JPH0635606B2 - 高炉炉熱低下予測方法 - Google Patents

高炉炉熱低下予測方法

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JPH0635606B2
JPH0635606B2 JP4459287A JP4459287A JPH0635606B2 JP H0635606 B2 JPH0635606 B2 JP H0635606B2 JP 4459287 A JP4459287 A JP 4459287A JP 4459287 A JP4459287 A JP 4459287A JP H0635606 B2 JPH0635606 B2 JP H0635606B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高炉の安定な操業を行うための高炉炉熱低
下予測方法に関する。
(従来の技術とその問題点) 高炉の安定操業の維持のためには、溶銑温度を一定にす
ることが必要であることが従来より知られている。この
ため、高炉操業者は高炉炉熱変化を予測する必要性があ
った。
高炉炉熱変化において、特に温度低下によって溶銑が凝
固し、高炉から流出しなくなる可能性があるため、温度
低下の予測は極めて重要なものとなる。
高炉炉熱の予測方法としては、特開昭60−39107
に開示されたものがある。この方法は炉腹部周辺装入物
温度が溶銑温度と強い相関関係を持つという見地から、
予め第13図に示す様に高炉1に設置したセンサ(炉腹
ゾンデ)2により検出される炉腹部周辺部温度と溶銑温
度との関係を第14図に示す如く直線回帰する。この直
線式に基づき、炉腹部周辺部温度から溶銑温度Tpig を
予測するのである。
しかしながら、この方法では炉内の内壁近傍の温度を測
定するために炉腹ゾンデ2を挿入する必要があり、この
ため温度測定を間欠時点でしか行なえず、溶銑温度予測
精度も当然悪化してしまうという問題点があった。
また、溶銑温度が同じ値でも、生産計画や原料袋入条件
等の変化により、炉内温度が変化する場合がある。した
がって第14図で示した炉壁温度の絶対値に基づく直線
式では、必ずしも正確な予測ができないという問題点が
あった。
一方、従来より、高炉の還元状態の良否を示すソリュー
ションロスカーボン量(以下「ソルロスC量」と言う)
の増減により、高炉炉熱の予測が別の予測方法として行
なわれている。ソルロスC量の増加は、以下に示すいわ
ゆるソルロス反応が促進することを示している。
C+CO→2CO この反応は、吸熱反応であるため高炉炉熱が低下するこ
とが予測できる。
ソルロスC量は、通常炉頂ガスの組成を分析するガスク
ロマトグラフィーの分析周期(3分程度)毎に、炉頂ガ
ス中のCO,CO,N等の割合や送風条件や原料袋
入条件をもとに計算され、従来は1時間毎のソルロスC
量の平均値により炉熱低下を管理していた。
第15図(a),(b) において、同図(a) は、3分毎のソル
ロスC量(l1)および1時間毎のソルロスC量平均値
(l2)の経時変化を示し、同図(b) は溶銑温度の経時
変化を示すグラフである。同図において、時刻17時に
閾値εを越えているが昇熱アクションをとらず、その
後のように溶銑温度は大幅低下している。第16図
は、閾値εを越えた時刻13時に昇熱アクションAを
起した時の各々の経時変化を示している。なお第15図
と同様、図中l1が3分毎の瞬間値、l2が1時間平均
のソルロスC量を示している。第15図,第16図を比
較することにより、昇熱アクションAにより第15図
(b) ののような溶銑温度低下が、第16図で示すよう
にある程度回避できているのがわかる。
しかしながら、1時間毎のソルロスC量の平均値の予測
では、急激なソルロスC量の増加があった時、最悪の場
合、ほぼ1時間程度も炉熱低下の予測に遅れが生じてし
まう問題点があった。例えば第16図の場合にしても、
予測おくれのため昇熱アクションAをとるのは溶銑温度
が管理温度Tをある程度下まわってからになってしま
っている。そこで、この問題点を回避するため、3分程
度の間隔で測定したソルロスC量の瞬時値で炉熱低下予
測した場合、第15図,第16図のl2で示したように
個々のバラツキが大きく、ノイズ成分が大きいためデー
タの持続性がない。したがってソルロスC量の瞬時値で
は炉熱低下予測が不可能に近い。
(発明の目的) この発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、予
測ができるだけ早く得られ、しかも溶銑温度の低下を正
確に予測することのできる高炉炉熱低下予測方法を提供
することである。
(目的を達成するための手段) 上記目的を達成するため、この発明における高炉炉熱低
