JPH0692702A - コンクリートの塩害防止用化学混和剤 - Google Patents
コンクリートの塩害防止用化学混和剤Info
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- JPH0692702A JPH0692702A JP20419192A JP20419192A JPH0692702A JP H0692702 A JPH0692702 A JP H0692702A JP 20419192 A JP20419192 A JP 20419192A JP 20419192 A JP20419192 A JP 20419192A JP H0692702 A JPH0692702 A JP H0692702A
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- concrete
- suppressing
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/20—Resistance against chemical, physical or biological attack
- C04B2111/24—Sea water resistance
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、セメントの水和反応における塩素イ
オンの活動を抑制するための化学混和剤の提案で、これ
によってコンクリート中の鉄筋の腐食を防止し、塩分環
境下におけるコンクリート構築物の耐久性を向上し、又
海砂・海砂利の安全使用を可能にすることを目的として
なされたものである。 【構成】塩素イオンの活動抑制作用を有するものとし
て、グリシン(アミノ酸の一種)と硝酸バリウム及び硝
酸ストロンチゥムを選び、之等の物質を単独又は混合し
てセメントの C3Aに対してそれぞれ 3wt%乃至
10wt% 添加できる様に、練りまぜ水に予め溶解し
て用いると、所期の防錆効果が得られる。この判定のた
めに、モノサルフェートの AFm相への転化抑制速度
を測定して確かめた。 【効果】本発明の適用によって、これまでとかく危惧さ
れてきた海砂・海砂利の使用も充分可能となり、更に厳
しい塩分環境下におけるコンクリート構築物の耐塩害耐
久性が向上する。
オンの活動を抑制するための化学混和剤の提案で、これ
によってコンクリート中の鉄筋の腐食を防止し、塩分環
境下におけるコンクリート構築物の耐久性を向上し、又
海砂・海砂利の安全使用を可能にすることを目的として
なされたものである。 【構成】塩素イオンの活動抑制作用を有するものとし
て、グリシン(アミノ酸の一種)と硝酸バリウム及び硝
酸ストロンチゥムを選び、之等の物質を単独又は混合し
てセメントの C3Aに対してそれぞれ 3wt%乃至
10wt% 添加できる様に、練りまぜ水に予め溶解し
て用いると、所期の防錆効果が得られる。この判定のた
めに、モノサルフェートの AFm相への転化抑制速度
を測定して確かめた。 【効果】本発明の適用によって、これまでとかく危惧さ
れてきた海砂・海砂利の使用も充分可能となり、更に厳
しい塩分環境下におけるコンクリート構築物の耐塩害耐
久性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セメントの水和反応
における塩素イオンのイオンとしての活動を抑制して、
コンクリート中の鉄筋・鋼材の防錆効果を高めるための
コンクリートの塩害防止用化学混和剤に関するもので、
塩分環境下のコンクリート駆体の耐久性を向上し、又コ
ンクリート配合への海砂・海砂利等の安全利用を可能に
しようとする提案である。
における塩素イオンのイオンとしての活動を抑制して、
コンクリート中の鉄筋・鋼材の防錆効果を高めるための
コンクリートの塩害防止用化学混和剤に関するもので、
塩分環境下のコンクリート駆体の耐久性を向上し、又コ
ンクリート配合への海砂・海砂利等の安全利用を可能に
しようとする提案である。
【0002】
【従来の技術】塩化物がコンクリート中に大量に含まれ
ると、コンクリート中の鉄筋の腐食が促進され構造物の
耐久性が損われる。特に塩化ナトリウムはアルカリ骨材
反応を促進する原因ともなるので、JIS A 530
8「レデーミックストコンクリート」の運用において
は、海砂等の細骨材の水洗の徹底、化学混和剤や練りま
ぜ水の塩素イオン含有量に至るまで管理を行って、コン
クリート中の塩化物量について総量規制(0.30kg
/M3以下)を設けている。
ると、コンクリート中の鉄筋の腐食が促進され構造物の
耐久性が損われる。特に塩化ナトリウムはアルカリ骨材
反応を促進する原因ともなるので、JIS A 530
8「レデーミックストコンクリート」の運用において
は、海砂等の細骨材の水洗の徹底、化学混和剤や練りま
