JPH0690781B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents
垂直磁気記録媒体Info
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- JPH0690781B2 JPH0690781B2 JP18799492A JP18799492A JPH0690781B2 JP H0690781 B2 JPH0690781 B2 JP H0690781B2 JP 18799492 A JP18799492 A JP 18799492A JP 18799492 A JP18799492 A JP 18799492A JP H0690781 B2 JPH0690781 B2 JP H0690781B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の形状を有する非
磁性基体上に被着したCoを主成分とした垂直磁化膜に
係り、特に上記の垂直磁化膜を用いた垂直磁気記録に好
適な垂直磁気記録媒体に関する。
磁性基体上に被着したCoを主成分とした垂直磁化膜に
係り、特に上記の垂直磁化膜を用いた垂直磁気記録に好
適な垂直磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野における記録密度の向上
は著しいものがある。特に、東北大の岩崎らにより提案
された垂直磁気記録方式は、現在実用化されている面内
記録方式とは異なり、記録密度が高くなるほど自己減磁
作用が小さくなる特徴を有し、将来の高密度磁気記録方
式として注目を集め、精力的な研究がなされている。こ
の垂直磁気記録を実現するには、記録媒体として、磁性
膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有する垂直磁化膜
が必要である。現在、そのような磁気特性をもつ磁性膜
としては、スパッタ法、あるいは真空蒸着法で作製した
Co−Cr、Co−Cr−Rh、またはCo−V系の合金膜が
知られている。しかし、このような合金系垂直磁化膜
は、その膜厚が0.1μm以下では良好な垂直磁気異方
性が得られない欠点を有すると共に、合金であるために
磁性膜自身の曲げ剛性率が大きく、特にテープ状の垂直
磁気記録媒体を作製した場合には、磁気ヘッドとの良好
なタッチが得られないという欠点があった。
は著しいものがある。特に、東北大の岩崎らにより提案
された垂直磁気記録方式は、現在実用化されている面内
記録方式とは異なり、記録密度が高くなるほど自己減磁
作用が小さくなる特徴を有し、将来の高密度磁気記録方
式として注目を集め、精力的な研究がなされている。こ
の垂直磁気記録を実現するには、記録媒体として、磁性
膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有する垂直磁化膜
が必要である。現在、そのような磁気特性をもつ磁性膜
としては、スパッタ法、あるいは真空蒸着法で作製した
Co−Cr、Co−Cr−Rh、またはCo−V系の合金膜が
知られている。しかし、このような合金系垂直磁化膜
は、その膜厚が0.1μm以下では良好な垂直磁気異方
性が得られない欠点を有すると共に、合金であるために
磁性膜自身の曲げ剛性率が大きく、特にテープ状の垂直
磁気記録媒体を作製した場合には、磁気ヘッドとの良好
なタッチが得られないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Co
−CrあるいはCo−V系合金のような合金材料を用いる
ことなく、膜厚0.1μm以下においても良好な垂直磁
化膜となり、かつ曲げ剛性率がCo−Cr系合金膜に比較
して小さく、磁気特性に優れた新規な垂直磁化膜を用い
た垂直磁気記録媒体を提供することにある。
−CrあるいはCo−V系合金のような合金材料を用いる
ことなく、膜厚0.1μm以下においても良好な垂直磁
化膜となり、かつ曲げ剛性率がCo−Cr系合金膜に比較
して小さく、磁気特性に優れた新規な垂直磁化膜を用い
た垂直磁気記録媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】Co−Cr膜において、垂
直磁化膜となる理由は次のように考えられている。すな
わち、スパッタ法あるいは真空蒸着法で作製したCo−
Cr膜の断面をSEMで観察すると、膜面に垂直方向に
結晶粒子が成長した柱状構造が観察される。垂直磁気異
方性の優れたCo−Cr膜は、この柱状方向に沿ってCo
のc軸が配向していることがX線回折法により解析され
ている。Co−Cr膜の垂直磁気異方性は、このc軸が垂
直配向していることが一つの要因であるが、さらに、そ
