JPH09311196A - 光化学再処理方法 - Google Patents

光化学再処理方法

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JPH09311196A
JPH09311196A JP12960596A JP12960596A JPH09311196A JP H09311196 A JPH09311196 A JP H09311196A JP 12960596 A JP12960596 A JP 12960596A JP 12960596 A JP12960596 A JP 12960596A JP H09311196 A JPH09311196 A JP H09311196A
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light
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JP12960596A
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Kusuo Ashibe
楠夫 芦部
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光化学法によるアクチノイド(An)イオンの
原子価(酸化状態)調整をFPイオン等のスペクトル的
な妨害なしに効率的に行うことができる方法を提供す
る。 【解決手段】使用済み核燃料を溶解したU,Pu,N
p,Amのアクチノイド(An)成分と各種の核分裂生
成物(FP)を含む使用済み燃料溶液1を特定FP成分
工程19でRu,Rh,Pd20を除去したのち、光化学原
子価調整工程13でエタノール14,過酸化水素22を加える
とともに光21〜26を照射してAn成分の原子価を調整す
る。つぎに溶媒抽出工程16で溶媒抽出してU,Pu,N
p,Amを含む有機相27とFPを含む水相28に分相す
る。溶媒抽出工程16では抽出剤6に30%TBP/ドデカ
ンを使用する。このようにして原子価調整を行う前に特
定の妨害成分を除去することにより光反応の励起光が所
定のAn成分に有効に吸収され、酸化還元反応が効率的
に進行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用済み核燃料の光
化学再処理方法に係り、特にピュレックス法溶媒抽出プ
ロセスにおけるウラン,プルトニウム,ネプツニウム等
の原子価調整を光化学的に行う光化学再処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】使用済み核燃料の再処理には、有機溶媒
のリン酸トリブチル(TBP)を抽出剤とする溶媒抽出
法、すなわちピュレックス法が広く用いられている。こ
の方法は、使用済み核燃料を溶解した硝酸水溶液をTB
Pと接触させたとき、図3に示すように各成分元素の分
配係数(有機相の平衡成分濃度/水相(Kd)の平衡成
分濃度)が元素種とその原子価状態および硝酸濃度
[N]によって異なることを利用して、核分裂生成物
(FP)を除去しウラン(U)とプルトニウム(Pu)
を分離するものである。
【0003】図3はTBP−硝酸系における分配係数を
示したものである。図4は従来のピュレックス法による
再処理方法を説明するためのブロック図であり、以下こ
の図4に従って概要を説明する。
【0004】U(VI),Pu(III) ,Pu(IV),Pu(V
I),MAs,FPsを含んだ使用済み核燃料溶解液(硝
酸溶液)1は、原子炉照射後の燃料棒の被覆管を剪断し
たのち、13N程度の沸騰硝酸で燃料心材のみが溶解浸出
され、さらに硝酸濃度を2〜3Nに調整される。この硝
酸濃度は、U,Puの抽出とFP中で除去が難しいジル
コニウム(Zr)とルテニウム(Ru)の除去の両方に
好ましい条件から選ばれる。
【0005】この使用済み核燃料溶解液1中でUは6価
のウラニルイオン(U2 2+)として存在する。ウラニル
イオンは非常に安定であり、Uはピュレックス工程全体
に渡ってこの原子価状態(VI)を保つ。Puは3,4,
6価が混在する。マイナー・アクチノイド(MA)の
内、ネプツニウム(Np)は4,5,6価が混在し、ア
メリシウム(Am)とキュリウム(Cm)は3価で存在
する。
【0006】この使用済み核燃料溶解液1はつぎの原子
価調整工程2で酸化還元剤3が添加され、Pu原子価が
抽出に最も好ましい4価に調整される。これは酸化還元
剤3として亜硝酸ナトリウムまたは窒素酸化物(N
x )ガスを添加し、それにより生成する亜硝酸イオン
(NO2 - )によるつぎの反応で行われる。 Pu3++NO2 - +2H+ →Pu4++NO↑+H2 O PuO2 2++NO2 - +2H+ →Pu4++NO3 - +H
2
【0007】Uは抽出に最も好ましい6価で存在するの
で調整する必要はない。従来の方法ではMAの原子価は
特に調整されない。ここまでをつぎの抽出工程の前処理
工程という。
【0008】上記原子価調整工程2で調整された調整後
の硝酸溶液4にはU(VI),Pu(IV),MAs,FPsを
含んでいる。この調整後の硝酸溶液4はつぎのU・Pu
抽出(共除染)工程5で水に溶けない有機溶媒のTBP
(30%)/ドデカン(70%)から成る抽出剤6と接触混
合され、分配係数の大きいU(VI)とPu(IV)が抽出
されU,Puを含む有機相7と、MAs,FPsを含む
水相8に分配される。つまり、分配係数の小さいFP成
分は殆ど水相8に残り、高レベル廃液として除去され
る。
【0009】ただし、Zr,Ruなど分離除染が難しい
いくつかの成分は、更にその後の工程で繰り返し除染さ
れる。マイナー・アクチノイドの内、Npは一部Np
(IV),Np(VI)として有機相7に抽出されるが、か
なりの部分がNp(V)として水相8に残る。また、3
価のAmとCmは殆ど全て水相8に残る。
【0010】さて、つぎのPu逆抽出(U/Pu分離)
工程9ではU(VI),Pu(IV)を含む有機相7はPuを還
元する還元剤と、NO2 - を分解する分解剤を含む硝酸
水溶液の還元剤,分解剤を添加した 0.2N硝酸10と接触
する。これによってPuのみが4価から3価へ還元さ
れ、U(VI)を含む有機相11への分配係数の小さいPu(I
II) がPuを含む水相12へ逆抽出されてU(VI)とPu(I
II) が分離する。
【0011】NO2 - の分解剤は、NO2 - によるPu
(III) からPu(IV)への再酸化を防ぐために添加され
る。分離されたUとPuは図示してないが、それぞれU
精製工程とPu精製工程で更に精製され最終製品とな
る。これらの工程でも抽出,洗浄,逆抽出の操作が行わ
れ、それに伴って酸化剤および還元剤によるPuの原子
価調整が行われる。
【0012】このように原子価調整はピュレックス法に
不可欠の操作であるが、従来の方法では、亜硝酸ナトリ
ウム,窒素酸化物(NOx)ガス,硝酸ウラナス,硝酸
ヒドロキシルアミン,ヒドラジンなどの酸化剤,還元
剤,分解剤を再処理溶液に添加することにより行われる
ため、廃棄物発生量の増加や処理量の増加などの課題が
ある。
