JPH0694371B2 - 凝結二酸化チタン及びその製造方法 - Google Patents

凝結二酸化チタン及びその製造方法

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JPH0694371B2
JPH0694371B2 JP1339175A JP33917589A JPH0694371B2 JP H0694371 B2 JPH0694371 B2 JP H0694371B2 JP 1339175 A JP1339175 A JP 1339175A JP 33917589 A JP33917589 A JP 33917589A JP H0694371 B2 JPH0694371 B2 JP H0694371B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真光導電体、導電性付与剤基体または
帯電防止剤基体、触媒または触媒担体、フィラー(FILL
ER)などに適用でき、とくに電子写真光導電体に好適で
ある、凝結二酸化チタン、鉱酸で処理された凝結二酸化
チタンおよびそれらの製造方法に関する。
二酸化チタンは、高い隠蔽力および着色力を持ち且つ塗
膜に優れた光沢をもたらすため、顔料として最も大量に
使用されている。この市販品の多くは0.15〜0.35μの平
均粒径のアナターゼ型またはルチル型のものであって、
目的に応じてその分散性、光沢、耐侯性などを改良する
ため、例えばアルミニウム、ケイ素などの水和酸化物に
よる表面処理が施されている。
一方、電子写真光導電体として酸化亜鉛が多量に使用さ
れているが、これに替えて二酸化チタンを適用する技術
が研究開発されている。
この光導電体としての二酸化チタンは、例えば特公昭47
-29117号明細書に紹介されている。このものは、アナタ
ーゼ型の結晶構造を持ち、0.05〜0.15μの平均粒径の粒
子より成り、粒子の少なくとも70重量%が0.08〜0.18μ
の範囲にある。
最近、電子写真技術の進展に伴い、より高品位の画質の
ものが求められ、それと共に電子写真特性に一層優れた
光導電体二酸化チタンの開発についての市場要請があ
る。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、電子写真光導電体、導電性付与剤基体
または帯電防止剤基体、触媒または触媒担体、フィラー
(FILLER)などに適用でき、とくに電子写真光導電体と
して好適である、新規の凝結二酸化チタン、鉱酸で処理
された新規の凝結二酸化チタンおよびそれらの製造方法
を提供して、前記の市場要請に応えようとすることにあ
る。
〔発明の経緯と概要〕
本発明者等は、酸化亜鉛に替え、光導電体として二酸化
チタンを使用する技術を長年にわたり研究開発してきて
おり、一定の二酸化チタンを、これに適合する結着樹
脂、各種補助剤などと共に使用したときは、酸化亜鉛の
場合に比較して、解像力が高くシャープでキレの良い画
像のものを作成することができることを究明した。
本発明者等は、前記の市場要請に応えるために引き続き
研究開発を進めた結果、微細な一次粒子の焼結凝集体で
あって、ルチル型の結晶構造を有し、かつ吸油量が35〜
65である、新規の凝結二酸化チタン、鉱酸で処理された
新規の凝結二酸化チタン、それらの新規の凝結二酸化チ
タンを光導電体として利用した電子写真感光材料によ
り、その目的が達成できることを発見し、さらにこの凝
結二酸化チタンが導電性付与剤基体または帯電防止剤基
体、触媒または触媒担体、フィラー(FILLER)などに適
用できることを見出して本発明を完成した。
本発明の凝結二酸化チタンは、例えば、チタン溶存酸性
水溶液を加熱し加水分解用ルチル型種晶の存在下に加水
分解して生成した含水二酸化チタン沈澱を700〜900℃で
