JPH0692609B2 - 高炉炉熱低下予測方法 - Google Patents

高炉炉熱低下予測方法

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JPH0692609B2
JPH0692609B2 JP62042362A JP4236287A JPH0692609B2 JP H0692609 B2 JPH0692609 B2 JP H0692609B2 JP 62042362 A JP62042362 A JP 62042362A JP 4236287 A JP4236287 A JP 4236287A JP H0692609 B2 JPH0692609 B2 JP H0692609B2
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信幸 永井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高炉の安定な操業を行なうための高炉炉熱
低下予測方法に関する。
(従来の技術とその問題点) 高炉の安定操業の維持のためには、溶銑温度を一定にす
ることが必要であることが従来より知られている。この
ため、高炉操業者は常に高炉炉熱変化を予測する必要性
があった。
高炉炉熱変化において、特に温度低下によって溶銑が凝
固し、高炉から流出しなくなる可能性があるため、温度
低下の予測は極めて重要なものとなる。
高炉炉熱の予測方法としては、特開昭60-39107に開示さ
れたものがある。この方法は炉腹部周辺装入物温度が溶
銑温度と強い相関関係を持つという見地から、予め第14
図に示す様に高炉1に設置したセンサ(炉腹ゾンデ)2
により検出される炉腹部周辺部温度と溶銑温度との関係
を第15図に示す如く直線回帰する。この直線式に基づ
き、炉腹部周辺部温度から溶銑温度Tpigを予測するので
ある。
しかしながら、この方法では炉内の内壁近傍の温度を測
定するために炉腹ゾンデ2を挿入する必要があり、この
ため温度測定を間欠時点でしか行なえず、溶銑温度予測
精度も当然悪化してしまうという問題点があった。
また、溶銑温度が同じ値でも、生産計画や原料装入条件
等の変化により、炉内温度が変化する場合がある。した
がって第15図で示した炉壁温度の絶対値に基づく直線式
では、必ずしも正確な予測ができないという問題点があ
った。
一方、従来より、高炉の還元状態の良否を示すソリュー
ションロスカーボン量(以下「ソルロスC量」と言う)
の増減により、高炉炉熱の予測が別の予測方法として行
なわれている。ソルロスC量の増加は、以下に示すいわ
ゆるソルロス反応が促進することを示している。
C+CO2→2CO この反応は、吸熱反応であるため高炉炉熱が低下するこ
とが予測できる。
ソルロスC量は、通常炉頂ガスの組成を分析するガスク
ロマトグラフィーの分析周期(3分程度)毎に、炉頂ガ
ス中のCO,CO2,N2等の割合や送風条件や原料装入条件を
もとに計算され、従来は1時間毎のソルロスC量の平均
値により炉熱低下を管理していた。
第16図(a),(b)において、同図(a)は、3分毎
のソルロスC量(1)、1時間毎のソルロスC量平均
値(l2)の経時変化を示し、同図(b)は溶銑温度の経
時変化を示すグラフである。同図において、時刻17時に
閾値ε1を越えているが昇熱アクションをとらず、その
後のように溶銑温度は大幅低下している。第17図は、
閾値ε2を越えた時刻13時に昇熱アクションAを起した
時の各々の経時変化を示している。なお第16図と同様、
図中1が3分間の瞬間値、l2が1時間平均のソルロス
C量を示している。第16図,第17図を比較することによ
り、昇熱アクションAにより第16図(b)ののような
溶銑温度低下が、第17図で示すようにある程度回避でき
ているのがわかる。
しかしながら、1時間毎のソルロスC量の平均値の予測
では、急激なソルロスC量の増加があった時、最悪の場
合、ほぼ1時間程度も炉熱低下の予測に遅れが生じてし
まう問題点があった。例えば第17図の場合にしても、予
測おくれのため昇熱アクションAをとるのは溶銑温度が
管理温度Tcをある程度下まわってからになってしまって
いる。そこで、この問題点を回避するため、3分程度の
間隔で測定したソルロスC量の瞬時値で炉熱低下予測し
た場合、第16図,第17図の1で示したように個々のバ
ラツキが大きく、ノイズ成分が大きいためデータの持続
性がない。したがってソルロスC量の瞬時値では炉熱低
下予測が不可能に近い。
(発明の目的) この発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、予
