JPH0693035A - 新規ビニル化合物およびそのポリマー - Google Patents
新規ビニル化合物およびそのポリマーInfo
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- JPH0693035A JPH0693035A JP10934392A JP10934392A JPH0693035A JP H0693035 A JPH0693035 A JP H0693035A JP 10934392 A JP10934392 A JP 10934392A JP 10934392 A JP10934392 A JP 10934392A JP H0693035 A JPH0693035 A JP H0693035A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニル
ジメチルスルホニウムメチル硫酸塩、および下記化学式
で表わされる組成比のポリマー。このポリマーは、4−
(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニルジメチルスル
ホニウム メチル硫酸塩とスチレン類を重合させ、さら
にアミノ酸、ペプチド、タンパク質を反応させて合成す
る。 【効果】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニル
ジメチルスルホニウムメチル硫酸塩は枝構造に活性エス
テル基を有しているので、機能性ポリマーの原料モノマ
ー等に有用である。また、このポリマーは、アミノ酸、
ペプチド、タンパク質の基を結合して抗体反応等、生化
学分野に応用することができる。本発明の方法による
と、親水性反応性基含有粒子ポリマーと、アミノ酸、ペ
プチド、タンパク質は容易に反応し、新規ポリマーとす
ることができる。 【化1】
ジメチルスルホニウムメチル硫酸塩、および下記化学式
で表わされる組成比のポリマー。このポリマーは、4−
(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニルジメチルスル
ホニウム メチル硫酸塩とスチレン類を重合させ、さら
にアミノ酸、ペプチド、タンパク質を反応させて合成す
る。 【効果】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニル
ジメチルスルホニウムメチル硫酸塩は枝構造に活性エス
テル基を有しているので、機能性ポリマーの原料モノマ
ー等に有用である。また、このポリマーは、アミノ酸、
ペプチド、タンパク質の基を結合して抗体反応等、生化
学分野に応用することができる。本発明の方法による
と、親水性反応性基含有粒子ポリマーと、アミノ酸、ペ
プチド、タンパク質は容易に反応し、新規ポリマーとす
ることができる。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、枝構造に活性エステ
ル基をもつ機能性ポリマーの原料として使用される ス
ルホニウム基を導入した新規ビニル化合物、親水性反応
性基を含有する新規のポリマーおよびその製造方法に関
する。近年、反応性基を導入した重合体の開発がさかん
に行なわれている。この一連の重合体は、機能性高分子
と総称され、その用途としては、臨床診断用薬の担体、
臨床検査薬、高分子触媒、クロマトグラフィー充填剤、
特に抗原抗体反応を利用するアフィニティクロマトグラ
フィーの充填剤など多岐にわたっている。
ル基をもつ機能性ポリマーの原料として使用される ス
ルホニウム基を導入した新規ビニル化合物、親水性反応
性基を含有する新規のポリマーおよびその製造方法に関
する。近年、反応性基を導入した重合体の開発がさかん
に行なわれている。この一連の重合体は、機能性高分子
と総称され、その用途としては、臨床診断用薬の担体、
臨床検査薬、高分子触媒、クロマトグラフィー充填剤、
特に抗原抗体反応を利用するアフィニティクロマトグラ
フィーの充填剤など多岐にわたっている。
【0002】
【従来の技術】従来、類似化合物の開示として、特開平
1−83060により、ステアリン酸やミリスチン酸な
どの飽和高級脂肪酸とp−ヒドロキシフェニルジメチル
スルホニウム塩から得られるエステル化合物が開示さ
れ、更に、この化合物は特開平1−83029により水
溶性活性エステルとして機能することも開示されてい
る。また、p−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウ
ム塩から得られるエステル化合物が活性エステルとして
作用することは、特開昭62−263132に開示され
ている。しかしながら、これらの公知例は、高分子を意
図しておらず、本発明のごとく、スルホニウム基を導入
したビニル系の化合物のポリマーは公知ではない。
1−83060により、ステアリン酸やミリスチン酸な
どの飽和高級脂肪酸とp−ヒドロキシフェニルジメチル
スルホニウム塩から得られるエステル化合物が開示さ
れ、更に、この化合物は特開平1−83029により水
溶性活性エステルとして機能することも開示されてい
る。また、p−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウ
ム塩から得られるエステル化合物が活性エステルとして
作用することは、特開昭62−263132に開示され
ている。しかしながら、これらの公知例は、高分子を意
図しておらず、本発明のごとく、スルホニウム基を導入
したビニル系の化合物のポリマーは公知ではない。
【0003】末端にビニル結合を持つスルホニウム塩と
しては、特開平2−264756に開示されており、西
ドイツ公開公報2538791には、マレイン酸のp-
(メチルチオ)フェニルエステルを二価のハロゲン化物で
スルホニウムポリマーとする記載が見られる。しかしな
がら、この西ドイツ公開公報の記載は重合反応を意図し
ていない。以上の公知例には、本出願のようなビニル系
スルホニウム塩、ならびにその重合方法についての開示
はなされていない。
しては、特開平2−264756に開示されており、西
ドイツ公開公報2538791には、マレイン酸のp-
(メチルチオ)フェニルエステルを二価のハロゲン化物で
スルホニウムポリマーとする記載が見られる。しかしな
がら、この西ドイツ公開公報の記載は重合反応を意図し
ていない。以上の公知例には、本出願のようなビニル系
スルホニウム塩、ならびにその重合方法についての開示
はなされていない。
【0004】次に、微粒子ポリマー(ミクロスフェア)
は、スチレンに代表される疎水性のビニル化合物を原料
モノマーとして合成されている。特に0.01μmのオー