【0013】また、薬剤による原子価調整では目的成分
のみのきめ細かな調整が困難なため、従来の方法ではマ
イナー・アクチノイドのNp,Am,Cmの原子価調整
は行われず、その多くが高レベル廃液(HLLW)中に
流出してしまい、HLLWの処理処分を非常に困難にし
ている。また、Npの一部はU,Puと共に回収される
が分離は行われずU等に混入したままになる。
【0014】このような課題を解決するための方法の一
つとして、光化学的酸化還元反応を利用することが考え
られている(例えば、大野新一、他:日本原子力学会
誌,vol.28(1986)pp933-937 、または、T.Gangwer:BNL-
50715(1977) など)。
【0015】この方法によれば、酸化還元剤を添加せず
光の照射だけで原子価を調整できるものもあり、また酸
化還元剤を必要とする場合でも溶液への残留が少なくま
た廃棄物増加の問題が少ない薬剤を使える。
【0016】また、光の吸収スペクトルは特定成分の特
定原子価状態に固有であるから、レーザー等の単色光を
使用し、照射波長を適切に選ぶことにより、特定成分の
特定原子価状態のみを選択的に原子価調整することも可
能になる。
【0017】アクチノイド(An)の光化学は古くから
研究されており、Uを始めとして、Pu,Npに関する
研究もある。再処理に関連する主な酸化還元反応はU(I
V)⇔U(VI),Pu(III) ⇔Pu(IV),Pu(IV)⇔Pu(V
I),Np(IV)⇔Np(V) ,Np(V) ⇔Np(VI)などであ
るが、これらはいずれも光化学的に可能であることが報
告されている。Am,Cmの光化学については報告がな
い。
【0018】しかし、これらの元素はランタノイドと非
常に良く似た化学的性質を示し、原子価も3価のほか4
価が安定であり、かつ、ランタノイドで例えばCe(II
I) →Ce(IV)の光化学反応が知られているので、Am
(III) →Am(IV),Cm(III)→Cm(IV)の光化学反応
は十分に想定できる。
【0019】以上のように光化学原子価調整は従来の化
学的原子価調整に代わる有望な方法と考えられる。図5
のこのような観点から提案された光化学再処理の従来例
(T.Gangwer:BNL-50715(1977) )の構成の一部を示すブ
ロック図であり、ピュレックス法の前処理工程の原子価
調整に光化学原子価調整を適用するものである。
【0020】即ち、図5に示したように硝酸濃度を調整
した後のU(VI),Pu(VI),Np(V) ,FPsを含む使
用済み核燃料溶解液(硝酸溶液)1は、光化学原子価調
整工程13においてまずエタノール(C2 5 OH)14が
添加され、ついで2種の波長の光15が照射される。
【0021】この光15における第1の光はその波長λを
Pu(VI)の吸収波長λPu(VI)に同調した光であり、第2
の光はその波長λをNp(V) の吸収波長λNp(V) に同調
した光である。
【0022】この2種の波長の光15の照射により溶液中
のPu(VI),Np(V) は各々第1および第2の光を吸収
し、励起状態Pu(VI)* 、Np(V) * となる。これらの
励起状態に対して添加したエタノール14は還元剤として
作用し、各々Pu(IV),Np(IV)に還元する。エタノー
ル14の還元作用は穏やかであるため、励起されていない
成分には作用せず、従って選択的な原子価調整が可能で
ある。
【0023】こうしてPu,Npが有機相への分配係数
の大きいPu(IV),Np(IV)に調整され、その後は図4
に示したピュレックス法のU・Pu抽出(共除染)工程
5に相当する溶媒抽出工程16で抽出剤6と接触させて溶
媒抽出し、U(VI):Pu(IV):Np(IV)を含む有機相17
とFPを含む水相18とに分配される。抽出剤6にはケロ
シンで希釈したTBPが用いられているが、ケロシンは
基本的にはドデカンと同様であり、最近はドデカンが使
われる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再処理
溶液中には多種のアクチノイドおよびFP成分が存在
し、これらの多くが光吸収を示す。表1は始めの再処理
溶液中の典型的な成分組成を示している。なお、表1中
元素のモル比はウラン(U)を1としている。
【0025】
【表1】
【0026】再処理溶液において特定成分に光化学反応
を適用しようとする場合、他成分の吸収により目的成分
への光吸収が妨害されたり、場合によっては目的外の光
化学反応を引き起こして種々の悪影響を与える等の課題
がある。
【0027】実際、光化学反応に通常最も有効な可視光
の青色端から紫外光領域にかけては多くの成分が強くて
幅の広い吸収帯を有し、特定成分の選択的な光吸収は難
しい。特に、硝酸水溶液中では、高濃度に存在する硝酸
イオン(NO3 - )が 350nm以下の波長域に幅広い吸収
を示すので、この領域を使用することは硝酸イオンの光
化学を利用する場合を除き不可能に近い。
【0028】TBPは 250nmより長波長側では目立った
吸収を示さないが、紫外光照射はTBPの劣化を引き起
こすので、有機相での光化学は特に短波長領域では好ま
しくない。TBP中には次のような反応により硝酸イオ
ンも抽出されるのでTBPでも 350nm以下の波長域で硝
酸イオンの吸収が課題になる。 Mn++nNO3 - +mTBP→M(NO3 n ・mTB
P HNO3 +TBP→HNO3 ・TBP
【0029】したがって、ピュレックス再処理溶液にお
いては溶質成分を直接励起して光化学反応を行わせるた
めに約 350nmの波長の光を使用することはできない。ま
た、350nm以上の波長においても、ウランを主成分とし
て含む溶液では、約 415nmにピークを持つUO2 2+の吸
収帯が約 380nmから約 480nmの範囲にあり、微量成分で
あるPuやNpの光吸収に対する強い妨害となる。
【0030】更に、FPを除去する前の調整工程2の溶
液中では、FP成分の吸収帯からの妨害を考慮しなけれ
ばならない。特に、白金族元素のRu,Rh,Pdは酸
性水溶液中で多くの原子価状態が存在し、それのイオン
や錯イオンが複雑に混合した状態で可視光のほとんど全
領域に渡る強い吸収を示す。したがって、そのままでは
PuやNpなどの光吸収を妨害し、これらの成分の光化
学的原子価調整を不可能にしてしまうという課題があ
る。
【0031】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、上述したような妨害を避けてPu,Np,
Amの選択的な光化学的原子価調整を行える手段を提供
し、更に、利用する光の波長が可視光の比較的長波長側
に属する(すなわち、励起光の光子エネルギーが低い)
場合であっても光化学反応の効率を高めることができる
方法を提供することによって、薬剤添加による廃棄物増
加を低減でき、また、マイナー・アクチノイドのNp,
Amを回収できる光化学再処理方法を提供することを目
的とする。
【0032】もう一つのマイナーアクチノイドのCmに
ついては可視領域におけるCm(III) の光吸収がUO2
2+の吸収波長領域にあるためウラン共存下でのCmの原
子価調整を光化学的に行うことはできず、本発明の対象
