JPH0693508A - 繊維用液体付与ガイド装置 - Google Patents

繊維用液体付与ガイド装置

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JPH0693508A
JPH0693508A JP24226592A JP24226592A JPH0693508A JP H0693508 A JPH0693508 A JP H0693508A JP 24226592 A JP24226592 A JP 24226592A JP 24226592 A JP24226592 A JP 24226592A JP H0693508 A JPH0693508 A JP H0693508A
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JP
Japan
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liquid
fiber
liquid supply
discharge hole
guide
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JP24226592A
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Akira Nishikawa
昭 西川
Kiyoshi Akazawa
潔 赤澤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 液体吐出孔(8)が穿設された上向き斜面
(1)及びその下方の繊維接触面(2)を有する形状の
繊維用液体付与ガイド装置において、繊維接触面の下端
から液体吐出孔の上端までの部分を含む液体流下部分を
本体部材に対して脱着可能な独立した部材(3)でもっ
て構成する。また、繊維接触面に繊維接触走行方向に伸
びた溝(2′)が形成されている。 【効果】 繊維品種に対する装置の汎用性が高く、修
理再生が可能で、検討改善を重ねることが容易であり、
しかも、所望の油水分付着量が安定して得られ、そのば
らつきを小さく抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維の製造工程に
おいて、油剤・水などの液体を繊維に付与するための液
体付与ガイド装置に関するものである。さらに詳しく
は、製造繊維品種に対する装置の汎用性が高く、修理再
生が可能で、検討改善を重ねることが容易であり、しか
も、所望の油水分付着量が安定して得られ、そのばらつ
きを小さく抑えることができる繊維用液体付与ガイド装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドやポリエステルなどの合成繊
維を溶融紡糸する工程などにおいては、繊維に潤滑剤や
帯電防止剤などを含む油剤などの液体を付与することが
行われており、この液体付与のための装置として、ガイ
ド型液体付与装置(以下、給液ガイドという)が一般に
使われてきている。この給液ガイドは、通常、繊維接触
面の上方の上向き斜面に、計量された液体を定量的に吐
出する液体吐出孔を設け、この液体吐出孔から吐出され
た液体を繊維接触面上で、そこを接触走行する糸条や糸
条束に付与するものであり、液体供給量の変更により給
液量を容易に変更できること、従来のローラ型給液装置
に比べて液体を均一付与し易いことなどの長所を有して
いる。
【0003】この給液ガイドとしては、種々の形状のも
のが提案されているが、いずれの形状の物でも比較的小
型の装置であることなどから、セラミックなどのように
耐摩耗性が高くかつ摩擦特性が低い素材を一体成形する
ことにより作られていた(図6)。
【0004】ところが、一体成形型給液ガイドの場合、
次のような問題点があり、改良が望まれてきていた。
【0005】給液ガイドではその形状や性状により液体
付与特性が左右されるので、繊維品種毎に最適な形状・
性状をとることが必要である。従って、一体成形型給液
