JPH0693253A - 化学吸着超薄膜とその製造方法及びその原料とその製造方法 - Google Patents

化学吸着超薄膜とその製造方法及びその原料とその製造方法

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JPH0693253A
JPH0693253A JP4242351A JP24235192A JPH0693253A JP H0693253 A JPH0693253 A JP H0693253A JP 4242351 A JP4242351 A JP 4242351A JP 24235192 A JP24235192 A JP 24235192A JP H0693253 A JPH0693253 A JP H0693253A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基体表面と共有結合によって形成できる導電性
ピロール誘導体単分子膜及びその製造方法と、この単分
子膜を形成するためのモノマーとその製造方法を提供す
る。 【構成】下記式(化1)で示される1−ピロリル基含有
ケイ素化合物系単分子超薄膜である。この原料モノマー
は、ω−(1−ピロリル)−1−アルケン化合物と、モ
ノシランの4個の水素原子の内の3個をハロゲン又はア
ルキコキシ基で置換したモノシラン誘導体化合物とを遷
移金属触媒の存在下で反応させて合成する。前記化合物
の非水系溶液を作製し、その中に基板1を浸漬して基板
と化学的に結合した単分子膜2を作製する。また、前記
超薄膜を電解重合または触媒重合することにより、ポリ
ピロール誘導体超薄膜を形成する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体表面に導電性超薄
膜を形成する材料として有用な新規物質である1−ピロ
リル基含有ケイ素系化学吸着超薄膜とその製造方法及び
その中間体と製造方法並びにポリピロール誘導体超薄膜
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から有機系の導電性超薄膜として、
ポリピロールは知られている。すなわち、いくつかのピ
ロール誘導体は電解重合により導電性を有するポリピロ
ールを形成する。これらはダイオードや電界効果トラン
ジスター等のエレクトロニクスデバイスに応用された
り、エレクトロクロミック素子、光メモリー素子などの
オプトエレクトロニクスデバイスに応用されている。近
年の各種デバイスの小型化にともない、導電性材料にも
一層の薄膜化が要求されている。ピロール誘導体として
は導電性超薄膜をより容易に確実に形成できる物質の開
発が望まれている。
【0003】ピロールの誘導体を使用して基体表面に導
電性超薄膜を形成する方法には、ピロールに長鎖有機基
を結合させて単量体を合成し、Langmuir-Blodgett法
(LB法)によって基体表面に単量体単分子膜を形成
し、基体表面で重合する方法が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ピロール誘導体の場合、LB法を用いても単分子膜は本
質的に基体に物理吸着しているだけで、単量体は重合前
あるいは重合時に基体表面から簡単に蒸発飛散等により
離脱してしまい、十分な導電性超薄膜が形成されないと
いう問題点を有していた。
【0005】本発明は上記のような問題点を解決するた
め、基体表面に導電性単分子膜を形成するにあたり、ピ
ロール誘導体であって、単分子膜を基体表面に容易にし
かも強固に吸着させることのできる新規な1−ピロリル
基含有ケイ素化合物およびその製造方法を提供し、前記
1−ピロリル基含有ケイ素化合物を用いた超薄膜とその
製造方法を提供し、さらに、前記超薄膜を用いたポリピ
ロール誘導体超薄膜とその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の化学吸着超薄膜は、前記式(化1)で示さ
れる1−ピロリル基とケイ素基を含むという構成を備え
たものである。
【0007】次に本発明のポリピロール誘導体超薄膜
は、前記式(化1)で示される1−ピロリル基含有ケイ
素系の超薄膜のピロリル基が開環重合してなるという構
成を備えたものである。
【0008】次に本発明の化学吸着超薄膜の製造方法
は、活性水素基を有する基材表面に化学吸着膜を製造す
る方法であって、前記基材表面の活性水素基と前記式
(化2)で示される化学吸着化合物を液相または気相で
接触させて脱塩化水素反応または脱アルコール反応を起
こさせ、基材表面に1−ピロリル基とケイ素基を含む化
