JP2694341B2 - 改良された耐酸化性膜およびその製造方法 - Google Patents

改良された耐酸化性膜およびその製造方法

Info

Publication number
JP2694341B2
JP2694341B2 JP63019712A JP1971288A JP2694341B2 JP 2694341 B2 JP2694341 B2 JP 2694341B2 JP 63019712 A JP63019712 A JP 63019712A JP 1971288 A JP1971288 A JP 1971288A JP 2694341 B2 JP2694341 B2 JP 2694341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
coating
sulfonated
membranes
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63019712A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63248409A (ja
Inventor
ジョン・エドワード・トマシチ
アンソニー・ジョセフ・テスタ
ジェームス・ジョージ・ボロス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hydranautics Corp
Original Assignee
Hydranautics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hydranautics Corp filed Critical Hydranautics Corp
Publication of JPS63248409A publication Critical patent/JPS63248409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2694341B2 publication Critical patent/JP2694341B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • B01D63/021Manufacturing thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/66Polymers having sulfur in the main chain, with or without nitrogen, oxygen or carbon only
    • B01D71/68Polysulfones; Polyethersulfones
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/10Spiral-wound membrane modules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0002Organic membrane manufacture
    • B01D67/0009Organic membrane manufacture by phase separation, sol-gel transition, evaporation or solvent quenching
    • B01D67/0011Casting solutions therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0081After-treatment of organic or inorganic membranes
    • B01D67/0093Chemical modification
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • B01D69/1213Laminated layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/52Polyethers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/52Polyethers
    • B01D71/522Aromatic polyethers
    • B01D71/5221Polyaryletherketone
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2323/00Details relating to membrane preparation
    • B01D2323/30Cross-linking
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2325/00Details relating to properties of membranes
    • B01D2325/20Specific permeability or cut-off range

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な方法により作った逆浸透(RO)、限
外ろ過(UF)および精密ろ過(MF)用の複合又は被覆ス
ルホン化ポリアリールエーテル膜ならびにその使用方法
に関するものである。
従来の技術とその課題 逆浸透法による塩水脱塩用に現在市販されている膜は
2つの基本的なポリマー群、すなわちセルロース類(主
として酢酸セルロース類)および近代産物であるポリア
ミド、ポリアミドヒドラジド、ポリ尿素およびポリエー
テル尿素から成る縮合生成物に由来するものである。セ
ルロース膜類は微生物攻撃を受けやすく、高温高圧下で
目詰まりを起こしやすいので、かなり狭い供給pH範囲で
の使用に限定されている。しかしながらこれらの膜は、
低レベルの塩素、塩水脱塩やその他の分離法に使用する
汎用の殺菌洗浄薬に対してかなり良好な耐性を有してい
る。2番目のポリマー群(これらは限外ろ過ならびにRO
用に適している)は、セルロース膜と比べて、一般に所
定の適用圧下において改良された輸送性および広いpH範
囲にわたる安定性を示す。しかし残念ながら近代産物で
あるポリマーから作ったこれらの膜は全て、ROでの使用
における塩素の様な酸化剤への連続接触に対して耐性が
低いという欠点を有している。これを感受性における
「トレードオフ(相殺条件)」でみると、多くの通常の
供給流における経済的に不利な塩素除去か、あるいは酸
化分解により膜の選択透過性が失なわれるかのいずれか
の結果となる。この種の感受性のために、塩素化やその
他の類似の酸化性洗浄剤や殺菌剤を一般に使用する、飲
用水用の用途に特に食料および飲料水、医学、生化学お
よび薬学用途にこれらの膜を使用することが制限され、
あるいは禁止さえされている。
近年ポリスルホン型ポリマーは、加水分解安定性およ
び高温特性に優れている故に、多くの用途に使用される
限外ろ過膜の製造に広く使用されて来た。今日市販され
ているポリスルホンポリマーである登録商標名UDELR
リスルホン(Union Carbide社製)および登録商標名Vic
trexRポリエーテルスルホン(ICI社製)も又、洗浄中に
定期的に接触させた場合での許容塩素耐性を有してい
る。従ってこれらのポリスルホン型ポリマーは、塩素を
使用しての日常の衛生管理や1%の苛性物および1%の
りん酸での高温膜洗浄管理が要求される酪農および食品
処理分野での膜の使用に広く利用されている。又ポリス
ルホン型膜は薬学および生物工学用の分野において広く
使用出来ることが見出され、そして大ていの環境下で非
常に良く機能している。
又近年、スルホン化ポリアリールエーテル、および特
にスルホン化ポリアリールエーテルスルホンが、その優
れた化学的および熱的安定性の故に、膜分離法への適用
について検討されて来た。そしてこれらの膜は、21.1kg
/cm2・gより大きな圧力下での良好なRO膜透過流束およ
び塩除去性を有することに加えて、上記のポリマー膜群
はいずれも破壊されてしまう様な連続塩素接触レベルや
pH両極端において作動可能であることが実証された。こ
の様にスルホン化ポリアリールエーテルは塩素耐性およ
び加水分解安定性を有するので、一見してこれらは例え
ば天然塩水、工業廃水、汚水、鉱業用水、農業流水等の
様な種々の条件にある広い範囲の侵蝕性の供給流の脱塩
や又上記した塩水脱塩や純水回収以外の多くの用途に特
に適している様に考えられる。
これらの膜の問題点は、経済的な適用圧において再生
可能に工業的規模で有効な透過流束および塩除去性を達
成することが不可能であるということであった。塩水
(低圧RO)脱塩用の許容性能としてはその代表的なもの
として、14.1kg/cm2・gの正味運転圧(NDP)において
少なくもと611.1リットル/m2−日の水透過流束および95
%又はそれ以上の塩除去率(5%以下の塩透過率)を有
するか、あるいはこれに替えてこれらの性質の等価トレ
ードオフであると言えよう。逆浸透法の原理に一致し
て、より高い適用圧を与えるとより高い透過流束および
塩除去率が得られるが、その余分な圧力をかけるために
付加的な動力コストがかかるという欠点がある。従って
低い適用圧で充分な透過流束と塩除去率が得られる様な
膜を開発することが望まれる。
スルホン化ポリアリールエーテル膜を使用する従来技
術によれば、611.1リットル/m2−日又はそれ以上の流動
率および95%又はそれ以上の塩除去率の塩水(2000〜50
00ppmのNaCl)供給における所望の輸送性能を得るため
には、21.1〜42.2kg/cm2・g又はそれ以上でさえある適
用圧を使用しなければならなかったことがわかってい
る。開発された主な膜形態は非対称であって、厚い(2.
