JPH069293B2 - 印刷配線板の製法 - Google Patents

印刷配線板の製法

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JPH069293B2
JPH069293B2 JP16442685A JP16442685A JPH069293B2 JP H069293 B2 JPH069293 B2 JP H069293B2 JP 16442685 A JP16442685 A JP 16442685A JP 16442685 A JP16442685 A JP 16442685A JP H069293 B2 JPH069293 B2 JP H069293B2
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正巳 高木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、印刷配線板の製法に関する。
〔背景技術〕
従来、印刷配線板への部品の実装方法は、例えば、IC
のDIP形パッケージなどのリード線端子形の部品の場
合、印刷配線板のスルーホールにリード線端子を差し込
んではんだなどでろう付けするようにしていた。
最近、ICの集積度向上に対応してICの外装形状はD
IP形パッケージからフラットパッケージに移行してき
ている。しかし、このようなフラットパッケージおよび
抵抗,コンデンサー等のチップ部品など、印刷配線板表
面でその表面に形成された導体回路と接続するタイプの
部品を印刷配線板に実装する場合、従来の印刷配線板で
は、リード線端子形の部品に対するスルーホールのよう
な位置決めの手助けがなく、手間がかかるうえ位置精度
が悪いという欠点があった。さらに、実装時において、
紫外線硬化性樹脂の硬化時の応力,振動,ろう付け時に
加えられる力などによって前記部品が動かされて、その
端子位置がずれ、他の部品端子と接触してしまうという
ことがあった。
また、リード線端子形の部品を実装する場合には、前述
したように印刷配線板にスルーホールが必要であり、印
刷配線板の片面のみで接続固定することができなかっ
た。とくに、ICのフラットパッケージおよびチップ部
品などと混載実装する場合には、それぞれの部品につい
て異なる実装方法をとらねばならず、部品実装の際にコ
ストが嵩む原因となっていた。
そこで、第4図にみるような印刷配線板が開発された。
図にみるように、この印刷配線板は、基板51表面が接
着剤層52で覆われている。さらに、接着剤層52の表
面には、部品端子53が装着される部分を除いて厚み1
0〜15μm程度のフォトレジスト層54が形成されて
いる。部品端子53が装着される部分には、無電解銅め
っきによって薄付銅層55がフォトレジスト層54より
薄くなるように形成されている。すなわち、部品端子5
3の装着される部分がフォトレジスト層54よりへこん
でいて、段差が付けられている。図中、56ははんだで
ある。
このようにして、この印刷配線板は、部品を実装する際
の種々の問題点を解決しようとしたものであるが、つぎ
のような問題点があった。フォトレジスト層によって
薄付銅層と段差を付けているため、段差を10μm程度
しか付けることができなかった。フォトレジスト層の
エッジ部が丸くなるため、実装時における部品端子の安
定が悪かった。フォトレジスト層が有機物からなるた
め軟らかく、部品端子の位置決めの際に削れることがあ
った。これらの理由により目的を充分に満足させるもの
とはなっていなかった。しかも、第4図に示した印刷配
線板では、フォトレジスト層にはんだなどのろう材が付
かないため、ろう材の接合面積が小さく、部品実装後に
おけるろう材の接合信頼性が低かった。
〔発明の目的〕
以上の事情に鑑みて、この発明は、部品を実装する際に
部品端子の位置決めが容易で、位置精度が良く、かつ、
位置ずれを起こす恐れがなく、しかも、コストをかけず
に部品実装ができるとともに部品実装後におけるろう材
の接合信頼性を高めることができる印刷配線板の製法を
提供することを目的とする。
〔発明の開示〕
前記目的を達成するため、この発明は、部品端子が装着
される導体回路部分がその周囲の導体回路部分よりへこ
んでいて、少なくともこのへこみ内面がろう付け性の良
い材料で覆われている印刷配線板を得る方法であって、
基板上に第1の導体層を形成しておき、第1の導体層の
