製剤充填剤、
もしくは希釈剤と混合し、硬質ゼラチンカプセル、軟質
ゼラチンカプセル等に充填することによりつくられる。
シロツプ剤、エリキシル剤は、一般式の化合物をシヨ糖
等の甘味剤、メチルパラベンおよびプロピルパラベン類
等の防腐剤、着色剤、調味剤、芳香剤、補助剤と混合し
て製造される。
造される。錠剤は一般式の化合物をゼラチン、でん粉、
乳糖、ステアリン酸マグネシウム、滑石、アラビアゴム
等の製剤学的賦形剤と混合し賦形することによりつくら
れ、カプセル剤は、上記化合物を不活性の製剤充填剤、
もしくは希釈剤と混合し、硬質ゼラチンカプセル、軟質
ゼラチンカプセル等に充填することによりつくられる。
シロツプ剤、エリキシル剤は、一般式の化合物をシヨ糖
等の甘味剤、メチルパラベンおよびプロピルパラベン類
等の防腐剤、着色剤、調味剤、芳香剤、補助剤と混合し
て製造される。
非経口剤は常法に従つて製造され、希釈剤として一般に
注射用蒸留水、生理食塩水、デキストロース水溶液、プ
ロピレングリコール等を用いることができる。さらに必
要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。
また、この非経口剤は安定性の点から、カプセル等に充
填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、
使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもでき
る。
注射用蒸留水、生理食塩水、デキストロース水溶液、プ
ロピレングリコール等を用いることができる。さらに必
要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。
また、この非経口剤は安定性の点から、カプセル等に充
填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、
使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもでき
る。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式 (一般式中、R1がリノレオイル基のときには、R2はリノ
レオイル基またはパルミトイル基であり、R1がパルミト
イル基のときには、R2はトリコサノイル基、リノレオイ
ル基またはパルミトイル基である。) で表される新規なグリセリン誘導体。 - 【請求項2】上記一般式において、R1およびR2がリノレ
オイル基である特許請求の範囲第1項記載の化合物。 - 【請求項3】上記一般式において、R1がリノレオイル基
であり、R2がパルミトイル基である特許請求の範囲第1
項記載の化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24720785A JPH0694438B2 (ja) | 1985-11-06 | 1985-11-06 | 新規なグリセリン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24720785A JPH0694438B2 (ja) | 1985-11-06 | 1985-11-06 | 新規なグリセリン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62108844A JPS62108844A (ja) | 1987-05-20 |
JPH0694438B2 true JPH0694438B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=17160037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24720785A Expired - Lifetime JPH0694438B2 (ja) | 1985-11-06 | 1985-11-06 | 新規なグリセリン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694438B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013043009A3 (ko) * | 2011-09-23 | 2013-05-30 | 주식회사 엔지켐생명과학 | 1-팔미토일-3-아세틸글리세롤의 제조방법 및 이를 이용한 1-팔미토일-2-리놀레오일-3-아세틸글리세롤의 제조방법 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1220669A4 (en) * | 1999-10-13 | 2004-12-08 | Marco A Chacon | THERAPEUTIC MEASURE TO IMPROVE THE EFFECT OF A CALORY RESTRICTION |
US20060246161A1 (en) * | 2003-02-21 | 2006-11-02 | Hongtao Xing | Method of making medicament for treating anemia |
US7618657B2 (en) * | 2003-02-21 | 2009-11-17 | Ultra Biotech Limited | Active ingredients preparation and single compound purification from traditional Chinese herbal medicine Fructus Trichosanthis and uses thereof |
WO2007137864A1 (en) * | 2006-06-01 | 2007-12-06 | Eucro European Contract Research Gmbh & Co. Kg | Use of inhibitors of pp2c for treating or preventing arteriosclerosis |
-
1985
- 1985-11-06 JP JP24720785A patent/JPH0694438B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013043009A3 (ko) * | 2011-09-23 | 2013-05-30 | 주식회사 엔지켐생명과학 | 1-팔미토일-3-아세틸글리세롤의 제조방법 및 이를 이용한 1-팔미토일-2-리놀레오일-3-아세틸글리세롤의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62108844A (ja) | 1987-05-20 |
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