54〜50.8μ)異方性構造から成っているものであり、そ
してこの構造においては該構造の頂部側のうすくて密な
フィルムのところで選択透過が起るようになっている。
このうすい頂部フィルムは漸次多孔性の増している下部
構造に一体支持されている。うすいフィルム複合膜を使
用した場合に、Graefe等(Office of Water Re-search
and Technology、リポートNo.2001-20)により開発され
た選択実験サンプルが17.6kg/cm2・gにおいて低圧目標
性能(1303.8リットル/m2−日透過流束および94.5%塩
除去率)を達成したというより良い結果が認められた。
この後者の膜の例は、乳酸水で前処理した多孔性ポリス
ルホン基質上にスルホン化ポリスルホンの溶液をはけ塗
りすることにより作ったうすいフィルム積層体から成る
ものであった。この前記の溶液の使用目的は、スルホン
化ポリスルホン溶液が多孔性基質の孔中に侵入するのを
防ぐためのものであった。このフィルム複合薄膜は、使
用可能ではあるが、面倒な多孔性基質の前処理工程であ
ったり又性能再生産性に欠ける等の欠点があり、決して
実用化にまでは至らなかった。
この様な薄フィルム複合膜で更に開発を進めたものの
1つとして、Schiffer等により開発された中空繊維複合
体系があった。この膜は高スルホン化ポリスルホン(遊
離酸型)のアルコール溶液を多孔性の中空繊維ポリスル
ホン基質上に被覆することにより作ったものである。こ
のうすいフィルムは、実際に試験をしたわけではない
が、溶液塗付後に適用する熱処理によって架橋される必
要があった。性能はあまり良くなくて、28.1kg/cm2・g
の適用圧で3500ppmのNaCl供給液の場合に、244.5リット
ル/m2−日の透過流束および95%までの塩除去率であっ
た。この膜の問題点は被覆繊維の固有のもろさがあるこ
とと実用サイズエレメントモードでのテストにおいて根
本的に矛盾する遂行結果となることとであった。多くの
従来技術のスルホン化ポリアリールエーテル膜は(非実
用的な)実験室規模の厚い密なフィルム体か又は非対称
構造体のどちらかから成るものであった。この種の構造
体では、RO用途に要求される経済的な適用圧(28.1kg/c
m2・g以下)においての少なくとも611.1リットル/m2
日の透過流束および95%の塩除去率を達成することは不
可能であった。この結果、研究者達は薄フィルム複合膜
構造について検討を行なった。というのは、これが最適
に遂行し得るならば、優れた塩除去率と共に最高の透過
流束が得られることになるからである。これは理論に合
致するばかりでなく、今日の操作での他の公知の膜構造
体とも矛盾しない。従来技術の薄膜複合体に制限がある
ことは、その製造技術および使用するポリマーの選択に
原因するものであった。
課題を解決するための手段 従来技術の結果とは異なり、本発明者らはスルホン化
ポリアリールエーテルの特殊な溶液を直接に多孔性ポリ
マー基質上に付着させることにより優れたスルホン化ポ
リアリールエーテルの選択透過膜を作ることが出来るこ
とをこゝに見出した。この新規な方法は、多孔性支持体
を予備被覆したりあるいは初期の薄膜又は被覆を架橋さ
せたりする必要もなく最適に行なうことが出来る。更に
又本発明者らは、薄膜障壁ポリマーと多孔性支持体ポリ
マーとから成る多くの従来これまで未研究であった組合
わせが可能であることも見出した。そして事実、合理的
な組合わせをすればこれらの薄膜複合体選択透過膜の開
発に最適であることが証明された。
更に具体的には、薄膜複合体(又は被覆)逆浸透、限
外ろ過および精密ろ過膜は、0.2〜2.9meq/gm、好ましく
は0.2〜2.0meq/gmのイオン交換能(IEC)を有するスル
ホン化ポリアリールエーテルから、多孔性ポリマー基質
への適当な1工程溶液塗布により作られる。中程度ない
しは強度の水素結合能、適当な揮発性および多孔性基質
をぬらすのに充分な低い表面張力を有する極性溶媒、す
なわちぎ酸からなる溶媒系が必要である。更に、アルカ
リ金属塩、特にリチウム塩を塗布組成物に加えることに
より、生成する膜の水透過性が普通は著しく増加するこ
とがわかった。スルホン化ポリアリールエーテル(SP)
の前記溶液を多孔性基質0.0929m2につき10〜100mg(SP/
0.0929m2)付着させ、次いで溶媒を蒸発させることによ
り、優れた選択透過性、強さおよび薬剤耐性を有する複
合又は被覆膜が得られる。これらの膜は、脱塩、食品お
よび飲料水、パルプおよび紙、金属溶液、薬剤、エレク
トロニクス、硬水軟化、医学、RO前処理、および非水性
用途を含めての、高圧ないしは低圧逆浸透法(RO)(例
えば海水ないしは塩水への適用処理)から限外ろ過法
(UF)や精密ろ過法(MF)に亘る範囲での使用に適す
る。
この方法は、そのスルホン酸基を遊離酸の形又は塩の
形で有するスルホン化ポリアリールエーテルのぎ酸から
成る溶媒系中の溶液(これは必要量の透過流束改良剤を
含有している)で乾燥又は湿潤多孔性ポリマー膜を均一
「被覆」し、次いで加熱により大部分の溶媒を除去して
薄膜複合体又は被覆膜を生成することから成る。単一の
液体としてあるいは液体の混合物としてのぎ酸から成る
溶媒系は実質的に極性であり、適度に揮発性があり、乾
燥多孔性基質をぬらすのに充分な低い表面張力を有し、
そして、多孔性基質ポリマーを膨潤させることはあって
もこれを溶解はしないものである。スルホン化ポリアリ
ールエーテル用の本発明による改良溶媒系を選択するこ
とは本発明の重要なしかも新規な点である。被覆技術/
加工技術の分野において一般に使用される種々の制御さ
れた液体塗布法について効果的な塗布を行なってみた。
その結果得られたスルホン化ポリアリールエーテル薄膜
は、多孔性基質ポリマーとは化学的に反応しないけれど
もこれに極めて良く付着し、そして化学的にも又機械的
にも苛酷な現実的な試験条件を矛盾なく満足する、強力
なそして永久的な付着層を生成する。この様にして作っ
た逆浸透膜は優れた透過流束と塩除去性をと、そして塩
素や膜分離法で普通に使われているその他の強力なクレ
ンザーに対して特有の高耐性とを示す。この様にして作
った限外ろ過および精密ろ過膜は改良された(1)耐汚
染性、(2)酸化安定性および(3)孔径分布を有す
る。
多孔性の異方性基質ポリマー膜とスルホン化ポリアリ
ールエーテルのうすい被覆とを有する高速透過性膜も又
本発明方法により作ることが出来る。
ROに必要とされる密な塩除去層とは異なり、UF、MFお
よび低圧RO膜については、スルホン化ポリアリールエー
テル被覆はそれ自体、所望の分子量分離をコントロール
しあるいは低圧RO膜の場合は塩分の除去が出来る様に充
分に多孔性でなくてはならない。本発明の被覆UF膜中の
基質は通常被覆前よりも後の方がより低分子量の分離性
(目がよりしっかり詰まっている)を有し、従って製造
目的とするものよりもより「目のあらい」(分画分子量
の大きい)UF膜から適当なUF基質を普通に選択出来よ
う。本発明の被覆UF膜の分画分子量は次の2つの方法の
内の1方のやり方でコントロール出来る。第1は、膜の
分画分子量は塗布液の組成を調節し、あるいは塗布−キ
ュアリングサイクルを調節することによりコントロール
出来る。第2に、分画分子量は異なる孔径分布を有する
UF又はMF膜上に塗布液を付着させることによりコントロ
ール出来る。この後者の方法を使用すると、被覆UF膜は
普通UF膜支持体よりも低い分画分子量(より目の詰まっ
た膜)を示すようになる。これの1つの可能な例外は、
被覆が非常にわずかである場合、例えば被覆の目的がポ
リマー基質膜の親水性だけを変えるためのものである様
な場合である。スルホン化ポリアリールエーテルスルホ
ンまたはスルホン化ポリスルホン塗布液は好ましくはポ
リスルホン又はポリエーテルスルホンUF膜上に付着させ
て、厳密にコントロールされた分画分子量を有する一連
の複合体UF膜を作ることが出来る。
本文記載のいかなる理論にもとらわれるつもりはない
が、RO膜は大きな孔のない連続した膜被覆を有していて
水は拡散するが塩分は除去出来るようになっていること
が必要であり、一方UFおよびMF膜の場合は、スルホン化
ポリアリールエーテル層はポリマー膜基質中のもとの孔
を実質的に充てんしあるいは被覆することなしに膜の表
