JPH0691163A - 溶存物質の酸化又は還元方法 - Google Patents

溶存物質の酸化又は還元方法

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JPH0691163A
JPH0691163A JP5005611A JP561193A JPH0691163A JP H0691163 A JPH0691163 A JP H0691163A JP 5005611 A JP5005611 A JP 5005611A JP 561193 A JP561193 A JP 561193A JP H0691163 A JPH0691163 A JP H0691163A
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高志 西
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Tetsuo Fukazawa
哲生 深沢
Haruo Fujimori
治男 藤森
Akira Sasahira
朗 笹平
Yoshihiro Ozawa
義弘 小沢
Kazumichi Suzuki
一道 鈴木
Hideo Yusa
英夫 遊佐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、光酸化又は光還元の効率を高
めることにある。 【構成】粒子状半導体光触媒を用い、前記光触媒を励起
するのに十分なエネルギーを有し、かつ目的とする酸化
又は還元反応の阻害物質を発生させる物質の吸収波長帯
域外の波長を有する電磁波を、溶存物質を含む溶液中に
照射する。 【効果】イオンあるいは錯体を単体に効率よく、変換し
たり、効率よく分離回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体光触媒を用いた溶
存物質の酸化又は還元方法に係り、特に金属イオンの酸
化又は還元による分離・回収、高分子物質の合成や分
解、あるいは水の分解による水素製造に好適な溶存物質
の酸化又は還元方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体光触媒の作用を応用して溶
液中の溶存物質、例えば金属イオンを還元する方法とし
ては、特開昭60−50172 号公報に記載された方法があ
る。この方法は、半導体物質の薄層を設けた触媒基板上
に金属めっきを形成することを目的としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶液中
の溶存物質の酸化又は還元を目的とした場合、酸化又は
還元反応は基板上のみに限られるため反応の収率が低い
という欠点がある。即ち、この方法においては、N型半
導体の場合、層の厚さ方向に電位勾配が生じ、正孔は溶
液側へ、励起電子はバルク内部へ移動しやすい。この結
果、バルク内部へ励起電子が蓄積し、電位勾配が徐々に
消失するため電子移動の推進力は拡散のみとなり、該電
子は半導体層の表面に移動し、かつ該表面に蓄積してい
る正孔と再結合してしまい、還元反応に寄与する電子の
量が著しく減少するため反応効率を悪くしている原因と
なっている。勿論、このとき、正孔も減少するので酸化
反応効率も悪くなる。尚、P型半導体の場合には電位勾
配がこの逆となるが、やはり、正孔と電子の再結合の確
率が高く、前記と同様に反応効率を悪くする。
【0004】一方、原子燃料における再処理溶液のよう
な共存するイオンが多数存在する系において、その中に
含まれている金属イオンの酸化又は還元に適用する場合
には、励起光の照射による反応阻害物質の生成、例えば
硝酸の分解による亜硝酸の生成により、還元効率が著し
く低下するという問題がある。
【0005】本発明の目的は、上記問題を解決すべく、
光酸化又は光還元の効率を飛躍的に高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、溶存物質を
含む溶液中に、半導体光触媒を加え、前記半導体光触媒
に電磁波を照射することにより前記溶存物質を酸化又は
還元する方法において、前記溶存物質を含む溶液は使用
済み核燃料に含まれる物質を溶存する硝酸溶液であり、
前記半導体光触媒として粒子状半導体光触媒を用い、前
記粒子状半導体光触媒と前記粒子状半導体光触媒に対す
る水溶性電子受容体又は水溶性電子供与体の存在下で、
前記粒子状半導体光触媒を励起するのに十分なエネルギ
ーを有する電磁波を前記硝酸溶液中の前記粒子状半導体
光触媒に照射することを特徴とする溶存物質の酸化又は
還元方法により達成される。
【0007】また、上記目的は、溶存物質を含む溶液中
に、半導体光触媒を加え、前記半導体光触媒に電磁波を
照射することにより前記溶存物質を酸化又は還元する方
法において、前記半導体光触媒として粒子状半導体光触
媒を用い、前記粒子状半導体光触媒と前記粒子状半導体
