JP2530059Y2 - 直流アーク炉の炉壁電極 - Google Patents
直流アーク炉の炉壁電極Info
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- JP2530059Y2 JP2530059Y2 JP8517691U JP8517691U JP2530059Y2 JP 2530059 Y2 JP2530059 Y2 JP 2530059Y2 JP 8517691 U JP8517691 U JP 8517691U JP 8517691 U JP8517691 U JP 8517691U JP 2530059 Y2 JP2530059 Y2 JP 2530059Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、金属材料の溶解、溶
融金属の精錬等に使用される直流アーク炉における炉壁
電極に関する。
融金属の精錬等に使用される直流アーク炉における炉壁
電極に関する。
【0002】
【従来の技術】炉壁電極周囲の耐火物は、炉内にある高
温の溶融金属からの受熱、供給電流が通過する時に発生
するジュール熱等によって、極めて過酷な使用雰囲気に
さらされる。従って、通常の炉床耐火物よりもその損耗
は顕著になり、炉壁電極の寿命はこの耐火物の損耗に律
速される。そのため、炉壁電極の寿命を延長するために
周囲耐火物の補修を実施している。ところが、耐火物補
修のタイミングは操業者の目視に頼っているのが現状で
あり、必ずしも最良の時期に行っているとはいえない。
ここで、最良の時期とは、補修が容易、補修材の寿命が
長い等、補修が効果的に行える時期のことを指す。以下
に、補修が最良の時期に行われていない例を示す。
温の溶融金属からの受熱、供給電流が通過する時に発生
するジュール熱等によって、極めて過酷な使用雰囲気に
さらされる。従って、通常の炉床耐火物よりもその損耗
は顕著になり、炉壁電極の寿命はこの耐火物の損耗に律
速される。そのため、炉壁電極の寿命を延長するために
周囲耐火物の補修を実施している。ところが、耐火物補
修のタイミングは操業者の目視に頼っているのが現状で
あり、必ずしも最良の時期に行っているとはいえない。
ここで、最良の時期とは、補修が容易、補修材の寿命が
長い等、補修が効果的に行える時期のことを指す。以下
に、補修が最良の時期に行われていない例を示す。
【0003】例えば、残湯操業を実施する場合は、出湯
後も炉内に溶融金属が残留しており、そのままの状態で
は炉床が溶融金属に隠れてしまって耐火物の状況を常時
監視することができない。従って補修のタイミングでは
ないにもかかわらず、念の為に時々全量出鋼を実施し、
耐火物の点検を行っているが、これは大きなエネルギー
ロスにつながる。
後も炉内に溶融金属が残留しており、そのままの状態で
は炉床が溶融金属に隠れてしまって耐火物の状況を常時
監視することができない。従って補修のタイミングでは
ないにもかかわらず、念の為に時々全量出鋼を実施し、
耐火物の点検を行っているが、これは大きなエネルギー
ロスにつながる。
【0004】また、残湯操業を実施しない場合は、操業
者が毎回出湯後に耐火物の点検を実施する必要があり、
ただでさえ多忙な出湯後の作業がより繁雑となる。ま
た、耐火物の点検は熟練を要するため、慣れない者が行
うと補修タイミングがずれて以下の問題が生じる。すな
わち、早いタイミングで補修しすぎると炉床形状の健全
さが損なわれるし、また、遅すぎると地金の巻き込み等
で補修材が脱落しやすくなる。
者が毎回出湯後に耐火物の点検を実施する必要があり、
ただでさえ多忙な出湯後の作業がより繁雑となる。ま
た、耐火物の点検は熟練を要するため、慣れない者が行
うと補修タイミングがずれて以下の問題が生じる。すな
わち、早いタイミングで補修しすぎると炉床形状の健全
さが損なわれるし、また、遅すぎると地金の巻き込み等
で補修材が脱落しやすくなる。
【0005】そのため、『日本鉄鋼協会共同研究会第3
1回電炉部会におけるトピー工業(株)提出資料/昭和
63年5月26,27日開催』では、80本のコンタク
トピンを用いた炉壁電極において、80本全てのピンに
埋め込んだ熱電対測定値と炉床溶損実施値による炉床溶
損管理が報告されている。ピンに埋め込んだ熱電対も温
度指示値は、耐火物厚みはもちろん、溶融金属の温度、
電流値によっても影響を受けるが、操業条件である溶融
金属の温度、電流値は実測可能であるため、耐火物厚み
がある程度測定できるわけである。
1回電炉部会におけるトピー工業(株)提出資料/昭和
63年5月26,27日開催』では、80本のコンタク
トピンを用いた炉壁電極において、80本全てのピンに
埋め込んだ熱電対測定値と炉床溶損実施値による炉床溶
損管理が報告されている。ピンに埋め込んだ熱電対も温