下予測方法は、高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、
該内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測
定し、ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す
部分の合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与え
る第1の予測手段と、ある時刻における前記内壁温度差
の負の値を示す部分の合計値が閾値を越えた時に所定期
間評価点を与える第2の予測手段と、ある時刻における
前記内壁温度差の正の値を示す部分の所定時間幅の移動
平均値の総和が閾値を越えた時に所定期間評価点を与え
る第3の予測手段と、ソリューションロスカーボン量を
所定時間間隔ごとに求め、この求めた値の所定時間幅に
おける移動平均値が閾値を越えた時に評価点を与える第
4の予測手段と、炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間
隔ごとに求め、この求めた値の所定時間幅における移動
平均値が閾値を下回った時に評価点を与える第5の予測
手段とのうちの少なくとも1つを備え、前記少なくとも
1つの予測手段の評価点による総和評価値を予め定めら
れた総合閾値と比較することで炉熱低下の度合いを予測
するに際し、前記総和閾値の高炉作業中に、炉熱低下の
度合いの予測精度が高まるように時々刻々変化させるよ
うにしている。
(実施例) A.第1の炉熱低下理由 高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが考えら
れる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところで原料袋入条件,装入物分布等の理由によ
り、急にガス流が炉内周辺部に多く流れる場合がある。
その結果、 FeO+C→Fe+CO の吸熱反応が促進され、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流が多量に炉内周辺部に流れるとNa ,
K,Pb 等の炉内付着物及び停滞層が剥離し、壁落ちす
ることにより、その部分の炉壁温度が急激に上昇する。
この急激な温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測でき
る。
B.第2の炉熱低下理由 また、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが
考えられる。
高炉内の荷下がり速度がA.と同様の理由で上がると、
いわゆる生鉱下りにより高炉内の融着帯レベルが下が
り、炉熱低下が起こる。
ところで、融着帯レベルが下がると、該当部分における
炉壁温度も急激に下降する。この急激な温度下降を検知
すれば炉熱低下が予測できる。
C.第3の炉熱低下理由 さらに、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すもの
が考えられる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところが、A.,B.と同様の理由により、ガス
流の一部が炉内周辺部に流れる場合がある。この状態が
長時間続くと、高炉の炉壁からのガス流の熱放散が正常
操業時より多くなり、その結果、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流の一部が定常的に炉内周辺部に流れる
と、炉壁温度が徐々に上昇する。このような比較的長時
間のゆるやかな温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測で
きる。
D.第1〜第3の予測手段 第1図(a),(b) は、各々この発明の一実施例で用いられ
る内壁温度計の配置を示す側面断面図、平面断面図であ
る。内壁温度計3は同図(a) に示すように、高炉1の高
さ方向に7個(背部3個,腹部2個,朝顔部2個)、同
図(b) に示すように高炉1の周方向に4個設置する。つ
まり、4方向7レベルで計28個の内壁温度計3を設置
する訳である。
内壁温度計は例えば、本出願人による実開昭57−81
531,実公昭59−16816に開示されたものを用
いてもよく、第2図は後者に開示された内壁温度計(以
下これを「FMセンサ」という。)を示す概念図であ
る。
同図において、4は2本の導線5が絶縁的に平行して埋
設され前方端側に感温部6を有するシース型測温体であ
り、シース型測温体4は複数本を、夫々の感温部6が長
さ方向の異なる部位に配置される様に平行配列されてお
