JP2003155507A - 高炉内の銑滓レベル評価方法及び評価装置 - Google Patents
高炉内の銑滓レベル評価方法及び評価装置Info
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Abstract
とを可能にする方法及び装置を提供する。 【解決手段】 高炉鉄皮1表面に複数個の電位測定点1
1を高さ方向に間隔を開けて設け、電位測定点11の間
で電位差を測定するに際し、高炉炉体円周方向複数の個
所で電位差を測定し、電位差測定値の平均値に基づいて
高炉内の銑滓レベルを評価することを特徴とする高炉内
の銑滓レベル評価方法および評価装置。さらに出銑が終
了した時点での電位差を基準電位差E0とし、基準電位
差E0からの電位差の上昇分ΔEに基づいて高炉内の銑
滓レベルを評価する。高炉鉄皮表面に代え、高炉炉底レ
ンガ5に複数個の電位測定点11を設ける。
Description
ル評価方法及び評価装置に関するものである。
コークスとともに炉頂から炉体内に供給され、羽口から
炉体内に圧送される熱風によって温度が上昇し、コーク
スによって還元されて溶銑となる。溶銑は炉底部に貯留
し、溶銑の上に接して溶滓(スラグ)が貯留する。高炉
炉内に貯留した溶銑の上部でかつ溶滓が存在する部位の
高さ方向の位置を、ここでは銑滓レベルという。
量が増大し、銑滓レベルが上昇する。炉底部に設けられ
た出銑口を開口すると、溶銑及び溶滓が出銑口から炉外
に導き出され、炉内の銑滓レベルが低下する。
握することは、出銑周期を決定し、安定した経済的な操
業を行う上で重要である。銑滓レベルが上昇してスラグ
レベルが所定以上に上昇すると、送風圧力変動が大きく
なり安定的な操業状態が維持できなくなり、特に、スラ
グレベルが送風羽口レベルまで上昇してしまうと、スラ
グが羽口を閉塞してしまい、操業不能となる。スラグレ
ベルの過度な上昇で不安定となった炉内状況を安定化さ
せるためには、コークスの投入量を増加させたり、熱風
量を変化させる等の処置が必要となり、操業コストの増
大を招くこととなる。
と排出との物質収支より大まかに推定することができ
る。例えば、銑滓の生成量は、単位時間あたりに高炉に
装入した装入物の量とその成分から計算でき、溶銑の排
出量は溶銑を収容するトーピードカーの重量変化の測定
によって把握し、溶滓の排出量はスラグから製造した水
滓の重量をスケールコンベアなどによって測定できるた
め、これらの銑滓の生成量と排出量の差分より炉内の銑
滓量の増加量を推定できる。
セスコンピュータを用いて出銑加速度を計算し、現在の
出銑状況が初期、安定期、後期及び終了期のいずれに属
するかを判定し、出銑終了時刻を予測する方法が開示さ
れているが、この方法も基本的には上記の物質収支に立
脚した炉内残銑滓量の推定方法を利用した技術である。
定方法では、銑滓生産量は装入した鉱石類が直ちに溶融
することを前提に計算するが、溶解までには少なくとも
数時間のタイムラグがあるばかりでなく、成分分析値を
元に計算を行うためにその分析値の精度、代表性、バラ
ツキなどによっても誤差が生じる。
って測定するのではなく、水滓後の水分を含んだものを
スケールコンベアなどで秤量する程度であり、その誤差
は少なくとも10%程度あるといわれている。このた
め、物質収支により銑滓レベルを推定する際には大きな
誤差を前提に安全代を大きくとった対応が不可欠であ
る。
方法を用いずに、銑滓の検出器を用いて銑滓レベルを測
定する方法としては、例えば特開昭53−86242号
公報には、高炉の炉床部炉壁に、陽極と陰極からなる一
対の棒状黒鉛電極を高さ方向に複数配列してそれぞれ電
気的に回路を形成して通電し、溶銑が一対の棒状黒鉛電
極に接触したときの導通をパイロットランプまたは電流
計で検知することにより銑滓レベルを測定する方法が開
示されている。この方法は、銑滓の通電を測定するため
に少なくとも一対の電極を銑滓に接触するように炉内に
挿入して配置する必要があるため、電極表面に銑滓の冷
却により形成される凝固層およびその厚み変動により通
電状態が変動し信頼性のある炉内銑滓レベルの測定デー
タを得ることは困難である。また、この方法では、電極
を炉底部に炉壁を貫通させて設置するために、電極溶損