の垂直磁気異方性の大きさ(Ku)が、膜面に垂直方向
に磁化が向いた時の静磁エネルギー2πMs2(Ms:飽
和磁化)よりも大となる、下記数1式の関係が満たされ
ている場合である。 Ku>2πMs2 ……………(数1) 普通、Co薄膜の場合、Coのc軸が理想的に膜面に垂直
に配向したとしても、Ku、Msにバルクの値を用いると
して、数1式の左辺、右辺の値はそれぞれ5×106erg
/cc、1.2×107erg/ccとなり、数1式の関係を満
足することはできない。このように、Crを添加する効
果は、Coのc軸が膜面に垂直に配向することを促し、
かつ飽和磁化を数1式が成立する程度にまで低下させる
ことにある。 したがって、Crと同様な効果を有する
元素をCo磁性膜に添加するならば、Co−Cr系合金薄
膜以外においても垂直磁化膜が実現できる可能性があ
る。本発明者らは、上記のような考えに基づき、検討を
重ねた結果、添加元素として金属元素を用いることな
く、適当な分圧の酸素雰囲気と基板温度の条件下におい
て、基板面に垂直にCoの蒸着を行うと、良好な磁気特
性を有する垂直磁化膜が得られることを見出した。その
原因は必ずしも明らかではないが、垂直蒸着によって基
板面に垂直方向に生成される針状のCo結晶粒子の表面
がCoO等の酸化物によって覆われ、薄膜の形状による
面内磁気異方性を緩和するとともに、酸化物層が存在す
るために、金属Co粒子のc軸方向が針状方向に配向し
やすくなるためと考えられる。このように、Coに対し
金属元素以外の元素の添加によって垂直磁化膜が得られ
たことは予期しなかったことであり、その作製法が簡単
であること、原料としてはCo金属だけですむことを考
えると、その実用上の利点は極めて大きい。本発明は、
非磁性基体と、該非磁性基体表面上に形成された垂直磁
化膜を有する垂直磁気記録媒体において、上記垂直磁化
膜は実質的に金属CoとCoの酸化物からなり、上記垂直
磁化膜中の酸素含有量は18〜40原子%であり、かつ
上記垂直磁化膜の膜厚を0.05〜0.5μmとした垂直
磁気記録媒体である。そして、上記垂直磁化膜中のCo
の酸化物はCoOであることが好ましい。本発明の垂直
磁化膜を構成する上記金属Coの結晶粒子は針状粒子で
あり、該針状粒子の長軸は、上記非磁性基体表面に対し
実質上垂直方向に向いており、かつ上記金属Coの結晶
粒子のc軸は、上記非磁性基体表面に対し実質上垂直方
向に配向していることが望ましい。さらに、上記非磁性
基体は有機ポリマーを用いることが好ましい。また、本
発明の上記垂直磁化膜は、上記非磁性基体上に形成され
た高透磁率特性を有する薄膜を介して形成させることも
できる。
直磁化膜となる理由は次のように考えられている。すな
わち、スパッタ法あるいは真空蒸着法で作製したCo−
Cr膜の断面をSEMで観察すると、膜面に垂直方向に
結晶粒子が成長した柱状構造が観察される。垂直磁気異
方性の優れたCo−Cr膜は、この柱状方向に沿ってCo
のc軸が配向していることがX線回折法により解析され
ている。Co−Cr膜の垂直磁気異方性は、このc軸が垂
直配向していることが一つの要因であるが、さらに、そ
の垂直磁気異方性の大きさ(Ku)が、膜面に垂直方向
に磁化が向いた時の静磁エネルギー2πMs2(Ms:飽
和磁化)よりも大となる、下記数1式の関係が満たされ
ている場合である。 Ku>2πMs2 ……………(数1) 普通、Co薄膜の場合、Coのc軸が理想的に膜面に垂直
に配向したとしても、Ku、Msにバルクの値を用いると
して、数1式の左辺、右辺の値はそれぞれ5×106erg
/cc、1.2×107erg/ccとなり、数1式の関係を満
足することはできない。このように、Crを添加する効
果は、Coのc軸が膜面に垂直に配向することを促し、
かつ飽和磁化を数1式が成立する程度にまで低下させる
ことにある。 したがって、Crと同様な効果を有する
元素をCo磁性膜に添加するならば、Co−Cr系合金薄
膜以外においても垂直磁化膜が実現できる可能性があ
る。本発明者らは、上記のような考えに基づき、検討を
重ねた結果、添加元素として金属元素を用いることな
く、適当な分圧の酸素雰囲気と基板温度の条件下におい
て、基板面に垂直にCoの蒸着を行うと、良好な磁気特
性を有する垂直磁化膜が得られることを見出した。その
原因は必ずしも明らかではないが、垂直蒸着によって基
板面に垂直方向に生成される針状のCo結晶粒子の表面
がCoO等の酸化物によって覆われ、薄膜の形状による
面内磁気異方性を緩和するとともに、酸化物層が存在す
るために、金属Co粒子のc軸方向が針状方向に配向し
やすくなるためと考えられる。このように、Coに対し
金属元素以外の元素の添加によって垂直磁化膜が得られ
たことは予期しなかったことであり、その作製法が簡単
であること、原料としてはCo金属だけですむことを考