測ができるだけ早く得られ、しかも溶銑温度の低下を正
確に予測することのできる高炉炉熱低下予測方法を提供
することである。
(目的を達成するための手段) 上記目的を達成するため、この発明における高炉炉熱低
下予測方法は、高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、
該内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測
定し、ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す
部分の合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与え
る第1の予測手段と、ある時刻における前記内壁温度差
の負の値を示す部分の合計値が閾値を越えた時に所定期
間評価点を与える第2の予測手段と、ある時刻における
前記内壁温度差の正の値を示す部分の所定時間幅の移動
平均値の総和が閾値を越えた時に所定期間評価点を与え
る第3の予測手段と、ソリューションロスカーボン量を
所定時間間隔ごとに求め、この求めた値の所定時間幅に
おける移動平均値が閾値を越えた時に評価点を与える第
4の予測手段と、炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間
隔ごとに求め、この求めた値の所定時間幅における移動
平均値が閾値を下回った時に評価点を与える第5の予測
手段とのうちの少なくとも1つを備え、前記少なくとも
1つの予測手段の評価点による総合評価に従い高炉炉熱
低下予測を行なうに際し、該予測手段の閾値を高炉操業
中に予測精度が高まるように時々刻々変化させるように
している。
(実施例) A.第1の炉熱低下理由 高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが考えら
れる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところが原料装入条件,装入物分布等の理由によ
り、急にガス流が炉内周辺部に多く流れる場合がある。
その結果、 FeO+C→Fe+CO の吸熱反応が促進され、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流が多量に炉内周辺部に流れると、Na,
K,Pb等の炉内付着物及び停滞層が剥離し、壁落ちするこ
とにより、その部分の炉壁温度が急激に上昇する。この
急激な温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測できる。
B.第2の炉熱低下理由 また、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが
考えられる。
高炉内の荷下がり速度がA.と同様の理由で上がると、い
わゆる生鉱下りにより高炉内の融着帯レベルが下がり、
炉熱低下が起こる。
ところで、融着帯レベルが下がると、該当部分における
炉壁温度も急激に下降する。この急激な温度下降を検知
すれば炉熱低下が予測できる。
C.第3の炉熱低下理由 さらに、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すもの
が考えられる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところが、A.,B.と同様の理由により、ガス流の
一部が炉内周辺部に流れる場合がある。この状態が長時
間続くと、高炉の炉壁からのガス流の熱放散が正常操業
時より多くなり、その結果、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流の一部が定常的に炉内周辺部に流れる
と、炉壁温度が徐々に上昇する。このような比較的長時
間のゆるやかな温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測で
きる。
D.第1〜第3の予測手段 第1図(a),(b)は、各々この発明の一実施例で用
いられる内壁温度計の配置を示す側面断面図、平面断面
図である。内壁温度計3は同図(a)に示すように、高
炉1の高さ方向に7個(背部3個,腹部2個,朝顔部2
個)、同図(b)に示すように高炉1の周方向に4個設
置する。つまり、4方向7レベルで計28個の内壁温度計
3を設置する訳である。
内壁温度計は例えば、本出願人による実開昭57-81531,
実公昭59-16816に開示されたものを用いてもよく、第2
図は後者に開示された内壁温度計(以下これを「FMセン
サ」という。)を示す概念図である。