ガイドを用いる場合では、その繊維の品種毎に異なる仕
様の給液ガイドを用いなくてはならない。このように品
種毎に異なる装置が必要であると、品種の多様化が進む
につれて、品種に応じた対応が困難となってくる。
【0006】また、繊維への液体付与にこの給液ガイド
を使用して製糸を続けていくと、使用中に摩耗や不良箇
所発生などの給液ガイドトラブルが生じ、均一給液が困
難となるばかりでなく、磨耗部分での擦過により単糸切
れ(毛羽)の発生頻度が高くなるので、給液ガイド全体
を新品と交換することが行われる。給液ガイドの場合、
表面の形状や性状の微妙な違いでも液体付与の均一性に
大きな影響がでるので、一旦不良品となるとその不良箇
所を修復することが難しく、一体成形型ガイドの場合で
は一部分の不良のためにそのガイド全部が再使用できな
くなる。 さらにまた、この給液ガイドは、繊維への液
体付与を均一に行わなくてはならないため、高度な寸法
精度や均一な表面性状が要求される。従って、精密な金
型でもって一体成形する必要がある。このように成形金
型に精密さが必要であると、金型を変更する場合、金型
の部分的変更で済ますことが難しい。従って、ガイド仕
様を改良しようとする場合には新しい金型の製造などに
多くの時間や費用がかかるので、適用する繊維品種に最
適の仕様を求める試験改良を重ねることは容易でなく、
しかも時間がかかり過ぎる。
【0007】そこで、これら欠点を改善するためには、
図5に示すように、繊維接触面及びその極く近傍の部分
のみを、他の部分を構成する本体部材4に対して脱着可
能な独立した脱着部材(接糸部材)3でもって構成する
ことが有効であることを、特開平1−33207号公報
において先に提案した。この方法によると前記した問題
点はかなり解消することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その脱着部材
は、給液ガイドの仕様変更や再生使用等の際に他の仕様
の脱着部材や新品の脱着部材等と交換使用することがで
きるように、その大きさ等が一定となるように製作され
るが、給液ガイドは、例えば繊維接触面の上下長が2〜
5mm程度であるようにかなり小型な装置であるので、
脱着部材と本体部材との嵌合状態の影響を受け易く交換
のたびに多少異なってくることが多い。
【0009】両部材の嵌合状態が多少でも異なってくる
と、液体吐出孔から吐出された液体の流下途中に両部材
の嵌合境界が存在する従来の装置では、液体の流下も影
響を受け、油水分の付着量、及びそのばらつきが異なっ
てくるという別の問題が生じた。
【0010】そこで、本発明は、本体部材と脱着部材と
の嵌合状態に左右されることなく安定した油水分付着量
を得ることができ、そのばらつきを小さく抑えることが
でき、しかも、ガイド装置の繊維品種に対応した仕様へ
の変更が容易で汎用性があり、使用中の摩耗などにより
不良となったガイド装置についても磨耗した部分のみの
交換で容易にかつ低コストで再生が可能であり、また、
形状や性状の改善を重ねていくことが簡単である繊維用
液体付与ガイド装置を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る繊維用液体付与ガイド装置は、液体吐
出孔(8)が穿設された上向き斜面(1)及び該上向き
斜面の下方の繊維接触面(2)を有する形状の繊維用液
体付与ガイド装置において、前記繊維接触面の下端から
前記液体吐出孔の上端までの部分を含む液体流下部分
を、他の部分を構成する本体部材に対して脱着可能な独
立した部材(3)でもって構成することを特徴とするも
のである。
【0012】即ち、本発明に係る給液ガイドは、繊維接
触面の下端から液体吐出孔の上端までの部分を含む液体
流下部分を、本体部材4に対して脱着可能な独立した別
部材としたことを主たる特徴とするものであり、この別
部材を以下、脱着部材3という。
【0013】本発明に係る繊維用液体付与ガイド装置
(以下、給液ガイドと略す)を、その一実施態様を示す
図1〜3及び別の一実施態様の要部を示す図4に沿って