学吸着膜を形成することを特徴とする。
【0009】前記構成においては、化学吸着超薄膜を形
成した後、前記超薄膜を電解質溶液に浸漬し、電解重合
する工程を含むことが好ましい。また前記構成において
は、化学吸着超薄膜を形成した後、前記超薄膜を触媒溶
液に浸漬し、触媒重合する工程を含むことが好ましい。
【0010】次に本発明の新規な化学吸着化合物は、前
記式(化1)で示される1−ピロリル基とケイ素基を含
む化学吸着超薄膜を製造するための原料であって、前記
式(化3)で示される1−ピロリル基とケイ素基を含む
という構成を備えたものである。
【0011】次に本発明の化学吸着超薄膜中間体の製造
方法は、前記式(化1)で示される1−ピロリル基とケ
イ素基を含む化学吸着超薄膜を製造するための原料の製
造方法であって、前記式(化4)で示されるω−(1−
ピロリル)−1−アルケンと、前記式(化5)で示され
る水素化ケイ素化合物とを、遷移金属触媒の存在下に付
加反応させることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の1−ピロリル基含有ケイ素化合物は、
Si−X基が基体表面のヒドロキシ基と反応したり、加
水分解してシロキサン結合等の共有結合を起こす。これ
により、基体表面に強固に化学吸着する。本発明の化合
物から得られる単分子膜は、基体表面で化学的に共有結
合によって強固に結合しているので、蒸発飛散等による
脱離がなく、強固に均一膜を形成している。また膜の厚
さはオングストロームないしはナノメーターレベルにす
ることができる。
【0013】上記の単分子膜が電解重合あるいは触媒重
合されて得られる導電性超薄膜は、マイクロエレクトロ
ニクスデバイスあるいはマイクロオプトエレクトロニク
スデバイスに応用できる。
【0014】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。本発明の新規化合物の一例は、ω−(1−ピ
ロリル)−アルキル−トリハロゲノシラン、Si−〔ω
−(1−ピロリル)−アルキル〕−アルコキシ−ジハロ
ゲノシラン、Si−〔ω−(1−ピロリル)−アルキ
ル〕−ジアルコキシ−ハロゲノシラン、Si−〔ω−
(1−ピロリル)−アルキル〕−トリアルコキシシラン
などである。
【0015】アルキル基は直鎖であり、炭素数は6〜3
0である。基体表面での単分子膜の形成に当たり、炭素
数が30を超えると分子鎖に絡み合いが生じ易くなる。
分子鎖が絡み合うと基体表面で所望の精度の膜形成がで
きなくなり、好ましくない。炭素数が6未満であると炭
素鎖間の相互作用が小さくなって単分子膜を形成しなく
なり好ましくない。アルコキシの炭素数は1〜4であ
る。
【0016】ハロゲンは塩素でもよく臭素でもよい。具
体的には例えば次のような化合物を挙げることができ
る。 (化6):ω−(1−ピロリル)−オクチル−トリクロ
ロシラン
【0017】
【化6】
【0018】(化7):ω−(1−ピロリル)−デシル
−トリクロロシラン
【0019】
【化7】
【0020】(化8):ω−(1−ピロリル)−テトラ
デシル−トリクロロシラン
【0021】
【化8】
【0022】(化9):Si−(ω−(1−ピロリル)
−デシル)−トリメトキシシラン
【0023】
【化9】
【0024】(化10):Si−(ω−(1−ピロリ
ル)−テトラデシル)−クロロ−ジメトキシ−モノクロ
ロ−シラン
【0025】
【化10】
【0026】(化11):ω−(1−ピロリル)−1−
デセン
【0027】
【化11】
【0028】(化12):ω−(1−ピロリル)−1−
ドデセン
【0029】
【化12】
【0030】(化13):ω−(1−ピロリル)−1−
ヘキサデセン
【0031】
【化13】
【0032】(化14):ω−(1−ピロリル)−1−
ドコセン
【0033】
【化14】
【0034】上記のような化合物は特定の水素化ケイ素
化合物とω−(1−ピロリル)−1−アルケン化合物と
を反応させることで得られる。水素化ケイ素化合物と反
応させるω−(1−ピロリル)−1−アルケン化合物
は、炭素数6〜30の直鎖状1−アルケンの末端に1−
ピロリル基を結合している化合物で、例えば、が挙げら
れる。これらの化合物はC.F.Hobbs 等の方法(J.Am.Che
m.Soc.,84,43(1962))によりピロールから容易に合成で
きる。
【0035】ω−(1−ピロリル)−1−アルケン化合
物と反応させる水素化ケイ素化合物は、モノシランの4
個の水素原子の内の3個をハロゲン又はアルキロキシ基
で置換したモノシラン誘導体化合物である。ハロゲン
は、塩素、臭素などである。アルコキシ基としてはメト