光触媒に対する水溶性電子受容体又は水溶性電子供与体
の存在下で、前記粒子状半導体光触媒を励起するのに十
分なエネルギーを有し、かつ目的とする酸化又は還元反
応の阻害物質を発生させる物質の吸収波長帯域外の波長
を有する電磁波を前記溶液中の前記粒子状半導体光触媒
に照射することを特徴とする溶存物質の酸化又は還元方
法により達成される。
【0008】尚、本発明において、粒子状半導体光触媒
を以下単に半導体光触媒と略称する。
【0009】
【作用】以下、半導体光触媒を用いて溶液中に存在する
種々の溶存物質、例えば金属イオン又は金属錯体の酸化
又は還元方法の基本原理について説明する。
【0010】まず、還元方法の例について説明する。例
えば、二酸化チタン(TiO2 )のような半導体物質に
禁制帯エネルギー以上のエネルギーを持つ光(可視光あ
るいは紫外光)を照射すると、価電子帯の電子は伝導帯
へ励起され、価電子帯には正孔が生じる。半導体が溶液
と接する系では、光照射により生じた正孔と励起電子は
溶液中へ拡散し、正孔は(1)式に従い酸化作用を呈す
る。一方、励起電子は(2)式に従い還元作用を呈する。
水溶性電子供与体をA,被還元イオンをM(以下におい
て、プラスイオンは物質をαとするα+ と表わす)とす
ると、次式の反応(1)及び(2)が生じる。
【0011】 A- +P+(正孔)→A …(1) M+ +e-(励起電子)→M …(2) このような半導体の性質を利用すれば溶液中の金属イオ
ンの還元反応を光により誘起することが可能になる。こ
の場合、上記半導体を微粒子化することにより反応効率
が向上する。従って、半導体をサブミクロン程度の微粒
子として溶液中に懸濁させ、光照射することにより、酸
化又は還元作用を促進させることができる。また、有機
物、例えばアルコール,アルデヒド,グリセリン等を電
子供与体として添加することにより、還元作用の効率を
向上させることができる。酸化又は還元の対象を貴金
属,重金属あるいは遷移金属のイオンとし、その原子価
数を零とすることにより当該金属を回収する場合、ある
いは還元反応により原子価を調整する場合には上記有機
物を添加すれば有機物が不可逆的に正孔による酸化分解
を受け、目的とする還元反応による生成物の再酸化を抑
えることができる。
【0012】一方、酸化反応の場合は次の通りである。
反応には電子受容体が用いられる。電子受容体が半導体
光触媒の励起電子による還元を受け目的とする酸化反応
による生成物の再還元を抑えることができる。
【0013】本発明において、粒子状半導体光触媒はそ
の表面に白金やRuO2 等の貴金属あるいは金属酸化物
を担持したものは酸化又は還元反応の光触媒としての活
性が高くなるので、一層効果的である。これは担持金属
が励起電子が還元反応にあづかる際のカソードとなり過
電圧を下げる働きがあることによる。
【0014】本発明に用いられる粒子状半導体光触媒
(以下、単に光触媒と称す。)としては特定の電磁波を
吸収して価電子帯の電子が励起され同時に正孔を生成す
るもの、即ち、光分極するものであり、例えばTiO2,
SrTiO3,CdS,CdSe,Si,SiC,Zn
O,GaP,WO3 などがある。粒径としては、0.2
〜1μm、特に、0.4〜0.6μm程度のものが好適で
ある。
【0015】又、電子供与体としては、望ましくは、不
可逆的に光触媒の光励起により生じる正孔によって酸化
され、電子を供給する作用を有するもので、例えば前述
のものの他に、蟻酸,酢酸などの有機酸あるいはアルミ
酸類などがある。
【0016】電子受容体としては望ましくは、不可逆的
に光触媒の光励起により生じる電子によって還元される
もの、即ち、電子を受けとる作用を有するもので、例え
ばAg+,Pd2+,Co(NH3)5 3+ などの供給源であっ
て、例えばAgCl,AgNO3,PdCl2,コバルト
のアミン錯体などがある。
【0017】本発明でいう溶存物質とは酸化又は還元電
位が使用する光触媒の伝導帯エネルギー準位と価電子帯
のエネルギー準位の間に位置するイオン又は錯体であ
り、例えば陰イオン,陽イオン,有機錯体及び無機錯体
などである。
【0018】本発明においては、光触媒に貴金属を担持
させることにより光触媒作用をより高めることができ
る。ここで貴金属としては例えば白金,パラジウム,二
酸化ルテニウムなどの貴金属あるいは貴金属化合物など
を用いることができる。
【0019】又、本発明でいう電磁波とは、光触媒の禁
制帯エネルギー以上のエネルギーを有し、光触媒を励起
する作用を有するもので、例えば可視光,紫外光,近赤
外光などがある。
【0020】本発明者等は、光触媒に照射する電磁波の
波長が溶存物質の酸化又は還元効率に影響することを実
験的に見出した。その要因は、次に述べる二つの項目で
あり、これらを効率向上に結びつけることによって、本
発明に至った。
【0021】まず、第一の要因について説明する。本発