時にはその部分から溶銑が流れ出し、炉底損傷といった
大事故を招く可能性がある。
は、高炉の炉底付近の炉壁を構成するレンガに、少なく
とも1対の電極を設けて四端子測定法による抵抗測定系
(ダブルブリッジ系)電気回路を構成し、電気抵抗の測
定値から銑滓レベルを測定する方法が開示されている。
この方法は、レンガと銑滓の電気抵抗を測定するため、
レンガの経時的な劣化や銑滓のレンガへの浸入等に起因
するレンガの導電性の変動、およびレンガ近傍の銑滓温
度や銑滓の凝固状態または流動状態に起因する銑滓の導
電性の変動などによりレンガと銑滓の電気抵抗の測定値
は変動し、信頼性のある炉内銑滓レベルの測定データを
得ることは困難である。
所間において電位差が検出され、その電位差は高炉炉内
の銑滓レベルと関係があることが知られている。Develo
pment & application of new techniques for blast fu
rnace process control at SSAB Tunnplant, Lulea wor
ks. 1995 Ironmaking conference Proceedings pp271-
279 によると、測定点として炉底部及び羽口上部の鉄皮
表面を用いて電位差を測定した結果、出銑の開始・終了
のインターバルと測定した電位差の時間的変動との間に
相関が見られる点が記載されている。検出される電位差
は0.2mV前後であり、出銑口を閉鎖している間に電
位差は0.1mVほど増大し、出銑口を開いて出銑を行
っている間に電位差は0.1mVほど減少して元に戻
る。
観測される電位差から銑滓レベルを検出する方法におい
ては、検出される電位差が1mV以下の微弱な値である
ため、ノイズの影響を受けやすい。また、測定電位差は
時間と共にドリフトする傾向があるため、銑滓レベルが
同一であると推定される場合であっても、電位差の値に
差異が生じることがあり、鉄皮表面の電位差から直ちに
銑滓レベルを推定することが困難であった。
く推定することを可能にする方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
所において鉄皮表面高さ方向に観測される電位差につい
ては、上記のようにノイズやドリフトの影響を受けて銑
滓レベルの推定が困難であったが、円周方向の複数個
所、好ましくは4個所以上において鉄皮表面での高さ方
向の電位差を測定し、測定した複数個所の電位差を平均
化すると、ノイズやドリフトの影響が相殺されて精度の
高い測定値が得られ、銑滓レベルの推定が可能になるこ
とが判明した。
口の高さ位置にあり、各出銑タイミング毎に変動せずに
ほぼ一定である。そして、出銑が終了した時点での電位
差を基準電位差E0とし、基準電位差E0からの電位差の
上昇分ΔEに基づいて高炉内の銑滓レベルを評価する
と、電位差のドリフトの影響が相殺されて精度の高い測
定値が得られ、銑滓レベルの推定が可能になることが判
明した。
測定点を高さ方向に間隔を開けて設け、電位測定点の間
の電位差を測定すると、5mV前後の電位差が存在し、
かつ高炉炉内の銑滓レベルの変動に伴って電位差が5m
V前後の幅で大きな変化を示すことが明らかになった。
従来知られている高炉炉体の鉄皮表面で検出される電位
差と比較すると、電位差の値および銑滓レベルの変動に
伴う電位差の変動量ともに、1桁程度高い値である。そ
のため、ノイズの影響による誤差が非常に小さくなり、
従来知られているいずれの方法と比較しても高い精度で
銑滓レベルを推定することが可能になった。
のであり、その要旨とするところは以下のとおりであ
る。 (1)高炉鉄皮1表面に複数個の電位測定点11を高さ
方向に間隔を開けて設け、電位測定点11の間で電位差
を測定するに際し、高炉炉体円周方向複数の個所で電位
差を測定し、電位差測定値の平均値に基づいて高炉内の
銑滓レベルを評価することを特徴とする高炉内の銑滓レ
ベル評価方法。 (2)高炉鉄皮1表面に複数個の電位測定点11を高さ
方向に間隔を開けて設け、電位測定点11の間で電位差
を測定するに際し、出銑が終了した時点での電位差を基
準電位差E0とし、基準電位差E0からの電位差の上昇分
ΔEに基づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを特