キシ基、エトキシ基等が例示される。
【0036】そのようなモノシラン誘導体化合物として
は、例えば、トリクロロシラン:(HSiCl3 )、ト
リブロモシラン:(HSiBr3 )、トリメトキシシラ
ン:(HSi(OCH3 3 )、トリエトキシシラン:
(HSi(OCH2 CH3 3 )、ジメトキシクロロシ
ラン:(HSiCl(OCH3 2 )が挙げられる。
【0037】水素化ケイ素化合物とω−(1−ピロリ
ル)−1−アルケン化合物との反応には遷移金属触媒が
用いられる。具体的には、ヘキサクロロ白金(IV)酸水
素:(H 2 PtCl6 )、ジクロロビス(トリフェニル
ホスフィン)白金(II):([PtCl2 (PP
3 2 ])、ジクロロビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(II):([PdCl2 (PP
3 2 ])、またはクロロトリス(トリフェニルホス
フィン)ロジウム(I) :([RhCl(PP
3 3 ])等が用いられる。これらの遷移金属触媒は
単独で用いられてもよく、任意の組み合わせで用いられ
てもよい。
【0038】反応系中に添加する触媒の量は、上記ω−
(1−ピロリル)−1−アルケン化合物に対し、10〜
500ppmが適当である。上記の反応には、反応釜に
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた反応
器を使用するとよい。反応温度は20〜150℃とし、
上記の水素化ケイ素化合物を反応釜中のω−(1−ピロ
リル)−1−アルケン化合物に滴下にしながら行うとよ
い。必要に応じ、反応溶媒としてトルエン、キシレン、
テトラヒドロフラン(THF)などの非プロトン系溶媒
を用いてもよい。
【0039】反応停止後、減圧下に蒸留することにより
高純度のω−(1−ピロリル)−アルキルシラン化合物
が得られる。得られた化合物についての確認は、質量ス
ペクトル、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル
などを用いて測定できる。
【0040】上記のようにして得られた1−ピロリル基
含有ケイ素化合物(化学吸着剤)からは、以下の方法で
基体表面に単分子膜を形成できる。まず表面に水酸基
(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基
(−NH2 )、イミノ基(>NH)などの活性水素を有
するか付与した基体を準備する。次に、上記の化学吸着
剤をヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素などの非水系
有機溶媒に溶解する。得られた溶液中に前記基体を浸漬
して引き上げる。基体表面にはその溶液をスプレーやロ
ーラー等で塗布してもよい。これにより、基体表面の前
記活性水素と化学吸着剤の官能基(ハロゲノシリル基ま
たはアルコキシシリル基)とが、脱ハロゲン化水素また
は脱アルコール反応して前記化学吸着剤が基体表面と共
有結合する。反応終了後、基体をクロロホルムなどの非
水系有機溶液で洗浄して未反応化学吸着剤を除去する。
水洗処理し、常温で放置するかあるいは加熱下で乾燥す
ると1−ピロリル基含有ケイ素化合物の単分子膜が定着
する。単分子膜の膜厚はω−(1−ピロリル)−アルキ
ルシラン化合物のアルキル基の炭素数で調整出来る。
【0041】さらに、得られた単分子膜を電解重合ある
いは触媒重合すると電導性超薄膜が形成できる。以下、
本発明の1−ピロリル基含有ケイ素化合物及びその製造
方法の具体的実施例を説明する。
【0042】実施例1 10−(1−ピロリル)−1−デセンを合成し、得られ
た10−(1−ピロリル)−1−デセンとトリクロロシ
ランとを反応させて10−(1−ピロリル)−デシルト
リクロロシランを合成した。
【0043】10−(1−ピロリル)−1−デセンは次
のようにして合成した。撹拌機、還流冷却器、温度計お
よび滴下ロートを備えた5300ミリリットルガラスフ
ラスコ反応器に8.2g(0.124モル)のピロール
およびテトラヒドロフラン40ミリリットルを仕込ん
だ。次いで、15%のブチルリチウムヘキサン溶液4
2.6g(0.100モル)を滴下ロートから5〜10
℃で滴下し、ピロールとブチルリチウムヘキサンとを反
応させた。得られた反応液にジメチルスルホキシド10
0ミリリットルを加え、テトラヒドロフランを加熱留出
させて溶媒置換し、滴下ロートから21.9g(0.1
00モル)の10−ブロモ−1−デセンを加え30〜3
5℃で反応させた。反応を停止させた後、その反応液に
