JP6373783B2 - 溶鋼鍋の管理方法 - Google Patents

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本発明は、溶鋼をガスで撹拌する精錬に用いられる溶鋼鍋の管理方法に関する。
溶鋼が装入される溶鋼鍋は、転炉から二次精錬装置(溶鋼処理設備)を経て連続鋳造装置までの間の様々な箇所で用いられる。この溶鋼鍋が使用される毎に、溶鋼鍋内に設けた耐火物の損耗が進行することになる。特に、二次精錬処理を行った際に、スラグが接触するスラグライン部において耐火物の損耗が進行することが知られている。また、特に、通電加熱を行いながら不活性ガス等を溶鋼内に吹き込んで攪拌するLF処理などで、耐火物の損耗が進行することが知られている。耐火物の損耗が進行すると漏鋼につながるため、耐火物の損耗状況の監視、即ち、溶鋼鍋における耐火物の厚みの把握は非常に重要である。
耐火物の残厚を監視する方法として、残厚測定装置を用いてその都度残厚を測定して管理する方法が考えられる。しかしながら、耐火物への地金付着や局所的な損耗により十分な測定精度が得られないという問題がある。また、その精度の向上は技術的に困難であり、対策に多くの時間を要する。また、耐火物の残厚を一回の処理毎に測定するのは、手間と時間がかかり、生産性に悪影響を及ぼす。そこで、耐火物の残厚を測定せずに、耐火物の損耗状況を推定して管理する方法が求められている。
特許文献1には、精錬の際、取鍋の鉄皮のうちスラグライン部に相当する鉄皮の温度を測定し、鉄皮の温度と所定の閾値とを比較し、鉄皮の温度が所定の閾値を上回ったら精錬を中断する取鍋の使用方法が開示されている。精錬で最も溶損し易い部分であるスラグライン部を集中して管理することで、精錬を最大限に継続できる。
また、特許文献2には、灰溶融炉の灰投入量、投入電力、主灰/飛灰混合率、スラグ温度、冷却水量及び冷却水温度、耐火物温度、炉内温度、電流、電圧から選択された1以上の運転データに基づき耐火物の残存量を予測する灰溶融炉の運転方法が開示されている。耐火物の残存量から適正な運転条件を求めることで、耐火物寿命の延命化が可能となる。
また、特許文献3には、電極加熱を行う際の通電電力原単位を基に得られたスラグライン耐火物の溶損速度を用いてスラグライン耐火物の推定残厚を算出する溶鋼鍋の管理方法が開示されている。スラグライン耐火物の残厚を監視することで、溶鋼鍋の使用回数を向上させることができる。
特開2010−17756号公報 特開2006−145122号公報 特開2012−223776号公報
しかしながら、特許文献1〜3は、いずれも損耗しやすい箇所を集中して管理する方法である。そのため、溶鋼鍋の全周にわたって耐火物の損耗状況を予測することはできない。また、精錬条件(撹拌条件)を変更した場合には、再度管理すべき箇所を特定しなければならない。また、場合によっては損耗が顕著に生じる箇所を検知できない恐れもある。
本発明の目的は、損耗を精度よく予測することで溶鋼鍋を効率よく管理することが可能な溶鋼鍋の管理方法を提供することである。
本発明は、溶鋼をガスで撹拌する精錬に用いられ、スラグが接触するスラグライン部にスラグライン耐火物が施工された溶鋼鍋の管理方法であって、物質移動係数をK[m/s]、前記スラグの密度をρb[kg/m3]、前記スラグライン耐火物の密度をρr[kg/m3]、精錬処理中に前記スラグへ溶出する前記スラグライン耐火物の成分をA、前記成分Aの前記スラグに対する飽和濃度と前記スラグ内における前記成分Aの濃度との差を質量パーセント濃度で表わしたものをΔ(wt%A)[%]、前記スラグライン耐火物の稼働面から10〜20mm離れた位置における前記スラグの接線方向の流速をVs[m/s]とすると、前記スラグライン耐火物の損耗速度Vw[m/s]を、数値係数a[−]およびe[m-a+1・sa-1]を用いて下記の式(1)、式(2)から予測し、精錬処理時間の積算値で前記スラグライン耐火物の損耗速度V w を時間積分することで、前記スラグライン耐火物の最大損耗量を算出し、前記スラグライン耐火物の厚みの初期値から前記最大損耗量を差し引いた残厚が所定値に達したときに、前記溶鋼鍋が使用限界に達したと判定することを特徴とする。
