JPH0689431B2 - Ni―Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金 - Google Patents

Ni―Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金

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JPH0689431B2
JPH0689431B2 JP61073960A JP7396086A JPH0689431B2 JP H0689431 B2 JPH0689431 B2 JP H0689431B2 JP 61073960 A JP61073960 A JP 61073960A JP 7396086 A JP7396086 A JP 7396086A JP H0689431 B2 JPH0689431 B2 JP H0689431B2
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plating
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aluminum alloy
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magnetic disks
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照生 宇野
清一 平野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気ディスク用アルミニウム合金、特に、Ni−
Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金に
関するものである。
[従来の技術] 磁気ディスクは一般にアルミニウム合金基板の表面を精
密研磨した後に磁性体薄膜を被覆させたものであり、こ
の磁性体薄膜を磁化させることにより信号を記録する。
この磁気ディスク用基板には以下のような特性が要求さ
れる。
(1)精密研磨あるいは切削後の表面精度が良好なこ
と、 (2)磁性体薄膜の欠陥の原因となる基板表面の突起や
穴が少なく、かつ小さいこと、 (3)ある程度の強度を有し、基板製作時の機械加工、
使用時の高速回転にも耐え得ること、 (4)軽量、非磁性であり、ある程度の耐食性を有する
こと、 従来、このような特性を有する磁気ディスク用基板とし
てAl−Mg−Mn−Cr系の5086合金やその改良合金が使用さ
れてきた。
近年、磁気ディスクに対する高密度化、大容量化等の要
求が高まり、この基板に適したアルミニウム合金や基板
に対する磁性体薄膜の被覆法の開発が望まれている。
磁性体を基板表面に被覆する方法として、これまでは塗
布法が主体であったが、近年、メッキ法、スパッター法
等が開発され、高密度磁気ディスクへの適用が進められ
ている。
メッキ型磁気ディスクを製造するには、磁性体を形成す
る以前に基板の平滑性をより向上させるため、基板上に
Ni−P系の中間層メッキを形成させた後に再度研磨す
る。しかし、アルミニウム基板上に直接中間層メッキ処
理すると、メッキ層の密着性が悪いために、良質な中間
層メッキを施すにはアルミニウム基板の前処理が必要で
ある。
そのため、一般には酸性溶液により基板表面をエッチン
グにより均一粗面化し、Zn置換法によるZnメッキが施さ
れ、その上にNi−P系の中間層がメッキされる。
従って、メッキ型磁気ディスクの性能は、下地処理であ
る均一粗面化の程度、Znメッキ性、Ni−P中間層のメッ
キ性に左右されるので、欠陥がなく、しかも密着性にす
ぐれたNi−Pメッキを行う必要がある。そのためには、
基板となるアルミニウム素材についても、メッキ性を考
慮した合金組成や製造法を検討する必要がある。
[発明が解決しようとする問題点] この発明は、Ni−Pメッキ処理時に欠陥が少なく、Ni−
Pメッキ層の密着性が良好で、しかも製造の容易な磁気
ディスク用アルミニウム合金を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するためのこの発明の構成は下記のと
おりである。
(1)Zn4〜7%、Mg1.5〜3.5%、Cu0.8〜2.0%、Ti0.0
01〜0.05%を含み、残りアルミニウムと不純物よりな
り、不純物としてのFe、SiがFe≦0.15%、Si≦0.10%で
ありNi−Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウ
ム合金。
(2)Zn4〜7%、Mg1.5〜3.5%、Cu0.8〜2.0%、Ti0.0
01〜0.05%を含み、さらにMn0.05〜0.5%、Cr0.05〜0.2
5%、Zr0.05〜0.25%の1種以上を含み残りアルミニウ
ムと不純物よりなり、不純物としてのFe、SiがFe≦0.15
%、Si≦0.10%であるNi−Pメッキ性に優れた磁気ディ
スク用アルミニウム合金。
上記構成に記載の各成分の含有量の限定理由は下記のと
おりである。
Zn:ZnはMgと共存してMgZn2化合物を形成し、この化合物
は前処理酸洗により溶解して均一微細なエッチピットを
形成し、適当な粗さを基板に付与し、メッキ層の密着性
を向上させるばかりでなく、ジンケート層を基板に均一
に付着させ、その後のNi−Pメッキ層の密着性の向上に
有効である。下限未満ではこの効果が少なく、上限を越
えると熱間加工性が低下する。
Mg:Mgは強度の向上に寄与するばかりでなく、ZnとMgZn2
化合物を形成し、前処理酸洗による均一微細なエッチピ
ットの形成に寄与し、Ni−Pメッキ層の密着性や欠陥の
防止に有効である。
下限未満ではこの効果が小さく、上限を越えると熱間加
工性が低下する。
Cu:CuはZnやMgと同様に強度を向上させると共にAlZnMgC
u系化合物を形成し、前処理酸洗によるエッチピットの
形成に寄与する。そのため、Ni−Pメッキ層の密着性の
向上や欠陥の防止に有効である。下限未満では上記効果