以下説明する。
【0014】図1(A)、図1(B)、図2及び図3
は、同じ実施態様の給液ガイド(全体あるいは要部)を
示すもので、それぞれ、給液ガイドの縦断面図、正面
図、上面図、及び、脱着部材3の斜視図である。
【0015】図4は、請求項3のように、液体吐出孔か
ら下方への液体流下に沿った溝9が設けられた場合の脱
着部材3を例示する斜視図である。
【0016】脱着部材3は、セラミック、セラミックコ
ーテイング金属、メッキ金属及び硬化処理金属のよう
に、耐摩耗性が高くかつ低摩擦特性の材質で構成するこ
とが好ましく、本体部材4とは別々に成形される。なか
でも、セラミックやセラミックコーテイング金属が好ま
しい。繊維の種類によっては、静電気を抑えるために、
導電性の材質で構成することが好ましいこともある。
【0017】また、この脱着部材3の形状は、繊維接触
面の下端から液体吐出孔の上端までの部分を含む液体流
下部分を構成し、かつ本体部材4に脱着可能に位置決め
固定できれば、任意の形状をとることができるが、本発
明の目的を十分に達成するためには、本体部材4に比し
て小さいことが望ましい。
【0018】また、この脱着部材3の繊維接触面2に
は、繊維接触走行方向に伸びた溝形状(以下、繊維走行
溝2′という)が形成された形状とすることが、繊維の
品種に応じた最適仕様をとる上で特に有効である。
【0019】さらに、図4に示すように、液体吐出孔か
ら下方への液体流下に沿った溝(以下、液体誘導溝9と
いう)が上向き斜面に形成されていることが、上向き斜
面上における液体流下のばらつき、油水分付着量のばら
つきをさらに抑えるために好ましい。
【0020】これら繊維走行溝2′、液体誘導溝9及び
液体吐出孔8の径などの寸法は、通常の給油ガイドの場
合と同様の基準で設計すればよい。例えば、繊維走行溝
2′の横幅は、液体吐出孔8の径とほぼ同じ寸法とする
ことが好ましく、また、液体吐出孔8の径は給液量に応
じて決めればよい。
【0021】図示した実施態様では、液体吐出孔へと繊
維付与液体を導入する部材(以下、液体導入部材とい
う)5の先端と脱着部材の液体吐出孔8の液体導入端と
を直接繋げた装置構造としたが、他の装置構造であって
もよい。例えば、液体導入部材5の先端と脱着部材の液
体吐出孔8の液体導入端との間に別の液体誘導管状部材
を挟んで繋げた装置構造(図示なし)としてもよい。
【0022】本体部材4及び液体導入部材5は、通常の
給油ガイドと同様な材質や仕様で成形して製造すればよ
い。また、本体部材4は脱着部材3と同じ材質であって
もよいが、加工性や耐久性のよい材質、例えばステンレ
スのような金属が好ましい。
【0023】図に示す態様では、脱着部材3を正面方向
から嵌挿できるような多角形的形状とし、それを嵌合で
きる大きさの欠落部を本体部材に設け、両部材の嵌合固
定を本体部材の左右からのネジ6によって行う装置構造
としたが、嵌合のみで位置決め固定できるようにその嵌
合面に対応する凹凸を設けてもよい(図示なし)。ま
た、脱着部材3を左右方向に長い棒状の部材とし、本体
部材4にそれを嵌挿できる大きさの横孔を穿設し、その
横孔に脱着部材を挿入し嵌合させることにより位置決め
固定してもよい(図示なし)。さらにまた、その他の取
り外し可能な接着手段によって両部材の位置決め固定を
行ってもよい。
【0024】なお、本発明に係る給液ガイドは、図1〜
2に破線で示したような防風板7をその上部に取り付け
ることが、高速走行する繊維糸条に給液するガイド、特
に高速製糸用の給液ガイドとして用いる場合に好まし
い。
【0025】
【作用】本発明に係る給液ガイドを用いて、走行する繊
維糸条に液体を付与する場合、液体導入部材5を通じて
定量的に供給される液体は、吐出孔8から吐出され、図
1(A)中に矢印で示したように、上向き斜面1及び繊
維接触面2(特にその繊維走行溝2′)に沿って流下す
る。そして、この繊維接触面の溝2′を同時に接触走行
する繊維糸条Yとこの溝内で接触することにより、繊維
に液体が付与される。
【0026】液体吐出孔8が穿設された上向き斜面1及