w=KρbΔ(wt%A)/100ρr ・・・式(1)
K=eVs a ・・・式(2)
本発明によると、スラグの接線方向の流速と、スラグライン耐火物の損耗速度との関係式である式(1)、式(2)から、スラグライン耐火物の損耗速度を予測する。ガスによる撹拌を行った際のスラグの流動挙動(スラグ流速)は、スラグライン耐火物の損耗に大きな影響を及ぼす。そこで、スラグの接線方向の流速を考慮することで、スラグライン耐火物の損耗速度を精度よく予測することができる。そして、スラグライン耐火物の損耗速度からスラグライン耐火物の損耗量を求めることで、スラグライン耐火物の損耗を精度よく予測することができる。さらに、溶鋼鍋の周方向におけるスラグの接線方向の流速の分布を用いることで、溶鋼鍋の全周にわたってスラグライン耐火物の損耗状況を予測することができる。これにより、最も損耗しやすい箇所を特定することができるので、溶鋼鍋を効率よく管理することができる。
溶鋼鍋の断面図である。 溶鋼鍋の上面図である。 スラグの接線方向の流速の絶対値の分布を示す図である。 スラグライン部における物質移動係数の分布を示す図である。 スラグライン耐火物の最大損耗速度の分布を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(溶鋼鍋の構成)
本発明の実施形態による溶鋼鍋の管理方法は、溶鋼をガスで撹拌する精錬に用いられる溶鋼鍋を管理するものである。
溶鋼鍋1は、断面図である図1に示すように、外殻を構成する鉄皮2と、この鉄皮2の内側に施工された耐火物3とを有している。耐火物3は、鉄皮2の底部側(敷部4側)において稼働面側(溶鋼との接触側)に設けられた不定形耐火物3aと、鉄皮2の胴部5において稼働面側に設けられた不定形耐火物3bと、鉄皮2の上部のスラグライン部6において稼働面側(スラグとの接触側)に設けられた定形耐火物3cとからなる。不定形耐火物3aおよび不定形耐火物3bは、キャスタブル(アルミナ不定形耐火物)等である。定形耐火物3cは、マグネシアやMgO−C系等である。スラグライン部6は、酸化物であるスラグが直に接触する部分であり、最も溶損し易い箇所である。以降、スラグライン部6に設けられた耐火物のことをスラグライン耐火物3cという。
また、溶鋼鍋1は、上面図である図2に示すように、溶鋼鍋1を枢支するための一対のトラニオン8を有している。溶鋼鍋1の上端には、スラグを排出するための除滓口9が形成されている。
溶鋼鍋1に設けられた耐火物3は、特に、二次精錬処理を行った際に溶損する。本実施形態では、二次精錬処理のうち、特にLF精錬を対象としている。LF精錬とは、溶鋼鍋1内の溶鋼から不純物を除去したり、合金成分を調整したりすることを目的とした操業である。この目的を達成するため、LF精錬では、溶鋼鍋1内の溶鋼に対して例えばArガスなどの不活性ガスを吹き込んで溶鋼を強力に循環して攪拌し、この溶鋼を溶鋼上に浮設されている例えばCaO−SiO2−Al23系スラグとの間で反応させ、もって、溶鋼中の例えばサルファーがスラグに吸着されるようになっている。また、LF精錬では、溶鋼の湯面又は溶鋼に浮かぶスラグを電極によるアーク放電によって直接加熱する電極加熱が行われる。
なお、不活性ガスの吹き込みは、溶鋼中に浸漬させた耐火物製ランスから行う場合や、溶鋼鍋1の底部に形成された微小なガス吹き用耐火物(いわゆるポーラスプラグやスリットプラグ、ノズルなど)を介して行う場合などがある。一般に、不活性ガスの吹き込みは、溶鋼鍋1内の溶鋼に一方向のしっかりとした攪拌流を形成させるために、平面視で溶鋼鍋1の中心を若干外して行われる。
