JPH069259Y2 - 弾性免震支持装置 - Google Patents
弾性免震支持装置Info
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- JPH069259Y2 JPH069259Y2 JP7413587U JP7413587U JPH069259Y2 JP H069259 Y2 JPH069259 Y2 JP H069259Y2 JP 7413587 U JP7413587 U JP 7413587U JP 7413587 U JP7413587 U JP 7413587U JP H069259 Y2 JPH069259 Y2 JP H069259Y2
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- laminated rubber
- rubber body
- support device
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 この考案は、建築物等の上部構造の荷重を基礎等の下部
構造に伝達支持するとともに地震時の振動を吸収する積
層ゴム体を使用したいわゆる弾性免震支持装置に関す
る。
構造に伝達支持するとともに地震時の振動を吸収する積
層ゴム体を使用したいわゆる弾性免震支持装置に関す
る。
(2)従来技術及びその問題点 積層ゴム体を建築物と基礎との間に介装し、免震支持装
置として使用することは近年注目されつつあり、一般住
宅もその例外ではない。
置として使用することは近年注目されつつあり、一般住
宅もその例外ではない。
ここで、免震性能は建築物の重量(鉛直荷重)とそれを
支持する免震支持装置の水平ばねからなる固有振動数に
よって決定される。そして、建築物の鉛直荷重の大小に
かかわらず、同一の地震入力に対して同等の免震性能を
補償するために免震装置は同一の水平変形性能が必要と
される。従って、鉛直荷重が小さい一般住宅などの建築
物に用いる積層ゴム体は本来のばね特性を損なうことな
しに同程度の設計水平移動量を確保するように、必然的
にその横断面積に比し丈高い構造となる。従って、この
積層ゴム体をそのまま使用した場合、鉛直荷重による座
屈を生じ易い状態となり、この状態で大きな水平移動が
生じた場合、実用上問題がある。
支持する免震支持装置の水平ばねからなる固有振動数に
よって決定される。そして、建築物の鉛直荷重の大小に
かかわらず、同一の地震入力に対して同等の免震性能を
補償するために免震装置は同一の水平変形性能が必要と
される。従って、鉛直荷重が小さい一般住宅などの建築
物に用いる積層ゴム体は本来のばね特性を損なうことな
しに同程度の設計水平移動量を確保するように、必然的
にその横断面積に比し丈高い構造となる。従って、この
積層ゴム体をそのまま使用した場合、鉛直荷重による座
屈を生じ易い状態となり、この状態で大きな水平移動が
生じた場合、実用上問題がある。
(3)考案が解決しようとする課題 本考案は上記実情に鑑みなされたものであって、建築物
自体の重量が軽量である建築物への適用を可能とする耐
座屈性のある積層ゴム体を主体とする弾性免震支持装置
を提供することを目的(技術的課題)とする。
自体の重量が軽量である建築物への適用を可能とする耐
座屈性のある積層ゴム体を主体とする弾性免震支持装置
を提供することを目的(技術的課題)とする。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 本考案の弾性免震支持装置は上記目的を達成するため、
次の構成(技術的手段)を採る。すなわち、上部構造と
下部構造との間に介装され、ゴム弾性体と補強板とを交
互に積層してなる積層ゴム体において、前記積層ゴム体
の上面及び又は下面並びに該上・下面間に積層ゴム体の
外側に張り出すフランジ部を有する厚肉の鋼板が水平に