同図において、4は2本の導線5が絶縁的に平行して埋
設され前方端側に感温部6を有するシース型測温体であ
り、シース型測温体4は複数本を、夫々の感温部6が長
さ方向の異なる部位に配置される様に平行配列されてお
り、さらにシース型ダミー棒7を感温部6の先端に接続
して、最先端を揃えている。シース型ダミー棒7は2本
の導線5が絶縁的に平行して埋設され、シース型測温体
4と実質的に同一の熱伝導性を有する。FMセンサ3はこ
のシース型測温体4を絶縁材8で相互に非接触に保ち、
シース管9内に収納することにより形成される。
第3図はFMセンサ3の設置説明図である。同図におい
て、10〜13は高炉の炉壁であり、10はレンガ、11はステ
ーブ、12はスタンプ、13は鉄皮である。FMセンサ3は同
図に示すように、パッキン14及び溶接部15への溶接によ
り、炉壁内部に設置されている。なお、16は充填材であ
り、17はミルク注入口であり充填材16を注ぎ込む箇所で
ある。
なお、ここで説明したFMセンサ3はその設置及び構造
上、炉壁の侵食と共にFMセンサ3自体も侵食され、シー
ス型測温体4が炉壁近傍の炉内に露出する場合もあり、
実際には「炉壁温度」と共に「炉壁近傍の炉内温度」を
測定していることになる。以下、両者を含めた概念を
「炉壁温度」として述べる。FMセンサ3は上述のように
従来のシース熱電対等の温度計に比べ、多数の測定点を
有し、迅速な測温応答を満足し、長期の連続的な温度測
定が可能であり、信頼性の向上、耐久性の向上、施工性
の向上等が計られている。
各FMセンサ3は、第4図に示すように所定サンプリング
時間Δtごとに高炉1の内壁温度を測定している。ここ
で、時刻jのi番目のFMセンサ3の内壁温度をTj,i
し、時刻jの1サンプリング時間Δt前の内壁温度をT
j-1,iとすると、Tj,iとTj-1,iとの内壁温度差(差分
値)ΔTj,iは、 ΔTj,i=Tj,i-Tj-1,i …(1)と なる。この状態を第5図に示す。
この差分値ΔTj,iに、各FMセンサ3毎の高さ,周方向等
を考慮して重みWiを乗ずる。さらに、差分値ΔTj,iが負
のものに対しては、Vi=0、それ以外のものに対して
は、Vi=1を示す正負パラメータViも乗じ、時刻jの補
正差分値(正の差分値)CTj,iを得る。
CTj,i=Wi・Vi・ΔTj,i …(2) 次に、補正差分値CTj,iの全FMセンサ3に対する総和を
とり、これをST1jとする。
そして次(4)式に従い、この差分値総和ST1jの値が予
め定められた閾値ε1より大きくなれば、急激な温度上
昇があったとみなし所定期間評価点1を与える。
ST1j≧ε1 …(4) 以上がA.の理由に基づく第1の予測手段である。
B.の理由に基づく第2の予測手段は、以下に示す通りで
ある。
(2)式において、正負パラメータViは差分値ΔTj,i
正のものに対しては、Vi=0、それ以外のものに対して
は、Vi=1とし、次に、補正差分値CTj,iの絶対値の全F
Mセンサ3に対する総和をとり、これをST2jとする。
そして次(4)′に従い、(3)′式に基づく差分値総
和ST2jの値が予め定められた閾値ε2より大きくなれ
ば、生鉱下りによる急激な温度下降があったとみなし、
所定期間評価点1を与える。
ST2j≧ε2 …(4)′ C.の理由に基づく第3の予測手段は、以下に示す通りで
ある。
(2)式の正負パラメータViは第1の予測手段と同様、
差分値ΔTj,iが負のものに対しては、Vi=0、それ以外
のものに対してはVi=1とする。また時刻jのkサンプ
リング時間前(すなわちΔt×k時間前)の補正差分値
をCTj-k,iとし、この補正差分値の所定の時間幅nΔt
の移動平均の時刻jにおける値の全FMセンサ3に対する
総和をとり、これをST3jとする。
そして次(4)″式に従い、この移動平均総和ST3jの値
が予め定められた閾値ε3より大きくなれば、ゆるやか
な温度上昇が長期間あったとみなし、所定期間評価点1
を与える。
ST3j≧ε3 …(4)″ 上記した第1〜第3の予測手段は、各々炉壁温度差(差
分値)により行なっているため、炉壁温度の絶対値の上
下によらず、正確な予測を行なうことができる。しか
も、FMセンサ3はその施工性の良さ及び測温応答性の良
さから、高炉全周を覆うように配置でき、連続的な内壁
温度差が把握できることで、さらに正確な予測を行なう
ことができる。
また、上記した第1〜第3の予測手段は、コンピュータ
により実現が可能となる。第4図は第1の予測手段の処
理の流れを示すフローチャートである。同図において、
ステップS1で各FMセンサ3の炉壁温度Tj,iをサンプリン
グ時間Δt毎に測定する。次に、ステップS2において各
FMセンサ3の差分値を(1)式に基づき計算する。