明者等は硝酸溶液中のRu,Pd等の金属イオンを光触
媒を用いて光還元する実験を行った結果、光照射に伴っ
て生成する亜硝酸HNO2 、あるいは亜硝酸イオンNO
2 -が目的反応である金属イオンの還元反応を阻害してい
ることを見出した。一例として、1mmol/1のRuイオ
ンを含む3規定硝酸溶液に光触媒、及び電子供与体とし
てのエタノール20vol% を添加し、光照射した結果を
図2に示す。本結果から光照射に伴い、曲線17に示す
ように亜硝酸が溶液中に蓄積し、曲線16が示すように
Ruイオンの還元反応が進行しなくなることがわかる。
この原因を検討した結果、以下のような亜硝酸の阻害反
応が原因であることがわかった。
【0022】 M++HNO2+H+→M2++NO+H2O …(3) ここで、M 及びM2 は金属イオンを示し、例えばRu
2+,Pu3+,U4+,Np4+等である。(3)式の反応は
金属イオンの還元生成物を再酸化するという逆反応を意
味しており目的反応の効率が低下する原因となる。この
ような反応のスキームは図3のように書くことができ
る。
【0023】図3において、光触媒8に励起光4を照射
すると、(2)式に従い金属イオン20が励起電子によ
り還元されて金属イオン23になり、電子供与体18は
(1)式に従い酸化され、酸化生成物19になる。これが
基本反応であるが、酸化剤となりうる電子受容体21が
系内に存在すると、金属イオン23が酸化される逆反応
が生じる。例えば、硝酸中の亜硝酸が電子受容体21に
該当する。
【0024】亜硝酸による阻害の他の場合はRuイオン
を還元する場合に起こり、Ruイオンを難還元性のニト
ロシル錯体又はニトロ錯体に変化させることにある。
【0025】 2Ru3++3HNO2→2RuNO3++HNO3+H2O …(4) また、(3)式において生成するNOは(5)式の反応
により再度、亜硝酸を生成する。
【0026】 2NO+HNO3+H2O→3HNO2 …(5) 即ち、(1)式の逆反応は系内に亜硝酸が存在する限り
自触的に起こり続ける。従って、目的反応の効率を向上
させるためには、系内に亜硝酸が生成しないような条件
を提供する必要が生じた。そこで、光触媒を用いた金属
イオンの光還元に伴う亜硝酸の生成条件に関して種々研
究を行った結果、硝酸の光分解による亜硝酸の生成が原
因であることを見出した。
【0027】 NO3 -+hr→NO2 - +O …(6) この反応は図4に示す硝酸の吸収スペクトル24からわ
かるように、励起波長330nm以下で起こり、量子収
率約0.1 で亜硝酸が生成する。
【0028】以上の検討により、本発明では、光触媒を
用いる溶液中の種々金属イオンの光還元に関し、励起光
の波長としては、特に、使用する光触媒の励起波長をカ
バーし、かつ酸化性物質を副生するイオン又は溶存物質
の吸収波長成分を除いたものとすることにより、金属イ
オンなどのイオンあるいは他の溶存物質の光還元を極め
て効率良く行うことができる。具体的には、例えば硝酸
水溶液中の貴金属イオンの光還元回収の場合、二酸化チ
タンを光触媒とすれば励起光の波長は、光触媒の励起波
長400nm以下を満たし、かつ逆反応を誘起する波長
成分、即ち、亜硝酸の生成波長330nmを除く、それ
未満ないし400nmの範囲に制御することにより効率
良く還元回収できる。さらに、液温を亜硝酸の生成反応
を活性化しないような温度域、即ち、20℃以下、好ま
しくは10℃以下に制限することは効率の良い還元回収
を助ける。
【0029】次に第二の要因について説明する。半導体
光触媒による酸化又は還元反応は光により伝導帯に励起
された電子の作用による。伝導帯に励起される電子の数
は半導体光触媒が吸収した光の量に比例するため、酸化
又は還元反応を促進するためには、より多くの励起光を
吸収させる必要がある。一般には、価電子帯から伝導帯
への励起に基づく吸光断面積は一定であり、バルク状の
物質では物質固有の値を持つため、半導体光触媒による
吸光量は光触媒の種類により一定の値となる。しかし、
光触媒を微粒子状にすることにより、光触媒の吸光量は
増加し、酸化又は還元反応を促進することができる。微
粒子状物質に光を照射すると、光は散乱される。散乱に
ともない光の一部は粒子により吸収される。粒子の光散
乱に伴う吸光断面積は粒子の粒径に依存し、特に粒径が
光の波長に一致する領域では、共鳴散乱となり光散乱断
面積も吸光断面積も共鳴的に増大する。
【0030】図5は光音響分光法(PAS)により測定
した懸濁試料の吸光係数の粒径依存性を示す。PASの
励起光波長0.5μm(488nm)と同じ粒径0.5μ
m で吸光係数は最大となることがわかる。従って、光
触媒を励起光波長程度の粒子にすることにより、光触媒
の吸光量は飛躍的に増大し、酸化又は還元反応も促進さ
れる。
【0031】既に述べたように、光波長と粒径が実質的
に同一の場合には光吸収断面積も共鳴的に増大し、触媒
