JPH0692866B2 - 高周波加熱装置付冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は冷凍食品を解凍する高周波加熱装置付冷蔵庫に
関するものである。

従来の技術 近年、冷蔵庫に急速冷凍機能が付加されたことにより、
ホームフリージングが普及しつつある。しかしながら、
冷凍食品の解凍については、自然放置解凍，冷蔵庫の冷
蔵室放置解凍，電子レンジによる解凍がなされている
が、解凍時間，解凍品質の上で満足できるものではなか
った。

そこで、冷蔵庫内部に高周波発生装置を設置することに
よって、急速解凍を可能にする高周波解凍装置付冷蔵庫
が種々提案されている。

以下図面を参照しながら、上述した従来の高周波加熱装
置付冷蔵庫の一例について説明する。

第６図は従来の高周波加熱装置付冷蔵庫の断面図、第７
図は解凍室の断面図、第８図は解凍室の斜視図を示すも
のである。第６図において、１は冷蔵庫で冷蔵室２と冷
凍室３を有し、前記冷蔵室２内に高さ寸法に対して幅寸
法が大きい偏平な形状の解凍室４′を設置している。こ
の解凍室４′へのマイクロ波の供給は、前記冷蔵庫１の
底部にある機械室に設置された高周波発生装置５から伝
送線である導波管６を通して行なわれる。また、11は前
記冷蔵室２、前記冷凍室３及び前記解凍室４′に冷気を
強制対流させるファンモータである。

次に第７図，第８図において、前記解凍室４′は金属板
製で電波を反射する箱体12と周囲にフェライト10を埋設
した金属製の扉体13から構成されている。そして、前記
扉体13の前面内側には電波反射用の金属板９を貼り付け
ている。前記箱体12壁には前記導波管６によって導かれ
たマイクロ波を前記解凍室４′内に照射する給電口７と
前記箱体12背壁には前記ファンモータ11から強制対流さ
れた冷気を流入しマイクロ波は遮蔽する冷気流入孔8a,
前記箱体12天壁の前方には前記解凍室４′に流入した冷
気を流出しマイクロ波は遮蔽する冷気流出孔8bが設けら
れている。

以上のように構成された高周波加熱装置付冷蔵庫につい
て、以下その動作について説明する。

まず高周波発生装置５で発生したマイクロ波は、導波管
６を伝搬して解凍室４′に導かれ、給電口７より解凍室
４′内に照射され冷凍食品を解凍する。この時ファンモ
ータ11から強制対流された冷気を冷気流入孔8aから取入
れ、冷凍食品表面に吹き付けて過解凍を防止した後冷気
流出孔8bから排出する。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、解凍室形状が高さ
寸法に対して幅寸法が大きい偏平な形状であるため、給
電口直下の解凍室中央の電界分布が強く、冷凍食品を解
凍室中央に置くと過解凍に、また解凍室内の端に置くと
解凍不足になるというように、冷凍食品を置く位置によ
り解凍状態にバラツキが生じるとともに解凍ムラも生じ
るという問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み、冷凍食品を置く解凍室内の
位置による解凍状態のバラツキや解凍ムラのない高周波
加熱装置付冷蔵庫を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の高周波加熱装置付
冷蔵庫は、冷蔵庫内に設けられ、金属板製で電波を反射
する箱体と周囲にフェライト等の電波吸収体を埋設した
金属製の扉体から構成された電波遮蔽通風孔を有する高
さ寸法に対して幅寸法が大きい偏平な形状の解凍室と、
前記解凍室の前記箱体内に前記箱体と金属接触を保ちな
がら移動でき使用マイクロ波の半波長の整数倍の間隔で
固定することができる金属板製の可動壁を設け前記箱体
の前面内側に貼り付けた電波反射用の金属板という構成
を備えたものである。

作用 本発明は上記した構成によって、解凍する冷凍食品に適
した大きさに使用マイクロ波の半波長の整数倍間隔で解
凍室寸法を変えることにより、マイクロ波電力の損失な
く解凍室内の電界分布を均一化し、冷凍食品を置く位置
による解凍状態のバラツキや解凍ムラをなくすこととな
る。

実施例 以下本発明の一実施例の高周波加熱装置付冷蔵庫につい
て、図面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の実施例における高周波加熱装置付冷蔵
庫の断面図、第２図は解凍室の断面図、第３図は解凍室
の斜視図を示すものである。第１図において、１は冷蔵
庫で冷蔵室２と冷凍室３を有し、前記冷蔵室２内に高さ
寸法に対して幅寸法が大きい偏平な形状の解凍室４を設
置している。この解凍室４へのマイクロ波の供給は、前
記冷蔵庫１の底部にある機械室に設置された高周波発生
装置５から伝送線である導波管６を通して行なわれる。
また、11は前記冷蔵室2,前記冷凍室３及び前記解凍室４
に冷気を強制対流させるファンモータである。