ダーから100μmオーダーの微粒子ポリマーは、粒子
径の均一性,広い表面積などの特異性を生かし、各分
野、特に医学,薬学,生化学分野でその応用が期待され
ている。しかし、この方法で得られた微粒子ポリマーは
組成がポリスチレンのみであるため、疎水性であるこ
と、反応性基がないことからその微粒子の特異性を充分
に生かすことにおいて満足されていない。また、スチレ
ンとプロピレンスルホン酸類をソープフリー乳化重合さ
せ、スルホン酸を導入した水溶性ミクロスフェアの合成
例として、ジヤーナル オブ ポリマー サイエンス,
パートA:ポリマーケミストリー(J. Polym. Sci., Par
t A:Polym. Chem.) 26巻,1207〜29(1988)があげられ
る。
は、スチレンに代表される疎水性のビニル化合物を原料
モノマーとして合成されている。特に0.01μmのオー
ダーから100μmオーダーの微粒子ポリマーは、粒子
径の均一性,広い表面積などの特異性を生かし、各分
野、特に医学,薬学,生化学分野でその応用が期待され
ている。しかし、この方法で得られた微粒子ポリマーは
組成がポリスチレンのみであるため、疎水性であるこ
と、反応性基がないことからその微粒子の特異性を充分
に生かすことにおいて満足されていない。また、スチレ
ンとプロピレンスルホン酸類をソープフリー乳化重合さ
せ、スルホン酸を導入した水溶性ミクロスフェアの合成
例として、ジヤーナル オブ ポリマー サイエンス,
パートA:ポリマーケミストリー(J. Polym. Sci., Par
t A:Polym. Chem.) 26巻,1207〜29(1988)があげられ
る。
【0005】一方、微粒子ポリマーに反応性基を導入す
るものとして、例えば、バイオケミストリー(Biochemis
try) 14巻7号,1535〜41(1975)や、ジヤーナル オブ
ポリマー サイエンス,パートA:ポリマーケミストリ
ー(J. Polym. Sci., Part A:Polym. Chem.) 28巻1号,21
9〜26(1990)に活性エステル基を枝構造にもつコポリマ
ーが開示されている。しかし、この開示によれば、この
微粒子ポリマーにおいてはN−スクシンイミジル基で構
成された活性エステル基を含有しているものの、これら
の基はやはり疎水性であること、また、微粒子表面に活
性エステル基が効率良く配列していないことから親水性
求核剤との反応効率が悪い。微粒子ポリマーの特異性を
生かし、その表面が親水性で、しかもその表面に反応性
基を配列するものはいまだ報告例がない。
るものとして、例えば、バイオケミストリー(Biochemis
try) 14巻7号,1535〜41(1975)や、ジヤーナル オブ
ポリマー サイエンス,パートA:ポリマーケミストリ
ー(J. Polym. Sci., Part A:Polym. Chem.) 28巻1号,21
9〜26(1990)に活性エステル基を枝構造にもつコポリマ
ーが開示されている。しかし、この開示によれば、この
微粒子ポリマーにおいてはN−スクシンイミジル基で構
成された活性エステル基を含有しているものの、これら
の基はやはり疎水性であること、また、微粒子表面に活
性エステル基が効率良く配列していないことから親水性
求核剤との反応効率が悪い。微粒子ポリマーの特異性を
生かし、その表面が親水性で、しかもその表面に反応性
基を配列するものはいまだ報告例がない。
【0006】また一般に粒子径分布の狭い微粒子ポリマ
ーを製造するためには、ソープフリー乳化重合が好んで
用いられている。しかしながら水不溶性モノマーを乳化
重合させるためには、水中に分散させる必要があるとこ
ろから、乳化剤を添加して乳化させ、重合させる乳化重
合の方法しかとれない。しかるにこの乳化重合では、生
成微粒子ポリマーの粒子径分布は広くなる傾向にある。
かつまたこの乳化重合では、乳化剤がポリマー中に取り
込まれ、あるいはポリマー表面に付着し、その純度ある
いは特性を低下させている。
ーを製造するためには、ソープフリー乳化重合が好んで
用いられている。しかしながら水不溶性モノマーを乳化
重合させるためには、水中に分散させる必要があるとこ
ろから、乳化剤を添加して乳化させ、重合させる乳化重
合の方法しかとれない。しかるにこの乳化重合では、生
成微粒子ポリマーの粒子径分布は広くなる傾向にある。
かつまたこの乳化重合では、乳化剤がポリマー中に取り
込まれ、あるいはポリマー表面に付着し、その純度ある
いは特性を低下させている。
【0007】
【発明の構成】本発明は、機能性ポリマーの原料として
使用される新規ビニル化合物、機能性ポリマーとして作
用する新規ビニル化合物の重合体、及び当該重合体の製
造方法を開示するものである。さらに示すと、化4で表
わされる新規ビニル化合物、ならびにこのモノマーを重
合して得られた下記化5で表わされるポリマーに関す
る。このポリマーは、枝構造に親水性反応性基である活
性エステル基をもつため、機能性ポリマーとして、医
学,薬学,生化学分野での応用が可能である。
使用される新規ビニル化合物、機能性ポリマーとして作
用する新規ビニル化合物の重合体、及び当該重合体の製
造方法を開示するものである。さらに示すと、化4で表
わされる新規ビニル化合物、ならびにこのモノマーを重
合して得られた下記化5で表わされるポリマーに関す
る。このポリマーは、枝構造に親水性反応性基である活
性エステル基をもつため、機能性ポリマーとして、医
学,薬学,生化学分野での応用が可能である。
【0008】
【化4】 (ただし、Rは水素,ハロゲン,C1〜C4のアルキル基
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれかで
ある。)
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれかで
ある。)
【0009】本発明の新規ビニル化合物は、例えば特開
昭63−8365に準じて、4−ヒドロキシフェニルジ
アルキルスルホニウム化合物とビニル安息香酸誘導体か
ら合成される。この新規ビニル化合物として好ましい態
様を述べれば、例えば4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩が挙
げられる。本発明の新規化合物は、前述のような対アニ
オンを有するジアルキルスルホニウム塩であるがため、
他に比類のない水溶性を有する。
昭63−8365に準じて、4−ヒドロキシフェニルジ
アルキルスルホニウム化合物とビニル安息香酸誘導体か
ら合成される。この新規ビニル化合物として好ましい態
様を述べれば、例えば4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩が挙
