JP2755813B2 - 耐火物の補修時期判断装置 - Google Patents

耐火物の補修時期判断装置

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JP2755813B2 JP29545890A JP29545890A JP2755813B2 JP 2755813 B2 JP2755813 B2 JP 2755813B2 JP 29545890 A JP29545890 A JP 29545890A JP 29545890 A JP29545890 A JP 29545890A JP 2755813 B2 JP2755813 B2 JP 2755813B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃焼炉,反応炉などの高温炉や、高温溶融
物を運搬・収容する耐火物容器(溶銑鍋,溶鋼鍋,転
炉,混銑車等)や、高温溶融物の樋(製鉄業の高炉主
樋,溶銑樋等)、あるいは、各種窯業分野(ガラス,セ
メント等)の連続式溶融炉などにおける内張耐火物の侵
食状況(損耗)を監視し、その補修時期および補修規模
を把握するための耐火物の補修時期判断装置に関する。
[従来の技術] このような高温炉,耐火物容器,樋等の内張耐火物の
温度状況を正確,迅速に検知することは、炉等の安全操
業や製品の品質管理の上から極めて重要なポイントであ
る。このため、従来より、耐火物の温度,侵食状況を監
視するために各種の侵食監視装置が提案されている。
特開昭53−122608号公報に記載された溶銑樋監視方法
では、溶銑樋でのその樋材の損耗の激しい個所(樋材継
目,溶銑面レベル)に、温度変化を電気抵抗変化として
検出しうるセンサを設置している。このセンサには、常
時、定電流を流し、センサから取り出される抵抗を計測
する。湯もれや樋材の損耗があると、樋外壁部分の温度
が上昇し、これによりセンサの電気抵抗も変化する。こ
の変化を検知することで、湯もれや樋侵食損耗による事
故が未然に防止される。
実公昭57−46355号公報に記載された溶銑樋監視装置
では、溶銑樋の侵食や亀裂の生じやすい部位の樋材中
に、センサが埋設されている。このセンサは、筒状の導
体と、その中心を貫き且つ導体内に充填された絶縁物に
て保持された線状の導体とから構成されている。そし
て、溶銑樋の耐火物に侵食,亀裂等の損傷が発生する
と、上記センサが溶銑に触れ、センサ内の絶縁物が溶損
し、筒状の導体と線状の導体とが導通状態になる。この
導通状態を電気的に検知することにより、湯もれ等によ
る事故を防止できる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、例えば第6図に示すような溶銑樋1におい
ては、溶銑2の流れから考慮して符号Aにて示した4カ
所のコーナ部にて耐火物3の侵食・損耗が最も激しく、
この部位Aでの侵食進行状況が特に問題となる。また、
設備診断上、安全操業を継続するためには、漏銑という
大事故を防止することが重要である。そのため、長期操
業にあたっては適切な耐火物の吹付け補修が必要であ
る。
しかしながら、上述した従来の各種の侵食監視手段で
は、耐火物の補修時期や補修規模を正確に把握すること
ができない。また、このようにして、従来、適当な耐火
物の残存厚さ検知手段がないので、安全操業を優先する
ためには、早めの耐火物の吹付け補修を行なう必要があ
り、耐火物の原単位が大きくなってしまう。
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたもの
で、耐火物の吹付け補修時期,補修規模を操業者に知ら
しめることができるようにして、漏銑等の大事故を防止
して安全操業を継続しつつ、不必要な吹付け補修を行な
わずに耐火物の原単位低減を実現した耐火物の補修時期
判断装置を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の耐火物の補修時
期判断装置(請求項1)は、溶銑との接触により断線も
しくは融接する導体からなる複数の検知部を、耐火物の
損耗の激しい部位において該耐火物の厚さ方向の異なる
部位に配置・埋設し、各検知部における導体の溶銑によ
る断線もしくは溶接に伴う電気的変化を検知して耐火物
の侵食量を計測する侵食量計測手段をそなえるととも
に、耐火物の温度を測定する測温手段を、前記複数の検
知部の配置線上で耐火物の最外側にそなえ、侵食量計測