面を被覆するのみでなくてはならない。この事実が正し
いということの直接の証明はないが、本発明においてRO
型膜を多孔性膜基質の表面に連続ゲルポリマー膜(バリ
ヤー層)を有する真の複合体膜として理解するのが適当
であり、一方UF膜は基質のもとの形状に適合して(限定
的にかつ孔を完全に覆いつくしてしまわない様に)スル
ホン化ポリアリールエーテルのうすい被膜を有する有孔
UF膜であると考えれば良い。ここで「複合体」とは主と
して本発明の高圧RO膜について言うものであり(海水等
の脱塩用に有用である)、そして「被覆」とは主として
本発明の低圧RO、UFおよびMF膜について言うものであ
る。但しこれらの語句についてより一般的な意味で特記
した場合にはこの限りではない。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明によれば、特定範囲のスルホン化率を有するス
ルホン化ポリアリールエーテルと特定の溶媒系と多孔性
ポリマー基材とを使用する溶液付着法により、優れた透
過流束と除去性とを有する薄膜複合体膜が得られること
を見出された。本発明で使用出来るポリアリールエーテ
ルは、その主鎖中に酸化に対して不安定な結合を有さな
いそして良好なフィルム形成性を有するのに充分な分子
量を有する芳香族ポリマーである。これらは下記式で表
わされる様な3つの異なる基本構造型に属するものであ
る。
(式中Rは下記から選択した芳香族基である。
7) 上記基と更に上記以外の基であってジハロジフェ
ニルスルホンモノマーと反応してポリアリールエーテル
スルホンを形成可能な市販のジヒドロキシ芳香族モノマ
ー由来の基との組合わせ。) (式中Rは下記から選択した芳香族基である。
4) 上記基と、これとは別に上記以外の基であってジ
ハロフェニケトンモノマーと反応してポリアリールエー
テルケトンを形成可能な市販のジヒドロキシ芳香族モノ
マー由来の基との組合わせ。) (式中R1およびR2は水素又はアルキル基であって具体
的には例えば上記式は である。ここでSO3Zは芳香族ポリマーのスルホン化に
おいて汎用の方法により全合成ポリマー中に導入される
スルホン酸基である。この基の位置は親電子性芳香族置
換と矛盾することなく、本文記載のすべてのポリマー型
についてその活性エーテル結合に対して主としてオルソ
ー位である。Zは遊離酸の場合は水素であり、あるいは
又アルカリ金属塩やアンモニア又はアミン由来の窒素含
有塩でも良い。ポリマー反復単位におけるスルホン酸基
の数を表わすx値は各ポリマー例により変化し、イオン
交換能(I,E,G.,スルホン化ポリマー1gについてのスル
ホン酸基のミリ当量により表わす)から算出できる。後
者は各スルホン化ポリマーにつき認められたイオウ含有
量からの分析により測定する。有用なスルホン酸含有範
囲は各個のポリマー型によりそれぞれ異なることがわか
っているが、しかし一般には前記の式(I)、(II)お
よび(III)で示した同じ構造式群のポリマーは非常に
類似している。
本発明の膜の平均IEC必要量は、式(I)〜(III)の
ポリマー群の順に大きな値であり、これはその非スルホ
ン化出発ポリマーにおける親水性がこの順で低くなって
いるためであると考えられる。すなわち、式(I)のポ
リアリールエーテルスルホン群は約0.3〜2.2meq/gのIEC
範囲で有効であるが、式(III)のポリフェニレンオキ
シドは普通約1.3〜2.9meq/gの範囲内でなくてはならな
い。本発明に使用するポリマーにはスルホン酸含有量に
関して2つの要件がある。第1の要件はこれらポリマー
が本発明で使用する溶媒中に可溶であるが、但し膜試験
供給物、例えば食塩水中には決して可溶でないことであ
る。上記のIEC範囲は本発明の溶媒中の溶解性のための
最少スルホン化度と水性雰囲気中における安定性のため
の最大許容スルホン化度にそれぞれ相応するものであ
る。これらのポリマーは徐々にスルホン化が進んで来る
ので、低度ないしは中程度の極性および水素結合能を有
する溶媒中への可溶性から中程度ないしは高度の値を有
するものへとそして結局は水中への可溶性へと進行する
ものであることが指摘される。
第2の要件は、個々の分離用途のために膜透過性およ
び除去性が最良の組合わせとなる様にIECを設定するこ
とである。幸いにもこれはたいていの場合特定した広い
範囲のほぼ中央であることがわかっている。実際のとこ
ろ一般に膜IEC値が高くなればなるほど水透過性は高く
なりそしてこれに比例して溶質通過性も高くなり、そし
て逆に膜IEC値が低くなればなる程水透過性も低くなり
そしてこれに比例して溶質通過性も低く(除去性が高
く)なることが認められる。従ってポリアリールエーテ
ル薄膜ポリマーのスルホン化度をIECの狭い範囲におい
て最高なものに設定することにより複合体RO膜の性能を
調整することが可能である。
塗布工程で使用する溶媒系の基準は、これがスルホン
化ポリアリールエーテルにとっては良溶媒であって多孔
性基質にとっては非溶媒であり、そして多孔性基質をぬ
らすのに充分な低い表面張力を有し、しかも穏やかな加
熱で除去出来る様に揮発性でなくてはならないことであ
る。スルホン化ポリアリールエーテルと多孔性基質ポリ
マーとか非常に類似したものでありうることから、有効
な溶媒の数を化学的に限界することが出来る。(両ポリ
マーの溶解性パラメーターを検討して数々の使用可能な
型を見出すことも出来るけれども。) 本発明の特徴は、スルホン化ポリアリールエーテルの
膜特性はこれを特定の新規な有効な溶媒系からの基質に
適用した場合に驚くほど改善されるということを見出し
たことにある。本発明により作成した膜はこの様に、こ
れまで従来の溶媒又は溶媒系を使用して作成したスルホ
ン化ポリアリールエーテル膜と比べた場合に、改善され
た透過流速/除去率の組合わせを有している。従って本
発明によるぎ酸からなる溶媒系は、スルホン化ポリアリ
ールエーテル被覆にとって従来知られていない新規な溶
媒系であり、この溶媒系は改善された除去率および/ま
たは透過流束を有する膜を与えるものである。
本発明による溶媒系は著量のぎ酸すなわち約10〜100
%のぎ酸と残部としての共溶媒および透過流束改良剤等
とから成る系である。そして少なくとも20%のぎ酸を含
有する混合溶媒がより好ましい。スルホン化ポリアリー
ルエーテル膜特性を改良することが認められたその他の
溶媒および溶媒混合物としては、ホルムアミドおよびホ
ルムアミド含有混合物、例えばホルムアミド/2−メトキ
シエタノールおよびホルムアミド/ぎ酸が挙げられる。
一般に、基質を溶解する傾向があるということからある
いは溶媒能が低くてスルホン化ポリアリールエーテルを
溶解することが出来ないという理由から、通常のポリマ
ー基質膜上にスルホン化ポリアリールエーテルを付与す
るのに使用出来ないとされていた溶媒、例えばそれぞれ
アセトンおよびアセトニトリルでも、他の溶媒例えば水
と組合わせて使用することが出来、そして本発明方法に
より満足な膜を形成することが出来る。この様にアセト
ニトリル/水(95%/5%)およびアセトン/水(75%/2
5%)の混合物は目のあらいポリマー膜基質上に満足な
複合体膜を形成することが認められた。
溶解度パラメーター手段、特にHausenの提案した三次
元系は、ある場合の液体混和性およびポリマー溶解性を
予測するのに効果的に使用されて来た。この三次元系に
おいては液体を一緒にして担持する全結合エネルギー
(E)は分散(Loudon)力Ed、永久双極−双極力Epおよ
び水素結合力Ehからの分力に分割することが出来ると仮
定している。Han-senの式は次の通りのものである。
であり、そしてV=溶媒のモル体積である。
後記の表Iに、2つのスルホン化ポリアリールエーテ
ル、多孔性基質ポリマー(ポリスルホン)および該多孔
性基質ポリマーと相溶性のある溶媒系の全および成分溶
解度パラメーターならびにその他の物理的データを示し
た。スルホン化ポリマー(I−2)および(I−5)お
よびポリスルホンパラメーター値の間の根本的な相違
は、スルホン酸機能性および前者の炭化水素特性の減少
に原因してδhおよびδp成分にあることが認められる。
良い溶媒を得るためには、δhとして非常に高い値を有
する非溶媒である水を例えばアセトニトリルやアセトン
の様なそのδh成分が少ない(それぞれ3.0および3.