導体回路となる部分以外を第1のレジスト層で覆うとと
もに部品端子が装着される導体回路部分を第2のレジス
ト層で覆い、両レジスト層に覆われていない前記第1の
導体層の残部に第2の導体層を形成することにより部品
端子が装着される導体回路部分をその周囲の導体回路部
分よりへこませ、第2のレジスト層を除去するとともに
少なくとも前記へこみ内面を除いて第3のレジスト層で
覆った後、前記第3のレジスト層で覆われていない部分
をろう付け性の良い材料で覆い、第1および第3のレジ
スト層を除去して全面をエッチングし、導体回路以外の
第1の導体層を除去することを特徴とする印刷配線板の
製法を要旨とする。
以下に、この発明の方法で得られる印刷配線板を、その
一例をあらわす図面にに基づいて詳しく説明する。
第1図(a),(b),(c)にみるよう、この印刷配線板は、
基板1の片側表面が着剤層2で覆われている。この接着
剤層2は、基板1の材料によって絶縁層も兼ねる場合が
ある。接着剤層2の表面には、導体(例えば、銅)回路
3・・・が形成されている。この導体回路3・・・の一
部に部品(例えば、図に示すようなフラットパッケー
ジ)4の端子5・・・がそれぞれろう材(この実施例で
は、はんだ)6・・・によつて装着されるようになって
いる。部品端子5・・・が装着される導体回路部分7・
・・は、その周囲の導体回路部分よりへこんでいる。こ
のへこみ内面は、ろう付け性の良い材料(この実施例で
は、はんだ)8からなる厚み1〜3μmの層で覆われて
いる。部品端子が装着される導体回路部分がその周囲の
導体回路部分よりへこんでいるため、導体回路が平坦な
従来の印刷配線板と比べて、部品を実装する際に部品端
子の位置決めが容易であるうえに部品端子の位置精度が
良くなる。それとともに、部品端子の動きが周囲の導体
回路部分によって制限されるようになり、振動、ろう付
け時に加えられる力などによって部品端子の位置がずれ
ることがなくなる。また、部品端子が装着される導体回
路部分をその周囲の導体回路部分よりへこませると第4
図に示した従来の印刷配線板の問題点,,をも解
消できる。すなわち、問題点に対して、後述するよう
に部品端子が装着される導体回路部分とその周囲の導体
回路部分との段差を任意に設定することができ、段差を
大きく付けることができるため、これを解消することが
できる。問題点,に対して、フォトレジスト層にあ
たる部分が銅などの導体からなり、エッジ部9を尖らし
て形成することができるとともに部品端子の位置決めの
際に削れる恐れをなくすことができるため、これら問題
点を解消することができるのである。その他、部品端子
におけるはんだなどのろう材の接合面積が増えるととと
もに、へこみの壁もろう材の接合部となるので導体回路
側においてろう材の接合面積が増え、部品実装後におけ
る部品端子の接合信頼性を高めることもできる。しか
も、へこみ内面がろう付け性の良い材料で覆われている
ため、部品端子のろう付けを行う際にろう材のぬれ性が
良くなり、へこみの底面および側面ともに確実に接合で
き、部品実装後における部品端子の接合信頼性をより高
めることができるのである。
第2図(a),(b)にチップ抵抗等のチップ部品4′を実装
した使用例を示す。図中、番号は第1図と対応させてい
る。この例では、ろう付け性の良い材料としてろう材を
選び、ろう付け性の良い材料層の厚みを50μm以上と
している。このように、ろう付け性の良い材料としてろ
う材を選んで、ろう付け性の良い材料層の厚みを50μ
m以上とし、部品端子を装着するに足りる量を備えさせ
ると、部品実装時に温度をろう付け性の良い材料の融点
以上に上昇するだけで部品端子の実装ができるようにな
る。これにより、部品実装時に必要であったろう材槽等
の装置が不要となり、また、ろう付け時に問題となって
いた部品端子間のブリッジ等が解消される。
例にあげたフラットパッケージのような複数個の端子を
有する部品が装着される場合、第1図(a)に示す中央の
部品端子(図中、左右2つずつある。)の周囲が四隅の
部品端子の周囲と同じになるように部品端子が装着され
る導体回路部分がへこんでいて、隣り合う部品端子間の
すべてに導体回路による壁が設けられるようになってい
てもよいし、第1図(a)において、四隅の部品端子とこ
れに隣り合う部品端子との間に上記のごとき導体壁がな
く、四隅の部品端子の外側のみ導体壁が設けられるよう
になっていてもよい。すなわち、部品端子が装着される