とならない。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する光化
学再処理方法は、使用済み核燃料の溶解液中からまず少
なくとも一つの特定FP成分を除去し、ついでこの水溶
液に光を照射してU,Pu,Np,Amの少なくとも一
つのAn成分の原子価を調整し、さらにこの水溶液を有
機溶媒と接触させて各成分を水相と有機相へ分配させ、
前記An成分の少なくとも一成分を有機相に抽出する。
【0034】これらの手段は次のように作用する。すな
わち、特定FP成分の除去はつぎに照射する波長λの光
のその成分への吸収を減らす。この波長λは原子価調整
の目的成分のAnの特定原子価イオンAnn+が吸収を示
す波長に設定されているので、前記特定FP成分の除去
は目的成分の特定原子価イオンへの選択的な光吸収を増
加させる。
【0035】光を吸収して励起されたイオン(Ann+
* は、溶液中の何らかの溶質(電子の受容体または供与
体)と電子授受反応を起こし、酸化または還元されて所
望の原子価に調整される。すなわち、つぎのような光化
学反応が誘起され、原子価nが原子価mに変化する。 Ann++hν→(Ann+* (Ann+* +R→Anm++P
【0036】ただし、hνはエネルギーE=hνの光
子、Rは溶液中の何らかの成分で電子の供与体(還元
剤)または受容体(酸化剤)、Pはこの反応の生成物で
ある(hはプランク定数、ν=c/λは光の振動数、c
は光速度)。
【0037】なお、必要ならば外部から酸化剤または還
元剤を溶液に添加して酸化還元反応の効率を高めること
もできる。励起イオン(Ann+* は基底イオンAnn+
に比べて活性なので、加える酸化剤または還元剤は他の
成分には使用しない程度の穏やかなものが使用でき、選
択的な原子価調整が可能である。
【0038】また、必要に応じ複数の成分の複数の原子
価状態の吸収波長に合わせて複数の波長の光を順次また
は同時に照射し、複数の成分の複数の原子価状態の原子
価を調整することもできる。
【0039】以上のような作業により、目的成分の原子
価が有機相への分配係数の大きな原子価状態に調整さ
れ、つぎの有機溶媒との接触において有機相に効率的に
抽出される。
【0040】請求項2に対応する光化学再処理方法は、
請求項1の発明を、特に、使用済燃料溶解液に硝酸水溶
液を用い、抽出用の有機溶媒にリン酸トリブチル(TB
P)を用いるピュレックス再処理プロセスに適用するも
のであり、かつ、その共除染工程とその前処理としての
原子価調整に適用するものである。
【0041】請求項3に対応する光化学再処理方法は、
請求項1に記載した始めに除去するEP成分として、ル
テニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(P
d)の内の一成分以上を含むものであり、これらの成分
を除去することは、つぎの光照射においてこれらの成分
による光吸収を減少させる。
【0042】請求項4に対応する光化学再処理方法は、
予め別に調整した難溶性の金属硫化物の沈殿,粉末,ま
たは微粒子を被処理溶液に添加し、溶液と十分混合させ
たのち沈殿させる。Ru,Rh,Pdは添加した捕集剤
に捕集されるので、沈殿した捕集剤を分離することによ
り、溶液中のRu,Rh,Pdが除去される。
【0043】請求項5に対応する光化学再処理方法は、
被処理溶液を電気分解するものである。これにより溶液
中のRu,Rh,Pdイオンは還元されて金属として陰
極上に析出し、溶液中のRu,Rh,Pdが除去され
る。
【0044】請求項6に対応する光化学再処理方法は、
被処理溶液中のRuイオンを酸化して可溶性のRuO4
に転換し、ついで被処理溶液を電気分解するものであ
る。これによりRuO4 は還元されて難溶性のRuO2
として陰極上に析出し、溶液中のRuが除去される。な
お、RuO4 はRuの最高原子価状態(8価)であり、
溶液中のRuイオンを完全に酸化すれば全てRuO4
転換される。
【0045】請求項7に対応する光化学再処理方法は、
被処理溶液中のRuイオンを酸化してRuO4 に転換
し、被処理溶液に気体をバブリングする。これにより揮
発性のRuO4 が気体中に揮発するので、気体とともに
除去することができる。
【0046】請求項8に対応する光化学再処理方法は、
溶液中にCe4+またはAg2+を添加するかまたは生成さ
せる。Ce4+,Ag2+は酸化剤として作用し溶液中のR
uイオンをRuO4 に転換する。
【0047】請求項9に対応する光化学再処理方法は、
被処理溶液を電気分解することによりCe4+またはAg
2+を生成するものである。前記表1に示したように溶液
中にはFP成分としてCeイオンがRuイオンと同程度
の量存在し、Agイオンもこれより少ないが存在するの
でこれらを利用できる。
【0048】また、必要により外部から添加してもよ
い。これらの成分は再処理溶液中ではそれぞれCe3+
よびAg+ として存在する。被処理溶液を特定条件で電
気分解することにより、これらの一成分または両成分が
電解酸化され、Ce4+,Ag2+の一方または両方が生成
する。
【0049】このCe4+,Ag2+は前記のようにRuイ
オンを酸化してRuO4 に転換する。その際、Ce4+
Ag2+は還元されてCe3+,Ag+ に戻るが、再び電解
酸化によってCe4+,Ag2+に再生される。したがっ
て、少量のCeまたはAgの存在でRuを酸化すること
ができる。
【0050】請求項10に対応する光化学再処理方法は、
被処理溶液中に酸化剤のオゾンを吹き込む。これにより
溶液中のCe3+,Ag+ が酸化されCe4+,Ag2+とな
る。また、オゾンはRuイオンを直接にも酸化する。ま
た、オゾンの吹き込みは請求項7のRuO4 の揮発除去
のためのバブリング用気体を兼ねることもできる。
【0051】請求項11に対応する光化学再処理方法は、
請求項2から10の方法をPuの原子価調整に適用するも
のであり、Pu成分の光吸収に対する妨害FP成分を除
いた硝酸水溶液に、まず3価のPuが吸収する波長の光
を照射し、ついで溶液に還元剤を加えて、6価のPuが
吸収する波長の光を照射するものである。
【0052】これらの手段は次のように作用する。すな
わち、硝酸溶液中での3価のPuへの光照射は4価のP
uへの酸化を促進させる。また、還元剤の存在下で6価
のPuに光を吸収させると還元剤の作用を受けやすくな
り4価へ還元される。以上を合わせて硝酸溶液中のPu
の原子価を4価に調整するように作用する。
【0053】請求項12に対応する光化学再処理方法は、
請求項11の方法において、硝酸溶液の濃度を1〜10規
定、更に好ましくは2〜4規定に調整し、かつ、前記の
還元剤としてエタノールまたは2−プロパノールを添加
するものである。硝酸濃度は、溶媒抽出における各成分
の分配係数に強く影響し、更に、Puの光酸化還元反応
および特定FPの除去にも強く影響する。エタノールま
たは2−プロパノールは光励起された6価のPuを4価
に還元する作用を有する。
【0054】請求項13に対応する光化学再処理方法は、
請求項11または12において始めに 530〜 630nmの間にあ