り、さらにシース型ダミー棒7を感温部6の先端に接続
して、最先端を揃えている。シース型ダミー棒7は2本
の導線5が絶縁的に平行して埋設され、シース型測温体
4と実質的に同一の熱伝導性を有する。FMセンサ3は
このシース型測温体4を絶縁材8で相互に非接触に保
ち、シース管9内に収納することにより形成される。
第3図はFMセンサ3の設置説明図である。同図におい
て、10〜13は高炉の炉壁であり、10はレンガ、1
1はステーブ、12はスタンプ、13は鉄皮である。F
Mセンサ3は同図に示すように、パッキン14及び溶接
部15への溶接により、炉壁内部に設置されている。な
お、16は充填材であり、17はミルク注入口であり充
填材16を注ぎ込む箇所である。
なお、ここで説明したFMセンサ3はその設置及び構造
上、炉壁の侵食と共にFMセンサ3自体も侵食され、シ
ース型測温体4が炉壁近傍の炉内に露出する場合もあ
り、実際には「炉壁温度」と共に「炉壁近傍の炉内温
度」を測定していることになる。以下、両者を含めた概
念を「炉壁温度」として述べる。FMセンサ3は上述の
ように、従来のシース熱電対等の温度計に比べ、多数の
測定点を有し、迅速な測温応答を満足し、長期の連続的
な温度測定が可能であり、信頼性の向上、耐久性の向
上、施工性の向上等が計られている。
各FMセンサ3は、第4図に示すように所定サンプリン
グ時間Δtごとに高炉1の内壁温度を測定している。こ
こで、時刻jのi番目のFMセンサ3の内壁温度をT
j,i とし、時刻jの1サンプリング時間Δt前の内壁温
度をTj-1,i とすると、Tj,i とTj-1,i との内壁温度
差(差分値)ΔTj,i は、 ΔTj,i =ΔTj,i −Tj-1,i …(1) となる。この状態を第5図に示す。
この差分値ΔTj,i に、各FMセンサ3毎の高さ、周方
向等を考慮して重みwを乗ずる。さらに、差分値ΔT
j,i が負のものに対しては、v=0、それ以外のもの
に対しては、v=1を示す正負パラメータvも乗
じ、時刻jの補正差分値(正の差分値)CTj,i を得
る。
CTj,i =w・v・ΔTj,i …(2) 次に、補正差分値CTj,i の全FMセンサ3に対する総
和をとり、これをST1とする。
そして次(4) 式に従い、この差分値総和ST1の値が
予め定められた閾値εより大きくなれば、急激な温度
上昇があったとみなし所定期間評価点1を与える。
ST1≧ε …(4) 以上がA.の理由に基づく第1の予測手段である。
B.の理由に基づく第2の予測手段は、以下に示す通り
である。
(2) 式において、正負パラメータvは差分値ΔTj,i
が正のものに対しては、v=0、それ以外のものに対
しては、v=1とし、次に、補正差分値CTj,i の絶
対値の全FMセンサ3に対する総和をとり、これをST
とする。
そして次(4) ′に従い、(3)′式に基づく差分値総和S
T2の値が予め定められた閾値εより大きくなれ
ば、生鉱下りによる急激な温度下降があったとみなし、
所定期間評価点1を与える。
ST2≧ε …(4)′ C.の理由に基づく第3の予測手段は、以下に示す通り
である。
(2) 式の正負パラメータvは第1の予測手段と同様、
差分値ΔTj,i が負のものに対しては、v=0、それ
以外のものに対してはv=1とする。また時刻jのk
サンプリング時間前(すなわちΔt×k時間前)の補正
差分値をCTj-k,i とし、この補正差分値の所定の時間
幅nΔtの移動平均の時刻jにおける値の全FMセンサ
3に対する総和をとり、これをST3とする。
そして、次(4) ″式に従い、この移動平均総和ST3
の値が予め定められた閾値εより大きくなれば、ゆる
やかな温度上昇が長期間あったとみなし、所定期間評価
点1を与える。
ST3≧ε …(4) ″ 上記した第1〜第3の予測手段は、各々炉壁温度差(差
分値)により行なっているため、炉壁温度の絶対値の上
下によらず、正確な予測を行なうことができる。しか
も、FMセンサ3はその施工性の良さ及び測温応答性の
良さから、高炉全周を覆うように配置でき、連続的な内
壁温度差が把握できることで、さらに正確な予測を行な
うことができる。
また、上記した第1〜第3の予測手段は、コンピュータ
により実現が可能となる。第6図は第1の予測手段の処
理の流れを示すフローチャートである。同図において、
ステップS1で各FMセンサ3の炉壁温度Tj,i をサン
プリング時間Δt毎に測定する。次に、ステップS2に
おいて各FMセンサ3の差分値を(1) 式に基づき計算す
る。
そして、ステップS3において、(2),(3) 式に基づく正
の差分値総和ST1を求める。さらに、ステップS4
において、この正の差分値総和ST1と予め定められ
た閾値εとの比較を行い、(4) 式を満足すればステッ