導体回路部分は、装着される部品端子の形状,密度に応
じて、各部品端子がそれぞれに対応するへこみ内に別々
に収まるようにへこんでいてもよいし、複数個の部品端
子が1個の大きなへこみ内にまとまって収まるようにへ
こんでいてもよい。
この印刷配線板には、例にあげたフットパッケージおよ
びチツプ部品に限らず、リード線端子形の部品,可変抵
抗器,スイッチなどの種々の部品も前記例と同様にして
実装することができる。従来、リード線端子形の部品を
実装する場合には、印刷配線板にスルーホールが必要で
あったが、この発明にかかる印刷配線板では、スルーホ
ールが不要となり、印刷配線板の片面のみで接続固定す
ることができるようになる。とくに、ICのフラットパ
ッケージおよびチップ部品などと混載実装する場合、す
べて同一の方法で実装できるため、コストをかけずに部
品実装することができる。
以上のような印刷配線板を得るには、つぎに示すように
すればよい。以下にこれを、第3図(a)〜(j)に基づいて
詳しく説明する。
第3図(b)にみるように、基板1の表面全面に接着剤層
2を介して薄付銅層(第1の導体層)3aを形成してお
く。薄付銅層3aは、第3図(a)にみるように、表面全
面が接着剤層2で覆われた基板1に無電解めっきを行っ
て厚み1〜3μmになるように形成される。第3図(c)
にみるように、第1工程で、薄付銅層3aの導体回路と
なる部分以外を溶剤可溶性レジスト層(第1のレジスト
層)10で覆う。第3図(d)にみるように、第2工程
で、部品端子が装着される導体回路部分をアルカリ可溶
性レジスト層(第2のレジスト層)11で覆う。第3図
(e)にみるように、第3工程で、両レジスト層10,1
1に覆われていない薄付銅層の上に電気めっきを行って
厚み30〜40μmとなるように厚付銅層3bを形成す
る。これにより、部品端子が装着される導体回路部分を
その周囲の導体回路部分よりへこませるようにする。第
3図(f)にみるように、第4工程で、水酸化ナトリウム
溶液にてアルカリ可溶性レジスト層11を除去する。こ
の際、溶剤可溶性レジスト層10は、アルカリ可溶性で
ないため、除去されずに残る。第3図(g)にみるよう
に、第5工程で、へこみ内面とその近傍を除いて溶剤可
溶性レジスト層(第3のレジスト層)12で覆う。第3
図(h)にみるように、第6工程で、電気めっきを行っ
て、溶剤可溶性レジスト層12で覆われていない部分を
ろう付け性の良い材料(この実施例では、はんだ)9で
覆う。第3図(i)にみるように、第7工程で、溶剤にて
溶剤可溶性レジスト層10,12を除去する。第3図
(j)にみるように、第8工程で、全面をエッチングして
導体回路以外の薄付銅層を除去する。
以上のようにすると、部品端子が装着される導体回路部
分がその周囲の導体回路部分よりへこんでいて、少なく
ともこのへこみ内面がろう付け性の良い材料で覆われて
いる印刷配線板を簡単に得ることができる。部品端子が
装着される導体回路部分とその周囲の導体回路部分との
段差は、第2の導体層の厚みを変えることで任意に設定
することができる。第1のレジスト層と第2のレジスト
層とは、材質を異ならせておく。このようにすれば、第
2のレジスト層を除去しても第1のレジスト層を残して
おくことができる。第1のレジスト層と第3のレジスト
層とは、同じ材質のものを使うようにしたほうがよい。
それは、第7工程でみるように、同じ除去液によって同
時に除去できるようになり、製造工程を減らすことがで
きるからである。
この発明にかかる印刷配線板の製法は、前記実施例に限
定されない。ろう付け性の良い材料としては、ろう材が
Sn−Pb系はんだである場合、ろう材と同じSn−P
b系はんだ,錫,金,銀などがある。ろう材は、溶融点
が450℃以上の硬ろう,450℃以下の軟ろう(いわ
ゆる、はんだ)に区別され、硬ろうの例として、銀ろ
う,ニッケルろうなどがあり、軟ろうの例として、Sn
−Pb系はんだ,Sn基板はんだ,In基はんだ,Al
用はんだなどがある。へこみ内面にろう付け性の良い材
料を形成するには、湿式および乾式めっきよる方法、ペ
ースト法に塗布する方法などがあり、特に限定されな
い。導体回路の材料としては、例えば、銅,ニッケル等
の金属、導電性塗料、カーボンなどがあり、導体であれ
ばこれも特に限定されない。第1の導体層は、無電解め
っきに限らず、イオンプレーティングやスパッタリング
などのPVD法によって形成するようにしてもよい。第