る波長の光を照射する。3価のPuはこの波長帯に光の
吸収を示し、およそ 562nmと 601nmにピークを有する。
各々のモル消衰計数(モル吸光係数とも云う)(ε)
は、およそ、38M-1cm-1と36M-1cm-1である。したがっ
て、この波長帯の光を強く吸収する妨害FP成分を除去
することにより、この波長帯の光の照射で3価のPuを
選択的に励起できる。
【0055】ついで 490〜 550nmまたは 810〜 850nmの
間にある波長の光を照射する。6価のPuはこれらの波
長帯に吸収を示し、第一の波長帯にはおよそ 505nm(ε
=14M-1cm-1)と 525nm(ε=13M-1cm-1)の二ピーク
があり、第二の吸収帯にはおよそ 830nm(ε= 503M-1
cm-1)のピークがある。したがって、これらの波長帯の
光を強く吸収する妨害FP成分を除去することにより、
これらの波長帯の光の照射で6価のPuを選択的に励起
できる。
【0056】請求項14に対応する光化学再処理方法は、
請求項2の方法をNpの原子価調整に適用するものであ
り、Np成分の光吸収に対する妨害FP成分を除いた硝
酸水溶液に酸化剤を加え、ついで4価のNpが吸収する
波長の光を照射し、さらに5価のNpが吸収する波長の
光を照射するものである。
【0057】硝酸溶液中、酸化剤の存在下で4価のNp
に光を吸収させると酸化剤の作用を受けやすくなり5価
へ酸化される。ついで5価のNpに光を吸収させると同
様に酸化剤の作用を受けやすくなり6価へ酸化される。
以上を合わせて硝酸溶液中のNpの原子価を6価に調整
するように作用する、なおこの方法は、請求項11から13
のPuの原子価調整と合わせて実施することもできる。
【0058】請求項15に対応する光化学再処理方法は、
請求項14の方法において、硝酸溶液の濃度を1〜10規
定、さらに好ましくは2〜4規定に調整して使用するも
のであり、且つ、前記の酸化剤として尿素または過酸化
水素を添加するものである。硝酸濃度は、溶媒抽出にお
ける各成分の分配係数に強く影響し、さらに、Npの光
酸化反応および特定FPの除去にも強く影響する。尿素
または過酸化水素は光励起された4価および5価のNp
をそれぞれ5価および6価に酸化する作用を有する。
【0059】請求項16に対応する光再処理方法は、請求
項14または15において、始めに 480〜 540nm、 580〜63
0nm 、 670〜 760nmのいずれかの間にある波長の光を照
射する。4価のNpはこれらの波長帯に光の吸収を示
し、主なピークは、各々およそ、 500nm(ε=22M-1cm
-1)、 590nm(ε=38M-1cm-1)、 723nm(ε= 126M
-1cm-1)である。したがって、これらの波長帯の光を強
く吸収する妨害FP成分を除去することにより、これら
の波長帯の光の照射で4価のNpを選択的に励起でき
る。
【0060】ついで 610〜 680nmの間にある波長の光を
照射する。5価のNpはこの波長帯に吸収を示し、ピー
クはおよそ 618nm(ε=24M-1cm-1)である。したがっ
て、この波長帯の光を強く吸収する妨害FP成分を除去
することにより、この波長帯の光の照射により選択的に
励起できる。
【0061】請求項17に対応する光再処理方法は、請求
項2の方法をNpの原子価調整に適用する別の方法であ
り、Np成分の光吸収を妨害する特定FP成分を除いた
後の硝酸水溶液に還元剤を加え、ついで5価のNpが吸
収する波長の光を照射するものである。硝酸溶液中、還
元剤の存在下で5価のNpに光を吸収させると還元剤の
作用を受けやすくなり4価へ還元される。一方6価のN
pは上記の波長の光を吸収しないため還元剤の存在下で
も還元されず原子価は変化しない。なおこの方法は、請
求項11から13のPuの原子価調整と合わせて実施するこ
ともできる。
【0062】請求項18に対応する光化学再処理方法は、
請求項17の方法において、硝酸溶液の濃度を1〜10規
定、さらに好ましくは2〜4規定に調整して使用するも
のであり、かつ、前記の還元剤としてエタノールまたは
2−プロパノールを添加するものである。硝酸濃度は、
溶媒抽出における各成分の分配係数に強く影響し、さら
にNpの光還元反応および特定FPの除去にも強く影響
する。エタノールまたは2−プロパノールは光励起され
た5価のNpを4価に還元する作用を有する。
【0063】請求項19に対応する光再処理方法は、請求
項17または18において、 600〜 650nmの間にある波長の
光を照射する。5価のNpはこの波長帯に前記の吸収ピ
ークを有し、この波長帯の光を強く吸収する妨害FP成
分を除去することにより、この波長帯の光の照射により
選択的に励起できる。
【0064】つぎに、請求項20に対応する光再処理方法
は、請求項2の方法をAmの原子価調整に適用するもの
であり、Am成分の光吸収を妨害する特定FP成分を除
いた硝酸水溶液に酸化剤を加え、ついで3価のAmが吸
収する波長の光を照射するものである。硝酸溶液中、酸
化剤の存在下で3価のAmに光を吸収させると酸化剤の
作用を受けやすくなり4価へ酸化される。なおこの方法
は、請求項11から13のPuの原子価調整および請求項14
から19のNpの原子価調整と合わせて実施することもで
きる。
【0065】請求項21に対応する光化学再処理方法は、
請求項20の方法において、硝酸溶液の濃度を1〜10規
定、さらに好ましくは2〜4規定に調整して使用するも
のであり、かつ、前記の酸化剤として過酸化水素を添加
するものである。硝酸濃度は、溶媒抽出における各成分
の分配係数に強く影響し、さらに、Amの光酸化反応お
よび特定FPの除去にも強く影響する。過酸化水素は光
励起された3価のAmを4価に酸化する作用を有する。
【0066】請求項22に対応する光再処理方法は、請求
項20または21において、 490〜 520nmまたは 780〜 830
nmの間にある波長の光を照射する。3価のAmはこれら
の波長帯に強い吸収を示し、ピークは、各々およそ 503
nm(ε= 300M-1cm-1)、 812nm(ε=65M-1cm-1)で
ある。したがって、これらの波長帯の光を強く吸収する
妨害FP成分を除去することにより、これらの波長帯の
光の照射により選択的に励起できる。
【0067】請求項23に対応する光再処理方法は、請求
項11から22においてPu,Np,Amの原子価調整を行
う際に、予め請求項5または6の方法で溶解液中のR
u,Rh,Pdを除去する場合に適用するものである。
すなわち、あらかじめ電解還元法でRu,Rh,Pdを
除いた硝酸水溶液に4価のUが吸収する波長の光を照射
する。
【0068】この作用は以下の通りである。硝酸溶液中
で4価のUが吸収する光を照射すると、光励起された4
価のUの5価への酸化を引き起こす。これによって生成
した5価のウランU(V)は硝酸溶液中で不安定であ
り、自発的に次式に示すように不均化反応、 2U(V) →U(IV)+U(VI) を起こし4価と6価のUを生じる。したがってこれを繰
り返すことにより、4価のUは6価へ調整される。
【0069】請求項24に対応する光再処理方法は、請求
項23の方法において、硝酸溶液の濃度を1〜10規定、さ