か焼し一次粒子を焼結させることによって、また、前記
一次粒子を焼結させ、次いで鉱酸で処理することにより
製造できる。
このチタン溶存酸性水溶液としては、例えば硫酸チタ
ン、四塩化チタンなどの水溶液が挙げられる。
また加水分解用ルチル型種晶というのは、顔料級二酸化
チタンの熱加水分解においてルチル化の促進および粒径
の調節のために使用されるものであり、その例は、1949
年米国ザ・ロナルド・プレス・カンパニー(The Ronald
Press Company)発行「チタニウム」(TITANIUM)第16
0〜第173頁、特公昭32-415号明細書などに記載されてい
る。
本発明の凝結二酸化チタンの製造に好適な加水分解用ル
チル型種晶は、ルチル型の結晶構造を持つ微小チタニア
ゾルであり、このものはX線回折法による測定でルチル
型結晶のピークを示す微小水和酸化チタンのゾルであ
る。普通その平均結晶子径は50〜120Å程度である。こ
の微小チタニアゾルは、例えば(1)TiO2として150〜2
20g/lの四塩化チタン水溶液を沸点で2〜10時間加熱し
て加水分解したり(2)TiO2として150〜220g/lの硫酸
チタン水溶液または四塩化チタン水溶液を5〜30℃に保
持しながら水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で中
和し析出したコロイド状沈澱を60〜80℃で1〜10時間熟
成したり(3)メタチタン酸またはオルトチタン酸など
の非晶質水酸化チタンを水酸化ナトリウム水溶液に入れ
80℃から沸点で1〜10時間加熱し濾過し洗浄したのち塩
酸水溶液中で80℃〜沸点で1〜10時間加熱したりして生
成させることができる。
凝結二酸化チタンの前記製造例にあって、その熱加水分
解条件において一般の顔料級二酸化チタンの場合と異な
る点は、温度が65〜85℃と低めの方が望ましいことであ
る。
チタン溶存酸性水溶液に加水分解用ルチル型種晶を添加
し加熱し加水分解して得られた含水二酸化チタンを700
〜900℃望ましくは750〜850℃でか焼するが、か焼工程
で一般の顔料級二酸化チタンの場合と異なる点は、か焼
温度が低めであり且つか焼に際しリン酸およびリン酸化
合物例えばオルトリン酸、アルカリ金属化合物例えば水
酸化カリウムなどの焼結防止剤の添加を必要としないこ
とである。か焼温度が低きに過ぎると所望のルチル型二
酸化チタンに焼成できないし、高きに過ぎると焼結のた
め一次粒子が互いに密に融合してしまって目的とする空
隙程度の大きい凝結二酸化チタンとならない。
このようにして得られる所望の焼成物は、通常、粗粉砕
したのち分級する。この粗粉砕において粉砕エネルギー
が大きいと折角の凝結二酸化チタンが一次粒子に破壊さ
れる。したがって、か焼が良くコントロールしておこな
える条件のとき、粗粉砕することなしに分級するのがよ
い。
焼成した凝結二酸化チタンを鉱酸で処理するには、普
通、鉱酸の水溶液を用いその濃度が0.0005〜20規定のも
のの中に凝結二酸化チタンを懸濁し浸漬して行う。
前記の鉱酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸、弗酸な
どが挙げられ、中でも弗酸が好ましいものの一つであ
る。また前記鉱酸は、それらを単独で用いても、もしく
はそれらを混用してもよい。
鉱酸が硫酸、硝酸、塩酸などの場合は、特公昭58-40178
号明細書の記載に準じて処理すればよい。ただし凝結二
酸化チタンの形状を破壊するような強力な攪拌は避ける
必要がある。これらの鉱酸は普通0.1規定以上好ましく
は0.1〜10規定のものとして処理するのがよく、濃度が
高いほど、処理温度は低くてすみ、処理時間が短縮でき
る。例えば6〜10規定の高濃度水溶液では約60℃で約0.