ぜ水の塩素イオン含有量に至るまで管理を行って、コン
クリート中の塩化物量について総量規制(0.30kg
/M3以下)を設けている。
【0003】更に、鉄筋腐食を抑制する対策として、
低W/C比の採用 鉄筋のかぶり厚の増加 鉄筋の
表面被覆(エポキシ樹脂、亜鉛メッキ等)コンクリー
ト表面の塗装 配合時に亜硝酸塩を主とする防錆剤の
添加 などの諸対策を挙げ、これによって塩害が防止で
きるとされている。しかしながら、上記諸対策を確実に
実施することは必ずしも容易ではなく、作業性の低下や
施工コストの上昇を招いたりする。
低W/C比の採用 鉄筋のかぶり厚の増加 鉄筋の
表面被覆(エポキシ樹脂、亜鉛メッキ等)コンクリー
ト表面の塗装 配合時に亜硝酸塩を主とする防錆剤の
添加 などの諸対策を挙げ、これによって塩害が防止で
きるとされている。しかしながら、上記諸対策を確実に
実施することは必ずしも容易ではなく、作業性の低下や
施工コストの上昇を招いたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の塩
害対策はコンクリート駆体中への塩分量を規制するか、
又はコンクリート駆体中への塩分の侵入を妨害したり、
防止する物理的手法が多く、又防錆剤としても亜硝酸塩
を主としたもので電気化学的腐食反応抑制効果を狙った
ものである。本発明はセメントの水和反応に直接関与し
て塩害の根本原因である塩素イオンそのものの活動を抑
制することによって、鉄筋の腐食を防止しようとするも
ので、この様な試みはこれまで行われたことはない。
害対策はコンクリート駆体中への塩分量を規制するか、
又はコンクリート駆体中への塩分の侵入を妨害したり、
防止する物理的手法が多く、又防錆剤としても亜硝酸塩
を主としたもので電気化学的腐食反応抑制効果を狙った
ものである。本発明はセメントの水和反応に直接関与し
て塩害の根本原因である塩素イオンそのものの活動を抑
制することによって、鉄筋の腐食を防止しようとするも
ので、この様な試みはこれまで行われたことはない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、セメントの水
和反応における塩素イオンのイオンとしての挙動を抑制
するための化学混和剤として、アミノ酸として最も低分
子量であるグリシン(H2N・CH2・COOH)及び
アルカリ土類金属の硝酸塩例えば硝酸バリウム(Ba
(NO3)2)、硝酸ストロンチゥム(Sr(NO3)
2)が有効であることを見出した。研究の成果の一部は
第46回セメント技術大会(1992.5.20) 及
び日本セラミック協会講演会(1992.5.22)に
おいて発表した。
和反応における塩素イオンのイオンとしての挙動を抑制
するための化学混和剤として、アミノ酸として最も低分
子量であるグリシン(H2N・CH2・COOH)及び
アルカリ土類金属の硝酸塩例えば硝酸バリウム(Ba
(NO3)2)、硝酸ストロンチゥム(Sr(NO3)
2)が有効であることを見出した。研究の成果の一部は
第46回セメント技術大会(1992.5.20) 及
び日本セラミック協会講演会(1992.5.22)に
おいて発表した。
【0006】グリシンも硝酸バリウム、硝酸ストロンチ
ゥムも水溶性であるので取扱いは容易であり、之等をそ
れぞれ単独に又は混合して、その所用量を予め溶解した
練りまぜ水に用いて混練すると、コンクリートのすべて
の部分で塩素イオンの挙動抑制が均一に働く。
ゥムも水溶性であるので取扱いは容易であり、之等をそ
れぞれ単独に又は混合して、その所用量を予め溶解した
練りまぜ水に用いて混練すると、コンクリートのすべて
の部分で塩素イオンの挙動抑制が均一に働く。
【0007】
【作 用】ポルトランドセメントの主要な組成鉱物には
C3S,βC2S,C3A,C4AF,CaSO4・2
H2O等があるがこの内、塩害の元であるNaCl・M
gCl2のCl−と大きく関与するものはC3A及びC
aSO4・2H2Oである。通常ポルトランドセメント
中にC3Aは5%〜14%程度存在し、又CaSO4・
2H2Oは3%程度混合されており、水和反応において
C3A・3CaSO4・32H2O(エトリンガイト)
が生成する。この時,NaClやMgCl2が存在する
とエトリンガイトのSO4 −−がCl−に次第に置換さ
れていく。又C3A・CaSO4・12H2O(モノサ
ルフェート)の場合も全く同様にCl−によってフリー
デル氏塩即ちC3A・CaCl2・10H2Oのタイプ
のAFm相へと転化していく。
C3S,βC2S,C3A,C4AF,CaSO4・2
H2O等があるがこの内、塩害の元であるNaCl・M
gCl2のCl−と大きく関与するものはC3A及びC
aSO4・2H2Oである。通常ポルトランドセメント
中にC3Aは5%〜14%程度存在し、又CaSO4・
2H2Oは3%程度混合されており、水和反応において
C3A・3CaSO4・32H2O(エトリンガイト)