度指示値は、耐火物厚みはもちろん、溶融金属の温度、
電流値によっても影響を受けるが、操業条件である溶融
金属の温度、電流値は実測可能であるため、耐火物厚み
がある程度測定できるわけである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、冷却装置に
よって導電性材料の下部を水冷する方式の炉壁電極に適
用する場合、以下の課題があった。すなわち、導電性材
料下部からの冷却は、通常下端及び側面部分であり、冷
却装置は導電性材料下部を覆うように下から装着され
る。従って、導電性材料下部側面と冷却装置との間には
必ず隙間が存在し、この隙間は操業中変化する。それに
よって、導電性材料の冷却程度が左右され、例えば耐火
物厚み、溶融金属の温度、電流値が同じでも、導電性材
料の中に埋め込んだ熱電対の温度指示値は変化する。従
って、導電性材料の中に埋め込んだ熱電対による温度指
示値から推定できる耐火物厚み及び導電性材料の溶融ラ
インの位置の把握は信頼性の低いものとなってしまう。
よって導電性材料の下部を水冷する方式の炉壁電極に適
用する場合、以下の課題があった。すなわち、導電性材
料下部からの冷却は、通常下端及び側面部分であり、冷
却装置は導電性材料下部を覆うように下から装着され
る。従って、導電性材料下部側面と冷却装置との間には
必ず隙間が存在し、この隙間は操業中変化する。それに
よって、導電性材料の冷却程度が左右され、例えば耐火
物厚み、溶融金属の温度、電流値が同じでも、導電性材
料の中に埋め込んだ熱電対の温度指示値は変化する。従
って、導電性材料の中に埋め込んだ熱電対による温度指
示値から推定できる耐火物厚み及び導電性材料の溶融ラ
インの位置の把握は信頼性の低いものとなってしまう。
【0007】そこで、本考案は、冷却装置によって水冷
する方式の炉壁電極に適用可能で、また、操業中常時導
電性材料及び耐火物損耗状況を検知できて信頼性の高い
監視装置を有する炉壁電極を提供することを目的とす
る。
する方式の炉壁電極に適用可能で、また、操業中常時導
電性材料及び耐火物損耗状況を検知できて信頼性の高い
監視装置を有する炉壁電極を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案における直流アーク炉の炉壁電極は、溶融金
属の温度を測定する熱電対、その測定値を計算機に伝送
する温度変換器、前記導電性材料内温度を測定する熱電
対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、前記導
電性材料下部を冷却する冷却装置内温度を測定する熱電
対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、操業電
流値を計算機に伝送する変換器、それらの測定値によ
り、耐火物厚みと前記導電性材料の溶融ライン位置とを
計算する計算機とから構成された、前記導電性材料及び
周囲耐火物を監視する装置を有することを特徴とするも
のである。
に、本考案における直流アーク炉の炉壁電極は、溶融金
属の温度を測定する熱電対、その測定値を計算機に伝送
する温度変換器、前記導電性材料内温度を測定する熱電
対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、前記導
電性材料下部を冷却する冷却装置内温度を測定する熱電
対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、操業電
流値を計算機に伝送する変換器、それらの測定値によ
り、耐火物厚みと前記導電性材料の溶融ライン位置とを
計算する計算機とから構成された、前記導電性材料及び
周囲耐火物を監視する装置を有することを特徴とするも
のである。
【0009】
【作用】炉壁電極を構成する棒状の導電性材料は、操業
の経過に伴い次のように変化する。すなわち、炉内に材
料が装入されそれがアークによって溶解されて、炉床に
高温の溶融金属が溜まってくると、その熱によって棒状
の導電性材料は上部より溶かされ始める。炉内の材料が
全部溶解され、溶融金属の温度がさらに上昇してくると
棒状の導電性材料への入熱量が増加するため、溶解範囲
が増加し溶融ラインは降下してくる。この溶融ライン
は、導電性材料の下部を冷却しているため、上部からの
入熱量と下部からの奪熱量がバランスする位置で停止す
る。従って、上部からの入熱量に影響する因子である溶
融金属の温度、操業電流値、耐火物厚みと、下部からの
奪熱量に影響する因子である棒状の導電性材料と冷却装
置との接触状態から決まる導電性材料の冷却状況(導電
性材料と冷却装置との隙間)によって、溶融ラインの位
置は変化する。それに伴って、導電性材料内温度及び導
電性材料下部を冷却する冷却装置内温度は変化する。こ
れらの条件と、導電性材料内温度及び冷却装置内温度と
