JPS6235031B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冷凍冷蔵庫の冷蔵室内に高周波誘電
加熱による解凍室を配設した解凍室付冷蔵庫に関
する。

最近、冷凍技術の進歩に伴ない一般家庭用にお
ける食品の冷凍保存化が普及してきている。

ところで、上記冷凍食品の解凍に際しては、普
通冷凍食品を冷蔵室内に移し、冷蔵温度での解凍
を行なうことが知られているが、これでは解凍に
長時間を要する等の不都合がある。一方、上記解
凍を電子レンジで行なえば簡単にまた比較的確実
に行なうことができるが、冷凍食品の形状によつ
ては加熱むらが生じ、表面の一部のみが過度に加
熱され食品の鮮度を低下させてしまうため解凍後
の食品を冷蔵室で保存することが難かしかつた。
またさらに、冷蔵庫内に電気ヒータを利用した解
凍室を設け、解凍後は食品をそのまゝ保存するよ
うに構成するものも検討されているが、解凍室内
の空気が高温度となり、冷蔵室全体がこの熱的影
響を受けてしまい、冷蔵室の冷却劣化を来たすと
いう欠点があつた。本発明はこのような欠点を解
決すべくなされたものであり、高周波誘電加熱に
よる解凍室を冷蔵室内に組み込み、冷凍食品の解
凍を簡単に確実にしかもその鮮度を損なうことな
く行なうことができ、しかもそのまゝ冷蔵保存が
可能であるとともに解凍時において冷蔵室内への
熱的影響を及ぼすこともない解凍室付冷蔵庫を提
供することを目的とする。

以下本発明の一実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は、前面扉を省略した状態を示す解凍室
付冷凍冷蔵庫の斜視図であつて、上記冷蔵庫の本
体１内区画壁２によつて上部に冷凍室３を、また
下部に冷蔵室４をそれぞれ形成している。上記冷
凍室３の内周壁面には、第２図に示すように冷凍
室用冷却器５を配設し、一方冷蔵室４内の上部後
方には冷蔵室用冷却器６を配設している。

ところで、上記冷蔵室４内には、その上部一側
方に解凍室７を装着している。この解凍室７の外
箱８内には加熱室９を区画形成しており、この加
熱室９の前面開口部には開閉扉１０を設けてい
る。そしてこの加熱室９の前面上部にはタイマ等
の操作スイツチ１１を設置している。

また、上記加熱室９には一端を密封した導波管
１２の他端が開口せしめられており、その導波管
１２は冷蔵庫の後壁１ａを貫通して本体１の背面
に突設している。上記導波管１２が貫通している
後壁１ａの外面には凹部１３が形成され、その凹
部１３内に高周波発生装置となすマグネトロン１
４を配設しており、このマグネトロン１４のドー
ム１４ａが前記導波管１２内に突設している。ま
た前記解凍室７の外箱８の前記冷蔵室用冷却器６
と対向する壁面および加熱室９の周壁面には電波
遮へい通気孔であるパンチングホール１５を形成
している。

一方、冷蔵庫本体１の背面下部には圧縮機１
６、蒸発皿１７と蒸発皿加熱用の補助凝縮器１８
ならびに前記高周波発生装置用のトランス等の電
源回路部品（図示せず）等を配設した機械室１９
を形成している。さらに本体１の背面には、前記
機械室１９の後面を含めた背面の略全域を覆い、
内側を煙突作用をなすダクトを構成する覆板２０
が形成している。そしてこの覆板２０の内側面に
は蛇行状をなす主凝縮器２１を配設している。な
おこの機械室１９の前面部には空気吸込口２２、
覆板２０上部には空気排気口２３を形成し、前記
ダクトを連通するように構成している。

しかして、通常時においては冷凍室３内に収納
した食品類は、冷凍室用冷却器５によつて冷凍保
存され、冷蔵室４内の食品類は冷蔵室用冷却器６
によつて冷蔵保存される。この場合、解凍室７の
加熱室９はパンチングホール１５によつて冷蔵室
４内と連通しているので、上記加熱室９内も低温
に維持されており、かつ上部より直接冷却器６か
らの冷気を導入するため、一つの区画された低温
貯蔵室として使用することができる。

ところで、冷凍食品の解凍に際しては、冷凍食
品を加熱室９内に入れ、操作スイツチ１１を作動
せしめると、マグネトロン１４から発振された高
周波が導波管１２内を通つて加熱室９内の冷凍食
品に照射され、この冷凍食品の解凍が行なわれ
る。一方このとき加熱室９内には通常時と同様に
冷蔵室４内の冷気がパンチングホール１５を経て
流入しているので、被解凍食品の周囲は冷気雰囲
気状態にあり、食品の表面温度上昇が抑制され、
被解凍食品はその内部と表面がほゞ同様に加熱さ
れ均一な解凍が行なわれる。

また、このマグネトロン１４の発振中にこのマ
グネトロン１４と機械室１９内に配設したトラン
ス等から発生する熱は、本体１の底部と背面に形
成した機械室１９と覆板２０内側のダクト内に放
出される。そしてこのダクト内に放熱した空気は
同じくダクト内に配設される冷凍サイクルの圧縮
機１６および主凝縮器１８からの放熱とともに空
気吸入口２２から吸引された空気と熱交換し、こ
の暖たまつた空気がダクト内を上昇する煙突作用
を利用して空気排出口２３から外部に放出させて
いる。

なお、上記した主凝縮器２１は覆板２０に密着
させたものに限定されるものではなく、ダクト内
に介在されていれば、他の構成のものでも同様な
作用を得ることが可能である。

以上説明したように、本発明においては、解凍
室の加熱室を冷蔵室内に配設するとともに、その
加熱室と冷蔵室内とを連通状態としたので、通常
時においては上記加熱室を低温冷蔵室として使用
することができ、一方冷凍食品の解凍時において
は、被解凍食品が冷気雰囲気中で高周波によつて
加熱解凍されるので被解凍食品の内外が均一にか
つ急速に解凍され、被解凍食品の新鮮度を維持せ
しめることができる。しかも解凍中も加熱室内自
体は加熱による高温度とならないため、冷蔵室内
が温度上昇することもなく、通常の冷蔵保存をす
ることができ、さらに被解凍食品は解凍後その
まゝ冷蔵保存させることもできる。また、高温発
熱体であるマグネトロン等は本体背面の機械室を
含めたほゞ全域を覆うダクト内に配設させている
ため、煙突作用を利用して放熱を効果的に行なえ
るとともに、冷蔵庫本体を大きくすることもなく
解凍室を形成させ得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷蔵庫の前面扉を除去した状
態を示す斜視図、第２図は本発明の解凍室付冷蔵
庫の縦断側面図である。 １…本体、３…冷凍室、４…冷蔵室、６…冷蔵
室冷却器、７…解凍室、９…加熱室、１２…導波
管、１４…マグネトロン、１５…パンチングホー
ル、１９…機械室、２０…覆板、２１…主凝縮
器、２２…空気吸入口、２３…空気排出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷蔵室内の上部後方に配設した冷却器と、こ
   の冷却器の下方に設けられかつ壁面に冷蔵室内と
   連通する電波遮へい通気孔を有する解凍室と、冷
   蔵庫本体背面に形成し本体下部の機械室を含めた
   ダクトを構成する覆板とこのダクトを構成する空
   気通路内に配設した凝縮器と、冷蔵庫本体背面の
   ダクト内に臨んで形成した高周波発生装置と、こ
   の高周波発生装置と前記解凍室とを連通させる導
   波管とを具備してなる解凍室付冷蔵庫。