活性が著しく向上する。粒子によって散乱された光は、
また別の粒子を照射し、この過程が繰り返されることに
より、実質的な粒子への光照射量が増大し、その結果吸
光量も増大する効果がある。従って、粒径と光波長を同
程度とすることにより、光散乱を増大させ、吸光量を増
大させる二次的な効果も光触媒による酸化又は還元反応
の促進に寄与する。
【0032】本発明において、励起光の波長の調整は、
当該波長域に発振波長を有するレーザ光、例えば窒素ガ
スレーザ、あるいはXeFレーザ等エキシマレーザ、ま
たはYAGレーザ第3高調波を光源として用いるか、高
圧水銀ランプ,キセノンランプ、あるいは太陽光等の広
域スペクトル光を当該波長域以外の波長をカットするガ
ラスフィルターを透過させることなどにより行うことが
できる。
【0033】このように、本発明によれば電磁波、例え
ばレーザ光を用いて、効率よく溶液中の物質やイオンの
原子価を調整したり、あるいはイオンの形態で存在する
貴金属,重金属あるいは遷移金属を回収することが可能
となる。例えば原子燃料再処理設備においては、半導体
光触媒は、再処理溶液中に含まれる貴金属を還元する。
それによって、Ruのイオンなどは零価に還元され金属
として回収され、再処理溶液から除去されるので、以後
の再処理工程においてRuの揮発によるガラス固化体の
クラック発生及びRuの腐食作用による配管腐食等を防
ぐことが出来る。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図8により説
明する。
【0035】実施例1 先ず、本発明を再処理高中レベル放射性廃液、すなわち
各種の核分裂生成物イオンを含む硝酸水溶液から、貴金
属元素、例えばRu,Pd,Rhを光還元回収するのに
適用した実施例について図1及び図2により説明する。
図1に一実施例になる金属イオン又は金属錯体の還元装
置の構成を示す。光源1から出る励起光4はガラスフィ
ルター2を透過し反射鏡3により光路を曲げられ、反応
容器5内の処理溶液7に照射される。処理溶液7は光触
媒の微粒子8を含有しており、スターラー11により光
触媒は処理溶液7中に均一に分散している。反応容器5
は水ジャケット6及び温度制御装置10により最適温度
に制御されている。反応後の処理溶液は廃液系12を矢
印の方向へポンプ9を介して移送され、光触媒回収装置
14により使用済み触媒,回収金属、及び処理液を固液
分離し、回収光触媒はリサイクル系13を矢印の方向へ
移送され、廃液は配管15から次工程へ移送される。
【0036】次に本実施例の結果について述べる。処理
溶液(模擬廃液)として、Ru濃度0.1g/l の3N
硝酸溶液を用い、これに白金を表面に担持したTiO2
粉末と逆反応阻止のための水溶性電子供与体としてエタ
ノールを添加し、Xeランプで光照射した。ここで、R
uイオン還元反応の進行は吸光光度計により吸収スペク
トル(453nm)の変化から観察した。使用したXe
ランプの出力は2kWであるが、実際に処理溶液に入射
する光強度の実効値は約200mWであった。使用した
TiO2 の粒度分布は0.5±0.2μmであり、Xeラ
ンプ放射光の波長帯域に実質的に包含されている。
【0037】次に、光還元によるRuイオン濃度の経時
変化を図2に示す。図3の実線16はXeランプの放射
光をそのまま照射した場合、さらに破線28は反応阻害
物質である亜硝酸の生成を防止するため、紫外線カット
フィルターを用いて、330nm以下の光を除いたXe
ランプ放射光を照射した場合である。実験後、処理溶液
は0.22μm のミリポアフィルターでろ過し、固形物
の蛍光X線分析を行った結果、TiO2 粒子の中に金属
Ruが検出され、減少したRuイオンが還元析出したこ
とがわかった。Xeランプ放射光の照射のみでも、Ru
イオンの還元析出は可能であるが、330nm以下の光
をカットすることにより、還元効率が約20%向上し
た。さらに、光源としてTiO2 の励起波長(420n
m以下)を満たし、かつ亜硝酸の生成を誘起する波長帯
域と一致しない波長を持つ窒素レーザ(330nm),
XeF(フッ化キセノン)レーザ(351nm),YA
G(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ
第3高調波(355nm)を用い、TiO2 の粒径がこ
れらのレーザの波長と同一又はその近傍のものを光触媒
として用いることにより、還元効率を飛躍的に高めるこ
とが可能である。例えば、XeFレーザ使用時に、還元
効率が10倍以上向上することがわかった。光触媒につ
いては、白金を担持しないTiO2 は触媒活性が低い。
一方、白金の担持量がTiO2に対して0.1wt%あれ
ば十分な活性が得られる。又、添加する有機物の量がR
uイオン還元速度を左右する。本例では反応を効率的に
進行させるためには添加するエタノールは15vol% 以
上が好ましい。添加する有機物にメタノール,ホルムア