5〜2時間の処理でよい。濃度が低いときは加熱したり
処理時間を長くしたりして所望の効果を得ることができ
る。例えば0.1〜2規定の低濃度水溶液では沸点で約1
〜3時間の処理をするとよい。
鉱酸が弗酸の場合は、特公昭63-35977号明細書の記載に
従って処理できるが、本発明の凝結二酸化チタンの場合
は、意外なことにも同明細書の記載と異なり、弗素分が
実質的に残留しないように処理するのが良いことが判明
した。したがって敢えて高温浸漬処理をする必要はな
く、また洗浄は十分に行うことが望ましい。弗酸は普通
水溶液として処理に用い、その濃度は、通常、0.0005〜
20規定望ましくは0.05〜0.1規定がよい。この場合も浸
漬処理に際し凝結二酸化チタンの形状を破壊するような
強力な攪拌は避ける必要がある。
上記の鉱酸処理に際し、その濃度が低きに過ぎると所望
の効果が得られず、高きに過ぎると二酸化チタンの溶解
度が大きくなって好ましくない。また同処理において、
鉱酸に対し、水溶液弗素化合物、例えば弗化アンモン、
弗化カリ、弗化リチウム、弗化亜鉛などを共存させるこ
とにより一層望ましい効果をもたらす場合がある。鉱酸
による浸漬処理を行った固形物は、陰イオンが実質的に
残存しないように十分洗浄し、次いで所望により脱水し
乾燥する。このように鉱酸処理して得られた凝結二酸化
チタンは、この処理を行わなかったものに比較して後記
試験例に示すように、光感度、暗減衰率、耐湿性などの
電子写真特性が優れている。
本発明の凝結二酸化チタンはルチル型の結晶構造を有し
二次粒子であって第1図の電子顕微鏡写真におけるよう
に、葡萄房またはそれを不規則にいくつかに分割したよ
うな形状を持ち、各葡萄粒に相当する個々の一次粒子は
隣接するものと焼結しているが、この焼結は一次粒子の
全面にわたるほど強度なものでなく、一次粒子の凝集は
疎なるものであって凝結二酸化チタン粒子は空隙程度に
富んでいる。このことは第1図写真にみられる凝結二酸
化チタン粒子での凹凸、空胴、濃淡などによって理解で
きる。この凝結二酸化チタン粒子はその大部分が1〜5
のμの大きさである。
このように本発明の凝結二酸化チタンは、顔料級二酸化
チタンまたは前記特公昭47-29117号明細書に記載されて
いる電子写真光導電体としての二酸化チタンと比較して
形状および大きさが基本的に異なる。
本発明の凝結二酸化チタンはその形状から窺えるように
吸油量が大きく35〜65の値を示す。顔料級二酸化チタン
は、顔料として要請される性質上、この値が大きいこと
は好ましくなく一般にその吸油量は15〜25の範囲にあ
る。ここにいう吸油量は次のようにして測定される。す
なわち、105〜110℃で2時間乾燥した試料2〜5gをガラ
ス板にとり、酸価4以下の精製アマニ油をビュウレット
から少量ずつ試料の中央に滴下しその都度ヘラで練り合
わせる。滴下練り合わせの操作を繰り返し、全体が初め
て一本の棒状にまとまったときを終点として、精製アマ
ニ油の量を求め、次の式によって吸油量を算出する。
本発明の凝結二酸化チタンの製造に際し、そのか焼工程
で前記特公昭47-29117号明細書に記載されているよう
に、リン酸、水酸化カリウムなどの焼結防止剤の適量を
使用したときの焼成物は、大部分が一次粒子である。こ
の一次粒子二酸化チタンの平均粒子径(ヘイウッド径、
重量基準)は、通常、0.05〜0.25μの範囲にある(だだ
し顔料級二酸化チタンにおけるのと同様の粉砕および分
級を施した場合)。
また本発明の凝結二酸化チタンの製造に際し、そのか焼
温度を1000℃としたときの焼成物は、第3図の電子顕微
鏡写真にみられるように焼結のため一次粒子が互いに密
に融合しており、吸油量も空隙程度の大きい凝結二酸化
チタンとは異なって小さい値のものである。
本発明の凝結二酸化チタンの電子写真特性を改良するた
め、特公昭58-40177号明細書に記載されているように、
含水二酸化チタンの焼成前に、例えばリチウム、亜鉛、
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリ
ウムからなる群から選ばれた元素(金属)を含む少なく
とも一種の化合物を存在させるのが有効である。この改
良を施すことにより初期電位、暗減衰率、光減衰半減期
などの電子写真特性に好ましい効果をもたらす。これら
の金属を含む化合物として、その酸化物、水酸化物、ハ
ロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩などが使用でき
る。これらの化合物の添加量は、一般にTiO2に対し金属
として0.001〜5モル%、好ましくは0.01〜5モル%で