配され、前記各鋼板のフランジ部には、鉛直方向のそれ
ぞれ対応する位置に取付け孔が形成され、前記取付け孔
には、球面ジャーナルと該球面ジャーナルを回転動自在
に把持するとともに、前記各鋼板のフランジ部に取り付
けられる軸受体とからなる球面軸受部が設けられ、前記
球面軸受部は、前記各球面ジャーナルの中心を結ぶ線分
上に位置し、所定の曲げ剛性を有するシャフトによって
常に各球面ジャーナルの中心が直線上に位置するように
連結されてなる、ことを特徴とする。
次の構成(技術的手段)を採る。すなわち、上部構造と
下部構造との間に介装され、ゴム弾性体と補強板とを交
互に積層してなる積層ゴム体において、前記積層ゴム体
の上面及び又は下面並びに該上・下面間に積層ゴム体の
外側に張り出すフランジ部を有する厚肉の鋼板が水平に
配され、前記各鋼板のフランジ部には、鉛直方向のそれ
ぞれ対応する位置に取付け孔が形成され、前記取付け孔
には、球面ジャーナルと該球面ジャーナルを回転動自在
に把持するとともに、前記各鋼板のフランジ部に取り付
けられる軸受体とからなる球面軸受部が設けられ、前記
球面軸受部は、前記各球面ジャーナルの中心を結ぶ線分
上に位置し、所定の曲げ剛性を有するシャフトによって
常に各球面ジャーナルの中心が直線上に位置するように
連結されてなる、ことを特徴とする。
上記構成において、積層ゴム体はその内部に鉛の円柱体
からなる鉛プラグを高さ方向に封入した、いわゆる鉛プ
ラグ入り積層ゴム体をも含むものである。
からなる鉛プラグを高さ方向に封入した、いわゆる鉛プ
ラグ入り積層ゴム体をも含むものである。
(2)作用 常時においては、積層ゴム体は上部構造の荷重を下部構
造に伝達支持する。
造に伝達支持する。
一方、下部構造に地震等の強力な強制振動力が作用する
と、積層ゴム体はこの振動変位に追従するとともにその
水平ばね特性特性によりこの振動変位の上部構造への伝
達を防止する。
と、積層ゴム体はこの振動変位に追従するとともにその
水平ばね特性特性によりこの振動変位の上部構造への伝
達を防止する。
このとき、積層ゴム体は上・下鋼板及び中間鋼板が球面
軸受部を介して各球面ジャーナルの中心が常に直線上に
位置するように所定の曲げ剛性を有するシャフトで連結
されているので、積層ゴム体の中間部の波形状の変形は
シャフトの曲げ剛性により阻止され、よって積層ゴム体
の座屈は防止される。ここで、上・下鋼板及び中間鋼板
とシャフトとの連結手段として回転動自在の球面軸受部
を使用しているため、シャフトが積層ゴム体の水平ばね
特性に影響を及ぼすことはない。
軸受部を介して各球面ジャーナルの中心が常に直線上に
位置するように所定の曲げ剛性を有するシャフトで連結
されているので、積層ゴム体の中間部の波形状の変形は
シャフトの曲げ剛性により阻止され、よって積層ゴム体
の座屈は防止される。ここで、上・下鋼板及び中間鋼板
とシャフトとの連結手段として回転動自在の球面軸受部
を使用しているため、シャフトが積層ゴム体の水平ばね
特性に影響を及ぼすことはない。
(3)実施例 本考案の弾性免震支持装置の実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
第1図〜第3図はその一実施例を示す。すなわち、第1
図は本弾性免震支持装置の設置状態の構造を示す縦断面
図、第2図はその横断面図、第3図はその要部の詳細構
造図である。
図は本弾性免震支持装置の設置状態の構造を示す縦断面
図、第2図はその横断面図、第3図はその要部の詳細構
造図である。
図において、Gは建築物等の上部構造、Bは基礎等の下
部構造である。
部構造である。
本弾性免震支持装置Hは、積層ゴム体1と該積層ゴム体
1に付置される座屈防止装置2とを含み、上部構造Gと
下部構造Bとの間に介装される。積層ゴム体1は上部構
造Gの荷重を下部構造Bに伝達し支持するとともに、上