が十分でなく上限を越えると鋳造時の鋳塊割れの問題が
ある。
Ti:鋳造組織を微細にして、鋳造割れの防止に寄与す
る。下限未満ではこの効果が不十分であり、上限を越え
てもこの効果が飽和する。
Mn、Cr、Zr:これらの元素は均質化処理時に微細な金属
間化合物として析出し、結晶粒の微細化に寄与する。下
限未満ではこの効果が不十分であり、上限を越えると巨
大な金属間化合物が晶出するので好ましくない。
Fe、Si:Fe、Siはアルミニウム中にほとんど固溶せず、
金属間化合物として析出するが、Fe、Si量が多い場合に
は、Al−Fe系、Al−Fe−Si系等の粗大な金属間化合物が
多数存在し、メッキ欠陥の原因となるため、不純物量と
してのFe、SiはFe≦0.15%、Si≦0.10%とする。
その他の不純物はおのおの0.05%以下である。
本発明における前処理酸洗は50%HNO3液に50g/lの酸性
フッ化アンモンを添加した30℃の溶液中に50秒浸漬する
ことにより行った。
Znメッキ法は、例えばNaOH300g/l、ZnO80g/lを溶解した
15〜25℃の水溶液中に数秒ないし数分間浸漬することに
より基板表面にZnを析出させる方法により行われる。
また、Ni−Pメッキ法は次亜リン酸を還元剤とする無電
解Ni−Pメッキ法であり、通常80〜90℃で2〜4hr処理
することにより15〜30μmのメッキ層が形成される。Ni
−Pメッキ後の皮膜には欠陥がないこと、密着性がよい
こと等が必要である。
アルミニウム中に粗大な金属間化合物が存在すると、化
合物がメッキ後まで残存したり、あるいは前処理酸洗時
に粗大ピットを形成してNi−Pメッキ欠陥となるため、
良好なメッキ面は得られない。
また、前処理酸洗時に均一に粗面化されない場合やジン
ケートの密着性が悪いとNi−Pメッキ層の密着性が低下
する。
この発明は、Zn、Mg、Cu等を適度に添加することにより
前処理酸洗時に均一粗面化をはかると共にジンケートの
密着性を向上させ、Ni−Pメッキ層の密着性の向上を目
的としている。さらに、Mn、Cr、Zrの添加による結晶粒
の制御やFe、Si等の不純物元素の制御による粗大な金属
間化合物の減少によりメッキ欠陥を減少させたものであ
る。
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。な
お、実施例に記載の各化学成分の量(%)は重量%であ
る。
実施例1 第1表に示す化学成分を有する100mm厚の鋳塊を製作し
た。この鋳塊を、480℃で24hrの均質化処理後に430℃で
熱間圧延を開始し、板厚6mmに圧延した。熱間圧延板を3
70℃で焼鈍し、冷間圧延して2mm板とし、その後220℃で
2hr焼鈍して半硬材とした。
この材料について、荒切削、歪取り焼鈍(380℃)後に
ダイヤモンド仕上切削により鏡面仕上し、ZnメッキとNi
−Pメッキを行った場合の諸特性を第2表に示す。
ただし、Ni−Pメッキは市販の無電解Ni−Pメッキ液の
90℃のものに3時間浸漬して実施した。また、第1表、
第2表ともNo.1〜6は本発明の実施例の合金、No.7以降
は比較例の合金である。そのうち、No.12は5086合金で
ある。
上記結果およびその他の所見を要約すると下記のとおり
である。
No.1〜6 :メッキ欠陥が少なく、Ni−Pメッキのピール
強度が高く、密着性も良好である。
No.7 :不純物が多くメッキ欠陥数が多い。
No.8 :鋳塊割れや巨大金属間化合物が生じた。
No.9 :メッキ欠陥数が多く、メッキ層の密着性が弱
い。
No.10〜11:強度が低く、メッキ層の密着性も弱い。
No.12 :メッキ層の密着性が弱い。
実施例2 第3表に示す化学成分を有する100mm厚の鋳塊を製作
し、実施例1と同じ方法で板厚2mmの半硬材とした。こ
の材料に実施例1と同じ方法でNi−Pメッキを行った場
合の特性を第4表に示す。
ただし、Ni−Pメッキ条件、評価法等は実施例1と同じ
である。No.1〜6が実施例、No.7以降は比較例である。
以上の結果およびその他の所見を要約すると下記のとお
りである。
No.1〜6 :メッキ欠陥が少なく、メッキ層の密着性が良
好である。
No.7 :不純物量が多く、メッキ欠陥が多い。
No.8 :鋳塊割れが生じた。
No.9 :メッキ欠陥が多く、メッキの密着性も悪い。
No.10〜11:メッキ層の密着性が悪く、強度も低い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、前処理酸洗によ
って均一な粗面化ができ、その結果Ni−Pメッキの密着
性が向上する。
また、粗大な金属間化合物の生成を抑制できるのでメッ
キ欠陥が少なくなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn4〜7%,Mg1.5〜3.5%,Cu0.8〜2.0%,Ti
    0.001〜0.05%を含み、残りアルミニウムと不純物より
    なり、不純物としてのFe,SiがFe≦0.15%,Si≦0.10%で
    あるNi−Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウ
    ム合金。
  2. 【請求項2】Zn4〜7%,Mg1.5〜3.5%,Cu0.8〜2.0%,Ti
    0.001〜0.05%を含み、さらにMn0.05〜0.5%,Cr0.05〜
    0.25%,Zr0.05〜0.25%の1種以上を含み残りアルミニ
    ウムと不純物よりなり、不純物としてのFe,SiがFe≦0.1
    5%,Si≦0.10%であるNi−Pメッキ性に優れた磁気ディ
    スク用アルミニウム合金。
JP61073960A 1986-03-31 1986-03-31 Ni―Pメッキ性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金 Expired - Lifetime JPH0689431B2 (ja)

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