が生成する。この時,NaClやMgCl2が存在する
とエトリンガイトのSO4 −−がCl−に次第に置換さ
れていく。又C3A・CaSO4・12H2O(モノサ
ルフェート)の場合も全く同様にCl−によってフリー
デル氏塩即ちC3A・CaCl2・10H2Oのタイプ
のAFm相へと転化していく。
【0008】海洋環境下や融氷、融雪、凍結防止剤の撒
布、海砂・海砂利の利用、大量の塩化物を含有する混和
剤の使用の条件下では、コンクリート硬化体内にCl−
が侵入、導入されることになり、上記AFm相が生成し
Cl−はこの化合物の中に固定化される。侵入又は導入
されたCl−がすべてフリーデル氏塩として固定されて
しまえば鉄筋、鋼材の腐食は一応防止されることになる
が、この反応がセメント中のC3Aの存在量のみに依存
している限り、全部のCl−を取り込み固定化すること
はできない。又、実際コンクリート駆体中ではフリーデ
ル氏塩への転化は必ずしも充分速やかに進行しない。一
方、セメント製造時にC3Aの生成量を増加することも
提案されているが現実的ではない。この様な条件の下で
は未反応の余分なCl−は外部からの酸素や水の作用と
あいまって鉄筋表面の不働態膜を局部的に破壊し又、そ
の修復、再生を妨害し腐食が進行する。
布、海砂・海砂利の利用、大量の塩化物を含有する混和
剤の使用の条件下では、コンクリート硬化体内にCl−
が侵入、導入されることになり、上記AFm相が生成し
Cl−はこの化合物の中に固定化される。侵入又は導入
されたCl−がすべてフリーデル氏塩として固定されて
しまえば鉄筋、鋼材の腐食は一応防止されることになる
が、この反応がセメント中のC3Aの存在量のみに依存
している限り、全部のCl−を取り込み固定化すること
はできない。又、実際コンクリート駆体中ではフリーデ
ル氏塩への転化は必ずしも充分速やかに進行しない。一
方、セメント製造時にC3Aの生成量を増加することも
提案されているが現実的ではない。この様な条件の下で
は未反応の余分なCl−は外部からの酸素や水の作用と
あいまって鉄筋表面の不働態膜を局部的に破壊し又、そ
の修復、再生を妨害し腐食が進行する。
【0009】本発明は上記の余分なCl−のイオンとし
ての活動を抑制する手段として、グリシン又は硝酸バリ
ウム、硝酸ストロンチウムを選択した。グリシンをC3
Aに対して3wt%乃至10wt%添加して混練したセ
メント硬化体は海水中においても前記AFm相への転化
が著しく抑制されることを確認した。又、硝酸バリウム
をC3Aに対して3wt%乃至10wt%添加して作製
したセメント硬化体においてもグリシンの場合と同様に
AFm相への転化の速度が著く抑制されることを確認
した。硝酸ストロンチゥムでも同じ効果が期待できる。
このことはセメント硬化体に接触する海水中のイオンと
しての塩素分が減少したとみることができ、従って鉄筋
腐食防止の効果が現われるのである。
ての活動を抑制する手段として、グリシン又は硝酸バリ
ウム、硝酸ストロンチウムを選択した。グリシンをC3
Aに対して3wt%乃至10wt%添加して混練したセ
メント硬化体は海水中においても前記AFm相への転化
が著しく抑制されることを確認した。又、硝酸バリウム
をC3Aに対して3wt%乃至10wt%添加して作製
したセメント硬化体においてもグリシンの場合と同様に
AFm相への転化の速度が著く抑制されることを確認
した。硝酸ストロンチゥムでも同じ効果が期待できる。
このことはセメント硬化体に接触する海水中のイオンと
しての塩素分が減少したとみることができ、従って鉄筋
腐食防止の効果が現われるのである。
【0010】グリシンと硝酸バリウムとではCl−の抑
制機構は若干異なる。グリシンはH2N・CH2・CO
OHなる化学構造を有し、酸としても塩基としても作用
でき、C3Aに化学吸着されて相間化合物を形成し、そ
のとき同時にCl−も固定することができるので、本来
のCl−の活動を抑制することになる。一方、硝酸バリ
ウムの場合はCl−を BaCl2として取込むので硫
酸バリウム(BaSO4)生成下ではCl−が共通イオ
ン効果から減少する。
制機構は若干異なる。グリシンはH2N・CH2・CO
OHなる化学構造を有し、酸としても塩基としても作用
でき、C3Aに化学吸着されて相間化合物を形成し、そ
のとき同時にCl−も固定することができるので、本来
のCl−の活動を抑制することになる。一方、硝酸バリ
ウムの場合はCl−を BaCl2として取込むので硫
酸バリウム(BaSO4)生成下ではCl−が共通イオ
ン効果から減少する。
【0011】グリシン又は硝酸バリウムはその添加量を
増加するとCl−の活動抑制効果も増進するが、セメン
ト中のC3Aを基準として、その3wt%乃至10wt
%の範囲の添加で充分である。通常のポルトランドセメ
ントは約5%〜14%のC3Aを含有しているのでセメ
ントに対して0.15wt%乃至1.4wt%の添加量
ということになり、コスト上も余り問題はない。
