JP2018179474A - 耐火物の寿命判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製鋼容器内のスラグラインに使用される耐火物の寿命を判定できる耐火物の寿命判定方法の提供。【解決手段】製鋼容器内の耐火物密度ρr[kg/m3]、スラグ密度ρb[kg/m3]、スラグへ溶出する耐火物成分Aの飽和溶質濃度とスラグ内濃度の差Δ(wt%A)[%]、スラグ流速Vs[m/s]、スラグ粘度ηs[Pa・s]、耐火物へのひずみε[%]、精錬条件の数値係数a,b,c[-]、耐火物特性の数値係数をd,e[-]とし、スラグ流速Vs>0.1[m/s]の場合式(1)により耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、スラグ流速Vs≦0.1[m/s]の場合別式により耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、耐火物の溶損試験又は実操業損耗速度を測定し、測定結果より数値係数a〜e[-]を求める耐火物の寿命判定方法。【選択図】なし

Description

本発明は、溶鋼鍋などの製鋼容器の内側に施工されている耐火物の厚みを推定して、その耐火物の寿命を判定する耐火物の寿命判定方法に関する。
周知の如く、溶銑や溶鋼などの溶湯が装入される製鋼容器の内壁面(炉壁)には、装入された溶湯の高温に耐えられるように耐火物(耐火煉瓦)が施工されている。この耐火物は、多数回に亘って溶湯の装入と出湯とを繰り返すうちに、損傷を受けて徐々に損耗が進行する。この耐火物の損耗、特にスラグラインに使用される耐火物の損耗が進みすぎてしまう状況下になると、炉壁に穴が開いてしまうようなトラブルに繋がることになる。
それ故、実機の製鋼容器においては、耐火物の損耗量が管理されており、例えば耐火物の損耗量が閾値に近づく、すなわち耐火物の寿命に達すると判定されると、新しい耐火物に張り替えられる。
このような耐火物の寿命を管理する技術としては、例えば、特許文献1〜3に開示されているものがある。
特許文献1は、耐火物の残厚を検知する技術を開示するものであり、炉壁を構成する耐火物層のうち、外側の永久れんが内に周方向に間隔をあけて測温センサを設置し、検出温度より耐火物残厚を推定することを目的としている。
特許文献2は、溶融炉の炉底を監視する技術を開示するものであり、電気式溶融炉における炉底耐火物に関して、炉内の溶融スラグ層厚さ、電極の供給電圧、炉本体の側壁放熱量、炉体重量のうち、少なくとも1つ以上の時系列データ異常から耐火物残厚の異常を判定することを目的としている。
特許文献3は、溶鋼炉の損耗を管理する技術を開示するものであり、数値解析により得られた溶鋼鍋におけるスラグ流速を用いて、物質移動論に基づく予測式より耐火物の損耗速度を推定し、耐火物の施工厚みから求めた損耗量を差し引くことで溶鋼鍋の終点判定を行うことを目的としている。
特開平8−94264号公報 特開2008−75950号公報 特開2016−185552号公報
しかしながら、特許文献1〜3などの耐火物の損耗量より寿命を管理する従来技術においては、以下に示す課題が存在する。
例えば、損耗量などの操業データから耐火物の寿命を推定する方法においては、測定された操業データから間接的に耐火物の寿命を評価する方法であり、測定した操業データに誤検出などの不備があった場合には、適切且つ迅速に対応することができない。
また、操業データから耐火物の寿命を推定する方法においては、耐火物の損耗が激しい箇所に限定して操業データを測定しており、操業条件が変更となった際には、耐火物の寿命を管理する箇所を改めて検討しなければならない。