ルデヒド,ヒドラジンを用いても同様の効果が得られ
る。
【0038】次に、使用済原子燃料再処理設備における
Ruの還元回収に関する実施例を図6から図7により説
明する。
【0039】図6は使用済原子燃料再処理プロセスの概
略を示したものである。再処理プロセスではこの中から
有用なウランとプルトニウムを分離,回収して新たな原
子燃料を製造することを目的としている。現在の再処理
ではピューレックス法(Purex 法)という湿式処理法が
重荷採用されている。ピューレックス法は、先ず、剪断
工程29で使用済原子燃料を被覆管ごと数cmの長さに剪
断し、これを硝酸溶液で溶解する溶液工程30から始ま
る。溶解工程30では被覆管と揮発性の核分裂生成物
(希ガスとヨウ素)および挙動の複雑なルテニウム(R
u)の一部が硝酸溶液から除去される。溶解溶液中には
未溶解の核分裂生成物が微粒子状で残存しており、次工
程の前にこれを除去する必要がある。除去にはパルスフ
ィルターや遠心清澄機が用いられRu、テクネチウム
(Tc)が清澄工程31で除去される。共除染工程32
ではリン酸トリブチル(TBP)溶媒を用いた溶媒抽出
法によりウラン,プルトニウムと99%以上の核分裂生
成物とを分離する。この時、ウランとプルトニウムは有
機溶媒(リン酸トリブチル溶液)中に移行し、次工程
(分配工程36)でそれぞれ単離されて精製後貯蔵され
る。共除染工程32で除去された大部分の核分裂生成物
は濃縮工程33,貯蔵工程34を経て減容,冷却後ガラ
ス固化工程35により安定固定化され長期間保管され
る。共除染後の核分裂生成物を多量に含む硝酸溶液は高
レベル廃液(HLW)と呼ばれるが、高レベル廃棄の濃
縮、ガラス固化過程において特に問題となるのはRuの
挙動である。Ruは硝酸溶液中で0価から8価までの酸
化状態をとり得る。溶液中で最も安定な酸化状態は2価
又は3価であるが、溶液条件(温度,硝酸濃度,不純物
等)によっては0価(Ru金属),4価,6価,8価あ
るいはこれら以外の酸化状態もとり得る。濃縮工程33
やガラス固化工程35では高温かつ比較的硝酸濃度が高
いため、Ruは6価あるいは8価の状態になり易い。特
に、8価のRu、すなわち、RuO4 は揮発性強酸化剤
であり、濃縮装置などの機器材料を気液両相において腐
食し、機器の寿命を縮める主因となるが、現状では濃縮
装置やガラス固化装置Ruに対する対応策は殆んどとら
れていない。
【0040】本発明は高レベル廃液の濃縮工程33の前
にRuの回収工程41を設け、Ruが濃縮、ガラス固化
工程33,35へ侵入しないようにするものである。再
処理高レベル廃液からのRu回収に適用する場合、Ru
発生量は5kg/日=200g/hrを想定すると、本例
により得られた還元速度の値を用いれば、10Wの光出
力を持つ紫外レーザー使用時に、消費触媒量は1時間当
たり20gでよい。光触媒を回収し再使用することで、
理論的には永久に20gで済むことになるが実際には連
続使用により光触媒の劣化あるいは損失があるため若干
の過剰量が必要である。水溶性電子供与体としての有機
物は脱硝用にホルムアルデヒドを大量に添加するため、
新たに添加する必要はない。これは本発明を実施するに
極めて好都合である。
【0041】以上、本実施例によれば濃縮及びガラス固
化工程の前にRuを除去できるので、両工程におけるR
uの揮発,配管閉塞,材料腐食を防止することができ、
ガラス固化工程35において強度の十分高いガラス固化
体を作製できる。
【0042】Ru回収工程41では、具体的には図7に
示すような光還元装置を用いる。本装置は回転槽44,
モータ45,軸46,清澄液取出し系47,排水系4
8,フィルター洗浄系52から成る。これに、光源1,
光ファイバ50,プロセス溶液注入系51,光触媒回
収,再注入系49を設置する。HCHO注入系とCO2
ガス排気系は図中で省略した。先ず、回転槽44にRu
等貴金属イオンを含有するプロセス溶液を注入する。こ
れに光触媒を入れ、光ファイバ50から光を照射する。
光化学反応が終了するまでの間、回転槽44はゆっくり
回転し、溶液をかくはんする。反応終了後、回転槽を高
速回転し、処理溶液を清澄液取り出し系47から取り出
し、次の工程へ送る。フィルター面に付着した光触媒は
フィルター洗浄系52を用いて洗浄し、排水系48から
取り出す。この光触媒は光触媒回収、再注入系49によ
り回転槽44内に注入し、再利用する。以上の操作をく
り返して半連続運転を行う。光源1はレーザ光源が好ま
しく、発振波長が350nmで、しかも光出力が大きい
XeFレーザや355nmに発振波長をもつYAGレー
ザ第3高調波が最適である。この場合、粒径が0.35
μm 近傍のものを用いると最高活性が得られる。さら
に液温は温度制御系53により、20℃以下、好ましく
は10℃以下に制御する。
【0043】本実施例は分配工程36,溶媒再生工程3
7後の中レベル廃液からのRu回収にも適用可能であ