は、ある一定の関係があることが考案者らによって確認
されている。
の経過に伴い次のように変化する。すなわち、炉内に材
料が装入されそれがアークによって溶解されて、炉床に
高温の溶融金属が溜まってくると、その熱によって棒状
の導電性材料は上部より溶かされ始める。炉内の材料が
全部溶解され、溶融金属の温度がさらに上昇してくると
棒状の導電性材料への入熱量が増加するため、溶解範囲
が増加し溶融ラインは降下してくる。この溶融ライン
は、導電性材料の下部を冷却しているため、上部からの
入熱量と下部からの奪熱量がバランスする位置で停止す
る。従って、上部からの入熱量に影響する因子である溶
融金属の温度、操業電流値、耐火物厚みと、下部からの
奪熱量に影響する因子である棒状の導電性材料と冷却装
置との接触状態から決まる導電性材料の冷却状況(導電
性材料と冷却装置との隙間)によって、溶融ラインの位
置は変化する。それに伴って、導電性材料内温度及び導
電性材料下部を冷却する冷却装置内温度は変化する。こ
れらの条件と、導電性材料内温度及び冷却装置内温度と
は、ある一定の関係があることが考案者らによって確認
されている。
【0010】ここで、実操業において実測が可能な値と
しては、溶融金属の温度、操業電流値、導電性材料内温
度、冷却装置内温度である。従って、これらの実測値と
前記関係を用いれば、信頼性の高い耐火物厚みが推定で
きる。これらの実測値は常時測定が可能であるため、操
業中常時耐火物の損耗状況を監視でき、耐火物を補修す
べき最良の時期を知ることができる。
しては、溶融金属の温度、操業電流値、導電性材料内温
度、冷却装置内温度である。従って、これらの実測値と
前記関係を用いれば、信頼性の高い耐火物厚みが推定で
きる。これらの実測値は常時測定が可能であるため、操
業中常時耐火物の損耗状況を監視でき、耐火物を補修す
べき最良の時期を知ることができる。
【0011】上述した一定の関係について、図2の場合
を例にして説明する。まず、溶融金属から冷却装置11
までの熱流束Q2 を考えると次のように表される。 Q2 =K・A(TM −T2 ) …(1) ここで、K:総括熱伝達係数 A:冷却装置の表面積 TM :溶融金属の温度 T2 :冷却装置内温度(冷却水温度)
を例にして説明する。まず、溶融金属から冷却装置11
までの熱流束Q2 を考えると次のように表される。 Q2 =K・A(TM −T2 ) …(1) ここで、K:総括熱伝達係数 A:冷却装置の表面積 TM :溶融金属の温度 T2 :冷却装置内温度(冷却水温度)
【0012】また、Q2 は冷却装置の冷却水による奪熱
量であり、以下の如く示される。 Q2 =C・G(T2 −Ti ) …(2) ここで、C:冷却水の比熱 G:冷却水の流量 Ti :冷却装置内入口の冷却水温度
量であり、以下の如く示される。 Q2 =C・G(T2 −Ti ) …(2) ここで、C:冷却水の比熱 G:冷却水の流量 Ti :冷却装置内入口の冷却水温度
【0013】上記において、A,TM ,T2 ,C,G,
Ti は既知であり、また、Kは下式で表される。
Ti は既知であり、また、Kは下式で表される。
【数1】 ここで、α1 :溶融金属内の流動によって決まる熱伝達
係数 λ1 :導電性材料10の熱伝導率 t:耐火物厚み t′:冷却装置部の導電性材料長さ a:導電性材料10と冷却装置11との隙間 λ2 :隙間aにおける空気の熱伝導率 λ3 :冷却装置の熱伝導率 b:冷却装置の厚み α2 :冷却水の流動によって決まる熱伝達係数 α1 ,λ1 ,t′,λ2 ,λ3 ,b,α2 は既知であ
り、耐火物厚みtと隙間aが未知である。
係数 λ1 :導電性材料10の熱伝導率 t:耐火物厚み t′:冷却装置部の導電性材料長さ a:導電性材料10と冷却装置11との隙間 λ2 :隙間aにおける空気の熱伝導率 λ3 :冷却装置の熱伝導率 b:冷却装置の厚み α2 :冷却水の流動によって決まる熱伝達係数 α1 ,λ1 ,t′,λ2 ,λ3 ,b,α2 は既知であ
り、耐火物厚みtと隙間aが未知である。
【0014】次に、導電性材料内温度T1 点から冷却装
置までの熱流束Q2 ′を考えると以下のように表され
る。 Q2 ′=K′・A(T1 −T2 ) …(4) ここで、Q2 ′は(2)式と同様に冷却水による奪熱量
である。また、K′も総括熱伝達係数であり、以下の
(5)式で求まる。
置までの熱流束Q2 ′を考えると以下のように表され
る。 Q2 ′=K′・A(T1 −T2 ) …(4) ここで、Q2 ′は(2)式と同様に冷却水による奪熱量
である。また、K′も総括熱伝達係数であり、以下の
(5)式で求まる。
【数2】 (5)式において未知数は導電性材料と冷却装置との隙
間aであり、従って、(2)式、(4)式、(5)式よ
り隙間aが求まる。よって、(1)式、(2)式、