(溶鋼鍋の管理方法)
本実施形態の溶鋼鍋の管理方法は、以下の式(1)、式(2)を用いて、スラグライン耐火物3cの損耗速度Vw[m/s]を予測するものである。
w=KρbΔ(wt%A)/100ρr ・・・式(1)
K=eVs a ・・・式(2)
ここで、K[m/s]は物質移動係数、ρb[kg/m3]はスラグの密度、ρr[kg/m3]はスラグライン耐火物3cの密度である。また、Aは精錬処理中にスラグへ溶出するスラグライン耐火物の成分、Δ(wt%A)[%]は成分Aのスラグに対する飽和濃度とスラグ内における成分Aの濃度との差を質量パーセント濃度で表わしたもの、Vs[m/s]はスラグライン耐火物3cの稼働面近傍におけるスラグの接線方向の流速である。また、a[−]およびe[m-a+1・sa-1]はフィッティングパラメータ(数値係数)である。なお、スラグ内における成分Aの濃度とは、実際に溶鋼鍋1に使用されているスラグ全体(バルクスラグ)に含まれる成分Aの平均濃度である。
ここで、発明者らが誠意検討した結果、二次精錬中のガス攪拌時にスラグの層であるスラグラインの揺動が大きい箇所や、スラグライン耐火物3cの稼動面近傍でのスラグの流速が大きい箇所において、スラグライン耐火物3cの損耗が顕著に現れることが分かった。
そこで、ガス攪拌を行うLF処理等の二次精錬時におけるスラグの流動挙動を予測し、スラグの接線方向の流速Vsと、スラグライン耐火物3cの損耗速度Vwとの関係を表す推定式(式(1)、式(2))を以下のように求める。さらに、スラグライン耐火物3cの損耗速度Vwの分布を予測し、LF処理後のスラグライン耐火物3cの残厚を推定する。
LF処理等、電極加熱とガス攪拌とを行う二次精錬処理では、スラグライン耐火物3cの成分(MgOを主とし、Al23、SiO2、CaOなど)がスラグへ溶出することで、損耗が進行する。また、スラグの流速が大きい箇所では、成分溶出が促進され、損耗が加速することとなる。上記のような現象は、物質輸送理論に基づけば、フィックの第1法則を用いた以下の式(3)で表現できる。
w=−dLr/dt=KρbΔ(wt%MgO)/100ρr ・・・式(3)
ここで、Lr[m]はスラグライン耐火物3cの厚み、t[s]は時間である。また、MgOは精錬処理中にスラグへ溶出するスラグライン耐火物3cの成分、Δ(wt%MgO)[%]は成分MgOのスラグに対する飽和濃度とスラグ内における成分MgOの濃度との差を質量パーセント濃度で表わしたものである。
また、移動現象に関係する各種無次元数を用いれば、次式(4)のような無次元相関式が得られる。
Sh=cReaScb ・・・式(4)
ここで、Shはシャーウッド数であり、Reはレイノルズ数であり、Scはシュミット数である。また、a,b,c[−]は現象に合わせたフィッティングパラメータである。
シャーウッド数、レイノルズ数、シュミット数は、それぞれ以下のように表される。
Sh=K・L/D ・・・式(5)
Re=Vs・L・ρb/ηs ・・・式(6)
Sc=ηs/(ρb・D) ・・・式(7)
ここで、L[m]は代表長さ、D[m2/s]は拡散係数、ηs[Pa・s]はスラグ粘度である。
式(5)〜(7)を整理すると、物質移動係数Kとスラグの接線方向の流速Vsとは、以下の式(8)のような関係になる。
K=eVs a ・・・式(8)
ここで、e[m-a+1・sa-1]はフィッティングパラメータである。
式(8)を式(3)に代入すると、スラグの流速を考慮したスラグライン耐火物3cの損耗速度の予測式が以下の式(9)として得られる。
w=−dLr/dt=eVs aρbΔ(wt%MgO)/100ρr ・・・式(9)