り、Ru回収工程42を設けることにより廃液処理工程
38におけるRuによる腐食等の問題を回避することが
できる。
【0044】また、高レベル廃液からのRh,Pd等の
他貴金属の回収についてもRuの場合と同様の操作で回
収が可能である。
【0045】本実施例において還元析出したRu,P
d,Rh等の貴金属及び使用済みの光触媒を回収するた
めに、好ましくは0.22μm 以下のポア径をもつフィ
ルターあるいは遠心分離機を用いる。上記操作で回収さ
れた貴金属と光触媒は塩酸等の酸により光触媒上に析出
沈着した貴金属を溶解除去し、光触媒は再び上記分離操
作を行って回収再利用する。これら貴金属類は半導体部
品、触媒等産業面で非常に有用を貴重な物質であり、R
uと共に回収して同位体分離するか、放射能の減衰を待
って再利用できる。また、これらの金属はPt同様に電
導性に優れているので光触媒上の電極の役目も果たすた
め、100%溶解除去せずに光触媒を再使用できる。
【0046】実施例2 本発明の次の実施例は使用済み原子燃料再処理メインプ
ロセスにおけるPuの分離,回収に適用した例である。
即ち、現在のPurex 法による再処理プロセスにおいてU
4+を用いてPu4+をPu3+に還元していたこれまでの工
程を、光触媒を用いることにより、Pu4+を直接Pu3+
に還元することが可能となる。
【0047】図6に示す再処理プロセスにおいて、非除
染工程32では核分裂生成物を水相側に、核燃料物質で
あるU及びPuを有機相側にそれぞれ移行し、分離する
ため、UはUO2 2+に、PuはPu4+ に原子価が調整さ
れる。共除染工程32を経て、分配工程36でUとPu
を分離する。ここではUを有機相へ、Puを水相へ移行
させるため、Puの原子価を有機相へ移行し易いPu4+
から水相へ移行し易いPu3+に還元する必要があるが、
本実施例は光触媒を用いることにより分配工程36中に
おいてPu4+を直接Pu3+に還元し、U/Pu分配を簡
便に、しかも効率良く行うものである。
【0048】この工程においても還元生成物であるPu
3+は亜硝酸により下記反応にて酸化される。
【0049】 Pu3++HNO2+2H+→Pu4++NO+H2O …(7) 従って、本発明により励起波長を330〜400nmに
制御することにより、(7)式の逆反応を阻止し、効率
良く光還元による原子価調整を行うことができる。
【0050】本実施例において、反応装置は図7に示し
た装置が好ましく、図1に示した装置でも使用できる。
光触媒としては白金等の貴金属を担持したTiO2 、ま
たはSiCが最適である。光源はレーザ光源が好まし
く、発振波長が350nmで、しかも光出力が大きいX
eFレーザや355nmに発振波長を有するYAGレー
ザの第3高調波が最適である。この場合、粒径が0.3
5μm 近傍の光触媒を用いると最高活性が得られる。
さらに液温は温度制御系53により、20℃以下、好ま
しくは10℃以下に制御すると効率が上がる。また、電
子供与体として、ホルムアルデヒト(HCHO),メタ
ノール,ヒドラジン等が使用可能である。
【0051】以上述べたように、本実施例によれば、光
触媒を用いた光化学反応により、Pu4+を直接Pu3+に
還元することができるので、従来法のような装置の腐
食,工程の複雑化の問題を解消可能であり、更に、高速
増殖炉燃料のように多量のPuを含む燃料の再処理にも
応用できる利点を持っている。
【0052】実施例3 本発明の次の実施例は前記実施例において直接還元を行
ったPuに対してウラニスイオン、すなわちU4+を還元
剤として用いる場合である。本実施例ではウラナスイオ
ンを製造するプロセスに本発明の方法を用いる。具体的
には図6に示す再処理フローにおいて分配工程36で精
製されたウラニルイオンUO2 2+ の一部をリサイクル
し、光還元プロセス43によるウラナスイオンに還元
し、これをPu4+の還元剤として使用する例である。本
例では再処理の主工程を変更することなく、例えば図
1,図7に示すような簡単な装置を設けることにより実
施できる利点を有する。
【0053】本例においてはウラナスイオンの亜硝酸に
よる下記の酸化反応、 U4++HNO2→UO2 2++2NO+2H+ …(8) が還元効率を低下させるため、励起波長330〜400
nmに制御した条件下で、光触媒と電子供与体を添加
し、光照射を行う。この際、図1及び図7に示す温度制
御装置により液温を20℃以下に制御すれば、更に効果
的に亜硝酸の生成を防止できる。用いる光触媒は白金等
の貴金属を担持したTiO2 及びSiCが最適である。
光源はレーザ光源が好ましい。特に発振波長が350n
mで、しかも光出力が大きいXeFレーザや355nm
に発振波長をもつYAGレーザ第3高調波が好適であ
る。この場合、光触媒として粒径が0.35μm 近傍の
光触媒を用いると、顕著な触媒活性が得られる。また、
電子供与体としてはエタノール,ホルムアルデヒド,ヒ