そして、ステップS3において、(2),(3)式に基づ
く正の差分値総和ST1jを求める。さらに、ステップS4に
おいて、この正の差分値総和ST1jと予め定められた閾値
ε1との比較を行い、(4)式を満足すればステップS5
においてガス流の急激な炉内周辺流化による炉熱低下が
起こるであろうとみなし、所定期間評価点1を与える。
一方、(4)式を満足しない場合は、異常なしとみなし
ステップS1に戻り、以下ステップS1〜ステップS4を繰り
返すことで炉熱低下評価を行なう。
第7図は第2の予測手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS11で各FMセンサ
の炉壁温度Tj,iをサンプリング時間Δt毎に測定する。
次に、ステップS12において各FMセンサ3の差分値を
(1)式に基づき計算する。
そして、ステップS13において、(2)′,(3)′式
に基づく負の差分値の絶対値総和ST2jを求める。さら
に、ステップS14において、この負の差分値の絶対値総
和ST2jと予め定められた閾値ε2との比較を行い、
(4)′式を満足すればステップS15において荷下り速
度が上ったことによる炉熱低下が起こるであろうとみな
し、所定期間評価点1を与える。一方、(4)′式を満
足しない場合は、異常なしとみなしステップS11に戻
り、以下ステップS11〜ステップS14を繰り返すことで炉
熱低下評価を行なう。
第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS21で各FMセンサ
3の炉壁温度Tj,iをサンプリング時間Δt毎に測定す
る。次に、ステップS22において各FMセンサ3の差分値
を(1)式に基づき計算する。
そして、ステップS23において(2)″,(3)″式に
基づく正の差分値の時間幅nΔtにおける移動平均総和
ST3jを求める。さらに、ステップS24において、この正
の差分値移動平均総和ST3jと予め定められた閾値ε3
の比較を行い、(4)″式を満足すればステップS25に
おいて炉体熱放散による炉熱低下が起こるであろうとみ
なし、所定期間評価点1を与える。一方、(4)″式を
満足しない場合は、異常なしとみなしステップS21に戻
り、以下ステップS21〜ステップS24を繰り返すことで炉
熱低下評価を行なう。
E.第4,第5の予測手段 ガスクロマトグラフィーによる炉頂ガス成分分析、送風
条件、原料装入条件などにより、ソルロスC量(kg/t−
p)をサンプリング時間Δtごとに算出する。ここで、
時刻jにおけるソルロスC量をxjとし、時刻jよりもk
サンプリング時間前(すなわちΔt×k時間前)のソル
ロスC量をxj-kとすると、現在の時刻jにおける所定時
間幅nΔtの移動平均xMは、 で計算できる。
(5)式に基づくxMをサンプリング時間Δtごとに計算
し、下記(6)式により、xMが予め定めておいた閾値ε
xi(i=1〜n)(εx1<εx2…<εxn)を越えた時の
最大の閾値εxiにより評価点iを与え、評価を行なう。
xM>εxi(i=1〜n) …(6) 以上が第4の予測手段である。
また、ガスクロマトグラフィーにより検出される炉頂ガ
ス中の窒素量(%)(以下、「ガスクロN2量」と言
う。)はソルロスC量と強い負の相関があり、ソルロス
C量の増加に代え、ガスクロN2量の減少により、高炉炉
熱低下が予測できる。
このことにより、現在の時刻jにおけるガスクロN2量を
yjとし、時刻jよりもkサンプリング時間前(すなわち
Δt×k時間前)のガスクロN2量をyj-kとすると、現在
の時刻jにおける所定時間幅nΔtの移動平均yMは、 で計算できる。
(7)式に基づくyMをサンプリング時間Δt毎に計算
し、下記(8)式により、yMが予め定めておいた閾値ε
yj(j=1〜m)(εy1>εy2…>εym)を下回った時
の最小の閾値εymにより評価点jを与え、炉熱低下評価
を行なう。
yM<εyj(j=1〜m) …(8) 以上が第5の予測手段である。
さらに、第4の予測手段であるソルロスC量の移動平均
を求めるに際し、ソルロスC量の瞬時値が第9図(a)
に示すようにノイズ等の原因で異常値E1,E2を発生する
場合がある。ここで、時刻jのソルロスC量をxj、1サ
ンプリング時間Δt前のソルロスC量をxj-1とすると、
ソルロスC量の差分値の絶対値Δxjは Δxj=|xj-xj-1| …(9) となる。このΔxjを閾値εzと同図(b)のように比較
することで異常値E1,E2を見つけだし、同図(c)に示
すように直前の測定値と置き換えることにより平滑化を
はかる方法が考えられる。この方法を適用することによ
り、より正確なソルロスC量の移動平均が求まり、その