また、耐火物の損耗に影響を与える因子は、スラグの流速のみではなく、実機の操業条件も含まれるので、これらを踏まえて耐火物の寿命を評価することが必要となってくる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、製鋼容器内のスラグラインに使用される耐火物の寿命を推定し、その耐火物の残厚判断や耐火物の優劣判定を行うことで、耐火物の寿命を適切に判定することができる耐火物の寿命判定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる耐火物の寿命判定方法は、精錬を行う際に用いられる製鋼容器内のスラグラインで使用される耐火物の損耗量を評価するに際して、前記耐火物の密度をρr[kg/m3]、スラグの密度をρb[kg/m3]、前記スラグへ溶出する耐火物成分Aの体積分率で表される飽和溶質濃度とスラグ内濃度の差をΔ(wt%A)[%]、前記スラグの流速をVs[m/s]、前記スラグの粘度をηs[Pa・s]、前記耐火物へ作用するひずみをε[%]、精錬条件に対応する数値係数をa,b,c[-]、前記耐火物の特性に対応する数値係数をd,e[-]とし、前記スラグの流速Vsが、Vs>0.1[m/s]の場合、式(1)を用いて、前記耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、前記スラグの流速Vsが、Vs≦0.1[m/s]の場合、式(2)を用いて、前記耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、前記耐火物の溶損試験又は実操業にて、前記耐火物の損耗速度の測定を実施し、得られた前記耐火物の損耗速度の測定結果より、前記数値係数a,b,c,d,e[-]を求めることを特徴とする。
好ましくは、前記耐火物の溶損試験又は実操業において、前記耐火物の損耗速度の測定を実施して、得られた前記耐火物の損耗速度の測定結果より、前記数値係数a,b,c,d,e[-]を求めて、前記耐火物の損耗量を推定するとよい。
好ましくは、前記スラグラインへの使用が想定される耐火物において、求めておいた前記数値係数a,b,c,d,e[-]を使用して、前記実操業の条件に対応する前記耐火物の損耗量を算出することで、当該実操業の条件下における耐火物の優劣判定を実施するとよい。
好ましくは、前記製鋼容器に施工されている前記耐火物の損耗量を、精錬ごとに求めて積算し、スラグラインで使用される前記耐火物の初期の施工厚みから、積算した前記耐火物の損耗量を差し引いて厚みの差分を求め、求めた差分が閾値以上になったとき、前記製鋼容器に施工されている耐火物の使用限界とするとよい。
本発明によれば、製鋼容器内のスラグラインに使用される耐火物の寿命を推定し、その耐火物の残厚判断や耐火物の優劣判定を行うことで、耐火物の寿命を適切に判定することができる。
耐火物の溶損試験の概略を模式的に示した図である。 フィッティングパラメータ未調整の場合における、スラグの流速と耐火物の損耗量の関係を示したグラフである。 フィッティングパラメータ調整後における、スラグの流速と耐火物の損耗量の関係を示したグラフである(予ひずみε=0.5[%]に調整した場合)。 フィッティングパラメータ調整後における、スラグの流速と耐火物の損耗量の関係を示したグラフである(予ひずみε=1.0[%]に調整した場合)。 損耗量の実験値と損耗量の計算値を比較したグラフである。 取鍋の全体断面図を示した図である。
以下、本発明にかかる耐火物の寿命判定方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
まず、製鋼容器1の構造について、溶鋼鍋を例に挙げて説明する。
図6は、鉄皮2の内側に耐火物が施工されている溶鋼鍋1を示したものである。なお、溶鋼鍋1(製鋼容器)については、図6に示したものに限定されない。
溶鋼鍋1は、有底円筒状の容器であり、上部が開放された有底円筒状の鉄皮2が最外側に備えられている。この溶鋼鍋1の底部6には、溶鋼12(以下、溶湯と呼ぶ)を外部へ排出するための出鋼口9が設けられている。
さて、鉄皮2の稼働面側(溶湯12が装入される側、内側)には、定形の耐火物で構成された第1パーマ煉瓦3が、胴部4から底部6(敷部)に亘って施工されている。鉄皮2内において、鉄皮2の胴部4に対応する部分には、第1パーマ煉瓦3の内側に2層目となる第2パーマ煉瓦5が施工されている。また、鉄皮2内において、底部6の第1パーマ煉瓦3及び胴部4の第2パーマ煉瓦5の内側、すなわちメタルライン(運搬時や精錬処理時などに溶湯12が頻繁に接する部分)に対応する箇所には、不定形耐火物であるキャスタブル7が施工されている。