げられる。本発明の新規化合物は、前述のような対アニ
オンを有するジアルキルスルホニウム塩であるがため、
他に比類のない水溶性を有する。
【0010】さらに本発明を開示すると、化4で表わさ
れる新規ビニル化合物の重合体である化5で表わされる
重合体、およびその重合体の製造方法に関する。化5で
構成されるポリマーは、化4の新規ビニル化合物を重合
させて、新規なホモポリマーあるいはコポリマーを合成
することができる。ここで、化4のモノマーは、2種以
上を添加して重合させることも可能である。
れる新規ビニル化合物の重合体である化5で表わされる
重合体、およびその重合体の製造方法に関する。化5で
構成されるポリマーは、化4の新規ビニル化合物を重合
させて、新規なホモポリマーあるいはコポリマーを合成
することができる。ここで、化4のモノマーは、2種以
上を添加して重合させることも可能である。
【0011】
【化5】 (ただし、Rは水素,ハロゲン,C1〜C4のアルキル基
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれか
を、R5,R6は独立して水素,ハロゲン,または有機の
基を示す。R7,R8は独立して水素または有機の基であ
るか、または隣接Nと共に複素環を形成してもよいかま
たは、隣接Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の
基である。そして R,R1〜R8は、それぞれ異種のも
のが同時に存在してもよい。また、m,n,pはモル百
分率を表わし、0<m≦100,0≦n<100,0≦
p<100でm+n+p=100である。)
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれか
を、R5,R6は独立して水素,ハロゲン,または有機の
基を示す。R7,R8は独立して水素または有機の基であ
るか、または隣接Nと共に複素環を形成してもよいかま
たは、隣接Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の
基である。そして R,R1〜R8は、それぞれ異種のも
のが同時に存在してもよい。また、m,n,pはモル百
分率を表わし、0<m≦100,0≦n<100,0≦
p<100でm+n+p=100である。)
【0012】まず、化5のn=0,p=0であるホモポ
リマーについて説明する。この重合方法としては、上記
ビニル化合物の1種以上を、例えば2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩やアゾビスイソブチ
ロニトリルなどを触媒とし、水中あるいはDMF中で溶
液重合を完了させ、アセトニトリルまたはメタノールで
処理することで高収率に得ることができる。この重合の
際の反応温度は、0〜100℃、好ましくは40〜70
℃であり、反応時間は1〜50時間、好ましくは2〜2
4時間である。それ以上の時間は加水分解を引き起こす
おそれがあり好ましくない。
リマーについて説明する。この重合方法としては、上記
ビニル化合物の1種以上を、例えば2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩やアゾビスイソブチ
ロニトリルなどを触媒とし、水中あるいはDMF中で溶
液重合を完了させ、アセトニトリルまたはメタノールで
処理することで高収率に得ることができる。この重合の
際の反応温度は、0〜100℃、好ましくは40〜70
℃であり、反応時間は1〜50時間、好ましくは2〜2
4時間である。それ以上の時間は加水分解を引き起こす
おそれがあり好ましくない。
【0013】次に、化5のn>0,p=0であるコポリ
マーについて説明する。これは、化4で表わされるモノ
マーの1種以上と、化6で表わされるモノマーの1種以
上をラジカル発生型の触媒の存在下に水および/または
有機溶媒中で共重合させて得ることができる。
マーについて説明する。これは、化4で表わされるモノ
マーの1種以上と、化6で表わされるモノマーの1種以
上をラジカル発生型の触媒の存在下に水および/または
有機溶媒中で共重合させて得ることができる。
【化6】 (ただし、R5,R6は独立して水素,ハロゲン,または
有機の基を示す。)
有機の基を示す。)
【0014】この共重合においては、溶液重合、乳化重
合など任意の重合方法が採用できるが、特に化4で表わ
されるビニル化合物はこの分子自身にスルホニウム基と
いう界面活性剤として作用する水溶性の基を有している
ために、ソープフリー乳化重合が可能となる。ソープフ
リー乳化重合は、乳化剤という第3成分を含まない点、
及び粒子径分布の狭い微粒子ポリマーが得られるところ
から、特に機能性高分子の製造には有用な重合方法であ
る。また、化4で表わされるモノマーや、化6で表わさ
れるモノマー、及びラジカル発生型の触媒を投入するタ
イミングを調節することによって、シード重合を行うこ
とも可能である。
合など任意の重合方法が採用できるが、特に化4で表わ
されるビニル化合物はこの分子自身にスルホニウム基と
いう界面活性剤として作用する水溶性の基を有している
ために、ソープフリー乳化重合が可能となる。ソープフ
リー乳化重合は、乳化剤という第3成分を含まない点、
及び粒子径分布の狭い微粒子ポリマーが得られるところ
から、特に機能性高分子の製造には有用な重合方法であ
る。また、化4で表わされるモノマーや、化6で表わさ
れるモノマー、及びラジカル発生型の触媒を投入するタ
イミングを調節することによって、シード重合を行うこ
とも可能である。
【0015】なお、化6で表わされる重合性モノマーと
しては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロルメチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
エステル、アクリル酸エステル、ビニル酢酸エステル、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニル
エーテル類、N−ビニルカルバゾール、ビニルシクロヘ
キサン、ビニルシクロプロパンあるいは塩化ビニルなど
が挙げられるが、ポリマーの物性上、特にスチレンが好
ましい。
しては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロルメチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
