JPH0635607B2 - 高炉炉熱低下予測方法 - Google Patents

高炉炉熱低下予測方法

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JPH0635607B2
JPH0635607B2 JP4459387A JP4459387A JPH0635607B2 JP H0635607 B2 JPH0635607 B2 JP H0635607B2 JP 4459387 A JP4459387 A JP 4459387A JP 4459387 A JP4459387 A JP 4459387A JP H0635607 B2 JPH0635607 B2 JP H0635607B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高炉の安定な操業を行なうための高炉炉熱
低下予測方法に関する。
(従来の技術とその問題点) 高炉の安定操業の維持のためには、溶銑温度を一定にす
ることが必要であることが従来より知られている。この
ため、高炉操業者は常に高炉炉熱変化を予測する必要性
があった。
高炉炉熱変化において、特に温度低下によって溶銑が凝
固し、高炉から流出しなくなる可能性があるため、温度
低下の予測は極めて重要なものとなる。
高炉炉熱の予測方法としては、特開昭60−39107
に開示されたものがある。この方法は炉腹部周辺装入物
温度が溶銑温度と強い相関関係を持つという見地から、
予め第14図に示す様に高炉1に設置したセンサ(炉腹
ゾンデ)2により検出される炉腹部周辺部温度と溶銑温
度との関係を第15図に示す如く直線回帰する。この直
線式に基づき、炉腹部周辺部温度から溶銑温度Tpig
予測するのである。
しかしながら、この方法では炉内の内壁近傍の温度を測
定するために炉腹ゾンデ2を挿入する必要があり、この
ため温度測定を間欠時点でしか行なえず、溶銑温度予測
精度も当然悪化してしまうという問題点があった。
また、溶銑温度が同じ値でも、生産計画や原料装入条件
等の変化により、炉内温度が変化する場合がある。した
がって第15図で示した炉壁の絶対値に基づく直線式で
は、必ずしも正確な予測ができないという問題点があっ
た。
一方、従来より、高炉の還元状態の良否を示すソリュー
ションロスカーボン量(以下「ソルロスC量」と言う)
の増減により、高炉炉熱の予測が別の予測方法として行
なわれている。ソルロスC量の増加は、以下に示すいわ
ゆるソルロス反応が促進することを示している。
C+CO→2CO この反応は、吸熱反応であるため高炉炉熱が低下するこ
とが予測できる。
ソルロスC量は、通常炉頂ガスの組成を分析するガスク
ロマトグラフィーの分析周期(3分程度)毎に炉頂ガス
中のCO,CO,N等の割合や送風条件や原料装入
条件をもとに計算され、従来は1時間毎のソルロスC量
の平均値により炉熱低下を管理していた。
第16図(a),(b)において、同図(a)は、3分毎のソルロ
スC量(l1)、1時間毎のソルロスC量平均値(l
2)の経時変化を示し、同図(b)は溶銑温度の経時変化
を示すグラフである。同図において、時刻17時に閾値
εを越えているが昇熱アクションをとらず、その後
のように溶銑温度は大幅低下している。第17図は、閾
値εを越えた時刻13時に昇熱アクションAを起した
時の各々の経時変化を示している。なお第16図と同
様、図中l1が3分毎の瞬時値、l2が1時間平均のソ
ルロスC量を示している。第16図,第17図を比較す
ることにより、昇熱アクションAにより第16図(b)の
のような溶銑温度低下が、第17図で示すようにある
程度回避できているのがわかる。
しかしながら、1時間毎のソルロスC量の平均値の予測
では、急激なソルロスC量の増加があった時、最悪の場
合、ほぼ1時間程度も炉熱低下の予測に遅れが生じてし
まう問題点があった。例えば第17図の場合にしても、
予測遅れのため昇熱アクションAをとるのは溶銑温度が
管理温度Tをある程度下まわってからになってしまっ
ている。そこで、この問題点を回避するため、3分程度