(3)式より耐火物厚みtも求まる。
間aであり、従って、(2)式、(4)式、(5)式よ
り隙間aが求まる。よって、(1)式、(2)式、
(3)式より耐火物厚みtも求まる。
【0015】
【実施例】本考案による実施例を図面によって説明す
る。図1は、本考案の検知装置の構成図である。溶融金
属の温度TM は1ヒート中に2〜3回の頻度で、消耗型
熱電対2を用いて、人手あるいは機械的に測定され、そ
の測定値は、温度変換器3によって計算機1に伝送され
る。また、導電性材料内温度T1 は、電極内に設置され
た熱電対4によって常時測定されており、その測定値
は、温度変換器5によって常時計算機1に伝送されてい
る。
る。図1は、本考案の検知装置の構成図である。溶融金
属の温度TM は1ヒート中に2〜3回の頻度で、消耗型
熱電対2を用いて、人手あるいは機械的に測定され、そ
の測定値は、温度変換器3によって計算機1に伝送され
る。また、導電性材料内温度T1 は、電極内に設置され
た熱電対4によって常時測定されており、その測定値
は、温度変換器5によって常時計算機1に伝送されてい
る。
【0016】一方、冷却装置内温度T2 は、冷却装置内
に設置された熱電対6によって常時測定されており、そ
の測定値は、温度変換器7によって常時計算機1に伝送
されている。さらに、操業電流は図示しない導体途中に
て測定され、その測定値は変換器8によって常時計算機
1に伝送されている。
に設置された熱電対6によって常時測定されており、そ
の測定値は、温度変換器7によって常時計算機1に伝送
されている。さらに、操業電流は図示しない導体途中に
て測定され、その測定値は変換器8によって常時計算機
1に伝送されている。
【0017】計算機1内には、あらかじめ求められてい
る[溶融金属の温度TM =導電性材料内温度T1 −冷却
装置内温度T2 −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性
材料と冷却装置との隙間]の関係が入力されている。す
なわち、その関係は、 T1 =f(TM ,I,t,導電性材料と冷却装置との隙間) T2 =f(TM ,I,t,導電性材料と冷却装置との隙間) で表されるが、耐火物厚みt、導電性材料と冷却装置と
の隙間は未知であり、溶融金属の温度TM 、導電性材料
内温度T1 、冷却装置内温度T2 、操業電流値Iは伝送
されてくる。従って、上記2つの関係から耐火物厚みt
が計算される。この時、同時に導電性材料内の溶融ライ
ン位置も特定する。
る[溶融金属の温度TM =導電性材料内温度T1 −冷却
装置内温度T2 −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性
材料と冷却装置との隙間]の関係が入力されている。す
なわち、その関係は、 T1 =f(TM ,I,t,導電性材料と冷却装置との隙間) T2 =f(TM ,I,t,導電性材料と冷却装置との隙間) で表されるが、耐火物厚みt、導電性材料と冷却装置と
の隙間は未知であり、溶融金属の温度TM 、導電性材料
内温度T1 、冷却装置内温度T2 、操業電流値Iは伝送
されてくる。従って、上記2つの関係から耐火物厚みt
が計算される。この時、同時に導電性材料内の溶融ライ
ン位置も特定する。
【0018】導電性材料内の溶融ライン位置Pは、 P=f(TM ,I,T1 ,T2 ,t,導電性材料と冷却装置との隙間) で規定されるため、上記のように耐火物厚みt、導電性
材料と冷却装置との隙間が決定されれば、T1 、T2 の
関係から決定される。
材料と冷却装置との隙間が決定されれば、T1 、T2 の
関係から決定される。
【0019】次に、計算された耐火物厚みtとあらかじ
め計算機内に入力されている管理耐火物厚みtc と比較
し、計算された耐火物厚みtが管理耐火物厚みtc より
も小さくなった場合に補修タイミングと判断し警報を出
す。この警報が出たら、操業者は補修を実施すればよ
い。例えば、残湯操業を実施している場合、警報が出て
初めて全量出鋼を行い補修を実施できる。また、同時に
溶融ライン位置をCRT9の画面上に表示する。これを
ガイドとしながら、操業者は溶融金属の温度、操業電流
値を調整することによって、溶融ライン位置の制御を行
うことができる。
め計算機内に入力されている管理耐火物厚みtc と比較
し、計算された耐火物厚みtが管理耐火物厚みtc より
も小さくなった場合に補修タイミングと判断し警報を出
す。この警報が出たら、操業者は補修を実施すればよ
い。例えば、残湯操業を実施している場合、警報が出て
初めて全量出鋼を行い補修を実施できる。また、同時に
溶融ライン位置をCRT9の画面上に表示する。これを
ガイドとしながら、操業者は溶融金属の温度、操業電流
値を調整することによって、溶融ライン位置の制御を行
うことができる。