エステル、アクリル酸エステル、ビニル酢酸エステル、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニル
エーテル類、N−ビニルカルバゾール、ビニルシクロヘ
キサン、ビニルシクロプロパンあるいは塩化ビニルなど
が挙げられるが、ポリマーの物性上、特にスチレンが好
ましい。
【0016】また、本発明のコポリマーの製造に用いる
ラジカル発生型の触媒としては、例えば2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[2
−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−ア
ゾビスイソブチルアミド二水和物などが挙げられる。
ラジカル発生型の触媒としては、例えば2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[2
−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−ア
ゾビスイソブチルアミド二水和物などが挙げられる。
【0017】また、重合温度は0〜100℃、好ましく
は40〜70℃である。重合時間は0.5〜24時間、
好ましくは2〜5時間であり、それ以上の時間は、エス
テル基の加水分解を引き起こすおそれがあり好ましくな
い。本発明のコポリマーは、化4,化6の両ビニル化合
物の共重合により得られるが、本発明のコポリマーのモ
ル百分率n,mはモノマーの種類、及び重合方法により
制御される。本発明のポリマーは親水性反応性基を含有
しているため、水中、もしくは水,有機溶媒混合液中で
重合させ、同媒体中で分散安定なラテックス状態を維持
することができる。
は40〜70℃である。重合時間は0.5〜24時間、
好ましくは2〜5時間であり、それ以上の時間は、エス
テル基の加水分解を引き起こすおそれがあり好ましくな
い。本発明のコポリマーは、化4,化6の両ビニル化合
物の共重合により得られるが、本発明のコポリマーのモ
ル百分率n,mはモノマーの種類、及び重合方法により
制御される。本発明のポリマーは親水性反応性基を含有
しているため、水中、もしくは水,有機溶媒混合液中で
重合させ、同媒体中で分散安定なラテックス状態を維持
することができる。
【0018】本発明のコポリマー、特にラテックス粒子
(ミクロスフェア)を形成する能力に優れるコポリマー
として好ましいものは、例えば4−(4−ビニルベンゾ
イルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫
酸塩とスチレンの共重合体が挙げられる。そしてこのラ
テックス粒子(ミクロスフェア)は、表面に親水性の活
性エステル基を有しているため、親水性反応性基含有粒
子として作用する。
(ミクロスフェア)を形成する能力に優れるコポリマー
として好ましいものは、例えば4−(4−ビニルベンゾ
イルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫
酸塩とスチレンの共重合体が挙げられる。そしてこのラ
テックス粒子(ミクロスフェア)は、表面に親水性の活
性エステル基を有しているため、親水性反応性基含有粒
子として作用する。
【0019】次に、化5のn≧0,p>0であるポリマ
ーについて説明する。この化5(p>0)のラテックス
ポリマーは、上記開示の化5(n≧0,p=0)で表わ
されるラテックスポリマーに、HNR7R8(ただし
R7,R8は独立して水素または有機の基であるか、また
は隣接Nと共に複素環を形成してもよいかまたは、隣接
Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の基であ
る。)で表わされる第一アミンまたは第二アミンを作用
させることにより、枝構造の活性エステル部が上記アミ
ンと反応し、アミド結合を有する水に不溶な化5(n≧
0,p>0)のポリマーを与える。
ーについて説明する。この化5(p>0)のラテックス
ポリマーは、上記開示の化5(n≧0,p=0)で表わ
されるラテックスポリマーに、HNR7R8(ただし
R7,R8は独立して水素または有機の基であるか、また
は隣接Nと共に複素環を形成してもよいかまたは、隣接
Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の基であ
る。)で表わされる第一アミンまたは第二アミンを作用
させることにより、枝構造の活性エステル部が上記アミ
ンと反応し、アミド結合を有する水に不溶な化5(n≧
0,p>0)のポリマーを与える。
【0020】本発明に使用されるアミンとして好ましい
ものは、例えばエチレンジアミン、1,3−プロパンジ
アミン、エタノールアミン、N,N-ジメチルエチレンジア
ミン、β−アミノプロピオニトリルに代表される脂肪族
アミン類、モルホリンに代表される複素環アミン類、ア
ニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、α−ナフチ
ルアミンに代表される芳香族アミン、グリシン、ロイシ
ン、グルタミン、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウ
ム,アラニン,フェニルアラニンに代表されるアミノ
酸、インシュリンに代表されるペプチド、トリプシン、
リパーゼ、各種の免疫抗体、各種の酵素に代表されるタ
ンパク質があげられる。
ものは、例えばエチレンジアミン、1,3−プロパンジ
アミン、エタノールアミン、N,N-ジメチルエチレンジア
ミン、β−アミノプロピオニトリルに代表される脂肪族
アミン類、モルホリンに代表される複素環アミン類、ア
ニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、α−ナフチ
ルアミンに代表される芳香族アミン、グリシン、ロイシ
ン、グルタミン、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウ
ム,アラニン,フェニルアラニンに代表されるアミノ
酸、インシュリンに代表されるペプチド、トリプシン、
リパーゼ、各種の免疫抗体、各種の酵素に代表されるタ
ンパク質があげられる。
【0021】本発明の化5(n≧0,p>0)のポリマ
ーの製造において使用されるアミン類の仕込量は、化5
(n≧0,p=0)のポリマーの活性エステル基に対し
て0.01〜50当量、好ましくは0.05〜5当量であ
り、そして、更に好ましくは反応中、常時アミンが過剰
に存在する状態で作用させることがよい。また使用され
る溶媒は水が好ましいが、この他にDMFまたは水と相
溶する溶媒であっても構わない。また、このアミド化反