の間隔で測定したソルロスC量の瞬時値で炉熱低下予測
した場合、第16図,第17図のl1で示したように個
々のバラツキが大きく、ノイズ成分が大きいためデータ
の持続性がない。したがってソルロスC量の瞬時値では
炉熱低下予測が不可能に近い。
(発明の目的) この発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、予
測ができるたけ早く得られ、しかも溶銑温度の低下を正
確に予測することのできる高炉炉熱低下予測方法を提供
することである。
(目的を達成するための手段) 上記目的を達成するため、この発明における高炉炉熱低
下予測方法は、高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、
該内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測
定し、ある時刻における前期内壁温度差の正の値を示す
部分の合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与え
る第1の予測手段と、ある時刻における前記内壁温度差
の負の値を示す部分の合計値が閾値を越えた時に所定期
間評価点を与える第2の予測手段と、ある時刻における
前記内壁温度差の正の値を示す部分の時間幅の移動平均
値の総和が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第
3の予測手段と、ソリューションロスカーボン量を所定
時間間隔ごとに求め、この求めた値の所定時間幅におけ
る移動平均値が閾値を越えた時に評価点を与える第4の
予測手段と、炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間隔ご
とに求め、この求めた値の所定時間幅における移動平均
値が閾値を下回った時に評価点を与える第5の予測手段
とのうちの少なくとも1つを備え、前記第1〜第5の予
測手段のうちの少なくとも1つの評価点の総合評価に従
い高炉炉熱低下予測を行なうに際し、前記第1〜第3の
予測手段の閾値は、過去一定期間内に炉熱低下が認めら
れた時点より過去に逆のぼった所定時間幅の間における
各対応の前記合計値あるいは前記総和の最大値に基づい
て時々刻々変化し、前記第4,第5の予測手段の閾値
は、過去一定期間内における各対応の前記ソリューショ
ンロスカーボン量あるいは前記窒素量の平均値と標準偏
差に基づいて時々刻々変化するようにしている。
(実施例) A.第1の炉熱低下理由 高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが考えら
れる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところが原料装入条件,装入物分布等の理由によ
り、急にガス流が炉内周辺部に多く流れる場合がある。
その結果、 FeO+C→Fe+CO の吸熱反応が促進され、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流が多量に炉内周辺部に流れると、N
a,K,Pb等の炉内付着物及び停滞層が剥離し、壁落
ちすることにより、その部分の炉壁温度が急激に上昇す
る。この急激な温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測で
きる。
B.第2の炉熱低下理由 また、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すものが
考えられる。
高炉内の荷下がり速度がA.と同様の理由で上がると、
いわゆる生鉱下りにより高炉内の融着帯レベルが下が
り、炉熱低下が起こる。
ところで、融着帯レベルが下がると、該当部分における
炉壁温度も急激に下降する。この急激な温度下降を検知
すれば炉熱低下が予測できる。
C.第3の炉熱低下理由 さらに、高炉の炉熱低下の一因として、以下に示すもの
が考えられる。