らに好ましくは2〜4規定に調整して使用する。硝酸濃
度は、溶媒抽出における各成分の分配係数に強く影響
し、さらに、Uの光酸化反応にも強く影響する。また、
光照射に 460〜 510nmまたは 530〜 570nmの間の波長の
光を使用する。4価のUはこれらの波長帯に吸収を示
し、主なピークは、各々およそ 488nmにおいておよそε
=1M-1cm-1であり、4価に比べ小さい。また、 550nm
での吸収は無視できるのほど小さい。また、Ru,R
h,Pdのようなこれらの波長帯の光を強く吸収する妨
害FP成分はすでに除去されているので、これらの波長
帯の光の照射により4価のUを選択的に励起できる。
【0070】請求項25に対応する光化学再処理方法は、
請求項23,24の方法において、溶液に酸化剤を添加して
光照射するものである。酸化剤の添加により4価のUの
光酸化反応がさらに促進される。請求項26に対応する光
再処理方法は、請求項25における酸化剤として過酸化水
素を使用するものである。
【0071】請求項27に対応する光化学再処理方法は、
請求項11,14,17,20,23の発明がいずれも、一つの原
子価調整反応ためには、一種類の波長の光(連続光でも
パルス光でもよい)を照射するのに対し、本発明では一
般に波長の異なる二つのパルス光を短い時間間隔で引き
続いて照射する。そして、第1のパルス光の波長は、原
子価調整の目的成分がPu(III) ,Pu(VI),Np(I
V),Np(V) ,Am(III) ,U(IV)のいずれであるかに
よって請求項13,16,19,22,24記載のいずれかに対応
する波長とし、第2のパルス光の波長は、第1のパルス
光により励起された目的成分の一つの励起状態(第1の
励起状態と呼ぶ)をさらに高い励起状態の一つ(第2の
励起状態と呼ぶ)に励起するに必要なエネルギーに対応
する波長とする。その波長は、溶液中の他の成分による
吸収の少ない波長であれば好適である。第2のパルス光
は、対象成分の一つのイオン(錯イオン等を含む)が第
一のパルス光を吸収して励起された第1の励起状態が減
衰するより前に照射する。そして、以上の二波長パルス
光照射を繰り返して行う。
【0072】以上の手段は次のように作用する。まず、
第1のパルス光は溶液中の目的成分イオンの基底状態
(通常の存在状態)が示す吸収波長に同調されているか
ら、溶液中に通常存在している基底状態の目的成分イオ
ンに共鳴的に吸収されてこれを第1の励起状態に励起す
る。第2のパルス光は第1の励起状態と第2の励起状態
のエネルギー差に同調されているから、第1の励起状態
にある目的成分イオンに共鳴的に吸収されそのイオンを
第2の励起状態に励起する。第2の励起状態に励起され
たイオンは、目的成分により例えば請求項12,15,18,
21,24,26のいずれかに対応する溶液条件下で目的の酸
化還元反応を促進するので、これを繰り返すことにより
目的の原子価調整が行える。
【0073】請求項28に対応する光化学再処理方法は、
請求項2から27の方法の適宜の組み合わせにより抽出さ
れた、U,Pu,Np,Amの二成分以上を含みFPを
殆ど除去した有機相溶液またはそれに含まれる前記成分
を逆抽出して得られた水相溶液に、さらに、光照射によ
るU,Pu,Np,Amの原子価調整操作と水相/有機
相の接触による抽出、逆抽出操作とを繰り返し適用す
る。これにより、U,Pu,Np,Amをさらに分離精
製することができる。
【0074】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)(請求項1,2,3,11,12,1
3,14,15,16,20,21,22,28項対応) 図1により本発明に係る光化学再処理方法の第1の実施
の形態を説明する。
【0075】本実施の形態は、使用済み核燃料を硝酸に
溶解した、U,Pu,Np,Amの各An成分と各種の
FP成分を含む使用済み核燃料溶解液1を処理して前記
An成分を回収し、FP成分を除去するものであり、特
定FP除去工程19と光化学原子価調整工程13と溶媒抽出
工程16とから構成される。
【0076】使用済み核燃料溶解液1にはU(VI),Pu
(III) ,Pu(IV),Pu(VI),Np(IV),Np(V) ,N
p(VI),Am(III) およびFPs等を含んでいる。この
溶解液1はまず特定FP除去工程19に導かれ、FP成分
の内のRu,Rh,Pd20が除去される。つぎにRu,
Rh,Pdが除去された溶液は光化学原子価調整工程13
に導かれる。この原子価調整工程13ではまずエタノール
14が添加されたのち、溶液中のPu(VI)イオン(錯イオ
ンおよび化合物イオン等を含む)の吸収波長λPu(VI)
同調された光21が照射される。
【0077】この波長は、請求項13記載の波長範囲(3
価と6価のPuに対する波長が記載されている)の内の
Pu(VI)に対応する波長範囲から選ばれる。この光21は
Pu(VI)に選択的に吸収され、Pu(VI)は吸収した光子
のエネルギーhvPu(VI)に相当する励起状態Pu(VI)*
に励起され、添加した還元剤のエタノール14と反応して
Pu(V) に還元される。このPu(V) は安定でなく、つ
ぎの不均化反応を起こして4価と6価のPuを生じる。 2Pu(V) →Pu(IV)+Pu(VI)
【0078】したがって、以上の光還元反応を繰り返し
適用することによりPu(VI)はPu(IV)に還元される。
つぎに溶液に過酸化水素22を添加したのち、Pu(III)
,Np(IV),Np(V) ,Am(III) の吸収波長λPu
(III) λNp(IV),λNp(V)λAm(III) にそれぞれ
同調された光23,24,25,26が照射される。
【0079】これらの波長は、それぞれ、請求項13(3
価と6価のPuに対する波長が記載されている)、請求
項16(4価と5価のNpに対する波長が記載されてい
る)、請求項22に記載の波長の中から各成分に対応する
波長から選ばれる。
【0080】このうち、光24と光25はこの順に段階的に
照射されるが、その他の照射順序は変えてもよくまた同
時でもよい。これらの光21〜26の照射により溶液中のP
u(III) ,Np(IV),Np(V) ,Am(III) は、それぞ
れに対応する前記の波長の光を吸収し、それぞれの励起
状態、Pu(III) * ,Np(IV)* ,Np(V) * ,Am(I
II) * となる。
【0081】添加した過酸化水素22はこれらの励起イオ
ンに対して酸化剤として作用し、前記励起イオンはそれ
ぞれ、Pu(IV),Np(V) ,Np(VI),Am(IV)とな
る。Npは前記順に光照射することにより、まず4価を
5価に転換しついで5価を6価に転換し、全体としてす
べてNp(VI)に調整される。
【0082】以上の作用により、溶液中のPu,Np,
Amの原子価状態は、それぞれPu(IV),Np(VI),A
m(IV)に調整される。また、Uは以上の操作で影響を受
けずU(VI)のままである。なお、溶液中の硝酸濃度はこ
れまでのいずれかの段階で2〜3Nに調整されて硝酸溶
液となっている。
【0083】つぎにこの硝酸溶液は溶媒抽出工程16に導