応温度は、室温が好ましい。
ーの製造において使用されるアミン類の仕込量は、化5
(n≧0,p=0)のポリマーの活性エステル基に対し
て0.01〜50当量、好ましくは0.05〜5当量であ
り、そして、更に好ましくは反応中、常時アミンが過剰
に存在する状態で作用させることがよい。また使用され
る溶媒は水が好ましいが、この他にDMFまたは水と相
溶する溶媒であっても構わない。また、このアミド化反
応温度は、室温が好ましい。
【0022】
【作用】本発明の新規ビニル化合物は容易に単独で重合
し、あるいはビニル化合物と共重合し、新規な機能性ポ
リマーを与える。この新規ポリマーは、その重合体の枝
構造に活性エステル基をもち、水溶液中で加水分解され
ることなくアミン類などと反応し、枝構造にアミド結合
をもった化5のポリマーとすることができるので、機能
性ポリマーとなりうる。特に微粒子(ミクロスフェア)
を形成しているコポリマーにアミノ酸、ペプチド、タン
パク質に例示されるアミン類を作用させると、表面にア
ミノ酸、ペプチド、タンパク質が化合した微粒子(ミク
ロスフェア)が形成される。
し、あるいはビニル化合物と共重合し、新規な機能性ポ
リマーを与える。この新規ポリマーは、その重合体の枝
構造に活性エステル基をもち、水溶液中で加水分解され
ることなくアミン類などと反応し、枝構造にアミド結合
をもった化5のポリマーとすることができるので、機能
性ポリマーとなりうる。特に微粒子(ミクロスフェア)
を形成しているコポリマーにアミノ酸、ペプチド、タン
パク質に例示されるアミン類を作用させると、表面にア
ミノ酸、ペプチド、タンパク質が化合した微粒子(ミク
ロスフェア)が形成される。
【0023】特に微粒子(ミクロスフェア)ポリマーは
各分野、特に医学,薬学,生化学分野に応用が可能
で、例えば生理活性物質等の反応担体やクロマトグラフ
ィー充填剤等に応用することができる。その重合方法
は、この分子自身にスルホニウム基という活性基を有し
ているために、水溶性で乳化剤としての性質も有するた
め、疎水性のモノマーとの共重合においては、溶液重
合,乳化重合だけでなくソープフリー乳化重合も可能で
ある。
各分野、特に医学,薬学,生化学分野に応用が可能
で、例えば生理活性物質等の反応担体やクロマトグラフ
ィー充填剤等に応用することができる。その重合方法
は、この分子自身にスルホニウム基という活性基を有し
ているために、水溶性で乳化剤としての性質も有するた
め、疎水性のモノマーとの共重合においては、溶液重
合,乳化重合だけでなくソープフリー乳化重合も可能で
ある。
【0024】また、本発明に係る、枝構造に親水性の活
性エステル基を有する新規な親水性反応性基含有粒子ポ
リマーは水および/または有機溶媒中で分散性に優れた
ラテックスを形成し、長時間、安定に分散状態を保つこ
とができる。また、上記媒体中で容易にアミン類等の求
核試薬と反応し、修飾ポリマーとすることも可能であ
る。
性エステル基を有する新規な親水性反応性基含有粒子ポ
リマーは水および/または有機溶媒中で分散性に優れた
ラテックスを形成し、長時間、安定に分散状態を保つこ
とができる。また、上記媒体中で容易にアミン類等の求
核試薬と反応し、修飾ポリマーとすることも可能であ
る。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範
囲はこれに限定されるものではない。 実施例1 4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニルジメチル
スルホニウム メチル硫酸塩の合成 p−ビニル安息香酸1.48gと4−ヒドロキシフェニ
ルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩2.66gをジ
シクロヘキシルカルボジイミド2.06gの存在下、ア
セトニトリル100ml中で室温で24時間反応した。反
応後、ろ過し、ろ液をエバポレーションし、残渣を再結
晶し、白色結晶の目的物3.51g(収率88.5%)を
得た。 融点 157〜158℃ 元素分析 C18H20O6S2 理論値 C;54.80% 測定値 C;54.53% H; 5.32% H; 5.08% S;15.84% S;16.17%
囲はこれに限定されるものではない。 実施例1 4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェニルジメチル
スルホニウム メチル硫酸塩の合成 p−ビニル安息香酸1.48gと4−ヒドロキシフェニ
ルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩2.66gをジ
シクロヘキシルカルボジイミド2.06gの存在下、ア
セトニトリル100ml中で室温で24時間反応した。反
応後、ろ過し、ろ液をエバポレーションし、残渣を再結
晶し、白色結晶の目的物3.51g(収率88.5%)を
得た。 融点 157〜158℃ 元素分析 C18H20O6S2 理論値 C;54.80% 測定値 C;54.53% H; 5.32% H; 5.08% S;15.84% S;16.17%
【0026】実施例2 4−(4−ビニルベンゾイル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.5mmol)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩3.4mg(0.5mol%)、更に
水5mlをとり、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で1
2時間重合させた。その後、反応液をアセトニトリルで
再沈し、白色のポリマー0.953g(収率96.2%)
を得た。 IR (KBr) cm 1735,1245,1165,1120,815 イオウ含量(燃焼フラスコ法) 理論値 S;16.14% 測定値 S;15.78%
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.5mmol)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩3.4mg(0.5mol%)、更に
水5mlをとり、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で1
2時間重合させた。その後、反応液をアセトニトリルで
再沈し、白色のポリマー0.953g(収率96.2%)
を得た。 IR (KBr) cm 1735,1245,1165,1120,815 イオウ含量(燃焼フラスコ法) 理論値 S;16.14% 測定値 S;15.78%
