JP2000021817A - 導電性有機分子薄膜の製造方法、導電性有機分子薄膜を有する構造体及びチオフェン誘導体 - Google Patents

導電性有機分子薄膜の製造方法、導電性有機分子薄膜を有する構造体及びチオフェン誘導体

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JP2000021817A
JP2000021817A JP10197967A JP19796798A JP2000021817A JP 2000021817 A JP2000021817 A JP 2000021817A JP 10197967 A JP10197967 A JP 10197967A JP 19796798 A JP19796798 A JP 19796798A JP 2000021817 A JP2000021817 A JP 2000021817A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体基板の酸化膜上に導電性分子を化学吸着
させることにより、良質で安定な導電性有機単分子膜を
製造する方法およびその方法に用いる導電性分子を提供
すること。 【解決手段】半導体基板の酸化膜上に水酸基を有する領
域と水酸基を有しない領域とを形成し、この基板に下記
一般式(1)で表されるチオフェン誘導体の溶液を接触
させ、例えばClの部分において前記水酸基の酸素を介
して基板に化学吸着させ自己組織化単分子膜を形成す
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば分子デバイ
ス、有機トランジスタの構築に有用なユニットであり、
例えば半導体基板の酸化膜上に導電性分子を化学吸着さ
せることにより、良質で安定な導電性有機分子薄膜を製
造する方法、及び導電性有機分子薄膜を有する構造体、
並びに導電性有機分子薄膜を製造するにあたって使用で
きる新規な導電性有機分子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスのパターンが微細化し、
回路の集積度も増々高くなっていく傾向にあることか
ら、数ナノメートル(nm)〜数十nmの導電性薄膜を
形成する技術の確立が望まれている。このような薄い導
電性薄膜は、規則性の高い分子膜によって実現できる。
これまで半導体上に導電性薄膜を形成する技術として
は、薄膜の構成物質またはその前駆体を基板の表面に塗
布して基板を回転させるスピンコート法、LB(Lan
gmuir Blogett)法、真空中で処理ガスを
熱、電界等で分解して気相反応を起こさせるCVD(C
hemical Vapor Deposit)法など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらスピンコ
ート法では、膜厚が数百nmまでが限界であり、また、
用いたポリマーの構造を制御することが難しい。LB法
では分子内に親水性基と疎水性基とが存在する必要があ
り、これらを両方有しない分子には適用できない。また
CVD法では、比較的高分子量の化合物や熱安定性の低
い化合物には適用できない。特に分子が導電性を発現す
るためには比較的長い共役系を必要とするため分子量が
数百以上になり、CVD法を適用することは難しい。
【0004】このようなことからスピンコート法及びC
VD法では、規則性の高い導電性単分子膜を形成するこ
とは実質不可能である。一方LB法では一様な規則性の
ある膜を作成することは可能であるが、パターニング等
の微細加工を分子レベルで行うことは不可能である。そ
こで近年において有機分子を用いた自己組織化(Sel
f Assembling)薄膜が提唱されている。こ
れは有機分子の一部を基板の一部の表面の官能基と結合
させたもので、極めて欠陥が少なく、高い秩序性をもっ
た薄膜である。SA薄膜の場合、分子と基板との相互佐
用により、結合を形成するため、分子レベルでの微細加
工が可能である。LB膜が物理吸着で基板に付着してい
るのに対し、SA膜は化学吸着又は化学結合により基板
に結合しているため、膜が作成後も安定である。しかし
ながらSA薄膜ついては研究が立ち遅れているのが実情
である。
【0005】本発明はこのような事情の下になされたも
のであり、その目的は、分子の自己組織化を利用して規
則性の高い、膜厚が数nm〜数十nmの導電性薄膜を簡
便に大量に作成することのできる技術を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子自体の導電性