【0020】図2は、電極内の状況を図示したものであ
る。棒状に成形した導電性材料10は、その下部を冷却
装置11によって冷却され、その上部は高温の溶融金属
によって溶解され、上下の熱バランスによって、溶融ラ
イン12が形成される。この溶融ライン12は溶融金属
の温度TM 、操業電流値I、耐火物厚みt、棒状の導電
性材料と冷却装置との接触状況によって、そのバランス
する位置が左右される。従って、それによって、電極内
の温度分布が変わり、導電性材料内、冷却装置内に設置
された熱電対4、6の指示値は変化する。
る。棒状に成形した導電性材料10は、その下部を冷却
装置11によって冷却され、その上部は高温の溶融金属
によって溶解され、上下の熱バランスによって、溶融ラ
イン12が形成される。この溶融ライン12は溶融金属
の温度TM 、操業電流値I、耐火物厚みt、棒状の導電
性材料と冷却装置との接触状況によって、そのバランス
する位置が左右される。従って、それによって、電極内
の温度分布が変わり、導電性材料内、冷却装置内に設置
された熱電対4、6の指示値は変化する。
【0021】棒状に成形した導電性材料10と冷却装置
11との間には、あらかじめ低融点合金13が充填され
ているが、組み立て精度の問題から若干隙間が存在す
る。この隙間は操業条件によって変化するため、導電性
材料10の冷却状況も変化する。これによって、溶融ラ
イン12の位置も変化するわけである。棒状に成形した
導電性材料10の周囲は耐火物14によって構成されて
いる。
11との間には、あらかじめ低融点合金13が充填され
ているが、組み立て精度の問題から若干隙間が存在す
る。この隙間は操業条件によって変化するため、導電性
材料10の冷却状況も変化する。これによって、溶融ラ
イン12の位置も変化するわけである。棒状に成形した
導電性材料10の周囲は耐火物14によって構成されて
いる。
【0022】図3は、[導電性材料内温度T1 −溶融金
属の温度TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材
料と冷却装置との隙間]及び[冷却装置内温度T2 −溶
融金属の温度TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電
性材料と冷却装置との隙間]の関係を示した例である。
これは、例えば操業電流値I=40kAで、導電性材料と
冷却装置との隙間が0の場合を示している。
属の温度TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材
料と冷却装置との隙間]及び[冷却装置内温度T2 −溶
融金属の温度TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電
性材料と冷却装置との隙間]の関係を示した例である。
これは、例えば操業電流値I=40kAで、導電性材料と
冷却装置との隙間が0の場合を示している。
【0023】溶融ライン12は、溶融金属の温度TM が
増加、あるいは耐火物厚みtが減少するとその位置は低
下し、導電性材料内温度T1 、冷却装置内温度T2 は上
昇する。これは、考案者らが実炉における実績値を元に
構築したシミュレーション計算プログラムを用いて求め
たものであり、他の炉においても、計算値と実績値とは
良く一致している。
増加、あるいは耐火物厚みtが減少するとその位置は低
下し、導電性材料内温度T1 、冷却装置内温度T2 は上
昇する。これは、考案者らが実炉における実績値を元に
構築したシミュレーション計算プログラムを用いて求め
たものであり、他の炉においても、計算値と実績値とは
良く一致している。
【0024】
【考案の効果】以上に説明したように、冷却装置によっ
て水冷する方式の炉壁電極に適用可能な検知装置であ
り、常時測定が可能な、溶融金属の温度、導電性材料及
び冷却装置に取り付けた温度計指示値、操業電流値から
耐火物損耗を計算するため、常時耐火物の損耗状況を検
知できる。従って、補修すべき最良の時期に耐火物補修
を行うことができる。それによって、補修材の持ちが良
くなり、補修材の使用量が減少することによってコスト
削減効果が享受できる。また、残湯操業を行う場合、炉
床耐火物点検のための無駄な全量出鋼をする必要がない
ためエネルギーロスを押さえることができる。
て水冷する方式の炉壁電極に適用可能な検知装置であ
り、常時測定が可能な、溶融金属の温度、導電性材料及
び冷却装置に取り付けた温度計指示値、操業電流値から
耐火物損耗を計算するため、常時耐火物の損耗状況を検
知できる。従って、補修すべき最良の時期に耐火物補修
を行うことができる。それによって、補修材の持ちが良
くなり、補修材の使用量が減少することによってコスト
削減効果が享受できる。また、残湯操業を行う場合、炉
床耐火物点検のための無駄な全量出鋼をする必要がない
