JP2939490B2 - 鉄筋コンクリートの錆抑止方法 - Google Patents
鉄筋コンクリートの錆抑止方法Info
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Description
ト特に塩分を含む鉄筋コンクリートの錆抑止方法に関す
る。
を含む原料(たとえば、海砂)を配合したコンクリート
混練物を用いて打設することがよく行われてきた。そこ
で問題となるのが、硬化後における塩分による鉄筋の腐
食であり、以前よりその防錆あるいは錆抑止手段として
亜硝酸塩が利用されていることはよく知られている。
つの方法が有り、一つはコンクリート原料を混練するさ
い、適量の亜硝酸塩を混入し成形する方法であり、もう
一つは既製のコンクリート表面に亜硝酸塩処理をし含浸
させる方法である。
れている鉄筋は既にある程度の錆が発生しているため、
それ以上の錆の進行を抑止し、もってコンクリートの強
度その他の特性劣化を防ぐということになる。
塩、炭酸塩などの無機塩類の水溶液を塗布し含浸させる
という方法である。さらに改良を加えた方法として含浸
させた亜硝酸塩溶液の飛散を防止するために、前記塗布
後にスチレンブタジエンゴムディスパージョン、酢酸ビ
ニル系エマルジョンなどの高分子化合物を用いたポリマ
ーセメント組成物を上塗りし硬化させる方法がある(特
開昭60−204683)。
に示した改良方法が優れているが、それでも錆抑止能は
表1にも示すとおり決して十分なものとはいえず、より
一層の錆抑止改良技術の開発が待たれていた。
硝酸塩を中心に錆の進行抑止について、より効果的な方
法を検討した結果、亜硝酸塩として亜硝酸リチウムを使
用し、さらに、前記従来法で使用されていたポリマーセ
メント組成物にも亜硝酸リチウムを組み合わせると、予
想しえない顕著な効果を発揮することを知見して、以下
に詳述する発明を導いた。
リートに亜硝酸リチウム溶液を塗布し、含浸させたの
ち、ポリマーセメント組成物を上塗りする鉄筋コンクリ
ートの錆抑止方法において、該ポリマーセメント組成物
に対して亜硝酸リチウムを混合してなる鉄筋コンクリー
トの錆抑止方法である。
は、硬化した鉄筋コンクリート表面に亜硝酸リチウムを
混合したポリマーセメント組成物を上塗りすることによ
って、内蔵する鉄筋表面に亜硝酸リチウムを作用させ、
錆抑止効果を向上させた点に特徴がある。
位置が決められており、したがって各鉄筋と上塗りされ
た亜硝酸リチウム混合ポリマーセメント組成物との距離
はまちまちである。ところで、一般の鉄筋コンクリート
は、構造上最外殻(たとえば鉄筋コンクリート柱を断面
で見たとき)に配された鉄筋が強度を保持する上で重要
であることから、その鉄筋の劣化原因である錆の進行を
抑止しうる位置に該ポリマーセメント組成物を処置する
必要がある。
題となる。その厚さは概ね2−3cmであり、本発明は
そのような位置の鉄筋の保護を主な狙いとしたものであ
る。もとより最外殼鉄筋より深奥に配された鉄筋であっ
ても、適宜ポリマーセメント組成物に混合する亜硝酸リ
チウム濃度を高めることによって、効果的に抑止でき
る。
が、たとえ異形鉄筋が用いられた既製コンクリートであ
っても、亜硝酸リチウムは鉄筋の裏側へ回り込み、鉄筋
表面全体の錆の進行を抑止する。以上については、もと
より鉄筋コンクリート表面に直接塗布・含浸させた亜硝
酸リチウム溶液も抑止作用を有しているが、その効果を
飛躍的に向上させたのが本発明である。
と混合する方法は、本発明では特に限定しないが、望ま
しくはそれに使用される水に亜硝酸リチウムを予め溶解
させたのち、他の原料と混合するとよい。
との混合割合は、本発明では特に限定しないが好ましく
は該組成物に対して亜硝酸塩を1.0重量%以上、特に
好ましくは2−5重量%である。
する。この組成物は、原料として慣用のポリマー、セメ
ント、骨材が採用され、水と混練して製造される。具体
例を挙げれば、ポリマーとしてはスチレンブタジエンゴ
ムディスパージョン(SRBディスパージョン)、酢酸
ビニル系エマルジョン、アクリル樹脂系エマルジョンな
どが、セメントとしてはポルトランドセメント、混合セ
メントなどが示される。好ましい組み合わせは、スチレ
ンブタジエンゴムディスパージョンと普通ポルトランド
セメントである。骨材は多くの場合、川砂やけい砂が用
いられるが本発明でも利用される。その他本発明では石
灰石粉、けい石粉、パーライト、焼成ひる石などを必要
に応じて混合することもできる。
ばよく、たとえばセメント基準でいえばポリマー(固形
分)は0.5−25重量%、骨材は50−70重量%、
水は30−40重量%配合するのが好ましい。
合ポリマーセメント組成物の上塗りは、鉄筋コンクリー
ト表面に亜硝酸リチウム溶液を塗布・含浸させたのちい
つ行ってもよいが、望ましくは含浸後表乾に至る前に行
うのがよい。そうすれば、鉄筋コンクリート表面が湿潤
状態にあり、該ポリマーセメント組成物との接着も良好
になり、混合されている亜硝酸リチウムの鉄筋コンクリ
ートへの拡散もスムーズであるので一層好ましい。なお
上塗り方法は刷毛塗り、吹き付け法など常法にしたが
う。
物の上塗り厚さは、亜硝酸リチウムの濃度のほか該鉄筋
コンクリートの用途(たとえば装飾性を要する場合な
ど)をも勘案して適宜決めることになるが、塗り欠きの
生ずる恐れの無いようにするには1mm以上の厚さに上
塗りするのがよい。作業の迅速性や経済性を考慮すると
2−5mm程度にするのが好ましい。
トは、形状、材令、配筋仕様、配合仕様等々特別な限定
はない。
ンクリートの錆の進行抑止に特に有効な方法であるが、
塩分を含まない通常の鉄筋コンクリートにあっても中性
化による鉄筋の腐食があり、そのような鉄筋コンクリー
ト、またかぶりが欠損し鉄筋が露出して錆が発生しやす
い状況にある鉄筋コンクリートへの利用も本発明に含ま
れる。なお後者の場合には露出した鉄筋に亜硝酸リチウ
ム溶液を塗布後、亜硝酸リチウム混合ポリマーセメント
組成物を上塗りしたのち、欠損部分全体を補修用モルタ