4)、別の非溶媒(スルホン化ポリアリールエーテルに
対して)に加える。実験によれば、高沸点ホルムアミド
溶媒は高い塩除去率を有する薄膜RO複合体膜を作ること
は不可能であることが認められ、そしてこれはこの液体
の表面張力が大きすぎるということと沸点が高いという
ことの組合わせが原因であると考えられる。しかしなが
らホルムアミドはその少量を他の溶媒と一緒に用いるこ
とは出来る。より弱いSP溶媒である2−メトキシエタノ
ールはその適当な溶媒性のために5%以上のホルムアミ
ド又は少なくとも20%のぎ酸を添加すること、そして更
にはその高いRO膜塩除去性のためには後者をより以上の
パーセントで添加することがしばしば必要なことがあ
る。この溶媒に水を添加してもSP溶解性は改善されな
い。その理由はその結果としてのδpとδh成分値の不つ
りあいに原因するものと思われる。例えばぎ酸、アセト
ニトリルおよびアセトンの様なこの様な系に増加水分を
添加すると生成する膜性能におけるトレードオフを生ず
る結果となり、これにより透過流束は増加しそしてそれ
に比例して塩分除去率は低下する。一般に、強力な水素
結合能を有する物質はこれを塗布液に添加するとこの性
質を産み出す結果となることが認められた。このことは
種々の所望の水透過性−選択透過性目標値を満足する組
成を調整する際のもう1つの特質となるものである。
表Iに示したSPの溶媒系は、実際に何ら害を及ぼすこ
となく多孔性ポリスルホンRO基質ポリマーを膨潤するこ
とが観察されたということを知ることは重要なことであ
り、そして本発明は理論によって限定されるものではな
いが、この性質の故に本発明の複合体RO膜における薄膜
と多孔性基質ポリマーとの所望のからみあいが達成され
ることが理論上想定される。更にはこの様に予期した現
象によりこれらの薄膜複合体のその顕著な接着性および
耐久性の理由の説明が演繹される。ぎ酸は本発明におい
て極めて効果的な溶媒であることが認められ、従って好
ましい溶媒である。この溶媒の力は良好な溶解度パラメ
ーター面だけでなくそのサイズが小さいことおよびイオ
ン化能の結果に起因するものであると考えられる。更に
又有利な点としては(1)害を及ぼすことなく多孔性ポ
リマー基質を膨潤する能力をこの溶媒が有しているこ
と、および(2)蒸発がかなり容易であること(沸点=
101℃)が挙げられる。
SP膜製造に使用する代表的な異方性ポリスルホン基質
に対するぎ酸の膨潤作用の実験結果を後記の表Aおよび
Bに開示した。これらの表には、SP膜作成に使用された
が、しかしそれ自体ぎ酸ほど効果的でない、2−メトキ
シエタノール(エチレングリコールモノメチルエーテ
ル)との比較を示した。表Aに見られる様に、ぎ酸はコ
ントロール(イソプロパノール/水)処理よりも50%も
多い基質−水透過流束を示したが、2−メトキシエタノ
ールはコントロールとほとんど同程度の水透過流束を示
しただけであった。又表Bはより顕著に両溶媒の相違を
示している。ここではポリスルホン膜基質を、SP膜作成
中に使用するのと同じ方法を使用して溶媒で被覆した。
これらのかなり疎水性のポリスルホン基質の試験は、ま
ず最初に28.2kg/cm2・gで簡単に再湿潤させ、そして次
いで15.7kg/cm2・gまで下げてこの圧力で水透過流束を
測定することにより行った。ぎ酸被覆例の場合にはコン
トロールよりも23%多い水透過流束であったが、2−メ
トキシエタノールの場合はコントロール透過流束の約半
分でしかなかった。
表 A 異なる溶媒中に浸漬し次いで最終的に水中で平衡化し
た場合のポリスルホン膜基質の水透過率 溶媒処理 相対透過率(3.86kg/cm2・g) 50/50イソプロパノール /水(コントロール) 100 ぎ 酸 150 2−メトキシエタノール 95.6 表 B 異なる溶媒で表面被覆し、55℃で3分間乾燥し、28.2kg
/cm2・gで水で再湿潤させた場合のポリスルホン膜基質
の水透過率 処 理 相対透過率(15.7kg/cm2・g) 無し(コントロール) 100 ぎ 酸 123 2−メトキシエタノール 47.2 上記した強力な水素結合能を有する液体の外にも、SP
膜の水透過性を増加させる能力に極めて秀でている、ア
ルカリ金属塩、有機酸および有機含窒素化合物等の種々
の化合物である。多くのこの様な化合物が効果的である
けれども、塩除去能にほとんど悪影響を与えることなく
SP膜の水透過性を最大とする能力を有していることから
塩化リチウムが好ましい。本発明はいかなる理論にも限
定されることはないが、サイズ比に関して大きな水和能
を有するリチウムイオンはRO複合体膜の薄膜の全体にわ
たって分布しているポリマースルホン酸の対イオンとし
ておよび(または)単に大きな塩(吸湿性の)残基とし
てのいずれにしても最大の水分含量と保持出来ることは
理論的に考えられることである。塗布液組成中に配合中
に配合する塩化リチウムの量は使用される個々のSPポリ
マーに依存するものであり、そしてこれは最終的には膜
透過性と除去性質との所望の組合わせによって決定され
るものである。
本発明で使用するSP用のいくつかの代表的な溶媒およ
び非溶媒の溶解度パラメーターデータを下記の表Iに示
す。
(注) (*)下記式から算出した推定パラメーター値ε=Σ
φδ1 (ここにφ=体積画分、δ1=成分の溶解度パラメータ
(2)である。) (1) Hansen,C.M.の「I & EC Product Researchand
Development」,第8巻、第1号(1969年3月)、第2
〜11頁。
(2) Bartou,A.F.の「Chemical Rwviews」,第75
巻、第6号(1975年)、第731〜751頁。
(3) ポリスルホン基質の侵蝕。
(4) Friedrich等のデータ(「Desalination」),3
6,1981、p.39〜62)。
(5) S=強、M=中、P=低。
SP溶液の多孔性ポリマー基質への付着は加工産業から
入手可能な種々の制御塗布法によって達成することが出
来るということが実証された。多孔性基質上に付着させ
るSPポリマーの量は、最大水透過性および良好な溶質除
去性を得るために薄膜強度および連続性にとって必要な
最少限のものでなくてはならない。好ましい値としては
多孔性基質の0.0929m2当りSPポリマーが20〜50mgである
が、実際にはこれは0.0929m2当り10〜100mgであっても
良い。この程度付着させた場合の推定薄膜厚さは約2150
〜5400Å(0.215〜0.540ミクロン)の程度である。
RO複合体作成のための多孔性基質の実験室規模での被
覆はSPのはけ塗りにより都合良く行うことが出来たが、
連続(移動ウエブ)被覆(試験規模生産)は例えば単式
又は複式回転ベット、ロッドあるいはスプレーコーター
の様なより高性能の機械工法で実施してみた。溶液付着
の後に、実質的に乾燥した薄膜複合体を生成するために
溶媒除去工程を行なわなくてはならない。この工程は、
生成した薄膜表面を横切って0〜120℃の温度で0〜91
4.4m/分の速度で、数秒ないし数分間(あるいは数時間
でさえある場合もあるが)通風することにより行なう。
溶媒除去工程は薄膜複合体RO膜の最終輸送特性の面で重
要な工程である。この除去工程は通風の時間、温度およ
び速度に従って調節されるものであって、これらの条件
の値が高ければ高い程より低い水透過性−より高い選択
透過性の膜が得られ、一方その値が低ければ低い程逆に
より高い水透過性−より低い選択透過性の膜が得られる
ことになる。RO膜用には、好ましい温度および時間の範
囲はそれぞれ40〜80℃および0.5〜10分間である。強制
通風速であることは必須ではないが、ある程度まで適用
温度および/または時間を低下出来るという点では有利