二次精錬中のスラグライン耐火物3cの稼動面近傍でのスラグの流速(接線方向の流速の絶対値)Vsの分布に関しては、対象とする精錬処理に対応した流動シミュレーションから求めることができる。
溶出の駆動力となるMgOの濃度差Δ(wt%MgO)を求めるためには、まずMgOのバルクスラグに対する飽和濃度を求める必要がある。これに関しては、対象とするスラグライン耐火物3cの材料組成、精錬時に使用するスラグの組成、および、精錬処理温度に基づいて熱力学的な検討(熱力学平衡計算もしくは平衡状態図から推定)を行うことで求めることができる。このMgOのバルクスラグに対する飽和濃度と、使用するスラグ(バルクスラグ)内のMgOの濃度との差が、Δ(wt%MgO)となる。
フィッテングパラメータeおよびaに関しては、実際のスラグライン耐火物3cの残厚測定値(鍋を修理する際に測定)に基づく損耗速度と、式(3)で予測されるスラグライン耐火物3cの損耗速度とを比較することで得られる。なお、スラグライン耐火物3cの損耗速度Vwは、対象とする二次精錬の積算処理時間[s]で耐火物損耗量[m]を除算することで得られる。
精錬処理中にスラグへ溶出するスラグライン耐火物3cの成分をMgOとすると、式(9)から、スラグライン耐火物3cの損耗速度を精度よく予測することができる。そして、式(9)を精錬処理の積算時間で積分することで、精錬処理後のスラグライン耐火物3cの損耗量を算出することができる。この損耗量を使用前のスラグライン耐火物3cの厚みから差し引くことで、スラグライン耐火物3cの残厚が求まる。この残厚が所定値に達したときに、溶鋼鍋1が使用限界に達したと判定することで、スラグライン耐火物3cの損耗により生じる漏鋼などの事故を回避することができる。
また、MgOを含めて成分Aとして一般化すると、式(1)、式(2)から、スラグライン耐火物3cの損耗速度をより精度よく予測することができる。
(流動シミュレーション)
上記した溶鋼鍋1について、LF処理を対象として、代表的な操業条件に基づいた流動シミュレーションを実施した。まず、スラグライン耐火物3cの稼動面近傍でのスラグの接線方向の流速(絶対値)を算出した。具体的には、スラグライン耐火物3cの稼動面から10〜20mm離れた位置におけるスラグの接線方向の流速の絶対値の分布を、溶鋼鍋1の全周にわたって抽出した。その結果を図3に示す。ここで、角度θは、図2に示すように、溶鋼鍋1の中心から図中左側のトラニオン8を通る仮想線Lを0°として、時計回りに0〜360°を設定した。
次に、スラグライン耐火物3cの材料組成、LF処理の際に使用したスラグの組成、および、処理温度の情報に基づいて、熱力学的検討を実施した。今回検討したケースでは、MgOが対象であり、Δ(wt%MgO)=20〜30%であった。そこで、中間値を取ってΔ(wt%MgO)=25%とした。そして、図3に示すスラグの接線方向の流速の分布と、式(8)とを用いて、スラグライン部6における物質移動係数の分布を算出した。その結果を図4に示す。
次に、式(9)を用いて、スラグライン耐火物3cの最大損耗速度の分布を推定した。その結果を図5に示す。ここで、一般的な代表値であるρr=2840[kg/m3]、ρb=2730[kg/m3]を用いて計算を行った。また、図5に破線で示すように、予測された最大損耗速度の分布と実測に基づく実炉(鍋A、鍋B、鍋C)での最大損耗速度とが概ね一致するように2つのフィッテングパラメータa,eの値をフィッテングした結果、今回のケースでは、フィッテングパラメータの値をe=3×10-5、a=0.35とした。
図5において、測定点(1)、測定点(2)、測定点(3)、測定点(4)における損耗速度は、実際にスラグライン耐火物3cの残厚を測定して求めた損耗速度とほぼ一致した。ここで、測定点(1)、測定点(2)、測定点(3)、測定点(4)は、図2に示す位置に設定されている。即ち、測定点(1)は図中左側のトラニオン8の近傍に設定されており、測定点(2)は除滓口9の中央に設定されており、測定点(3)は除滓口9の側方に設定されており、測定点(4)は図中右側のトラニオン8と除滓口9との間に設定されている。図5から、実際にスラグライン耐火物3cの残厚を測定していない箇所においても、損耗速度を予測できることがわかる。