【0027】実施例3 4−(4−ビニルベンゾイル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.5mmol),2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル2.1mg(0.5mol%)、更にDMF5mlをと
り、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で24時間重合
させた。その後、反応液をアセトニトリルで再沈し、白
色のポリマー0.828g(収率83.6%)を得た。I
R NMRデータは実施例2と同様であった。 イオウ含量(燃焼フラスコ法) 理論値 S;16.14% 測定値 S;16.10%
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.5mmol),2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル2.1mg(0.5mol%)、更にDMF5mlをと
り、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で24時間重合
させた。その後、反応液をアセトニトリルで再沈し、白
色のポリマー0.828g(収率83.6%)を得た。I
R NMRデータは実施例2と同様であった。 イオウ含量(燃焼フラスコ法) 理論値 S;16.14% 測定値 S;16.10%
【0028】実施例4 4−(4−ビニルベンゾイル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーのアミン変性方法 実施例2で得られたホモポリマー0.10gを水30ml
に溶解し、これにN,N−ジメチルエチレンジアミン0.
13gを加え、室温にて1時間攪拌した。反応後、結晶
をろ過し、更にアセトニトリルで洗浄、乾燥し、白色の
結晶0.073gを得た。このポリマーは、IRにより
1735cm の他に1690cm にも大きな吸収が認め
られた。また、燃焼フラスコ法により求められたイオウ
含量は3.23%であり、これから算出したモル百分率
m,pはm=12.1,p=87.9であった。
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
ホモポリマーのアミン変性方法 実施例2で得られたホモポリマー0.10gを水30ml
に溶解し、これにN,N−ジメチルエチレンジアミン0.
13gを加え、室温にて1時間攪拌した。反応後、結晶
をろ過し、更にアセトニトリルで洗浄、乾燥し、白色の
結晶0.073gを得た。このポリマーは、IRにより
1735cm の他に1690cm にも大きな吸収が認め
られた。また、燃焼フラスコ法により求められたイオウ
含量は3.23%であり、これから算出したモル百分率
m,pはm=12.1,p=87.9であった。
【0029】実施例5 4−(4−ビニルベンゾイル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
スチレンコポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.50mmol)、スチレン0.261g(2.
50mmol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
(モノマーに対して0.5mol%),更にDMF10mlを
とり、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で24時間重
合させた。その後、反応液にアセトニトリルを加えて、
白色のコポリマー1.109g(収率88.6%)を得
た。NMR,IRスペクトルにより、このポリマー中に
はビニル基が存在しないことを確認した。また、燃焼フ
ラスコ法により求められたイオウ含量は15.06%で
あり、これから算出したモル百分率n,mはm=78.
5,n=21.5であった。
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
スチレンコポリマーの合成 コック付き重合管に4−(4−ビニルベンゾイルオキ
シ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩0.
991g(2.50mmol)、スチレン0.261g(2.
50mmol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
(モノマーに対して0.5mol%),更にDMF10mlを
とり、冷却下脱気後、窒素置換し、50℃で24時間重
合させた。その後、反応液にアセトニトリルを加えて、
白色のコポリマー1.109g(収率88.6%)を得
た。NMR,IRスペクトルにより、このポリマー中に
はビニル基が存在しないことを確認した。また、燃焼フ
ラスコ法により求められたイオウ含量は15.06%で
あり、これから算出したモル百分率n,mはm=78.
5,n=21.5であった。
【0030】実施例6 4−(4−ビニルベンゾイル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
スチレンコポリマーの合成 200ml四っ口コルベンに回転数調整可能な攪拌器、温
度計、窒素吹き入れ用細管、コンデンサーをそれぞれ設
置する。純水100g、4−(4−ビニルベンゾイルオ
キシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
2.38g(6.0mmol)、スチレン20.00g(0.
1930mol)を仕込む。系内を窒素置換後、ウォータ
ーバスで70℃に加温、回転数200r.p.m.で攪拌す
る。攪拌開始10分後、2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩0.27g(全モノマー
に対して0.5mol%)を添加し、初期設定条件で5時間
の反応することによって、乳化状のラテックスを得る。
オキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
スチレンコポリマーの合成 200ml四っ口コルベンに回転数調整可能な攪拌器、温
度計、窒素吹き入れ用細管、コンデンサーをそれぞれ設
置する。純水100g、4−(4−ビニルベンゾイルオ
キシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩
2.38g(6.0mmol)、スチレン20.00g(0.