である。又強制通風をしながら又はこれをしないで例え
ば赤外線等の様の別の加熱方法も検討したところその様
な方法を使用することは出来るが、好ましい方法という
程望ましいものではないとわかったことを特記せねばな
らない。
薄膜の膨潤および/または水和作用により透過性を改
良する目的で、熱処理を行ないながら又はこれを行なう
ことなく有機溶媒と水性混合物とによる後処理工程を所
望により完成した複合体RO膜に施こすことも出来る。こ
れとは別にその後処理においては更に、多価金属塩の溶
液を使用したイオン架橋又は塩形成により、あるいは塩
基性窒素含有化合物によりその薄膜ポリマーの安定化又
は「目を詰まらせる」処理を行なっても良い。又、選択
透過性バリアーを再調整しそしてこうして更に膜輸送性
向に作用する目的で水性媒体中での熱処理を行なっても
良い。これらの後処理は普通は必要とされあるいは行な
われるべきものではなくて、特定の望ましい膜性能を達
成するための所望により行なう精製工程として行なえば
良いものであるということを理解しておかなくてはなら
ない。
多孔性基質の選択については、その基質の溶媒に対す
る耐性が要求されること以外はSPポリマーの場合と同じ
基準がほとんど適用出来る。従って、特に塩素の様な酸
化源による化学分解、広範なpH値に起因する損傷、最近
や酵素、加圧下の流れやからみつきならびにある種の有
機溶媒に対して高度な耐性を有するポリマーを利用する
ことが好ましい。どの様なポリマーを使うにしてもこれ
らの性質においてのトレードオフは存在するものである
から、注意深く考慮することだけが特定の多孔性基質ポ
リマーの最良の選択のために必要である。本発明におい
て有用な多孔性基質ポリマーの例(但しこれは限定的な
意味のものではない)としては、ポリアリールエーテル
スルホン、ポリアリールエーテルケトン、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンチオエーテル、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリベンズイミダゾール、ポ
リエステル、ポリふっ化ビニリデン、ポリクロロエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリルおよび最後の3種から成るコ
ポリマー、等が挙げられる。セラミックスや金属の様な
無機多孔性材料も又特殊な場合の基質として使用するこ
とが出来る。本発明の薄膜複合体膜や被覆UF膜用の好ま
しいポリマーはポリスルホンおよびポリアリールエーテ
ルスルホンである。これらの多孔性基質は0.001〜0.5ミ
クロン(1〜500nm)のサイズの表面孔を有していても
良い。但しROおよびUF用の場合にはその好ましい範囲は
0.001〜0.3ミクロン(1〜30nm)である。孔の好ましい
サイズは、選択透過性を低下させるおそれのある薄膜SP
溶液の侵入を防ぐのに充分な程に小さいことが理想であ
り、そして同時に水圧抵抗に対する損失をわずかなもの
とするために適当な大きさのものである。RO用の場合に
あまりに孔が大きすぎると更に別の問題として適用圧下
での複合体RO膜の薄膜ポリマーを支持することが出来な
くなりそのため選択透過性が失なわれていくということ
がある。
個々のSPおよび多孔性基質の組合わせおよびその結果
の複合体膜性能の間には重要な関係が存在するのが認め
られた。実質的にエーテルおよびスルホン結合のみを含
有する多孔性ポリマー支持体から作った膜は、更にアル
キル結合を含有して成る多孔性支持体から作ったものよ
りも首尾矛盾なく透過流束が低くかつ塩除去率が高い
(より目が詰まっている)。これが孔径の相異、表面エ
ネルギーの相異(従ってぬれ性の相異)、あるいは又芳
香族多孔性基質ポリマーの親水性のより高いエーテル−
スルホン型とその親水性のより低いアルキル−エーテル
−スルホン型との間のその他の現象によるものであるか
どうかは現時点ではわかっていない。しかしながら、適
当なSPと多孔性基質ポリマーとを組合わせて最良の薄膜
複合体膜および被覆UFおよびMFを作ることにより、本発
明において重要な経験則の関係が明らかとなり実用化さ
れたのである。
本発明で使用出来る上記の多孔性基質は、更に多孔性
ポリマー支持体シート(例えば平坦シート状RO又はUF膜
産業分野での可動ウエブとして通常に使用される担体布
の様なもの)を有しあるいは有さない平坦シート状、中
空繊維状あるいは管状のいずれでも良い。
本発明の薄膜複合体膜で作ったらせん巻き平坦シー
ト、普通の平坦シート、中空繊維又は管状モジュールは
逆浸透法、精密ろ過法および限外ろ過法による分離用に
有用である。これらの膜の用途分野としては、塩類、有
機化合物、ウィルス、細菌、コロイド物質、沈でん物等
の除去により水を精製すること、および酪農、醗酵、紙
およびパルプ、フルーツジュース、電気めっき、鉱業、
薬学、エレクトロニクス、塗装業ならびに化学工業の分
野に関する有用物質の回収又は濃縮の両方が含まれる。
そしてとりわけ塩素の様な酸化剤および/または両極性
端のpH値に対する高い耐性が要求される分離法に前記膜
を利用するのが特に有利である。
次に実施例を示して本発明を更に詳しく開示するが、
これらは決して本発明の範囲を限定する意図を有するも
のではない。
実施例1 75%のN,N′−ジメチルホルムアミドと7%のビス
(2−メトキシエチル)エーテル中のポリスルホン(Ud
el p3500,Union Carbide社製)の18重量%溶液を紙状の
多孔性シート上に流し次いで水浴中でゲル化して多孔性
基質を作った。次にこの多孔性基質を105℃で5分間乾
燥し、そしてぎ酸(90%溶液)中に0.14%の塩化リチウ
ムを含有するスルホン化ポリアリールエーテル(前記式
(I−5)、1:5スルホン化Victrex、ICI Americas社
製、IEC=1.29meq/gm.ナトリウム塩型)の0.25%(w/
v)溶液で均一にはけ塗りした。55℃で3分間強制送風
乾燥した後、この膜のサンプルを2000ppm、pH8の塩化ナ
トリウム供給液を14.1kg/cm2・g(NDP)で供給して逆
浸透性をテストした。1時間後の性能は6個のサンプル
の平均値として、684.5リットル/m2−日透過流束および
96.7%塩除去率であった。
実施例2 本例では95%アセトニトリル/5%水の混合溶媒中の添
加剤を加えていない0.6%のSP−含有溶液を使用するこ
と以外は実施例1と同様にして作成被覆して多孔性基質
を得た。実施例1と同様の乾燥処理をした後に、膜サン
プルを5000ppm、pH6の塩化ナトリウム供給液を24.1kg/c
m2・gNDPで1時間供給してテストしたところ、結果は63
1.5リットル/m2−日透過流束および88.9%塩除去率であ
った。
実施例3 0.25%のSPを使用しそして塗布液中の7%のアセトニ
トリルをぎ酸に代えた以外は実施例2と同様にしてRO膜
を作ったpH8、2000ppmの塩化ナトリウム供給液を1時間
26.5kg/cm2・gNDPで供給してテストしたところ、この膜
サンプルの平均(3個のサンプルの)性能は391.1リッ
トル/m2−日流動率および96.9%除去率であった。
実施例4 75%アセトン/25%水から成る塗布液を使用した以外
は実施例2と同様にして膜を作成してテストしたとこ
ろ、1時間後の平均(3個のサンプルの)性能は1006.4
リットル/m2−日透過流束および80.9%の塩除去率であ
った。
実施例5 80%2−メトキシエタノール/20%ぎ酸塗布液中に0.7
5%SPを使用した以外は実施例2と同様にして膜を作成
してテストしたところ、1時間後の平均(3個のサンプ
ルの)性能は1120.4リットル/m2−日透過流束および89.