高炉羽口から吹き上げる溶銑温度及び溶銑量調整のため
の高温空気(ガス流)は通常、炉内中央部に吹き込んで
いる。ところが、A.,B.と同様の理由により、ガス
流の一部が炉内周辺部に流れる場合がある。この状態が
長時間続くと、高炉の炉壁からのガス流の熱放散が正常
操業時より多く、その結果、炉熱低下が起こる。
ところで、ガス流の一部が定常的に炉内周辺部に流れる
と、炉壁温度が徐々に上昇する。このような比較的長時
間のゆるやかな温度上昇を検知すれば炉熱低下が予測で
きる。
D.第1〜第3の予測手段 第1図(a),(b)は、各々この発明の一実施例で用いられ
る内壁温度計の配置を示す側面断面図、平面断面図であ
る。内壁温度計3は同図(a)に示すように、高炉1の高
さ方向に7個(背部3個,腹部2個,朝顔部2個)、同
図(b)に示すように高炉1の周方向に4個設置する。つ
まり、4方向7レベルで計28個の内壁温度計3を設置
する訳である。
内壁温度計は例えば、本出願人による実開昭57−81
531,実公昭59−16816に開示されたものを用
いてもよく、第2図は後者に開示された内壁温度計(以
下これを「FMセンサ」という。)を示す概念図であ
る。
同図において、4は2本の導線5が絶縁的に平行して埋
設され前方端側に感温部6を有するシース型測温体であ
り、シース型側温体4は複数本を、夫々の感温部6が長
さ方向の異なる部位に配置される様に平行配列されてお
り、さらにシース型ダミー棒7を感温部6の先端に接続
して、最先端を揃えている。シース型ダミー棒7は2本
の導線5が絶縁的に平行して埋設され、シース型測温体
4と実質的に同の熱伝導性を有する。FMセンサ3はこ
のシース型測温体4を絶縁材8で相互に非接触に保ち、
シース管9内に収納することにより形成される。
第3図はFMセンサ3の設置説明図である。同図におい
て、10〜13は高炉の炉壁であり、10はレンガ、1
1はステーブ、12はスタンプ、13は鉄皮である。F
Mセンサ3は同図に示すように、パッキン14及び溶接
部15への溶接により、炉壁内部に設置されている。な
お、16は充填材であり、17はミルク注入口であり充
填材16を注ぎ込む箇所である。
なお、ここで説明したFMセンサ3はその設置及び構造
上、炉壁の侵食と共にFMセンサ3自体も侵食され、シ
ース型測温体4が炉壁近傍の炉内に露出する場合もあ
り、実際には「炉壁温度」と共に「炉壁近傍の炉内温
度」を測定していることになる。以下、両者を含めた概
念を「炉壁温度」として述べる。FMセンサ3は上述の
ように、従来のシース熱電対等の温度計に比べ、多数の
測定点を有し、迅速な測温応答を満足し、長期の連続的
な温度測定が可能であり、信頼性の向上、耐久性の向
上、施工性の向上等が計られている。
各FMセンサ3は、第4図に示すように所定サンプリン
グ時間Δtごとに高炉1の内壁温度を測定している。こ
こで、時刻jのi番目のFMセンサ3の内壁温度をT
j,iとし、時刻jの1サンプリング時間Δt前の内壁温
度をTj-1,iとすると、Tj,iとTj-1,iとの内壁温度差
(差分値)ΔTj,iは、 ΔTj,i=Tj,i−Tj-1,i …(1) となる。この状態を第5図に示す。
この差分値ΔTj,iに、各FMセンサ3毎の高さ,周方
向等を考慮して重みwを乗ずる。さらに、差分値ΔT
j,iが負のものに対しては、v=0、それ以外のもの
に対しては、v=1を示す正負パラメータvも乗
じ、時刻jの補正差分値(正の差分値)CTj,iを得
る。
CTj,i=w・v・ΔTj,i …(2) 次に、補正差分値CTj,iの全FMセンサ3に対する総
和をとり、これをST1とする。
そして次(4)式に従い、この差分値総和ST1の値が
予め定められた閾値εより大きくなれば、急激な温度
上昇があったとみなし所定期間評価点1を与える。
ST1≧ε …(4) 以上がA.の理由に基づく第1の予測手段である。
B.の理由に基づく第2の予測手段は、以下に示す通り
である。
(2)式において、正負パラメータvは差分値ΔTj,i
正のものに対しては、v=0、それ以外のものに対し
ては、v=1とし、次に、補正差分値CTj,iの絶対