を減らすことなく溶解度を向上させる置換基を用いるこ
とにより、規則性の高い導電性薄膜が得られることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の導電性有機分子薄膜の製造方法
は、少なくとも表面部が絶縁性であって、表面に水酸基
を有する基板に、下記一般式(8)で表される有機シリ
コン化合物の溶液または蒸気を接触させて、当該有機シ
リコン化合物を前記水酸基と反応させて導電性である有
機シリコン化合物の分子薄膜を基板表面に形成すること
を特徴とする。
【0008】
【化8】 式中Xは共役系の分子、R1、R2及びR3のうちの一
つは水酸基の水素と反応して共有結合を形成する基、R
1、R2及びR3のうちの残り二つは水酸基の水素と反
応しない基、R4及びR5は水酸基の水素と反応しない
基を夫々示す。
【0009】水酸基の水素と反応して共有結合を形成す
る基とは、例えばハロゲン基またはアルコキシ基であ
り、具体的には、Cl、Br、F、OCH3 、OC2
5 などが挙げられる。水酸基の水素と反応しない基と
は、例えばアルキル基、アリ−ル基またはヒドロ基であ
り、具体的にはCH3 、C2 5 、C6 5 、Hなどが
挙げられる。
【0010】前記有機シリコン化合物は、R1、R2、
R3のうちの一つを介して基板に化学吸着される。この
有機シリコン化合物は炭素の二重結合と同様な電子構造
をもつケイ素−ケイ素結合を有するので導電性であり、
また分子の自己組織化により薄膜が形成されるので分子
が規則的に配列され、従って電子が分子間で自由に動き
回れるので導電性の大きな薄膜が得られる。
【0011】Xは一例として下記一般式(9)で表され
る。
【0012】
【化9】 ただし式中Yは炭素同士が二重結合または三重結合され
た炭素結合物、Zは二重結合を有する環状炭化水素化合
物、R6はアルキル基、アリ−ル基またはヒドロ基、a
は0または1以上の正の整数、bは1以上の正の整数で
ある。
【0013】上述のZは例えば下記一般式(10)で表
される化合物であり、R6は例えばフェニル基またはn
オクチル基である。
【0014】
【化10】 環状炭化水素化合物としては上記のチオフェン誘導体に
限らず、ベンゼン環やピロ−ル、フランなどであっても
よい。
【0015】基板としては、シリコン半導体基板、ゲル
マニウム半導体基板または化合物半導体基板であって、
その表面部が酸化されて酸化膜が形成されているもので
ある。前記薄膜を所望のパタ−ンで形成するためには、
基板上に水酸基を有する領域と水酸基を有しない領域と
を形成し、有機シリコン化合物の溶液または蒸気を基板
に接触させた後、この基板を洗浄することにより、水酸
基を有する領域のみに有機シリコン化合物の分子薄膜を
形成して当該分子薄膜のパタ−ンを形成することができ
る。水酸基を有する領域とは、例えば酸化膜の一部が水
酸化物に変わった領域である。なお基板はガラス基板で
あってもよい。
【0016】本発明は導電性有機分子薄膜を有する構造
体としても成立する。この構造体は、少なくとも表面部
が絶縁性である基板の表面に、上記一般式(8)で表さ
れる有機シリコン化合物がR1、R2またはR3の位置
にて酸素を介して結合することにより、導電性である有
機シリコン化合物の分子薄膜を基板表面に形成してなる
ことを特徴とする。また本発明は、下記一般式(11)
で表されるチオフェン誘導体である。この物質は前記有
機シリコン化合物として用いることができる。
【0017】
【化11】 ただし式中Yは炭素同士が三重結合された炭素結合物、
R1はハロゲン基、R2〜R6はアルキル基、アリ−ル
基またはヒドロ基、a、bは1以上の正の整数である。
また本発明は一般式(11)のチオフェン誘導体の前駆
物質である、R1がハロゲン基の代わりにヒドロ基であ
るチオフェン誘導体も含まれる。一般式(12)はこの
チオフェン誘導体を示す。一般式(11)のチオフェン
誘導体は、保存時に水酸基が存在するとハロゲン基が外
れて酸素を介してチオフェン誘導体同士が繋がってしま
うので、上記の前駆物質として保存することが好まし
い。
【化12】
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る導電性
有機分子薄膜を有する構造体は、少なくとも表面部が絶
縁性であって、表面に水酸基を有する基板と、例えば図
1に示す分子式で表わされる、有機シリコン化合物であ
るオリゴチオフェン誘導体とを用いて製造される。前記
基板は半導体基板例えばシリコン基板の表面部にシリコ
ン酸化膜が形成されたものが用いられる。この酸化膜は
自然酸化膜、水蒸気酸化膜あるいはドライ雰囲気の熱酸