ル又はコンクリートを用いて修復するのが好適である。
酸リチウム溶液は、慣用の方法で調製し、塗布・含浸さ
せる。一例を挙げれば、亜硝酸リチウムを水に濃度10
−50%に溶解し、刷毛などを用いて鉄筋コンクリート
表面に亜硝酸リチウムが10−300g/m2になるよ
うに塗布したのち、しばらく放置して、該溶液を十分に
含浸させる。その後は、できれば鉄筋コンクリートが表
乾状態に達する前に、上記説明にしたがって亜硝酸リチ
ウム混合ポリマーセメント組成物を上塗りするのが好ま
しいのは前述したとおりである。以下、本発明を実施例
に基づいて説明する。
メント組成物をつくり、鉄筋コンクリート表面に上塗り
して、錆の進行抑止効果を判断した。
及び海砂(絶乾状態においてNaCl換算で0.2重量
%)を用い、該セメント303kg/m3、W/C=6
0%、s/a=48%のコンクリート混練物をつくっ
た。
き棒鋼用一般鋼材」に規定された錆の発生していないみ
がき棒鋼(長さ10×直径1cm)を準備した。
m、巾10cm、長さ14cmの型枠の巾方向に、上面
より2.5cm、鉄筋間隔4cm、鉄筋と側壁との間が
4cmの位置に配設し、固定した。
物を投入し、振動成形したのち、表面をならしたのち、
湿空中に24時間放置し、脱型した。
ト工学協会)が定めた乾湿繰返し法(70°C、RH9
8%条件で3日間、10°C、RH50%条件で4日間
を1サイクル)に準じて10サイクル行ない、内蔵する
鉄筋に錆を発生させたのち、成形体上面以外の面をエポ
キシ樹脂でコートして、鉄筋コンクリート供試体を多数
製造した。供試体の一を破壊して棒鋼を観察したところ
班点状の錆が随所に見られた。
5%溶液を調製した。その亜硝酸リチウム溶液を供試体
上面に表1に示す量塗布し、3時間放置して含浸させ
た。
成物の上塗り) 亜硝酸リチウム混合ポリマーセメント組成物は、普通ポ
ルトランドセメントに対してスチレンブタジエンゴムデ
ィスパージョン(固形分)10重量%、けい砂(粒径
0.025−0.2mm)58重量%及び亜硝酸リチウ
ムがポリマーセメント組成物に対し表1に示す割合にな
るように溶解させた水32重量%配合し、混練してつく
った。
で処理した供試体上面に厚さ2mm及び5mmに上塗り
し、3日間湿空養生(20°C、RH90%)した。
法(条件は同一)にしたがって処理し、錆を進行させ
た。
り出し、両端1cmを除く8cmの部分の表面(25.
1cm2)の錆の生じている面積を測定したのち、各供
試体について棒鋼2本の錆面積率の平均値を算出し、そ
の結果を表1に併記した。以上から本発明は、鉄筋コン
クリートに埋設されている鉄筋の錆進行を大幅に抑止す
る効果を有していることが判明した。
液を含浸させた鉄筋コンクリート表面にポリマーセメト
組成物を単に上塗りした従来法に比して、きわめて単純
な手段であるにかかわらず、顕著な錆抑止効果を発揮す
る。しかも従来法で使用されていた材料をそのまま利用
するので、実施化は容易である。その結果、塩分含有鉄
筋コンクリートはもとより一般の鉄筋コンクリートも含
め、それらの耐久性改善に寄与できることは大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄筋コンクリートに亜硝酸リチウム溶
液を塗布し、含浸させたのち、ポリマーセメント組成物
を上塗りする鉄筋コンクリートの錆抑止方法において、
該ポリマーセメント組成物に対して亜硝酸リチウムを混
合することを特徴とする鉄筋コンクリートの錆抑止方
法。
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---|---|---|---|
JP10956991A JP2939490B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 鉄筋コンクリートの錆抑止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10956991A JP2939490B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 鉄筋コンクリートの錆抑止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04317448A JPH04317448A (ja) | 1992-11-09 |
JP2939490B2 true JP2939490B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=14513573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10956991A Expired - Lifetime JP2939490B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 鉄筋コンクリートの錆抑止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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-
1991
- 1991-04-16 JP JP10956991A patent/JP2939490B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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笠井、小林編 セメント.コンクリート用混和材料 昭和61年5月 技術書院発行 357−359頁 |
Also Published As
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JPH04317448A (ja) | 1992-11-09 |
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