かれ、30%TBP/ドデカンからなる抽出剤6と接触さ
れ、各成分がU,Pu,Np,Amを含む有機相27とF
Pを含む水相28とに分配される。溶媒抽出工程16に導か
れる溶液は、成分原子価および硝酸濃度の両条件とも
に、前記の各アクチノイド成分の抽出に最も適した状態
に調整されており、U(VI),Pu(IV),Np(VI),Am
(IV)の各アクチノイド成分は大部分が有機相に分配さ
れ、各FP成分は大部分が水相28に残り、所望の分離が
達成される。
【0084】なお、前記光化学原子価調整工程13におけ
る各照射光の波長とその幅は、目的成分への吸収ができ
る限り高く、かつ、非目的成分への吸収ができる限り低
くなるように選ぶことが望ましい。そのためには単色性
がよく、波長が可変で、かつ、強度が高い光源が適す
る。
【0085】この観点から、光源としてはレーザー光が
好適であり、特に、波長可変の色素レーザーあるいは波
長可変の固体(半導体)レーザーが適する。また、これ
らを励起するレーザーとしてはエキシマレーザー,銅蒸
気レーザー,YAGレーザー等の比較的高効率で大出力
が得られるレーザーが好ましい。
【0086】なお、本実施の形態で使用する光21〜26は
連続光でもパルス光でもよい。また、コヒーレントな光
であることは特に必要でないので、波長が合致し、かつ
単色性がよければ、通常の光源、例えばナトリウムラン
プでもよい。
【0087】また、Pu(VI)の光還元のために添加され
る還元剤のエタノール14の代わりに2−プロパノール
((CH3 2 CHOH)を使用することもでき、その
他ギ酸(HCOOH)または酢酸(CH3 COOH)を
用いることも可能である。また、Pu(III) ,Np(I
V),Np(V) ,Am(III) の光酸化のために添加される
酸化剤の過酸化水素22は、尿素(CO(NH2 2 に代
えてもよい。
【0088】以上、本第1の実施の形態によれば、光化
学原子価調整工程13において、Pu(III) ,Pu(VI),
Np(IV),Np(V) ,Am(III) の吸収波長に対応する
480〜 850nmの範囲の光21〜26が照射されこれらの各成
分の光酸化還元反応を起こし、溶媒抽出に適した原子価
状態に調整する。これは、従来から原理的には知られて
いた事実に基づいている。
【0089】しかし、本実施の形態では、溶解液1中の
FP成分の内、Ru,Rh,Pdの各FP成分を予め除
去することによって、前記波長域の光がこれらのFP成
分に吸収されることを防止し、目的An成分に選択的か
つ効率的に吸収されるようにし、Np,Amを含む大部
分のAn成分を溶媒抽出に最適な原子価状態に調整する
ことを可能にしている。
【0090】これに対して従来の場合には、例えば前記
図5に示した従来例のように、溶解液1中にRu,R
h,Pdの各FP成分が存在したままであるから、前記
照射光は殆どRu,Rh,Pdの各FP成分に吸収され
てしまい、目的のAn成分への吸収はわずかである。従
って、所望の原子価調整は殆ど達成されない。
【0091】また、前記Ru,Rh,Pd、特にRu
は、従来のピュレックス抽出工程中において、特に除去
が難しく問題になる元素である。従って、本実施の形態
のようにこれらのFP成分をあらかじめ除去しておくこ
とは、その後の溶媒抽出工程16での抽出分離を容易にす
る効果があり、従って、これらの工程の簡素化,低コス
ト化が期待できる。
【0092】なお、本実施の形態で還元剤および酸化剤
として添加されるエタノール14および過酸化水素22,あ
るいは前述したそれらの代替薬剤は反応生成物を含め廃
棄物としての残留性が小さく、また、プロセスにおいて
他の成分への影響も少ないので、従来のピュレックス工
程で使用される薬剤に比べ廃棄物およびプロセス上の問
題が少ない利点がある。
【0093】(第2の実施の形態)(請求項1,2,
3,11,12,13,17,18,19,20,21,22,28項対応) この第2の実施の形態は第1の実施の形態に準じている
が、第1の実施の形態と異なる点は図1に示した光化学
原子価調整工程13におけるNpの原子価調整を6価に調
整する代わりに、請求項17,18,19に従って有機相に抽
出されない5価を還元して4価に調整することにある。
【0094】本実施の形態においては第1の実施の形態
における光21の照射と合わせて光25の照射をエタノール
または2−プロパノール存在下で行い、その後、過酸化
水素22を添加して光26を照射し、光24の照射は行わな
い。
【0095】本実施の形態によれば、Npの中で分配係
数の最も大きい6価の代わりに4価に調整することでN
pの抽出効率はやや劣るが、光24の照射が不要となる効
果があり、また、Amの原子価調整をしない場合には還
元剤の添加だけでよく、酸化剤の添加が不要となる効果
もある。
【0096】(第3の実施の形態)(請求項1,3,28
項対応) 本実施の形態は第1の実施の形態に準じているが、第1
の実施の形態と異なる点は図1に示した溶媒抽出工程16
で使用する抽出剤6に、いわゆるTruex溶媒( 0.2
M OφD[IB]CMPO - 1.2M TBP - dodec
ane )を使用することにある。ここで、OφD[IB]
CMPOはoctyl(phenyl) -N,N-diisobutylcarbamolyl
methylphosphine oxideのことである。
【0097】このTruex溶媒はTBPでは抽出され
ないAm(III) ,Cm(III) を抽出でき、主に従来のピ
ュレックス再処理の高いレベル廃液からのマイナー・ア
クチノイド回収用に研究されている溶媒である。
【0098】本実施の形態はこの溶媒を使用済燃料の再
処理工程に採用するものであり、Pu,Np,Amの原
子価を第1の実施の形態と同様に光化学的に調整すれ
ば、これらの抽出効率を大幅に向上することができ、ま
た、Amは調整せずCmと同じく3価のままとしても十
分に抽出できる効果がある。
【0099】この際、Truex溶媒では、光化学的妨
害成分のRu,Rhの分配係数も大きく、また、光化学
的にはそれ程問題にならないCe,Eu,Prの希土類
元素や、Fe,Moなどの遷移金属の一部も大きな分配
係数を示す。従ってこれらを予め除去しておくことはF
P成分の分離にも有効である。また、Truex溶媒の
場合、抽出特性がよい反面逆抽出が困難であるが、光化
学的に選択的な原子価調整を行うことでこれを改善でき
る効果がある。
【0100】(第4の実施の形態)(請求項4項対応) 図2を参照しながら本発明に係る光化学再処理方法の第
4の実施の形態を説明する。
【0101】本実施の形態は図2に示したように第1の
実施の形態における使用済み核燃料溶解液1から図1に
示したRu,Rh,Pd20を除去するための特定FP除
去工程19を具体的に例示したことにある。
【0102】すなわち、本実施の形態では第1の実施の
形態と同様にU,Pu,Np,Am,Ru,Rh,P
d,他のFPsを含む使用済み核燃料溶解液1は、特定
FP除去工程19に導かれる。特定FP除去工程19におい
てはまず、予め別に調製された硝酸溶液の溶解液1中に
難溶性硫化物の捕集沈殿29が添加され、撹拌工程30で撹
拌される。