手段による計測結果と測温手段による測温結果とに基づ
いて耐火物の補修時期および補修規模を判断する手段を
そなえたことを特徴としている。
また、本発明の耐火物の補修時期判断装置(請求項
2)は、検知部を2個そなえ、一方の検知部を耐火物の
厚さ方向の略中央位置に放置・埋設するとともに、他方
の検知部を前記略中央位置よりも外側の耐火物の管理限
界位置に配置・埋設し、請求項1の判断手段が、一方の
検知部の位置まで耐火物の侵食が進行したことが侵食量
計測手段により計測された場合、耐火物の初期吹付け補
修時期がきたものと判断してその旨を出力すると同時
に、その時点での測温手段による測温データを温度閾値
として記憶し、初期吹付け補修以降は、測温手段による
測温データが前記温度閾値を超えると耐火物の初期吹付
け補修時期がきたものと判断してその旨を出力する一
方、他方の検知部の位置まで耐火物の侵食が進行したこ
とが侵食量計測手段により計測された場合、耐火物の中
規模吹付け補修時期がきたものと判断してその旨を出力
すると同時に、その時点での測温手段による測温データ
を限界閾値として記憶し、中規模吹付け補修以降は、測
温手段による測温データが前記温度閾値を超えると、耐
火物の初期吹付け補修時期がきたものと判断してその旨
を出力し、測温手段による測温データが前記限界閾値を
超えると、該耐火物をもつ設備の操業を緊急停止する旨
を出力することを特徴としている。
[作用] 上述した本発明の耐火物の補修時期判断装置(請求項
1)では、侵食量計測手段による計測結果(つまり耐火
物の損耗の激しい部位における侵食量)と測温手段によ
る測温結果とに基づいて、判断手段により、耐火物の補
修時期および補修規模が判断される。
また、請求項2の装置の判断手段では、耐火物の厚さ
方向の略中央位置まで耐火物の侵食が進行すると、これ
が一方の検知部および侵食量計測手段により検出され、
耐火物の初期吹付け補修時期がきたものと判断され、そ
の時点の測温データが温度閾値として記憶される。初期
吹付け補修以降は、測温手段による測温データが温度閾
値を超えると、耐火物の初期吹付け補修時期がきたもの
と判断される。さらに、耐火物の管理限界位置まで耐火
物の侵食が進行すると、これが他方の検知部および侵食
量計測手段により検出され、耐火物の中規模吹付け補修
時期がきたものと判断され、その時点の測温データが限
界閾値として記憶される。中規模吹付け補修以降は、測
温手段による測温データが温度閾値を超えると、耐火物
の初期吹付け補修時期がきたものと判断され、測温手段
による測温データが限界閾値を超えると、該耐火物をも
つ設備の操業を緊急停止させる。このようにして、耐火
物の吹付け補修時期,補修規模が操業者に知らしめられ
る。
[発明の実施例] 以下、図面により本発明の一実施例としての耐火物の
補修時期判断装置について説明すると、第1図はその全
体構成図、第2図その断線検出センサの詳細構成を示す
断面図、第3図は断線検出センサおよび耐火物の初期吹
付け補修後の状況を示す断面図、第4図はその判断手段
における判断手段を説明するためのフローチャート、第
5図はその動作を説明すべく熱電対による測温結果およ
び残存耐火物厚さの推移状況を示すグラフである。
第1〜3図において、1は溶銑樋、2はこの溶銑樋1
内を流れる溶銑で、溶銑樋1は、鉄皮4内面に永久張り
耐火物3aを貼り付け、さらにこの永久張り耐火物3a内に
厚さLの耐火物3bを貼付ることにより構成されている。
また、5は耐火物3b内に埋設された断線検出センサ
で、このセンサ5は、本実施例においては、溶銑との接
触により断線もしくは融接する導体からなる検知部5a,5
bを2つ有しており、これらの検知部5a,5bを外套シース
5c内に収納して、耐火物3bの損耗の激しい部位(例えば
第6図の部位Aのスラグライン位置)において耐火物3b
の厚さ方向の異なる部位に配置・埋設している。ここ
で、第2,3図に示すように、検知部5aは、耐火物3bの厚
さ方向の略中央位置に配置・埋設されるとともに、検知
部5bは、検知部5aを配置した略中央位置よりも外側の耐
火物3bの管理限界位置(永久張り耐火物3aから100mm程
度の位置)に配置・埋設される。なお、検知部5aの位置
は、第1回目の補修つまり初期吹付け補修を行ないたい
位置であり、この補修は、極力遅い方が耐火物原単位低
減に有効であるため、耐火物3bの厚さ方向の略中央位置
としている。
さらに、6は耐火物3bの温度を測定する熱電対(測温