水100ミリリットルとヘキサン200ミリリットルと
を添加し、有機層を分離してその有機層の中から溶媒ジ
メチルスルホキシドを除去し、脱溶媒したその有機層を
蒸留温度101〜104℃、蒸留圧力2mmHgで蒸留
し、留分を分離して10−(1−ピロリル)−1−デセ
ン13.0gを得た。
【0044】次いで、10−(1−ピロリル)−デシル
トリクロロシランを合成した。撹拌機、還流冷却器、温
度計および滴下ロートを備えた100ミリリットルガラ
スフラスコ反応器に、上記で合成した10−(1−ピロ
リル)−1−デセン10.2g(0.050モル)とヘ
キサクロロ白金(IV)酸水素6水塩;H2 PtCl6 ・6
2 Oの4%イソプロピルアルコール溶液0.05gと
を仕込んだ。滴下ロートからトリクロロシラン8.2g
(0.060モル)を反応温度60〜70℃で1時間か
けて滴下し、更に70℃で2時間熟成して10−(1−
ピロリル)−1−デセンにトリクロロシランを付加し
た。
【0045】得られた粗反応液を136〜138℃、
1.5mmHgで蒸留し、精製された10−(1−ピロ
リル)−デシルトリクロロシラン11.4gを得た。収
率は67.1%であった。
【0046】得られた化合物の質量スペクトル(M
S)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、および赤外吸
収スペクトル(IR)の測定結果を以下に示す。 質量スペクトル(MS):m/z(帰属) 339、341、343(分子イオンピーク) 133、135、137(SiCl3 ) 核磁気共鳴スペクトル(NMR):δ(ppm)(図1
参照) 赤外吸収スペクトル(IR):cm-1(図2参照) これらの結果より、得られた化合物が、10−(1−ピ
ロリル)−デシルトリクロロシランであることが確認さ
れた。
【0047】実施例2 以下に、1−ピロリル基含有ケイ素化合物を用いた超薄
膜及びその製造方法の実施例を図3を用いて説明する。
【0048】まず、前記製造方法によって得られた1−
ピロリル基含有ケイ素化合物、たとえば10−(1−ピ
ロリル)−デシルトリクロロシラン10mgを非水系の
溶媒、たとえば80重量%のn−ヘキサデカン(トルエ
ン、キシレン、ヘキサンでもよい)、12重量%の四塩
化炭素、8重量%のクロロホルムの混合溶媒100mL
に溶かした。超薄膜を形成する基板、たとえば図3に示
す石英基板1(金属板、石英板、セラミック基板、プラ
スチック成形基板でもよい)を有機溶媒洗浄、水洗など
施してクリーニングし、乾燥させたのち、前記溶液に浸
漬した。浸漬時間は、基板の種類、凹凸など基板表面の
状態によって若干異なるが、1時間の浸漬で十分であっ
た。前記基板表面は、水酸基が露出されており、前記1
0−(1−ピロリル)−デシルトリクロロシランのSi
Cl基と前記水酸基が反応して下記式(化15)に示す
ように脱塩酸反応が生じる。
【0049】
【化15】
【0050】つぎに、フレオン−113などの非水系溶
媒を用いて未反応の前記10−(1−ピロリル)−デシ
ルトリクロロシランを洗浄、除去し、その後に水と反応
させると、基板全面にわたり、下記(化16)に示すよ
うに残基のクロロシリル基がシラノール基に加水分解さ
れる。
【0051】
【化16】
【0052】次に乾燥すると、前記シラノール基どうし
が脱水架橋してシロキサン結合を生じる。このようにし
て得られた単分子膜を下記式(化17)に示す。
【0053】
【化17】
【0054】得られた10−(1−ピロリル)−デシル
シラノール系からなる単分子膜2が基板1表面と化学結
合した状態で、約2.5nmの膜厚で形成できた(図
3)。また、無水塩化第2鉄のエーテル溶液0.12m
ol/L濃度300mLに前記10−(1−ピロリル)
−デシルトリクロロシランからなる超薄膜2の形成した
石英基板を浸漬した。単分子膜の形成は、フーリエ変換
赤外吸収分光分析器によって確認した。 実施例3 以下に、1−ピロリル基含有ケイ素化合物を用いた超薄
膜を重合してなるポリピロール誘導体超薄膜及びそのポ
リピロール誘導体超薄膜の製造方法の実施例を図4を用
いて説明する。
【0055】1−ピロリル基含有ケイ素化合物を用いた
超薄膜の例として前記10−(1−ピロリル)−デシル
トリクロロシランからなる単分子膜2で説明する。ま
ず、前記超薄膜表面の一部分に白金3を蒸着し、作用電
極とした。支持電解質として無水過塩素酸リチウム(テ
トラエチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テト
ラブチルアンモニウムペルクロラートでもよい)の0.