びその下方の繊維接触面2を有する形状の一体成形型給
液ガイドの場合、使用中に発生する均一給液不良のトラ
ブルの殆どは繊維接触面2上に発生する摩耗や形状・性
状の異常が原因となっている。
【0027】また、繊維の品種毎の最適仕様を決める場
合、液体吐出孔の部分、上向き斜面のうちの液体吐出孔
8から下方の部分及び繊維接触面の部分の寸法や形状・
性状が重要であり、品種毎に細かい仕様決定が必要であ
る。その他の部分の寸法・形状・性状は、給液量や糸条
繊度などが、桁違いに異ならない限りほぼ同じ仕様のも
のを用いることができる。
【0028】従って、本発明では、従来の一体成形型給
液ガイド(図6)の問題点を改善するため、繊維接触面
2の下端から液体吐出孔8の上端までの部分を含む液体
流下部分の全体を、本体部材4から独立しかつ脱着可能
である脱着部材3とし、これによりそれらの部分の寸法
・形状や性状を、他の部分と独立して容易に変更可能と
したものである。
【0029】即ち、脱着部材3が本体部材4と独立して
取替え可能であるので、使用中にトラブルが発生して不
良品となった給液ガイドでも、その脱着部材3を新品と
交換することで再使用可能な給液ガイドに再生すること
ができる。従って、給液ガイドの大部分を占める本体部
材4等の使用期間を大幅に延長できる。
【0030】また、生産する繊維の品種が変更される時
でも、脱着部材3の交換のみで対応することができるの
で、品種毎に異なる給液ガイドを用意しておく必要がな
くなる。
【0031】さらにまた、繊維品種に応じて給液ガイド
の最適仕様を決めるために試験改良を加えていく場合で
も、脱着部材3の仕様を変更することで十分に対応する
ことができるので、変更する成形金型を小型化すること
ができ、従って、新しい金型を製作する際の時間や手間
を大幅に減らすことができ、繊維品種に最適の仕様を決
めるための所要時間の短縮化を図ることができる。
【0032】さらに、液体の均一給液のために高度な寸
法精度や均一な表面性状が要求される部分が別部材化し
ているので、成形後に機械加工で精密仕上げすることも
可能となりそれら部分の寸法精度や性状の均一性を著し
く高めること、さらには、成形金型の精密さを低く設定
することも可能になる。また、成形品の検査が容易に行
えるようになるので品質管理も向上する。
【0033】さらにその上、特開平1−33207号公
報にて先に提案した繊維接触面部分を別部材化した装置
構造(図5)における問題点を解消することもできる。
【0034】即ち、上向き斜面の液体流下路の途中に両
部材の繋ぎ目(嵌合境界)が存在する従来の別部材化装
置構造では、その脱着部材の交換のための両部材の嵌合
固定において、その嵌合状態が交換のたびに多少異なっ
てくることが多い。これは、脱着部材の大きさや形状の
多少の誤差、本体部材の大きさや形状の多少の誤差、さ
らには、嵌合して固定する際の位置決めの誤差等が原因
するとみられる。
【0035】この従来の装置において両部材の嵌合状態
が異なると、特にその嵌合境界部分における液体の流下
状態が影響を受ける。例えば、脱着部材3が本体部材よ
りも若干正面方向に出ている場合には、その嵌合面の部
分に液体滞留部分が生じ易く、嵌合部分を伝って付与液
体が流下するために糸条接触面の液膜厚みが不均一とな
り走行する繊維糸条に対する液体付与が不均一なものと
なってしまう。また、繊維糸条に付与した液体が完全に
付着せずに滴下もしくは飛散する。
【0036】また、液体誘導溝9がある給液ガイドの場
合、その誘導溝が左右に若干ずれると液体流路の偏りが
生じ易い。この結果、液体の流れを均一かつ安定化する
ことが難しく、安定した油水分付着量を得ることが難し
いし、そのばらつきも大きくなる。
【0037】しかし、本発明の装置では、液体吐出孔及
びその下方部分の上向き斜面も、繊維接触面の部分と一
体の脱着部材としているので、両部材の嵌合状態が多少
異なっていても、吐出孔からの液体の流下は影響を受け
ず、安定した油水分付着量を得ることができるし、その
ばらつきを小さく抑えることができる。
【0038】