増加するとCl−の活動抑制効果も増進するが、セメン
ト中のC3Aを基準として、その3wt%乃至10wt
%の範囲の添加で充分である。通常のポルトランドセメ
ントは約5%〜14%のC3Aを含有しているのでセメ
ントに対して0.15wt%乃至1.4wt%の添加量
ということになり、コスト上も余り問題はない。
【0012】既に塩害を受けている構築物の修理におい
て、グリシンや硝酸バリウムの注入を従来の方法と併用
すると、より一層防錆の効果が期待できる。
て、グリシンや硝酸バリウムの注入を従来の方法と併用
すると、より一層防錆の効果が期待できる。
【0013】
【実施例 1】合成C3AにCaSO4・2H2Oを2
0wt%混合し、水固体比0.65で混練し 7日材令
の硬化体を 200メッシュ以下に粉砕した後、メタノ
ール,アセトンで水和反応を停止させたものを基準試料
とした。一方、グリシンの水溶液を練りまぜ水として同
様に硬化体試料を作成した。グリシンの添加量は C3
Aの 5wt%とした。之等の硬化体は C3A・Ca
So4・12H2O(モノサルフェート) が優勢に生
成されている。疑似海水としてNaCl27.4g/
l,MgCl25.06g/lの混合溶液を作製し、2
5℃の疑似海水100ml中に前記モノサルフェート硬
化体試料2gを分散させ、一定時間撹拌した後、固液分
離し、固相はXRDによって水和生成物を固定した。そ
の結果を第1図に示す。第1図からグリシン5%の添加
によって、基準試料と比較すると AFm相 即ち C
3A・CaCl2・10H2Oへの転化が著しく抑制さ
れていることがわかる。このことはグリシンの添加がC
l−のイオンとしての働きが抑制されることを意味する
ものである。
0wt%混合し、水固体比0.65で混練し 7日材令
の硬化体を 200メッシュ以下に粉砕した後、メタノ
ール,アセトンで水和反応を停止させたものを基準試料
とした。一方、グリシンの水溶液を練りまぜ水として同
様に硬化体試料を作成した。グリシンの添加量は C3
Aの 5wt%とした。之等の硬化体は C3A・Ca
So4・12H2O(モノサルフェート) が優勢に生
成されている。疑似海水としてNaCl27.4g/
l,MgCl25.06g/lの混合溶液を作製し、2
5℃の疑似海水100ml中に前記モノサルフェート硬
化体試料2gを分散させ、一定時間撹拌した後、固液分
離し、固相はXRDによって水和生成物を固定した。そ
の結果を第1図に示す。第1図からグリシン5%の添加
によって、基準試料と比較すると AFm相 即ち C
3A・CaCl2・10H2Oへの転化が著しく抑制さ
れていることがわかる。このことはグリシンの添加がC
l−のイオンとしての働きが抑制されることを意味する
ものである。
【0014】
【実施例 2】AFm相 転化抑制のために、本例では
C3Aに対して20wt%のセッコウ(CaSO4・2
H2O)を混合した後、硝酸バリウムをC3Aに対して
5wt%及び10wt%添加して硬化体試料を作製し、
実施例−1と同様疑似海水中に分散させて時間の経過と
C3A・CaCl2・10H2OXRD強度の関係を追
跡して第2図を得た。この図から、硝酸バリウム無添加
の場合に比べて硝酸バリウムを5wt%,10wt%添
加した試料はC3A・CaCl2・10H2Oの生成が
極めて小さく、充分Cl−イオンの働きの抑制効果のあ
ることが確認された。
C3Aに対して20wt%のセッコウ(CaSO4・2
H2O)を混合した後、硝酸バリウムをC3Aに対して
5wt%及び10wt%添加して硬化体試料を作製し、
実施例−1と同様疑似海水中に分散させて時間の経過と
C3A・CaCl2・10H2OXRD強度の関係を追
跡して第2図を得た。この図から、硝酸バリウム無添加
の場合に比べて硝酸バリウムを5wt%,10wt%添
加した試料はC3A・CaCl2・10H2Oの生成が
極めて小さく、充分Cl−イオンの働きの抑制効果のあ
ることが確認された。
【第1図】は本発明の実施例1におけるグリシン 5%
添加硬化体と、無添加硬化体の中のモノサルフェート
(C3A・CaSO4・12H2O)が疑似海水中にお
いて AFm相(C3A・CaCl2・10H2O)へ
転化する様子をXRDの強度測定によって追跡したもの
で、横軸は硬化体試料の疑似海水中への分散時間、縦軸
は固相の XRD強度である。グリシン添加の場合は無
添加の場合に比べて AFm相への転化が著しく抑制さ
れる即ち、疑似海水中の塩素イオンの内、反応活性なイ
オンとして働く部分がグリシンと共に相間化合物として
固定され、活性イオンが減少していることを示す。
添加硬化体と、無添加硬化体の中のモノサルフェート
(C3A・CaSO4・12H2O)が疑似海水中にお
いて AFm相(C3A・CaCl2・10H2O)へ
転化する様子をXRDの強度測定によって追跡したもの
で、横軸は硬化体試料の疑似海水中への分散時間、縦軸