化膜などであり、これら酸化膜の表面には図2(a)に
示すように通常水酸基が形成されている。
【0019】図2(a)中10は、例えば単結晶シリコ
ン層11の表面にシリコン酸化膜12が形成された基板
である。また2は前記チオフェン誘導体であり、このチ
オフェン誘導体2のシリコンに結合している塩素がシリ
コン酸化膜12の表面の水酸基の水素と反応して塩化水
素になって抜けると共に、図2(b)に示すようにチオ
フェン誘導体の前記シリコンが、水酸基から水素が抜け
て残った酸素と結合する。なお図2中斜線が引かれた斜
線の部分は、図1に示すチオフェン誘導体の右から2番
目のシリコンから左側の構造に相当するものである。
【0020】こうしてシリコン酸化膜12の表面に、有
機分子の自己組織化を利用した単分子薄膜が形成され
る。そしてこの単分子薄膜は、図1に示すオリゴチオフ
ェン誘導体の構造から分かるようにSi(ケイ素)−S
i(ケイ素)結合が分子内に存在し、この結合はC(炭
素)−C(炭素)二重結合と同様な電子構造を有してい
る。またこの単分子薄膜は自己組織化薄膜であるため高
い規則性を有しており、従って分子間を電子が自由に動
き回ることができ、膜全体の導電性が大きく、ナノメー
トルスケールの導電性薄膜を作成することができる。
【0021】次に単分子薄膜を基板上に形成する方法に
ついて述べる。基板10としてはシリコンやゲルマニウ
ムなどの半導体基板上に酸化膜を形成したもの、GaA
s(カリウム ヒ素)等の化合物半導体上に酸化膜を形
成したもの、あるいはガラス基板などを用いることがで
きる。ガラス基板の場合には、通常は空気中の水分が吸
着されていて、表面のSiにOH基が形成されている。
【0022】そして先ず図3(a)に示すように基板1
0の表面に水酸基を有する領域3と水酸基を有しない領
域4とを形成する。水酸基を有しない領域4とは、水酸
基が全く存在しない場合に限らず、単分子が散在して付
着し単分子群を電流が流れない程度つまり導電路を形成
しない程度に水酸基が存在する場合も含まれる。水酸基
を有する領域3のパターンを形成する手法としては、例
えば原子間力顕微鏡で基板10の表面を見ながら導電性
のカンチレバーを用いて、基板とカンチレバーとのに間
に数V程度(7〜10V)の電圧を印加する方法が挙げ
られる。この方法は電界支援酸化法と呼ばれ、電界が印
加された領域に二重酸化膜が形成される。この二重酸化
膜の表面は水酸基が少ないので、結果として電界の印加
されない領域が水酸基を有する領域、電界の印加された
領域が水酸基を有しない領域となる。続いて図3(b)
に示すように基板の酸化膜の表面に導電性分子20を化
学吸着させるが、その前に基板の表面を例えば硫酸:過
酸化水素=2:1溶液で煮沸後水洗し、次いでアセトン
で洗浄しまたはトリクロロエチレンで洗浄した後、アル
ゴン等の不活性ガス雰囲気下で乾燥させるのが好まし
い。
【0023】その後、有機シリコン化合物である、図1
にその構造を示すチオフェン誘導体の溶液例えば脱水ト
ルエンで1mMに希釈した2−(フェニルエチニル)−
5−(1,1,2,2−テトラメチル−2−クロロジシ
ラニル)チオフェン溶液に基板を例えば数十分〜数日
間、好ましくは1日〜3日間浸漬する。しかる後基板を
例えば乾燥トルエンで洗浄し、単分子薄膜のパターンを
形成した基板10が得られる。
【0024】上記チオフェン誘導体は、保存するときは
ケイ素に結合している塩素を水素に変えておくこと、即
ち図4にその構造を示す2−(フェニルエチニル)−5
−(1,1,2,2−テトラメチル−2−ヒドロジシラ
ニル)チオフェンとしておくことが好ましい。その理由
は塩素基が形成されている状態では、水酸基の存在によ
りチオフェン誘導体に結合している塩素と水酸基の水素
とが反応して塩酸を生成し、その結果水酸基の酸素とチ
オフェン誘導体のケイ素とが結合してSi−O−Siを
形成し、チオフェン誘導体同士が酸素を介して結合され
てしまうからである。基板に単分子膜を形成する場合に
は、後述の実施例にも記載しているように、例えば四塩
化炭素溶液に触媒量のラジカル開始剤を加え、図4に示
すチオフェン誘導体から図1に示すチオフェン誘導体を
得るようにする。この際ラジカル開始剤はできるだけ微
量に抑えることが好ましい。なお本発明ではチオフェン
誘導体の溶液の代りに蒸気に基板を接触させるようにし
てもよい。
【0025】チオフェン誘導体としては、一例として図
1に示す構造のものを挙げているが、ケイ素に結合して
いる塩素の代りに、他のハロゲン例えば臭素(Br)や
フッ素(F)などであってもよいし、アルコキシ基例え