図5に示す推定された最大損耗速度を用いて、その積算精錬処理時間に基づいた最大損耗量(時間積分値)を算出し、スラグライン耐火物3cの厚みの初期値から最大損耗量を差し引いた残厚が所定値に達した時点で、その溶鋼鍋1が使用限界に達したと判定することができる。また、溶鋼鍋1の全周に亘ってスラグライン耐火物3cの損耗速度を予測することができるため、特定の管理箇所を設定することなく、損耗速度が最大となる箇所を追跡することができる。よって、これまでの技術に比べて損耗速度を高精度に予測することが可能となる。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る溶鋼鍋の管理方法によると、スラグの接線方向の流速と、スラグライン耐火物3cの損耗速度との関係式である式(1)、式(2)から、スラグライン耐火物3cの損耗速度を予測する。ガスによる撹拌を行った際のスラグの流動挙動(スラグ流速)は、スラグライン耐火物3cの損耗に大きな影響を及ぼす。そこで、スラグの接線方向の流速を考慮することで、スラグライン耐火物3cの損耗速度を精度よく予測することができる。そして、スラグライン耐火物3cの損耗速度からスラグライン耐火物3cの損耗量を求めることで、スラグライン耐火物3cの損耗を精度よく予測することができる。さらに、溶鋼鍋1の周方向におけるスラグの接線方向の流速の分布を用いることで、溶鋼鍋1の全周にわたってスラグライン耐火物3cの損耗状況を予測することができる。これにより、最も損耗しやすい箇所を特定することができるので、溶鋼鍋1を効率よく管理することができる。
また、スラグライン耐火物3cの残厚が所定値に達したときに、溶鋼鍋1が使用限界に達したと判定することで、スラグライン耐火物3cの損耗により生じる漏鋼などの事故を回避することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 溶鋼鍋
2 鉄皮
3 耐火物
3a,3b 不定形耐火物
3c スラグライン耐火物
4 敷部
5 胴部
6 スラグライン部
8 トラニオン
9 除滓口

Claims (1)

  1. 溶鋼をガスで撹拌する精錬に用いられ、スラグが接触するスラグライン部にスラグライン耐火物が施工された溶鋼鍋の管理方法であって、
    物質移動係数をK[m/s]、前記スラグの密度をρb[kg/m3]、前記スラグライン耐火物の密度をρr[kg/m3]、精錬処理中に前記スラグへ溶出する前記スラグライン耐火物の成分をA、前記成分Aの前記スラグに対する飽和濃度と前記スラグ内における前記成分Aの濃度との差を質量パーセント濃度で表わしたものをΔ(wt%A)[%]、前記スラグライン耐火物の稼働面から10〜20mm離れた位置における前記スラグの接線方向の流速をVs[m/s]とすると、前記スラグライン耐火物の損耗速度Vw[m/s]を、数値係数a[−]およびe[m-a+1・sa-1]を用いて下記の式(1)、式(2)から予測し、
    精錬処理時間の積算値で前記スラグライン耐火物の損耗速度V w を時間積分することで、前記スラグライン耐火物の最大損耗量を算出し、前記スラグライン耐火物の厚みの初期値から前記最大損耗量を差し引いた残厚が所定値に達したときに、前記溶鋼鍋が使用限界に達したと判定することを特徴とする溶鋼鍋の管理方法。
    w=KρbΔ(wt%A)/100ρr ・・・式(1)
    K=eVs a ・・・式(2)
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