4%塩除去率であった。
実施例6 94%2−メトキシエタノール/6%ホルムアミド塗布溶
媒系を使用した以外は実施例5と同様にして膜を作成し
てテストしたところ、1時間後にこの膜の性能(3個の
サンプルの平均)は5541リットル/m2−日透過流束およ
び38.0%塩除去率であった。
実施例7 塗布溶媒として100%ホルムアミドを使用した以外は
実施例1と同様にして膜を作成してテストした。1時間
後の平均性能(2個のサンプル)は5174.4リットル/m2
−日および12%塩除去率であった。
実施例8 ポリイミド(UpJohn 2080)の21重量%溶液を米国特許
第4,307,135号の記載に従って処方し、紙状の多孔性ポ
リマーシート上に流し、次いで水浴中でゲル化して多孔
性基質を作成した。この基質をメタノール中の20%グリ
セリン溶液中で8分間飽和させた後、これを実施例1と
同様にして被覆して乾燥した。pH8、2000ppmの塩化ナト
リウム供給液を26.5kg/cm2・gNDPで供給してテストした
ところ、1時間後に639.7リットル/m2−日透過流束およ
び99.5%塩除去率(2個サンプルの平均)であった。
実施例9 支持体としてVictrexポリエーテルスルホン(300P、I
CI Americas社製)を使用する以外は実施例1と同様に
して多孔性支持体を作った。これを実施例1と同様にし
て被覆してテストしたところ得られた膜の性能は264.8
リットル/m2−日透過流束および98.0%塩除去率(4個
サンプルの平均)であった。
実施例10 RadelRポリフェニルスルホン(A−400、Union Carbi
de社製)を使用する以外は実施例1と同様にして多孔性
支持体を作成した。これを実施例1と同様にして被覆し
てテストしたところ、得られた膜の性能は195.6リット
ル/m2−日および97.6%塩除去率(3個サンプルの平
均)であった。
実施例11 90%Udelポリスルホン/10%Victrexポリエーテルスル
ホン混合物を使用する以外は実施例1と同様にして多孔
性支持体を作成した。この基質を、そのテスト中に26.5
kg/cm2・gNDPの条件を使用した以外は実施例1と同様に
して被覆してテストした。1時間後の膜性能はは969.7
リットル/m2−日透過流束および98.0%塩除去率(4個
サンプルの平均)であった。
実施例12 前記式(I−1)の化合物(IEC=約1.0meq/gm、ナト
リウム塩型)を0.07%の塩化リチウムと組合わせて使用
した以外は実施例1と同様にして膜を作成した。実施例
1と同様にしてテストしたところ、膜性能は554.1リッ
トル/m2−日透過流束および96.6%塩除去率(3個サン
プルの平均)であった。
実施例13 実施例12と同様にして、但しここでは実施例9の多孔
性基質を使用して、膜を作成してテストした。膜性能は
244.5リットル/m2−日透過流束および97.9%塩除去率
(4個サンプルの平均)であった。
実施例14 前記式(I−2)のSP(IEC=0.86meq/gm、ナトリウ
ム塩型)を0.5%の濃度で使用した以外は実施例1と同
様にして膜を作成してテストした。膜性能は708.9リッ
トル/m2−日透過流束および90.8%塩除去率(3個サン
プルの平均)であった。
実施例15 塗布液を2倍に希釈しそして実施例9の多孔性基質を
使用した以外は実施例14と同様にして膜を作成してテス
トした。膜性能は794.5リットル/m2−日透過流束および
93.3%塩除去率(2個サンプルの平均)であった。
実施例16 添加剤を含有しない0.5%の前記式(I−4)のSP(I
EC=1.9meq/gm、ナトリウム塩型)の溶液を使用した以
外は実施例1と同様にして膜を作成した。膜性能は953
3.9リットル/m2−日透過流束および20%塩除去率(3個
サンプルの平均)であった。
実施例17 IECが1.29meq/gmでありそして使用した多孔性基質が
実施例9のものであったこと以外は実施例16と同様にし
て膜を形成してテストした。膜性能は330.0リットル/m2
−日透過流束および93.4%塩除去率(2個サンプルの平
均)であった。
実施例18 塗布液中に0.28%の塩化リチウムを含めたこと以外は
実施例17と同様にして膜を作りそしてテストした。膜性
能は2448.7リットル/m2−日透過流束および59.4%塩除
去率(2個サンプルの平均)であった。
実施例19 塗布液を2倍に希釈しそして実施例10で使用したのと
同じ多孔性基質を使用したこと以外は実施例17と同様に
して膜を作成してテストした。膜性能は309.6リットル/
m2−日透過流束および93.7%塩除去率(2個サンプルの
平均)であった。
実施例20 塗布液が前記式(II)のSP(PEEKR450P、ICI America
s社、IECは不明、添加物を含有しないナトリウム塩型)
を含有するものであったこと以外は実施例16と同様にし
て膜を作成してテストした。膜性能は623.4リットル/m2
−日透過流束および92.8%塩除去率(2個サンプルの平
均)であった。
実施例21 前記式(III−1)のSP(IECは不明、遊離酸型)を使
用した以外は実施例16と同様にして膜を作成してテスト
した。この場合の膜性能は696.7リットル/m2−日透過流
束および90.5%塩除去率(2個サンプルの平均)であっ
た。
実施例22 実施例1と同様にして作成した多孔性ポリスルホン基
質を、0.2%の塩化リチウムを含有する90:10のぎ酸/水
中のスルホン化ポリエーテルスルホン(IEC=1.36meq/g
m)の0.22重量%溶液をこれに噴霧することによって連
続機械処理で被覆した。13g/ft2の負荷により塗布した
この塗布液を、最初の35秒間は70℃で次いで2.5分間は8
0℃じ強制通風オーブン中で蒸発させて複合膜を作っ
た。この膜サンプルを14.1kg/cm2・gNDPで200ppmの塩化
ナトリウム供給液(pH8.2)を供給してテストしたとこ
ろ、24時間後の結果は607.1リットル/m2−日透過流束お
よび97.0%除去率であった。
実施例23 実施例1の作成法に基づいて連続機械作業により作っ
た2インチらせん巻膜素材(面積0.37m2)を使用して、
pH8.2で活性塩素を加えた場合と加えなかった場合とに
ついての逆浸透膜性能テストを実施した。14.1kg/cm2
gNDPにおいて、天然のpH8.2のSan Diegoタップ水(全溶
存固体量(TDS)600ppm)を使用しての平衡化テストを4
20時間行なった後に、性能は3055.7リットル/m2−日透
過流束および97.5%除去率(TDS)であった。この後
に、平均6ppmの遊離塩素を導入し、そして当初のテスト
条件を全て維持しながら550時間の間このレベルに保っ
た。透過流束および除去率性能は実質的に不変のままで
あり、301.5リットル/m2−日の流動率および98.1%の除
去率であった。これにより生の供給物対にする安定性だ
けでなく、普通に使われる水の消毒薬である塩素に対す
る優れた耐性が立証された。
実施例24 実施例23に記載のものと非常に類似している別の2イ
ンチらせん巻膜素材を、27.6kg/cm2・gNDPで、670ppmの
TDSを含有するpH8.3の生のSan Diegoタップ水供給物を
使ってRO−テストした。この供給物の平衡化性能は615.
2リットル/m2−日の透過流束および98.1%の除去率から
成るものであった。次いでこの膜素材を種々の水性侵食
性洗浄剤(その多くは実際のRO膜用に使われている)で
の処理に付した。下記の表2に種々の化学薬品の段階的
閉鎖ループ再循環の順序を示した。これらの全ての処理
(これらの多くはその他の市販の重要な膜、例えば酢酸
セルロース、ポリエーテル尿素およびポリアミドにはあ
まり苛酷すぎるものであるが)の結果、本例でテストし
た膜素材の場合には実質的に当初の性能と変わらず、61
5.2リットル/m2−日透過流束および98.0%除去率であっ
た。
限外ろ過での使用の場合に、工業的規模および実験室
用使用のための1つの非常に一般的な膜形態は中空繊維
である。中空繊維膜は普通はカートリッジ中に装入し、
その際繊維の開放端はその一方の端部が円筒状カートリ
ッジ壁に密着している接着栓に各端部を挿入した状態と
なっている。その膜バリヤー層すなわち「表皮層」は通
常中空繊維の内側すなわち「内腔部」上にある。被処理
供給物は普通中空繊維の一方の端部から入りそして濃縮
液が他方の端部に存在する。透過物すなわち膜を通過す
る液体はカートリッジ外殻の1個又はそれ以上の入口か
らカートリッジ中に入る。
スルホン化ポリアリールエーテルスルホンでの被覆限
外ろ過膜の効果を立証するために、カートリッジ型の工
業的規模のテストをした。被覆した繊維の型とては1,00
0〜100,000の分画分子量範囲を有しそして0.05〜0.15イ
ンチの繊維内径を有するポリスルホン限外ろ過生成物を
使用した。ポリマーの中でUdelRおよびRadelR(Clni-on
Carbide社)およびVictrex(ICI社)を基質繊維として
使用した。
中空繊維を被覆するために、装入した膜を有するカー
トリッジを垂直に固定しそして塗布液を繊維の内側だけ
に注入した。ポリマー溶液を短時間、普通約15秒間膜表
面に接触させておき、次いで排出させた。この中空繊維
をポリマー溶液で被覆してからカートリッジをキュアリ
ング装置の上に置き、ここで加熱乾燥空気を繊維の内腔
を通して送風した。繊維の外側にも又加熱空気を吹き付
けた。色々に変えることの出来るキュアリングパラメー
タは空気の温度、空気流速および乾燥時間である。繊維
内腔中の加熱空気の温度は30〜100℃の範囲で変えるこ
とが出来るが、48〜58℃が好ましい。空気流速は0.007
〜0.34m3/分の範囲で変えることが出来、これは空気の
温度と時間に依存するところが大である。
下記の具体例は市販の中空繊維膜上に被覆又は膜を形
成してUF、MF又は低圧RO膜を作る方法を開示するもので
ある。SPは上記した方法又は従来周知の方法によって作
成した。ポリスルホンのスルホン化の一般的な方法はCo
planの米国特許第4,413,106号(1983年11月1日)に記
載されている。
実施例25 IEC 1.29〜1.4meq/gmを有するスルホン化ポリスルホ
ンポリマーを使用して乾燥中空繊維支持体の内部表面に
逆浸透膜を形成した。これは支持体繊維の内側を、0.50
%の該スルホン化ポリマー、0.56%のLiClおよび99.36
%のぎ酸を含有する溶液に30秒間接触させることにより
行なった。次いで加熱乾燥空気を、50℃、0.005m2/分
の流速で10分間繊維の内腔を通過させた。この複合体膜
の性能は、5000ppmのNaCl供給物と16.9kg/cm2・gNDPで
テストした時に、611.1リットル/m2−日透過流束および
75%塩除去率であった。
実施例26 湿潤支持体を使用した以外は実施例25に記載の方法と
同様にして逆浸透膜を作成した。この複合体膜の性能は
同じテスト条件下において8148.6リットル/m2−日透過
流束および25%塩除去率であった。