・下部構造G,B間の相対的振動変位を吸収する。ま
た、座屈防止装置2はこの積層ゴム体1に作用する鉛直
荷重及び水平変位に伴う座屈を防止する機能をもつ。
1に付置される座屈防止装置2とを含み、上部構造Gと
下部構造Bとの間に介装される。積層ゴム体1は上部構
造Gの荷重を下部構造Bに伝達し支持するとともに、上
・下部構造G,B間の相対的振動変位を吸収する。ま
た、座屈防止装置2はこの積層ゴム体1に作用する鉛直
荷重及び水平変位に伴う座屈を防止する機能をもつ。
以下、各部の細部構造を説明する。
積層ゴム体1は、厚肉の鋼板よりなる上部取付け鋼板3
及び下部取付け鋼板4を介して、上部構造Gの下面及び
下部構造Bの上面に適宜の固定手段(例えばアンカーボ
ルト)により固定される。
及び下部取付け鋼板4を介して、上部構造Gの下面及び
下部構造Bの上面に適宜の固定手段(例えばアンカーボ
ルト)により固定される。
上部取付け鋼板3と下部取付け鋼板4との間にはゴム弾
性板6と薄肉の鋼板よりなる補強板7とが交互に配さ
れ、これらは加硫接着により強固に一体化されている。
補強板7は繊維補強硬質ゴム板や繊維補強合成樹脂(F
RP)板であってもよい。
性板6と薄肉の鋼板よりなる補強板7とが交互に配さ
れ、これらは加硫接着により強固に一体化されている。
補強板7は繊維補強硬質ゴム板や繊維補強合成樹脂(F
RP)板であってもよい。
この積層ゴム体1は横断面に比し丈高に形成され、その
中間位置に1又は複数の厚肉の中間鋼板9が介装されて
いる。
中間位置に1又は複数の厚肉の中間鋼板9が介装されて
いる。
上部取付け鋼板3、下部取付け鋼板4及び中間鋼板9は
それぞれ側方に張り出すフランジ部3a,4a,9aを
有し、これらのフランジ部3a,4a,9aに後述する
球面軸受部用の取付け孔3b,4b,9bが穿設されて
いる。これらの取付け孔3b,4b,9bは鉛直方向に
同一位相を保って設けられる。座屈防止装置2はこれら
の取付け孔3b,4b,9bに設置される。
それぞれ側方に張り出すフランジ部3a,4a,9aを
有し、これらのフランジ部3a,4a,9aに後述する
球面軸受部用の取付け孔3b,4b,9bが穿設されて
いる。これらの取付け孔3b,4b,9bは鉛直方向に
同一位相を保って設けられる。座屈防止装置2はこれら
の取付け孔3b,4b,9bに設置される。
なお、この積層ゴム体1に鉛プラグが封入されるものに
あっては、鉛プラグは各鋼板3,4,9間に介装される
態様、あるいは、鋼板3,4,9を貫いて装入される態
様等を採る。
あっては、鉛プラグは各鋼板3,4,9間に介装される
態様、あるいは、鋼板3,4,9を貫いて装入される態
様等を採る。
座屈防止装置2は、鉛直方向のそれぞれ対応する位置に
形成された取付け孔3b,4b,9bに取り付けられる
球面軸受部11と該球面軸受部11に貫通状に挿通支持
されるシャフト15とからなる。
形成された取付け孔3b,4b,9bに取り付けられる
球面軸受部11と該球面軸受部11に貫通状に挿通支持
されるシャフト15とからなる。
球面軸受部11は、球面体の中心を貫通する貫通孔12
aが穿設された球面ジャーナル12と、上部取付け板
3、下部取付け板4及び中間鋼板9のフランジ部3a,
4a,9aに取り付けられ、該球面ジャーナル12を抱
持する軸受体13とからなる。但し、最下端に配される
球面ジャーナル12は貫通孔12aを有さず、シャフト
15に一体に固定されていわゆる球軸頭をなす。
aが穿設された球面ジャーナル12と、上部取付け板
3、下部取付け板4及び中間鋼板9のフランジ部3a,
4a,9aに取り付けられ、該球面ジャーナル12を抱
持する軸受体13とからなる。但し、最下端に配される
球面ジャーナル12は貫通孔12aを有さず、シャフト
15に一体に固定されていわゆる球軸頭をなす。
軸受体13は上・下体13A,13Bよりなるととも
に、それぞれは半球状のジャーナル抱持部13aとフラ
ンジ部13bとからなり、フランジ部13bをもって上
・下取付け板3,4及び中間鋼板9のフランジ部3a,
4a,9aに固定される。そして、ジャーナル抱持部1
3aの内面により球面ジャーナル12を回転自在に抱持
する。すなわち、軸受体13は上下に孔14が開けら
れ、この孔14にシャフト15が遊挿され、ジャーナル
抱持抱持部13aの内面で球面ジャーナル12と摺接す
る。
に、それぞれは半球状のジャーナル抱持部13aとフラ
ンジ部13bとからなり、フランジ部13bをもって上
・下取付け板3,4及び中間鋼板9のフランジ部3a,
4a,9aに固定される。そして、ジャーナル抱持部1
3aの内面により球面ジャーナル12を回転自在に抱持
する。すなわち、軸受体13は上下に孔14が開けら
れ、この孔14にシャフト15が遊挿され、ジャーナル
抱持抱持部13aの内面で球面ジャーナル12と摺接す
る。
シャフト15は十分に剛性を有しそれ自体でたわむこと
がない。そして、シャフト15はその下端を最下部の球
面ジャーナル12に固設され、他の球面ジャーナル12
の貫通孔12aに挿通自在とされ、上端は最上部の球面
ジャーナル12を貫通して上部構造Gの下面に形成した
凹部10に臨んで配される。
がない。そして、シャフト15はその下端を最下部の球
面ジャーナル12に固設され、他の球面ジャーナル12
の貫通孔12aに挿通自在とされ、上端は最上部の球面
ジャーナル12を貫通して上部構造Gの下面に形成した
凹部10に臨んで配される。
本実施例の積層ゴム体1及び上・下部取付け板3,4並
びに中間鋼板9の形状は円形に形成されており、円形に
することにより方向性がなく、自由な配置ができる。な
お、座屈防止装置2を円周方向に60°間隔に6か所配
したが、例えば90°間隔に4か所、あるいは120°
間隔に3か所配する等、座屈を防止するために必要な数
だけ配することは適宜なし得る設計的配慮である。
びに中間鋼板9の形状は円形に形成されており、円形に
することにより方向性がなく、自由な配置ができる。な
お、座屈防止装置2を円周方向に60°間隔に6か所配
したが、例えば90°間隔に4か所、あるいは120°
間隔に3か所配する等、座屈を防止するために必要な数
だけ配することは適宜なし得る設計的配慮である。
この弾性免震支持装置の形状は種々の態様があり、本実
施例に限定されるものではない。第4図はこの弾性免震
支持装置の水平断面形状の種々の態様を示す。
施例に限定されるものではない。第4図はこの弾性免震
支持装置の水平断面形状の種々の態様を示す。
(a)図のものは、積層ゴム体1が円形であり鋼板9が菱
形をなし、座屈防止装置2は鋼板9の長手端部に2か所
配されている。(b)図のものは、積層ゴム体1が円形で
あり、鋼板9のフランジ部9aが膨出し、その膨出部9
aに座屈防止装置2が3か所配される。(c)図のもの
は、積層ゴム体1が正方形であり、それに対応して鋼板
9も更に大きな正方形とされ、その四隅に座屈防止装置
2が配される。(d)図のものは、積層ゴム体1が長方形
であり、それに対応して鋼板9も長方形とされ、座屈防
止装置2は積層ゴム体1の長辺の中央の延長線上に配さ
れる。
形をなし、座屈防止装置2は鋼板9の長手端部に2か所
配されている。(b)図のものは、積層ゴム体1が円形で
あり、鋼板9のフランジ部9aが膨出し、その膨出部9
aに座屈防止装置2が3か所配される。(c)図のもの
は、積層ゴム体1が正方形であり、それに対応して鋼板
9も更に大きな正方形とされ、その四隅に座屈防止装置
2が配される。(d)図のものは、積層ゴム体1が長方形
であり、それに対応して鋼板9も長方形とされ、座屈防
止装置2は積層ゴム体1の長辺の中央の延長線上に配さ
れる。
このような構成よりなる本実施例の弾性免震支持装置H
は次のように作動する。
は次のように作動する。
常時においては、積層ゴム体1は上部構造Gの荷重を下
部構造Bに伝達支持する。
部構造Bに伝達支持する。
地震時においては、強制振動力を受けて上・下部構造
G,Bが相対変位し、積層ゴム体1はこの振動変位に追
従するとともにその水平ばね特性によりこの振動変位の
上部構造Gへの伝達を防止する。このとき、積層ゴム体
1は上・下部取付け鋼板3,4及び中間鋼板9間が球面
軸受部11を介してシャフト15で連結されているの
で、積層ゴム体中間部の水平変形はシャフト15の曲げ
剛性により拘束され、よって積層ゴム体1の座屈は防止
される。
G,Bが相対変位し、積層ゴム体1はこの振動変位に追
従するとともにその水平ばね特性によりこの振動変位の
上部構造Gへの伝達を防止する。このとき、積層ゴム体
1は上・下部取付け鋼板3,4及び中間鋼板9間が球面
軸受部11を介してシャフト15で連結されているの
で、積層ゴム体中間部の水平変形はシャフト15の曲げ
剛性により拘束され、よって積層ゴム体1の座屈は防止
される。
すなわち、丈高があり座屈防止装置2を具備しない積層
ゴム体1は、第5図(a)に示すように、上・下部構造
G,Bの相対変位を受けて一律に変形することなく、あ
る振動モードにより波状の変形が生じ、その荷重作用点
は安定位置から大きくずれ、ひいては座屈へと連なる。
しかしながら、本免震装置Hにおいては第5図(b)に示
すように、座屈防止装置2の剛度の高いシャフト15が
直線状を保ち、球面軸受部11から鋼板3,4,9を介
して積層ゴム体1にその抗力が伝達され、積層ゴム体1
の波形状の変形を防ぎ、可及的直線的な変形となる。こ
れにより、荷重作用点は安定位置内に収まり、座屈は生
じない。そしてまた、積層ゴム体1は、純せん断的変形
となり、積層ゴム体1の理想的な変形が得られるばかり
でなく、鉛プラグが封入された積層ゴム体にあっては該
鉛体の純せん断的変形が得られる。このとき、球面軸受
部11は積層ゴム体1の変形と剛的なシャフト15との
なじみを図る。
ゴム体1は、第5図(a)に示すように、上・下部構造
G,Bの相対変位を受けて一律に変形することなく、あ
る振動モードにより波状の変形が生じ、その荷重作用点
は安定位置から大きくずれ、ひいては座屈へと連なる。
しかしながら、本免震装置Hにおいては第5図(b)に示
すように、座屈防止装置2の剛度の高いシャフト15が
直線状を保ち、球面軸受部11から鋼板3,4,9を介
して積層ゴム体1にその抗力が伝達され、積層ゴム体1
の波形状の変形を防ぎ、可及的直線的な変形となる。こ
れにより、荷重作用点は安定位置内に収まり、座屈は生
じない。そしてまた、積層ゴム体1は、純せん断的変形
となり、積層ゴム体1の理想的な変形が得られるばかり
でなく、鉛プラグが封入された積層ゴム体にあっては該
鉛体の純せん断的変形が得られる。このとき、球面軸受
部11は積層ゴム体1の変形と剛的なシャフト15との
なじみを図る。
第6図及び第7図に座屈防止装置の他の態様を示す。
第6図に示す態様の座屈防止装置2′においては、球面
ジャーナル20とシャフト21とが一体となっており、
各球面ジャーナル20間のシャフト21は入子式になっ
てシャフト21自体が伸縮できる。各球面ジャーナル2
0は鋼板3,4,9に軸受体22をもって保持される。
ジャーナル20とシャフト21とが一体となっており、
各球面ジャーナル20間のシャフト21は入子式になっ
てシャフト21自体が伸縮できる。各球面ジャーナル2
0は鋼板3,4,9に軸受体22をもって保持される。
第7図に示す態様の座屈防止装置2″においては、最上
部及び最下部の球面ジャーナル24がシャフト25と一
体となっており、該球面ジャーナル24間のシャフト2
5は入子式になってシャフト25自体が伸縮でき、該シ
ャフト25は中間部の球面ジャーナル24の貫通孔26
を挿通自在に貫通している。各球面ジャーナル24は上
記実施例と同様に鋼板3,4,9に軸受体27をもって
保持される。
部及び最下部の球面ジャーナル24がシャフト25と一
体となっており、該球面ジャーナル24間のシャフト2
5は入子式になってシャフト25自体が伸縮でき、該シ
ャフト25は中間部の球面ジャーナル24の貫通孔26
を挿通自在に貫通している。各球面ジャーナル24は上
記実施例と同様に鋼板3,4,9に軸受体27をもって
保持される。
これらの態様によれば、シャフト21,25が上方に突
出しないので上部構造Gの下面に凹部10を形成する必
要がなく、従って上部構造Gの断面欠損がない。
出しないので上部構造Gの下面に凹部10を形成する必
要がなく、従って上部構造Gの断面欠損がない。
第8図に本考案の弾性免震支持装置の他の実施例を示
す。先の実施例と同等の部材については同一の符号が付
されており、その説明は省略する。
す。先の実施例と同等の部材については同一の符号が付
されており、その説明は省略する。
この実施例においては、上部取付け板3′のフランジ部
3aが下方に折り曲げられ、また、下部取付け板4′の
フランジ部4aが上方に折り曲げられている。これによ
り、上部構造Gの下面に凹部10を形成する必要がな
く、断面欠損が生じず、また、下部構造Bにおいては軸
受体13の収まり具合がよくなる。なお、上部取付け板
3′の折曲げのみの態様を採ることも可能である。
3aが下方に折り曲げられ、また、下部取付け板4′の
フランジ部4aが上方に折り曲げられている。これによ
り、上部構造Gの下面に凹部10を形成する必要がな
く、断面欠損が生じず、また、下部構造Bにおいては軸
受体13の収まり具合がよくなる。なお、上部取付け板
3′の折曲げのみの態様を採ることも可能である。
本考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案
の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。
の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。
C.効果 本考案の弾性免震支持装置は上記構成よりなり、作用を
奏するものであるので、シャフトの剛度をもって積層ゴ
ム体の波形状の変形が阻止され、積層ゴム体の直線変形
を促し、座屈を防止するとともに、積層ゴム体の理想的
なせん断変形が得られる。この結果、丈高の高い積層ゴ
ム体の使用が可能となり、垂直荷重が小さく水平変位の
大きな構造物系へのこの種の免震支持装置の適用が可能
となる。
奏するものであるので、シャフトの剛度をもって積層ゴ
ム体の波形状の変形が阻止され、積層ゴム体の直線変形
を促し、座屈を防止するとともに、積層ゴム体の理想的
なせん断変形が得られる。この結果、丈高の高い積層ゴ
ム体の使用が可能となり、垂直荷重が小さく水平変位の
大きな構造物系へのこの種の免震支持装置の適用が可能
となる。
図面は本考案の弾性免震支持装置の実施例を示し、第1
図はその一実施例の設置状態の構造を示す縦断面図、第
2図は第1図のX−X線水平断面図、第3図は要部の詳
細構造図、第4図はこの免震支持装置の水平断面形状の
種々の態様図、第5図はこの免震支持装置の作用を説明
するための説明図、第6図は座屈防止装置の他の実施
例、第7図は座屈防止装置の実に他の実施例、第8図は
この弾性免震支持装置の他の実施例を示す縦断面図であ
る。 1…積層ゴム体、2…座屈防止装置、3…上部取付け鋼
板、3a…フランジ、3b…取付け孔、4…下部取付け
鋼板、4a…フランジ、4b…取付け孔、6…ゴム弾性
板、7…補強板、9…中間鋼板、9a…フランジ、9b
…取付け孔、11…球面軸受部、12…球面ジャーナ
ル、13…軸受体、15…シャフト
図はその一実施例の設置状態の構造を示す縦断面図、第
2図は第1図のX−X線水平断面図、第3図は要部の詳
細構造図、第4図はこの免震支持装置の水平断面形状の
種々の態様図、第5図はこの免震支持装置の作用を説明
するための説明図、第6図は座屈防止装置の他の実施
例、第7図は座屈防止装置の実に他の実施例、第8図は
この弾性免震支持装置の他の実施例を示す縦断面図であ
る。 1…積層ゴム体、2…座屈防止装置、3…上部取付け鋼
板、3a…フランジ、3b…取付け孔、4…下部取付け
鋼板、4a…フランジ、4b…取付け孔、6…ゴム弾性
板、7…補強板、9…中間鋼板、9a…フランジ、9b
…取付け孔、11…球面軸受部、12…球面ジャーナ
ル、13…軸受体、15…シャフト
Claims (4)
- 【請求項1】上部構造と下部構造との間に介装され、ゴ
ム弾性体と補強板とを交互に積層してなる積層ゴム体に
おいて、 前記積層ゴム体の上面及び又は下面並びに該上・下面間
に積層ゴム体の外側に張り出すフランジ部を有する厚肉
の鋼板が水平に配され、 前記各鋼板のフランジ部には、鉛直方向のそれぞれ対応
する位置に取付け孔が形成され、 前記取付け孔には、球面ジャーナルと該球面ジャーナル
を回転動自在に把持するとともに、前記各鋼板のフラン
ジ部に取り付けられる軸受体とからなる球面軸受部が設
けられ、 前記球面軸受部は、前記各球面ジャーナルの中心を結ぶ
線分上に位置し、所定の曲げ剛性を有するシャフトによ
って常に各球面ジャーナルの中心が直線上に位置するよ
うに連結されてなる、 ことを特徴とする弾性免震支持装置。 - 【請求項2】積層ゴム体の内部に鉛プラグが封入されて
なる実用新案登録請求の範囲第1項に記載の弾性免震支
持装置。 - 【請求項3】シャフトは球面ジャーナルの中心を貫通す
る貫通孔内に摺動自在に挿通される実用新案登録請求の
範囲第1項に記載の弾性免震支持装置。 - 【請求項4】シャフトは球面ジャーナルに剛結され、シ
ャフト相互が伸縮自在とされる実用新案登録請求の範囲
第1項に記載の弾性免震支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7413587U JPH069259Y2 (ja) | 1987-05-18 | 1987-05-18 | 弾性免震支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7413587U JPH069259Y2 (ja) | 1987-05-18 | 1987-05-18 | 弾性免震支持装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63184807U JPS63184807U (ja) | 1988-11-28 |
JPH069259Y2 true JPH069259Y2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=30919080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7413587U Expired - Lifetime JPH069259Y2 (ja) | 1987-05-18 | 1987-05-18 | 弾性免震支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069259Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2730475B2 (ja) * | 1994-01-19 | 1998-03-25 | 鹿島建設株式会社 | 高曲げ剛性積層ゴム支承 |
-
1987
- 1987-05-18 JP JP7413587U patent/JPH069259Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63184807U (ja) | 1988-11-28 |
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