1930mol)を仕込む。系内を窒素置換後、ウォータ
ーバスで70℃に加温、回転数200r.p.m.で攪拌す
る。攪拌開始10分後、2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩0.27g(全モノマー
に対して0.5mol%)を添加し、初期設定条件で5時間
の反応することによって、乳化状のラテックスを得る。
【0031】得られたラテックスを凍結乾燥した後、燃
焼フラスコ法により測定したイオウ分は1.68%であ
った。これは4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩が全て取り込
まれた場合の理論量が1.72%であることから考え
て、ほぼ定量的に取り込まれていると考えられる。ま
た、そのラテックスは、室温に4か月間放置しても凝集
物および沈殿物が認められない。更に、4か月間放置後
のラテックスを、前述と同様な方法で測定したイオウ分
は1.66%であった。このことはラテックス中の活性
エステル基は加水分解されることなく安定であることを
示す。
焼フラスコ法により測定したイオウ分は1.68%であ
った。これは4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩が全て取り込
まれた場合の理論量が1.72%であることから考え
て、ほぼ定量的に取り込まれていると考えられる。ま
た、そのラテックスは、室温に4か月間放置しても凝集
物および沈殿物が認められない。更に、4か月間放置後
のラテックスを、前述と同様な方法で測定したイオウ分
は1.66%であった。このことはラテックス中の活性
エステル基は加水分解されることなく安定であることを
示す。
【0032】実施例7 実施例6で得られたラテックス10gを30mlビーカー
にとり、N,N−ジメチルエチレンジアミン0.216g
(2.45mmol)を加えマグネット型スターラーで攪拌
しながら室温で24時間反応する。反応したラテックス
を凍結乾燥した後、充分な水洗浄をした。更に、真空乾
燥後、白色の粉末を得た。IRスペクトルの1650cm
にアミド結合の吸収が認められた。
にとり、N,N−ジメチルエチレンジアミン0.216g
(2.45mmol)を加えマグネット型スターラーで攪拌
しながら室温で24時間反応する。反応したラテックス
を凍結乾燥した後、充分な水洗浄をした。更に、真空乾
燥後、白色の粉末を得た。IRスペクトルの1650cm
にアミド結合の吸収が認められた。
【0033】実施例8 実施例6で得られたラテックス1gを30mlビーカーに
とり、リン酸緩衝液(pH7.2)を10ml加え、トリプシ
ン500mg を加えマグネット型スターラーで攪拌しながら
室温で24時間反応する。反応したラテックスをガラスフ
ィルターでろ過、透析後、凍結乾燥する。その後、充分
な水洗浄をし、真空乾燥後、白色の粉末を得た。さらに
この粉末をリン酸緩衝液(pH7.6)に懸濁し、25℃でN
-α-ベンゾイル-L-アルギニンエチルエステルを16時間
インキュベートした。反応液をガラスフィルターでろ過
し、吸光度を測定することで、トリプシンの活性を測定
した。その結果、収率73%でトリプシンがラテックス
に結合していることが判明した。
とり、リン酸緩衝液(pH7.2)を10ml加え、トリプシ
ン500mg を加えマグネット型スターラーで攪拌しながら
室温で24時間反応する。反応したラテックスをガラスフ
ィルターでろ過、透析後、凍結乾燥する。その後、充分
な水洗浄をし、真空乾燥後、白色の粉末を得た。さらに
この粉末をリン酸緩衝液(pH7.6)に懸濁し、25℃でN
-α-ベンゾイル-L-アルギニンエチルエステルを16時間
インキュベートした。反応液をガラスフィルターでろ過
し、吸光度を測定することで、トリプシンの活性を測定
した。その結果、収率73%でトリプシンがラテックス
に結合していることが判明した。
【0034】
【発明の効果】本発明の新規ビニル化合物は枝構造に活
性エステル基を有しているので、機能性ポリマーの原料
モノマーあるいはポリマー等の改質剤として有用であ
る。本発明のポリマーは、アミノ酸、ペプチド、タンパ
ク質の基を結合して抗体反応等、生化学分野に応用する
ことができる。また、本発明の方法によると、親水性反
応性基含有粒子ポリマーと、アミノ酸、ペプチド、タン
パク質は容易に反応し、新規ポリマーとすることができ
る。
性エステル基を有しているので、機能性ポリマーの原料
モノマーあるいはポリマー等の改質剤として有用であ
る。本発明のポリマーは、アミノ酸、ペプチド、タンパ
ク質の基を結合して抗体反応等、生化学分野に応用する
ことができる。また、本発明の方法によると、親水性反
応性基含有粒子ポリマーと、アミノ酸、ペプチド、タン
パク質は容易に反応し、新規ポリマーとすることができ
る。
【0035】本発明の新規コポリマーは、疎水性モノマ
ーと乳化重合またはソープフリー乳化重合により合成が
可能である。特にソープフリー乳化重合によれば、不純
物の少ないラテックスを得ることができる。また、この
コポリマーは枝構造に親水性の活性エステル基を有する
ため、水中でアミン類と反応できるなど機能性ポリマー
に応用が可能である。
ーと乳化重合またはソープフリー乳化重合により合成が
可能である。特にソープフリー乳化重合によれば、不純
物の少ないラテックスを得ることができる。また、この
コポリマーは枝構造に親水性の活性エステル基を有する
ため、水中でアミン類と反応できるなど機能性ポリマー
に応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/40 MMX 7242−4J 20/68 MLY 7242−4J
Claims (19)
- 【請求項1】化1で表わされるビニル化合物。 【化1】 (ただし、Rは水素,ハロゲン,C1〜C4のアルキル基
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれかで
ある。) - 【請求項2】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩である請求項
1に記載のビニル化合物。 - 【請求項3】ポリマーの組成が化2で表わされるポリマ
ー。 【化2】 (ただし、Rは水素,ハロゲン,C1〜C4のアルキル基
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれか
を、R5,R6は独立して水素,ハロゲン,または有機の
基を示す。R7,R8は独立して水素または有機の基であ
るか、または隣接Nと共に複素環を形成してもよいかま
たは、隣接Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の