ためエネルギーロスを押さえることができる。
【0025】耐火物の損耗状況と共に、導電性材料の溶
融ライン位置の把握が可能となるため、溶融ラインの突
発的な動きにも対処可能であり、湯漏れ等のトラブルを
未然に防止することができる。さらに、有効な補修が可
能となるため、炉壁電極自体の寿命が飛躍的に向上す
る。
融ライン位置の把握が可能となるため、溶融ラインの突
発的な動きにも対処可能であり、湯漏れ等のトラブルを
未然に防止することができる。さらに、有効な補修が可
能となるため、炉壁電極自体の寿命が飛躍的に向上す
る。
【図1】本考案の検知装置の構成図である。
【図2】電極内の状況を図示したものである。
【図3】[導電性材料内温度T1 −溶融金属の温度TM
−操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材料と冷却装置
との隙間]及び[冷却装置内温度T2 −溶融金属の温度
TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材料と冷却
装置との隙間]の関係を示した例である。
−操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材料と冷却装置
との隙間]及び[冷却装置内温度T2 −溶融金属の温度
TM −操業電流値I−耐火物厚みt−導電性材料と冷却
装置との隙間]の関係を示した例である。
1 計算機 2 消耗型熱電対 3 温度変換器 4 導電性材料内に設置された熱電対 5 温度変換器 6 冷却装置内に設置された熱電対 7 温度変換器 8 変換器 9 CRT 10 棒状に成形した導電性材料 11 冷却装置 12 溶融ライン 13 低融点合金 14 耐火物
Claims (1)
- 【請求項1】 棒状に成形した導電性材料を炉壁に貫通
させて取り付け、該導電性材料の一端を溶融金属に接す
る側の電極とし、該導電性材料の他端を冷却装置によっ
て水冷する方式の直流アーク炉の炉壁電極において、溶
融金属の温度を測定する熱電対、その測定値を計算機に
伝送する温度変換器、前記導電性材料内温度を測定する
熱電対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、前
記導電性材料下部を冷却する冷却装置内温度を測定する
熱電対、その測定値を計算機に伝送する温度変換器、操
業電流値を計算機に伝送する変換器、それらの測定値に
より、耐火物厚みと前記導電性材料の溶融ライン位置と
を計算する計算機とから構成された、前記導電性材料及
び周囲耐火物を監視する装置を有することを特徴とする
直流アーク炉の炉壁電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8517691U JP2530059Y2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 直流アーク炉の炉壁電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8517691U JP2530059Y2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 直流アーク炉の炉壁電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0536296U JPH0536296U (ja) | 1993-05-18 |
JP2530059Y2 true JP2530059Y2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=13851355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8517691U Expired - Lifetime JP2530059Y2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 直流アーク炉の炉壁電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530059Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP8517691U patent/JP2530059Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0536296U (ja) | 1993-05-18 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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