は固相の XRD強度である。グリシン添加の場合は無
添加の場合に比べて AFm相への転化が著しく抑制さ
れる即ち、疑似海水中の塩素イオンの内、反応活性なイ
オンとして働く部分がグリシンと共に相間化合物として
固定され、活性イオンが減少していることを示す。
【第2図】は本発明の実施例2における硝酸バリウム
(Ba(NO3)2)5%及び10%添加硬化体と、無
添加硬化体の中のモノサルフェート(C3A・CaSO
4・12H2O)が疑似海水中において AFm相(C
3A・CaCl2・10H2O)へ転化する様子を X
RDの強度測定によって追跡したものである。その結
果、硫酸バリウムの生成によって硝酸バリウム硬化体の
モノサルフェートは、何れも殆ど AFm相(C3A・
CaCl2・10H2O)へ転化しないことを示してい
る。
(Ba(NO3)2)5%及び10%添加硬化体と、無
添加硬化体の中のモノサルフェート(C3A・CaSO
4・12H2O)が疑似海水中において AFm相(C
3A・CaCl2・10H2O)へ転化する様子を X
RDの強度測定によって追跡したものである。その結
果、硫酸バリウムの生成によって硝酸バリウム硬化体の
モノサルフェートは、何れも殆ど AFm相(C3A・
CaCl2・10H2O)へ転化しないことを示してい
る。
Claims (1)
- 【請求項1】セメント・コンクリートを混練するに当
り、配合セメント中のC3Aの3wt%乃至10wt%
に相当する量を添加することによって、コンクリート駆
体中の鉄筋・鋼材の腐食の防止を可能とするグリシン
(アミノ酸の一種)、又は硝酸バリウム、又はグリシン
と硝酸バリウムの混合物からなるコンクリートの塩害防
止用化学混和剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20419192A JPH0692702A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | コンクリートの塩害防止用化学混和剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20419192A JPH0692702A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | コンクリートの塩害防止用化学混和剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692702A true JPH0692702A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=16486342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20419192A Pending JPH0692702A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | コンクリートの塩害防止用化学混和剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692702A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2290308A (en) * | 1994-06-14 | 1995-12-20 | British Ceramic Res Ltd | Decorative material |
CN102190455A (zh) * | 2010-03-12 | 2011-09-21 | 中国科学院金属研究所 | 一种掺入型非亚硝酸盐基混凝土钢筋阻锈剂 |
CN102190454A (zh) * | 2010-03-12 | 2011-09-21 | 中国科学院金属研究所 | 一种掺入型全有机混凝土钢筋阻锈剂 |
CN104230197A (zh) * | 2014-09-10 | 2014-12-24 | 江苏名和集团有限公司 | 一种用于混凝土的氨稳定剂 |
CN110697744A (zh) * | 2019-09-16 | 2020-01-17 | 中国电力科学研究院有限公司 | 一种Ba2+干预利用AFt制备AFm-OH的方法 |
CN115490477A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-12-20 | 海南省智慧环境投资控股有限公司 | 一种建筑用海砂砂浆及其制备方法 |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP20419192A patent/JPH0692702A/ja active Pending
Cited By (9)
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