実施例27 種々の孔径(分子量分離度「MWCO」)を有する限外ろ
過中空繊維膜基質を実施例25に記載のスルホン化ポリエ
ーテルスルホンで被覆して基質繊維よりも低いMWCOを有
する限外ろ過膜を作成した。得られたテストデータを下
記表3中に示した。
実施例28 支持体を部分的に湿潤させた以外は実施例25と同様に
して被覆膜を作成した。このポリマーを使用して逆浸透
膜被覆を形成した。実施例25と同じテスト条件下でのこ
の複合膜の性能は3259.4リットル/m2−日透過流束およ
び50%塩除去率であった。
実施例29 キュアリング時間を20分に増加したこと以外は実施例
25の記載と同様の方法を使用して逆浸透膜を作成した。
実施例25と同じテスト条件下でのこの複合膜の性能は36
6.7リットル/m2−日流動率および81%塩除去率であっ
た。
本発明において有用な、一般に市場において独占市販
されているポリアリールエーテルポリマーを数種類下記
式で示した。
上記の種類のポリアリールエーテルポリマーをスルホ
ン化して種々のUF膜基質の被覆のために使用した。
UdelポリスルホンUF膜基質への塗布ポリマーとしてVi
ctrex600Pを使用して数多くのテストを行ない、その個
々のテストからの性能データをまとめて下記表3に示し
た。
最初に使用した塗布液配合組成は下記の通りである。
スルホン化ポリアリールエーテルスルホン 0.50% 塩化リチウム 0.14% ぎ酸(90%) 99.36% 上記の表は被覆UF膜形成のためのスルホン化ポリアリ
ールエーテルスルホンでの被覆前後の基質ポリスルホン
UF中空繊維膜の透過流束と除去率を示すものである。こ
れらのデータはすべての場合において被覆繊維又は膜が
線状多糖類デキストラン5000分子の除去率により基質UF
ポリスルホン膜よりも低い分画分子量(より目の詰った
膜)を示していることを表わしている。被覆UF膜は未被
覆の又は基質ポリスルホンUF膜よりもデキストラン5000
分子の高い除去率データと示している。これらのデータ
は又本発明の重要な利点の1つを立証するものでもあ
る。例えば、もとの分画分子量50,000の膜は、相当する
未被覆の2,000MWのUF膜よりも低い分画分子量(除去率
%)および高い透過流束(水および溶液の両方の)を示
す変成膜に変えることが出来る(前記表3のデータ参
照)。第2に、又本発明の被覆UF膜はUdelポリマーから
作った基質ポリスルホンUF膜よりも高い親水性度を有す
ると考えられる。
UF膜の分画分子量をコントロールするのに使うことの
出来る別の方法としては、被覆のキュアリング法を変え
ることがある。下記の表4には被覆のキュアリング法を
単に変えるだけでいかにしてスルホン化ポリアリールエ
ーテルスルホンで被覆された同じ基質UFポリスルホン中
空繊維膜から異なる分画分子量範囲を有する一連の被覆
UF膜を作るかを示した。この技術の利点は特定の用途の
ために正確な膜除去特性を調節出来ることである。
上記した透過流束および分画分子量の改善の他にも本
発明の被覆膜は同等の分画分子量特性を有する未被覆UF
膜とは異なる作動をする。下記の表5のデータは2000の
分画分子量を有する標準ポリスルホン膜(Udel)が同等
の分画分子量を有する被覆UF膜に比べてどの程度低い透
過流束と溶質除去率を有するかを示している。下記の表
からもわかる様に、2000MW膜の除去率は両場合の分子の
大きさによって決定されるものと考えられるが、被覆膜
の除去率は膜表面と供給溶質と間の化学反応に依存する
ものであると考えられる。
スルホン化ポリスルホン被覆膜の使用テストにおい
て、かなり疎水性の高いポリスルホン又は同様な基質UF
膜はこれを被覆したことによる表面効果によりそのろ過
特性が著しく変化し得る。例えば、未被覆の市販品級の
ポリスルホンやポリアミドUF膜は、アルカリプロテアー
ゼや消泡剤を含有する醗酵肉汁によってかなり汚れてし
まった。しかしながら驚くべきことには、本発明の被覆
(Udel基質上にスルホン化Victrexポリマーを被覆)を
したUF膜は、同じアルカリプロテアーゼ含有醗酵肉汁で
処理した時にも、かなり高い透過流束を示し流動率の低
下はほとんどなかった。下記の表6にはレンネン濃縮に
おける本発明の被覆膜と標準的な工業品数の膜との性能
の比較を示す。
以上を要するに、スルホン化ポリアリールエーテルス
ルホン被覆をUF膜(基質)に施こすことにより、下記の
様な利点が得られるものである。
(a) 親水性の増強。未変性ポリスルホン(ならびに
同様な組成の)UF膜はかなり疎水性が高く、従って親油
性物質と接触した時により汚染されやすいが、超薄被覆
中の−SO3H基が膜表面の親水性を著しく高める。
(b) 表面荷電。−SO3H基は膜表面に強力な陰荷電
を与えて通常の膜汚染傾向を減少する。その理由は、た
いていのコロイド物質は陰性荷電しており、そのSO3
基がこれら物質と電気的に排除して膜表面を清浄に保つ
と考えられるからである。
(c) 化学反応性。−SO3H基は非常に反応性が高い
ので、膜表面を中性又はカチオン性によるような別の化
学基に容易に変えられることが出来る。
(d) 孔径コントロール。UF複合体膜の孔径分布は、
方法、被覆組成およびキュアリングサイクルの主要パラ
メーターあるいはUF膜基質の多孔度をコントロールする
ことにより非常に厳密に調節することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームス・ジョージ・ボロス アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02113、ボストン、ガーデン・コート・ ストリート 6 (56)参考文献 特開 昭61−200817(JP,A) 特開 昭61−115954(JP,A) 特開 昭62−95104(JP,A) 特公 昭55−43802(JP,B2) 「化学総説No.45 機能性薄膜」 第30−31頁、株式会社学会出版センタ ー、昭和59年11月25日初版、昭和62年12 月25日 2刷

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ぎ酸から成る溶媒系中のスルホン化ポリア
    リールエーテルの溶液を多孔性基質の少なくとも1方の
    表面に塗布し、乾燥して得られた多孔質基質上にスルホ
    ン化ポリアリールエーテルの被覆または被膜を有する改
    良された耐酸化性膜。
  2. 【請求項2】溶媒系が20〜100%のぎ酸と残部がある場
    合には、該溶媒系が水または水と微量のアルカリ金属塩
    から成るものである、特許請求の範囲第1項に記載の
    膜。
  3. 【請求項3】溶媒系が少なくとも20%のぎ酸と、残部と
    してのアルコール、アルキレンジオール又はトリオール
    およびアルキレングリコールアルキルエーテルから成る
    群から選択した溶媒とから成るものである、特許請求の
    範囲第1項に記載の膜。
  4. 【請求項4】多孔質基質上にスルホン化ポリアリールエ
    ーテルの被覆または被膜を形成する方法であって、
    (a)ぎ酸から成る溶媒系中のスルホン化ポリアリール
    エーテルの溶液を作り、(b)該スルホン化ポリアリー
    ルエーテルの溶液を多孔性気質の少なくとも1方の表面
    に均一に塗布し、そして(c)該溶液から該溶媒系を除
    去して多孔性基質に付着したスルホン化ポリアリールエ
    ーテルの被覆または被膜を形成することを特徴とする改
    良された耐酸化性膜の製造方法。
  5. 【請求項5】溶媒系がぎ酸および微量のリチウム塩から
    成ることを特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の改
    良された耐酸化性膜の製造方法。
JP63019712A 1987-02-04 1988-02-01 改良された耐酸化性膜およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2694341B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1086587A 1987-02-04 1987-02-04
US10,865 1987-02-04

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63248409A JPS63248409A (ja) 1988-10-14
JP2694341B2 true JP2694341B2 (ja) 1997-12-24

Family

ID=21747790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63019712A Expired - Fee Related JP2694341B2 (ja) 1987-02-04 1988-02-01 改良された耐酸化性膜およびその製造方法

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP0277834B1 (ja)
JP (1) JP2694341B2 (ja)
KR (1) KR960003152B1 (ja)
AT (1) ATE166002T1 (ja)
AU (1) AU610557B2 (ja)
CA (1) CA1332325C (ja)
DE (1) DE3856177T2 (ja)
IN (1) IN169384B (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2216134B (en) * 1988-03-29 1992-08-12 Paterson Candy Int Membranes and methods of preparation thereof
US4992485A (en) * 1988-10-11 1991-02-12 The Dow Chemical Company Microporous peek membranes and the preparation thereof
GB8901672D0 (en) * 1989-01-26 1989-03-15 Ici Plc Membranes
DE3904544A1 (de) * 1989-02-15 1990-08-16 Fraunhofer Ges Forschung Polymermembranen auf der basis von polyvinylidenfluorid, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung
JPH0634912B2 (ja) * 1989-03-10 1994-05-11 工業技術院長 選択性透過膜の製造方法
US4971695A (en) * 1989-10-31 1990-11-20 Union Carbide Industrial Gases Technology Corporation Sulfonated hexafluoro bis-a polysulfone membranes and process for fluid separations