結果、かなり精度の高い予測が可能となる。
このような異常値補正を含んだソルロスC量の移動平均
による炉熱低下予測方法はコンピュータを用いて実現す
ることが可能である。第10図はその処理の流れを示すフ
ローチャートである。同図において、まず、ステップS3
1において、n段階にεx1<εx2…εxnの大きさで、閾
値εx1〜εxnを設定する。そして、ステップS32でソル
ロスC量の瞬時値xjをサンプリング時間Δt毎に求め
る。そして、ステップS33においてソルロスC量の差分
値の絶対値Δxjを求め、次にステップS34において差分
値の絶対値Δxjが閾値εzと比較して大きい場合、ステ
ップS35において、この瞬時値xjは異常値とみなし、直
前の測定値xj-1に置き換え、ステップS36に移行する。
一方、ステップS34において閾値εzより小さい場合は、
瞬時値xjを変更することなく、ステップS36に移行す
る。ステップS36では時間幅nΔtの移動平均xMを求
め、次のステップS37において評価点iを0に初期設定
する。
そして、ステップS38において、ソルロスC量移動平均
値xMと閾値εx1(i=0より)との比較が行なわれ、xM
≧εx1ならば、ステップS39においてiの値を0→1と
1増し、ステップS40においてi=nと判定されるか、
ステップS38においてxM<εx(i+1)と判定されるまで閾
値εx(i+1)の値を段階的に増加させながらステップS38
〜S40を繰返して評価点iを算出し、ステップS41に移行
する。またxM<εx1ならば、ステップS39,S40は1度も
実行されず、評価点iは0としてステップS41に移行す
る。最後にステップS41において、ステップS38〜S40に
より求められた評価点iを出力する。
なお、当然のことながら、上記した異常値処理のコンピ
ュータへの適用は、ガスクロN2量の移動平均値yMによる
炉熱低下予測の場合においても同様に実現できる。
上述した第4,第5の予測手段はサンプリング時間Δt毎
の移動平均に基づいているため、予測を早く得ることが
でき、しかも精度も十分確かなものといえる。
F.総合予測手段 D.E.で述べた第1〜第5の予測手段のうちの少なくとも
1つの予測手段の評価点を用いることで、以下に述べる
ように総合予測を行なう。この総合予測手段は第1〜第
5の予測手段の評価点を各々f1〜f5、重みを各々ω1
ω5とすると、(使用しない予測手段は重み0) C=ω1f1+ω2f2+ω3f3 +ω4f4+ω5f5 …(10) で求められた総合評価Cに基づいており、この総合評価
Cにより多段階の炉熱低下レベル0〜nに応じた予測が
行なわれる訳である。このように総合評価Cの値に応じ
て、アラームの度合いを変えることで、昇熱アクション
を細かく変化させることができる。その結果、必要十分
な昇熱アクションを選択することが実現できるようにな
り、炉熱低下を確実に防止できるのは勿論、過度の昇熱
アクションによる不要な炉熱上昇を招くことがなく、安
定かつ経済的な高炉操業が可能になる。
しかしながら、当初最適であった総合評価Cによる炉熱
低下レベルの予測が高炉操業中において、諸条件の変化
に伴い、必ずしも最適でなくなる可能性がある。このた
め、総合評価Cの各評価点f1〜f5を決定づける閾値を高
炉操業中に適切に変化させる必要があり、閾値の学習を
以下に示すように行なう。
第11図は第1〜第5の予測手段全ての評価点による総合
予測手段の学習の処理の流れを示すフローチャートであ
る。以下同図を参照しつつ説明する。まずステップS51
で的中回数X,過剰予測回数Y,過小予測回数Zを各々0に
初期化しておく。次にステップS52において(10)式に
基づき、総合評価Cを算出する。さらにステップS53で
総合評価Cにより、炉熱低下レベルl(l=0〜n)を
予測する。そして、ステップS54で、前記予測が行なわ
れてから所定時間後の実際の炉熱低下の度合いPを測定
する。次にステップS55において、予測した炉熱低下レ
ベルlと実際の炉熱低下の度合いPとを比較する。l=
Pであれば、予測が的中したとみなし、ステップS56に
おいて的中回路Xを1増す。また、l>Pであれば、予
測が過剰すぎたとみなし、ステップS57において過剰予
測回数Yを1増す。さらに、l<Pであれば、予測が過
小すぎたとみなし、ステップS58において過小予測回数
Zを1増す。第12図はこの様子を示し、黒丸,白三角,
白丸がそれぞれ的中(X),過剰予測(Y),過小予測
(Z)に対応している。このようにして求められたX,Y,
ZによりステップS59において精度評価Jを J=X−Y−Z …(11) により算出する。この精度評価Jの値がステップS60に