徴とする高炉内の銑滓レベル評価方法。 (3)さらに出銑が終了した時点での電位差を基準電位
差E0とし、基準電位差E0からの電位差の上昇分ΔEに
基づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを特徴とす
る上記(1)に記載の高炉内の銑滓レベル評価方法。 (4)高炉鉄皮表面に代え、高炉炉底レンガ5に複数個
の電位測定点11を設けることを特徴とする上記(1)
乃至(3)のいずれかに記載の高炉内の銑滓レベル評価
方法。 (5)高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点11を高さ方
向に間隔を開けて設け、電位測定点11の間で電位差を
測定する電位差測定装置12を有し、高炉炉体円周方向
複数の個所に電位差測定装置12を設け、各電位差測定
装置12における電位差測定値の平均値を算出する平均
化手段を有し、該平均値に基づいて高炉内の銑滓レベル
を評価することを特徴とする高炉内の銑滓レベル評価装
置。 (6)高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点11を高さ方
向に間隔を開けて設け、電位測定点11の間で電位差を
測定する電位差測定装置12を有し、出銑が終了した時
点での電位差を基準電位差とし、基準電位差からの電位
差の上昇分を算出する手段を有し、該算出した電位差の
上昇分に基づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを
特徴とする高炉内の銑滓レベル評価装置。 (7)さらに出銑が終了した時点での電位差を基準電位
差とし、基準電位差からの電位差の上昇分を算出する手
段を有し、該算出した電位差の上昇分に基づいて高炉内
の銑滓レベルを評価することを特徴とする上記(5)に
記載の高炉内の銑滓レベル評価装置。 (8)高炉鉄皮表面に代え、高炉炉底レンガ5に複数個
の電位測定点11を設けることを特徴とする上記(5)
乃至(7)のいずれかに記載の高炉内の銑滓レベル評価
装置。
ては、図1に示すように、高炉鉄皮1表面に複数個の電
位測定点11を高さ方向に間隔を開けて設ける。銑滓レ
ベルを評価するために有効な電位差は、高炉の高さ方向
に発生しているからである。電位差を測定するのである
から個数は最低でも2個必要であり、高さ方向3個所以
上にわたって3個以上の電位測定点11を設ければ、高
炉高さ方向の電位分布を評価に加えることも可能であ
る。高さ方向複数の電位測定点の間で電位差を測定する
ので、この複数の電位測定点11のセットを電位差測定
装置12と称する。
位置は、溶銑と溶滓の境界面を挟むように配置すると、
電位差測定値から銑滓レベルを評価するためには好まし
い結果を得ることができる。具体的には、少なくとも1
個の取り付け位置を出銑口3のレベル以上とし、少なく
とも1個の取り付け位置を出銑口3のレベル未満とする
ように配置すれば、銑滓レベル評価のための電位差測定
を行う上で好ましい。図1において、電位測定点11a
は出銑口3のレベル未満に配置され、電位測定点11b
は出銑口3のレベル以上であって羽口4の位置に配置さ
れている。羽口4のレベルを明らかにするため、図1
(b)に羽口4を部分図にて示している。
90°ピッチで上記電位差測定装置12を配置した。そ
のうちの2個所の電位差測定装置(12b、12d)は
それぞれ出銑口(3b、3a)の近辺に、残り2個所の
電位差測定装置(12a、12c)は出銑口3と直角の
位置に配置している。各電位差測定装置12の電位測定
点11の高さ方向の配置については、図1に示すとお
り、1個所は高炉炉底部、1個所は羽口レベルに配置し
た。
による電位差測定結果を、時間の経過と共にプロットし
たのが図3(a)である。同図にて上下に並べた4つの
折れ線は、それぞれ電位差測定装置12a〜12dにお
ける電位差測定結果を表している。それぞれ、出銑終了
時22に最も低い電位差となり、その時点における電位
差は概略0.4mV程度である。出銑終了後に電位差は
上昇を開始し、次の出銑開始時21に最大の電位差とな
り、出銑期間23の間に電位差は低下する。各電位差測