詳しくは、鉄皮2の底部6に対応する第1パーマ煉瓦3の稼働面にキャスタブル7aが流し込み施工されている。また、鉄皮2の胴部4に対応する部分であって、底部6から上下方向中途部までの溶湯12が接する箇所には、キャスタブル7bが施工されている。
キャスタブル7bから上部側であって、スラグライン(湯面上に生成されるスラグが接する部分)に対応する箇所には、定形の耐火物8が施工されている。一般的に、スラグラインに使用される耐火物8としては、MgO-C耐火物などが挙げられる。
本発明は、多数回に亘って溶湯12の装入と出湯とを繰り返すうちに、損傷を受けて徐々に損耗が進行する、スラグラインの耐火物8の寿命を評価する際の基準について規定したものである。
本発明にかかる耐火物8の寿命判定方法は、従来使用されてきた操業データからの耐火物8の寿命の間接的な判定をせずに、スラグ13の流速に加えて、スラグ13の構成成分や耐火物8へ作用する力学的な影響(精錬条件、耐火物8の特性)も考慮して、より実機(実操業)に近い条件で耐火物8の損耗量を推定し、残厚判断や優劣判定することで、耐火物8の寿命を直接で且つ適切に判定を実施する。
具体的には、本発明は、溶鋼鍋1など精錬を行う際に用いられる製鋼容器1内のスラグラインで使用される耐火物8の損耗量を評価するに際して、耐火物8の密度をρr[kg/m3]とし、スラグ13の密度をρb[kg/m3]とし、スラグ13へ溶出する耐火物成分Aの体積分率で表される飽和溶質濃度とスラグ内濃度の差をΔ(wt%A)[%]とし、スラグ13の流速をVs[m/s]とし、スラグ13の粘度をηs[Pa・s]とし、耐火物8へ作用するひずみをε[%]とし、精錬条件に対応する数値係数をa,b,c[-]とし、耐火物8の特性に対応する数値係数をd,e[-]とし、以下に詳説する手順に従って、耐火物8の寿命の判定をする。
スラグ13の流速Vsが、Vs>0.1[m/s]の場合、式(1)を用いて、耐火物8の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定する。
一方で、スラグ13の流速Vsが、Vs≦0.1[m/s]の場合、式(2)を用いて、耐火物8の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定する。
そして、耐火物8の溶損試験又は実機にて、耐火物8の損耗速度の測定を実施し、得られた耐火物8の損耗速度の測定結果より、数値係数(フィッティングパラメータ)a〜e[-]を求める。
求めた数値係数a〜e[-]と、式(1)又は式(2)を用いて、耐火物8の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定する。
耐火物8の損耗速度-(dL/dt)[m/s]から、耐火物8の損耗量[%]を推定して、耐火物8の寿命の判定をする。
また、スラグラインへの使用が想定される耐火物8において、求めておいた数値係数a〜e[-]、式(1)又は式(2)を用いて、実操業の条件(実機)に対応する耐火物8の損耗量を算出することで、当該実操業の条件下における耐火物8の優劣判定を実施するとよい。
また、製鋼容器1に施工されている耐火物8の損耗量を、精錬ごとに求めて積算し、スラグラインで使用される耐火物8の初期の施工厚みから、積算した耐火物8の損耗量を差し引いて厚みの差を求め、求めた差が閾値以上になったとき、スラグラインに使用される耐火物8の使用限界とするとよい。
なお、精錬条件に対応する数値係数a,b[-]は、スラグ13の粘度、溶融状態などスラグ13の挙動に関するフィッティングパラメータである。精錬条件に対応する数値係数c[-]は、スラグ13への耐火物8の溶出の度合いに関するフィッティングパラメータである。
また、耐火物8の特性に対応する数値係数d[-]は、耐火物8の力学的な損傷(耐火物8に作用する力)に対するスラグ13流速の影響度合いに関するフィッティングパラメータである。耐火物8の特性に対応する数値係数e[-]は、耐火物8自身の強度に関するフィッティングパラメータである。
ここで、式(1)、式(2)について、説明する。
物質輸送理論に基づけば、フィックの第1法則により、物質の拡散は式(3)で表現される。
ここで、移動現象に関する各種無次元数を用いれば、式(4)が得られる。
以上の式(3)、式(4)を整理すると、式(5)のようになる。