値の全FMセンサ3に対する総和をとり、これをST2
とする。
そして次(4)′式に従い、(3)′式に基づく差分値総和S
T2の値が予め定められた閾値εより大きくなれ
ば、生鉱下りによる急激な温度下降があったとみなし、
所定期間評価点1を与える。
ST2≧ε …(4)′ C.の理由に基づく第3の予測手段は、以下に示す通り
である。
(2)式の正負パラメータvは第1の予測手段と同様、
差分値ΔTj,iが負のものに対しては、v=0、それ
以外のものに対してはv=1とする。また時刻jのk
サンプリング時間前(すなわちΔt×k時間前)の補正
差分値をCTj-k,iとし、この補正差分値の所定の時間
幅nΔtの移動平均の時間jにおける値の全FMセンサ
3に対する総和をとり、これをST3とする。
そして次(4)″式に従い、この移動平均総和ST3
値が予め定められた閾値εより大きくなれば、ゆるや
かな温度上昇が長時間あったとみなし所定期間評価点1
を与える。
ST3≧ε …(4)″ 上記した第1〜第3の予測手段は、各々炉壁温度差(差
分値)により行なっているため、炉壁温度の絶対値の上
下によらず、正確な予測を行なうことができる。しか
も、FMセンサ3はその施工性の良さ及び側温応答性の
良さから、高炉全周を覆うように配置でき、連続的な内
壁温度差が把握できることで、さらに正確な予測を行な
うことができる。
また、上記した第1〜第3の予測手段は、コンピュータ
により実現が可能となる。第6図は第1の予測手段の処
理の流れを示すフローチャートである。同図において、
ステップS1で各FMセンサ3の炉壁温度Tj,iをサン
プリング時間Δt毎に測定する。次に、ステップS2に
おいて各FMセンサ3の差分値(1)式に基づき計算す
る。
そして、ステップS3において、(2),(3)式に基づく正
の差分値総和ST1を求める。さらに、ステップS4
において、この正の差分値総和ST1と予め定められ
た閾値εとの比較を行い、(4)式を満足すればステッ
プS5においてガス流の急激な炉内周辺流化による炉熱
低下が起こるであろうとみなし、所定期間評価点1を与
える。一方、(4)式を満足しない場合は、異常なしとみ
なしステップS1に戻り、以下ステップS1〜ステップ
S4を繰り返すことで炉熱低下評価を行なう。
第7図は第2の予測手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS11で各FMセ
ンサの炉壁温度Tj,iをサンプリング時間Δt毎に測定
する。次に、ステップS12において各FMセンサ3の
差分値を(1)式に基づき計算する。
そして、ステップS13において、(3)′式に基づく負
の差分値総和ST2を求める。さらに、ステップS1
4において、この負の差分値総和ST2と予め定めら
れた閾値εとの比較を行い、(4)′式を満足すればス
テップS15において荷下り速度が上ったことによる炉
熱低下が起こるであろうとみなし、所定期間評価点1を
与える。一方、(4)′式を満足しない場合は、異常なし
とみなしステップS11に戻り、以下ステップS11〜
ステップS14を繰り返すことで炉熱低下評価を行な
う。
第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。同図において、ステップS21で各FMセ
ンサ3の炉壁温度Tj,iをサンプリング時間Δt毎に測
定する。次に、ステップS22において各FMセンサ3
の差分値を(1)式に基づき計算する。
そして、ステップS23において(3)″式に基づく正の
差分値の時間幅nΔtにおける移動平均総和ST3
求める。さらに、ステップS24において、この正の差
分値移動平均総和ST3と予め定められた閾値ε
の比較を行い、(4)″式を満足すればステップS25に
おいて炉体熱放散による炉熱低下が起こるであろうとみ
なし、所定期間評価点1を与える。一方、(4)″式を満
足しない場合は、異常なしとみなしステップS21に戻
り、以下ステップS21〜ステップS24を繰り返すこ
とで炉熱低下評価を行なう。
E.第4,第5の予測手段 ガスクロマトグラフィーによる炉頂ガス成分分析、送風
条件、原料装入条件などにより、ソルロスC量(kg/t-
p)をサンプリング時間Δtごとに算出する。ここで、
時刻jにおけるソルロスC量をxとし、時刻jよりも
kサンプリング時間前(すなわちΔt×k時間前)のソ
ルロスC量をxj-kとすると、現在の時刻jにおける所
定時間幅nΔtの移動平均xは、 で計算できる。
(5)式に基づくxをサンプリング時間Δtごとに計算
し、下記(6)式により、xが予め定めておいた閾値ε
xi(i=1〜n)(εx1<εx2…<εxn)を越えた時の最大
の閾値εxiにより評価点iを与え、評価を行なう。
>εxi (i=1〜n) …(6) 以上が第4の予測手段である。
また、ガスクロマトグラフィーにより検出される炉頂ガ
ス中の窒素量(%)(以下、「ガスクロN量」と言
う。)はソルロスC量と強い負の相関があり、ソルロス
C量の増加に代え、ガスクロN量の減少により、高炉
炉熱低下が予測できる。
このことにより、現在の時刻jにおけるガスクロN
をyとし、時刻jよりもkサンプリング時間前(すな
わちΔt×k時間前)のガスクロN量をyj-kとする
と、現在の時刻jにおける所定時間幅nΔtの移動平均
は、 で計算できる。
(7)式に基づくyをサンプリング時間Δt毎に計算
し、下記(8)式により、yが予め定めておいて閾値ε
yj(j=1〜m)(εy1>εy2>…εym)を下回った時の最
小の閾値εyjにより評価点jを与え、炉熱低下評価を行
なう。
<εyi (j=1〜m) …(8) 以上が第5の予測手段である。
さらに、第4の予測手段であるソルロスC量の移動平均
を求めるに際し、ソルロスC量の瞬時値が第9図(a)
に示すようにノイズ等の原因で異常値E1,E2を発生
する場合がある。ここで、時刻jのソルロスC量を
、1サンプリング時間Δt前のソルロスC量をx
j-1とすると、ソルロスC量の差分値の絶対値Δxは Δx=|x−xj-1| …(9) となる。このΔxを閾値εと同図(b)のように比
較することで異常値E1,E2を見つけだし、同図
(c)に示すように直前の測定値を置き換えることによ
り平滑化をはかる方法が考えられる。この方法を適用す
ることにより、より正確なソルロスC量の移動平均が求
まり、その結果、かなり精度の高い予測が可能となる。
このような異常値補正を含んだソルロスC量の移動平均
による炉熱低下予測方法はコンピュータを用いて実現す
ることが可能である。第10図はその処理の流れを示す
フローチャートである。同図において、まず、ステップ
S31において、n段階にεx1<εx2…εxnの大きさ
で、閾値εx1〜εxnを設定する。そして、ステップS3
2でソルロスC量の瞬時値xをサンプンリング時間Δ
t毎に求める。そして、ステップS33においてソルロ
スC量の差分値の絶対値Δxを求め、次にステップS
34において差分値の絶対値Δxが閾値εと比較し
て大きい場合、ステップS35において、この瞬時値x
は異常値とみなし、直前の測定値xj−1に起き換
え、ステップS36に移行する。一方、ステップ34に
おいて閾値εより小さい場合は、瞬時値xを変更す
ることなく、ステップS36に移行する。ステップS3
6では時間幅nΔtの移動平均xを求め、次のステッ
プS37において評価点iを0に初期設定する。
そして、ステップS38においてソルロスC量移動平均
値xと閾値εx1(i=0より)との比較が行なわれ、
≧εx1ならば、ステップS39においてiの値を0
→1と1増し、ステップS40においてi=nと判定さ
れるか、ステップS38においてx<εx(i+1)と判定
されるまで閾値εx(i+1)の値を段階的に増加させながら
ステップS38〜S40を繰返して評価点iを算出し、
ステップS41に移行する。またx<εx1ならば、ス
テップS39,S40は1度も実行されず、評価点iは
0としてステップS41に移行する。最後にステップS
41において、ステップS38〜S40により求められ
た評価点iを出力する。
なお、当然のことながら、上記した異常値処理を含んだ
炉熱低下予測方法のコンピュータへの適用は、ガスクロ
量の移動平均値yによる炉熱低下予測の場合にお
いても同様に実現できる。
上述した第4,第5の予測手段はサンプリング時間Δt
毎の移動平均に基づいているため予測を早く得ることが
でき、しかも精度も十分確かなものといえる。
F.閾値の学習 D.,E.で述べた第1〜第5の予測方法の各閾値ε
(ε,ε,ε,εxi,εyjのいずれかであり、以
下総称して「ε」を用いる。)は最適な炉熱低下予測
率が得られるように、予め求められたものである。しか
しながら、当初最適であった閾値εは高炉操業中にお
いて、生産計画や原料条件などの諸条件の変化に伴い、
最適でなくなる可能性がある。このため閾値εを高炉
操業中に最適な値に変化させる必要があり、閾値ε
学習を以下に示すように行なう。
第1〜第3の予測手段の閾値学習 高炉の炉壁温度を測定する場合、炉壁温度計であるFM
センサ3の測温点がD・で述べたように、炉壁の侵食と
共に変化する。このため、測定される炉壁温度そのもの
の値のみならず、炉壁温度差のピーク値(最大値)を炉
壁の侵食に応じて変動する可能性がある。第1〜第3の
予測手段では炉壁温度差に基づいて予測を行なっている
ため、そのような場合には予測精度も変動することにな
る。
この問題を解消するため、以下に示すような処理を施
す。まず、現在時刻tから過去一定期間h内で炉熱低
下が起った時刻t(kは現在時刻tから1,2,3…
r(rは炉熱低下回数)と番号付けする。)を検出し、
炉熱低下時刻tから時間幅h過去に逆のぼって、こ
の区間hにおける各総和のST1〜ST3の最大
値を求め、各々MAX1,MAX2,MAX3
する。
第11図はその例を示すグラフで、同図(a),(b),(c)(d)
は各々正の差分値総和ST1,負の差分値の絶対値総
和ST2,正の差分値移動平均総和ST3,溶銑温
度代表値Tpigの経時変化を示している。Tは管理温
度であり、時刻t,tで炉熱低下が起っている。
〜は各々MAX1,MAX1,MAX2,MA
X2,MAX3,MAX3である。
このようにして、求めた各最大値MAX1,MAX2
,MAX3により、閾値ε〜εを次(10)〜(12)
式より決定する。
なお、a〜a(>0)は係数である。
第4,第5の予測手段の閾値学習 一週間程度のサンプリング時間におけるソルロスC量,
ガスクロN量の平均値は、高炉操業中における操業条
件の変化に伴い変化する。従って、これに追随して閾値
εxi,εyiを変化させる必要が生じる。
この問題を解消するため、以下に示すような処理を施
す。現在時刻tから所定期間(一週間程度の長期)過去
に逆のぼったソルロスC量,ガスクロN量の平均値 及び標準偏差σ,σを求め、これらの値により次(1
3),(14)式により閾値εxi,εyiを決定する。
なお、a,a(>0)は係数である。
第12図は、,で説明した閾値学習の処理手順を示
すフローチャートである。同図において、まずステップ
S51において現在時刻tから過去一定期間hにおけ
る炉熱低下時刻t(k=1〜rでrは炉熱低下回数)
を検出し、次にステップS52で、時刻tから過去に
逆のぼった所定時間幅hの間における正の差分値総和
ST1,負の差分値絶対値総和ST2,正の差分値
移動平均総和ST3の最大値MAX1,MAX
,MAX3を算出する。これらの最大値MAX1
〜MAX3を用い、ステップS53において(10)〜
(12)式より閾値ε〜εを決定する。
次にステップS54において、現在時刻tから過去一定
期間内におけるソルロスC量及びガスクロN量の平均
ならびに標準偏差σ,σを算出し、ステップS55
で、(13),(14)式により閾値εxi,εyiを決定する。以
降ステップS51に戻り、上述の処理を繰返すことによ
り随時閾値を決定していく。
以上,で説明したように、適時、第1〜第5の予測
手段における各々のサンプリングデータの変化に基づき
自動的に閾値εを決定していくことにより、高炉操業
中において生産計画や原料条件などの諸条件の変化にか
かわらず、常に高い精度で予測を行なうことができる。