ドラジンが適する。なお、これらの未反応物が主工程へ
流入してもプロセス上問題はない。
【0054】本実施例では再処理の主工程を変更するこ
となく、図1及び図7に示すような簡単な装置を設ける
ことによってウラニルイオン(UO2 2+ )の一部をリサ
イクルし、Pu4+の還元剤となるウラナスイオン(U
4+)を製造することができる。 実施例4 次の実施例は再処理分配工程においてU,Pu及びNp
を効率良く分離する方法を示すものである。従来はNp
は核分裂収率がPuの約1/10程度であり、あまり重
要視されていなかったが、長半減期元素であり、放射能
レベルも高く、化学的毒性も強いため、U,Pu製品へ
の混入は極力避けねばならない。従って共除染工程で有
機相中に混入するNpに対して分配工程でNpをU,P
uから分離し、高レベル廃液として処理するか、または
Npだけを単離して消滅処理する等の対策が必要になっ
てきた。Npは硝酸溶液中では4価から6価の原子価を
とりうるが、このうち5価のNpだけが有機相すなわち
TBPに抽出されない。この性質を利用したのが図8に
示す本実施例である。
【0055】まず、U,Pu及びNpが共存する処理液
を光還元工程54で一定時間還元し、TBP抽出を行う
と、還元されたPu3+及びNpO2+は水相へ、また、還
元されたNp4+とU4+及び還元されなかったUO2 2+ は
有機相へ移行する。これが第1サイクルである。光還元
工程54において図1及び図7に示した装置を用い、光
触媒として白金等の貴金属を担持したTiO2 ,SiC
を、また電子供与体として、エタノール,ホルムアルデ
ヒド等を添加することによって行う。励起光波長は前記
実施例と同様に、330〜400nmに制限し、液温は
20℃以下、好ましくは10℃以下に制御することによ
り、亜硝酸の生成を抑える。次に、第2サイクルにおい
ては、水相へ移行したPu3+及びNpO2+のうち、Np
2+のみが光還元工程54においてNp4+に還元され、
TBP抽出される。これにより水相にはPu3+が移行
し、また、有機相にはNp4+が移行することにより、P
u及びNpの分離が終了する。前記第1サイクルで有機
相に移行したUO2 2+ 及びNp4+についてはNp4+をN
pO2+に酸化する必要があるが、当酸化反応は外的に酸
化剤、例えば亜硝酸塩を添加するかまたは系内に亜硝酸
を生成させ、この亜硝酸によって行うことができる。従
って、酸化工程55では、前者の場合、亜硝酸塩を添加
するかNOxガスを吹き込み、後者の場合、硝酸の光分
解による亜硝酸の生成反応を活性化するため、330n
m以下の光も照射し、液温を30℃以上に加温すること
により亜硝酸を生成させる。この際、光触媒の添加は不
要である。その後TBP抽出により水相へNpO2+が、
また、有機相へはUO2 2+ が移行し、U,Npの分離が
終了する。
【0056】使用する光触媒としては、白金等の貴金属
を担持してなるTiO2 ,SiCが最適である。光源と
しては特に、レーザ光源が好ましく、発振波長が350
nmで、しかも光出力が大きいXeFレーザが355n
mに発振波長をもつYAGレーザ第3高調波が最適であ
る。この場合、粒径が0.35μm 近傍の光触媒を用い
ると最高活性が得られる。また、光触媒としてWO3
用いた場合には、その粒径として0.45μm 、光源と
してYAGレーザや銅蒸気レーザでポンピングした色素
レーザが最適である。また電子供与体としてはエタノー
ル,ホルムアルデヒド,ヒドラジンが適する。
【0057】実施例5 本実施例はセリウムイオンの分離に適用した場合であ
る。この場合、光触媒の酸化作用を利用してCe3+をC
4+に酸化し、ヨウ素酸塩の沈殿として回収するもので
ある。この反応式は以下のようになる。
【0058】 Ce3++Ce4++4IO3 - →Ce3++Ce(IO3)4↓ …(9) まず、処理液にヨウ素酸塩水溶液を含有するセリウムイ
オンの5倍量添加し、TiO2 あるいはWO3 を2g/
l程度の濃度になるように加える。電子受容体として銀
イオンあるいはパラジウムイオンを加え光を照射する。
用いる光触媒がTiO2 の場合、光源は発振波長が35
0nmで、しかも光出力が大きいXeFレーザや355
nmに発振波長を有するYAGレーザ第3高調波が最適
である。この場合、粒径が0.35μm 近傍の光触媒を
用いると最高活性が得られる。また光触媒としてWO3
を用いた場合には、その粒径として0.45μm 、光源
としてYAGレーザや銅蒸気レーザでポンピングした色
素レーザが最適である。
【0059】本実施例は高レベル廃液中のように、複数
の共存イオンの中からセリウムイオンを選択的に除去す
るのに有効である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果がある。
【0061】(1)イオンあるいは錯体を、単体に効率
よく変換したり、あるいは価数の異なる原子価を有する