ば−OCH3 や−OC2 H5などであってもよい。要は
基板の酸化膜の表面に付着している水酸基の水素と反応
するものであればよく、例えばアルコキシ基であれば、
水素と反応してメタノールとなる。またケイ素に結合し
ているメチル基の代りに、基板の水酸基の水素と反応し
ないものであれば他のアルキル基やアリール基、あるい
はヒドロ基などであってもよい。
【0026】図5に示す構造式は、特許請求の範囲に示
す化学式1と同じもので、本発明で用いる有機シリコン
化合物の一般式である。この図5に示す構造式と図1に
示すチオフェン誘導体の構造式とを対応させると、右端
のケイ素に結合しているR1がクロロ基(−Cl)、R
2及びR3がメチル基であるが、R1、R2、R3の一
つが水酸基の水素と結合する基であり、かつ残りの2つ
が水酸基の水素と結合しない基であればよい。例えばR
1、R2、R3の中の2つが前記水素と結合する基例え
ばクロロ基であると、次のような不都合がある。チオフ
ェン誘導体2のクロロシラン部分(Si−Cl)が系中
のH2 Oにより加水分解され、Si−OHに変換され
る。そしてこのSi−OHが他のクロロシラン部分と反
応してSi−O−Siとなる。従って図6に示すように
酸化膜12に酸素を介して結合しているチオフェン誘導
体に対して、更に別のチオフェン誘導体2が結合してし
まう。この結果連鎖的に複数のチオフェン誘導体2が結
合されるので線幅が大きくなってしまい、しかもその大
きさをコントロールすることができなくなってしまう。
【0027】
【実施例】本発明を以下の実施例によって、更に具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでは
ない。なお実施例1〜4はチオフェン誘導体の製法につ
いて記載してあり、実施例5〜11は、導電性有機単分
子薄膜の製法について記載してある。
【0028】(実施例1) 2−(フェニルエチニル)−5−(1,1,2,2−テ
トラメチル−2−クロロジシラニル)チオフェンの合成 [2−(フェニルエチニル)チオフェン]図7に示すよ
うにフェニルアセチレン(2.12g, 20.7mm
ol)のテトラヒドロフラン(25.0cm3 )溶液を
0℃に冷却し、1.6M n−ブチルリチウム(12.
5cm3 )を滴下した。そのまま約2時間攪拌後、塩化
亜鉛(2.80g, 20.5mmol)のテトラヒド
ロフラン(15.0cm3)溶液を加え、更に1時間0
℃にて攪拌した。この溶液を2−ブロモチオフェン
(3.28g, 20.1mmol)と5mol%Pd
(PPh3 4 (940mg)のテトラヒドロフラン溶
液に0℃にて滴下し、一晩、攪拌した。2規定塩酸水溶
液に反応溶液を注ぎ、有機層を分離した後、水層をエー
テルで、抽出し、有機層をまとめて、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。高速液体クロマトグラフィー(溶
媒;クロロホルム)または、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;ヘキサン)にて精製した。 収率 46.5%. Mass (EI)m/e 184(M+ ). [2−(フェニルエチニル)−5−(1,1,2,2−
テトラメチル−2−ジシラニル)チオフェン]図8に示
すように2−(フェニルエチニル)チオフェン(1.7
0g, 9.25mmol)のテトラヒドロフラン(2
0.0cm3 )溶液を−78℃に冷却し、1.6M n
−ブチルリチウム(6.0cm3 )を滴下した。そのま
ま約1時間攪拌後、1,1,2,2−テトラメチル−
1,2−ジクロロジシラン(2.50g, 13.3m
mol)のテトラヒドロフラン(20cm3 )溶液を加
え、約1時間攪拌した。この溶液をリチウムアルミニウ
ムヒドリド(0.506g)のテトラヒドロフラン(4
0.0cm3 )溶液懸濁液にゆっくり滴下し、一晩攪拌
を続けた。反応混合物を水に注ぎ、ヘキサンにて抽出
し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒
を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;ヘキサン)にて精製した。 収率 28.4%. スペクトルデータ; H NMR(CDCl3 )δ0.24(6H,d,J
=4.4Hz),0.48(6H,s),3.84(1
H,sept,J=4.4Hz),7.14−7.57
(7H,m).13 C NMR(CDCl3 )δ−6.8(q),−2.
5(q),82.6(s),94.3(s),123.
0(s),128.3(dx2),131.3(d),
133.0(d),134.0(d),134.9
(s),142.2(s).Mass(EI)m/e3
00(M+ ). [2−(フェニルエチニル)−5−(1,1,2,2−
テトラメチル−2−クロロジシラニル)チオフェン]図
9に示すように2−(フェニルエチニル)−5−(1,
1,2,2−テトラメチル−2−ジシラニル)チオフェ
ンの四塩化炭素溶液に触媒量のラジカル開始剤を加え、
70−80℃で、一晩加熱したところ、2−(フェニル
エチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−2
−クロロジシラニル)チオフェンが、定量的に得られ、
減圧蒸留により精製した。 スペクトルデータ; Mass(EI)m/e334(M+ ).
【0029】(実施例2) 2−(n−オクチニル)−5−(1,1,2,2−テト
ラメチル−2−ヒドロジシラニル)チオフェンの合成 フェニルアセチレンの代わりに、n−オクチンを用い
て、実施例1と同様に図10に示す2−(n−オクチニ
ル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−2−ヒド
ロジシラニル)チオフェンの合成を合成した。 収率 65.5%. スペクトルデータ;1 H NMR(CDCl3 )δ0.17(6H,d,J
=4.5Hz),0.42(6H,s),0.92(3
H,t,J=6.8Hz),1.29−1.63(8
H,m),2.44(2H,t,J=7.0Hz),
3.77(1H,sept,J=4.5Hz),7.0
3(1H,d,J=3.4Hz),7.17(1H,
d,J=3.4Hz).13C NMR(CDCl3 )δ
−6.8(q),−2.5(q),11.1(t),1
9.8(t),20.6(t),28.57(t),2
8.61(q),31.4(t),73.6(s),9
5.8(s),126.7(s),132.0(d),
133.8(d),140.3(s).Mass(E
I)m/e308(M+ ). 2−(n−オクチニル)−5−(1,1,2,2−テト
ラメチル−2−クロロジシラニル)チオフェンの合成 2−(n−オクチニル)−5−(1,1,2,2−テト
ラメチル−2−ヒドロジシラニル)チオフェンを四塩化
炭素中、触媒量のラジカル開始剤の存在下で加熱するこ
とにより実施例1と同様に合成した。Mass(EI)
m/e342(M+ ).
【0030】(実施例3) 2−(フェニルエチニル)−5’−(1,1,2,2−
テトラメチル−2−ヒドロジシラニル)−5,2’−ビ
チオフェンの合成 2ーブロモチオフェンの代わりに、5−ヨード−2,
2’−ビチオフェンを用いて、実施例1と同様に図11
に示すように2−(フェニルエチニル)−5’−(1,
1,2,2−テトラメチル−2−ヒドロジシラニル)−
5,2’−ビチオフェンを合成した。 収率 45.5%. スペクトルデータ;1 H NMR(CDCl3 )δ0.20(6H,d,J
=4.5Hz),0.44(6H,s),3.80(1
H,sept,J=4.5Hz),7.08−7.54
(9H,m).13C NMR(CDCl3 )δ−6.8
(q),−2.4(q),82.7(s),94.1
(s),121.8(s),122.8(s),12
3.6(d),125.6(d),128.37
(d),128.42(d),131.3(d),13
2.8(d),135.1(d),138.9(s),
139.2(s),141.9(s). Mass(EI)m/e382(M+ ). 2−(フェニルエチニル)−5’−(1,1,2,2−
テトラメチル−2’−クロロジシラニル)−5,2’−
ビチオフェンの合成 2−(フェニルエチニル)−5’−(1,1,2,2−
テトラメチル2−ヒドロジシラニル)−5、2’−ビチ
オフェンを四塩化炭素中、触媒量のラジカル開始剤存在
下加熱することにより、実施例1と同様に合成した。 Mass(EI)m/e416(M+ ).
【0031】(実施例4) 2−(フェニルエチニル)−5”’−(1,1,2,2
−テトラメチル−2−ヒドロジシラニル)−5,2,
2”’−テトラチオフェンの合成 2ーブロモチオフェンの代わりに、5−ヨード−2,
2”−ビチオフェンを用いて、実施例1と同様に図12
に示すように2−(フェニルエチニル)−5”’−
(1,1,2,2−テトラメチル−2−ヒドロジシラニ
ル)−5,2,2”’−テトラチオフェンを合成した。 収率 25.0%. スペクトルデータ;1 H NMR(CDCl3 )δ0.16(6H,d,J
=4.5Hz),0.40(6H,s),3.76(1
H,sept,J=4.5Hz),7.04−7.52
(9H,m).Mass(EI)m/e546
(M+ ). 2−(フェニルエチニル)−5”’−(1,1,2,2
−テトラメチル−2−クロロジシラニル)−5,2”’
−テトラチオフェンの合成 2−(フェニルエチニル)−5”’−(1,1,2,2
−テトラメチル−2−ヒドロジシラニル)−5,2,
2”’−テトラチオフェンを四塩化炭素中、触媒量のラ
ジカル開始剤存在下、加熱することにより、実施例1と
同様に合成した。 Mass(EI)m/e580(M+ ).
【0032】(実施例5)窒素雰囲気下、2−(フェニ
ルエチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−
2−クロロジシラニル)チオフェン(0.2mmo
l)、乾燥したトルエン(10mL)に自然酸化膜で覆
われたSi(111)試料S(Sは、予め、トリクロロ
エチレン煮沸、アセトン中、超音波洗浄しておいた。)
を浸し、10時間以上放置した。基板を引き上げ、乾燥
したトルエンで洗浄後、トルエン中に浸し、超音波洗浄
器にて、10分間洗浄した。窒素気流下、試料Sを乾燥
させた。得られた試料SをX線光電子分光法で調べたと
ころ、S(2s)(229.0eV)およびC(1s)
(285.0eV)のピークが検出された。これによっ
て、Si酸化膜表面上に2−(フェニルエチニル)−5
−(1,1,2,2−テトラメチル−2−ジシラニル)
チオフェン分子からなる単分子膜が形成されていること
が明らかとなった。
【0033】(実施例6)窒素雰囲気下、2−(フェニ
ルエチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−
2−クロロジシラニル)チオフェン(0.2mmo
l)、乾燥したトルエン(10mL)に自然酸化膜で覆
われたSi(100)試料Sを浸し、10時間以上放置
した。基板を引き上げ、乾燥したトルエンで洗浄後、ト
ルエン中に浸し、超音波洗浄器にて、10分間洗浄し
た。窒素気流下、試料Sを乾燥させた。得られた試料S
をX線光電子分光法で調べたところ、S(2s)(22
9.0eV)およびC(1s)(285.0eV)のピ
ークが検出された。これによって、Si酸化膜表面上に
2−(フェニルエチニル)−5−(1,1,2,2−テ
トラメチル−2−ジシラニル)チオフェン分子からなる
単分子膜が形成されていることが明らかとなった。
【0034】(実施例7)窒素雰囲気下、2−(n−オ
クチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−2
−クロロジシラニル)チオフェン(0.2mmol)、
乾燥したトルエン(10mL)に自然酸化膜で覆われた
Si(111)試料Sを浸し、10時間以上放置した。
基板を引き上げ、乾燥したトルエンで洗浄後、トルエン
中に浸し、超音波洗浄器にて、10分間洗浄した。窒素
気流下、試料Sを乾燥させた。得られた試料SをX線光
電子分光法で調べたところ、S(2p)(229.0e
V)およびC(1s)(285.0eV)のピークが検
出された。これによって、Si酸化膜表面上に2−(n
−オクチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル
−2−ジシラニル)チオフェン分子からなる単分子膜が
形成されていることが明らかとなった。
【0035】(実施例8)窒素雰囲気下、2−(n−オ
クチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル−2
−クロロジシラニル)チオフェン(0.2mmol)、
乾燥したトルエン(10mL)に自然酸化膜で覆われた
Si(001)試料Sを浸し、10時間以上放置した。
基板を引き上げ、乾燥したトルエンで洗浄後、トルエン
中に浸し、超音波洗浄器にて、10分間洗浄した。窒素
気流下、試料Sを乾燥させた。得られた試料SをX線光
電子分光法で調べたところ、S(2p)(228.7e
V)およびC(1s)(285.0eV)のピークが検
出された。これによって、Si酸化膜表面上に2−(n
−オクチニル)−5−(1,1,2,2−テトラメチル
−2−ジシラニル)チオフェン分子からなる単分子膜が
形成されていることが明らかとなった。
【0036】(実施例9)窒素雰囲気下、2−(フェニ
ルエチニル)−5’−(1,1,2,2−テトラメチル
−2−クロロジシラニル)−5,2’−ビチオフェン
(0.2mmol)、乾燥したトルエン(10mL)に
自然酸化膜で覆われたSi(001)試料Sを浸し、1
0時間以上放置した。基板を引き上げ、乾燥したトルエ
ンで洗浄後、トルエン中に浸し、超音波洗浄器にて、1
0分間洗浄した。窒素気流下、試料Sを乾燥させた。得
られた試料SをX線光電子分光法で調べたところ、S
(2s)(228.6eV)およびC(1s)(28
4.6eV)のピークが検出された。これによって、S
i酸化膜表面上に2−(フェニルエチニル)−5’−
(1,1,2,2−テトラメチル−2−ジシラニル)−
5,2’−ビチオフェン分子からなる単分子膜が形成さ
れていることが明らかとなった。また、表面を高感度反
射赤外分光法で、分光したところ、チオフェン環のC−
H伸縮振動に由来する吸収が、3015cm−1 に観測
された。
【0037】(実施例10)予め水酸基を有する部分と
有しない部分とで、パターニングしておいたシリコン基
板を窒素雰囲気下、2−(フェニルエチニル)−5−
(1,1,2,2−テトラメチル−2−クロロジシラニ
ル)チオフェン(0.2mmol)、乾燥したトルエン
(10mL)に浸し、20時間以上放置した。基板を引
き上げ、乾燥したトルエンで洗浄後、トルエン中に浸