定装置12で測定した電位差それぞれの信号はノイズ成
分を有し、また出銑のインターバル毎に電圧レベルがド
リフトし、そのドリフトの傾向は各電位差測定装置毎に
異なっている。一方、4個所の電位差測定装置12にお
ける測定電圧の平均値をプロットしたのが図3(b)で
ある。図3(a)に比較すると、ノイズ成分のレベルが
大幅に低下していることがわかる。また、各電位差測定
装置毎に様々だったドリフトが平均化され、出銑終了時
22における電位差がほぼ常に一定の0.4mV一定レ
ベルを維持することがわかった。
ほぼ出銑口3の位置まで下降しており、各出銑終了時2
2毎に異ならずほぼ一定レベルである。従って、出銑終
了時22における測定電位差がほぼ一定レベルに落ち着
いているということは、従来、1個所の電位差測定装置
で観測されていた電位差のドリフトが、複数個所の電位
差測定値の平均値を用いることでほぼ解消されていると
考えることができる。
てなされたものであり、高炉炉体円周方向複数の個所で
電位差を測定し、電位差測定値の平均値に基づいて高炉
内の銑滓レベルを評価することにより、電位差のドリフ
トが軽減した効果とノイズレベルの低減効果とが相俟っ
て、高炉内の銑滓レベルを精度よく評価することが可能
になった。
としては、できるだけ全周に均等に配置することによ
り、電位差平均値と銑滓レベルとの相関を良好に保つこ
とができる。電位差測定装置の配置個数としては、数が
多いほど平均化効果を発揮することができ、4個所以上
とすると好ましい。
る。図4には、約2日間にわたって測定した電位差の円
周方向4個所平均値を示す。出銑終了時22の電位差平
均値は、概ね0.4mVで一定であるが、1日目の22
時から2日目の12時までは約0.45mVに変化して
おり、+0.05mVのドリフトが見られる。
トは、このように出銑インターバル(1周期が約3時
間)に比較してより長い時間周期である日オーダーの周
期で発生している。従って、1回の出銑インターバル
(出銑終了から出銑開始して再度出銑終了するまで)の
間における電圧ドリフトの変化の程度は小さいものと考
えられる。一方、出銑終了時22においては、上述のよ
うに銑滓レベルはほぼ出銑口3の位置まで下降してお
り、各出銑終了タイミング毎に異ならずほぼ一定レベル
である。従って、本発明の上記(2)にあるように、出
銑が終了した時点での電位差を基準電位差E0とし、基
準電位差からの電位差の上昇分ΔE(測定電位差Eと基
準電位差E0との差分ΔE)を高炉内の銑滓レベル評価
に用いることとすると、差分ΔEがゼロのときは銑滓レ
ベルが出銑口3の位置にあることが確かなのであるか
ら、電圧ドリフトの影響を削除した精度の高い銑滓レベ
ル評価を行うことが可能になるのである。
単独に実施しても効果を発揮することが出来るが、本発
明の上記(3)にあるように、本発明(1)と本発明
(2)を同時に実施することにより、最も優れた効果を
発揮することが出来る。
ように、鉄皮1の内側に炉底レンガ5が築造され、炉底
レンガ5の最外周と鉄皮1との間にはステーブ6が設け
られたりあるいはスタンプ材7が充填されている。本発
明の上記(4)においては、電位測定点の設置位置を、
本発明(1)(2)における高炉鉄皮表面に代えて炉底
レンガ5に設ける。高炉炉体内部に位置する炉底レンガ
における電位測定点11を用いて電位を測定するため
に、電位測定点11から高炉炉体外部まで延びる電極1
0を設ける。鉄皮1やステーブ6、スタンプ材7にはこ
の電極10を通すための開口が設けられる。電極10は
電位測定点11において炉底レンガ5に接触し、鉄皮
1、ステーブ6、スタンプ材7などとの間に導通を生じ
ないように外部に導かれ、高炉炉体外部において電極1
0に別の導線14を接続し、電圧計13を用いて複数の
電位測定点11の間の電位差を測定する。
測定点11の間の電位差を測定すると、5mV前後の電
位差が存在し、かつ高炉炉内の銑滓レベルの変動に伴っ
て電位差が5mV前後の幅で大きな変化を示す。従来知
られている高炉炉体の鉄皮表面で検出される電位差と比
較すると、電位差の値および銑滓レベルの変動に伴う電
位差の変動量ともに、1桁程度高い値である。そのた
め、ノイズの影響による誤差が非常に小さくなり、従来
知られているいずれの方法と比較しても高い精度で銑滓