おいて所定の値αを下回った場合に現在稼動中の総合予
測手段の予測精度が悪いとみなし、ステップS61以降の
総合予測手段の変更に移る。一方、精度評価Jが所定の
値α以上を保てれば、総合予測手段は現状で良好とみな
し、ステップS52に戻り、再び総合予測を行なうととも
に、その予測精度の検証を行なう。
ステップS61では、第1〜第5の予測手段の各々につい
て、各予測手段個々の精度評価J1〜J5を過去のデータに
基づき算出する。これは第13図に示すように、各予測手
段ごとに、その予測手段の閾値の数と同数の炉熱低下予
測レベルr(第iの予測手段(i=1〜5)のものをri
とする)を設定し、上述と同様にして各予測手段ごとに
精度評価J1〜J5を求めるものである。次にステップS62
において精度評価J1〜J5を昇順にソーティングし、ステ
ップS63でパラメータSをS=1と初期化する。そし
て、ステップS64で昇順でS番目(S=1)、つまり精
度の一番悪い第iの予測手段(i=1〜5)に注目す
る。
ステップS65において、第iの予測手段の最高評価J
max,iを初期値Ji(予測回数から導かれる最低値)に設
定しておく。次に、ステップS66において第iの予測手
段における過剰予測回数Yiと過小予測回数Ziを比較し、
Yi>Ziならば第iの予測手段は、全体的に過剰な予測が
多い、つまり閾値εk(k=1…ri)が若干甘いとみな
し、ステップS67において閾値εkを(11)式に従い、全
体的にΔε(>0)だけ厳しく設定し直す。
(但し、dは第5の予測手段において−1それ以外は
1) 一方、Yi≦Ziならば第iの予測手段は全体的に過小な予
測が多い、つまり閾値εkが若干厳しいとみなし、ステ
ップS68において閾値εkを(12)式に従い、全体的にΔ
εだけ甘く設定し直す。
そしてステップS69において、ステップS67,S68のいずれ
かにおいて設定し直された閾値εkによる第iの予測手
段の精度評価Ji′を算出する。この精度評価Ji′がステ
ップS70において最高評価Jmax,iと比較され、向上すれ
ばステップS71においてJi′を新たな最高評価Jmax,i
する。以降、ステップS70において、設定し直された閾
値εkによる精度評価Ji′が最高評価Jmax,iを下回るま
で、ステップS56〜ステップS61が続けられる。
そして、ステップS72において、最大評価Jmax,iを得た
時の閾値εkを第iの予測手段の新たな閾値とする。さ
らにステップS73において、閾値が更新されたS個(最
初は当然1個)の予測手段と(5−S)個の現状の予測
手段に基づいた総合予測による精度評価J′を過去のデ
ータを元に算出する。そして、ステップS74において、
この精度評価J′と現状の総合予測手段による精度評価
Jとを比較する。そして、J′>Jならば、精度が向上
したとみなし、閾値が更新されたS個の予測手段を含ん
だ総合予測を新たな総合予測手段とし、ステップS51に
戻る。一方、J′≦Jであれば、現状の総合予測手段以
下の精度であるので、さらに改善が要求されるため、ま
ずステップS76でS=5かどうかを調べ、S<5であれ
ば、第1〜第5の予測手段において未だ閾値を更新して
いない予測手段が存在するので、ステップS77でSの値
を1増し、ステップS64に戻り、S番目に予測精度の悪
かった第iの予測手段の閾値の更新を行なう。一方、S
=5であれば第1〜第5の全ての予測手段の閾値更新を
行なっても予測精度向上がみられなかったとみなし、ス
テップS78において、現段階では、現状の総合予測手段
での予測が最も精度が良いと判断し、第1〜第5の予測
手段の各閾値を変更せずに予測を続けるためステップS5
2に戻る。
上記したように、総合予測手段の総合評価Cに基づく炉
熱低下レベルの予測が所定の精度評価値αを下回った時
に、第1〜第5の予測手段の少なくとも1つの閾値を変
更することで、予測精度を向上させるように自動的に動
作するため、高炉操業中においても、絶えず最高の予測
精度を維持できる。
なお、この実施例では、最悪の精度評価の予測手段の閾
値から順に優先的に変更させていたが、第1〜第5の予
測手段全ての閾値を同時に、個々の予測精度が向上する
ように変更することも考えられる。また第i予測手段の
ri個の閾値を(12),(13)式に示すようにすべて同じ
値だけ上下させたが、閾値の各間隔が固定されているこ
とにより、十分な精度向上が得られないことも考えられ
る。そこでri個の閾値の各間隔をある基準の閾値を固定
して変更する閾値間隔変更処理を行なう等、各閾値の変
化量を閾値によって異ならせるようにしてもよい。
G.補足 尚、この実施例における第1〜第3の予測手段では内壁
温度計にFMセンサを用いたが、通常の測温センサ(例え