2の導体層も電気めっきに限らず、無電解めっき等の湿
式めっき法、イオンプレーティングやスパッタリング等
の乾式めっき法などによって形成するようにしてもよい
が、厚い導体層を形成する場合には、電気めっきによる
方法が安価で好ましい。第1の導体層の厚みは、0.5
〜10μmが好ましく、1〜3μmであればより好まし
い。第1のレジスト層と第2のレジスト層との形成順序
は、逆であっても同時であってもよい。第1と第2の導
体層の材質を異ならせるようにしてもよい。例えば、第
1の導体層にニッケルを、第2の導体層に銅を用いるよ
うにする。基板はガラス,紙などの基材にエポキシ樹脂
またはフェノール樹脂を含浸させたものやセラミックか
らなるものなどがあり、これも特に限定されない。その
他、導体回路は、部品端子の装着されない部分がへこん
でいてもかまわない。基板両面に導体回路が形成されて
いてもよい。
〔発明の効果〕
以上に述べてきたように、この発明の方法で得られる印
刷配線板は、部品端子が装着される導体回路部分がその
周囲の導体回路部分よりへこんでいるため、部品を実装
する際に部品端子の位置決まが容易で、位置精度が良
く、かつ、位置ずれを起こす恐れがないとともにコスト
をかけずに部品実装ができる。しかも、へこみ内面がろ
う付け性の良い材料で覆われているため、部品実装後に
おけるろう材の接合信頼性を高めることができる。これ
らのことによって、部品を実装する際の自動化を容易に
行わせることができるようになる。
この発明にかかる印刷配線板の製法によれば、以上のよ
うな印刷配線板を簡単に製造することができるようにな
る。また、部品端子が装着される導体回路部分とその周
囲の導体回路部分との段差を任意に設定することがで
き、段差を大きく付けることができるようになるため、
位置決めを容易にする効果の大きい印刷配線板を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の方法で得られる印刷配線板の一
例の一部をあらわす平面図、第1図(b)は(c)はそれぞれ
同上のA−A′断面図とB−B′断面図、第2図(a),
(b)はそれぞれこの発明にかかる印刷配線板の使用例を
あらわす平面図と断面図、第3図(a)〜(j)はそれぞれこ
の発明にかかる印刷配線板の製法の一実施例をあらわす
説明図、第4図は印刷配線板の従来例の一部をあらわす
断面図である。 1…基板 2…接着剤層 3…導体回路 3a…薄付銅
層(第1の導体層) 3b…厚付銅層(第2の導体層)
5…部品端子 7…部品端子が装着される導体回路部
分 8…はんだ(ろう付け性の良い材料) 10…溶剤
可溶性レジスト層(第1のレジスト層) 11…アルカ
リ可溶性レージスト層(第2のレジスト層) 12…溶
剤可溶性レジスト層(第3のレジスト層)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部品端子が装着される導体回路部分がその
    周囲の導体回路部分よりへこんでいて、少なくともこの
    へこみ内面がろう付け性の良い材料で覆われている印刷
    配線板を得る方法であって、基板上に第1の導体層を形
    成しておき、第1の導体層の導体回路となる部分以外を
    第1のレジスト層で覆うとともに部品端子が装着される
    導体回路部分を第2のレジスト層で覆い、両レジスト層
    に覆われていない前記第1の導体層の残部に第2の導体
    層を形成することにより部品端子が装着される導体回路
    部分をその周囲の導体回路部分よりへこませ、第2のレ
    ジスト層を除去するとともに少なくとも前記へこみ内面
    を除いて第3のレジスト層で覆った後、前記第3のレジ
    スト層で覆われていない部分をろう付け性の良い材料で
    覆い、第1および第3のレジスト層を除去して全面をエ
    ッチングし、導体回路以外の第1の導体層を除去するこ
    とを特徴とする印刷配線板の製法。
  2. 【請求項2】第1のレジスト層と第2のレジスト層の材
    質が異なっている特許請求の範囲第1項記載の印刷配線
    板の製法。
  3. 【請求項3】第1のレジスト層と第3のレジスト層の材
    質が同じである特許請求の範囲第1項または第2項記載
    の印刷配線板の製法。
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