05mol/L濃度のアセトニトリル溶液を調製した。
前記アセトニトリル溶液中に前記超薄膜基板1を浸漬
し、金電極を対電極とし、NaCl−カロメル電極を参
照電極として同様に浸漬した。不活性ガス雰囲気下(た
とえば、ヘリウムガス中)で、電流密度〜150μA/
cm2 、1秒当り100mVの走査速度の条件で重合を
行い、基板表面上にポリピロール誘導体超薄膜4を形成
した。ポリピロール形成は、フーリエ変換赤外吸収分光
分析器によって確認した。
【0056】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の1
−ピロリル基含有ケイ素化合物およびその製造方法によ
れば、ピロリル誘導体単分子膜を基体表面に強固に形成
することができる。得られた単分子膜を電解重合あるい
は触媒重合すれば容易に導電性超薄膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた化合物10−(1
−ピロリル)−デシルトリクロロシランの核磁気共鳴ス
ペクトルのチャート図。
【図2】本発明の実施例1で得られた化合物10−(1
−ピロリル)−デシルトリクロロシランの赤外線吸収ス
ペクトルのチャート図。
【図3】本発明の実施例2の単分子膜を模式的に示した
概略図。
【図4】本発明の実施例3のポリピロール誘導体超薄膜
を模式的に示した概略図。
【符号の説明】
1 基板 2 単分子膜 3 白金電極 4 ポリピロール誘導体超薄膜
フロントページの続き (72)発明者 久保田 透 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 石原 俊信 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 竹村 勝也 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(化1)で示される1−ピロリル
    基とケイ素基を含む化学吸着超薄膜。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記式(化1)で示される1−ピロリル
    基とケイ素基を含む化学吸着超薄膜のピロリル基が開環
    重合されている化学吸着超薄膜。
  3. 【請求項3】 活性水素基を有する基材表面に化学吸着
    膜を製造する方法であって、前記基材表面の活性水素基
    と下記式(化2)で示される化学吸着化合物を液相また
    は気相で接触させて脱塩化水素反応または脱アルコール
    反応を起こさせ、基材表面に1−ピロリル基とケイ素基
    を含む化学吸着膜を形成することを特徴とする化学吸着
    超薄膜の製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】 化学吸着超薄膜を形成した後、前記超薄
    膜を電解質溶液に浸漬し、電解重合する工程を含む請求
    項3に記載の化学吸着超薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 化学吸着超薄膜を形成した後、前記超薄
    膜を触媒溶液に浸漬し、触媒重合する工程を含む請求項
    3に記載の化学吸着超薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記式(化1)で示される1−ピロリル
    基とケイ素基を含む化学吸着超薄膜を製造するための原
    料であって、下記式(化3)で示される1−ピロリル基
    とケイ素基を含む化学吸着化合物。 【化3】
  7. 【請求項7】 前記式(化1)で示される1−ピロリル
    基とケイ素基を含む化学吸着超薄膜を製造するための原
    料の製造方法であって、下記式(化4)で示されるω−
    (1−ピロリル)−1−アルケンと、下記式(化5)で
    示される水素化ケイ素化合物とを、遷移金属触媒の存在
    下に付加反応させることを特徴とする化学吸着超薄膜中
    間体の製造方法。 【化4】 【化5】
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