し、超音波洗浄器にて、10分間洗浄した。窒素気流
下、試料Sを乾燥させた。得られた試料Sを原子間力顕
微鏡により観察したところ、元の基板が水酸基を有する
部分にのみ自己組織化膜が形成されており、水酸基を有
しない部分には、自己組織化膜が形成されていないこと
が分かった。
【0038】(実施例11)窒素雰囲気下、2−(フェ
ニルエチニル)−5”’−(1,1,2,2−テトラメ
チル−2−クロロジシラニル)−5,2”’−テトラチ
オフェン(0.2mmol)、乾燥したトルエン(10
mL)に自然酸化膜で覆われたSi(001)試料Sを
浸し、10時間以上放置した。基板を引き上げ、乾燥し
たトルエンで洗浄後、トルエン中に浸し、超音波洗浄器
にて、10分間洗浄した。窒素気流下、試料Sを乾燥さ
せた。得られた試料SをX線光電子分光法で調べたとこ
ろ、S(2s)(228.7eV)およびC(1s)
(284.9eV)のピークが検出された。これによっ
て、Si酸化膜表面上に2−(フェニルエチニル)−
5”’−(1,1,2,2−テトラメチル−2−ジシラ
ニル)−5,2”’−テトラチオフェン分子からなる単
分子膜が形成されていることが明らかとなった。
【0039】
【発明の効果】上記の本発明を用いることにより、分子
デバイスや有機トランジスタの構築に有用な高い規則性
を有する数ナノメートルスケールの構造を分子から組み
立てて作成することができる。この方法により、簡便
に、大量に良質の導電性薄膜を作成することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるチオフェン誘導体の一例の構造
を示す説明図。
【図2】チオフェン誘導体が基板に吸着される様子を示
す概念図。
【図3】基板に水酸基を有する領域と水酸基を有しない
領域とを形成し、水酸基を有する領域にチオフェン誘導
体の薄膜を形成する様子を示す概念図。
【図4】本発明で用いるチオフェン誘導体の具体例の構
造を示す説明図。
【図5】本発明で用いられる有機シリコン化合物の一般
式を示す説明図。
【図6】チオフェン誘導体が単分子薄膜とならずに連鎖
する様子を示す概念図。
【図7】チオフェン誘導体の一例の製造方法を説明する
ための説明図。
【図8】チオフェン誘導体の一例の製造方法を説明する
ための説明図。
【図9】チオフェン誘導体の一部のヒドロ基をクロロ基
に変える様子を示す説明図。
【図10】本発明で用いるチオフェン誘導体の一例の構
造を示す説明図。
【図11】本発明で用いるチオフェン誘導体の一例の構
造を示す説明図。
【図12】本発明で用いるチオフェン誘導体の一例の構
造を示す説明図。
【符号の説明】
10 基板 11 単結晶シリコン層 12 酸化膜 2 チオフェン誘導体 20 導電性分子 3 水酸基を有する領域 4 水酸基を有しない領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594182580 技術研究組合オングストロームテクノロジ 研究機構 東京都千代田区東神田2丁目5番12号 龍 角散ビル8階 (74)上記3名の代理人 100091513 弁理士 井上 俊夫 (71)出願人 000001144 工業技術院長 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 (74)上記1名の復代理人 100091513 弁理士 井上 俊夫 (外1名) (72)発明者 崔 奈美 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 井上 敦央 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 石田 敬雄 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 水谷 亘 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 徳本 洋志 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院 産業技術融合領域研究所内 Fターム(参考) 4H049 VN01 VP11 VQ61 VQ76 VS09 VS21 VS61 VS76 VU24 VU30 VW02 VW33 4M104 BB36 DD51

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面部が絶縁性であって、表
    面に水酸基を有する基板に、下記一般式(1)で表され
    る有機シリコン化合物の溶液または蒸気を接触させて、
    当該有機シリコン化合物を前記水酸基と反応させて導電
    性である有機シリコン化合物の分子薄膜を基板表面に形
    成することを特徴とする導電性有機分子薄膜の製造方
    法。 【化1】 (式中Xは共役系の分子、R1、R2及びR3のうちの
    一つは水酸基の水素と反応して共有結合を形成する基、
    R1、R2及びR3のうちの残り二つは水酸基の水素と