【実施例】
[実施例及び比較例]0.4wt%の酸化チタンを含有す
るナイロン6を高速製糸する工程(紡糸口金より溶融紡
出されたナイロン6糸条を冷却固化した後、給液ガイド
により給油しつつ集束し、第1ゴデットローラ、第2ゴ
デットローラで順次引き取り、4000m/分でパッケ
ージに巻き取る)における給液ガイドとして、図1〜3
に示す態様の給液ガイドを用い、15デニール、5フィ
ラメントのナイロン6糸条を製糸した(1回目の製
糸)。
【0039】給油に使用した油剤は、濃度3wt%の水エ
マルジョン型油剤であり、また、脱着部材の材質はアル
ミナセラミック、本体部材の材質はステンレスSUS3
04とした。
【0040】次いで、給液ガイドの脱着部材のみを別仕
様の新品と取替えてガイド仕様を変更した後、70デニ
ール、24フィラメントのナイロン6糸条を製糸した
(2回目の製糸)。この際の脱着部材の取替え作業は、
容易かつ短時間で行うことができた。
【0041】また、この製糸をそれぞれ30日間行った
後に、給液ガイドの脱着部材のみを新品と取替え、再
度、同様な製糸を行った(3回目、4回目の製糸)。
【0042】また、比較例1として、本体部材と脱着部
材とを上記と同一のアルミナセラミックで一体成形した
以外は、同一の寸法、性状を有する給液ガイド(図6)
を用い、上記と同じ製糸工程における給液ガイドとして
用いた。なお、この場合は生産品種変更の際に給液ガイ
ド全体を別仕様の物と交換した。
【0043】さらにまた、比較例2として、図5に示す
態様の従来の別部材化給液ガイド(繊維接触面及びその
近傍部分のみを別部材化し、本体部材との繋ぎ目が吐出
孔の下方に存在する装置構造のもの)を用い、上記と同
じ製糸工程における給液ガイドとして使用した。上記実
施例の場合と同様に、ガイド仕様の変更は別仕様の脱着
部材と交換することによって、また、再度の製糸試験を
する際には新品の脱着部材と交換することによってそれ
ぞれ行った。
【0044】それぞれの場合につき、油剤付着の均一性
を示す尺度として、得られた繊維糸条の油分率、水分率
及びウースタ斑を、通常の方法により定期的に測定し
た。
【0045】即ち、油分率は、四塩化炭素による抽出処
理により測定サンプルから付着油分を除去し、その除去
の前後における繊維重量から求めた。水分率は、測定サ
ンプルを乾燥させ、その乾燥前後における繊維重量から
求めた。また、ウースタ斑は、Zellweger User社製のウ
ースタ繊度斑測定装置により測定した。
【0046】それら結果は、ガイド数32、製糸開始後
30日間の平均値(x)及びそれらのばらつき(CV
(%)=(σ/x)×100)でもって、表1に示し
た。
【0047】
【表1】 本発明の給液ガイドの構造をとると、従来の一体成形型
給液ガイドの場合(比較例1)と同水準以上の油水分付
着の均一性を得ることができ、脱着部材の取替えのみに
よって別のガイド仕様品として十分に使用することがで
きた。
【0048】さらに、別部材化した接糸部分との繋ぎ目
が吐出孔の上方に存在するので、その繋ぎ目が吐出孔下
方の液体流下路部分に存在する従来の別部材化型給液ガ
イドを用いた場合(比較例2)に比し、ガイドの交換や
再生後も油水分の付着率が安定していて、そのばらつき
も小さく安定していたのであり、両部材の嵌合固定状態
に左右されずに安定して油水分付与を行うことができ
た。
【0049】
【発明の効果】このように、本発明の給液ガイドでは、
液体の均一付与に大きな影響を与え、しかも、使用中の
異常発生頻度が相対的に多く、糸条繊度や製糸速度など
の製糸条件によって最適仕様が変わってくる部分(繊維
接触面2の下端から液体吐出孔8の上端までの部分を含
む液体流下部分)を、独立した交換可能な脱着部材3と
したことにより、次の効果が得られる。
【0050】脱着部材3を交換することにより、他の品
種の給液ガイドとして使用できる別仕様の給液ガイドに
変更することができるので、装置としての汎用性が高く
なる。従って、繊維の生産品種が多様化してもその品種
に最適の給液ガイドに即応させることがはるかに容易に