あり、とくに金属がリチウムである場合はTiO2に対しLi
として0.02〜0.2モル%、亜鉛その他の場合はTiO2に対
し金属として0.1〜5モル%が好ましい。亜鉛はその他
の金属の場合に比較して暗減衰性の改良に顕著な効果を
もたらす。
本発明の凝結二酸化チタンの表面を例えば酸化スズまた
はアンチモンを含む酸化スズで被覆したものは、例え
ば、静電記録紙、電子写真感光紙などの導電性付与剤、
または繊維、プラスチックスなどの帯電防止剤として有
効であり、凝結二酸化チタンはこれらの基体として望ま
しいものである。凝結二酸化チタンの表面に酸化スズま
たはアンチモンを含む酸化スズで被覆する方法として
は、例えば特公昭58-39175号、特開昭56-41603号、同56
-114215号、同56-114218号、同56-140028号、同56-1566
04号、同61-286221号などの明細書に記載されている方
法が適用できる。凝結二酸化チタン粒子表面の被覆層中
の酸化スズの量は、基体の二酸化チタンに対しSnO2とし
て1〜30重量%、被覆層中のアンチモンの量はSnO2に対
してSb2O3として5〜30重量%がよい。
また、通常、二酸化チタンを主成分とする触媒または触
媒担体にみられるように、前記凝結二酸化チタンについ
ても、鉄、ニオブ、タリウム、モリブデン、ニッケル、
タングステン、コバルト、銅、セリウムからなる群から
選ばれた少なくとも一種のイオンを担持させたものに触
媒活性の改良効果がみられる。凝結二酸化チタンおよび
上記の改良物は、例えば炭化水素の光酸化反応触媒、NO
xの還元反応触媒またはその担体などとして使用でき
る。
なお、本発明の凝結二酸化チタンは、強靱な塗膜および
成形物が求められるときのそれぞれ塗料およびプラスチ
ックスのフィラー(FILLER)として適用できる。
本発明の凝結二酸化チタンは、前記したように光導電性
材料として好適なものであるが、当該二酸化チタンを用
いていわゆるCPC方式での電子写真感光材料を作成する
には、二酸化チタン粉末を結着樹脂中に分散させて塗液
を調製し、この塗液を導電性支持体上に塗布し、乾燥し
て該支持体上に感光層を形成させることによっておこな
うことができる。前記導電性支持体としては、種々のも
のを使用し得るが、例えば紙やプラスチックフィルムな
どに種々の導電性付与剤を塗布したり、含漬させたりあ
るいは充填させたりして導電性を付与したものや、金属
板など通常の電子写真分野に用いられる導電性基材を用
いることができる。また感光層を形成する前記結着樹脂
としては、種々のものを使用し得るが、たとえばアクリ
ル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビ
ニル系樹脂、シリコーン系樹脂、アミノ系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂などを挙げることができ、これらは単独で
あってもそれを混用してもよい。
さらに、電子写真感光材料を作成するに際しては、例え
ば光感度、帯電速度、暗減衰などの電子写真特性やそれ
らの経時安定特性などを改善するために、種々の改良剤
を添加することができる。それらの改良剤としては、例
えば分光感度改良剤としては、シアニン系、キサンテン
系、フタレイン系、トリフェニルメタン系、ジフェニル
メタン系、オキサジン系、チアジン系、アントラキノン
系などの色素を、単独またはそれらを適宜組合せて使用
することができる。なお、前記において、本発明の凝結
二酸化チタンで構成される感光層を、比較的長波長域、
ことに近赤外域乃至赤外域に分光感度を有するように色
素増感して、例えば近年とくに注目されてきている半導
体レーザを使用して該レーザビーム光で露光するような
場合に、増感色素として種々のものを使用し得るが、例
えばシアニン色素を用いる場合は、望ましくは分子構造
中にカルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキシル基な
どの極性基を有し、かつメチン基が3個以上有するもの
が望ましい。また前記増感色素による増感作用の安定性
を増大する上で、例えば種々の有機酸もしくはその酸無
水物質を併せ使用することは、きわめて望ましいことで
ある。前記有機酸もしくはその酸無水物質としては、種
々のものを使用し得るが、例えばフタル酸もしくは無水
フタル酸のような芳香族脂環状酸もしくはその酸無水物
や無水マレイン酸のような脂肪族ジカルボン酸の環状無
水物などを使用することができ、さらにこれらの前記酸
無水物に例えばステアリン酸のような高級脂肪酸化合物
を併せ使用すると一層望ましい場合がある。
上記のようにして作成した本発明の電子写真感光材料