    反応しない基、R4及びR5は水酸基の水素と反応しな
    い基を夫々示す)
  2. 【請求項2】 水酸基の水素と反応して共有結合を形成
    する基はハロゲン基またはアルコキシ基であることを特
    徴とする請求項1記載の導電性有機分子薄膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 水酸基の水素と反応しない基はアルキル
    基、アリ−ル基またはヒドロ基であことを特徴とする請
    求項1または2記載の導電性有機分子薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 Xは下記一般式(2)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項1、2または3記載の導
    電性有機分子薄膜の製造方法。 【化2】 (式中Yは炭素同士が二重結合または三重結合された炭
    素結合物、Zは二重結合を有する環状炭化水素化合物、
    R6はアルキル基、アリ−ル基またはヒドロ基、aは0
    または1以上の正の整数、bは1以上の正の整数であ
    る。)
  5. 【請求項5】 Zは下記一般式(3)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項4記載の導電性有機分子
    薄膜の製造方法。 【化3】
  6. 【請求項6】 R6はフェニル基またはnオクチル基で
    ある請求項4または5記載の導電性有機分子薄膜の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 基板は、シリコン半導体基板、ゲルマニ
    ウム半導体基板または化合物半導体基板であって、その
    表面部が酸化されて酸化膜が形成されているものである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの導電性
    有機分子薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板は水酸基を有する領域と水酸基を有
    しない領域とを備えており、有機シリコン化合物の溶液
    または蒸気を基板に接触させた後、この基板を洗浄する
    ことにより、水酸基を有する領域のみに有機シリコン化
    合物の分子薄膜を形成して当該分子薄膜のパタ−ンを形
    成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに
    記載の導電性有機分子薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 水酸基を有する領域とは、酸化膜の一部
    が水酸化物に変わった領域であることを特徴とする請求
    項8記載の導電性有機分子薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板はガラス基板であることを特徴と
    する請求項1ないし9記載の導電性有機分子薄膜の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも表面部が絶縁性である基板
    の表面に、下記一般式(4)で表される有機シリコン化
    合物がR1、R2またはR3の位置にて酸素を介して結
    合することにより、導電性である有機シリコン化合物の
    分子薄膜を基板表面に形成してなることを特徴とする導
    電性有機分子薄膜を有する構造体。 【化4】 (式中Xは共役系の分子、R1、R2及びR3のうちの
    一つは水酸基の水素と反応して共有結合を形成する基、
    R1、R2及びR3のうちの残り二つは水酸基の水素と
    反応しない基、R4及びR5は水酸基の水素と反応しな
    い基を夫々示す)
  12. 【請求項12】 Xは下記一般式(5)で表される化合
    物であることを特徴とする請求項11記載の導電性有機
    分子薄膜を有する構造体。 【化5】 (式中Yは炭素同士が二重結合または三重結合された炭
    素結合物、Zは二重結合を有する環状炭化水素化合物、
    R6はアルキル基、アリ−ル基またはヒドロ基、aは0
    または1以上の正の整数、bは1以上の正の整数であ
    る。)
  13. 【請求項13】 Zは下記一般式(6)で表される化合
    物であることを特徴とする請求項12記載の導電性分子
    薄膜を有する構造体。 【化6】
  14. 【請求項14】 下記一般式(7)で表されることを特
    徴とするチオフェン誘導体。 (式中Yは炭素同士が三重結合された炭素結合物、R1
    はハロゲン基、R2〜R6はアルキル基、アリ−ル基ま
    たはヒドロ基、a、bは1以上の正の整数である。) 【化7】
  15. 【請求項15】 R1がハロゲン基の代わりにヒドロ基
    である請求項14記載のチオフェン誘導体。
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