手段)で、この熱電対6は、第2,3図に示すように、外
套シース5c内において、検知部5a,5bの略配置線上で耐
火物の最外側(永久張り耐火物3aと耐火物3bとの境界付
近)にそなえられている。この熱電対6は、耐火物3bが
断線検出センサ5の検知部5a,5bの位置まで損耗した時
の温度推移を把握するためのもので、1炉代に亘って劣
化しない位置に配置される。
一方、7は検知部5a,5bおよび熱電対6からの電気信
号を伝送するためのリード線、8は各検知5a,5bにおけ
る導体の溶銑による断線もしくは融接に伴う電気的変化
を検知して耐火物3bの侵食量を計測する侵食量計測装置
(侵食量計測手段)、9は侵食量計測装置8による計測
結果と熱電対6による測温結果とに基づいて耐火物3bの
補修時期および補修規模を第4図に示すフロー(後述)
に従って判断する判断手段である。
なお、第3図において、10は補修耐火物、11は初期吹
付け補修時期まで耐火物3bの侵食が進行した際の稼動面
位置である。
本発明の一実施例としての耐火物の補修時期判断装置
は上述のごとく構成されているので、次のように動作す
る。
センサ5や熱電対6の施工を完了した後、操業を開始
する(第4図のステップS1)。操業の進行とともに、耐
火物3bが損耗して第3図に示すように1点目の検知部5a
の位置11まで侵食されると(第4図のステップS2,第5
図の時刻t1)、センサ5の検知部5aが断線し、この時の
急激な電気抵抗の変化を侵食量計測装置8により検出
し、判断手段9によって、耐火物3bの初期吹付け補修時
期がきたものと判断され、アラームが出力される。この
時点で適当な厚さの初期吹付け補修を行なって、第3図
に示すように補修耐火物10を貼り付ける(第4図のステ
ップS3)。このとき、熱電対6からの測温データから、
検知部5aの断線時の温度T1を温度閾値として記憶・設定
し、操業を続行する(第4図のステップS4)。
ステップS4による初期吹付け補修以降は、熱電対6に
よる測温データTiが温度閾値T1を超え、2点目の検知部
5bが溶損していなければ(第4図のステップS5,S6,第5
図の時刻t2)、耐火物3bの初期吹付け補修時期がきたも
のと判断して、その都度、アラームを出力して初期吹付
け補修を行なう(第4図のステップS7)。
ところで、操業が後半になると、熱応力による耐火物
3bのクラックや劣化・変質等の原因により、耐火物3bの
大きな損耗(スポーリング)を生じることがある。この
様子を示したものが、第5図の時刻t3で、2点目の検知
部5bが溶断すると同時に、急激な温度上昇が見られる。
このような状況がステップS5,S6により判定されると、
判断手段9は、耐火物の中規模吹付け補修時期がきたも
のと判断して、アラームを出力し、中規模吹付け補修を
行なう(第4図のステップS8)。このとき、熱電対6か
らの測温データから、検知部5bの断線時の温度T2を限界
閾散(緊急用温度閾値)として記憶・設定し、操業を続
行する(第4図のステップS9)。
中規模吹付け補修以降は、熱電対6による測温データ
が、温度閾値T1を超えると(第4図のステップS10)、
耐火物3bの初期吹付け補修を行ない(第4図のステップ
S12)、限界閾値t2を超えると(第4図のステップS1
1)、この耐火物3bをもつ設備の操業を緊急停止させる
(第4図のステップS13)。このようにして、熱電対6
による測温データが限界閾値T2を超えることがないよう
に、温度閾値T1を超えた時点で順次吹付け補修を行な
い、大改修まで安全操業を実施していく。
このように、本実施例の装置によれば、耐火物3bの損
耗の激しい部位においてその侵食状況を管理すること
で、溶銑樋1全体を管理できることになるほか、耐火物
3bの吹付け補修時期,補修規模を確実に判断して操業者
に知らせることができ、漏銑等の大事故を確実に防止し
て安全操業を継続しながら、不必要な吹付け補修を行な
わず必要最小限の補修を行なって、耐火物3bの原単位低
減を実現できるのである。
なお、上記実施例では、検知部5a,5bを2つそなえた
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではない。また、上記実施例では、本発明の装置を溶
銑樋1の耐火物3bの補修時期判断のために用いたが、本
発明はこれに限定されるものではない。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の耐火物の補修時期判断
装置に(請求項1,2)によれば、耐火物の損耗の激しい