以上、式(1)又は式(2)を用いて耐火物8の損耗速度-(dL/dt)を推定することで、測定した操業データを用いて、間接的に耐火物8の損耗量を推定する方法よりも、直接的に製鋼容器1のスラグライン全域における耐火物8の損耗量を推定することが可能となる。
ところで、耐火物8の損耗量は、複数の損耗因子(生成されるスラグ13や操業条件など)が相互に影響し合いながら、決定されるものである。
しかし、本発明で規定した式(1)又は式(2)を用いることにより、実機の操業条件下で耐火物8の損耗へ与える影響が支配的である、スラグ13の流動、スラグ13との反応や、耐火物8へ作用する力学的な影響を考慮して、耐火物8の損耗量を推定することが可能となる。
さて、これまでの技術には、耐火物8の損耗へ影響を与える複数の損耗因子に対して、1つの損耗因子のみに着目して耐火物8の寿命を評価する技術が主であり、この技術で得られた結果をもって実機に適用したとしても、事前に実施しておいた耐火物8の寿命評価試験で得られた試験結果の通りの耐火物8の寿命とはならない場合がある。
しかし、本発明で規定した、式(1)又は式(2)を用いて耐火物8の寿命の判定を行うことで、実機の操業条件下における耐火物8の優劣判定も可能となる。
[実施例]
以下に、本発明の耐火物8の寿命判定方法に従って実施した実施例について説明する。
本実施例においては、式(1)又は式(2)の各フィッティングパラメータa〜e[-]を決定するため、耐火物8の溶損試験を実施した。
なお、本試験に使用した耐火物8は、スラグラインでの使用が一般的であるMgO-C耐火物を用いた。本実施例においては、耐火物成分A=MgOである。
図1に、耐火物8の溶損試験の概略を模式図で示す。
表1に、耐火物8の溶損試験におけるスラグ13の流速、予ひずみ、スラグ成分を示す。
図1に示すように、耐火物8の溶損試験においては、用意した耐火物8の試験片8aをジグ11に取り付けて、るつぼ10内の溶融スラグ13中に浸漬させて、試験片8aを溶損させる。
また、試験片8aが取り付けられたジグ11を回転させることで、スラグ13に流動を与えた。また、耐火物8へ作用する応力は、事前に圧縮試験等により試験片8aにひずみεを付与させておいた。
なお、溶損試験の試験条件については、以下の通りである。
試験片8aの寸法は、φ20mm×L80mmであり、材質(組成)は、MgO-Cれんがである。ジグ11の寸法は、φ110mmの円盤状であり、試験片8aを取り付けた際の回転速度は、スラグ流速が表1に記載の試験条件通りの値になるように決定している。るつぼ10の寸法は、φ160mm(内径)である。
事前に実施した試験片8aへの圧縮試験の条件は、表1に記載の試験条件通りの圧縮ひずみを温度1600[℃]で事前に付与した。
なお、この溶損試験の結果と本発明は、相似の関係となっている。
次に、以下に示す値を、式(1)又は式(2)に代入し、表1の実験結果と比較することで、フィッティングパラメータa〜e[-]を求めることとした。
スラグ13の流速Vs[m/s]については、試験条件に対応する値とした。
スラグ13の粘度ηs[Pa・s]については、スラグ13の構成成分を基に、熱力学平衡計算ソフト「factsage」を使用して求めた。なお、本実施例においては、「factsage」により求めた値として、スラグ塩基度(C/S)=0.5,0.8,1.0に基づいて、それぞれηs=0.7,0.2,0.1[Pa・s]を使用した。
スラグ13の密度ρb[kg/m3]については、スラグ13を構成する各酸化物の密度に基づき、その構成比に従って算出した。なお、本実施例においては、スラグ塩基度(C/S)=0.5,0.8,1.0に基づいて、それぞれρb=2753,2894,2939[kg/m3]を使用した。
耐火物8の密度ρr[kg/m3]については、一般的な値として、2840[kg/m3]を使用した。
スラグ13へ溶出する耐火物成分MgOの体積分率で表される飽和溶質濃度とスラグ内濃度の差Δ(wt%MgO)[%]については、耐火物8の材料組成、スラグ組成、本試験における温度の情報などに基づき、熱力学的検討を実施して求めることとした。なお、本実施例においては、状態図を用いて、スラグ塩基度(C/S)=0.5,0.8,1.0に基づいて、それぞれΔ(wt%MgO)=35.0,22.7,16.8[%]を使用した。
ひずみε[%]については、実機において耐火物8へ作用する応力を再現するため、事前に試験片8aに圧縮試験を行って予ひずみを与えている。なお、本実施例においては、ε=0(圧縮試験未実施),0.5,1.0[%]の条件を用いた。
表1中の(No.10〜16)の試験結果を例にして、フィッティングパラメータの決定方法について述べる。
図2〜4に、実験結果をプロットで示し、式(1)又は式(2)で求めた値(試験値)を一点破線で示す。なお、図2〜4中において、予ひずみε=0[%]の場合の試験結果を、■印でプロットし、予ひずみε=0.5[%]の場合の試験結果を、▲印でプロットし、予ひずみε=1.0[%]の場合の試験結果を、×印でプロットしている。
図2に、フィッティングパラメータを調整していない場合におけるスラグ13の流速と耐火物8の損耗量の関係を示す。
図3に、実験結果に合うように、フィッティングパラメータを用いて調整した場合におけるスラグ13の流速と耐火物8の損耗量の関係を示す(予ひずみε=0.5[%]に調整した場合)。
図3に示すように、実験結果に合うように、精錬条件に対応するフィッティングパラメータa,b,cを求めた。本実施例においては、フィッティングパラメータa,b,cを、それぞれa=0.35,b=0.35,c=3.2×10-5とした。
次いで、耐火物8の与える応力の影響に関しても、実験結果に合うように、耐火物8の特性に対応するフィッティングパラメータd,eを求めた。
図4に、実験結果に合うように、フィッティングパラメータを用いて調整した場合におけるスラグ13の流速と耐火物8の損耗量の関係を示す(予ひずみε=1.0[%]に調整した場合)。本実施例においては、フィッティングパラメータd,eを、それぞれd=-0.42,e=39.3とした。
なお、図4のフィッティングパラメータa,b,cについては、図3と同様の値を使用している。
上記の各フィッティングパラメータa=0.35,b=0.35,c=3.2×10-5,d=-0.42,e=39.3を用いて求めた耐火物8の損耗量の推定値と、本試験により得られた耐火物8の損耗量の実験値との比較を行った。
本試験で得た耐火物8の損耗量の実験値は、試験片8aの半径方向長さに対して減肉した割合を算出したものである。また、耐火物8の損耗量の推定値(計算値)は、予測式(式(1)又は式(2))により算出した。
なお、本実施例で例示した各フィッティングパラメータa〜eの数値については、一例であり、精錬条件、耐火物8の特性が変更されるごとに適宜フィッティングを実施する。
つまり、スラグ組成に関し、スラグ組成が変わると、各フィッティングパラメータa,b,cが変わるので、その都度フィッティングを実施する。また、使用する耐火物8の組成、形状などが変わると、各フィッティングパラメータd,eが変わるので、その都度フィッティングを実施する。
表2に、耐火物8の損耗量の実験値と計算値を、表1に示した試験条件と合わせて示す。
表2に示す結果を基に、横軸に耐火物8の損耗量の実験値、縦軸に耐火物8の損耗量の計算値をプロットした。そのグラフを、図5に示す。
以上より、本発明によれば、予測式(式(1)、式(2))を用いて、耐火物8の損耗量を推定することで、その耐火物8の寿命の判定を、適切且つ簡便に評価することが可能である。
すなわち、上記した本発明の手順に従って、耐火物8の優劣(寿命)を判定する場合ににおいては、スラグラインに使用される耐火物8の複数の候補材に対して、溶損試験を実施し、各数値係数a〜eを求めておく。例えば、耐火物8の種類に依存するものとしては、濃度差Δ(wt%A)、数値係数d,eなどが挙げられる。また、スラグの挙動など精錬条件に依存するものとしては、数値係数a,b,cなどが挙げられる。次いで、実機における操業条件に対応する条件の下で、各数値係数a〜e、予測式(式(1)、式(2))を用いて、耐火物8の損耗量を算出して、耐火物8の寿命を判定する。このように、本発明によれば、実機における操業条件を考慮した、スラグラインに使用される耐火物8の評価を、事前に行うことが可能となる。
また、製鋼容器1における耐火物8の寿命を管理する場合には、精錬条件に対応する耐火物8の損耗量を逐次積算してゆき、耐火物8の施工初期における厚みから、その耐火物8の損耗量を差し引いた値を算出し、その算出した値が管理値(閾値)に達した時点を、その製鋼容器1の使用限界と判定することができる。