なる。
【0051】使用により一旦不良品となった給液ガイド
の修理再生が可能となり、給液ガイドの大部分を占める
本体部材の使用可能期間を大幅に延長できる。
【0052】繊維品種に応じた最適仕様を決めるために
試験改良を加えていく場合、変更を加える成形金型が小
型化されるので、最適仕様を決めるための所要時間の短
縮化を図ることができる。
【0053】繊維接触面2や液体吐出孔8の部分を成形
後に機械加工で精密仕上げすることが可能になるので、
寸法精度や表面性状の均一性を著しく高めることや、成
形金型の精密度を低く設定することが可能となる。ま
た、成形品の検査が容易に行えるようになるので品質管
理が向上する。
【0054】しかも、別部材化した脱着部材の上端部が
吐出孔よりも上方に存在するので、脱着部材と本体部材
との嵌合状態が多少異なっていても、吐出孔からの液体
の流下は影響を受けず、安定した油水分付着量を得るこ
とができるし、そのばらつきを安定して小さく抑えるこ
とができる。
【0055】本発明に係る給液ガイドは、走行する繊維
の糸条(糸条束)に油剤や水などの液体を付与する場合
に広く用いることができるが、特に、製糸工程で用いら
れる給油ガイドとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維用液体付与ガイド(給液ガイド)
の一実施態様を示す縦断面図(A)及び縦断面図(B)
である。
【図2】図1の給液ガイドの正面図である。
【図3】図1、図2の給液ガイドにおける脱着部材の斜
視図である。
【図4】本発明の給液ガイドの別の一実施態様における
脱着部材の斜視図である。
【図5】繊維接触面脱着可能とした従来の給液ガイドの
縦断面図である。
【図6】従来の一体成形型給液ガイドの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1:上向き斜面、 2:繊維接触面、 2′:繊維接触
走行方向に伸びた溝形状(繊維走行溝)、 3:繊維接
触面の下端から液体吐出孔の上端までの部分を含む液体
流下部分の独立部材(脱着部材)、 4:本体部材、
5:液体導入部材、 6:ネジ、 7:防風板、 8:
液体吐出孔、 9:液体吐出孔から下方への液体流下に
沿った溝(液体誘導溝)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出孔(8)が穿設された上向き
    斜面(1)及び該上向き斜面の下方の繊維接触面(2)
    を有する形状の繊維用液体付与ガイド装置において、前
    記繊維接触面の下端から前記液体吐出孔の上端までの部
    分を含む液体流下部分を、他の部分を構成する本体部材
    に対して脱着可能な独立した部材(3)でもって構成す
    ることを特徴とする繊維用液体付与ガイド装置。
  2. 【請求項2】 前記繊維接触面に繊維接触走行方向に
    伸びた溝(2′)が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の繊維用液体付与ガイド装置。
  3. 【請求項3】 前記上向き斜面に前記液体吐出孔から
    下方への液体流下に沿った溝(9)が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の繊維用液体付与ガイド装
    置。
JP24226592A 1992-09-10 1992-09-10 繊維用液体付与ガイド装置 Pending JPH0693508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100414436B1 (ko) * 2001-06-14 2004-01-07 모두식 섬유방사의 오일 확산 방법
CN104278346A (zh) * 2013-07-03 2015-01-14 日本Tmt机械株式会社 纺丝牵引机及纺丝牵引方法

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