部位における侵食量計測手段による計測結果と測温手段
による測温結果とに基づいて、判断手段により、耐火物
の補修時期および補修規模を確実に判断できるように構
成したので、耐火物の吹付け補修時期,補修規模を操業
者に正確に知らしめることができ、漏銑等の大事故を防
止して安全操業を継続しつつ、不必要な吹付け補修を行
なわずに耐火物の原単位低減を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の一実施例としての耐火物の補修時
期判断装置を示すもので、第1図はその全体構成図、第
2図はその断線検出センサの詳細構成を示す断面図、第
3図は断線検出センサおよび耐火物の初期吹付け補修後
の状況を示す断面図、第4図はその判断手段における判
断手順を説明するためのフローチャート、第5図はその
動作を説明すべく熱電対による測温結果および残存耐火
物厚さの推移状況を示すグラフであり、第6図は耐火物
侵食が問題となる個所の例を示す平面図である。 図において、1……溶銑樋、2……溶銑、3a……永久張
り耐火物、3b……耐火物、4……鉄皮、5……断線検出
センサ、5a,5b……検知部、5c……外套シース、6……
熱電対(測温手段)、7……リード線、8……侵食量計
測装置(侵食量計測手段)、9……判断手段、10……補
修耐火物、11……稼動面位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 隆 兵庫県神戸市東灘区甲南町2丁目4番12 ―107号 (56)参考文献 特開 平3−75494(JP,A) 特開 平2−298853(JP,A) 特開 平2−259404(JP,A) 実開 平3−27600(JP,U) 実開 昭63−139507(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 1/00 F27D 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶銑との接触により断線もしくは融接する
    導体からなる複数の検知部が、耐火物の損耗の激しい部
    位において該耐火物の厚さ方向の異なる部位に配置・埋
    設され、前記の各検知部における導体の溶銑による断線
    もしくは融接に伴う電気的変化を検知して前記耐火物の
    侵食量を計測する侵食量計測手段がそなえられるととも
    に、前記耐火物の温度を測定する測温手段が、前記複数
    の検知部の配置線上で前記耐火物の最外側にそなえら
    れ、前記侵食量計測手段による計測結果と前記測温手段
    による測温結果とに基づいて前記耐火物の補修時期およ
    び補修規模を判断する判断手段がそなえられたことを特
    徴とする耐火物の補修時期判断装置。
  2. 【請求項2】前記検知部を2個そなえ、一方の検知部を
    前記耐火物の厚さ方向の略中央位置に配置・埋設すると
    ともに、他方の検知部を前記略中央位置よりも外側の前
    記耐火物の管理限界位置に配置・埋設し、 前記判断手段は、 前記一方の検知部の位置まで前記耐火物の侵食が進行し
    たことが前記侵食量計測手段により計測された場合、前
    記耐火物の初期吹付け補修時期がきたものと判断してそ
    の旨を出力すると同時に、その時点での前記測温手段に
    よる測温データを温度閾値として記憶し、初期吹付け補
    修以降は、前記測温手段による測温データが前記温度閾
    値を超えると前記耐火物の初期吹付け補修時期がきたも
    のと判断してその旨を出力する一方、 前記他方の検知部の位置まで前記耐火物の侵食が進行し
    たことが前記侵食量計測手段により計測された場合、前
    記耐火物の中規模吹付け補修時期がきたものと判断して
    その旨を出力すると同時に、その時点での前記測温手段
    による測温データを限界閾値として記憶し、中規模吹付
    け補修以降は、前記測温手段による測温データが前記温
    度閾値を超えると、前記耐火物の初期吹付け補修時期が
    きたものと判断してその旨を出力し、前記測温手段によ
    る測温データが前記限界閾値を超えると、該耐火物をも
    つ設備の操業を緊急停止する旨を出力することを特徴と
    する請求項1記載の耐火物の補修時期判断装置。
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