基である。そして R,R1〜R8は、それぞれ異種のも
のが同時に存在してもよい。また、m,n,pはモル百
分率を表わし、0<m≦100,0≦n<100,0≦
p<100でm+n+p=100である。) - 【請求項4】請求項3の記載において m=100であ
る請求項3記載のホモポリマー。 - 【請求項5】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩の単独重合物
である請求項3または4に記載のポリマー。 - 【請求項6】請求項3の記載において 0<m<10
0,n=0,0<p<100である請求項3記載のポリ
マー。 - 【請求項7】請求項3の記載において 0<m<10
0,0<n<100,p=0である請求項3記載のポリ
マー。 - 【請求項8】4−(4−ビニルベンゾイルオキシ)フェ
ニルジメチルスルホニウム メチル硫酸塩とスチレンの
共重合物である請求項3または7に記載のコポリマー。 - 【請求項9】請求項3の記載において 0<m<20,
80<n<100,0≦p<20である請求項3記載の
ポリマー。 - 【請求項10】タンパク質を担持させた請求項3記載の
ポリマー。 - 【請求項11】請求項9の範囲で表わされる親水性粒子
ポリマー。 - 【請求項12】請求項9の範囲で表わされるポリマーラ
テックス。 - 【請求項13】請求項9の範囲で表わされる微粒子。
- 【請求項14】請求項4記載のホモポリマーに下記一般
式で表わされる第一アミンまたは第二アミンを反応せし
めることを特徴とする請求項6記載のポリマーの製造
法。 NHR7R8 (ただしR7,R8は独立して水素または有機の基である
か、または隣接Nと共に複素環を形成してもよいかまた
は、隣接Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の基
である。) - 【請求項15】化3で表わされるビニル化合物の一種以
上と下記一般式で表わされるビニル化合物の一種以上を
ラジカル発生型の触媒の存在下、水中および/または有
機溶媒中で重合させることを特徴とする請求項7〜9の
いずれかに記載(ただしp=0)のコポリマーの製造
法。 【化3】 (ただし、Rは水素,ハロゲン,C1〜C4のアルキル基
のいずれかを、R1,R2は独立して水素,ハロゲン,C
1〜C4のアルキル基,C1〜C4のアルコキシ基のいずれ
かを、R3,R4は独立してC1〜C4のアルキル基を示
す。Xはアルキル硫酸イオン,ハロゲンイオン,過塩素
酸イオン,硫酸水素イオン,p−トルエンスルホン酸イ
オン,ヘキサフルオロアンチモン酸イオンのいずれかで
ある。) CH2=CR5R6 (ただしR5,R6は独立して水素,ハロゲンまたは有機
の基を示す。) - 【請求項16】請求項15記載の重合方法が、重合時に
乳化剤を用いないソープフリー乳化重合であることを特
徴とするコポリマーの製造法。 - 【請求項17】請求項15記載のコポリマー製造法にお
いて、ビニル化合物がスチレンである請求項15、16
のいずれかに記載のコポリマーの製造法。 - 【請求項18】請求項7〜8記載のポリマーに下記一般
式で表わされる第一アミンまたは第二アミンを反応せし
めることを特徴とする請求項9記載のポリマー(ただし
p>0であり、m=0であってもよい)の製造法。 NHR7R8 (ただしR7,R8は独立して水素または有機の基である
か、または隣接Nと共に複素環を形成してもよいかまた
は、隣接Nと共にアミノ酸、ペプチド、タンパク質の基
である。) - 【請求項19】請求項18記載のタンパク質担持ポリマ
ーの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10934392A JPH0693035A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 新規ビニル化合物およびそのポリマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10934392A JPH0693035A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 新規ビニル化合物およびそのポリマー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693035A true JPH0693035A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=14507823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10934392A Pending JPH0693035A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 新規ビニル化合物およびそのポリマー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0693035A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
JP2008007743A (ja) * | 2006-05-30 | 2008-01-17 | Hyogo Prefecture | 感光性樹脂及び感光性組成物 |
KR101350717B1 (ko) * | 2007-11-27 | 2014-02-04 | 도요 고세이 고교 가부시키가이샤 | 감광성 수지 및 감광성 조성물 |
-
1992
- 1992-04-01 JP JP10934392A patent/JPH0693035A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
US9046515B2 (en) | 2005-05-19 | 2015-06-02 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | Polymer compound for medical material, and biochip substrate using the polymer compound |
JP2008007743A (ja) * | 2006-05-30 | 2008-01-17 | Hyogo Prefecture | 感光性樹脂及び感光性組成物 |
KR101350717B1 (ko) * | 2007-11-27 | 2014-02-04 | 도요 고세이 고교 가부시키가이샤 | 감광성 수지 및 감광성 조성물 |
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