プS5においてガス流の急激な炉内周辺流化による炉熱
低下が起こるであろうとみなし、所定期間評価点1を与
える。一方、(4) 式を満足しない場合は、異常なしとみ
なしステップS1に戻り、以下ステップS1〜ステップ
S4を繰り返すことで炉熱低下評価を行なう。
第7図は第2の予測手段の処理の流れに示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS11で各FMセ
ンサの炉壁温度Tj,i をサンプリング時間Δt毎に測定
する。次に、ステップS12において各FMセンサ3の
差分値を(1) 式に基づき計算する。
そして、ステップS13において、(3)′式に基づく負
の差分値総和ST2を求める。さらに、ステップS1
4において、この負の差分値総和ST2と予め定めら
れた閾値εとの比較を行い、(4)′式を満足すればス
テップS15において荷下り速度が上ったことによる炉
熱低下が起こるであろうとみなし、所定期間評価点1を
与える。一方、(4)′式を満足しない場合は、異常なし
とみなしステップS11に戻り、以下ステップS11〜
ステップS14を繰り返すことで炉熱低下評価を行な
う。
第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS21で各FMセ
ンサ3の炉壁温度Tj,i をサンプリング時間Δt毎に測
定する。次に、ステップS22において各FMセンサ3
の差分値を(1) 式に基づき計算する。
そして、ステップS23において(3)″式に基づく正の
差分値の時間幅nΔtにおける移動平均総和ST3
求める。さらに、ステップS24において、この正の差
分値移動平均総和ST3と予め定められた閾値ε
の比較を行い、(4)″式を満足すればステップS25に
おいて炉体熱放散による炉熱低下が起こるであろうとみ
なし、所定期間評価点1を与える。一方、(4)″式を満
足しない場合は、異常なしとみなしステップS21に戻
り、以下ステップS21〜ステップS24を繰り返すこ
とで炉熱低下評価を行なう。
E.第4,第5の予測手段 ガスクロマトグラフィーによる炉頂ガス成分分析、送風
条件、原料装入条件などにより、ソルロスC量(Kg/t-
p )をサンプリング時間Δtごとに算出する。ここで、
時刻jにおけるソルロスC量をxとし、時刻jよりも
kサンプリング時間前(すなわちΔt×k時間前)のソ
ルロスC量をxj-k とすると、現在の時刻jにおける所
定時間幅nΔtの移動平均xは、 で計算できる。
(5) 式に基づくxをサンプリング時間Δtごとに計算
し、下記(6) 式により、xが予め定めておいた閾値ε
xi(i=1〜n)(εx1<εx2…<εxn)を置けた時の最大
の閾値εxiにより評価点iを与え、評価を行なう。
>εxi (i=1〜n) …(6) 以上が第4の予測手段である。
また、ガスクロマトグラフィーにより検出される炉頂ガ
ス中の窒素量(%) (以下、「ガスクロN量」と言
う。)はソルロスC量と強い負の相関があり、ソルロス
C量の増加に代え、ガスクロN量の減少により、高炉
炉熱低下が予測できる。
このことにより、現在の時刻jにおけるガスクロN
をyとし、時刻jよりもkサンプリング時間前(すな
わちΔt×k時間前)のガスクロN量をyj-k とする
と、現在の時刻jにおける所定時間幅nΔtの移動平均
は、 で計算できる。
(7) 式に基づくyをサンプリング時間Δt毎に計算
し、下記(8) 式により、yが予め定めておいた閾値ε
yj(j=1〜n)(εy1>εy2…>εyn)を下回った時の最
小の閾値εyjにより評価点jを与え、炉熱低下評価を行
なう。
<εyj (j=1〜n) …(8) 以上が第5の予測手段である。
さらに、第4の予測手段であるソルロスC量の移動平均
を求めるに際し、ソルロスC量の瞬時値が第9図(a)
に示すようにノイズ等の原因で異常値E1,E2を発生
する場合がある。ここで、時刻jのソルロスC量を
,1サンプリング時間Δt前のソルロスC量をx
j-1 とすると、ソルロスC量の差分値の絶対値Δxは Δx=|x−xj-1 | …(9) となる。このΔxを閾値εと同図(b)のように比
較するとで異常値E1,E2を見つけだし同図(c)に
示すように直前の測定値と置き換えることにより平滑化
をはかる方法が考えられる。この方法を適用することに
より、より正確なソルロスC量の移動平均が求まり、そ
の結果、かなり精度の高い予測が可能となる。
このような異常値補正を含んだソルロスC量の移動平均
による炉熱低下予測方法はコンピュータを用いて実現す
ることが可能である。第10図はその処理の流れを示す
フローチャートである。同図において、まず、ステップ
S31において、n段階にεx1<εx2…εxnの大きさ