は、その感光層表面45°−45°鏡面光沢と45°−0°鏡
面光沢との光沢比が0.7〜2であり、好ましくは0.7〜1
である。
本発明の電子写真感光材料が、特定の光沢比範囲にある
ことによって優れた電子写真特性を示す原因について
は、理論的に解明されるに至っていないが、これは、光
導電性物質として利用する凝結二酸化チタンの形状、そ
の大きさ、その充填状態等によって、感光層の結着剤中
に分散した前記に酸化チタンが入射光を拡散し易い状態
になり、電子写真感光材料として重要な感光層における
光の利用率が高くなるので、その結果として光感度等の
電子写真特性が良くなるものと推測されている。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明
する。
〔本発明の実施例〕
実施例1 四塩化チタンの200g/l水溶液を加水分解用ルチル型種晶
の存在下に75℃で2時間加水分解して水和酸化チタンを
沈殿させた。この加水分解用ルチル型種晶はTiO2として
200g/lの四塩化チタン水溶液を20℃に保持しながら水酸
化ナトリウムを添加し中和して析出したコロイド状沈殿
を70℃で2時間熟成させたものである。この種晶を四塩
化チタン水溶液中のTiに対し8モル%のTiを含む割合で
存在させた。上記の加水分解で生成した含水二酸化チタ
ン沈殿についてデカンテーションを二回行って水洗し、
次いで濾過し、リパルプしてアンモニアで中和した。加
水分解によるTiO2収率は95%であった。上記の中和物に
対し、中和物中のTiO2の2モル%に当たるZnO微粉末を
添加し混合して濾過した。この沈殿ケーキを脱水したの
ち780℃で2時間か焼した。
この焼成物を水中に投入してスラリー(TiO2として400g
/l)とし、分散剤として少量の水ガラスを添加し水酸化
ナトリウムでpHを約10に調整して攪拌処理した。ついで
静置分級法で約5μ以上のものを除去し、固形物を通常
に分別し脱水して本発明の凝結二酸化チタンを製造した
(試料A)。このものは第1図の電子顕微鏡写真にみら
れる形状を示し、その吸油量は45であった。
このようにして得られた凝結二酸化チタンに対し、増感
色素として1−(2−カルボキシエチル)−4−〔3−
(3−エチルベンゾチアゾリン−2−イリデン)−1−
プロペン−1−イル〕キノリニウムヨージドを常法によ
り被着処理した。処理量は、TiO2に対しそれぞれ0.003
重量%である。
増感色素で被着処理した凝結二酸化チタン16g、ナフテ
ン酸亜鉛(Znとして8重量%のもの)0.6g、アロセット
5804XC 12.7g、キシレン14.4mlをガラス・ビーズ入りペ
イント・シェーカーで軽く混合してペーストとした。
このペーストを導電処理紙上にドクターブレードで15μ
の厚さに塗布し、120℃で3分間乾燥して電子写真感光
材料とした。このものを光感度、暗減衰率および鏡面光
沢の測定に供し、その結果を第1表に示す。
光感度は、川口電気製ペーパーアナライザー(EPA-8100
型)のダイナミック法で300V帯電後連続露光して電位が
60Vになるまで減衰するのに要する時間で表した。した
がって、この値が小さいほど感度が良い。露光は、タン
グステン光源を用い、白色光で感光材料面の照度が1000
ルックスになるように調節するとともに赤色光フィルタ
ーを介して行った。
暗減衰率は、川口電気製ペーパーアナライザー(EPA-81
00型)により、ダイナミック法で−6kvで20秒間コロナ
帯電したときの電位V0と、V0に達した直後コロナ帯電を
停止20秒間暗所に放置したときの電位V20とから、(V0-
V20)/V0×100として求めた。光沢比は、感光層表面の
45°−45°鏡面光沢(x)と45°−0°鏡面光沢(y)
とをグロスメーター(村上色彩技術研究所製GM-26型)
で測定し、その値(x)/(y)の比として表した。
実施例2 前記実施例1において、静置分級法で約5μ以上のもの
を除去して得られたスラリーに弗酸を添加してスラリー
中の弗酸濃度を3重量%とし、緩やかに攪拌して1時間
浸漬処理した。処理後、スラリー中の固形物を濾過し洗
浄し300℃で乾燥して本発明の凝結二酸化チタンを得た
(試料B)。このものは第2図の電子顕微鏡写真にみら
れる形状を示し、その吸油量は47であった。
次いで、前記実施例1と同様に処理して電子写真感光材
料とし、前記実施例1と同様に光感度、暗減衰率および
鏡面光沢の測定に供し、その結果を第1表に示す。
実施例3 実施例2において、弗酸に代えて塩酸を添加(スラリー
中の塩酸濃度3%)したことのほかは、同例の場合と同
様に処理して本発明の凝結二酸化チタンを得た(試料