レベルを推定することが可能になった。
測定点11の配置位置は、図6(a)に示すように最も
外周側である炉底レンガ表面に設けても良いし、図6
(b)に示すように炉底レンガ5に非貫通孔20を設け
た上で当該非貫通孔20の奥端を電位測定点11とす
る、すなわち炉底レンガ5の内部に電位測定点を設けて
も良い。図6(a)に示す、炉底レンガ表面に電位測定
点を設ける方法では、炉底レンガ5の穴加工が不要なの
で測定点設置が容易である。
炉高さ方向の配置位置、および高炉円周方向の配置位置
についての考え方は、本発明(1)(2)と同様であ
る。
評価装置は、それぞれ本発明(1)〜(4)の銑滓レベ
ル評価方法を実施するための評価装置に係る発明であ
る。
により、従来よりも信頼性の高い炉内貯留銑滓レベルの
測定が可能になると共に、この電位差を予め設定した所
定値以下にするように操業管理することで炉内銑滓レベ
ルの上昇に伴うトラブルを回避することが可能となる。
値が予め定めた設定値を超えた場合には、炉内貯留銑滓
レベルを低下させるために、銑滓生成速度を減少させる
操業アクションおよび銑滓排出速度を増加させる操業ア
クションの何れか一方または両方を実施すればよい。
であり、単位時間当たりの送風量を増減することにより
変化させることが可能である。従って、銑滓生成速度を
減少させる操業アクションとしては、羽口送風量を減少
させる方法を用いるとよい。
ションとしては、出銑で使用中の出銑口の径を大きな錐
で掘削して拡大したり(促進開口)、出銑で使用中の出
銑口の他に、他の閉塞している出銑口を開口して複数の
出銑口で同時出銑する(ラップ出銑)などの方法によ
り、単位時間当たりの出銑量を増加させる方法を用いる
ことができる。
および銑滓排出速度を増加させる操業アクションの何れ
か一方または両方を実施するか否かを判定するための予
め定めた電位差の設定値は、高炉の操業実績と電位差の
測定値との関係、および操業トラブルに至ることなく、
早期回復が可能な操業アクションのタイミングをもとに
高炉オペレータが予め定めておくことができる。
て送風圧力変動が大きくなる直前の電位差を過去の実績
から求め、その値もしくはその値に安全率を考慮して設
定値を決めたり、一定時間出銑を停止して上昇した電位
差の経時変化をもとに決めることができる。
高炉において、本発明を用いて銑滓レベルの評価を行っ
た。電位測定点11を高炉鉄皮1表面とし、高さ方向の
配置位置は図1に示すとおりであり、下方の測定点はこ
の炉体の出銑口3から5m下方の炉底カーボンレンガ1
段目レベルとし、上方の測定点は出銑口3から3.8m
上方の羽口と同一レベルとし、この2点間で電位差を測
定する1組の電位差測定装置12とした。電位差測定装
置12の円周方向の配置位置は図2に示すとおりであ
り、円周4個所にそれぞれ90°の角度を開けて配置
し、うち2個所は出銑口3の近傍とした。これら4組の
電位差測定装置12において連続的に電位差を測定し、
次いで4個所の電位差の平均値を計算し、この平均値を
もとに操業アクションを行った。本実施例においては、
多チャンネル電圧測定装置15において4個所の電圧測
定と該測定電圧の平均化とを行っている。平均化された
データは計算機16に送られ、基準電位差E0の算出、
差分ΔEの算出などの計算を行う。計算機16としては
パーソナルコンピュータを用いることができる。また、
測定したデータは出力装置17に出力される。
終了時における電位差平均値を基準電位差E0とし、現
時点の電位差平均値Eから基準電位差E0を差し引いて
電位差の上昇分ΔEを計算する。そして、この電位差の
上昇分ΔEが+0.3mV以上となったら出銑量増加の
アクションを行う。出銑量増加のアクションとしては、
出銑で使用中の出銑口の径を大きな錐で掘削して拡大し
たり(促進開口)、出銑で使用中の出銑口の他の閉塞し
ている出銑口を開口して複数の出銑口で同時出銑(ラッ
プ出銑)のアクションを行った。
を+0.3mVとした理由は、実験的調査において、銑
滓レベルの上昇に起因して送風圧力の変動が大きくな
り、操業が不安定になる危険が生じる電位差上昇分が約
0.3mVであったためである。
滓排出促進等のアクションをとることができたため、今