US5356459A (en) * 1993-06-30 1994-10-18 Praxair Technology, Inc. Production and use of improved composite fluid separation membranes
US5364454A (en) * 1993-06-30 1994-11-15 Praxair Technology, Inc. Fluid separation composite membranes prepared from sulfonated aromatic polymers in lithium salt form
US5348569A (en) * 1993-06-30 1994-09-20 Praxair Technology, Inc. Modified poly(phenylene oxide) based membranes for enhanced fluid separation
CA2300934C (en) * 1997-08-29 2008-08-26 Foster-Miller, Inc. Composite solid polymer electrolyte membranes
US6248469B1 (en) 1997-08-29 2001-06-19 Foster-Miller, Inc. Composite solid polymer electrolyte membranes
US7550216B2 (en) 1999-03-03 2009-06-23 Foster-Miller, Inc. Composite solid polymer electrolyte membranes
GB0307606D0 (en) * 2003-04-02 2003-05-07 Victrex Mfg Ltd Ion-conducting polymeric materials
KR101305941B1 (ko) * 2010-11-05 2013-09-12 웅진케미칼 주식회사 해수담수용 고유량 정삼투막 및 그 제조방법
EP2701831B1 (en) * 2011-04-29 2015-10-07 Basf Se Composite membranes comprising a sulfonated polyarylether and their use in forward osmosis processes
GB2507378B (en) * 2012-07-16 2020-10-21 Xergy Ltd Compound membrane with active ingredient for elecrtochemical applications
US10625217B2 (en) 2012-10-04 2020-04-21 Toyobo Co., Ltd. Composite separation membrane
US20150314245A1 (en) * 2012-12-11 2015-11-05 Toyobo Co., Ltd. Composite separation membrane
JP6059062B2 (ja) * 2013-03-29 2017-01-11 日本碍子株式会社 金属含有膜の製造方法
JP6094922B1 (ja) 2015-10-13 2017-03-15 東洋紡株式会社 複合分離膜
US11872532B2 (en) * 2018-09-05 2024-01-16 Campbell Membrane Technologies, Inc. Ultrafiltration membranes for dairy protein separation
KR101979685B1 (ko) * 2018-11-06 2019-05-17 한양대학교 산학협력단 유기용매 나노여과용 박막 복합막 및 그 제조방법
CN116059841B (zh) * 2022-12-29 2024-03-29 南开大学 一种电渗析脱盐用非对称复合离子交换膜及其制备方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2252862B1 (ja) * 1973-12-04 1978-10-27 Rhone Poulenc Ind
FR2312278A2 (fr) * 1975-05-30 1976-12-24 Rhone Poulenc Ind Membranes
JPS6022836B2 (ja) * 1978-08-25 1985-06-04 株式会社東芝 酸化物圧電材料
US4413106A (en) * 1982-12-27 1983-11-01 Albany International Corp. Heterogeneous sulfonation process for difficultly sulfonatable poly(ether sulfone)
CA1263572A (en) * 1984-06-15 1989-12-05 Kenichi Ikeda Sulfonated polysulfone composite semipermeable membranes and process for producing the same
GB8428525D0 (en) * 1984-11-12 1984-12-19 Ici Plc Membranes
JPS61222503A (ja) * 1985-03-28 1986-10-03 Nitto Electric Ind Co Ltd 脱塩水の製造方法
GB8512764D0 (en) * 1985-05-21 1985-06-26 Ici Plc Gas separation
GB8513103D0 (en) * 1985-05-23 1985-06-26 Ici Plc Solution of polymeric material
GB8513114D0 (en) * 1985-05-23 1985-06-26 Ici Plc Membranes
GB8513113D0 (en) * 1985-05-23 1985-06-26 Ici Plc Polymer solutions
GB8605817D0 (en) * 1986-03-10 1986-04-16 Ici Plc Membrane
IT1190137B (it) * 1986-06-20 1988-02-10 Eniricerche Spa Fibra cava di poliestere ammide e procedimento per la sua preparazione

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「化学総説No.45 機能性薄膜」 第30−31頁、株式会社学会出版センター、昭和59年11月25日初版、昭和62年12月25日 2刷

Also Published As

Publication number Publication date
DE3856177T2 (de) 1999-02-04
DE3856177D1 (de) 1998-06-18
AU1127188A (en) 1988-08-11
CA1332325C (en) 1994-10-11
KR880010029A (ko) 1988-10-06
AU610557B2 (en) 1991-05-23
IN169384B (ja) 1991-10-05
KR960003152B1 (ko) 1996-03-05
EP0277834A2 (en) 1988-08-10
ATE166002T1 (de) 1998-05-15
EP0277834A3 (en) 1989-07-19
JPS63248409A (ja) 1988-10-14
EP0277834B1 (en) 1998-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2694341B2 (ja) 改良された耐酸化性膜およびその製造方法
US4990252A (en) Stable membranes from sulfonated polyarylethers
US5342521A (en) Reverse osmosis or nanofiltration membrane and its production process
US4250029A (en) Coated membranes
US4012324A (en) Crosslinked, interpolymer fixed-charge membranes
US4125462A (en) Coated membranes
US5009824A (en) Process for preparing an asymmetrical macroporous membrane polymer
US4960517A (en) Treatment of composite polyamide membranes via substitution with amine reactive reagents
EP0316525A2 (en) Polyamide reverse osmosis membranes
EP1080777A1 (en) Ultrafiltration membrane and method for producing the same, dope composition used for the same
JP4057217B2 (ja) 耐溶剤性微孔質ポリベンゾイミダゾール薄膜の製造方法
JPH08506052A (ja) ポリマー多孔質構造体およびその製造法
KR20050103992A (ko) 실란-폴리아미드 복합막 및 그 제조방법
KR100322235B1 (ko) 고 투과성 역삼투압 분리막의 제조방법
JP2713294B2 (ja) ポリスルホン系樹脂半透膜の製造方法
JPH0568292B2 (ja)
KR20190088225A (ko) 수처리 분리막 및 이의 제조방법
JPS61222503A (ja) 脱塩水の製造方法
US5221482A (en) Polyparabanic acid membrane for selective separation
JPH0559777B2 (ja)
JPS63182005A (ja) ポリイオンコンプレツクス分離膜
Uragami Functional separation membranes from chitin and chitosan derivatives
KR0123279B1 (ko) 염제거능이 우수한 복합반투막 및 그 제조방법
JPH0693989B2 (ja) 芳香族ポリスルホン複合半透膜及びその製造方法
JP2918687B2 (ja) ポリパラバン酸選択分離膜

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees