JPH0691947B2 - 水選択透過性加水分解膜 - Google Patents

水選択透過性加水分解膜

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JPH0691947B2
JPH0691947B2 JP62303368A JP30336887A JPH0691947B2 JP H0691947 B2 JPH0691947 B2 JP H0691947B2 JP 62303368 A JP62303368 A JP 62303368A JP 30336887 A JP30336887 A JP 30336887A JP H0691947 B2 JPH0691947 B2 JP H0691947B2
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membrane
hydrolysis
water
separation
selective
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美智男 露本
恭志 前田
博樹 唐金
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通商産業省基礎産業局長
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は浸透気化法、又は蒸気透過法による水選択透過
膜だけでなく、逆浸透や空気の除湿膜といった、広範囲
な水選択透過膜に関するものである。また、膜形態は平
膜、中空糸膜、チューブ膜等のいずれでもよく、用途に
よって任意に決めることができる。
〔従来技術および問題点〕
膜を用いての低濃度有機物水溶液の濃縮に関しては、逆
浸透法が実用化されてきた。しかしながら、逆浸透法は
分離液の浸透圧以上の圧力を分離膜に加える必要がある
ため、浸透圧が高くなる高濃度水溶液に対しては適用不
可能であり、従って分離できる溶液の濃度に限界があ
る。これに対して、浸透圧の影響を受けない分離法であ
る浸透気化法及び蒸気透過法が新しい分離法として脚光
を浴びつつある。浸透気化法とは膜の一次側に分離液を
供給し、膜の二次側(透過側)を減圧にするか、または
キャリヤーガスを通気することによって、分離物質を気
体状で膜透過させる方法であり、蒸気透過法とは、膜の
一次側への供給が混合蒸気である点が浸透気化法と異な
るものである。膜透過物質は、透過蒸気を冷却、凝縮す
ることによって採取することができる。浸透気化法につ
いてはこれまでに多くの研究例が報告されている。例え
ば、米国特許3,750,735及び米国特許4,067,805には、活
性アニオン基を有したポリマーによる有機物/水の分離
の例があり、米国特許2,953,502及び米国特許3,035,060
には、それぞれセルロースアセテート膜及びポリビニル
アルコール膜を用いたエタノール/水の分離例がある。
また、日本においても、特開昭59-109,204号にセルロー
スアセテート膜及びポリビニルアルコール膜、特開昭59
-55,305号にポリエチレンイミン系架橋膜がある。しか
しながら、これら特許に記載された膜が発現する分離性
能、とりわけ透過速度が低く、実用性に乏しいといえ
る。一方、分離性能の優れた例としては、特開昭60-12
9,104に、アニオン性多糖及び多糖誘導体からなる膜が
あるが、この場合、酸、又は、アルカリによる解重合、
菌による分解など、天然の高分子化合物に不可避の問題
が潜在し、耐久性、耐薬品性などは期待できない。ま
た、透過速度、分離係数が共に優れた膜としては、カル
ボキシル基を有する素材を主成分とした特願昭62-01133
7や特願昭62-165285等が挙げられる。しかしながら、こ
れら例示した特許の多くは、実用化するに際して、透過
速度を高めるためにコーティング等の薄膜化の技術が必
要とされるが、微粒子その他の不純物等に起因するディ
フェクトやコート層の割れの問題等のために実際に実施
することは困難であった。
本発明の目的は、コーティング等の薄膜化の技術を用い
ずに加水分解という容易な化学的処理によって充分な耐
久性と優れた透過速度及び分離係数を有する水選択透過
性分離膜を得ることにある。
本発明でいう透過速度とは、単位膜面積・単位時間当た
りの透過混合物量でkg/m2・hrの単位で表わす。いっぽ
う、分離係数(α)は、供給液あるいは供給蒸気中の水