で、閾値εx1〜εxnを設定する。そして、ステップS3
2でソルロスC量の瞬時値xをサンプリング時間Δt
毎に求める。ステップS33においてソルロスC量の差
分値の絶対値Δxを求め、次にステップS34におい
て差分値の絶対値Δxが閾値εと比較して大きい場
合、ステップS35において、この瞬間値xは異常値
とみなし、直前の測定値xj-1 に置き換え、ステップS
36に移行する。一方、ステップS33において閾値ε
より小さい場合は、瞬時値xを変更することなく、
ステップS36に移行する。ステップS36では時間幅
nΔtの移動平均xを求め、次のステップS37にお
いて評価点iを0に初期設定する。
そして、ステップS38において、ソルロスC量移動平
均値xと閾値εx1(i=0より)との比較が行なわ
れ、x≧εx1ならば、ステップS39においてiの値
を0→1と1増し、ステップS40においてi=nと判
定されるか、ステップS38においてx<εx(i+1)
判定されるまで閾値εx(i+1)の値を段階的に増加させな
がらステップS38〜S40を繰返して評価点iを算出
し、ステップS41に移行する。またx<εx1なら
ば、ステップS39,S40は1度も実行されず、評価
点iは0としてステップS41に移行する。最後にステ
ップS41において、ステップS38〜S40により求
められた評価点iを出力する。
なお、当然のことながら、上記した異常値処理,コンピ
ュータへの適用は、ガスクロN量の移動平均値y
よる炉熱低下予測の場合においても同様に実現できる。
上述した第4,第5の予測手段はサンプリング時間Δt
毎の移動平均に基づいているため、予測を早く得ること
ができ、しかも精度も十分確かなものといえる。
F.総合予測手段 D.E.で述べた第1〜第5の予測手段のうちの少なく
とも1つの予測手段の評価点を用いることで、以下に述
べるように総合予測を行なう。この総合予測手段は第1
〜第5の予測手段の評価点を各々f〜f、重みを各
々ω〜ωとすると、(使用しない予測手段は重み
0) C=ω+ω+ω+ω+ω …(10) で求められた総合評価Cに基づいており、この総合評価
Cの値を、予め多段階に設けられた総合閾値εc1〜εcn
と比較することで、炉熱低下レベル0〜nに応じた予測
が行なわれる訳である。このように総合評価Cの値に応
じて、アラームの度合いを変えることで、昇熱アクショ
ンを細かく変化させることができる。その結果、必要十
分な昇熱アクションを選択することが実現できるように
なり、炉熱低下を確実に防止できるのは勿論、過度の昇
熱アクションによる不要な炉熱上昇を招くことがなく、
安定かつ経済的な高炉操業が可能になる。
しかしながら、当初最適であった総合評価Cによる炉熱
低下レベルの予測が高炉操業中において、生産計画や原
料条件などの諸条件の変化に伴い、必ずしも最適でなく
なる可能性がある。このため、総合評価Cの値による炉
熱低下レベルを決定づける総合閾値εc1〜εcnを高炉操
業中に適切に変化させる必要があり、総合閾値εc1〜ε
cnの学習を以下に示すように行なう。
第11図は第1〜第5の予測手段全ての評価点による総
合予測手段の処理の流れを示すフローチャートである。
以下同図を参照しつつ説明する。
まずステップS51で総合評価Cを(10)式より算出す
る。次にスップS52で炉熱低下レベルを決定する閾溶
銑温度T(i=1〜n)を降順に設定(第12図参
照)する。そして、ステップS53において、過去に逆
のぼった一定期間における多数の総合評価Cの値と、各
総合評価Cにより予測される所定期間後の溶銑温度実績
値Tとの関係を調べ以下に示すように、最小二乗法でC
−Tの近似直線を導く。
第12図は、溶銑温度実績値Tと総合評価Cの値の相関
を示すグラフであり、xは測定データを示す。Lは測定
データにより最小二乗法で求められたC−T近似直線で
あり、直線式は下(11)のように決定できる。
C=aT+b …(11) ステップS53で求めたC−T近似直線L(11)式に基づ
き、ステップS54において、各閾溶銑温度Tに対応
する各総合閾値εciを、第12図の破線に示すように決
定する。そしてステップS55において、ステップS5
1で算出された総合評価Cと、ステップS54で決定さ
れた各総合閾値εciとを比較することで、炉熱低下レベ
ルl(εcl≦C<εc(l+1))を決定する。そして最後
に、炉熱低下レベルlに応じたアラームを出力すること
で炉熱低下を警告し、以降ステップS51に戻り、ステ
ップS51〜S56を繰り返すことで炉熱低下を予測す
る。
このように、総合閾値εciを、総合評価Cの値と溶銑温
度実績値Tの相関に基づき、耐えず自動的に更新するこ
とで高炉操業中に生産計画や原料条件が変化したような
場合においても、正確に炉熱低下レベルに応じた予測が