えると、その実用上の利点は極めて大きい。本発明は、
非磁性基体と、該非磁性基体表面上に形成された垂直磁
化膜を有する垂直磁気記録媒体において、上記垂直磁化
膜は実質的に金属CoとCoの酸化物からなり、上記垂直
磁化膜中の酸素含有量は18〜40原子%であり、かつ
上記垂直磁化膜の膜厚を0.05〜0.5μmとした垂直
磁気記録媒体である。そして、上記垂直磁化膜中のCo
の酸化物はCoOであることが好ましい。本発明の垂直
磁化膜を構成する上記金属Coの結晶粒子は針状粒子で
あり、該針状粒子の長軸は、上記非磁性基体表面に対し
実質上垂直方向に向いており、かつ上記金属Coの結晶
粒子のc軸は、上記非磁性基体表面に対し実質上垂直方
向に配向していることが望ましい。さらに、上記非磁性
基体は有機ポリマーを用いることが好ましい。また、本
発明の上記垂直磁化膜は、上記非磁性基体上に形成され
た高透磁率特性を有する薄膜を介して形成させることも
できる。
【0005】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を挙
げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。 <実施例1>図1に示した抵抗加熱型蒸着装置を用い、
光学研磨されたガラス基板上にCoの蒸着を行なった。
図1において、1はガラス基板、2は蒸着源、3はニー
ドルバルブ、4は基板加熱用ヒータである。上記の装置
を用い、Co蒸気流と基板法線のなす角度θを0°に設
定し、基板温度100℃、蒸着速度300Å/minの一
定条件で、酸素分圧を種々変化させ、膜厚0.1μmの
Co蒸着膜を作製した。蒸着は酸素分圧が0×10〜5、
2.1×10〜5、3.5×10〜5、4.4×10〜5、
5.1×10〜5、6.0×10〜5、6.5×10〜5、
7.0×10〜5Torrの8通りの場合について行い、
合計8種類のCo蒸着膜を得た。これら8種類のCo蒸着
膜中の平均の酸素含有量の測定結果とVSM(試料振動
型磁力計)により、前記膜の面内方向および面に垂直な
方向に磁場を印加した時の同膜の磁気特性を測定した。
その結果を図2に図表として示す。図表中、⊥、//はそ
れぞれ印加磁界が膜面に垂直方向、膜面内方向であるこ
とを示している。図2から分かるように、酸素分圧が高
く、すなわち酸素含有量が多くなるに従い、Co蒸着膜
の飽和磁束密度4πMsは減少して行く。これに対し
て、膜面に垂直方向に測定した時の角型比Mr⊥/Ms、
保磁力Hc⊥はともにはじめは増加し、飽和磁束密度が
6500G(ガウス)、5300Gにおいては、垂直方
向に測定した角型比は面内で測定した角型比よりかなり
大きくなっている(試料No.A−4,A−5)。この
ことは明らかに垂直磁化膜が実現したことを示してい
る。さらに、酸素含有量が増加し、飽和磁束密度が減少
して行くと、垂直方向で測定した角型比、保磁力ともに
減少して行く傾向を示すが、飽和磁束密度が3500G
程度までは垂直方向と面内方向に測定した角型比が同程
度であり(試料No.A−6,A−7)、また、垂直磁
化膜となっていることが分かる。なお、膜面に垂直方向
で測定した角型比、保磁力の両方共が面内方向で測定し
た値よりも小さい場合が(試料No.A−2)、面内磁
化膜である。また、試料No.A−3は、角型比は膜面
に垂直方向で測定した値の方が面内方向で測定した値よ
り小さいが、保磁力は垂直方向で測定した値の方が面内
方向で測定した値よりも大きいので垂直磁化を十分に実
現できる垂直磁化膜である。なお、前記Co蒸着におけ
る、基板に対するCo蒸気の実際の入射方向は、基板表
面の垂線方向に対して5度以内であった。
げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。 <実施例1>図1に示した抵抗加熱型蒸着装置を用い、
光学研磨されたガラス基板上にCoの蒸着を行なった。
図1において、1はガラス基板、2は蒸着源、3はニー
ドルバルブ、4は基板加熱用ヒータである。上記の装置
を用い、Co蒸気流と基板法線のなす角度θを0°に設
定し、基板温度100℃、蒸着速度300Å/minの一
定条件で、酸素分圧を種々変化させ、膜厚0.1μmの
Co蒸着膜を作製した。蒸着は酸素分圧が0×10〜5、
2.1×10〜5、3.5×10〜5、4.4×10〜5、
5.1×10〜5、6.0×10〜5、6.5×10〜5、
7.0×10〜5Torrの8通りの場合について行い、
合計8種類のCo蒸着膜を得た。これら8種類のCo蒸着
膜中の平均の酸素含有量の測定結果とVSM(試料振動
型磁力計)により、前記膜の面内方向および面に垂直な
方向に磁場を印加した時の同膜の磁気特性を測定した。
その結果を図2に図表として示す。図表中、⊥、//はそ