と有機物との比に対する透過気体中の水と有機物との比
である。すなわち、▲α ▼=(X/Y)p/(X/Y)fであ
る。ここで、X,Yは2成分系での水及び有機物のそれぞ
れの組成(重量%)を、またp及びfは、それぞれ膜の
透過側及び膜の供給側を表わす。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の欠点を解決するために鋭意研究し
た結果、膜素材を加水分解することにより優れた性能を
有する水選択透過膜を見出した。即ち、本発明は、膜
が、加水分解によってカルボキシル基を生成する素材を
主成分とし、該素材中の少なくとも一部が加水分解によ
り生じたカルボキシル基を有していることを特徴とする
水選択透過性加水分解膜に関するものである。ここで該
素材は、他の素材とのブレンド物または共重合物であっ
ても差し支えないし、また、架橋されていても膜形態維
持の点から好ましいことは明らかである。膜素材の具体
的な例としては、ポリアクリロニトリル系や酸エステル
系、酸アミド系のポリマーが代表的である。これらの素
材を加水分解する代表的な方法としては、素材を製膜し
た後、酸またはアルカリ性溶液に浸漬する方法が挙げら
れる。このなかでも特に、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化バリウム等のアルカリ性溶液に浸漬する
方法が、その加水分解速度と膜形態維持のバランスから
いって好ましい。加水分解の度合は、膜素材の種類や、
ブレンド物、共重合物、又は、架橋処理物であるなしに
よっても異なるが、用いる酸、アルカリの種類、濃度、
処理時間によってそれぞれ適度な加水分解度にすること
ができる。膜素材を全て加水分解することは、素材によ
り異なるが、水溶性のゲル状物に変換されてしまうこと
が多いので好ましくない。また、加水分解の割合が少な
いと分離機能が低いので好ましくない。また、膜表面の
みを処理液と接触させて加水分解するだけでも本発明の
目的は達成される。
また、ポリアクリロニトリルのアルカリ性溶液による加
水分解の反応経路については、およそ次 式のように進行すると考えられているので、膜の色が褐
色から透明になるまでの間の所定時間に、加水分解処理
を終了すればよい。
適度に加水分解した膜は、カルボキシル基が処理液に応
じて酸型、種々の金属塩型、アミン塩型等の状態とな
り、そのままでも水選択透過膜として使用できるが、カ
チオン性ポリマーとポリイオンコンプレックス化する方
が、膜性能の向上及び安定性の面から好ましい。カチオ
ン性ポリマーの具体的な例としては、ポリエチレンイミ
ン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、主鎖に第
4級アンモニウム塩を含むアイオネン型ポリマー等が代
表的である。また、ポリイオンコンプレックス化は、こ
れらの溶液に浸漬するだけで容易に達成される。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来から市販されている逆浸透膜、限
外過膜、精密過膜等をそのまま用いることができ、
高度な技術を要求されるコーティング手段を用いなくて
も、酸又はアルカリ水溶液に所定時間浸漬して、加水分
解することで、水を選択的に透過する優れた分離膜が容
易に得られる。また、コーティングの場合には、塗布速
度が遅いと生産性が悪くなることや、クリーンルーム等
の特別な施設への投資や維持管理の問題が生じるが、本
発明では、通常の装置で一度に大量に処理することがで
きるので製造コスト面からも非常に有利である。本発明
による水選択透過性加水分解膜は、浸透気化法により優
れた水選択透過性を示し、種々の有機物混合溶液からの
脱水に使用可能なことはもとより、その特性を生かし蒸
気透過、透析、逆浸透、空気の除湿といった広範な用途
に用いることができる。
〔実施例〕
次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 ポリアクリロニトリル製逆浸透膜であるソルロックス
(住友化学工業(株)製)を、1N-NaOH水溶液中に80℃
で13分間浸漬して加水分解した。加水分解後、膜中の過
剰のカルカリを水で洗浄し、浸透気化法(供給液:95%
エタノール水溶液、70℃)で水選択透過性を評価した結
果、透過速度1.0kg/m2・hr、分離係数100であった。