G.総合予測手段 D.E.で述べた第1〜第5の予測手段の評価点を、
F.で述べたように閾値εを適時変更しつつ導出する
ことで、以下に述べるように総合予測を行なう。
第13図は、その処理の流れを示すフローチャートであ
り、以下、同図を参照しつつ説明する。まず、ステップ
S61で第1〜第3の予測手段の評価点f〜fを求
める。評価点f〜fは1度0→1になれば、後に述
べるデータホールド期間中は、その値を保持する。した
がって、ホールド時間h(2時間程度)が時刻t
設定されたとすれば、時刻t〜時刻t+1h(す
なわちデータホールド期間)内に評価点f〜f各々
は、一旦0→1に変化すれば、再び1→0に変化するこ
とはない。このデータホールド期間は、FMセンサ合計
値F(=f+f+f)が、F=0→F>0に変化
した時に変動時刻tを初期化すると共に設定され、こ
れ以降hにより規定される時間内が前述したようにデ
ータホールド期間となる。
次にステップS62において、FMセンサ合計値Fが0
か否かを判別することにより、データホールド時間h
が設定されているか否かを識別し、F=0であれば、デ
ータホールド時間hの設定は無いので、ステップS6
5に移る。一方、F≠0であれば、データホールド時間
が既に設定されているので、ステップS63で変動
時刻tとホールド時間hと比較することで、現在が
データホールド期間中か否かのチェックを行ない、t
≦hならば、データホールド期間中であるので、FM
センサ合計値Fを初期化する必要はないのでステップS
65へ移る。しかしながら、ステップS63においてt
>hrならば、データホールド期間は終えたと判断
し、ステップS64においてFMセンサ合計値Fを
“0”に初期化する。
このように、FMセンサ合計値Fはデータホールド期間
を考慮しながら求められる。これは第1〜第3の予測手
段が第4,第5の予測手段に比べ先見性が高い(予測が
早く得られる)ため、将来の同一時点に対する予測結果
を総合評価するためには第1〜第3の予測手段の予測結
果を一定時間ホールドしておく必要ががあるからであ
る。
そして、ステップS65において、第4の予測手段によ
る評価点iを算出し、さらにステップS66において、
第5の予測手段による評価点jを算出する。次にステッ
プS67において総合評価Cを次式に従い求める。
C=wF+wi+wj …(15) ここで、w,w,w,は第1〜第3,第4,第5
の予測手段の各々に対する重みである。この総合評価C
がステップS68において吟味され、C=0ならば、全
く炉熱低下の傾向なしとみなし、ステップS61に戻
り、ステップS61〜ステップ67により再び総合評価
Cを求める。一方、C>0ならばステップS69におい
て、総合評価Cの値に応じて重要性を変えたアラームを
出力する。以降ステップS61に戻り、継続して炉熱低
下予測が続けられる。
このように総合評価Cの値に応じて、アラームの度合い
を変えることで、昇熱アクションの程度を細かく変化さ
せることができる。その結果、必要十分な昇熱アクショ
ンを選択することが実現できるようになり、炉熱低下を
確実に防止できるのは勿論、過度の昇熱アクションによ
る不要な炉熱上昇を招くことがなく、安定かつ経済的な
高炉操業が可能になった。
しかも、第1〜第5の各予測手段の閾値εが高炉操業
条件の変化に伴って適時、自動的に変更されることで、
より予測精度が高まる。
H.補足 尚、この実施例における第1〜第3の予測手段では内壁
温度計にFMセンサを用いたが、通常の測温センサ(例
えばシース熱電対)でも寿命の点で問題はあるものの代
用可能である。また、ステーブ温度計,レンガ埋め込み
温度計を用いてもその信頼性,測温応答性の低さから予
測精度は若干低下するものの、代用可能である。
また、この実施例における第1〜第3の予測手段では、
FMセンサ3を7レベル4方向に28個設置したが、高
炉の特性により適当に設置すれば良いのは勿論である。
さらに、閾値学習はF.で述べたように第1〜第5の手
段全てに適用するのが望ましいが、最低限第1〜第5の