【0103】この硫化物捕集沈殿29としては、硫化銅
(CuS),硫化コバルト(II)(CoS),硫化コバル
ト(III) (Co2 3 ),硫化スズ(II)、または、硫化
スズ(IV)のいずれかが使われる。また撹拌工程30では超
音波照射を併用してもよい。
【0104】充分に撹拌混合された溶解液1は、次のろ
過工程31でろ過され、ろ液32は次の光化学原子価調整工
程13に送られ、以後は図1に示した第1の実施の形態に
準じて処理される。沈殿(Ru,Rh,Pd)33はつぎ
の洗浄工程34で洗浄液のアンモニア水35で洗浄されろ過
工程36でろ過され、洗浄再生された硫化物の捕集沈殿37
は溶解液1中に添加されて再利用される。一方、ろ過工
程36でのRu,Rh,Pdを含むろ液38は廃液として処
理される。
【0105】本実施の形態によれば、硫化物の捕集沈殿
29は溶液中のRu,Rh,Pdを吸着捕集することが知
られており、その他にも数種のFP成分も捕集する。一
方、アクチノイド成分は捕集されない(例えば、大木,
田中編、岩波講座「現代化学(11)物質の分離と分析
(上)」、岩波書店(1979)p68)。すなわち、前記難溶性
の捕集沈殿は溶液との撹拌混合によりその表面にRu,
Rh,Pdおよびその他数種のFP成分を選択的に吸着
捕集する。
【0106】従って、これを沈殿・ろ過することにより
ろ液32中から光化学的妨害成分のRu,Rh,Pdを除
去することができる。一方、分離された沈殿33はそのま
ま廃棄物として処理することもできるが、本実施の形態
ではこれを洗浄液35のアンモニア水で洗浄する。
【0107】硫化物はアルカリ溶液に溶けやすい性質を
示すので、アンモニア水で洗浄することにより沈殿表面
層を溶解させ、吸着したFP成分を除去することができ
る。従って洗浄液35をろ過した捕集沈殿37は吸着したF
P成分が除去されており、つぎの捕集のために再使用す
ることができる。以上により、廃棄物を増やすことな
く、Ru,Rh,Pdを除去することができる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、使用済み核燃料の溶解
液から光化学原子価調整の妨害になる特定FP成分を予
め効果的に除去することができ、これにより、可視光領
域の光を使用してU,Pu,Np,Amの特定原子価状
態に選択的に光酸化還元反応を起こすことができ、これ
らの成分を溶媒抽出に最適の原子価状態に調整すること
ができる。
【0109】これにより、従来のピュレックス再処理で
達成されていないNpとAmの回収が可能になる。これ
は薬剤添加による廃棄物量の増加なしに達成できる。ま
た、特定FP成分としてピュレックス抽出工程で複雑な
挙動を示すRuを予め除去するため、ピュレックス抽出
工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光化学再処理方法の第1から第3
の実施の形態を説明するためのブロック図。
【図2】本発明に係る光化学再処理方法の第4の実施の
形態を説明するためのブロック図。
【図3】従来例を説明するためのTBP−硝酸系におけ
る分配係数を示す特性図。
【図4】従来のピュレックス法による再処理方法を説明
するためのブロック図。
【図5】従来の光化学再処理方法を説明するためのブロ
ック図。
【符号の説明】
1…使用済み核燃料溶解液、2…原子価調整工程、3…
酸化還元剤、4…調整後の硝酸溶液、5…U・Pu抽出
(共除染)工程、6…抽出剤、7…U・Puを含む有機
相、8…MAs,FPsを含む水相、9…Pu逆抽出
(U/Pu分離)工程、10…還元剤,分離剤を添加した
0.2N硝酸、11…Uを含む有機相、12…Puを含む水
相、13…光化学原子価調整工程、14…エタノール、15…
光、16…溶媒抽出工程、17…U,Pu,Npを含む有機
相、18…FPを含む水相、19…特定FP除去工程、20…
Ru,Rh,Pd、21,23,24,25,26…光、27…U,
Pu,Np,Amを含む有機相、28…FPを含む水相、
29…硫化物の捕集沈殿、30…撹拌工程、31…ろ過工程、
32…ろ液、33…沈殿、34…洗浄工程、35…洗浄液、36…
ろ過工程、37…捕集沈殿。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み核燃料を溶解したウラン
    (U),プルトニウム(Pu),ネプツニウム(N
    p),アメリシウム(Am)のアクチノイド(An)成
    分と各種の核分裂生成物(FP)成分を含む使用済み燃
    料溶解液からまず少なくとも一つの特定FP成分を除去
    し、次いでこの溶解液に光を照射して前記An成分の内
    の少なくとも一成分の原子価を調整し、更に前記溶解液
    を有機溶媒と接触させ溶媒抽出して各成分を水相と有機
    相とに分配し、前記An成分の少なくとも一成分を有機
    相に抽出することを特徴とする光化学再処理方法。
  2. 【請求項2】 前記溶解は硝酸水溶液であり、前記有機
    溶媒はリン酸トリブチル(TBP)であり、前記溶媒抽
    出はピュレックス再処理プロセスの共除染工程であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光化学再処理方法。
  3. 【請求項3】 前記特定FP成分にはルテニウム(R
    u),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd)を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の光化学再処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記Ru,Rh,Pdの除去方法は捕集
    沈殿添加法または試薬粉末添加法によるものであって、
    特に、予め別に調整した難溶性の金属硫化物の沈殿、粉
    末、または微粒子を被処理溶液に添加し、これを溶液と
    混合接触させたのち沈殿させ、更にこの沈殿を溶液から
    分離除去することにより、添加した捕集剤に捕集された
    Ru,Rh,Pdを捕集剤と共に分離除去することを特
    徴とする請求項3記載の光化学再処理方法。
  5. 【請求項5】 前記Ru,Rh,Pdの除去方法は電界
    析出法によるものであって、被処理液を電気分解するこ
    とにより溶液中のRu,Rh,Pdイオンを電解還元
    し、陰極上に金属として析出させ除去することを特徴と
    する請求項3記載の光化学再処理方法。
  6. 【請求項6】 前記Ruの除去方法はまず被処理溶液中
    のRuイオンを酸化してRuO4 に転換し、次いで被処
    理液を電気分解して溶液中のRuO4 を電解還元して、
    RuO2 として陰極上に析出させ除去することを特徴と
    する請求項3記載の光化学再処理方法。
  7. 【請求項7】 前記Ruの除去方法は、まず被処理溶液
    中のRuイオンを酸化してRuO4 に転換し、被処理溶
    液に気体をバブリングしてこのRuO4 を揮発除去する
    ことを特徴とする請求項3記載の光化学再処理方法。