次に第２図，第３図において、前記解凍室４は金属板製
で電波を反射する箱体12と周囲にフェライト10を埋設し
た金属製の扉体13から構成されている。前記箱体12内に
は、前記箱体12と金属接触を保ちながら使用マイクロ波
の半波長の整数倍の間隔で固定しながら移動することが
できる金属板製の可動壁14が設けられている。そして、
前記扉体13の前面内側には電波反射用の金属板９を貼り
付けている。前記箱体12壁には前記導波管６によって導
かれたマイクロ波を前記解凍室４内に照射する給電口７
と前記箱体12背壁には前記ファンモータ11から強制対流
された冷気を流入しマイクロ波は遮蔽する冷気流入孔8
a,前記箱体12天壁の前方には前記解凍室４に流入した冷
気を流出しマイクロ波は遮蔽する冷気流出孔8bが設けら
れている。

以上のように構成された高周波加熱装置付冷蔵庫につい
て、以下第１図、第２図，第３図，第４図及び第５図を
用いてその動作を説明する。

まず高周波発生装置５で発生したマイクロ波は、導波管
６を伝搬して解凍室４に導かれ、給電口７より解凍室４
内に照射され冷凍食品を解凍する。この時、冷凍食品が
小さければ可動壁14を移動させて解凍室４の内容積を小
さくし、第４図に示すように冷凍食品に適する解凍室４
寸法にすることにより解凍室４内壁によりマイクロ波の
反射が活発になり、冷凍食品底部へのマイクロ波の回り
込みが行なわれ解凍ムラが生じない。ここで、第５図に
示すように可動壁14は箱体12と金属接触を保ちながらλ
/2（λ：使用マイクロ波長）の整数倍の間隔で固定でき
るので、マイクロ波の反射によって生ずる定在波を乱す
ことがなく、従って損失が生じない。

以上のように本実施例によれば、冷蔵庫１内に設けられ
金属板製で電波を反射する箱体12と周囲にフェライト10
を埋設した金属製の扉体13から構成され、箱体12内に箱
体12と金属接触をたもちながら使用マイクロ波の半波長
の整数倍の間隔で固定しながら移動することができる金
属板製の可動壁14を設けることにより、解凍する冷凍食
品に適した大きさに使用マイクロ波の半波長の整数倍間
隔で解凍室４内寸法を変え、マイクロ波電力の損失なく
マイクロ波の反射を活発化させ電界分布を均一化し、冷
凍食品を置く位置による解凍状態のバラツキや解凍ムラ
をなくすることができる。

尚、実施例において可動壁14は１個としたが、給電口７
が解凍室４天面中央にある場合２個としてもよい。

発明の効果 以上のように本発明は、冷蔵庫内に設けられ金属板製で
電波を反射する箱体と周囲にフェライト等の電波吸収体
を埋設した金属製の扉体から構成され、箱体内に箱体と
金属接触を保ちながら移動でき使用マイクロ波の半波長
の整数倍の間隔で固定することができる金属板製の可動
壁を設けることにより、解凍する冷凍食品の大きさに応
じて解凍室内寸法を使用マイクロ波の半波長の整数倍の
間隔で変えることができ、マイクロ波電力の損失なく、
また可動壁が金属板製であるため電波漏洩もなく、解凍
室内のマイクロ波の反射・散乱を活発化させ電界分布を
均一化し、冷凍食品を置く位置による解凍状態のバラツ
キや解凍ムラのない解凍を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例における高周波加熱装置
付冷蔵庫の断面図、第２図は第１図の解凍室の断面図、
第３図は第１図の解凍室の斜視図、第４図は可動壁を移
動した時の解凍室の断面図、第５図は可動壁を移動させ
る前後の解凍室内定在波図、第６図は従来の高周波加熱
装置付冷蔵庫の断面図、第７図は第６図の解凍室の断面
図、第８図は第６図の解凍室の斜視図である。 ４……解凍室、５……高周波発生装置、６……導波管、
8a……冷気流入孔、8b……冷気流出孔、９……電波反射
用金属板、10……フェライト、12……箱体、13……扉
体、14……可動壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷蔵庫外に設けた高周波発生装置と、冷蔵
   庫内に設けられ金属板製で電波を反射する箱体と、周囲
   に電波吸収体を埋設した金属製の扉体とから構成された
   電波遮蔽通風孔を有する高さ寸法に対して幅寸法が大き
   い偏平な形状の解凍室と、前記高周波発生装置から前記
   解凍室へマイクロ波を導く伝送線と、前記解凍室の前記
   箱体内に前記箱体と金属接触を保ちながら移動でき使用
   マイクロ波の半波長の整数倍の間隔で固定することがで
   きる金属板製の可動壁と、前記箱体の前面開口に面した
   前記扉体内側に貼り付けた電波反射用の金属板とを備え
   た高周波加熱装置付冷蔵庫。