れぞれ印加磁界が膜面に垂直方向、膜面内方向であるこ
とを示している。図2から分かるように、酸素分圧が高
く、すなわち酸素含有量が多くなるに従い、Co蒸着膜
の飽和磁束密度4πMsは減少して行く。これに対し
て、膜面に垂直方向に測定した時の角型比Mr⊥/Ms、
保磁力Hc⊥はともにはじめは増加し、飽和磁束密度が
6500G(ガウス)、5300Gにおいては、垂直方
向に測定した角型比は面内で測定した角型比よりかなり
大きくなっている(試料No.A−4,A−5)。この
ことは明らかに垂直磁化膜が実現したことを示してい
る。さらに、酸素含有量が増加し、飽和磁束密度が減少
して行くと、垂直方向で測定した角型比、保磁力ともに
減少して行く傾向を示すが、飽和磁束密度が3500G
程度までは垂直方向と面内方向に測定した角型比が同程
度であり(試料No.A−6,A−7)、また、垂直磁
化膜となっていることが分かる。なお、膜面に垂直方向
で測定した角型比、保磁力の両方共が面内方向で測定し
た値よりも小さい場合が(試料No.A−2)、面内磁
化膜である。また、試料No.A−3は、角型比は膜面
に垂直方向で測定した値の方が面内方向で測定した値よ
り小さいが、保磁力は垂直方向で測定した値の方が面内
方向で測定した値よりも大きいので垂直磁化を十分に実
現できる垂直磁化膜である。なお、前記Co蒸着におけ
る、基板に対するCo蒸気の実際の入射方向は、基板表
面の垂線方向に対して5度以内であった。
【0006】<実施例2>垂直磁化膜の得られる作製条
件、酸素分圧5.1×10〜5Torr、蒸着速度約300
Å/minの一定条件で、基板温度を50〜200℃の範
囲で変化させて膜厚0.1μmのCo蒸着膜の作製を行
った。基板温度を変化させたこと以外は実施例1の試料
No.A−5と同じである。基板温度は200℃、13
0℃、100℃、50℃と4通りに変化させ、4種類の
Co蒸着膜を作製し、実施例1と同様な方法で、それら
の磁気特性を測定した。その結果を図3に図表として示
す。上記の図表から、垂直磁化膜を得るには基板温度が
非常に重要な作製条件となっていることが分かる。すな
わち、基板温度が130℃以下の低温においては、膜面
に垂直方向で測定した角型比は、膜面内方向で測定した
値に等しいか、あるいは大きくなる。同様に、保磁力は
垂直方向で測定した値の方が面内方向で測定した値より
大きくなり、垂直磁化膜が実現していることが分かっ
た。これに反して、基板温度が200℃になると、膜面
に垂直方向で測定した角型比、保磁力ともに膜面内方向
で測定した値よりも低下し、磁化容易軸方向は膜面配向
となってしまうことが分かった。
件、酸素分圧5.1×10〜5Torr、蒸着速度約300
Å/minの一定条件で、基板温度を50〜200℃の範
囲で変化させて膜厚0.1μmのCo蒸着膜の作製を行
った。基板温度を変化させたこと以外は実施例1の試料
No.A−5と同じである。基板温度は200℃、13
0℃、100℃、50℃と4通りに変化させ、4種類の
Co蒸着膜を作製し、実施例1と同様な方法で、それら
の磁気特性を測定した。その結果を図3に図表として示
す。上記の図表から、垂直磁化膜を得るには基板温度が
非常に重要な作製条件となっていることが分かる。すな
わち、基板温度が130℃以下の低温においては、膜面
に垂直方向で測定した角型比は、膜面内方向で測定した
値に等しいか、あるいは大きくなる。同様に、保磁力は
垂直方向で測定した値の方が面内方向で測定した値より
大きくなり、垂直磁化膜が実現していることが分かっ
た。これに反して、基板温度が200℃になると、膜面
に垂直方向で測定した角型比、保磁力ともに膜面内方向
で測定した値よりも低下し、磁化容易軸方向は膜面配向
となってしまうことが分かった。
【0007】<実施例3>垂直磁化膜の得られる条件、
酸素分圧4.4×10〜5Torr、蒸着速度約300Å/m
in、基板温度100℃において、膜厚を0.02〜0.2
μmの範囲で変化させ、Co蒸着膜の作製を行なった。
膜厚を変化させたこと以外は実施例1の試料No.A−
4と同じである。膜厚は0.02μm、0.05μm、
0.1μm、0.2μmと4通りに変化させ、4種類のC
o蒸着膜を作製し、実施例1と同様な方法で、それらの
磁気特性を測定した。その結果を、図3に図表として示
す。上記図表から明らかなように、膜厚が0.02μm
の場合には、その磁化容易軸は膜面内にあるが、膜厚が
0.05μm以上になると良好な垂直磁化膜となる。ま
た、膜厚の上限は実用上0.5μm程度が好ましい。な
お、以上の実施例で述べたCo蒸着膜の作製条件、例え
ば、酸素分圧はCoの蒸着速度との相対的な関係によっ
て定まるものであり、以上の実施例の制限を受けるもの
ではない。また、蒸着膜の作製は真空蒸着法以外に電子