ばシース熱電対)でも寿命の点で問題はあるものの代用
可能である。また、ステーブ温度計,レンガ埋め込み温
度計を用いてもその信頼性,測温応答性の低さから予測
精度は若干低下するものの、代用可能である。
また、この実施例における第1〜第3の予測手段では、
FMセンサ3を7レベル4方向に28個設置したが、高炉の
特性により適当に設置すれば良いのは勿論である。
さらに、総合予測はF.で述べたように第1〜第5の予測
手段全てを用いるのが望ましいが、最低限第1〜第5の
予測手段の少なくとも1つを用いることで、F.で述べた
例とほぼ同様の効果が期待できる。また閾値の更新の代
りに、総合評価Cと予測炉熱低下レベルlとの関係を変
更する等の変化例も考えられる。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、予測が早く得
られ、しかも第1〜第5の予測手段の閾値変更などによ
り予測精度の向上を自動的に行なう総合予測によるた
め、溶銑温度の低下をより正確に予測し、必要に応じた
昇熱アクションをとることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は各々、この発明の一実施例に用
いられるFMセンサの高炉炉壁内の配置を示す側面断面
図,平面断面図、第2図,第3図は各々FMセンサの概念
図,設置説明図、第4図はFMセンサによる測定炉壁温度
の経時変化を示すグラフ、第5図はFMセンサによる測定
炉壁温度の差分値の経時変化を示すグラフ、第6図は第
1の予測手段の処理の流れを示すフローチャート、第7
図は第2の予測手段の処理の流れを示すフローチャー
ト、第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフロー
チャート、第9図(a),(b),(c)は各々異常値
を含んだソルロスC量の瞬時値,ソルロスC量の差分値
の絶対値,異常値を取り除いたソルロスC量の瞬時値を
示すグラフ、第10図は第4の予測手段の処理の流れを示
すフローチャート、第11図は総合予測手段の処理の流れ
を示すフローチャート、第12図は炉熱低下予測レベルと
実際の炉熱低下の度合いの関係を示すグラフ、第13図は
第1〜第5の予測手段のいずれかの閾値数と同数の炉熱
低下予測レベルと実際の炉熱低下の度合いの関係を示す
グラフ、第14図は従来技術における炉腹ゾンデの高炉内
の配置を示す側面断面図、第15図は溶銑温度と炉腹部周
辺部温度の相関を示すグラフ、第16図はソルロスC量の
1時間平均値と溶銑温度の経時変化を時間的に対応させ
て示したグラフ、第17図は昇熱アクションを起こした時
のソルロス量の1時間平均値と溶銑温度の経時変化を時
間的に対応させて示したグラフである。 1……高炉、3……FMセンサ
フロントページの続き (72)発明者 矢場田 武 兵庫県加古郡稲美町和田425−45

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、 該内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測
    定し、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第1
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の負の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第2
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    所定時間幅の移動平均値の総和が閾値を越えた時に所定
    期間評価点を与える第3の予測手段と、 ソリューションロスカーボン量を所定時間間隔ごとに求
    め、この求めた値の所定時間幅における移動平均値が閾
    値を越えた時に評価点を与える第4の予測手段と、 炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間隔ごとに求め、こ
    の求めた値の所定時間幅における移動平均値が閾値を下
    回った時に評価点を与える第5の予測手段とのうちの少
    なくとも1つを備え、 前記少なくとも1つの予測手段の評価点の総合評価に従
    い高炉炉熱低下予測を行なうに際し、該予測手段各々の
    閾値を高炉操業中に予測精度が高まるように時々刻々変
    化させることを特徴とする高炉炉熱低下予測方法。
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