イオンあるいは化学物に効率よく変換することができ
る。
【0062】(2)また、その作用,効果を利用して単
体,イオンあるいは錯体や他の化合物を効率よく分離回
収したり、分離除去のために利用することもできる。
【0063】(3)使用済み核燃料に含まれる貴金属,
遷移金属などの溶存物質を酸化又は還元し、分離するこ
とができるので、配管閉塞,材料腐食等を防止できる、
あるいは、工程の簡単な使用済原子燃料再処理設備を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光還元装置の構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施例によるRuイオン濃度及び亜
硝酸濃度の変化を示す図である。
【図3】反応スキームを示す図である。
【図4】本発明の励起光の波長範囲を示す図である。
【図5】懸濁試料の吸収係数の粒径依存性を示す図であ
る。
【図6】本発明の光化学プロセスを有する使用済原子燃
料再処理のフロー図である。
【図7】本発明の一実施例の光還元装置の構成図であ
る。
【図8】本発明の一実施例のU,Pu,Np相互分離方
法のフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/72 101 9045−4D G21F 9/06 E 9216−2G (72)発明者 藤森 治男 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 笹平 朗 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 小沢 義弘 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 鈴木 一道 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 遊佐 英夫 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 吉田 富雄 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶存物質を含む溶液中に、半導体光触媒を
    加え、前記半導体光触媒に電磁波を照射することにより
    前記溶存物質を酸化又は還元する方法において、 前記溶存物質を含む溶液は使用済み核燃料に含まれる物
    質を溶存する硝酸溶液であり、前記半導体光触媒として
    粒子状半導体光触媒を用い、前記粒子状半導体光触媒と
    前記粒子状半導体光触媒に対する水溶性電子受容体又は
    水溶性電子供与体の存在下で、前記粒子状半導体光触媒
    を励起するのに十分なエネルギーを有する電磁波を前記
    硝酸溶液中の前記粒子状半導体光触媒に照射することを
    特徴とする溶存物質の酸化又は還元方法。
  2. 【請求項2】前記粒子状半導体光触媒は表面に白金族元
    素を担持していることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の溶存物質の酸化又は還元方法。
  3. 【請求項3】前記溶存物質が貴金属,重金属,遷移金
    属,アクチノイド元素から選ばれるものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第2項記載の溶存物質の酸化又
    は還元方法。
  4. 【請求項4】溶存物質を含む溶液中に、半導体光触媒を
    加え、前記半導体光触媒に電磁波を照射することにより
    前記溶存物質を酸化又は還元する方法において、 前記半導体光触媒として粒子状半導体光触媒を用い、前
    記粒子状半導体光触媒と前記粒子状半導体光触媒に対す
    る水溶性電子受容体又は水溶性電子供与体の存在下で、
    前記粒子状半導体光触媒を励起するのに十分なエネルギ
    ーを有し、かつ目的とする酸化又は還元反応の阻害物質
    を発生させる物質の吸収波長帯域外の波長を有する電磁
    波を前記溶液中の前記粒子状半導体光触媒に照射するこ
    とを特徴とする溶存物質の酸化又は還元方法。
  5. 【請求項5】前記粒子状半導体光触媒は表面に白金族元
    素を担持していることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項記載の溶存物質の酸化又は還元方法。
  6. 【請求項6】前記溶存物質が貴金属,重金属,遷移金
    属,アクチノイド元素から選ばれるものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第5項記載の溶存物質の酸化又
    は還元方法。
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