  8. 【請求項8】 前記RuO4 への転換は溶液中にCe4+
    またはAg2+を添加するか、または生成させてRuイオ
    ンを酸化することを特徴とする請求項6または7記載の
    光化学再処理方法。
  9. 【請求項9】 前記Ce4+,Ag2+は溶液を電気分解し
    て溶液中に存在するCe3+,Ag+ を電解酸化すること
    により生成させることを特徴とする請求項8記載の光化
    学再処理方法。
  10. 【請求項10】 前記Ce4+,Ag2+は溶液にオゾンを
    バブリングして溶液中に存在するCe3+,Ag+ を酸化
    することにより生成させることを特徴とする請求項8記
    載の光化学再処理方法。
  11. 【請求項11】 前記原子価を調整する成分の一つはP
    uであり、その原子価調整方法は前記硝酸水溶液にまず
    3価のPuが吸収する波長の光を照射し、次いで溶液に
    還元剤を加え、更に6価のPuが吸収する波長の光を照
    射することを特徴とする請求項2から10記載の光化学再
    処理方法。
  12. 【請求項12】 前記硝酸溶液は1〜10規定の硝酸溶液
    であり、前記還元剤はエタノールまたは2-プロパノール
    であることを特徴とする請求項11記載の光化学再処理方
    法。
  13. 【請求項13】 前記始めに照射する光の波長は 530〜
    630nmであり、次いで照射する光の波長は 490〜 550nm
    または 810〜 850nmであることを特徴とする請求項11ま
    たは12記載の光化学再処理方法。
  14. 【請求項14】 前記原子価を調整する成分の一つはN
    pであり、その原子価調整方法は前記硝酸水溶液にまず
    酸化剤を加え、次いで4価のNpが吸収する波長の光を
    照射し、更に5価のNpが吸収する波長の光を照射する
    ことを特徴とする請求項2から13記載の光化学再処理方
    法。
  15. 【請求項15】 前記硝酸溶液は1〜10規定の硝酸溶液
    であり、前記酸化剤は尿素または過酸化水素であること
    を特徴とする請求項14記載の光化学再処理方法。
  16. 【請求項16】 前記始めに照射する光の波長は 480〜
    540nm, 580〜 630nm, 670〜 760nmのいずれかであ
    り、次いで照射する光の波長は 600〜 680nmであること
    を特徴とする請求項14または15記載の光化学再処理方
    法。
  17. 【請求項17】 前記原子価を調整する成分の一つはN
    pであり、その原子価調整方法は、前記硝酸水溶液にま
    ず還元剤を加え、次いで5価のNpが吸収する波長の光
    を照射することを特徴と模する請求項2から13記載の光
    化学再処理方法。
  18. 【請求項18】 前記硝酸水溶液の濃度は1〜10規定で
    あり、前記還元剤はエタノールまたは2-プロパノールで
    あることを特徴とする請求項17記載の光化学再処理方
    法。
  19. 【請求項19】 前記照射する光の波長は 600〜 680nm
    であることを特徴とする請求項17または18記載の光化学
    再処理方法。
  20. 【請求項20】 前記原子価を調整する成分の一つはA
    mであり、その原子価調整方法は前記硝酸水溶液にまず
    酸化剤を加え、次いで3価のAmが吸収する波長の光を
    照射することを特徴とする請求項2から請求項13記載の
    光化学再処理方法。
  21. 【請求項21】 前記硝酸水溶液は1〜10規定の硝酸溶
    液であり、前記酸化剤は過酸化水素であることを特徴と
    する請求項20記載の光化学再処理装置。
  22. 【請求項22】 前記照射する光の波長は 490〜 520nm
    であることを特徴とする請求項20または21記載の光化学
    再処理方法。
  23. 【請求項23】 前記原子価を調整する成分の一つがU
    であり、その原子価調整方法は前記硝酸水溶液に4価の
    Uが吸収する波長の光を照射するものであることを特徴
    とする請求項5または6記載の光化学再処理方法。
  24. 【請求項24】 前記硝酸水溶液は1〜10規定の硝酸溶
    液であり、照射する光の波長が 420〜 570nmであること
    を特徴とする請求項23記載の光化学再処理方法。
  25. 【請求項25】 前記Uの原子価調整において、光を照
    射する前に前記硝酸水溶液に酸化剤を加えることを特徴
    とする請求項23または請求項24記載の光化学再処理方
    法。
  26. 【請求項26】 前記酸化剤が過酸化水素であることを
    特徴とする請求項25記載の光化学再処理方法。
  27. 【請求項27】 請求項11,14,17,20,23記載の光照
    射の内のいずれが波長の異なる二つのパルス光を引き続
    いて照射するものであって、第1のパルス光の波長は、
    目的成分がPu( III,VI)、Np(IV,V)、Am
    (III )、U(IV)のいずれであるかによって請求項1
    3,16,22,24記載のいずれかに対応する波長であっ
    て、第2のパルス光の波長は、前記第1のパルス光によ
    り励起された目的成分の励起状態を更に高い励起状態の
    一つに励起するに必要なエネルギーに対応する波長であ
    って且つ前記水溶液の他の成分による吸収の少ない波長
    であり、前記第1のパルス光による励起状態が減衰する
    前に前記第2のパルス光を照射するものであり、且つこ
    の二波長パルス光照射を繰り返し行うものであることを
    特徴とする請求項11から26記載の光化学再処理方法。
  28. 【請求項28】 請求項1から27の方法の適宜の組み合
    わせにより抽出された、U,Pu,Np,Amの少なく
    とも二成分を含み、且つFPを除去した有機相溶液もし
    くはその有機相に含まれる前記成分を逆抽出して得られ
    た水相溶液に、更に、光照射によるU,Pu,Np,A
    mの原子価調整操作と水相と有機相の接触による抽出、
    逆抽出操作とを繰り返し適用することにより、U,P
    u,Np,Amを更に分離精製することを特徴とする請
    求項1から27記載の光化学再処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012020854A1 (ko) * 2010-08-10 2012-02-16 강원대학교 산학협력단 알코올 배양액 내 바이오에탄올의 농도 측정방법
JP2013533465A (ja) * 2010-05-27 2013-08-22 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ プルトニウム還元逆抽出操作を必要としない使用済み核燃料の再処理プロセス

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