C)。このものは吸油量46であった。
このものについても、前記実施例1または2と同様に処
理して電子写真感光材料とし、前記実施例1と同様に光
感度、暗減衰率および鏡面光沢の測定に供し、その結果
を第1表に示す。
比較例1 前記実施例1において、か焼温度1000℃としたことのほ
かは、同例の場合と同様に処理したところ、このものは
吸油量18であった(試料D)。
このものの電子顕微鏡写真を第3図に示す。
比較例2 前記実施例1において、か焼した焼成物を水中に投入し
て得られたスラリーを、ペイントコンディショナー(レ
ッドデビル社製:ジルコニアビーズ充填)中で1時間湿
式粉砕した後、同例の場合と同様に処理したところ、こ
のものは吸油量27に低下していた(試料E)。
比較例3 前記実施例2において、得られたか焼物を、水性スラリ
ーとしてサンドグラインダーで十分粉砕したことのほか
は、同例の場合と同様に処理して二酸化チタンを得た
(試料F)。このものは吸油量21であって、このものの
電子顕微鏡写真を第4図に示す。
前記比較例1〜3の各二酸化チタンについて、前記実施
例1の場合と同様に処理して電子写真感光材料とし、前
記実施例1と同様に光感度、暗減衰率および鏡面光沢の
測定に供し、その結果を第1表に示す。
第1表の結果から明らかなように、本発明に係る試料
A、BおよびCの場合は、比較例の試料D、E及びFの
場合に比べて、光感度が優れ、また暗減衰率も勝ってい
る。
〔発明の効果〕
本発明は、電子写真光導電体、導電性付与剤基体または
帯電防止剤基体、触媒または触媒担体、フィラー(FILL
ER)などに適用でき、とくに電子写真光導電体に好適で
ある、凝結二酸化チタン、鉱酸で処理された凝結二酸化
チタンおよびそれらの製造方法を提供するものであって
産業上寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は、本発明の凝結二酸化チタンの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真、第3図及び第4図は比較例
の二酸化チタンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真であっ
て、第3図は、本発明のものの焼成にあたり、か焼温度
が高きにすぎた場合(1000℃)の二酸化チタンの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真であり、第4図は、粉砕し過ぎ
た場合の二酸化チタンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真
である。いずれも倍率は10,000倍である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な一次粒子の焼結凝集体であって、ル
    チル型の結晶構造を有し、かつ吸油量が35〜65である凝
    結二酸化チタン。
  2. 【請求項2】微細な一次粒子の焼結凝集体であって、ル
    チル型の結晶構造を有し、かつ吸油量が35〜65である、
    鉱酸で処理された凝結二酸化チタン。
  3. 【請求項3】焼成前の含水二酸化チタンに、リチウム、
    亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよ
    びバリウムからなる群から選ばれた元素を含む少なくと
    も一種の化合物を存在させて得られる請求項(1)又は
    (2)に記載の凝結二酸化チタン。
  4. 【請求項4】電子写真光導電体に使用する請求項(1)
    乃至(3)に記載の凝結二酸化チタン。
  5. 【請求項5】チタン溶存酸性水溶液を加熱し加水分解用
    ルチル型種晶の存在下に加水分解して生成した沈澱を70
    0〜900℃でか焼し一次粒子を焼結させて請求項(1)の
    凝結二酸化チタンを製造する方法。
  6. 【請求項6】チタン溶存酸性水溶液を加熱し加水分解用
    ルチル型種晶の存在下に加水分解して生成した沈澱を70
    0〜900℃でか焼し一次粒子を焼結させ次いで鉱酸で処理
    する請求項(2)の凝結二酸化チタンを製造する方法。
  7. 【請求項7】チタン溶存酸性水溶液が硫酸チタン水溶液
    または四塩化チタン水溶液である請求項(5)又は
    (6)に記載の凝結二酸化チタンを製造する方法。
  8. 【請求項8】鉱酸が弗酸である請求項(6)に記載の凝
    結二酸化チタンを製造する方法。
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