行える。
G.補足 尚、この実施例における第1〜第3の予測手段では内壁
温度計にFMセンサを用いたが、通常の測温センサ(例
えばシース熱電対)でも寿命の点で問題はあるものの代
用可能である。また、ステーブ温度計,レンガ埋め込み
温度計を用いてもその信頼性,測温応答性の低さから予
測精度は若干低下するものの、代用可能である。
また、この実施例における第1〜第3の予測手段では、
FMセンサ3を7レベル4方向に28個設置したが、高
炉の特性により適当に設置すれば良いのは勿論である。
さらに、総合予測はF.で述べたように第1〜第5の予
測手段全てを用いるのが望ましいが、最低限第1〜第5
の予測手段の少なくとも1つを用いることで、F.で述
べた例とほぼ同様の効果が期待できる。また総合閾値の
更新の代りに、各予測手段の少なくとも1つの閾値を変
更する等の変形例も考えられ、第1〜第3の予測手段も
第4,第5の予測手段と同様に複数の閾値を設けること
も考えられる。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、予測が早く得
られ、しかも総合閾値の変更などにより炉熱低下の度合
いの予測精度の向上を自動的に行なう総合予測によるた
め、溶銑温度の低下をより正確に予測し、必要に応じた
昇熱アクションをとることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b) は各々、この発明の一実施例に用いられ
るFMセンサの高炉炉壁内の配置を示す側面断面図,平
面断面図、第2図,第3図は各々FMセンサの概念図及
び設置説明図、第4図はFMセンサによる測定炉壁温度
の経時変化を示すグラフ、第5図はFMセンサによる測
定炉壁温度の差分値の経時変化を示すグラフ、第6図は
第1の予測手段の処理の流れを示すフローチャート、第
7図は第2の予測手段の処理の流れを示すフローチャー
ト、第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフロー
チャート、第9図(a),(b),(c) は各々異常値を含んだソ
ルロスC量の瞬時値,ソルロスC量の差分値の絶対値,
異常値を取り除いたソルロスC量の瞬時値を示すグラ
フ、第10図は第4の予測手段の処理の流れを示すフロ
ーチャート、第11図は総合予測手段の処理の流れを示
すフローチャート、第12図は総合評価と溶銑温度実績
値との関係を示すグラフ、第13図は従来技術における
炉腹ゾンデの高炉内の配置を示す側面断面図、第14図
は溶銑温度と炉腹部周辺部温度の相関を示すグラフ、第
15図はソルロスC量の1時間平均値と溶銑温度の経時
変化を時間的に対応させて示したグラフ、第16図は昇
熱アクションを起こした時のソルロス量の1時間平均値
と溶銑温度の経時変化を時間的に対応させて示したグラ
フである。 1……高炉、3……FMセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、該
    内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測定
    し、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第1
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の負の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第2
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    所定時間幅の移動平均値の総和が閾値を越えた時に所定
    期間評価点を与える第3の予測手段と、 ソリューションロスカーボン量を所定時間間隔ごとに求
    め、この求めた値の所定時間幅における移動平均値が閾
    値を越えた時に評価点を与える第4の予測手段と、 炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間隔ごとに求め、こ
    の求めた値の所定時間幅における移動平均値が閾値を下
    回った時に評価点を与える第5の予測手段とのうちの少
    なくとも1つを備え、 前記少なくとも1つの予測手段の評価点による総合評価
    値を予め定められた総合閾値と比較することで炉熱低下
    の度合いを予測するに際し、前記総合閾値を高炉操業中
    に、炉熱低下の度合いの予測精度が高まるように時々刻
    々変化させることを特徴とする高炉炉熱低下予測方法。
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