予測手段の少なくとも1つに適用することで、当該予測
手段の予測精度の向上が計れる。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、予測が早く得
られ、しかも第1〜第5図の予測手段の閾値を適時変更
しつつ予測を行なうため、溶銑温度の低下をより正確に
予測し、必要に応じた昇熱アクションをとることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は各々、この発明の一実施例に用いられ
るFMセンサの高炉炉壁内の配置を示す側面断面図,平
面断面図、第2図,第3図は各々FMセンサの概念図,
設置説明図、第4図はFMセンサによる測定炉壁温度の
経時変化を示すグラフ、第5図はFMセンサによる測定
炉壁温度の差分値の経時変化を示すグラフ、第6図は第
1の予測手段の処理の流れを示すフローチャート、第7
図は第2の予測手段の処理の流れを示すフローチャー
ト、第8図は第3の予測手段の処理の流れを示すフロー
チャート、第9図(a),(b),(c)は各々異常値を含んだソ
ルロスC量の瞬時値,ソルロスC量の差分値の絶対値,
異常値を取り除いたソルロスC量の瞬時値を示すグラ
フ、第10図は第4図の予測手段の処理の流れを示すフ
ローチャート、第11図は第1〜第3の予測手段の閾値
学習例の一部を示すグラフで、(a),(b),(c),(d)は各
々、正の差分値総和,負の差分値絶対値総和,正の差分
値移動平均総和,溶銑温度代表値の経時変化を示すグラ
フ、第12図は閾値学習の処理手順を示すフローチャー
ト、第13図は総合予測手段の処理の流れを示すフロー
チャート、第14図は従来技術における炉腹ゾンデの高
炉内の配置を示す側面断面図、第15図は溶銑温度と炉
腹部周辺部温度の相関を示すグラフ、第16図はソルロ
スC量の1時間平均値と溶銑温度の経時変化を時間的に
対応させて示したグラフ、第17図は昇熱アクションを
起こした時のソルロス量の1時間平均値と溶銑温度の経
時変化を時間的に対応させて示したグラフである。 1……高炉、3……FMセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の所定箇所に内壁温度計を設置し、該
    内壁温度計にて、所定時間間隔ごとの内壁温度差を測定
    し、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第1
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の負の値を示す部分の
    合計値が閾値を越えた時に所定期間評価点を与える第2
    の予測手段と、 ある時刻における前記内壁温度差の正の値を示す部分の
    所定時間幅の移動平均値の総和が閾値を越えた時に所定
    期間評価点を与える第3の予測手段と、 ソリューションロスカーボン量を所定時間間隔ごとに求
    め、この求めた値の所定時間幅における移動平均値が閾
    値を越えた時に評価点を与える第4の予測手段と、 炉頂ガス成分中の窒素量を所定時間間隔ごとに求め、こ
    の求めた値の所定時間幅における移動平均値が、閾値が
    下回った時に評価点を与える第5の予測手段とのうちの
    少なくとも1つを備え、 前記第1〜第5の予測手段のうちの少なくとも1つの評
    価点の総合評価に従い高炉炉熱低下予測を行なうに際
    し、 前記第1〜第3の予測手段の閾値は、過去一定期間内に
    炉熱低下が認められた時点より過去に逆のぼった所定時
    間幅の間における各対応の前記合計値あるいは前記総和
    の最大値に基づいて時々刻々変化し、 前記第4,第5の予測手段の閾値は、過去一定期間内に
    おける各対応の前記ソリューションロスカーボン量ある
    いは前記窒素量の平均値と標準偏差に基づいて時々刻々
    変化することを特徴とする高炉炉熱低下予測方法。
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