ビーム蒸着法を用いても同様の結果が得られる。また、
本発明によって得られるCo蒸着膜は金属Coとその酸化
物の混存したものとなっており、Co−Cr合金膜に比較
して、曲げ剛性率は小さくなり、テープ状あるいはフロ
ッピイディスク状の柔軟性が必要とされる記録媒体とし
ても好ましい機械的特性を有している。なお、蒸着用の
基体としては、従来用いられている有機ポリマー、例え
ばポリエステル、あるいは表面に絶縁膜を形成した金属
板、例えばAl板等が用いられる。また、基体の形状は
通常、長尺状もしくは円板状とするが、必要に応じて任
意の形状としてもよい。さらに基体表面にパーマロイ等
の高透磁率特性を有する薄膜を形成し、その上にCo系
垂直磁化膜を被着した2層膜垂直磁気記録媒体において
も本発明が適用できることは言うまでもない。
酸素分圧4.4×10〜5Torr、蒸着速度約300Å/m
in、基板温度100℃において、膜厚を0.02〜0.2
μmの範囲で変化させ、Co蒸着膜の作製を行なった。
膜厚を変化させたこと以外は実施例1の試料No.A−
4と同じである。膜厚は0.02μm、0.05μm、
0.1μm、0.2μmと4通りに変化させ、4種類のC
o蒸着膜を作製し、実施例1と同様な方法で、それらの
磁気特性を測定した。その結果を、図3に図表として示
す。上記図表から明らかなように、膜厚が0.02μm
の場合には、その磁化容易軸は膜面内にあるが、膜厚が
0.05μm以上になると良好な垂直磁化膜となる。ま
た、膜厚の上限は実用上0.5μm程度が好ましい。な
お、以上の実施例で述べたCo蒸着膜の作製条件、例え
ば、酸素分圧はCoの蒸着速度との相対的な関係によっ
て定まるものであり、以上の実施例の制限を受けるもの
ではない。また、蒸着膜の作製は真空蒸着法以外に電子
ビーム蒸着法を用いても同様の結果が得られる。また、
本発明によって得られるCo蒸着膜は金属Coとその酸化
物の混存したものとなっており、Co−Cr合金膜に比較
して、曲げ剛性率は小さくなり、テープ状あるいはフロ
ッピイディスク状の柔軟性が必要とされる記録媒体とし
ても好ましい機械的特性を有している。なお、蒸着用の
基体としては、従来用いられている有機ポリマー、例え
ばポリエステル、あるいは表面に絶縁膜を形成した金属
板、例えばAl板等が用いられる。また、基体の形状は
通常、長尺状もしくは円板状とするが、必要に応じて任
意の形状としてもよい。さらに基体表面にパーマロイ等
の高透磁率特性を有する薄膜を形成し、その上にCo系
垂直磁化膜を被着した2層膜垂直磁気記録媒体において
も本発明が適用できることは言うまでもない。
【0008】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の金
属CoとCoの酸化物からなる垂直磁化膜を用いた垂直磁
気記録媒体は、垂直磁化膜として従来のCo−Crあるい
はCo−V系等の合金材料を用いることなく、膜厚0.1
μm以下においても良好な垂直磁化膜となり、かつ曲げ
剛性率がCo−Cr系合金膜に比較して小さく、優れた特
性を持つ垂直磁気記録媒体を実現することができる。ま
た、原料としてCo金属を用いるだけで良好な磁気特性
を有する垂直磁気記録媒体を容易に作製することができ
るので実用上の価値は極めて大きい。
属CoとCoの酸化物からなる垂直磁化膜を用いた垂直磁
気記録媒体は、垂直磁化膜として従来のCo−Crあるい
はCo−V系等の合金材料を用いることなく、膜厚0.1
μm以下においても良好な垂直磁化膜となり、かつ曲げ
剛性率がCo−Cr系合金膜に比較して小さく、優れた特
性を持つ垂直磁気記録媒体を実現することができる。ま
た、原料としてCo金属を用いるだけで良好な磁気特性
を有する垂直磁気記録媒体を容易に作製することができ
るので実用上の価値は極めて大きい。
【図1】本発明の蒸着膜の作製に用いた抵抗加熱型蒸着
装置の概略断面図。
装置の概略断面図。
【図2】分圧の異なる酸素雰囲気中で、基板温度100
℃、蒸着速度約300Å/minとして基板に垂直に蒸着
した膜厚0.1μmのCo蒸着膜の酸素含有量と磁気特性
を示す図表。
℃、蒸着速度約300Å/minとして基板に垂直に蒸着
した膜厚0.1μmのCo蒸着膜の酸素含有量と磁気特性
を示す図表。
【図3】分圧5.1×10〜5Torrの酸素雰囲気中で、
蒸着速度約300Å/minとして基板温度を変えて基板
に垂直に蒸着した膜厚0.1μmのCo蒸着膜の磁気特性
を示す図表。
蒸着速度約300Å/minとして基板温度を変えて基板
に垂直に蒸着した膜厚0.1μmのCo蒸着膜の磁気特性
を示す図表。
【図4】分圧4.4×10〜5Torr、蒸着速度約300
Å/min、基板温度100℃として膜厚を変えて基板に