本発明の耐火物8の寿命判定方法は、操業データより間接的に耐火物8の評価することなく、耐火物8の損耗量(寿命)の評価を直接するので、測定した操業データが不備を有するものとなった場合や、操業条件を変更した場合においても、それらに左右されずに耐火物8の寿命を推定し評価することが可能となる。また、スラグ13の流速のみではなく、スラグ13の構成成分や耐火物8へ作用する力学的な影響も踏まえた、より実機に近い条件での耐火物8の寿命を評価することが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
なお、本実施形態においては、予測式(式(1)、式(2))に代入するスラグ13の粘度や密度などの値は、計算により求めたが、参考となる文献に記載の値や、実際に測定した値を使用しても特に問題はない。また、本実施形態では、耐火物8の溶損試験を実施することで、フィッティングパラメータa〜eを決定したが、例えば、他の試験方法で得た耐火物8の試験結果や、実機における耐火物8の測定結果等を用いても、フィッティングパラメータa〜eを求めることも可能である。
1 製鋼容器(溶鋼鍋)
2 鉄皮
3 第1パーマ煉瓦
4 胴部
5 第2パーマ煉瓦
6 底部
7 キャスタブル(耐火物)
7a キャスタブル
7b キャスタブル
8 耐火物(MgO-C耐火物)
8a 試験片
9 出鋼口
10 るつぼ
11 ジグ
12 溶湯(溶鋼)
13 スラグ

Claims (4)

  1. 精錬を行う際に用いられる製鋼容器内のスラグラインで使用される耐火物の損耗量を評価するに際して、
    前記耐火物の密度をρr[kg/m3]、スラグの密度をρb[kg/m3]、前記スラグへ溶出する耐火物成分Aの体積分率で表される飽和溶質濃度とスラグ内濃度の差をΔ(wt%A)[%]、前記スラグの流速をVs[m/s]、前記スラグの粘度をηs[Pa・s]、前記耐火物へ作用するひずみをε[%]、精錬条件に対応する数値係数をa,b,c[-]、前記耐火物の特性に対応する数値係数をd,e[-]とし、
    前記スラグの流速Vsが、Vs>0.1[m/s]の場合、式(1)を用いて、前記耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、
    前記スラグの流速Vsが、Vs≦0.1[m/s]の場合、式(2)を用いて、前記耐火物の損耗速度-(dL/dt)[m/s]を推定し、
    前記耐火物の溶損試験又は実操業にて、前記耐火物の損耗速度の測定を実施し、得られた前記耐火物の損耗速度の測定結果より、前記数値係数a,b,c,d,e[-]を求める
    ことを特徴とする耐火物の寿命判定方法。
  2. 前記耐火物の溶損試験又は実操業において、前記耐火物の損耗速度の測定を実施して、得られた前記耐火物の損耗速度の測定結果より、前記数値係数a,b,c,d,e[-]を求めて、前記耐火物の損耗量を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐火物の寿命判定方法。
  3. 前記スラグラインへの使用が想定される耐火物において、
    求めておいた前記数値係数a,b,c,d,e[-]を使用して、前記実操業の条件に対応する前記耐火物の損耗量を算出することで、当該実操業の条件下における耐火物の優劣判定を実施する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火物の寿命判定方法。
  4. 前記製鋼容器に施工されている前記耐火物の損耗量を、精錬ごとに求めて積算し、
    スラグラインで使用される前記耐火物の初期の施工厚みから、積算した前記耐火物の損耗量を差し引いて厚みの差分を求め、
    求めた差分が閾値以上になったとき、前記製鋼容器に施工されている耐火物の使用限界とする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火物の寿命判定方法。
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