実施例2 実施例1で加水分解した膜を、後記の構造を有するアイ
オネン型ポリカチオンPCA-107の水溶液中に1夜浸漬し
たポリイオンコンプレックス化した。この膜を実施例1
と同条件で水選択透過性を評価した結果、透過速度0.81
kg/m2・hr、分離係数850であった。
比較例1 ソルロックス膜を、加水分解せずにそのまま用いて、実
施例1と同条件で、水選択透過性を評価した結果、透過
速度4.0kg/m2・hr、分離係数2.8であった。透過速度は
大きいものの、ほとんど水選択透過性を有していなかっ
た。
比較例2 ソルロックス膜を、1N-NaOH水溶液中に80℃で60分間浸
漬して加水分解した。この膜は、過剰にポリアクリル酸
ナトリウムに変換されており、ゲル状物となり膜形態が
壊れていた。
実施例3 ポリアクリロニトリル(Du Pont社製)をN,N-ジメチル
ホルムアミドに重量比で1:9の割合で溶解したドープを
用いて、ポリエステル製織布上に流延厚み250μmでキ
ャストした。キャスト後、直ちに水中に浸漬して凝固さ
せ、ポリアクリロニトリル製平膜を得た。
この膜を、1N-NaOH水溶液中に80℃で24分間浸漬して加
水分解した。加水分解後、膜中の過剰のアルカリを水で
洗浄し、アイネオン型ポリカチオンPCA-107の水溶液中
に1夜浸漬してポリイオンコンプレックス化した。実施
例1と同条件で水選択透過性を評価した結果、透過速度
0.94kg/m2・hr、分解係数1480であった。
比較例3 実施例3で作製したポリアクリロニトリル製平膜を、加
水分解せずにそのまま用いて、水選択透過性を評価した
結果、水/エタノールに対してほとんど分離性能を有し
ていなかった。
実施例4 ポリアクリロニトリル系限外過膜であるDUY平膜(ダ
イセル化学工業社製、ポリアクリロニトリル含有量約7
割)を、1N-NaOH水溶液中に78〜85℃で30分間浸漬して
加水分解した。加水分解後、膜中の過剰のアルカリを水
で洗浄した後、実施例1と同条件で、水選択透過性を評
価した結果、透過速度1.0kg/m2・hr、分離係数40であっ
た。
比較例4 DUY平膜を加水分解せずに、そのまま用いて、実施例1
と同条件で水選択透過性を評価した結果、この膜は水/
エタノールに対してほとんど分離性能を有していなかっ
た。
比較例5 DUY平膜を、1N-NaOH水溶液中に78〜85℃で60分間浸漬し
て加水分解した。この膜は、過剰にポリアクリル酸ナト
リウムに変換されており、ゲル状物となり膜形態が壊れ
ていた。
実施例5 実施例4で加水分解した膜を、アイオネン型ポリカチオ
ンPCA-107の水溶液中に1夜浸漬してポリイオンコンプ
レックス化した。この膜を実施例1と同条件で水選択透
過性を評価した結果、透過速度1.0kg/m2・hr、分離係数
540であった。
実施例6 DUY平膜を、0.1N-Ba(OH)2水溶液中に78〜85℃で150分間
浸漬して加水分解した。加水分解後、膜中の過剰のアル
カリを水で洗浄したのち、アイオネン型ポリカチオンPC
A-107の水溶液中に1夜浸漬してポリイオンコンプレッ
クス化した。この膜を実施例1と同条件で、水選択透過
性を評価した結果、透過速度0.7kg/m2・hr、分離係数19
0であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜が、加水分解によってカルボキシル基を
    生成する素材を主成分とし、該素材中の一部が加水分解
    により生じたカルボキシル基を有し、95%エタノール水
    溶液を供給液として用いた場合の70℃における浸透気化
    法による分離係数が40以上であることを特徴とする水選
    択透過性加水分解膜。
  2. 【請求項2】素材が、ポリアクリロニトリル系高分子で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の水選
    択透過性加水分解膜。
  3. 【請求項3】加水分解により生じたカルボキシル基を有
    している素材が、アイオネン型ポリカチオンとポリイオ
    ンコンプレックスを形成していることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項、又は、第2項記載の水選択透過性加
    水分解膜。
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