垂直に蒸着したCo蒸着膜の磁気特性を示す図表。
Å/min、基板温度100℃として膜厚を変えて基板に
垂直に蒸着したCo蒸着膜の磁気特性を示す図表。
【符号の説明】 1…ガラス基板 2…蒸着源 3…ニードルバルブ 4…基板加熱用ヒータ
フロントページの続き (72)発明者 藤原 英夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 奥脇 東洋治 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】非磁性基体と、該非磁性基体表面上に形成
された垂直磁化膜を有する垂直磁気記録媒体において、
上記垂直磁化膜は実質的に金属CoとCoの酸化物からな
り、上記垂直磁化膜中の酸素含有量は18〜40原子%
であり、かつ上記垂直磁化膜の膜厚は0.05〜0.5μ
mであることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項2】請求項1において、Co酸化物はCoOであ
ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項3】請求項1または請求項2において、金属C
oの結晶粒子は針状粒子であり、該針状粒子の長軸は、
非磁性基体表面に対し実質上垂直方向に配向しており、
かつ上記金属Coの結晶粒子のc軸は、上記非磁性基体
表面に対し実質上垂直方向に配向してなることを特徴と
する垂直磁気記録媒体。 - 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
おいて、非磁性基体は有機ポリマーからなることを特徴
とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
おいて、垂直磁化膜は、非磁性基体上に形成された高透
磁率特性を有する薄膜を介して形成してなることを特徴
とする垂直磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18799492A JPH0690781B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 垂直磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18799492A JPH0690781B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 垂直磁気記録媒体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1299283A Division JPS59140629A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | 垂直磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05189735A JPH05189735A (ja) | 1993-07-30 |
JPH0690781B2 true JPH0690781B2 (ja) | 1994-11-14 |
Family
ID=16215773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18799492A Expired - Lifetime JPH0690781B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 垂直磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0690781B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7482071B2 (en) * | 2005-05-24 | 2009-01-27 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Perpendicular magnetic recording disk with improved recording layer having high oxygen content |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP18799492A patent/JPH0690781B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05189735A (ja) | 1993-07-30 |
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