まで発生することがあった炉内貯銑滓異常増加による送
風圧力変動トラブルがなくなり、操業を安定させること
ができた。
る電位差に基づいて炉内の銑滓レベルを評価するに際
し、炉体円周方向複数個所での電位差測定結果を平均化
することによってノイズやドリフトの影響が相殺されて
精度の高い測定値が得られ、銑滓レベルの高精度な評価
が可能になった。
位差を基準電位差とし、基準電位差からの電位差の上昇
分に基づいて高炉内の銑滓レベルを評価することによ
り、電位差のドリフトの影響が相殺されて精度の高い測
定値が得られ、銑滓レベルの高精度な推定が可能になっ
た。
に設けることにより、銑滓レベルの測定精度を一層向上
させることができた。
(a)は高炉部分断面図、(b)は羽口部を示す部分断
面図である。
図である。
(a)は4個所の各電位差測定装置での測定電位差、
(b)は4個所の電位差平均値を示す。
であり、(a)は高炉部分断面図、(b)は部分拡大図
である。
り、(a)は炉底レンガ表面を電位測定点とし、(b)
は炉底レンガ内部を電位測定点としたものである。
Claims (8)
- 【請求項1】 高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点を高
さ方向に間隔を開けて設け、前記電位測定点の間で電位
差を測定するに際し、高炉炉体円周方向複数の個所で電
位差を測定し、電位差測定値の平均値に基づいて高炉内
の銑滓レベルを評価することを特徴とする高炉内の銑滓
レベル評価方法。 - 【請求項2】 高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点を高
さ方向に間隔を開けて設け、前記電位測定点の間で電位
差を測定するに際し、出銑が終了した時点での電位差を
基準電位差とし、基準電位差からの電位差の上昇分に基
づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを特徴とする
高炉内の銑滓レベル評価方法。 - 【請求項3】 さらに出銑が終了した時点での電位差を
基準電位差とし、基準電位差からの電位差の上昇分に基
づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを特徴とする
請求項1に記載の高炉内の銑滓レベル評価方法。 - 【請求項4】 高炉鉄皮表面に代え、高炉炉底レンガに
複数個の電位測定点を設けることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の高炉内の銑滓レベル評価方
法。 - 【請求項5】 高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点を高
さ方向に間隔を開けて設け、前記電位測定点の間で電位
差を測定する電位差測定装置を有し、高炉炉体円周方向
複数の個所に電位差測定装置を設け、各電位差測定装置
における電位差測定値の平均値を算出する平均化手段を
有し、該平均値に基づいて高炉内の銑滓レベルを評価す
ることを特徴とする高炉内の銑滓レベル評価装置。 - 【請求項6】 高炉鉄皮表面に複数個の電位測定点を高
さ方向に間隔を開けて設け、前記電位測定点の間で電位
差を測定する電位差測定装置を有し、出銑が終了した時
点での電位差を基準電位差とし、基準電位差からの電位
差の上昇分を算出する手段を有し、該算出した電位差の
上昇分に基づいて高炉内の銑滓レベルを評価することを
特徴とする高炉内の銑滓レベル評価装置。 - 【請求項7】 さらに出銑が終了した時点での電位差を
基準電位差とし、基準電位差からの電位差の上昇分を算
出する手段を有し、該算出した電位差の上昇分に基づい
て高炉内の銑滓レベルを評価することを特徴とする請求
項5に記載の高炉内の銑滓レベル評価装置。 - 【請求項8】 高炉鉄皮表面に代え、高炉炉底レンガに
複数個の電位測定点を設けることを特徴とする請求項5
乃至7のいずれかに記載の高炉内の銑滓レベル評価装
置。
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---|---|---|---|
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